JPH1022139A - 平面トランス - Google Patents
平面トランスInfo
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- JPH1022139A JPH1022139A JP8173972A JP17397296A JPH1022139A JP H1022139 A JPH1022139 A JP H1022139A JP 8173972 A JP8173972 A JP 8173972A JP 17397296 A JP17397296 A JP 17397296A JP H1022139 A JPH1022139 A JP H1022139A
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- planar coil
- coil
- planar
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、導体を埋め込み構造にした平面ト
ランスにおいて、端子部分を剛体とすることではんだ付
け部分を動き難く構成し、接続が容易でショートを起こ
し難く、回路基板等に固定し易くした平面トランスの提
供を目的とする。 【解決手段】 本発明は、磁性体からなる基体の収納部
に1次平面コイルと2次平面コイルが相互に絶縁状態で
積層収納され、1次平面コイルと2次平面コイルの少な
くとも一方が複数個の導体からなり、基体の外面に基体
内の収納部の1次平面コイルあるいは2次コイルに到達
する入口部と出口部がそれぞれ形成され、各入口部と出
口部に各平面コイルの一部が配置され、各入口部と出口
部に導電ペーストを内側に配置し外端部を基体の外に出
した剛体からなる端子が挿入され、挿入された各端子が
導電ペーストを介して基体内の各平面コイルの端子部に
電気的に接続されてなるものである。
ランスにおいて、端子部分を剛体とすることではんだ付
け部分を動き難く構成し、接続が容易でショートを起こ
し難く、回路基板等に固定し易くした平面トランスの提
供を目的とする。 【解決手段】 本発明は、磁性体からなる基体の収納部
に1次平面コイルと2次平面コイルが相互に絶縁状態で
積層収納され、1次平面コイルと2次平面コイルの少な
くとも一方が複数個の導体からなり、基体の外面に基体
内の収納部の1次平面コイルあるいは2次コイルに到達
する入口部と出口部がそれぞれ形成され、各入口部と出
口部に各平面コイルの一部が配置され、各入口部と出口
部に導電ペーストを内側に配置し外端部を基体の外に出
した剛体からなる端子が挿入され、挿入された各端子が
導電ペーストを介して基体内の各平面コイルの端子部に
電気的に接続されてなるものである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は小型薄型化を実現で
きる特殊な形状の平面トランスにおいて接続端子部分の
構造を特殊な構造とした技術に関する。
きる特殊な形状の平面トランスにおいて接続端子部分の
構造を特殊な構造とした技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯用情報機器の普及等に見られ
るように電子機器の小型化薄型化が求められ、これらの
機器に組み込まれる電源回路の小型化薄型化の要求も高
まってきているが、特にトランスやインダクタ等の磁気
素子の小型化薄型化が重要な課題となっている。従来、
この種の電子機器に搭載されるトランスにおいては、急
冷法で製造したアモルファス合金などの薄帯を巻回して
構成した円環状の磁性体からなる磁気コアに1次巻線と
2次巻線を施した構成のトロイダルコアを備えたトラン
ス、あるいは、E型の磁性体とI型の磁性体を組み合わ
せた形状の磁気コア(EIコア型の磁気コア)に対して
E型の磁性体の中央部分に巻線を施した構成のトランス
などが知られている。
るように電子機器の小型化薄型化が求められ、これらの
機器に組み込まれる電源回路の小型化薄型化の要求も高
まってきているが、特にトランスやインダクタ等の磁気
素子の小型化薄型化が重要な課題となっている。従来、
この種の電子機器に搭載されるトランスにおいては、急
