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JPWO2013124976A1 - 動力伝達装置の制御装置 - Google Patents

動力伝達装置の制御装置 Download PDF

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JPWO2013124976A1 JP2014500788A JP2014500788A JPWO2013124976A1 JP WO2013124976 A1 JPWO2013124976 A1 JP WO2013124976A1 JP 2014500788 A JP2014500788 A JP 2014500788A JP 2014500788 A JP2014500788 A JP 2014500788A JP WO2013124976 A1 JPWO2013124976 A1 JP WO2013124976A1
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Abstract

エンジンを始動する際に、ロックアップクラッチ36の解放時におけるダンパ26の共振回転速度reoffよりも低回転で、且つロックアップクラッチ36の係合時におけるダンパ26の共振回転速度reonよりも高回転の予め定められたロックアップ開始回転速度n1にエンジン回転速度NEが達したら、ロックアップクラッチ36が係合させられ、そのロックアップ開始回転速度n1以下ではロックアップクラッチ36が解放状態に保持される。このため、それ等の共振回転速度reonおよびreoff付近の共振や引込み共振が共に回避され、エンジン回転速度NEを速やかに上昇させてエンジン14を適切に始動できるとともに、引込み共振に起因するNV(ノイズ、振動)の悪化等が抑制される。また、ロックアップクラッチ36の係合制御で引込み共振を抑制するため、ハード部分の設計変更が不要で、種々の動力伝達装置12に対して容易に適用できる。

Description

本発明は動力伝達装置の制御装置に係り、特に、エンジンを始動する際の引込み共振を抑制する技術に関するものである。
ロックアップクラッチ付きの流体式伝動装置とエンジンとの間に、ねじり振動を吸収するダンパを備える動力伝達装置が知られている。このような動力伝達装置は、流体式伝動装置の内部にロックアップクラッチと直列にダンパが設けられる場合に対比してプレダンパ式と呼ばれる。特許文献1、2に記載の装置はその一例で、流体式伝動装置としてトルクコンバータが用いられている。そして、このような動力伝達装置においてエンジンを始動する際には、ロックアップクラッチを解放した状態でクランキングや燃料噴射、点火等のエンジン始動制御を行うのが一般的である。
特開平5−296338号公報 特開平5−87190号公報
しかしながら、このようなプレダンパ式の動力伝達装置においては、ダンパの共振回転速度がアイドル回転速度よりも低くなる場合があり、エンジンの始動時にアイドル回転速度に達する前に引込み共振が発生し、エンジンの始動が遅くなったりNV(ノイズ、振動)が悪化したりすることがあった。引込み共振は、エンジンの回転速度が上昇する際に、ダンパの共振回転速度付近で共振することによりエンジン回転速度の上昇が阻害される現象で、共振回転速度がアイドル回転速度に近い場合に発生し易い。共振回転速度を低くすることで引込み共振を抑制できるが、必要ダンパ剛性や強度等の設計要件から限界があり、各部の個体差等による共振回転速度のばらつきにより、引込み共振を確実に抑制することは難しい。また、このような引込み共振は、エンジン温度が低くてエンジンのフリクションが大きい場合に、特に発生し易くなる。
前記特許文献2では、エンジンを始動するためにクランキングする際に、ダンパの前後の部材にスタータモータのピニオンを噛み合わせて一体的に回転させたり、ダンパの前後の部材をクラッチで一体的に連結したりすることにより、ダンパに起因するエンジン始動時の共振を防止しているが、構造が複雑になって部品点数や重量が増加するとともに大きな設計変更が必要になるなど、必ずしも十分に満足できるものではなかった。
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、プレダンパ式の動力伝達装置において、部品点数や重量を増加させることなくエンジンを始動する際にダンパの共振回転速度付近で引込み共振が発生することを抑制することにある。
かかる目的を達成するために、第1発明は、ロックアップクラッチ付きの流体式伝動装置とエンジンとの間に、ねじり振動を吸収するダンパを備える動力伝達装置の制御装置において、(a) 前記流体式伝動装置の下流側には、動力伝達を接続遮断できる断接装置が設けられており、(b) 前記エンジンを始動する際に、アイドル回転速度よりも低い所定のエンジン回転速度領域で、前記断接装置により動力伝達が遮断された状態で前記ロックアップクラッチを係合させるロックアップ係合制御手段を有することを特徴とする。
第2発明は、第1発明の動力伝達装置の制御装置において、前記ロックアップ係合制御手段は、前記ロックアップクラッチの解放時における前記ダンパの共振回転速度reoffを含むように予め定められたエンジン回転速度領域で前記ロックアップクラッチを係合させることを特徴とする。
第3発明は、第2発明の動力伝達装置の制御装置において、前記ロックアップ係合制御手段は、前記共振回転速度reoffよりも低回転で、且つ前記ロックアップクラッチの係合時における前記ダンパの共振回転速度reonよりも高回転の予め定められたロックアップ開始回転速度n1にエンジン回転速度NEが達したら、そのロックアップクラッチを係合させ、そのロックアップ開始回転速度n1以下ではそのロックアップクラッチを解放状態に保持することを特徴とする。
第4発明は、第1発明の動力伝達装置の制御装置において、前記ロックアップ係合制御手段は、エンジン回転速度NEの上昇が阻害される引込み共振が発生したか否かを判断し、その引込み共振が発生した場合に前記ロックアップクラッチを係合させることを特徴とする。
第5発明は、第1発明〜第4発明の何れかの動力伝達装置の制御装置において、前記ロックアップ係合制御手段は、前記ロックアップクラッチの解放時における前記ダンパの共振回転速度reoffよりも高回転の予め定められたロックアップ終了回転速度n2にエンジン回転速度NEが達したら、そのロックアップクラッチを解放することを特徴とする。
第6発明は、第1発明〜第5発明の何れかの動力伝達装置の制御装置において、前記ロックアップ係合制御手段は、前記エンジンの温度が引込み共振を生じる可能性がある、予め定められた判定値tsよりも低い低温時であることを条件として、前記ロックアップクラッチの係合制御を行うことを特徴とする。
第7発明は、第1発明〜第6発明の何れかの動力伝達装置の制御装置において、(a) 前記断接装置は、動力伝達を遮断するニュートラルを成立させることができる自動変速機で、(b) 前記ロックアップ係合制御手段は、前記自動変速機がニュートラルにされた状態で前記ロックアップクラッチの係合制御を行うことを特徴とする。
このような動力伝達装置の制御装置においては、エンジンを始動する際に、アイドル回転速度よりも低い所定のエンジン回転速度領域で、断接装置により動力伝達が遮断された状態で、ロックアップ係合制御手段によりロックアップクラッチが係合させられるため、ダンパの下流側の重量が大きくなって共振回転速度が低下し、エンジン始動時にダンパに起因して引込み共振が発生することを抑制できる。すなわち、ロックアップクラッチの係合時におけるダンパの共振回転速度reonは、ロックアップクラッチの解放時におけるダンパの共振回転速度reoffよりも低回転であるため、例えばエンジン回転速度NEが共振回転速度reonを上回るまではロックアップクラッチを解放状態に保持し、共振回転速度reoffに達する前にロックアップクラッチを係合させることにより、それ等の共振回転速度reonおよびreoff付近の引込み共振を共に回避しつつエンジン回転速度NEを速やかに上昇させることができる。また、エンジン回転速度NEがアイドル回転速度に近い高回転になる程、回転抵抗が大きくなって変化勾配が緩やかになるため引込み共振が生じ易くなり、回転速度変化が比較的急な低回転では引込み共振が生じ難いため、共振回転速度reonの大きさによっては始めからロックアップクラッチを係合させておいても、その共振回転速度reon付近で引込み共振を生じることなく、或いは比較的軽微な引込み共振を生じるだけで、エンジン回転速度NEが速やかに上昇して適切にエンジンを始動できる。
そして、このようにダンパに起因する引込み共振が抑制されることにより、エンジン回転速度NEが速やかに上昇させられ、エンジンを短時間で適切に始動できるとともに、共振に起因するNV(ノイズ、振動)の悪化等が抑制される。また、ロックアップクラッチの係合制御で引込み共振を抑制するため、ハード部分の設計変更が不要で、種々の動力伝達装置に対して容易に適用できる。
第2発明では、ロックアップクラッチの解放時におけるダンパの共振回転速度reoffを含むように予め定められたエンジン回転速度領域でロックアップクラッチが係合させられるため、その共振回転速度reoff付近における引込み共振が回避され、エンジン回転速度NEを速やかに上昇させてエンジンを適切に始動できる。
