岸田総理がウクライナのゼレンスキー大統領への手土産に必勝しゃもじを選んだことが、国内外と言うか、日本とウクライナとロシアで話題になっている。必勝しゃもじは、日露戦争のときに軍人が出征前に駄洒落でしゃもじを奉納していたことからはじまった、岸田総理の地元広島宮島の厳島神社の御守りだそうだ。
ウクライナでは見慣れないモノに困惑し*1、ロシアでは挑発と理解され*2、日本では野党や左派から非難を受けている。日本での非難は、ざっと見た限り、地元のお土産を持っていくのはちゃらくて失礼という批判*3と、勝利ではなく終戦を祈れという批判*4に分かれている。
岸田総理は、ロシアのウクライナ侵攻は力による現状変更であって許されないと明言してきており*5、従来路線を踏襲したものに過ぎないので、外交姿勢にブレはなく強い非難にはあたらない。ちゃらいと言えばちゃらいが、ウクライナでも話題になっているらしいし、存在感を示せたのは悪くない。勝利ではなく終戦を祈れというのも、ロシアがウクライナを制圧して終戦するのは我が国の方針とあわないので、終戦を祈るのは外交姿勢を誤解させることになる。うまい手土産が思いつかないし*6。
*1Кішіда подарував Зеленському японський кухонний інструмент - PostEat
*2岸田首相のウクライナ訪問に論評 広島名物「必勝しゃもじ」は挑発―ロシア:時事ドットコム
*3首相ウクライナに“必勝しゃもじ”立民泉代表「違和感拭えず」 | NHK | ウクライナ情勢
*4朝日新聞政治部記者の鬼原民幸氏が「祈るのべきは戦争の「必勝」ではなくて、一刻も早い「終戦」ではないでしょうか。」と非難している。朝日新聞の見解かは分からないので注意しよう。
*5日印首脳「力による現状変更許さず」 ロシア侵攻を協議 - 日本経済新聞
*6悪霊退散の刀印護符か御神刀を手土産に、ウクライナ領からのロシア軍の撤退を願うのはアリかも知れないが、悪霊あつかいであることにロシアから文句が来る。
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