11月9日、四国エリアで過去最大となる36万戸の大停電が発生した。四国電力送配電は、関西電力送配電との認識の違いによって起きた「操作ミス」が原因として謝罪した。状況を一見すると「想定外」の事態にも感じられるが、電力システムの専門家は事前に想定できたという認識を示す。さらに停電が起きた背景には、一般送配電事業者間の連携不足が見え隠れする。 秋の穏やかな土曜日の夜、四国の広い地域が突然漆黒の闇に包まれた。11日9日の20時22分に発生した大規模な停電は、瞬く間に36万5300戸の電力供給を絶ち、ニュース番組は次々と光を失っていく街の様子を、こぞって映し出していた。 大規模停電は、基礎インフラである道路の信号や飛行場の誘導灯などの光も奪い、徳島県では暗くなった室内で2人が転倒し、病院へと搬送された。調整運転中だった伊方原発3号機は停電により外部電源を1系統しか確保できなくなり、独立した2系統を確