第3発明では、ロックアップクラッチの解放時におけるダンパの共振回転速度reoffよりも低回転で、且つロックアップクラッチの係合時におけるダンパの共振回転速度reonよりも高回転の予め定められたロックアップ開始回転速度n1にエンジン回転速度NEが達したら、ロックアップクラッチが係合させられ、そのロックアップ開始回転速度n1以下ではロックアップクラッチが解放状態に保持されるため、それ等の共振回転速度reonおよびreoff付近の共振や引込み共振が共に回避され、エンジン回転速度NEを速やかに上昇させてエンジンを適切に始動できる。
第4発明では、エンジン回転速度NEの上昇が阻害される引込み共振が発生したか否かを判断し、その引込み共振が発生した場合にロックアップクラッチを係合させるため、ダンパの共振回転速度がreoffからreonへ低下させられる。これにより、エンジン回転速度NEが相対的に共振回転速度領域から外れ、引込み共振から脱して速やかに上昇させられるようになり、エンジンを適切に始動できる。また、実際に引込み共振が発生した場合にロックアップクラッチを係合制御するため、所定のエンジン回転速度領域で常に一律にロックアップクラッチの係合制御を行う場合に比較して、ロックアップクラッチの係合制御を無駄に実行することが防止される。
第5発明では、ロックアップクラッチの解放時におけるダンパの共振回転速度reoffよりも高回転の予め定められたロックアップ終了回転速度n2にエンジン回転速度NEが達したら、そのロックアップクラッチを解放するため、引込み共振の発生を適切に抑制しつつロックアップクラッチの係合制御を無駄に継続することが防止される。
第6発明では、エンジンの温度が引込み共振を生じる可能性がある予め定められた判定値tsよりも低い低温時であることを条件としてロックアップクラッチの係合制御が行われるため、引込み共振の発生を適切に抑制しつつロックアップクラッチの係合制御を無駄に実行することが防止される。
第7発明では、動力伝達を遮断するニュートラルを成立させることができる自動変速機が断接装置として用いられ、その自動変速機をニュートラルにした状態でロックアップクラッチの係合制御が行われるため、自動変速機とは別に断接装置を設ける場合に比較して装置が簡単で且つ安価に構成される。
本発明が適用された動力伝達装置を備えている車両用駆動装置の概略構成図である。 図1の動力伝達装置を具体的に説明する骨子図である。 図2の自動変速機の複数のギヤ段と、それを成立させるための係合要素との関係を説明する図である。 図1のエンジン始動制御手段が備えている機能を説明するブロック線図である。 図4のエンジン始動制御手段の作動を具体的に説明するフローチャートである。 図5のフローチャートに従ってエンジン始動制御が行われた場合のエンジン回転速度NEおよびロックアップクラッチの作動状態の変化を示すタイムチャートの一例である。 外気温とエンジンのフリクショントルクとの関係を調べた結果の一例を示す図である。 外気温および共振回転速度(ダンパ剛性)をそれぞれ変更してエンジンをクランキングし、引込み共振の有無を調べた結果の一例を示す図である。 外気温−20℃、ダンパの共振回転速度450rpmでエンジンをクランキングした場合のエンジン回転速度NEの変化の一例を示す図である。 外気温−20℃、ダンパの共振回転速度530rpmでエンジンをクランキングした場合のエンジン回転速度NEの変化の一例を示す図である。 本発明の他の実施例を説明する図で、図4に対応するエンジン始動制御手段の機能ブロック線図である。 図11のエンジン始動制御手段の作動を具体的に説明するフローチャートである。 図12のフローチャートに従ってエンジン始動制御が行われた場合のエンジン回転速度NEおよびロックアップクラッチの作動状態の変化を示すタイムチャートの一例である。
本発明は車両用の動力伝達装置に好適に適用され、エンジンの他に電動モータを動力源として備えているハイブリッド車両の動力伝達装置などにも適用され得る。エンジンは、燃料の燃焼によって動力を発生する内燃機関などである。流体式伝動装置としては、トルクコンバータやフルードカップリングが好適に用いられる。ダンパは、エンジンのトルク変動を吸収したりねじり振動を吸収したりするもので、トーショナルダンパとも言われるものであり、一般に圧縮コイルスプリング等の弾性体を備えて構成されている。
断接装置としては、摩擦係合式クラッチが好適に用いられるが、ニュートラルを成立させることができる自動変速機を利用することもできるなど、動力伝達を接続したり遮断したりすることができる種々の態様の断接装置を採用できる。この断接装置は、少なくともロックアップクラッチを係合させる際に動力伝達を遮断するように制御されるが、エンジン始動制御が行われる際には常に動力伝達を遮断するように制御しても良い。自動変速機は、クラッチやブレーキ等の摩擦係合装置の係合、解放により前後進を切り換える遊星歯車式等の前後進切換装置でも良いし、変速比が異なる複数の前進ギヤ段を切り換えることができる遊星歯車式や平行軸式等の有段変速機でも良い。
エンジン始動時には、例えばスタータモータによりエンジンをクランキングするとともに所定の回転速度になったら燃料噴射および点火を行ってエンジンを始動するエンジン始動制御が行われる。気筒内に直接燃料を噴射できる直噴エンジンの場合、ピストンが膨張行程で停止している気筒に対して燃料噴射および点火を行うことにより、スタータモータによるクランキング無し、或いは必要に応じてエンジン回転をアシストするだけで、エンジンを始動させる着火始動を行うことも可能である。
ロックアップ係合制御手段は、上記エンジンの始動時に、ダンパに起因する引込み共振が抑制されるようにロックアップクラッチの係合制御を行う。このロックアップクラッチの係合制御は、例えば第2発明のようにロックアップクラッチの解放時におけるダンパの共振回転速度reoffを含むように予め定められたエンジン回転速度領域でロックアップクラッチを係合させるように構成されるが、第4発明のようにエンジン回転速度NEの上昇が阻害される引込み共振が発生したか否かを判断し、その引込み共振が発生した場合にロックアップクラッチを係合させるだけでも良い。引込み共振が発生したか否かは、例えばエンジン回転速度NEの始動所要時間或いは所定の回転速度に達するまでの経過時間等が予め定められた共振判定時間を越えたか否かによって判定できる。
第2発明では、例えばロックアップクラッチの解放時におけるダンパの共振回転速度reoffよりも低回転で、且つそのロックアップクラッチの係合時におけるそのダンパの共振回転速度reonよりも高回転の予め定められたロックアップ開始回転速度n1にエンジン回転速度NEが達したら、そのロックアップクラッチを係合させ、そのロックアップ開始回転速度n1以下ではそのロックアップクラッチを解放状態に保持するように構成される。ロックアップ開始回転速度n1は、各部の個体差や経時変化等による共振回転速度reoffやreonのばらつきを考慮して設定することが望ましい。なお、ロックアップクラッチの係合時におけるダンパの共振回転速度reonが比較的低回転で引込み共振が殆ど発生しない場合には、エンジン回転速度NE=0の状態から共振回転速度reoffを越えるまでロックアップクラッチを係合させておくことも可能である。エンジンにより回転駆動される機械式オイルポンプを有する場合、その機械式オイルポンプから油圧が出力されることにより直ちにロックアップクラッチが係合させられるようにすれば良い。
第5発明では、共振回転速度reoffよりも高回転の予め定められたロックアップ終了回転速度n2にエンジン回転速度NEが達したら、そのロックアップクラッチを解放するが、他の発明の実施に際しては、例えばエンジンが自力回転できるようになった時や、エンジン始動制御が終了した時にロックアップクラッチを解放するようにしても良い。ロックアップ終了回転速度n2は、各部の個体差や経時変化等による共振回転速度reoffのばらつきを考慮して、例えばアイドル回転速度よりも低い回転速度が設定されるが、アイドル回転速度をロックアップ終了回転速度n2とすることもできる。
第6発明では、エンジンの温度が引込み共振を生じる可能性がある予め定められた判定値tsよりも低い低温時であることを条件としてロックアップクラッチの係合制御が行われるが、判定値tsは、引込み共振を生じる可能性がある温度領域を含むように、エンジンフリクショントルクの温度特性や共振発生の有無等に基づいて適宜定められ、例えば−10℃〜−15℃程度の値が設定される。他の発明の実施に際しては、必ずしもエンジン温度を考慮する必要はなく、常にロックアップクラッチの係合制御を実施しても良い。
以下、本発明の実施例を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明が適用された動力伝達装置12を有する車両用駆動装置10の一例を説明する概略構成図で、エンジン(ENG)14、トルクコンバータ(T/C)16、および自動変速機(AT)18を含んで動力伝達装置12が構成されており、差動歯車装置20から左右の車軸22を経て駆動輪24に動力が伝達される。この車両用駆動装置10は、車両の左右方向(横置き)に搭載するFF車両に好適に用いられるものである。エンジン14は、燃料の燃焼で動力を発生するガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等の内燃機関で、トルクコンバータ16は流体式伝動装置に相当する。また、自動変速機18は、動力伝達を遮断するニュートラルを成立させることができるもので、断接装置に相当する。
