JPH1057958A - 浸漬型膜処理設備における塩素供給方法およびその装置 - Google Patents
浸漬型膜処理設備における塩素供給方法およびその装置Info
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- JPH1057958A JPH1057958A JP22147096A JP22147096A JPH1057958A JP H1057958 A JPH1057958 A JP H1057958A JP 22147096 A JP22147096 A JP 22147096A JP 22147096 A JP22147096 A JP 22147096A JP H1057958 A JPH1057958 A JP H1057958A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】塩素の供給量をできるだけ少なく抑えながら、
膜の目詰まりを防止し、かつ、塩素の添加によるトリハ
ロメタンの増加を抑えることができる浸漬型膜処理設備
における塩素供給方法およびその装置を提供する。 【解決手段】濾過槽1と、この濾過槽内に浸漬され、濾
過槽に供給した原水3の濾過を行うための膜モジュール
2と、膜モジュールの下方に設けたエア供給用の散気管
8とを有する浸漬型膜濾過設備において、前記濾過槽へ
の原水の導入ラインaに低濃度塩素供給源10を設ける
と共に、物理洗浄時に濾過槽中へ直接塩素を供給するた
めの供給ラインcに高濃度塩素供給源10′を設けて構
成し、濾過槽1に供給される原水に常時低濃度の塩素を
供給し、吸引ポンプ4停止後、膜モジュール2の下方か
らエアを噴出させて物理洗浄を行うときに、高濃度の塩
素を濾過槽1内に効率的に供給する。
膜の目詰まりを防止し、かつ、塩素の添加によるトリハ
ロメタンの増加を抑えることができる浸漬型膜処理設備
における塩素供給方法およびその装置を提供する。 【解決手段】濾過槽1と、この濾過槽内に浸漬され、濾
過槽に供給した原水3の濾過を行うための膜モジュール
2と、膜モジュールの下方に設けたエア供給用の散気管
8とを有する浸漬型膜濾過設備において、前記濾過槽へ
の原水の導入ラインaに低濃度塩素供給源10を設ける
と共に、物理洗浄時に濾過槽中へ直接塩素を供給するた
めの供給ラインcに高濃度塩素供給源10′を設けて構
成し、濾過槽1に供給される原水に常時低濃度の塩素を
供給し、吸引ポンプ4停止後、膜モジュール2の下方か
らエアを噴出させて物理洗浄を行うときに、高濃度の塩
素を濾過槽1内に効率的に供給する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、膜モジュールを濾過
槽内に浸漬し、原水に塩素を供給しつつ前記膜により原
水の濾過を行う浸漬型膜濾過設備において、少量の塩素
の供給で、膜の目詰まりを防止し得る浸漬型膜処理設備
における塩素供給方法およびその装置に関するものであ
る。
槽内に浸漬し、原水に塩素を供給しつつ前記膜により原
水の濾過を行う浸漬型膜濾過設備において、少量の塩素
の供給で、膜の目詰まりを防止し得る浸漬型膜処理設備
における塩素供給方法およびその装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】水処理設備においては、凝集・沈殿・砂
濾過法に代わる新たな浄水処理として原水を濾過膜に流
して透過させ、固液分離を行う膜処理技術が注目され、
実用化の段階となっている。図2は、従来から用いられ
ている浸漬型膜濾過設備の一例を示す断面図であり、濾
過槽1内に膜モジュール2を浸漬してあり、原水ポンプ
12により濾過槽1に導入した原水3を、吸引ポンプ4
を作動させて膜モジュール2の膜により濾過し、透過水
5を処理水槽6に貯留し、浄水用の処理水として供する
ものである。吸引ポンプ停止後、物理洗浄を行うとき
は、エアスクラビング用のブロワ11を作動させ、膜モ
ジュールの下方に設けたエア噴出管8からエアを噴出さ