冷法で製造したアモルファス合金などの薄帯を巻回して
構成した円環状の磁性体からなる磁気コアに1次巻線と
2次巻線を施した構成のトロイダルコアを備えたトラン
ス、あるいは、E型の磁性体とI型の磁性体を組み合わ
せた形状の磁気コア(EIコア型の磁気コア)に対して
E型の磁性体の中央部分に巻線を施した構成のトランス
などが知られている。
【0003】ところが、電子機器の小型化薄型化に伴
い、高さ数mmのトランスが必要とされてきているが、
従来のトロイダルコアを備えたトランスにおいては、円
環状の磁性体を薄く形成すると磁性体自身の強度が不足
し、強度的に問題を生じるおそれがあり、また、薄帯を
巻回して円環状の磁性体を構成する場合に、製造可能な
薄帯の幅にも限度があり、この薄帯の幅によって円環状
の磁性体の厚さが制限されるので、円環状の磁性体を薄
くするにも限度があるとともに、そのような薄い磁性体
に施し得る巻線数も制限されるという問題がある。次
に、E型の磁性体とI型の磁性体を組み合わせたEIコ
ア型の磁気コアにおいては、E型の磁性体とI型の磁性
体を重ね合わせるので全体の厚みがある程度必要にな
り、これに加えて巻線部分の厚さが加わるので、全体の
厚さを数mmの大きさにすることは困難な状況にある。
更に、コイル巻線を露出形とした従来のトランスやイン
ダクタは、不要な高周波電磁界を放出し、電磁ノイズを
引き起こすとともに、これらのトランスやインダクタン
スを取り付けた同じマザーボード上のICや他の機器の
誤動作の原因ともなっていた。
い、高さ数mmのトランスが必要とされてきているが、
従来のトロイダルコアを備えたトランスにおいては、円
環状の磁性体を薄く形成すると磁性体自身の強度が不足
し、強度的に問題を生じるおそれがあり、また、薄帯を
巻回して円環状の磁性体を構成する場合に、製造可能な
薄帯の幅にも限度があり、この薄帯の幅によって円環状
の磁性体の厚さが制限されるので、円環状の磁性体を薄
くするにも限度があるとともに、そのような薄い磁性体
に施し得る巻線数も制限されるという問題がある。次
に、E型の磁性体とI型の磁性体を組み合わせたEIコ
ア型の磁気コアにおいては、E型の磁性体とI型の磁性
体を重ね合わせるので全体の厚みがある程度必要にな
り、これに加えて巻線部分の厚さが加わるので、全体の
厚さを数mmの大きさにすることは困難な状況にある。
更に、コイル巻線を露出形とした従来のトランスやイン
ダクタは、不要な高周波電磁界を放出し、電磁ノイズを
引き起こすとともに、これらのトランスやインダクタン
スを取り付けた同じマザーボード上のICや他の機器の
誤動作の原因ともなっていた。
【0004】また、前記トロイダルコアを備えたトラン
スにしてもEIコアを用いたトランスにしても、いずれ
も樹脂製のボビンに収納することが必要になるが、樹脂
被覆を施して樹脂ボビンに磁気コアを収納すると、トラ
ンス内部で発生した熱を樹脂被覆と樹脂ボビンが蓄積
し、この熱を外部に効率よく発散させることができない
ために、磁気コア全体が過熱し易い問題がある。更に、
EIコア形状では、磁束の集中による鉄損の増加、およ
び、銅線と磁束の交鎖による銅損の増加の問題があり、
EIコアの構造に起因して熱の集中点が発生するという
欠点もあった。
スにしてもEIコアを用いたトランスにしても、いずれ
も樹脂製のボビンに収納することが必要になるが、樹脂
被覆を施して樹脂ボビンに磁気コアを収納すると、トラ
ンス内部で発生した熱を樹脂被覆と樹脂ボビンが蓄積
し、この熱を外部に効率よく発散させることができない
ために、磁気コア全体が過熱し易い問題がある。更に、
EIコア形状では、磁束の集中による鉄損の増加、およ
び、銅線と磁束の交鎖による銅損の増加の問題があり、
EIコアの構造に起因して熱の集中点が発生するという
欠点もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本出願人は、従
来知られていない全く新規な構成であって、前述の種々
の課題を解決することができる平面トランスを平成8年
1月30日付けの特願平8―14653号において特許
出願している。この特許出願に係る平面トランスAは、
図8と図9に示すように、平面コイルが収納された板状
の磁性体からなる基体1と、この基体1の上面に被着さ
