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数学

6×8は正解でも8×6はバッテン? 347

ストーリー by hylom
算数は読解能力の勉強なのです 部門より
sillywalk 曰く、

6×8は正解でも8×6はバッテン?あるいは算数のガラパゴス性」と題するブログエントリが、一部で話題となっています。筆者の娘(小2)が受けた小学校の算数テストについて、

8人にペンをあげます。1人に6本ずつあげるには、ぜんぶで何本いるでしょうか。

ご覧のように、「8×6」だとバッテンで、「6×8」だと正解らしい。何じゃこりゃ。僕がテストを受けたとしても「8×6」と書く。だって問題文はその順番に書いてあるから。さらに答の48本もバツ。丁寧に赤ペンで48本と直してくれている。さらに意味不明。

と述べられているのですが、この場合、「かける数」と「かけられる数」の関係を正しく理解していないと、正解にはならないようです。

なかなか興味深い内容にブログのコメント欄、ツイッターの「#掛算」ハッシュタグ、2ちゃんねるなどでちょっとした議論を呼んでいます。大人であれば「『8×6』『6×8』のどちらでも答えは同じ」と理解していますが、さて、掛け算の基礎を学ぶ小学2年生の段階ではどのように教えるべきなのでしょうか。/.J諸氏の見解をお聞かせ下さい。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • きっと教師は腐女子 (スコア:5, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2011年12月27日 19時39分 (#2072850)

    「逆カップリングなんて認められません!」

  • by kobachi (22060) on 2011年12月27日 20時58分 (#2072925) ホームページ

    家庭教師をしておりました時分、算数が苦手な子を担当したことがあります。その子の問題の解き方が

    この前かけ算を習ったので、まず『×』を書く。次に文章中に出てくる数字を2つ、『×』の前に1つ、後ろに1つ書く。式ができるので、それを計算する

    という問題の解き方でした。教育指導要領に書かれている「かけ算の順序が間違っている場合は、本質を理解していない」という脚注はこのような「論理的に立式するセンス」自体が備わっていない例を指すのだと思います。

    #そして、おそらくこういう問題の解き方をする人は、社会にもそれなりにいるのではないかと・・・

    立式の順序とか単位とかいう話ではなく、そもそも立式のアプローチ自体が間違っている子供を発見するために、「問題文の『かける数』『かけられる数』の順序を逆にして、計算式も逆だったら間違いにする」という対策をされているのだと思います。

    つまり問題は、「直前に習ったことしか使わないテストで理解力をはかる事」であり、そのテストの性質を応用した「バカでもできる攻略法」を防止するための対応がお粗末なだけなのではないかと思うわけです。立式や単位といった話は論点がぼやけている気がしてなりません。

    高校の数学の教科書にも、補助線を引けば直角三角形の面積の公式で解ける(中学校レベルの問題)のに、わざわざ三角関数を使って解いている例題がありました。論理的立式というのはあくまでも最低限の能力であり、習ったことを忘れて使わないのでは教育の意味がない気がします。

    #最近解かれたミレニアム問題では、複数の学問領域を組み合わせて駆使しているので
    #言っていることは大局的には間違っていないと思いたい

    • つまり問題は、「直前に習ったことしか使わないテストで理解力をはかる事」であり、そのテストの性質を応用した「バカでもできる攻略法」を防止するための対応がお粗末なだけなのではないかと思うわけです。

      やはりその場合も、焦点は立式と答えとを異なるものだとみなす部分にあるんじゃないかと。
      そして、「対応がお粗末」なのは、「立式」だけが間違っているのに、「答え」をも誤りだとした点にあるんじゃないでしょうか。
      んで、納得できていない人が大勢いるのは、立式部分に問題があると思います。

      1人に6本ずつペンをあげます。48本のペンなら、何人に配れるでしょうか。
      で、「6÷48=0.125」としたら、不正解とされても(大抵の人は)納得するでしょう。答えが違うから。
      「わられる数 ÷ わる数」を習った後のテストで「本質を理解していない」と言われて不満を持つ親はいないでしょう。

      8人にペンをあげます。1人に6本ずつあげるには、ぜんぶで何本いるでしょうか。ただし足し算で表現せよ
      で、「8+8+8+8+8+8=48」を不正解とすれば、(まあまあの人は)やはり納得するでしょう。
       # 8人に6本ずつを表現するなら、6本+6本+6本+6本+6本+6本+6本+6本とせよ、という事ですな。

      ただ、「8+8+8+8+8+8」を不正解とされて納得する人でも、「=48」が別採点なら、納得する人はさらに減るでしょう。
      偶然でもその部分においては正解しているので。
      もしも文脈で判断するなら、最初から採点はまとめて1箇所とすべきでしょう。