せて、膜モジュール1の膜に付着した粒子やコロイド等
の濁質を除去する。
濾過法に代わる新たな浄水処理として原水を濾過膜に流
して透過させ、固液分離を行う膜処理技術が注目され、
実用化の段階となっている。図2は、従来から用いられ
ている浸漬型膜濾過設備の一例を示す断面図であり、濾
過槽1内に膜モジュール2を浸漬してあり、原水ポンプ
12により濾過槽1に導入した原水3を、吸引ポンプ4
を作動させて膜モジュール2の膜により濾過し、透過水
5を処理水槽6に貯留し、浄水用の処理水として供する
ものである。吸引ポンプ停止後、物理洗浄を行うとき
は、エアスクラビング用のブロワ11を作動させ、膜モ
ジュールの下方に設けたエア噴出管8からエアを噴出さ
せて、膜モジュール1の膜に付着した粒子やコロイド等
の濁質を除去する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この浸漬型膜濾過設備
においては、膜モジュール2が細菌等の生物および有機
物により目詰まりを起こすため、従来、濾過槽1内への
原水3の導入ラインaに塩素供給源20を設け、原水3
に塩素を供給して、その防止を図っている。すなわち、
細菌等の生物は塩素により殺菌され、また、有機物は酸
化され、膜に付着しないようにしている。このために
は、塩素の濃度をできるだけ高くすることが効果的であ
るが、高濃度とすれば、処理水側に塩素が出て、これに
よる有害なトリハロメタンの増加が懸念され、かつ、溶
解性金属物質(鉄,マンガン等)の酸化が起こり、酸化
物となって、膜モジュール2に目詰まりを起こす可能性
が高くなるという問題が生ずる。
においては、膜モジュール2が細菌等の生物および有機
物により目詰まりを起こすため、従来、濾過槽1内への
原水3の導入ラインaに塩素供給源20を設け、原水3
に塩素を供給して、その防止を図っている。すなわち、
細菌等の生物は塩素により殺菌され、また、有機物は酸
化され、膜に付着しないようにしている。このために
は、塩素の濃度をできるだけ高くすることが効果的であ
るが、高濃度とすれば、処理水側に塩素が出て、これに
よる有害なトリハロメタンの増加が懸念され、かつ、溶
解性金属物質(鉄,マンガン等)の酸化が起こり、酸化
物となって、膜モジュール2に目詰まりを起こす可能性
が高くなるという問題が生ずる。
【0004】塩素の濃度を低くすれば、上記の問題を生
ずる危険性は回避できるが、そのかわりに塩素による滅
菌が不十分となり、膜が生物に侵食されたり、膜表面に
付着した生物,有機物等により透過水量が減少するとい
う問題が発生する。
ずる危険性は回避できるが、そのかわりに塩素による滅
菌が不十分となり、膜が生物に侵食されたり、膜表面に
付着した生物,有機物等により透過水量が減少するとい
う問題が発生する。
【0005】この発明は、上記した従来技術における問
題点を解決し、塩素の供給量をできるだけ少なく抑えな
がら、膜の目詰まりを防止し得る浸漬型膜処理設備にお
ける塩素供給方法およびその装置を提供することを目的
とする。
題点を解決し、塩素の供給量をできるだけ少なく抑えな
がら、膜の目詰まりを防止し得る浸漬型膜処理設備にお
ける塩素供給方法およびその装置を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの具体的手段として、この発明は、膜モジュールを濾
過槽内に浸漬し、吸引ポンプを作動させて濾過槽内の膜
に原水を透過させ、原水の濾過を行う浸漬型膜濾過設備
において、吸引ポンプを停止し、膜モジュールの下方か
らエアを噴出させて物理洗浄を行うときにのみ、濾過槽
内に高濃度の塩素を供給することを特徴とする浸漬型膜
処理設備における塩素供給方法を構成した。この場合の
高濃度の塩素とは、塩素濃度が2.0〜4.0mg/L
の範囲とすると有効である。
めの具体的手段として、この発明は、膜モジュールを濾
過槽内に浸漬し、吸引ポンプを作動させて濾過槽内の膜
に原水を透過させ、原水の濾過を行う浸漬型膜濾過設備
において、吸引ポンプを停止し、膜モジュールの下方か
