中国に進出している日本の大手外食チェーンで、店舗数が最も多いのは153店を展開する牛丼チェーンの吉野屋だ(台湾を除く。店舗数は同社ホームページより)。しかし、国内では吉野家よりはるかに小粒だが、中国では2倍以上の324店を展開する日本の外食チェーンが存在する。そう聞いて、すぐに社名が思い浮かぶだろうか? その答えは、九州の熊本市に本社を置く重光産業。「味千(あじせん)ラーメン」の屋号で、地元熊本を中心に国内に105店を構える中堅ラーメン・チェーンだ。 40年前の1968年、熊本県庁前のわずか7坪(約23平方メートル)の敷地に開店した小さなラーメン屋から出発した。白濁するまで豚骨を煮込んだスープに細麺を組み合わせ、煮卵やキクラゲをトッピングするのが特徴の「熊本ラーメン」の草分けの1つである。 熊本の地方チェーンが中国で大化け 創業者で前社長の重光孝治氏(故人)は、出身地である台湾の調味料にヒ