      「かけられる数 × かける数」を教える時に、「交換法則があるから、かける数 × かけられる数でも同じ」というのを同時に教えないというのも、順序として(納得できない人でも)理解はしてもらえるはずです。
       # 交換法則が常に成り立つわけではない以上、小学生への混乱を避ける意味では妥当なところかなあと。

      なので、ポイントはあくまでも「立式」の部分であって、対応がマズイのは「立式が間違っていたことで、答えをも間違いとした」という部分なんじゃないかと思います。
       # なので、親向けには「ただし、交換法則は成り立たない系を使用する」と入れとけば良いんじゃないかな:-P
       # まあ、学校側にも「引き算割り算の理解を容易にする為に、足し算掛け算での交換法則を無視するのを止めよ」という主張なら聞いてもらえるんでないかなー
       # ただ、乗法の定義は繰り返しの加法だったハズなので、「かけられる数 × かける数の順序はどうでも良いし、そんな決まりごとは無い」というのは聞いてもらえないんでないかな。

      親コメント
      • 8人にペンをあげます。1人に6本ずつあげるには、ぜんぶで何本いるでしょうか。ただし足し算で表現せよ
        で、「8+8+8+8+8+8=48」を不正解とすれば、(まあまあの人は)やはり納得するでしょう。

        どれだけの人が納得するかは知らないけど、それを不正解にするのは明らかに不当な取り扱いですね。

        親コメント
  • 教育現場の状況 (スコア:4, 参考になる)

    by taka2 (14791) on 2011年12月28日 10時40分 (#2073298) ホームページ 日記

    ちょっと出遅れちゃいましたが、現場の話。
    私の妻は小学校教師(しかも、以前「低学年の算数専門」をしてたこともある)なので、
    去年3x5=5x3問題が話題になった時にいろいろ話を聞きました。
    で、それをちょっとまとめておきます。

    ○かけ算の順番とは何か?
    授業の段階では、かけ算は「一当たりの数」×「いくつ分」という順番で考え、一当たりの数を左に「立式する」ことを徹底しています。
    かけ算は可換だからというコメントはいくつか出ていますが、それはこの場合関係ありません。
    6x8も8x6も答えは48ですが、「1人あたり6本」×「8人分」で、「6x8」という式になる、立式過程は、8x6で置き換えることはできないのです。
    単にかけ算の式を書かせるのではなく、「一当たりの数:[___] × いくつ分:[___] = こたえ[___]」のような穴埋めで考えさせるべきだ、という点に関しては議論の余地はかなりあると思います。

    ○なぜかけ算に順番が必要なのか?
    割り算でつまづかないためです。こちら [srad.jp]で紹介されているような、「問題文中に出ている数字を、今習っている演算子を適当に埋める」ような天然無能 [srad.jp]はある一定数存在します。そういった児童は、
    ・たし算の単元だから、問題文中の2数をたす
    ・ひき算の単元だから、問題文中の2数のうち大きい方から小さい方をひく
    ・かけ算の単元だから、問題文中の2数をかける
    ・わり算の単元だから、問題文中の2数のうち大きい方を小さい方でわる
    といったプロセスを辿ります。

    ここまでは方法で乗り切れるのですが、分数のわり算になると、「りんご2個を5人で分けました。一人何個になりますか?」という質問に「5÷2=5/2 答え5/2個」ってやっちゃうようになるわけです。
    この問題をより早期に検出するために、かけ算の段階で、順番を意識させるようにしているわけです。

    ○教師はどう考えているのか?
    教師の考え方にはいろいろあります。
    ・盲信派: 「かけ算は可換ではないと信じている」
    ・便法派: 「かけ算は可換だが、教育の便法として順序づけたかけ算を教えている」
      ・きつい便法派: とにかく順序を間違えたら×にすべし
      ・ゆるい便法派: 「授業」の段階では順序は守らなければならないが、前提条件が提示されていない「テスト」では順序が逆でも○にしてもいいだろう

    まあ、盲信派はかなり批判の対象でしょうね。去年の3x5=5x3問題のときは教師が盲信派だったのは確実で、そのせいか各所で燃え上がってました。
    でも、全ての教師が盲信派ではありません。そう決めつけるような教育批判はやめた方がいいかと思います。
    (今回の6x8問題の場合、教師が盲信派かどうかは不明ですね)

    私の妻の場合、大阪府で公立小学校の教師をしているのですが、公立だと都道府県内で異動があるためかその中では考えは統一されているようで、大阪府下の公立小学校教諭はおおむね「便法」として「かけ算を順序付き」で教えているという認識。ただし、「きつい便法派」と「ゆるい便法派」の対立はあります。