らエアを噴出させて物理洗浄を行うときにのみ、濾過槽
内に高濃度の塩素を供給することを特徴とする浸漬型膜
処理設備における塩素供給方法を構成した。この場合の
高濃度の塩素とは、塩素濃度が2.0〜4.0mg/L
の範囲とすると有効である。
【0007】また、この発明は、膜モジュールを濾過槽
内に浸漬し、吸引ポンプを作動させて濾過槽内の膜に原
水を透過させ、原水の濾過を行う浸漬型膜濾過設備にお
いて、吸引ポンプの作動中は、前記濾過槽に供給される
原水に常時低濃度の塩素を供給すると共に、吸引ポンプ
停止後、膜モジュールの下方からエアを噴出させて物理
洗浄を行うときにのみ、濾過槽内に高濃度の塩素を供給
することを特徴とする浸漬型膜処理設備における塩素供
給方法を構成した。この場合の低濃度の塩素とは、塩素
濃度が0.1〜1.0mg/Lの範囲、また、高濃度の
塩素とは、塩素濃度が2.0〜4.0mg/Lの範囲と
すると有効である。
内に浸漬し、吸引ポンプを作動させて濾過槽内の膜に原
水を透過させ、原水の濾過を行う浸漬型膜濾過設備にお
いて、吸引ポンプの作動中は、前記濾過槽に供給される
原水に常時低濃度の塩素を供給すると共に、吸引ポンプ
停止後、膜モジュールの下方からエアを噴出させて物理
洗浄を行うときにのみ、濾過槽内に高濃度の塩素を供給
することを特徴とする浸漬型膜処理設備における塩素供
給方法を構成した。この場合の低濃度の塩素とは、塩素
濃度が0.1〜1.0mg/Lの範囲、また、高濃度の
塩素とは、塩素濃度が2.0〜4.0mg/Lの範囲と
すると有効である。
【0008】一方、この発明は、濾過槽と、この濾過槽
内に浸漬され、濾過槽に供給した原水の濾過を行うため
の膜モジュールと、膜モジュールの下方に設けたエア供
給用の散気管とを有する浸漬型膜濾過設備において、物
理洗浄時に濾過槽中へ直接塩素を供給するための供給ラ
インに高濃度塩素供給源を設けたことを特徴とする浸漬
型膜処理設備における塩素供給装置を構成した。
内に浸漬され、濾過槽に供給した原水の濾過を行うため
の膜モジュールと、膜モジュールの下方に設けたエア供
給用の散気管とを有する浸漬型膜濾過設備において、物
理洗浄時に濾過槽中へ直接塩素を供給するための供給ラ
インに高濃度塩素供給源を設けたことを特徴とする浸漬
型膜処理設備における塩素供給装置を構成した。
【0009】さらに、この発明は、濾過槽と、この濾過
槽内に浸漬され、濾過槽に供給した原水の濾過を行うた
めの膜モジュールと、膜モジュールの下方に設けたエア
供給用の散気管とを有する浸漬型膜濾過設備において、
前記濾過槽への原水の導入ラインに低濃度塩素供給源を
設けると共に、物理洗浄時に濾過槽中へ直接塩素を供給
するための供給ラインに高濃度塩素供給源を設けたこと
を特徴とする浸漬型膜処理設備における塩素供給装置を
構成した。
槽内に浸漬され、濾過槽に供給した原水の濾過を行うた
めの膜モジュールと、膜モジュールの下方に設けたエア
供給用の散気管とを有する浸漬型膜濾過設備において、
前記濾過槽への原水の導入ラインに低濃度塩素供給源を
設けると共に、物理洗浄時に濾過槽中へ直接塩素を供給
するための供給ラインに高濃度塩素供給源を設けたこと
を特徴とする浸漬型膜処理設備における塩素供給装置を
構成した。
【0010】上記の浸漬型膜処理設備における塩素供給
装置において、濾過槽中における膜モジュールと散気管
との間に、高濃度の塩素を供給するための塩素噴出ノズ
ルを設けると、より有効である。
装置において、濾過槽中における膜モジュールと散気管
との間に、高濃度の塩素を供給するための塩素噴出ノズ
ルを設けると、より有効である。
【0011】
【実施例】以下に、この発明の実施例を図面について説
明する。図1は、この発明に係る浸漬型膜処理設備にお
ける塩素供給方法を説明するための装置の断面図であ
り、従来の浸漬型膜濾過設備の一例を示す図2と同一の
部位および部材には、共通の符号が付されている。
明する。図1は、この発明に係る浸漬型膜処理設備にお
ける塩素供給方法を説明するための装置の断面図であ
り、従来の浸漬型膜濾過設備の一例を示す図2と同一の
