日本の生命線だからこそ、民間も含めた国民全体の議論を科学技術・イノベーション本部を真の司令塔にするために 東京財団研究員・政策プロデューサー 亀井善太郎 1.平成24年度の科学技術予算12.9%増、4.1兆円を要求する政府10月13日、平成24年度年度の科学技術予算の概算要求額が明らかになった。政府全体では4兆1123億円で前年比12.9%増の水準だ。内訳は文部科学省の2兆8323億円(前年比15.6%増)、経産省5816億円(同0.8%減)、環境省615億円(同56.6%増)となっている。 我が国の科学技術予算は一貫して巨額の資金と投じてきた。そのペースは社会保障関係費を上回る伸びで、平成元年の水準と比較すると3倍以上の水準にある(主要経費である科学技術振興費での比較、社会保障関係費は2倍程度)。 これだけの巨額の資金を投じてきたものの、目ぼしい成果は上がってきたとは言い難い。成果として