図2は、上記エンジン14、トルクコンバータ16、および自動変速機18の骨子図で、エンジン14とトルクコンバータ16との間にはダンパ26が配設されている。ダンパ26は、エンジン14のトルク変動を吸収したりねじり振動を吸収したりするもので、軸心まわりに配設された複数の圧縮コイルスプリング28を備えて構成されている。また、エンジン14は、始動時にスタータモータ30によってクランク軸32が回転駆動されるようになっている。
トルクコンバータ16は、ポンプ翼車16pおよびタービン翼車16tを有し、エンジン14からダンパ26を介して伝達された動力を、流体を介してタービン軸34に出力するとともに、エンジン14の動力を流体を介することなくタービン軸34に直接伝達するロックアップクラッチ(L/Uクラッチ)36を備えている。このロックアップクラッチ36は、係合側油室38内の油圧と解放側油室40内の油圧との差圧ΔPにより摩擦係合させられる油圧式摩擦クラッチであり、それが完全係合(ロックアップON)させられることにより、エンジン14の動力がタービン軸34に直接伝達される。また、所定のスリップ状態で係合するように差圧ΔPすなわちトルク容量がフィードバック制御されることにより、例えば50rpm程度の所定のスリップ量(差回転)でスリップ係合させられる。具体的には、図1に記載の油圧制御回路42に設けられたソレノイド弁SLにより係合(ロックアップON)および解放(ロックアップOFF)が切り換えられるとともに、リニアソレノイド弁SLUによってロックアップON時の差圧ΔPが制御されて所定のスリップ状態とされる。上記ポンプ翼車16pには機械式のオイルポンプ44が接続されており、エンジン14によって回転駆動されることにより、ロックアップクラッチ36を係合させたり前記自動変速機18を変速したりするための油圧が発生させられる。
自動変速機18は、車体に取り付けられる非回転部材としてのトランスミッションケース50内において、シングルピニオン型の第1遊星歯車装置52を主体として構成されている第1変速部54と、ダブルピニオン型の第2遊星歯車装置56およびシングルピニオン型の第3遊星歯車装置58を主体としてラビニヨ型に構成されている第2変速部60とを共通の軸心上に有し、タービン軸34の回転を変速して出力回転部材62から出力する。タービン軸34は、自動変速機18の入力部材に相当する。また、出力回転部材62は自動変速機18の出力部材に相当するもので、本実施例では図1に示す差動歯車装置20のドリブンギヤ(大径歯車)64と噛み合う出力歯車すなわちデフドライブギヤである。なお、この自動変速機18および前記トルクコンバータ16は、中心線(軸心)に対して略対称的に構成されており、図2の骨子図においてはその中心線の下半分が省略されている。
自動変速機18は、2つのクラッチC1、C2、および3つのブレーキB1〜B3(以下、特に区別しない場合は単にクラッチC、ブレーキBという)を備えており、それ等のクラッチCおよびブレーキBがそれぞれ係合、解放されることにより、第1変速部54および第2変速部60の各回転要素(サンギヤS1〜S3、キャリアCA1〜CA3、リングギヤR1〜R3)の連結状態が変更されて、第1速ギヤ段「1st」〜第6速ギヤ段「6th」の6つの前進ギヤ段が成立させられるとともに、後進ギヤ段「Rev」が成立させられる。クラッチCおよびブレーキBは、多板式のクラッチやブレーキなど油圧アクチュエータによって係合制御される油圧式摩擦係合装置で、油圧制御回路42のリニアソレノイド弁SL1〜SL5によってそれぞれ係合、解放状態が切り換えられるとともに、係合、解放時の過渡油圧などが制御される。図3は、上記各ギヤ段を成立させる際の摩擦係合装置の作動状態を説明する作動表で、「○」は係合、空欄は解放、「◎」はエンジンブレーキ時のみ係合、「△」は駆動時のみ作動、を意味している。
図3において、前進ギヤ段では、クラッチC1とブレーキB2との係合により第1速ギヤ段「1st」が、クラッチC1とブレーキB1との係合により第2速ギヤ段「2nd」が、クラッチC1とブレーキB3との係合により第3速ギヤ段「3rd」が、クラッチC1とクラッチC2との係合により第4速ギヤ段「4th」が、クラッチC2とブレーキB3との係合により第5速ギヤ段「5th」が、クラッチC2とブレーキB1との係合により第6速ギヤ段「6th」が、それぞれ成立させられる。また、ブレーキB2とブレーキB3との係合により後進ギヤ段「Rev」が成立させられ、クラッチC1、C2、ブレーキB1〜B3が何れも解放されることにより、動力伝達を遮断するニュートラル「N」が成立させられる。上記各ギヤ段の変速比γ(=タービン軸34の回転速度NT/出力回転部材62の回転速度Nout)は、第1遊星歯車装置52、第2遊星歯車装置56、および第3遊星歯車装置58の各ギヤ比(=サンギヤの歯数/リングギヤの歯数)ρ1、ρ2、ρ3に応じて定められ、第1速ギヤ段「1st」の変速比γが最も大きく、高速側(第6速ギヤ段「6th」側)程小さくなる。
このような動力伝達装置12は、図1に示すように電子制御装置80を備えている。電子制御装置80は、CPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより、エンジン14の出力制御や自動変速機18の変速制御、ロックアップクラッチ36のON・OFF制御等を実行するようになっている。この電子制御装置80は、必要に応じてエンジン制御用や変速制御用等に分けて構成される。
上記電子制御装置80には、アクセル操作量センサ66により検出されたアクセルペダル68の操作量であるアクセル操作量Accを表すアクセル操作量信号、エンジン回転速度センサ70により検出されたエンジン14の回転速度であるエンジン回転速度NEを表す信号、冷却水温センサ72により検出されたエンジン14の冷却水温THwを表す信号、スロットル弁開度センサ74により検出された電子スロットル弁の開度θthを表すスロットル弁開度信号、タービン回転速度センサ76により検出されたタービン軸34の回転速度であるタービン回転速度NTを表す信号、車速センサ78により検出された出力回転部材62の回転速度Noutすなわち車速Vに対応する車速信号、などがそれぞれ供給される。エンジン14の冷却水温THwはエンジン温度に相当する。
また、電子制御装置80からは、電子スロットル弁の開度θthを操作するスロットルアクチュエータへの駆動信号、エンジン14の点火時期を指令する点火信号、エンジン14の吸気管または筒内に燃料を供給し或いは停止する燃料噴射装置によるエンジン14への燃料供給量を制御する燃料供給量信号、等のエンジン制御信号Seが出力されるとともに、エンジン14を始動する際にはエンジン14をクランキングするためのモータ駆動信号Smがスタータモータ30に出力される。また、自動変速機18のギヤ段(ニュートラル「N」を含む)を切り換えるために油圧制御回路42内のリニアソレノイド弁SL1〜SL5を制御する変速制御信号Sc、ロックアップクラッチ36のON、OFFやスリップ量を制御するソレノイド弁SLおよびリニアソレノイド弁SLUを駆動するためのロックアップ制御信号Spなどが出力される。
上記電子制御装置80は、機能的にエンジン出力制御手段82、変速制御手段84、ロックアップクラッチ制御手段86、およびエンジン始動制御手段88を備えている。エンジン出力制御手段82は、アクセル操作量Accが増加する程エンジン出力が増大するように、スロットルアクチュエータにより電子スロットル弁をアクセル操作量Accに応じて開閉制御する他、燃料噴射制御のために燃料噴射装置による燃料噴射量を制御し、点火時期制御のためにイグナイタ等の点火装置による点火時期を制御するなどして、エンジン14の出力制御を実行する。
変速制御手段84は、自動変速機18の変速制御やニュートラル制御等を行うもので、車速Vおよびアクセル操作量Acc等の運転状態をパラメータとして予め設定された変速マップに従って、第1速ギヤ段「1st」〜第6速ギヤ段「6th」を変速制御したり、前記後進ギヤ段「Rev」を成立させたり、総てのクラッチCおよびブレーキBを解放してニュートラル「N」にしたりする。
ロックアップクラッチ制御手段86は、ロックアップクラッチ36のON(係合)やOFF(解放)を切り換えたり、ON時のスリップ量を制御したりするもので、車速Vおよびアクセル操作量Acc等の運転状態をパラメータとして予め設定された切換マップに従って、ON、OFF、およびスリップ状態を切り換える。切換マップは、車速Vが低い低車速時(車両停止時を含む)にはロックアップクラッチ36を解放(OFF)するように定められる。
エンジン始動制御手段88は、車両停止時等にエンジン14を始動するためのもので、スタータモータ30によりエンジン14をクランキング(回転駆動)してエンジン回転速度NEを上昇させるとともに、エンジン回転速度NEが所定の回転速度まで上昇したら燃料噴射や点火等を行ってエンジン14を始動し、所定のアイドル回転速度NEidlとするエンジン始動制御を実行する。エンジン始動制御手段88はまた、エンジン始動時にダンパ26の存在に起因して引込み共振が発生することを防止するため、前記自動変速機18がニュートラル「N」とされた状態で、一定の条件下でロックアップクラッチ36を係合させるようになっており、図4に示すようにエンジン温度判定手段92、ロックアップ係合領域判定手段94、およびロックアップ係合手段96を機能的に有するロックアップ係合制御手段90を備えている。図5は、このようなエンジン始動制御手段88の作動(信号処理)を具体的に説明するフローチャートで、ステップS3はエンジン温度判定手段92に相当し、ステップS4およびS6はロックアップ係合領域判定手段94に相当し、ステップS5およびS7はロックアップ係合手段96に相当する。なお、本実施例ではエンジン始動制御手段88がロックアップ係合制御手段90の機能を備えているが、前記ロックアップクラッチ制御手段86がロックアップ係合制御手段90の機能を備えるようにしても良い。