部位および部材には、共通の符号が付されている。
【0012】図1において、濾過槽1内には原水3が原
水ポンプ12により導入ラインaより導入され、内部に
浸漬した膜モジュール2の膜により濾過される。膜モジ
ュール2は、MF膜,UF膜,RO膜あるいは適宜のメ
ッシュの網状体からなり、この実施形態では、ポリエチ
レン製親水化中空糸膜精密濾過膜を用いた。ポリエチレ
ン製に代えて酢酸セルロース製を用いてもよい。原水3
は、吸引ポンプ4に吸引されて膜モジュール2の内部に
透過させ、その内側に透過水を取り入れる。この透過水
5は、透過水ラインdにより濾過槽1の外部に取り出さ
れ、処理水槽6に貯留されて、浄水用の処理水として供
される。なお、濾過槽1の底部には、汚泥等の濁質が溜
まった場合に、水抜きを行い、濁質を引き抜くための排
水管1aが接続される。
水ポンプ12により導入ラインaより導入され、内部に
浸漬した膜モジュール2の膜により濾過される。膜モジ
ュール2は、MF膜,UF膜,RO膜あるいは適宜のメ
ッシュの網状体からなり、この実施形態では、ポリエチ
レン製親水化中空糸膜精密濾過膜を用いた。ポリエチレ
ン製に代えて酢酸セルロース製を用いてもよい。原水3
は、吸引ポンプ4に吸引されて膜モジュール2の内部に
透過させ、その内側に透過水を取り入れる。この透過水
5は、透過水ラインdにより濾過槽1の外部に取り出さ
れ、処理水槽6に貯留されて、浄水用の処理水として供
される。なお、濾過槽1の底部には、汚泥等の濁質が溜
まった場合に、水抜きを行い、濁質を引き抜くための排
水管1aが接続される。
【0013】濾過槽1内への原水3の導入ラインaに
は、低濃度塩素供給源10より塩素添加ポンプ7により
第1の塩素供給ラインbが接続され、吸引ポンプ4が作
動している濾過運転中は、この第1の塩素供給ラインb
から電動調節弁21を介して低濃度の塩素が常時供給さ
れる。低濃度の塩素は、塩素濃度が0.1〜1.0mg
/L(望ましくは0.5〜1.0mg/L)の範囲のも
のが有効に作用し、この実施形態では0.5mg/Lの
濃度の塩素を用いた。
は、低濃度塩素供給源10より塩素添加ポンプ7により
第1の塩素供給ラインbが接続され、吸引ポンプ4が作
動している濾過運転中は、この第1の塩素供給ラインb
から電動調節弁21を介して低濃度の塩素が常時供給さ
れる。低濃度の塩素は、塩素濃度が0.1〜1.0mg
/L(望ましくは0.5〜1.0mg/L)の範囲のも
のが有効に作用し、この実施形態では0.5mg/Lの
濃度の塩素を用いた。
【0014】この種の浸漬型膜処理設備においては、濾
過運転を所定時間、例えば30分〜60分間継続して行
うと、短時間、例えば1〜2分間物理洗浄が行われる。
物理洗浄は、吸引ポンプ4を停止した状態で、膜モジュ
ール2の下方からエアを噴出させる、いわゆるエアスク
ラビングと、処理水槽6内の浄水用の処理水を膜モジュ
ール2の内側から噴出させる逆洗処理とを行うものであ
る。なお、逆洗処理は行われない場合もある。エアスク
ラビングは、膜モジュール2の下方にエア供給用の散気
管8を設け、濾過槽1外のブロワ11からこの散気管8
にエアを送給し、濾過槽1内にエアを噴出させることに
より、膜モジュール2の膜の表面に付着した粒子やコロ
イド等の濁質を除去するものである。また、逆洗処理
は、処理水槽6内の浄水用の処理水を逆洗水ポンプ13
により逆洗水ラインeを経由して透過水ラインdより逆
流させ、膜モジュール2の内側から外側に向け噴出させ
て、逆洗水による膜の洗浄を行うものである。
過運転を所定時間、例えば30分〜60分間継続して行
うと、短時間、例えば1〜2分間物理洗浄が行われる。
物理洗浄は、吸引ポンプ4を停止した状態で、膜モジュ
ール2の下方からエアを噴出させる、いわゆるエアスク
ラビングと、処理水槽6内の浄水用の処理水を膜モジュ
ール2の内側から噴出させる逆洗処理とを行うものであ
る。なお、逆洗処理は行われない場合もある。エアスク
ラビングは、膜モジュール2の下方にエア供給用の散気
