「人なつこい笑顔の女の子」 ひなちゃんって、どんな子なんだろう。バス停につくまでの間、想像が膨らみます。 一口にダウン症といっても、個人差は大きいので、実際に会ってみるまで、どんな子なのかはわかりません。 午前7時半。ひなちゃんがお母さんと一緒にやってきました。「人なつこい笑顔の女の子」。それが第一印象でした。 「送り迎え、いつまでも続けられないのでは……」 長野市に住む小島陽向子さん(10)が、バスを乗り継いで一人で学校へ行く練習を始めたのは、昨年11月のことです。ダウン症のひなちゃんは、それまで、市内にある長野養護学校へ、母の聖子さん(52)とふたりでバス通学したり、車で送ってもらったりしていました。 「ひとりで学校に行けるようになってほしい」 そこには、娘の将来を考えた聖子さんの思いがありました。 「この先、中学に進学したり、就職したりすれば、どうなるんだろう」 大人になった子どもを