図5のフローチャートは、例えば車両停止時等のエンジン停止時に実行され、ステップS1では、イグニッションスイッチの操作やアイドリングストップの解除判定などでエンジン始動指令が供給されたか否かを判断する。エンジン始動指令が供給されない場合はそのまま終了するが、エンジン始動指令が供給されたらステップS2を実行し、スタータモータ30によりエンジン14をクランキングするとともに燃料噴射や点火等を行うエンジン始動制御を開始する。この時、自動変速機18がニュートラル「N」でない場合には、自動変速機18を強制的にニュートラル「N」にする指令を前記変速制御手段84に出力し、自動変速機18をニュートラル「N」にする。図6は、図5のフローチャートに従ってエンジン始動制御が行われた場合のエンジン回転速度NEおよびロックアップクラッチ36の作動状態の変化を示すタイムチャートの一例で、時間t1は、上記ステップS1の判断がYES(肯定)になってエンジン始動制御が開始された時間である。
次のステップS3では、エンジン冷却水温THwが予め定められた判定値tsよりも低いか否かを判断し、THw≧tsであればダンパ26の存在に拘らず引込み共振を生じる可能性が低いためそのまま終了するが、THw<tsの場合にはステップS4以下のロックアップ係合制御を実行する。これは、エンジン冷却水温THwすなわちエンジン温度が低いと、エンジンフリクショントルクが大きくなり、エンジン14の回転抵抗が大きくなってダンパ26による引込み共振が生じ易くなるため、その引込み共振を生じる可能性がある低温度領域のみでロックアップ係合制御を行うためで、上記判定値tsとしては、引込み共振を生じる可能性がある温度領域を含むように、エンジンフリクショントルクの温度特性や共振発生の有無等に基づいて、例えば−10℃〜−15℃程度の一定値が設定される。
図7は、異なる外気温(エンジン温度)でエンジン14を100rpm程度で回転駆動してエンジンフリクショントルク、すなわち回転駆動に必要なトルクを調べた結果で、エンジン14の大きさや種類、エンジンオイルの性能等によって異なるが、この場合には外気温が−10℃を下回るとエンジンフリクショントルクが急に大きくなった。また、ダンパ26の共振回転速度(ダンパ剛性)および外気温(エンジン温度)をそれぞれ変更し、エンジン回転速度NEを所定の駆動トルクで上昇させて引込み共振の有無を調べたところ、図8に示すように、外気温が低いとともに共振回転速度が高い程引込み共振が生じ易くなり、−15℃以上では共振回転速度の高低に拘らず引込み共振は認められなかった。図9および図10は、この時のデータ(シミュレーション)の一例で、何れも−20℃の場合であり、図9は破線で示す共振回転速度が450rpmで、図10は破線で示す共振回転速度が530rpmの場合である。共振回転速度が450rpmの図9では、共振回転速度付近でエンジン回転速度NEの振幅が大きくなるものの、停滞することなくスムーズに上昇しており、引込み共振は認められない。これに対し、共振回転速度が530rpmの図10では、エンジン回転速度NEが共振回転速度付近で停滞し、引込み共振によりエンジン回転速度NEがそれ以上上昇できなくなった。これは、エンジン回転速度NEの上昇と共に回転抵抗が大きくなり、エンジン回転速度NEの変化勾配が緩やかになって共振による影響が相対的に大きくなるため、エンジン回転速度NEの上昇が阻害されるものと考えられる。
図5に戻って、ステップS4では、エンジン回転速度NEが予め定められたロックアップ開始回転速度n1に達したか否かを判断し、NE>n1になったらステップS5でロックアップ係合制御を実行する。具体的には、ロックアップ係合指令を前記ロックアップクラッチ制御手段86に出力することによりロックアップクラッチ36を係合させる。ロックアップ開始回転速度n1は、ロックアップクラッチ36の解放時におけるダンパ26の共振回転速度(以下、解放時共振回転速度ともいう)reoffよりも低回転で、且つロックアップクラッチ36の係合時におけるダンパ26の共振回転速度(以下、係合時共振回転速度ともいう)reonよりも高回転の一定値が設定される。このロックアップ開始回転速度n1の設定に際しては、各部の個体差や経時変化等による共振回転速度reoff、reonのばらつきが考慮され、共振の発生状況などに基づいて学習補正されるようにすることも可能である。係合時共振回転速度reonは、ロックアップクラッチ36の係合によりダンパ26の下流側の重量が大きくなるため、解放時共振回転速度reoffよりも低回転になる。
本実施例では、解放時共振回転速度reoffは約530rpmで、エンジン始動時のアイドル回転速度NEidl(例えば600〜700rpm程度)よりも低く、ロックアップクラッチ36を解放したままエンジン始動制御を実行すると、その解放時共振回転速度reoff付近で共振したり引込み共振を生じたりする可能性がある。また、係合時共振回転速度reonは約450rpmで、ロックアップクラッチ36を係合した状態でエンジン始動制御を実行すると、その係合時共振回転速度reon付近で共振を生じる可能性がある。このため、それ等の中間の例えば490rpm程度の値がロックアップ開始回転速度n1として設定され、このロックアップ開始回転速度n1に達するまではロックアップクラッチ36は解放状態に保持される。これにより、係合時共振回転速度reon付近で共振を生じることなくエンジン回転速度NEが上昇させられる。また、ロックアップ開始回転速度n1でロックアップクラッチ36が係合させられることにより、それよりも高回転の解放時共振回転速度reoff付近でも引込み共振を生じることなくエンジン回転速度NEが上昇させられる。
図6の時間t2は、上記ステップS4の判断がYESになってステップS5以下のロックアップ係合制御が開始された時間であり、エンジン回転速度NEは共振回転速度reon、reoffの存在に拘らず実線で示すように速やかに円滑に上昇させられる。これに対し、ロックアップクラッチ36を解放したままエンジン始動制御を行った場合には、一点鎖線で示すように解放時共振回転速度reoff付近で引込み共振が発生し、回転速度変動が大きくなるとともにエンジン回転速度NEの上昇が遅くなり、エンジン始動所要時間が長くなるとともに、NV(ノイズ、振動)が悪化する。
図5のステップS6では、エンジン回転速度NEが予め定められたロックアップ終了回転速度n2に達したか否かを判断し、NE>n2になったらステップS7でロックアップ係合制御を終了する。具体的には、ロックアップ解放指令を前記ロックアップクラッチ制御手段86に出力することによりロックアップクラッチ36を解放する。ロックアップ終了回転速度n2は、前記解放時共振回転速度reoffよりも高回転で、且つアイドル回転速度NEidlよりも低い一定値で、例えば560rpm〜600rpm程度の値が設定される。このロックアップ終了回転速度n2の設定に際しても、各部の個体差や経時変化等による解放時共振回転速度reoffのばらつきが考慮され、共振の発生状況などに基づいて学習補正されるようにすることも可能である。図6の時間t3は、上記ステップS6の判断がYESになってステップS7が実行され、ロックアップクラッチ36が解放された時間である。
その後、エンジン14が完全に自力回転できるようになってアイドル回転速度NEidlに達したら、一連のエンジン始動制御を終了する。その場合に、アイドリングストップからのエンジン始動時など、必要に応じて自動変速機18を ニュートラル「N」から所定のギヤ段に戻す変速制御を実行する。
このように、本実施例の動力伝達装置12においては、エンジン始動制御手段88によりエンジン始動制御が行われる際に、アイドル回転速度NEidlよりも低い所定のエンジン回転速度領域n1〜n2で、自動変速機18をニュートラル「N」にした状態でロックアップクラッチ36が係合させられるため、ダンパ26の下流側の重量が大きくなって共振回転速度がreoffからreonへ低下し、エンジン始動時にダンパ26に起因して引込み共振が発生することが抑制される。すなわち、ロックアップクラッチ36の解放時におけるダンパ26の共振回転速度reoffよりも低回転で、且つそのロックアップクラッチ36の係合時におけるダンパ26の共振回転速度reonよりも高回転の予め定められたロックアップ開始回転速度n1にエンジン回転速度NEが達したら、ロックアップクラッチ36が係合させられ、そのロックアップ開始回転速度n1以下ではロックアップクラッチ36が解放状態に保持されるため、それ等の共振回転速度reonおよびreoff付近の共振や引込み共振が共に回避され、エンジン回転速度NEを速やかに上昇させてエンジン14を適切に始動できる。
そして、このようにダンパ26に起因する共振や引込み共振が抑制されることにより、エンジン回転速度NEが速やかに上昇させられ、エンジン14を短時間で適切に始動できるとともに、共振や引込み共振に起因するNV(ノイズ、振動)の悪化等が抑制される。また、ロックアップクラッチ36の係合制御で共振や引込み共振を抑制するため、ハード部分の設計変更が不要で、動力伝達装置12に対して容易に適用できる。