れたギャップ絶縁層2と、このギャップ絶縁層2上に被
着された磁性体からなる平面状の基体3を主体として構
成されている。前記基体1と基体3のそれぞれを構成す
る磁性体は、Ni-Znフェライト、Mn-Znフェライ
トなどのような高電気抵抗、高透磁率の磁性体からな
り、ギャップ絶縁層2は絶縁性の樹脂フィルムから構成
されている。
来知られていない全く新規な構成であって、前述の種々
の課題を解決することができる平面トランスを平成8年
1月30日付けの特願平8―14653号において特許
出願している。この特許出願に係る平面トランスAは、
図8と図9に示すように、平面コイルが収納された板状
の磁性体からなる基体1と、この基体1の上面に被着さ
れたギャップ絶縁層2と、このギャップ絶縁層2上に被
着された磁性体からなる平面状の基体3を主体として構
成されている。前記基体1と基体3のそれぞれを構成す
る磁性体は、Ni-Znフェライト、Mn-Znフェライ
トなどのような高電気抵抗、高透磁率の磁性体からな
り、ギャップ絶縁層2は絶縁性の樹脂フィルムから構成
されている。
【0006】前記基体1の上面には平面略葛折状あるい
は略櫛刃状に形成された収納部5が形成され、収納部5
には、その上側から順に収納部5と同じ平面形状の2次
平面コイル8、8、主絶縁層9、1次平面コイル10が
積層状態で収納されている。また、各2次平面コイル8
はフィルム導体12を樹脂絶縁膜13で覆って構成され
るとともに、各1次平面コイル10はフィルム導体14
を樹脂絶縁膜15で覆って構成されている。そして、図
9に示す右下側の2次平面コイル8のフィルム導体12
と、左上側の2次平面コイル8のフィルム導体12と
が、接続線18により電気的に接続され、右上側の2次
平面コイル8のフィルム導体12に引出線20が接続さ
れ、左下側の2次平面コイル8のフィルム導体12に引
出線21が接続されるとともに、右側の1次平面コイル
10のフィルム導体14に引出線22が接続され、左側
の1次平面コイル10のフィルム導体14に引出線23
が接続されていて、前記引出線20、21により2次巻
線側の第2ターミナルが、引出線22、23により1次
巻線側の第1ターミナルがそれぞれ形成されている。
は略櫛刃状に形成された収納部5が形成され、収納部5
には、その上側から順に収納部5と同じ平面形状の2次
平面コイル8、8、主絶縁層9、1次平面コイル10が
積層状態で収納されている。また、各2次平面コイル8
はフィルム導体12を樹脂絶縁膜13で覆って構成され
るとともに、各1次平面コイル10はフィルム導体14
を樹脂絶縁膜15で覆って構成されている。そして、図
9に示す右下側の2次平面コイル8のフィルム導体12
と、左上側の2次平面コイル8のフィルム導体12と
が、接続線18により電気的に接続され、右上側の2次
平面コイル8のフィルム導体12に引出線20が接続さ
れ、左下側の2次平面コイル8のフィルム導体12に引
出線21が接続されるとともに、右側の1次平面コイル
10のフィルム導体14に引出線22が接続され、左側
の1次平面コイル10のフィルム導体14に引出線23
が接続されていて、前記引出線20、21により2次巻
線側の第2ターミナルが、引出線22、23により1次
巻線側の第1ターミナルがそれぞれ形成されている。
【0007】前記構成によれば、1次側と2次側で出力
電圧比1:2を得ることができる。また、前記の構成に
よれば、基体1、3を構成する磁性体を高透磁率のもの
として平面コイルの近傍に高透磁率の磁性体を配置する
ことにより、平面コイルの外周縁部のインダクタンスを
大きくし、平面コイル中の電流密度を均一化して平面コ
イルでの局部発熱を避けることができる。また、基体
1、3を前述の磁性材料から構成すると、これらが熱伝
導性にも優れているので、内部で生じた熱を効率よくそ
れらの外部に逃がすことができる。
電圧比1:2を得ることができる。また、前記の構成に
よれば、基体1、3を構成する磁性体を高透磁率のもの
として平面コイルの近傍に高透磁率の磁性体を配置する
ことにより、平面コイルの外周縁部のインダクタンスを
大きくし、平面コイル中の電流密度を均一化して平面コ
イルでの局部発熱を避けることができる。また、基体
