JPS6145196B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は制御棒駆動機構交換装置に係り、特に
原子炉圧力容器下部のCRDハウジングにCRDを
取付けている、CRDマウンテイングボルトの六
角穴と、CRD着脱装置のボルトレンチの嵌合確
認方法に関する。

CRDの交換作業は原子炉の定期点検時に行な
われる。この作業は、高放射線雰囲気で実施され
るため、特に作業員の放射線被曝低減と省力化を
図ることが必要である。従来CRDマウンテイン
グボルトの六角穴と、ボルトレンチの嵌合確認は
作業員の目視により一本づつ行なつているため、
被曝低減及び省力化という面から大きな欠点があ
つた。

本発明の目的は作業の省力化及び作業員の放射
能被曝低減を計ることにある。

本発明の制御棒駆動機構交換装置のボルトレン
チ嵌合確認方法は、制御棒駆動機構のハウジング
と制御棒駆動機構のフランジとを係合しているボ
ルトをボルトレンチを用いて取り外すに当り、ボ
ルトにボルトレンチが嵌合した時に発生する衝突
音又は振動を検出し、これを電気信号に変換し、
かつ該電気信号を指示計で表示することにより、
嵌合を確認することを特徴とする。

CRDは８本の取付ボルトで締付けられてい
て、その位置合せは、CRDとCRD着脱ヘツドと
の中心を合せ、次で、CRD着脱ヘツド（ボルト
レンチ側）を回転させボルト六角穴とボルトレン
チの位置合せを行なつているが、六角穴と六角レ
ンチは六角の位置が少しでもズレると嵌合しな
い。そのため、ボルトレンチを回転させ、作業員
が目視によつて嵌合確認していたため、非能率的
であつた。本発明は、ボルトレンチを低速回転し
て、ボルト六角穴とボルトレンチの六角が一致し
た際、ボルトレンチ下部に設けてある圧縮コイル
バネの釈放力によつて、ボルトレンチが急激に上
昇して、ボルト六角穴に衝突することに着目し
た。

ボルトレンチの回転を最小にし、１本づつ回転
駆動することにより、順次ボルトレンチの嵌合が
衝突音あるいは振動を検出することにより確認で
きることが判明した。そのため、従来から行なつ
ている、ボルト緩み確認方法と同様、CRD着脱
ヘツドに設けた振動計ピツクアツプで検知し、格
納容器の外に設置された操作盤上の指示計で受信
して、遠隔で、ボルトレンチの嵌合確認を可能に
したものである。以下本発明の一実施例を図に基
づいて説明する。

第１図で、原子炉圧力容器１は格納容器２（以
下PCVとする）内に配置されたペデスタル３上
に据付けられる。原子炉圧力容器（下RPVとす
る）１の下部に、CRDハウジング４及び中性子
計測用ハウジング５が突出して設けられ、RPV
１の一部分を形成している。CRD６は、CRDハ
ウジング４内に収納される。ペデスタル３内で、
RPV１の下方には空間７が形成される。CRDを
空間７内に出し入れする搬出入口８がペデスタル
３に設けられる。空間７内でペデスタル３の側壁
にブラケツト９が突出して設けられる。ブラケツ
ト９の上部には、環状のレール１０が敷設されて
いる。

旋回移動装置１１が、レール１０上を移動す
る。CRD交換装置１２は、旋回移動装置１１、
CRD着脱装置１３及びCRD取扱装置１４から構
成される。

CRD着脱装置１３は走行台車１５、着脱ヘツ
ド１６から構成され、CRDマウンテイングボル
トの着脱、制御棒とCRDのアンカツプリング、
アンカツプリング確認、ドレン処理及び着脱ヘツ
ドの昇降等の機能を有し、CRDハウジング４へ
のCRDの取付、取外しを行なうことができる。

CRD取扱装置１４は、走行台車１７及びマス
ト１８から構成され、前記CRD着脱装置１３で
取外したCRDの受取り、受渡し及び横転機能を
有している。

CRD取扱装置１４により横転されたCRD６は
CRD運搬用カート２１に保持積載され、ペデス
タル３の搬出入口８から、ブリツジ１９を介し
PCV２の貫通口２０を通り搬出される。CRDの
取付は取外しの逆の手順で行なわれる。

