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発達障害の人が見ている世界 岩瀬俊郎著 2022年9月アスコム刊

(目次)

序章 発達障害ってなんだろう?

 ADHD,ASD特性チェック

第1章 コミュニケーションの困りごと

 1 悪気はないのになぜか人を怒らせてしまいます

 2 人との会話がなぜかいつも成立しません

 3 簡単そうに思える意思の疎通ができません

 4 人と比べると感情がいつも不安定です

コラム1 発達障害で起こりがちな二次障害 

第2章 行動の困りごと

 1 落ち着きがなく失敗の連続。周りに心配ばかりかけてしまいます

 2 周りの人といつもやることがズレています

 3 色々な「当たり前」がわからず、うまく振る舞えません

コラム2 その他の発達障害と合併症

第3章 発達障害の取り柄と強み

コラム3 発達障害の治療はどのような方法があるのか?

おわりに

 

【序章】

 発達障害は、病気ではなく、脳機能の4つの働きに偏りがある

眼窩前頭皮質:人に気持ちを想像する

大脳辺縁系:感情表現=喜怒哀楽、快・不快などの感情を司る

 ⇒大脳辺縁系が強いor大脳新皮質の機能が弱い⇒衝動的な喜怒哀楽

前頭葉(特に前頭前野):脳幹からの指令(常に動けという指令)を抑える

 ⇒前頭葉の働きが弱い⇒多動傾向(ADHG)

④島皮質:情動や共感・自己意識に関する

 ⇒島皮質の機能が弱い⇒感情のモニタリングができない

 ⇒自分の感情を顔に出したり、言葉にして表現できない    (P14~15)

ADHDの特性(P16~17)

①多動性・衝動性

②不注意

③傷つきやすさ:ミス、非評価で自己肯定感が低い

 ⇒失敗への不安感、拒絶されることへの敏感性⇒繊細さん:HSP

ASD;Autism Spectruum Disorder自閉スペクトラム症の特性(P18~19)

①コミュニケーション障害:相手の言葉、表情の裏側を想像する力が弱い

 ⇒空気が読めない人

②同一性の保持:変化に弱く、同じ行動を好む、考え方が固定化

 ⇒子どもの場合、電車、車に強い興味

③感覚過敏:感覚(五感)が生活に支障をきたすほどに敏感or鈍感

 

【第1章】

 ASDの人は、「これはこうだ」と頑なに思い込んでいる自分なりの世界観を持っていて、考えが非常に硬い。自分の世界観を変えてまで、その場の状況や相手に合わせて話すことが苦手(P32)

 意味通りの言葉でストレートに伝える⇔皮肉、嫌み、社交辞令は伝わらない(P39)

 聴覚情報は苦手&視覚情報優位

 ⇒集中してほしいときは、紙に書いた絵or文字を見せながら話しかける(P43)

 約束を守れない:物事の優先順位をつけるのが苦手or自分のことを優先vs約束

 人間関係に無頓着:自分が見ている事実そのものを重視⇒空気が読めない

 ⇒「真実を言わないことで、相手が不快になることを防ぐ」ことの重要性を伝える

 相手の表情、仕草、声の調子に隠されているメッセージを読み取る能力が弱い

 自分の興味・関心事以外の話に気持ちを向けるのが苦手

 ⇒伝えるべきことは、はっきり言葉にして伝える:①結論&②理由&③要望(P57)

 少しでも苦痛な話をされると、心地よくいられる「自分の世界」へと逃避する

 ⇒好きな物事に結び付けて話す(P58~61)

 曖昧な表現が苦手⇒具体的な表現で、時間を区切って、伝える(P62~65)

 気分が態度に直結しやすい子は、静かに理由を尋ねる。その理由に理解を示したうえで、「そういうときはこうしよう」と解決策を一緒に考える⇔頭越しにしかることを避ける(P68~71)

 集団行動ができない:みんなと一緒に行動する理由をわかっていない⇒自分の興味が上回るので、それを追求する⇒好きなことに没頭しているほうが心地よい⇒自分の世界を持っていることは強みでもある⇒自分の好きを追求できる環境を整える(P76~79)

 空気が読めず、忖度もせず、自分の理屈にこだわる⇒理解を示しながら、論理的に話す(P80~83)

 自己否定感の強い人には、共感し、傾聴し、落ち着いた頃に、よい部分を教えてあげる(P86~89)

 変化に弱く、不安を感じやすい子には、予告と新しいことについての説明をしておく(P90~93)

 無表情で嬉しいのか、悲しいのか、わからない⇒気持ちを表現するのが苦手なだけかも⇒本人の気持ちを代弁してあげる(P94~97)

 

【第2章】

 多動性、衝動性が強い子には、積極的に体を動かす時間をつくってあげる⇒「食事中は、半分食べ終わったら、一度歩いていいよ」といったルールを定め、その範囲内で動くことを許す(P102~105) 

 極端な偏食の原因として、感覚過敏(ASDの特性)の可能性がある。定型発達の人が感じているより何倍もの大きな刺激を受け止めている

⇒「これなら安心して食べられる」と感じられた少数の食物しか受け付けられなくなる

⇒本人からどこが嫌だったかを聞き取る⇒少しでも辛いものorカリカリした歯ざわりetc

⇒視覚の感覚過敏の可能性もあり得る(P150~153)

 遅刻⇒脳の時間的な見積もり能力の低さが原因かも?(P158)

 お風呂に入りたがらない子⇒触覚感覚が過敏な可能性(P162)

 聴覚過敏では、周りの音がすべて同じ大きさで聞こえる(P170)

 

【第3章】

 同一世の保持⇒ある種の職人、研究支援職(P176)

 多動性・衝動性⇒実業家・起業家(P177)