また、ロックアップクラッチ36の解放時におけるダンパ26の共振回転速度reoffよりも高回転の予め定められたロックアップ終了回転速度n2にエンジン回転速度NEが達したら、そのロックアップクラッチ36を解放するため、引込み共振の発生を適切に抑制しつつロックアップクラッチ36の係合制御を無駄に継続することが防止される。
また、エンジン冷却水温THwが、引込み共振を生じる可能性がある予め定められた判定値tsよりも低い低温時であることを条件として、ロックアップ係合制御が行われるため、引込み共振の発生を適切に抑制しつつロックアップクラッチ36の係合制御を無駄に実行することが防止される。
また、自動変速機18をニュートラル「N」にした状態でロックアップクラッチ36の係合制御を実行するため、自動変速機18とは別に動力伝達を遮断する断接装置を設ける場合に比較して装置が簡単で且つ安価に構成される。
次に、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の実施例において前記実施例と実質的に共通する部分には同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
図11〜図13は、それぞれ前記図4、図5、図6に対応する図で、この実施例のロックアップ係合制御手段100は、前記ロックアップ係合領域判定手段94、ロックアップ係合手段96の代わりに引込み共振判定手段102およびロックアップ係合手段104を備えており、図12のフローチャートに従って信号処理を実行する。図12のステップS3はエンジン温度判定手段92に相当し、ステップS4−1およびS4−2は引込み共振判定手段102に相当し、ステップS5〜S7はロックアップ係合手段104に相当する。
図12のフローチャートのステップS1〜S3、S5〜S7は前記実施例と同じで、ステップS4の代わりにステップS4−1およびS4−2が設けられている点が相違する。ステップS4−1では、エンジン回転速度NEの上昇が阻害される引込み共振が発生したか否かを判断する。引込み共振が発生したか否かは、例えばエンジン回転速度NEの始動所要時間或いは所定の回転速度に達するまでの経過時間等が予め定められた共振判定時間を越えたか否かによって判定できる。本実施例では、図13のタイムチャートに示すようにエンジン回転速度NEが判定開始回転速度n3を超えてからの経過時間が、予め定められた共振判定時間treに達したか否かによって判断し、共振判定時間treに達するまではステップS4−2を実行する。判定開始回転速度n3は、前記解放時共振回転速度reoffよりも低回転で、例えば前記ロックアップ開始回転速度n1と同程度の回転速度が定められる。
ステップS4−2では、エンジン回転速度NEが前記ロックアップ終了回転速度n2を超えたか否かを判断し、NE≦n2の間はステップS4−1を繰り返す。そして、共振判定時間treに達する前にエンジン回転速度NEがロックアップ終了回転速度n2を超えた場合には、引込み共振を生じることなくエンジン回転速度NEが解放時共振回転速度reoffを通過したと判断して、ロックアップ係合制御を実施することなくエンジン始動制御を継続する。一方、エンジン回転速度NEがロックアップ終了回転速度n2を超える前に共振判定時間treに達した場合には、引込み共振が発生したと判断してステップS4−1の判断がYESになり、ステップS5以下のロックアップ係合制御を実行する。共振判定時間treは、エンジン回転速度NEが引込み共振を生じることなく判定開始回転速度n3からロックアップ終了回転速度n2に達するまでの通常の所要時間に基づいて、それよりも少し大き目の時間が定められる。これにより、引込み共振が発生しない場合までロックアップ係合制御が行われることが回避される。
図13の時間t4は、エンジン回転速度NEが判定開始回転速度n3を超えてからの経過時間が共振判定時間treに達してステップS4−1の判断がYESになり、ステップS5以下のロックアップ係合制御が開始された時間である。また、時間t5は、エンジン回転速度NEがロックアップ終了回転速度n2に達してステップS6の判断がYESになり、ロックアップクラッチ36が解放された時間である。本実施例のロックアップ係合手段104は、このようにエンジン回転速度NEがロックアップ終了回転速度n2に達したか否かを判定し、ロックアップ終了回転速度n2に達したらロックアップ係合制御を終了する機能を備えている。
このように、引込み共振の発生判定時にロックアップ係合制御が行われると、ダンパ26の共振回転速度が解放時共振回転速度reoffから係合時共振回転速度reonまで低下し、相対的にエンジン回転速度NEが共振回転速度領域から外れる。このため、エンジン回転速度NEは、図13に実線で示すように引込み共振から脱して速やかに上昇させられるようになり、一点鎖線で示すロックアップ制御無しの場合に比較してエンジン14が速やかに始動させられる。なお、図13の破線は、前記第1実施例の場合、或いはエンジン温度が十分に高くて引込み共振を生じることなくエンジン回転速度NEが速やかに上昇させられた場合である。
本実施例においても、エンジン始動制御手段88によりエンジン始動制御が行われる際に、アイドル回転速度NEidlよりも低い所定のエンジン回転速度領域でロックアップクラッチ36が係合させられるため、ダンパ26の下流側の重量が大きくなって共振回転速度がreoffからreonへ低下し、ダンパ26に起因する引込み共振が抑制される。すなわち、引込み共振が発生したか否かを判断し、引込み共振が発生した場合にはロックアップクラッチ36を係合させてダンパ26の共振回転速度を低下させることにより、エンジン回転速度NEを相対的に共振回転速度領域から外し、引込み共振から離脱させて速やかに上昇させるようにしたのである。これにより、エンジン14を短時間で適切に始動できるとともに、引込み共振に起因するNV(ノイズ、振動)の悪化等が抑制されるなど、前記実施例と同様の効果が得られる。また、実際に引込み共振が発生した場合にロックアップクラッチ36を係合制御するため、所定のエンジン回転速度領域で常に一律にロックアップクラッチ36の係合制御を行う場合に比較して、ロックアップクラッチ36の係合制御を無駄に実行することが防止される。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これ等はあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。
10:車両用駆動装置 12:動力伝達装置 14:エンジン 16:トルクコンバータ(流体式伝動装置) 18:自動変速機(断接装置) 26:ダンパ 36:ロックアップクラッチ 70:エンジン回転速度センサ 72:冷却水温センサ 80:電子制御装置 88:エンジン始動制御手段 90、100:ロックアップ係合制御手段 92:エンジン温度判定手段 94:ロックアップ係合領域判定手段 96、104:ロックアップ係合手段 102:引込み共振判定手段 NE:エンジン回転速度 THw:エンジン冷却水温(エンジン温度) reoff:解放時共振回転速度 reon:係合時共振回転速度 n1:ロックアップ開始回転速度 n2:ロックアップ終了回転速度
【0002】
くすることで引込み共振を抑制できるが、必要ダンパ剛性や強度等の設計要件から限界があり、各部の個体差等による共振回転速度のばらつきにより、引込み共振を確実に抑制することは難しい。また、このような引込み共振は、エンジン温度が低くてエンジンのフリクションが大きい場合に、特に発生し易くなる。
[0005]
前記特許文献2では、エンジンを始動するためにクランキングする際に、ダンパの前後の部材にスタータモータのピニオンを噛み合わせて一体的に回転させたり、ダンパの前後の部材をクラッチで一体的に連結したりすることにより、ダンパに起因するエンジン始動時の共振を防止しているが、構造が複雑になって部品点数や重量が増加するとともに大きな設計変更が必要になるなど、必ずしも十分に満足できるものではなかった。
[0006]
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、プレダンパ式の動力伝達装置において、部品点数や重量を増加させることなくエンジンを始動する際にダンパの共振回転速度付近で引込み共振が発生することを抑制することにある。
課題を解決するための手段
[0007]
かかる目的を達成するために、第1発明は、ロックアップクラッチ付きの流体式伝動装置とエンジンとの間に、ねじり振動を吸収するダンパを備える動力伝達装置の制御装置において、(a)前記流体式伝動装置の下流側には、動力伝達を接続遮断できる断接装置が設けられており、(b)前記エンジンを始動する際に、アイドル回転速度よりも低い所定のエンジン回転速度領域で、前記断接装置により動力伝達が遮断された状態で前記ロックアップクラッチを係合させるロックアップ係合制御手段を有し、且つ、(c)そのロックアップ係合制御手段は、(c−1)前記エンジンの始動所要時間またはエンジン回転速度NEが所定の回転速度に達するまでの経過時間が、予め定められた共振判定時間を超えたか否かによって、エンジン回転速度NEの上昇が阻害される引込み共振が発生したか否かを判断する引込み共振判定手段と、(c−2)その引込み共振判定手段によって前記引込み共振が発生したと判断された場合に、前記断接装置により動力伝達が遮断された状態で前記ロックアップクラッチを係合させるロックアップ係合手段と、を備えていることを特徴とする。