管8を設け、濾過槽1外のブロワ11からこの散気管8
にエアを送給し、濾過槽1内にエアを噴出させることに
より、膜モジュール2の膜の表面に付着した粒子やコロ
イド等の濁質を除去するものである。また、逆洗処理
は、処理水槽6内の浄水用の処理水を逆洗水ポンプ13
により逆洗水ラインeを経由して透過水ラインdより逆
流させ、膜モジュール2の内側から外側に向け噴出させ
て、逆洗水による膜の洗浄を行うものである。
【0015】さて、原水に低濃度の塩素を供給しつつ行
う濾過運転を所定時間継続した後、吸引ポンプの作動を
停止させ、短時間の物理洗浄を行う際に、この発明にお
いては、膜モジュール2の下方から噴出するエアと同時
に、また逆洗時には逆洗水の噴出と同時に、高濃度の塩
素を供給するようにして、濾過槽内に塩素を拡散させ
る。すなわち、第1の塩素供給ラインbから分岐させ
て、第2の塩素供給ラインcが接続される。この第2の
塩素供給ラインcは、その先端部を濾過槽1の中の膜モ
ジュール2と散気管8との間に臨ませると共に、これに
高濃度の塩素を供給するための塩素噴出ノズル9を設け
ている。高濃度塩素供給源10′(この実施形態では、
低濃度塩素供給源10と同一供給源としている。)より
送給された塩素は、塩素添加ポンプ7の作動により、第
2の塩素供給ラインcから電動調節弁22を介して塩素
噴出ノズル9に至り、膜モジュール2に向け噴出する。
高濃度の塩素は、塩素濃度が2.0〜4.0mg/Lの
範囲のものが有効に作用し、この実施形態では3.0m
g/Lの濃度の塩素を用いた。
う濾過運転を所定時間継続した後、吸引ポンプの作動を
停止させ、短時間の物理洗浄を行う際に、この発明にお
いては、膜モジュール2の下方から噴出するエアと同時
に、また逆洗時には逆洗水の噴出と同時に、高濃度の塩
素を供給するようにして、濾過槽内に塩素を拡散させ
る。すなわち、第1の塩素供給ラインbから分岐させ
て、第2の塩素供給ラインcが接続される。この第2の
塩素供給ラインcは、その先端部を濾過槽1の中の膜モ
ジュール2と散気管8との間に臨ませると共に、これに
高濃度の塩素を供給するための塩素噴出ノズル9を設け
ている。高濃度塩素供給源10′(この実施形態では、
低濃度塩素供給源10と同一供給源としている。)より
送給された塩素は、塩素添加ポンプ7の作動により、第
2の塩素供給ラインcから電動調節弁22を介して塩素
噴出ノズル9に至り、膜モジュール2に向け噴出する。
高濃度の塩素は、塩素濃度が2.0〜4.0mg/Lの
範囲のものが有効に作用し、この実施形態では3.0m
g/Lの濃度の塩素を用いた。
【0016】上記のように、濾過槽の原水入口に低濃度
(0.5mg/L)の塩素を供給することにより、溶解
性金属物質(鉄,マンガン等)を酸化させることなく、
ある程度、生物の殺菌および溶解性有機物の酸化が行え
る。そして、物理洗浄時に高濃度(3.0mg/L)の
塩素を供給すると、エアスクラビングおよび逆洗時には
逆洗水の噴出により濾過槽内に塩素が拡散し、槽内全域
が一定時間高濃度の塩素で満たされることになる。これ
により、生物の殺菌および溶解性有機物の酸化が効率よ
く行える。また、高濃度の塩素により、溶解性金属物質
も酸化するが、膜表面には濁質が付着していることと、
吸引ポンプを停止していることにより、目詰まりを防止
できる。この結果、高濃度の塩素を濾過槽入口に添加す
る従来の塩素供給手段に比し、相対的に少量の塩素の供
給で膜の目詰まりを防止でき、トリハロメタンの問題を
解決できる。
(0.5mg/L)の塩素を供給することにより、溶解
性金属物質(鉄,マンガン等)を酸化させることなく、
ある程度、生物の殺菌および溶解性有機物の酸化が行え
る。そして、物理洗浄時に高濃度(3.0mg/L)の
塩素を供給すると、エアスクラビングおよび逆洗時には
逆洗水の噴出により濾過槽内に塩素が拡散し、槽内全域
が一定時間高濃度の塩素で満たされることになる。これ
により、生物の殺菌および溶解性有機物の酸化が効率よ
く行える。また、高濃度の塩素により、溶解性金属物質
も酸化するが、膜表面には濁質が付着していることと、
