原作漫画「この世界の片隅に」で登場する「傘問答(床入り問答)」の実話のネタバレや解説です。 ■「この世界の片隅に」の傘問答原作漫画や映画「この世界の片隅に」の中で、祖母が浦野スズに結婚初夜の作法を教えるシーンがある。 向こうの家で結婚式を挙げたら、その日の夜に婿さんが「傘を一本持ってきた?」と尋ねるので、「はい。新な(にいな)のを1本持ってきました」と答えなさい。それで、婿さんが「さしてもいいかいの?」と言ったら、「はい」と答えなさい。 これは、新婚初夜の行為に前に行われた床入り作法の1つで、「床入り問答」と呼ばれるものである。 傘を使った問答なので「傘問答」と呼ばれ、広島県高田郡八千代町土師で実際に行われていた初夜の作法である。 そこで、今回は実話の「床入り問答」と、そのバリーションを紹介したい。 ■実話の「床入り問答」昼に祝言を挙げるのは戦後に定着した習慣で、戦前の祝言は夕方から始まっ