[0008]
第2発明は、第1発明の動力伝達装置の制御装置において、前記引込み共振判定手段は、エンジン回転速度NEが前記ロックアップクラッチの解放時における前記ダンパの共振回転速度reoffよりも低回転の予め定められた判定開始回転速度を超えてからの経過時間に基づいて引込み共振が発生したか否かを判断することを特徴とする。
[0009]
【0003】
[0010]
[0011]
第3発明は、第1発明または第2発明の動力伝達装置の制御装置において、前記ロックアップ係合手段は、前記ロックアップクラッチの解放時における前記ダンパの共振回転速度reoffよりも高回転の予め定められたロックアップ終了回転速度n2にエンジン回転速度NEが達したら、そのロックアップクラッチを解放することを特徴とする。
[0012]
第4発明は、第1発明〜第3発明の何れかの動力伝達装置の制御装置において、前記ロックアップ係合制御手段は、前記エンジンの温度が引込み共振を生じる可能性がある、予め定められた判定値tsよりも低い低温時であることを条件として、前記ロックアップクラッチの係合制御を行うことを特徴とする。
[0013]
第5発明は、第1発明〜第4発明の何れかの動力伝達装置の制御装置において、(a)前記断接装置は、動力伝達を遮断するニュートラルを成立させることができる自動変速機で、(b)前記ロックアップ係合制御手段は、前記自動変速機がニュートラルにされた状態で前記ロックアップクラッチの係合制御を行うことを特徴とする。
発明の効果
[0014]
このような動力伝達装置の制御装置においては、エンジンを始動する際に、アイドル回転速度よりも低い所定のエンジン回転速度領域で、断接装置に
【0004】
より動力伝達が遮断された状態で、ロックアップ係合制御手段によりロックアップクラッチが係合させられるため、ダンパの下流側の重量が大きくなって共振回転速度が低下し、エンジン始動時にダンパに起因して引込み共振が発生することを抑制できる。
[0015]
そして、このようにダンパに起因する引込み共振が抑制されることにより、エンジン回転速度NEが速やかに上昇させられ、エンジンを短時間で適切に始動できるとともに、共振に起因するNV(ノイズ、振動)の悪化等が抑制される。また、ロックアップクラッチの係合制御で引込み共振を抑制するため、ハード部分の設計変更が不要で、種々の動力伝達装置に対して容易に適用できる。
[0016]
【0005】
[0017]
[0018]
また、エンジンの始動所要時間またはエンジン回転速度NEが所定の回転速度に達するまでの経過時間が、予め定められた共振判定時間を超えたか否かによって、エンジン回転速度NEの上昇が阻害される引込み共振が発生したか否かを判断し、その引込み共振が発生した場合にロックアップクラッチを係合させるため、ダンパの共振回転速度が、ロックアップクラッチ解放時の共振回転速度reoffからロックアップクラッチ係合時の共振回転速度reonへ低下させられる。これにより、エンジン回転速度NEが相対的に共振回転速度領域から外れ、引込み共振から脱して速やかに上昇させられるようになり、エンジンを適切に始動できる。また、実際に引込み共振が発生した場合にロックアップクラッチを係合制御するため、所定のエンジン回転速度領域で常に一律にロックアップクラッチの係合制御を行う場合に比較して、ロックアップクラッチの係合制御を無駄に実行することが防止される。
[0019]
第3発明では、ロックアップクラッチの解放時におけるダンパの共振回転速度reoffよりも高回転の予め定められたロックアップ終了回転速度n2にエンジン回転速度NEが達したら、そのロックアップクラッチを解放するため、引込み共振の発生を適切に抑制しつつロックアップクラッチの係合制御を無駄に継続することが防止される。
[0020]
第4発明では、エンジンの温度が引込み共振を生じる可能性がある予め定められた判定値tsよりも低い低温時であることを条件としてロックアップクラッチの係合制御が行われるため、引込み共振の発生を適切に抑制しつつロックアップクラッチの係合制御を無駄に実行することが防止される。
[0021]
第5発明では、動力伝達を遮断するニュートラルを成立させることができ
【0006】
る自動変速機が断接装置として用いられ、その自動変速機をニュートラルにした状態でロックアップクラッチの係合制御が行われるため、自動変速機とは別に断接装置を設ける場合に比較して装置が簡単で且つ安価に構成される。
図面の簡単な説明
[0022]
[図1]動力伝達装置を備えている車両用駆動装置の概略構成図である。
[図2]図1の動力伝達装置を具体的に説明する骨子図である。
[図3]図2の自動変速機の複数のギヤ段と、それを成立させるための係合要素との関係を説明する図である。
[図4]図1のエンジン始動制御手段が備えている機能を説明するブロック線図である。
[図5]図4のエンジン始動制御手段の作動を具体的に説明するフローチャートである。
[図6]図5のフローチャートに従ってエンジン始動制御が行われた場合のエンジン回転速度NEおよびロックアップクラッチの作動状態の変化を示すタイムチャートの一例である。
[図7]外気温とエンジンのフリクショントルクとの関係を調べた結果の一例を示す図である。
[図8]外気温および共振回転速度(ダンパ剛性)をそれぞれ変更してエンジンをクランキングし、引込み共振の有無を調べた結果の一例を示す図である。
[図9]外気温−20℃、ダンパの共振回転速度450rpmでエンジンをクランキングした場合のエンジン回転速度NEの変化の一例を示す図である。
[図10]外気温−20℃、ダンパの共振回転速度530rpmでエンジンをクランキングした場合のエンジン回転速度NEの変化の一例を示す図である。
[図11]本発明の実施例を説明する図で、図4に対応するエンジン始動制御手段の機能ブロック線図である。
[図12]図11のエンジン始動制御手段の作動を具体的に説明するフローチャ
【0008】
[0026]
ロックアップ係合制御手段は、上記エンジンの始動時に、ダンパに起因する引込み共振が抑制されるようにロックアップクラッチの係合制御を行う。このロックアップクラッチの係合制御は、エンジン回転速度NEの上昇が阻害される引込み共振が発生したか否かを判断し、その引込み共振が発生した場合にロックアップクラッチを係合させるもので、引込み共振が発生したか否かは、例えばエンジン回転速度NEの始動所要時間或いは所定の回転速度に達するまでの経過時間等が予め定められた共振判定時間を越えたか否かによって判定できる。
[0027]
[0028]
第3発明では、共振回転速度reoffよりも高回転の予め定められたロックアップ終了回転速度n2にエンジン回転速度NEが達したら、そのロッ
【0009】
クアップクラッチを解放するが、他の発明の実施に際しては、例えばエンジンが自力回転できるようになった時や、エンジン始動制御が終了した時にロックアップクラッチを解放するようにしても良い。ロックアップ終了回転速度n2は、各部の個体差や経時変化等による共振回転速度reoffのばらつきを考慮して、例えばアイドル回転速度よりも低い回転速度が設定されるが、アイドル回転速度をロックアップ終了回転速度n2とすることもできる。
[0029]
第4発明では、エンジンの温度が引込み共振を生じる可能性がある予め定められた判定値tsよりも低い低温時であることを条件としてロックアップクラッチの係合制御が行われるが、判定値tsは、引込み共振を生じる可能性がある温度領域を含むように、エンジンフリクショントルクの温度特性や共振発生の有無等に基づいて適宜定められ、例えば−10℃〜−15℃程度の値が設定される。他の発明の実施に際しては、必ずしもエンジン温度を考慮する必要はなく、常にロックアップクラッチの係合制御を実施しても良い。
実施例
[0030]
先ず、参考例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、動力伝達装置12を有する車両用駆動装置10の一例を説明する概略構成図で、エンジン(ENG)14、トルクコンバータ(T/C)16、および自動変速機(AT)18を含んで動力伝達装置12が構成されており、差動歯車装置20から左右の車軸22を経て駆動輪24に動力が伝達される。この車両用駆動装置10は、車両の左右方向(横置き)に搭載するFF車両に好適に用いられるものである。エンジン14は、燃料の燃焼で動力を発生するガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等の内燃機関で、トルクコンバータ16は流体式伝動装置に相当する。また、自動変速機18は、動力伝達を遮断するニュートラルを成立させることができるもので、断接装置に相当する。
[0031]
図2は、上記エンジン14、トルクコンバータ16、および自動変速機1
【0011】
としてラビニヨ型に構成されている第2変速部60とを共通の軸心上に有し、タービン軸34の回転を変速して出力回転部材62から出力する。タービン軸34は、自動変速機18の入力部材に相当する。また、出力回転部材62は自動変速機18の出力部材に相当するもので、本参考例では図1に示す差動歯車装置20のドリブンギヤ(大径歯車)64と噛み合う出力歯車すなわちデフドライブギヤである。なお、この自動変速機18および前記トルクコンバータ16は、中心線(軸心)に対して略対称的に構成されており、図2の骨子図においてはその中心線の下半分が省略されている。