吸引ポンプを停止していることにより、目詰まりを防止
できる。この結果、高濃度の塩素を濾過槽入口に添加す
る従来の塩素供給手段に比し、相対的に少量の塩素の供
給で膜の目詰まりを防止でき、トリハロメタンの問題を
解決できる。
【0017】上記の実施形態で原水濾過を行って得られ
た処理水を分析したところ、塩素の濃度は水道水質基準
以下であった。結果として、塩素を基準値以下に抑制す
ることができた。
た処理水を分析したところ、塩素の濃度は水道水質基準
以下であった。結果として、塩素を基準値以下に抑制す
ることができた。
【0018】なお、上記の実施形態では、低濃度塩素供
給源10と高濃度塩素供給源10′とを同一供給源とし
た例について示したが、これらを予め所定の濃度に設定
した別個の供給源としてもよいことは勿論である。ま
た、濾過槽内への高濃度の塩素の供給は、散気管8等の
エア管中に塩素を混入して行う手段もある。そして、膜
モジュールの処理水側に残留塩素計を設け、過剰な塩素
が添加されていないかを検出してもよい。
給源10と高濃度塩素供給源10′とを同一供給源とし
た例について示したが、これらを予め所定の濃度に設定
した別個の供給源としてもよいことは勿論である。ま
た、濾過槽内への高濃度の塩素の供給は、散気管8等の
エア管中に塩素を混入して行う手段もある。そして、膜
モジュールの処理水側に残留塩素計を設け、過剰な塩素
が添加されていないかを検出してもよい。
【0019】
【発明の効果】この発明に係る浸漬型膜処理設備におけ
る塩素供給方法およびその装置の第1の手段によれば、
吸引ポンプを停止し、膜モジュールの下方からエアを噴
出させて物理洗浄を行うときに、高濃度の塩素を濾過槽
内に供給する。この場合、濾過運転を行っていないの
で、エアスクラビングおよび逆洗時には逆洗水の噴出に
より濾過槽内に塩素が拡散し、槽内全域が一定時間高濃
度の塩素で満たされる。この塩素は、膜面に付着してい
る溶解性有機物と反応し、これに結合されることから、
塩素処理が効率よく行われトリハロメタンの生成を回避
することができる。また、この発明に係る浸漬型膜処理
設備における塩素供給方法およびその装置の第2の手段
によれば、濾過槽内への原水の導入ラインに低濃度塩素
供給源を設け、原水に常時低濃度の塩素を供給しつつ濾
過運転を行っている。したがって、溶解性金属物質を酸
化させることなく、ある程度、生物の殺菌および有機物
の酸化を行うことが可能である。そして、濾過槽中の低
濃度塩素の供給による塩素の量の不足分を、濾過槽中へ
直接塩素を供給するための供給ラインに高濃度塩素供給
源を設けて、物理洗浄時に、膜モジュールの下方から噴
出するエアと同時に高濃度の塩素を供給することによ
り、効率的に補っている。すなわち、濾過運転を停止し
た状態で濾過槽中の原水を高塩素濃度に保持するので、
細菌等の生物は塩素により殺菌され、長期的に膜の目詰
まりを抑制することができる。この高濃度の塩素の供給
時には、吸引ポンプを停止して、濾過運転を行っていな
いので、膜面に付着している溶解性有機物がこの塩素と
効率よく反応して酸化する。したがって、常時高濃度の
塩素を原水中に添加する方式と比較して、塩素の供給量
を、濾過槽中の原水の量に見合った非常に低い分量で済
ませることができ、かつ、塩素の添加によるトリハロメ
タンの増加を水道水質基準以下に抑えることができる。
る塩素供給方法およびその装置の第1の手段によれば、
吸引ポンプを停止し、膜モジュールの下方からエアを噴
出させて物理洗浄を行うときに、高濃度の塩素を濾過槽
内に供給する。この場合、濾過運転を行っていないの
で、エアスクラビングおよび逆洗時には逆洗水の噴出に
より濾過槽内に塩素が拡散し、槽内全域が一定時間高濃
度の塩素で満たされる。この塩素は、膜面に付着してい
る溶解性有機物と反応し、これに結合されることから、
塩素処理が効率よく行われトリハロメタンの生成を回避
することができる。また、この発明に係る浸漬型膜処理
設備における塩素供給方法およびその装置の第2の手段
