連立一次方程式は、複数の一次方程式を同時に満足する解を求めるものである。例えば、電気回路網の基本法則はオームの法則と、キルヒホッフの法則である。電気回路では各岐路の電流を任意に定義できるが、回路網が複雑になると、その値を求めることは容易ではない。各岐路の電流を定義し、キルヒホッフの法則を用いて、電圧と電流の関係を表す一次方程式を作り、それを連立して解けば各電流の値を求めることができる。ここでは、連立方程式の作り方として、電気回路網を例に、岐路電流法および網目電流を解説する。また、解き方としての消去法、置換法および行列式による方法を解説する。行列式による方法は多元連立一次方程式を機械的に解くのに便利である。