[0034]
自動変速機18は、2つのクラッチC1、C2、および3つのブレーキB1〜B3(以下、特に区別しない場合は単にクラッチC、ブレーキBという)を備えており、それ等のクラッチCおよびブレーキBがそれぞれ係合、解放されることにより、第1変速部54および第2変速部60の各回転要素(サンギヤS1〜S3、キャリアCA1〜CA3、リングギヤR1〜R3)の連結状態が変更されて、第1速ギヤ段「1st」〜第6速ギヤ段「6th」の6つの前進ギヤ段が成立させられるとともに、後進ギヤ段「Rev」が成立させられる。クラッチCおよびブレーキBは、多板式のクラッチやブレーキなど油圧アクチュエータによって係合制御される油圧式摩擦係合装置で、油圧制御回路42のリニアソレノイド弁SL1〜SL5によってそれぞれ係合、解放状態が切り換えられるとともに、係合、解放時の過渡油圧などが制御される。図3は、上記各ギヤ段を成立させる際の摩擦係合装置の作動状態を説明する作動表で、「○」は係合、空欄は解放、「◎」はエンジンブレーキ時のみ係合、「△」は駆動時のみ作動、を意味している。
[0035]
図3において、前進ギヤ段では、クラッチC1とブレーキB2との係合により第1速ギヤ段「1st」が、クラッチC1とブレーキB1との係合により第2速ギヤ段「2nd」が、クラッチC1とブレーキB3との係合により第3速ギヤ段「3rd」が、クラッチC1とクラッチC2との係合により第4速ギヤ段「4th」が、クラッチC2とブレーキB3との係合により第5速ギヤ段「5th」が、クラッチC2とブレーキB1との係合により第6速
【0014】
りするもので、車速Vおよびアクセル操作量Acc等の運転状態をパラメータとして予め設定された切換マップに従って、ON、OFF、およびスリップ状態を切り換える。切換マップは、車速Vが低い低車速時(車両停止時を含む)にはロックアップクラッチ36を解放(OFF)するように定められる。
[0042]
エンジン始動制御手段88は、車両停止時等にエンジン14を始動するためのもので、スタータモータ30によりエンジン14をクランキング(回転駆動)してエンジン回転速度NEを上昇させるとともに、エンジン回転速度NEが所定の回転速度まで上昇したら燃料噴射や点火等を行ってエンジン14を始動し、所定のアイドル回転速度NEidlとするエンジン始動制御を実行する。エンジン始動制御手段88はまた、エンジン始動時にダンパ26の存在に起因して引込み共振が発生することを防止するため、前記自動変速機18がニュートラル「N」とされた状態で、一定の条件下でロックアップクラッチ36を係合させるようになっており、図4に示すようにエンジン温度判定手段92、ロックアップ係合領域判定手段94、およびロックアップ係合手段96を機能的に有するロックアップ係合制御手段90を備えている。図5は、このようなエンジン始動制御手段88の作動(信号処理)を具体的に説明するフローチャートで、ステップS3はエンジン温度判定手段92に相当し、ステップS4およびS6はロックアップ係合領域判定手段94に相当し、ステップS5およびS7はロックアップ係合手段96に相当する。なお、本参考例ではエンジン始動制御手段88がロックアップ係合制御手段90の機能を備えているが、前記ロックアップクラッチ制御手段86がロックアップ係合制御手段90の機能を備えるようにしても良い。
[0043]
図5のフローチャートは、例えば車両停止時等のエンジン停止時に実行され、ステップS1では、イグニッションスイッチの操作やアイドリングストップの解除判定などでエンジン始動指令が供給されたか否かを判断する。エンジン始動指令が供給されない場合はそのまま終了するが、エンジン始動指令が供給されたらステップS2を実行し、スタータモータ30によりエンジ
【0016】
み共振は認められなかった。図9および図10は、この時のデータ(シミュレーション)の一例で、何れも−20℃の場合であり、図9は破線で示す共振回転速度が450rpmで、図10は破線で示す共振回転速度が530rpmの場合である。共振回転速度が450rpmの図9では、共振回転速度付近でエンジン回転速度NEの振幅が大きくなるものの、停滞することなくスムーズに上昇しており、引込み共振は認められない。これに対し、共振回転速度が530rpmの図10では、エンジン回転速度NEが共振回転速度付近で停滞し、引込み共振によりエンジン回転速度NEがそれ以上上昇できなくなった。これは、エンジン回転速度NEの上昇と共に回転抵抗が大きくなり、エンジン回転速度NEの変化勾配が緩やかになって共振による影響が相対的に大きくなるため、エンジン回転速度NEの上昇が阻害されるものと考えられる。
[0046]
図5に戻って、ステップS4では、エンジン回転速度NEが予め定められたロックアップ開始回転速度n1に達したか否かを判断し、NE>n1になったらステップS5でロックアップ係合制御を実行する。具体的には、ロックアップ係合指令を前記ロックアップクラッチ制御手段86に出力することによりロックアップクラッチ36を係合させる。ロックアップ開始回転速度n1は、ロックアップクラッチ36の解放時におけるダンパ26の共振回転速度(以下、解放時共振回転速度ともいう)reoffよりも低回転で、且つロックアップクラッチ36の係合時におけるダンパ26の共振回転速度(以下、係合時共振回転速度ともいう)reonよりも高回転の一定値が設定される。このロックアップ開始回転速度n1の設定に際しては、各部の個体差や経時変化等による共振回転速度reoff、reonのばらつきが考慮され、共振の発生状況などに基づいて学習補正されるようにすることも可能である。係合時共振回転速度reonは、ロックアップクラッチ36の係合によりダンパ26の下流側の重量が大きくなるため、解放時共振回転速度reoffよりも低回転になる。
[0047]
本参考例では、解放時共振回転速度reoffは約530rpmで、エン
【0018】
Eidlよりも低い一定値で、例えば560rpm〜600rpm程度の値が設定される。このロックアップ終了回転速度n2の設定に際しても、各部の個体差や経時変化等による解放時共振回転速度reoffのばらつきが考慮され、共振の発生状況などに基づいて学習補正されるようにすることも可能である。図6の時間t3は、上記ステップS6の判断がYESになってステップS7が実行され、ロックアップクラッチ36が解放された時間である。
[0050]
その後、エンジン14が完全に自力回転できるようになってアイドル回転速度NEidlに達したら、一連のエンジン始動制御を終了する。その場合に、アイドリングストップからのエンジン始動時など、必要に応じて自動変速機18を ニュートラル「N」から所定のギヤ段に戻す変速制御を実行する。
[0051]
このように、本参考例の動力伝達装置12においては、エンジン始動制御手段88によりエンジン始動制御が行われる際に、アイドル回転速度NEidlよりも低い所定のエンジン回転速度領域n1〜n2で、自動変速機18をニュートラル「N」にした状態でロックアップクラッチ36が係合させられるため、ダンパ26の下流側の重量が大きくなって共振回転速度がreoffからreonへ低下し、エンジン始動時にダンパ26に起因して引込み共振が発生することが抑制される。すなわち、ロックアップクラッチ36の解放時におけるダンパ26の共振回転速度reoffよりも低回転で、且つそのロックアップクラッチ36の係合時におけるダンパ26の共振回転速度reonよりも高回転の予め定められたロックアップ開始回転速度n1にエンジン回転速度NEが達したら、ロックアップクラッチ36が係合させられ、そのロックアップ開始回転速度n1以下ではロックアップクラッチ36が解放状態に保持されるため、それ等の共振回転速度reonおよびreoff付近の共振や引込み共振が共に回避され、エンジン回転速度NEを速やかに上昇させてエンジン14を適切に始動できる。
[0052]
そして、このようにダンパ26に起因する共振や引込み共振が抑制される
【0019】
ことにより、エンジン回転速度NEが速やかに上昇させられ、エンジン14を短時間で適切に始動できるとともに、共振や引込み共振に起因するNV(ノイズ、振動)の悪化等が抑制される。また、ロックアップクラッチ36の係合制御で共振や引込み共振を抑制するため、ハード部分の設計変更が不要で、動力伝達装置12に対して容易に適用できる。
[0053]
また、ロックアップクラッチ36の解放時におけるダンパ26の共振回転速度reoffよりも高回転の予め定められたロックアップ終了回転速度n2にエンジン回転速度NEが達したら、そのロックアップクラッチ36を解放するため、引込み共振の発生を適切に抑制しつつロックアップクラッチ36の係合制御を無駄に継続することが防止される。
[0054]
また、エンジン冷却水温THwが、引込み共振を生じる可能性がある予め定められた判定値tsよりも低い低温時であることを条件として、ロックアップ係合制御が行われるため、引込み共振の発生を適切に抑制しつつロックアップクラッチ36の係合制御を無駄に実行することが防止される。
[0055]
また、自動変速機18をニュートラル「N」にした状態でロックアップクラッチ36の係合制御を実行するため、自動変速機18とは別に動力伝達を遮断する断接装置を設ける場合に比較して装置が簡単で且つ安価に構成される。
[0056]
次に、本発明の実施例を説明する。なお、以下の実施例において前記参考例と実質的に共通する部分には同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
