社会人NO・1投手と称され、今秋ドラフト1位候補の最速153キロ右腕・栗林良吏投手(24=名城大)が、12球団35人のスカウトの前で、実力を見せつけた。

都市対抗野球東海地区2次予選1回戦の東邦ガス戦(岡崎)に先発。7回10奪三振で2安打無失点に抑え、9-2の初戦突破を導いた。「初回から飛ばしていきました。2ストライクに追い込んだら三振がベスト」。この日最速は150キロ。カーブ、フォークも交えて緩急を自在に操った。

ネット裏には阪神和田テクニカルアドバイザー(TA)、オリックス福良GM、ヤクルト小川GM、DeNA進藤編成部部長、中日松永編成部部長、日本ハム大渕スカウト部長、西武潮崎編成グループディレクターら、各球団のトップクラスが顔をそろえた。阪神和田TAは「スピードも球のキレも制球も申し分なし。上位じゃないと取れない」と絶賛。即戦力を期待できるとして、各球団の評価を一層高める投球になった。

愛知黎明時代に甲子園出場はないが、名城大では愛知リーグで32勝(15敗)を挙げてブレーク。社会人で一躍ドラフト1位候補に成長し、この2次予選がドラフト前最後の公式戦になる。「チームも勝って自分もプロに行けたら」。プロへのさらなるアピールと並行して、東京ドーム切符をつかみにいく。【石橋隆雄】