衆院の選挙制度改革をめぐって、多くの党が議員定数の削減を競っています。 議員定数を掲げる各党に共通する主張は、2014年度から消費税率が引き上げられることに伴い、国会自らが「身を切る」姿勢を国民に示さなければならないというものです。 もっともらしく聞こえますが、多くの疑問点が浮かびます。 例えば、今の選挙制度改革の焦点は、司法から「違憲」と判断された1票の格差の是正に移っています。1票の価値が等しくなければならないという考え方の是非を別にすれば、定数削減は、格差是正とは逆方向に進みます。都道府県に人口比例で選挙区を割り振るやり方だと、母数が小さくなるほど1票の格差が拡大する傾向があるからです。実際、中選挙区制当時は、「1票の格差」が問題になると、定数を増やして是正を図っていたものです。 定数を削減すると「1票の格差」が拡大傾向 現在、自民党と公明党が成立を急いでいる「0増5減」(5県で一つ