[0057]
図11〜図13は、それぞれ前記図4、図5、図6に対応する図で、この実施例のロックアップ係合制御手段100は、前記ロックアップ係合領域判定手段94、ロックアップ係合手段96の代わりに引込み共振判定手段102およびロックアップ係合手段104を備えており、図12のフローチャートに従って信号処理を実行する。図12のステップS3はエンジン温度判定手段92に相当し、ステップS4−1およびS4−2は引込み共振判定手段
【0020】
102に相当し、ステップS5〜S7はロックアップ係合手段104に相当する。
[0058]
図12のフローチャートのステップS1〜S3、S5〜S7は前記参考例と同じで、ステップS4の代わりにステップS4−1およびS4−2が設けられている点が相違する。ステップS4−1では、エンジン回転速度NEの上昇が阻害される引込み共振が発生したか否かを判断する。引込み共振が発生したか否かは、例えばエンジン回転速度NEの始動所要時間或いは所定の回転速度に達するまでの経過時間等が予め定められた共振判定時間を越えたか否かによって判定できる。本実施例では、図13のタイムチャートに示すようにエンジン回転速度NEが判定開始回転速度n3を超えてからの経過時間が、予め定められた共振判定時間treに達したか否かによって判断し、共振判定時間treに達するまではステップS4−2を実行する。判定開始回転速度n3は、前記解放時共振回転速度reoffよりも低回転で、例えば前記ロックアップ開始回転速度n1と同程度の回転速度が定められる。
[0059]
ステップS4−2では、エンジン回転速度NEが前記ロックアップ終了回転速度n2を超えたか否かを判断し、NE≦n2の間はステップS4−1を繰り返す。そして、共振判定時間treに達する前にエンジン回転速度NEがロックアップ終了回転速度n2を超えた場合には、引込み共振を生じることなくエンジン回転速度NEが解放時共振回転速度reoffを通過したと判断して、ロックアップ係合制御を実施することなくエンジン始動制御を継続する。一方、エンジン回転速度NEがロックアップ終了回転速度n2を超える前に共振判定時間treに達した場合には、引込み共振が発生したと判断してステップS4−1の判断がYESになり、ステップS5以下のロックアップ係合制御を実行する。共振判定時間treは、エンジン回転速度NEが引込み共振を生じることなく判定開始回転速度n3からロックアップ終了回転速度n2に達するまでの通常の所要時間に基づいて、それよりも少し大き目の時間が定められる。これにより、引込み共振が発生しない場合までロックアップ係合制御が行われることが回避される。
【0021】
[0060]
図13の時間t4は、エンジン回転速度NEが判定開始回転速度n3を超えてからの経過時間が共振判定時間treに達してステップS4−1の判断がYESになり、ステップS5以下のロックアップ係合制御が開始された時間である。また、時間t5は、エンジン回転速度NEがロックアップ終了回転速度n2に達してステップS6の判断がYESになり、ロックアップクラッチ36が解放された時間である。本実施例のロックアップ係合手段104は、このようにエンジン回転速度NEがロックアップ終了回転速度n2に達したか否かを判定し、ロックアップ終了回転速度n2に達したらロックアップ係合制御を終了する機能を備えている。
[0061]
このように、引込み共振の発生判定時にロックアップ係合制御が行われると、ダンパ26の共振回転速度が解放時共振回転速度reoffから係合時共振回転速度reonまで低下し、相対的にエンジン回転速度NEが共振回転速度領域から外れる。このため、エンジン回転速度NEは、図13に実線で示すように引込み共振から脱して速やかに上昇させられるようになり、一点鎖線で示すロックアップ制御無しの場合に比較してエンジン14が速やかに始動させられる。なお、図13の破線は、前記参考例の場合、或いはエンジン温度が十分に高くて引込み共振を生じることなくエンジン回転速度NEが速やかに上昇させられた場合である。
[0062]
本実施例においても、エンジン始動制御手段88によりエンジン始動制御が行われる際に、アイドル回転速度NEidlよりも低い所定のエンジン回転速度領域でロックアップクラッチ36が係合させられるため、ダンパ26の下流側の重量が大きくなって共振回転速度がreoffからreonへ低下し、ダンパ26に起因する引込み共振が抑制される。すなわち、引込み共振が発生したか否かを判断し、引込み共振が発生した場合にはロックアップクラッチ36を係合させてダンパ26の共振回転速度を低下させることにより、エンジン回転速度NEを相対的に共振回転速度領域から外し、引込み共振から離脱させて速やかに上昇させるようにしたのである。これにより、エンジン14を短時間で適切に始動できるとともに、引込み共振に起因するN
【0022】
V(ノイズ、振動)の悪化等が抑制されるなど、前記参考例と同様の効果が得られる。また、実際に引込み共振が発生した場合にロックアップクラッチ36を係合制御するため、所定のエンジン回転速度領域で常に一律にロックアップクラッチ36の係合制御を行う場合に比較して、ロックアップクラッチ36の係合制御を無駄に実行することが防止される。
[0063]
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これ等はあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。
符号の説明
[0064]
10:車両用駆動装置 12:動力伝達装置 14:エンジン 16:トルクコンバータ(流体式伝動装置) 18:自動変速機(断接装置) 26:ダンパ 36:ロックアップクラッチ 70:エンジン回転速度センサ 72:冷却水温センサ 80:電子制御装置 88:エンジン始動制御手段 90、100:ロックアップ係合制御手段 92:エンジン温度判定手段 94:ロックアップ係合領域判定手段 96、104:ロックアップ係合手段 102:引込み共振判定手段 NE:エンジン回転速度 THw:エンジン冷却水温(エンジン温度) reoff:解放時共振回転速度 reon:係合時共振回転速度 n1:ロックアップ開始回転速度 n2:ロックアップ終了回転速度 n3:判定開始回転速度 tre:共振判定時間

Claims (7)

  1. ロックアップクラッチ付きの流体式伝動装置とエンジンとの間に、ねじり振動を吸収するダンパを備える動力伝達装置の制御装置において、
    前記流体式伝動装置の下流側には、動力伝達を接続遮断できる断接装置が設けられており、
    前記エンジンを始動する際に、アイドル回転速度よりも低い所定のエンジン回転速度領域で、前記断接装置により動力伝達が遮断された状態で前記ロックアップクラッチを係合させるロックアップ係合制御手段を有する
    ことを特徴とする動力伝達装置の制御装置。
  2. 前記ロックアップ係合制御手段は、前記ロックアップクラッチの解放時における前記ダンパの共振回転速度reoffを含むように予め定められたエンジン回転速度領域で前記ロックアップクラッチを係合させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置の制御装置。
  3. 前記ロックアップ係合制御手段は、前記共振回転速度reoffよりも低回転で、且つ前記ロックアップクラッチの係合時における前記ダンパの共振回転速度reonよりも高回転の予め定められたロックアップ開始回転速度n1にエンジン回転速度NEが達したら、該ロックアップクラッチを係合させ、該ロックアップ開始回転速度n1以下では該ロックアップクラッチを解放状態に保持する
    ことを特徴とする請求項2に記載の動力伝達装置の制御装置。
  4. 前記ロックアップ係合制御手段は、エンジン回転速度NEの上昇が阻害される引込み共振が発生したか否かを判断し、該引込み共振が発生した場合に前記ロックアップクラッチを係合させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置の制御装置。
  5. 前記ロックアップ係合制御手段は、前記ロックアップクラッチの解放時における前記ダンパの共振回転速度reoffよりも高回転の予め定められたロックアップ終了回転速度n2にエンジン回転速度NEが達したら、該ロックアップクラッチを解放する
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の動力伝達装置の制御装置。
  6. 前記ロックアップ係合制御手段は、前記エンジンの温度が引込み共振を生じる可能性がある、予め定められた判定値tsよりも低い低温時であることを条件として、前記ロックアップクラッチの係合制御を行う
    ことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の動力伝達装置の制御装置。
  7. 前記断接装置は、動力伝達を遮断するニュートラルを成立させることができる自動変速機で、
    前記ロックアップ係合制御手段は、前記自動変速機がニュートラルにされた状態で前記ロックアップクラッチの係合制御を行う
    ことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の動力伝達装置の制御装置。
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