前述したように本発明は、CRD取外しの際、
CRDマウンテイングボルトの六角穴と、六角レ
ンチの嵌合確認を、遠隔で行なうことを目的とし
ている。従来このボルトレンチの嵌合は、作業員
が近接して目視あるいは、手で触れることにより
確認しているが、高放射線雰囲気であり、又作業
性が著しく悪いため、被曝低減及び省力化が強く
望まれていたものである。以下図により本発明の
ボルトレンチ嵌合確認方法について説明する。

第２図は、CRD着脱装置１３の上部概要を示
している。図は着脱ヘツド１６が、昇降軸２２に
固定されて上昇し、CRD６の下部に接続した状
態を示している。この状態からCRDと制御棒の
連結を解除し、CRDマウンテイングボルト２３
を緩めてCRDハウジング４内に収納されている
CRD６を引抜くことができる。以下CRDマウン
テイングボルト２３の取外し手順を説明する。第
２図で、CRD６とCRD着脱ヘツド１６の接続
は、CRDのテーパー部２４をシート２５により
サポートして行なわれる。通常この位置では、
CRDマウンテイングボルト２３の六角穴と、ボ
ルトレンチ３０の六角部は、第３図に示す如く正
確に合つていないため、ボルトレンチ３０は、ス
プリング２７の力に抗して下方に押され、マウン
テイングボルト２３の頭部に乗り上げた状態にあ
る。その後エアモータ２６の微小角度回転駆動に
より、互いの六角部が一致した瞬間に、スプリン
グ２７の反発力でボルトレンチが嵌合する。この
時のエアモータの回転は超低速で、しかも低圧で
行なうことにより、各部の損傷を防止できる。こ
のマウンテイングボルトの六角穴とボルトレンチ
の嵌合完了の確認は、振動計２９で検出してい
る。

今、複数個のマウンテイングボルトの着脱は、
複数個のエアモータにより、全数同時に、あるい
は１本毎に可能であるが、振動計２９はボルト全
数に対して１個設けている。第２図でマウンテイ
ングボルト２３の頭部に、ボルトレンチ３０が乗
り上げた状態から、第４図で、エアモータ２６の
微小回転駆動により、ボルトとレンチの六角部が
整合した瞬間、スプリング２７の反発力でボルト
レンチ３０が急激に上昇して、ボルト底部に衝突
し金属音が生じる。

本発明は、この時の衝突音を前記振動計２９で
検知し、増幅器３１を介して、CRD交換装置の
操作盤３２に表示、確認するものである。複数個
のボルトを順次タイマー設定等で嵌合確認するも
のである。

本発明によれば、ボルトレンチの嵌合確認を、
PCV外に配置した操作盤上でできるため、作業
員が高放射線雰囲気のペデスタル内で、目視確認
が不要となつた。従つて、放射線被曝低減と省力
化が可能で、原子力発電所の定期点検期間短縮に
寄与する。

【図面の簡単な説明】

第１図はCRD交換装置の全体概要図、第２図
はCRD着脱ヘツド部分の概要図、第３図イ，ロ
はCRD取付ボルトとボルトレンチの位置決め状
態図、第４図はCRD取付ボルトとボルトレンチ
の嵌合状態図、第５図は振動検出要領図である。 １……原子炉圧力容器（RPV）、２……原子炉
格納容器（PCV）、３……ペデスタル、４……
CRDハウジング、５……中性子計測用ハウジン
グ、６……制御棒駆動機構（CRD）、７……空
間、８……搬出入口、９……ブラケツト、１０…
…レール、１１……旋回移動装置、１２……
CRD交換装置、１３……CRD着脱装置、１４…
…CRD取扱装置、１５……走行台車、１６……
着脱ヘツド、１７……走行台車、１８……マス
ト、１９……ブリツジ、２０……貫通口、２１…
…CRD運搬用カート、２２……昇降軸、２３…
…CRDマウンテイングボルト、２４……テーパ
ー部、２５……シート、２６……エアモータ、２
７……スプリング、２９……振動計、３０……ボ
ルトレンチ、３１……増幅器、３２……操作盤。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 制御棒駆動機構のハウジングと制御棒駆動機
   構のフランジとを係合しているボルトをボルトレ
   ンチを用いて取り外すに当り、ボルトにボルトレ
   ンチが嵌合した時に発生する衝突音又は振動を検
   出し、これを電気信号に変換し、かつ該電気信号
   を指示計で表示することにより、嵌合を確認する
   ことを特徴とする制御棒駆動機構交換装置のボル
   トレンチの嵌合確認方法。