によれば、濾過槽内への原水の導入ラインに低濃度塩素
供給源を設け、原水に常時低濃度の塩素を供給しつつ濾
過運転を行っている。したがって、溶解性金属物質を酸
化させることなく、ある程度、生物の殺菌および有機物
の酸化を行うことが可能である。そして、濾過槽中の低
濃度塩素の供給による塩素の量の不足分を、濾過槽中へ
直接塩素を供給するための供給ラインに高濃度塩素供給
源を設けて、物理洗浄時に、膜モジュールの下方から噴
出するエアと同時に高濃度の塩素を供給することによ
り、効率的に補っている。すなわち、濾過運転を停止し
た状態で濾過槽中の原水を高塩素濃度に保持するので、
細菌等の生物は塩素により殺菌され、長期的に膜の目詰
まりを抑制することができる。この高濃度の塩素の供給
時には、吸引ポンプを停止して、濾過運転を行っていな
いので、膜面に付着している溶解性有機物がこの塩素と
効率よく反応して酸化する。したがって、常時高濃度の
塩素を原水中に添加する方式と比較して、塩素の供給量
を、濾過槽中の原水の量に見合った非常に低い分量で済
ませることができ、かつ、塩素の添加によるトリハロメ
タンの増加を水道水質基準以下に抑えることができる。
【図1】この発明に係る浸漬型膜処理設備における塩素
供給方法を説明するための装置の断面図である。
供給方法を説明するための装置の断面図である。
【図2】従来の浸漬型膜濾過設備の一例を示す断面図で
ある。
ある。
1 …濾過槽 1a…排水管 2 …膜モジュール 3 …原水 4 …吸引ポンプ 5 …透過水 6 …処理水槽 7 …塩素添加ポンプ 8 …散気管 9 …塩素噴出ノズル 10 …低濃度塩素供給源 10′…高濃度塩素供給源 12 …原水ポンプ 13 …逆洗水ポンプ 21,22…電動調節弁 a …導入ライン b …第1の塩素供給ライン c …第2の塩素供給ライン d …透過水ライン e …逆洗水ライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C02F 1/50 510 C02F 1/50 510B 520 520B 531 531N 540 540A 560 560E 1/76 1/76 A
Claims (7)
- 【請求項1】 膜モジュールを濾過槽内に浸漬し、吸引
ポンプを作動させて濾過槽内の膜に原水を透過させ、原
水の濾過を行う浸漬型膜濾過設備において、吸引ポンプ
を停止し、膜モジュールの下方からエアを噴出させて物
理洗浄を行うときに、高濃度の塩素を濾過槽内に供給す
ることを特徴とする浸漬型膜処理設備における塩素供給
方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載の高濃度の塩素は塩素濃
度が2.0〜4.0mg/Lの範囲である浸漬型膜処理
設備における塩素供給方法。 - 【請求項3】 膜モジュールを濾過槽内に浸漬し、吸引
ポンプを作動させて濾過槽内の膜に原水を透過させ、原
水の濾過を行う浸漬型膜濾過設備において、前記濾過槽
に供給される原水に常時低濃度の塩素を供給し、吸引ポ
ンプ停止後、膜モジュールの下方からエアを噴出させて
物理洗浄を行うときに、高濃度の塩素を濾過槽内に供給
することを特徴とする浸漬型膜処理設備における塩素供
給方法。 - 【請求項4】 請求項3に記載の低濃度の塩素は塩素濃
度が0.1〜1.0mg/Lの範囲であり、また、高濃
度の塩素は塩素濃度が2.0〜4.0mg/Lの範囲で
ある浸漬型膜処理設備における塩素供給方法。 - 【請求項5】 濾過槽と、この濾過槽内に浸漬され、濾
過槽に供給した原水の濾過を行うための膜モジュール
と、膜モジュールの下方に設けたエア供給用の散気管と
を有する浸漬型膜濾過設備において、物理洗浄時に濾過
槽中へ直接塩素を供給するための供給ラインに高濃度塩
素供給源を設けたことを特徴とする浸漬型膜処理設備に
おける塩素供給装置。 - 【請求項6】 濾過槽と、この濾過槽内に浸漬され、濾
過槽に供給した原水の濾過を行うための膜モジュール
と、膜モジュールの下方に設けたエア供給用の散気管と
を有する浸漬型膜濾過設備において、前記濾過槽への原