    ○教師個人の考えでこのルールは変更できるのか?
    同じ学年内、一人の教師で完結しているような、短期的に習熟度などが確認できるようなものに関しては、教師一人の裁量で教え方を変えている場合がよくあります。
    また、複数の教え方が考えられる場合、どの教え方が有効なのかについての研究も熱心です。定期的に「研究授業」が行われて、教育方法とその効果の違いを比較したりとか教師同士で議論してたりします。
    例えば、繰り上がりの足し算の方法とか。

    ところが、かけ算問題の場合「4年で習う割り算でつまづかないために、2年で習うかけ算に特殊な立式ルールを導入している」というのは状況を難しくしています。
    小学校の場合、クラス単位で担任が全ての授業を教え、学年が変わると担任が替わりますから、「4年と2年の教師でルールを統一」する必要があります。
    ですから教師個人の考えで勝手に教え方を変えることができません。学校内の関連する教師が相談して統一ルールを決める必要があるわけです。

    ちなみに、私の妻の場合、つまり大阪府の公立小学校の場合、たいていは「きつい便法派=テストでも×」だったが、「ゆるい便法派=テストの時は○」の学校もあったとのこと。

    ○この教え方は有効なのか?それとも意味がないのか?
    このかけ算問題に関しては、「2年での教育ルールが4年の習熟状況に影響する」という長期的な視点が必要ですので、方針の有効性が簡単に確認できません。各自「○○が有効だと思う」という思い込みだけを元に議論することになったりするわけです。
    ここ/.-Jのような外野で「この教え方は問題ない/この教え方は間違えている」というような議論は無意味で、この点に関しては、どっかの教育大学付属小あたりで実験してくれないと結論は出せないと思います。

    • by tslashn (37583) on 2011年12月29日 8時52分 (#2073806)

      ○この教え方は有効なのか?それとも意味がないのか?

      教師の考え方はともかくとして、特定の順序のみが正しいと信じている人がこのように多数育っている現状は教育の失敗と捉えるべきで、黒木さんが提唱しているように、小学校卒業までには「かけ算の順序はどちらでもよい」ということが理解できるようにすることを目標にするべきだと思います。

      ある濃度の試薬を調整するときに、加えるべき試薬の量を計算するのに、[濃度]×[作る総量]なのか[作る総量]×[濃度]なのかを悩んでしまう人がいるのも逆順×の弊害なんじゃないかと思っています。

      [濃度]=[溶質]/[総量]をもとに総量を両辺にかけるのに、左からかけても右からかけても意味は変わらないってものです。

      割り算のために1あたり量を強調しようというのは可能性がある議論ですが、順序は本来関係ないことです。

      どっかで実験してくれればいいようなというのはそうですが、もし自分に子供がいたとして、×をつける実験区に入れるのは嫌なので、いいサンプルをつくるのは難しいかもしれないですね。

      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2011年12月27日 19時55分 (#2072863)

    算数ではなく、国語の問題に対する解説としか思えん。
    自分の子供をこんな教師には絶対預けたくない。
    こんな事で不正解にされたら、子供が可哀想だ。

  • 3x5=5x3? (スコア:3, 参考になる)

    by taka2 (14791) on 2011年12月27日 20時11分 (#2072878) ホームページ 日記

    一年ほど前に、3x5=15を5x3=15と回答して×になった [kidsnote.com]という記事がTwitter経由で広まって、ここの日記でも結構燃え上がってましたね。
    shibuyaさんの日記 [srad.jp]より
    敬称略、掲載timestampの降順

  • by Anonymous Coward on 2011年12月27日 20時38分 (#2072909)

    だいぶ以前からこの話について黒木玄さんのところにいろいろ話題があった気がしますが
    その黒木さんのところにまとめがあったのでリンクを置いておきます

    かけ算の式の順序にこだわってバツを付ける教え方は止めるべきである [tohoku.ac.jp]

  • by Ay (33430) on 2011年12月27日 20時07分 (#2072872)

    これで不正解ということは、そういう順序でかけるように授業でやったということでしょう?
    だったら不正解でいいと思いますけど。

    // 6本が8人(6が8つある)なら6x8と私もそう習いましたし。

    • 小学校2年生くらい?で習った時は、「『一当たり』かける『幾つ分』と書く」と教わりました。
      それこそ30年くらい前ですが。
      「いちあたり」という言葉が当時は難しかった記憶があります。

      親コメント
  • by staygold (23127) on 2011年12月27日 20時08分 (#2072875)

    図の中の二等辺三角形を全て求めよという小学3年生の問題で
    「正三角形も二辺の長さが同じだから二等辺三角形なんだよ」と
    得意気に子供に言いつつ答えをみたら,2つは別扱いになっていて,
    しょぼんとした俺.

  • 小学 2 年で最初に乗算を習うときには、「x 個の物を一組にして、それが y 組あるとき、全部の個数は x×y」という内容のことを (変数を使わずに) 習います。乗算が交換法則 (x×y = y×x) を満たすことは小学 3 年で習います。

    という状況を理解していれば、小学 2 年の段階で

    8人にペンをあげます。1人に6本ずつあげるには、ぜんぶで何本いるでしょうか。

    という問題に対して「8×6」と立式するのがなぜ誤りとされるのかわかるでしょう。

    「問題文にその順で書いてある」なんてのは「8×6」を正解とする理由になりません。その理由がありなら、

    3本のペンを友達にあげました。あげる前には10本のペンを持っていました。今は何本のペンを持っているでしょう。

    という問題に対して「3−10」と立式してはいけないことの説明が付きません。

    今から 20 年以上前、僕が小学生の頃にも同じ議論はありましたし、きっとその前からあったでしょう。もうなんというか、既出どころの騒ぎじゃない。

  • by kujira090 (16707) on 2011年12月28日 1時54分 (#2073127) 日記

    教育の現場において
    ・現実
    ・理論的解釈
    ・教育上の都合
    の、どこに重点を置いているか。その一端だと思われます。
    #大人の都合、ですかね・・・

    --
    #壮大なストーリ。空転するアイディア。
  • 大人から理不尽な評価をされる事は多々あるので、その事自体を社会経験として学べるわけです。
    親や教師といえども完璧ではないし、時に敵にもなると。

    他の大人や友人からフォローされて、その経験が本人の能力アップにつなげれば良いと思います。
    理不尽な思いにつぶされるようだと困りますね。

  • 九九を覚える時に8×6と6×8の両方を覚えなきゃいけないなんて、面倒臭いったらありゃしない。
    ただでさえやる事多いんだから、ものごとはシンプルに進めようぜ。

  • by Anonymous Coward on 2011年12月27日 19時55分 (#2072862)

    代数的に考えるなら、二項演算で交換法則が成り立つ場合は限られており、8X6と6X8が同じ数になるのはある意味偶然なので、区別すること自体には意味がある。極端に言えば、四則演算でも減法や除法では交換法則が成り立たないんだから。

    ただし、問題文を解釈した時にどう書くかは個人の自由じゃないかな。8人に6回あげたら8が「掛けられる数」だし、6個を8人にあげたら6が掛けられる数。順番に意味がない、ってのが乗法の交換法則が言わんとしてることなんだから。

    私個人としては、この親も学校の先生も両方エキセントリックな印象を受ける。

    • 文章を前から逐次理解していくと、

       8本を6人分用意するから 8本×6人=48本

      と解釈するのが自然と思われる。

      教師が望む 6×8=48 にしたいのであれば、最初から問題文を

       「6人に8本ずつペンをあげるなら、何本必要ですか」

      と書けば、望む過程と答えが得られるはず。

      結論として、この教師は数学の証明能力と日本語能力の両方が欠損してる。
      ついでにいえば、片方向にしか子供を評価していないので、そもそも教師として不適格。

      # 小1の時の日記で「母が」と書いたら「お母さんと書きなさい」とわざわざ指摘してくれた馬鹿教師を思い出したよ。
      # 小1で正しく謙譲語を使うのは子供らしくないんだとさ。(母が抗議したらそう答えたそうな)

      --
      はじける加齢の香り!orz
      親コメント
      • 文章を前から逐次理解していくと、

         8本を6人分用意するから 8本×6人=48本

        と解釈するのが自然と思われる。

        教師が望む 6×8=48 にしたいのであれば、最初から問題文を

         「6人に8本ずつペンをあげるなら、何本必要ですか」

        と書けば、望む過程と答えが得られるはず。

        そうなんですよね。
        わざわざ引っかけ問題を作っておいて、間違えさせるってのは教育としてどうかと思うんですよね。
        #これだけ「おかしい」って言われても、この教育方法は直さないんだろうなぁ…

        親コメント
  • by Anonymous Coward on 2011年12月27日 19時58分 (#2072865)

    「掛け算の順番」でぐぐってみる [google.co.jp]と、2年位前にもあちこちで話題になってますね。

  • 6本 x 8人 = 48本
    こう書けば、「人」の付く方は無次元数であると分かります。
    どちらも単位なら「本人(本x人という単位)」になってしまいます。
    一方で、かけ算を数字や文字の連続で書く場合は、即値→定数→変数 の順で書くことになっています。
    この順で書くなら、記事の例とは逆に「人」の方を先に書くことになります。
    結局、かけ算の順番にこだわる理由が分かりませんでした。

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