水の導入ラインに低濃度塩素供給源を設けると共に、物
理洗浄時に濾過槽中へ直接塩素を供給するための供給ラ
インに高濃度塩素供給源を設けたことを特徴とする浸漬
型膜処理設備における塩素供給装置。 - 【請求項7】 濾過槽中における膜モジュールと散気管
との間に、高濃度の塩素を供給するための塩素噴出ノズ
ルを設けてなる請求項5または請求項6に記載の浸漬型
膜処理設備における塩素供給装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22147096A JPH1057958A (ja) | 1996-08-22 | 1996-08-22 | 浸漬型膜処理設備における塩素供給方法およびその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22147096A JPH1057958A (ja) | 1996-08-22 | 1996-08-22 | 浸漬型膜処理設備における塩素供給方法およびその装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1057958A true JPH1057958A (ja) | 1998-03-03 |
Family
ID=16767226
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22147096A Pending JPH1057958A (ja) | 1996-08-22 | 1996-08-22 | 浸漬型膜処理設備における塩素供給方法およびその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1057958A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000076640A1 (en) * | 1999-06-10 | 2000-12-21 | Envirogen, Inc. | System and method for withdrawing permeate through a filter and for cleaning the filter in situ |
JP2003164874A (ja) * | 2001-12-03 | 2003-06-10 | Sanyo Aqua Technology Co Ltd | 流体の被除去物除去装置、純水の製造装置および純水の製造方法 |
US6627082B2 (en) | 1999-06-10 | 2003-09-30 | Envirogen, Inc. | System and method for withdrawing permeate through a filter and for cleaning the filter in situ |
JP2008246424A (ja) * | 2007-03-30 | 2008-10-16 | Kuraray Co Ltd | 中空糸膜モジュールの洗浄方法および中空糸膜ろ過装置 |
WO2016135901A1 (ja) * | 2015-02-25 | 2016-09-01 | 三菱重工業株式会社 | 水処理膜の洗浄方法 |
-
1996
- 1996-08-22 JP JP22147096A patent/JPH1057958A/ja active Pending
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US6627082B2 (en) | 1999-06-10 | 2003-09-30 | Envirogen, Inc. | System and method for withdrawing permeate through a filter and for cleaning the filter in situ |
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