1、3を前述の磁性材料から構成すると、これらが熱伝
導性にも優れているので、内部で生じた熱を効率よくそ
れらの外部に逃がすことができる。
【0008】ところで、前記の構成の平面トランスを回
路基板等に結線して固定するためには、図10に示すよ
うに、各フィルム導体の露出部分にリード線25、2
6、27、28をはんだ付けする必要があるが、平面ト
ランスは厚さが数mmと極めて薄く、結線部分間の距離
が小さく、しかも、フィルム導体は可撓性を有して動き
易いために、リード線のはんだ付け時にフィルム導体が
動いてはんだ付け部分をショートさせてしまうおそれが
あった。また、可撓性を有するフィルム導体にリード線
を結線した状態の平面コイルを回路基板に取り付ける場
合、フィルム導体が撓んだ状態となっているので、平面
コイル自体を基板に固定するのが難しい問題があった。
さらに、図10に示すような結線状態では結線部分の美
観が極めて悪い問題があった。
路基板等に結線して固定するためには、図10に示すよ
うに、各フィルム導体の露出部分にリード線25、2
6、27、28をはんだ付けする必要があるが、平面ト
ランスは厚さが数mmと極めて薄く、結線部分間の距離
が小さく、しかも、フィルム導体は可撓性を有して動き
易いために、リード線のはんだ付け時にフィルム導体が
動いてはんだ付け部分をショートさせてしまうおそれが
あった。また、可撓性を有するフィルム導体にリード線
を結線した状態の平面コイルを回路基板に取り付ける場
合、フィルム導体が撓んだ状態となっているので、平面
コイル自体を基板に固定するのが難しい問題があった。
さらに、図10に示すような結線状態では結線部分の美
観が極めて悪い問題があった。
【0009】本発明は前記事情に鑑みてなされたもので
あり、従来のトロイダル型のトランスなどとは全く構成
が異なる新規な構成であって、導体を埋め込み構造にし
た平面トランスにおいて、端子部分を剛体とすることで
はんだ付け部分を動き難く構成し、接続が容易でショー
トを起こし難く、全体を回路基板等に固定し易くした平
面トランスを提供することを目的とする。
あり、従来のトロイダル型のトランスなどとは全く構成
が異なる新規な構成であって、導体を埋め込み構造にし
た平面トランスにおいて、端子部分を剛体とすることで
はんだ付け部分を動き難く構成し、接続が容易でショー
トを起こし難く、全体を回路基板等に固定し易くした平
面トランスを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は前
記課題を解決するために、磁性体からなる基体に収納部
が形成され、この収納部に1次平面コイルと2次平面コ
イルが相互に絶縁状態で積層収納され、1次平面コイル
と2次平面コイルの少なくとも一方が複数個の導体から
なるとともに、基体の外面に基体内の収納部の1次平面
コイルに到達する入口部と出口部および2次平面コイル
に到達する入口部と出口部がそれぞれ形成され、前記各
入口部と出口部に各平面コイルの一部が配置される一
方、各入口部と出口部に導電ペーストを内側に配置し外
端部を基体の外に出した剛体からなる端子が挿入され、
挿入された各端子が導電ペーストを介して基体内の各平
面コイルの端子部に電気的に接続されてなるものであ
る。
記課題を解決するために、磁性体からなる基体に収納部
が形成され、この収納部に1次平面コイルと2次平面コ
イルが相互に絶縁状態で積層収納され、1次平面コイル
と2次平面コイルの少なくとも一方が複数個の導体から
なるとともに、基体の外面に基体内の収納部の1次平面
コイルに到達する入口部と出口部および2次平面コイル
に到達する入口部と出口部がそれぞれ形成され、前記各
入口部と出口部に各平面コイルの一部が配置される一
方、各入口部と出口部に導電ペーストを内側に配置し外
端部を基体の外に出した剛体からなる端子が挿入され、
挿入された各端子が導電ペーストを介して基体内の各平
面コイルの端子部に電気的に接続されてなるものであ
る。
【0011】本発明において、前記導電ペーストが、ス
クリーン印刷により入口部と出口部に挿入されたもので
あることが好ましい。次に、1次平面コイルの端子部と
2次平面コイルの端子部が、交差する方向に基体から導
出されてなることが好ましい。また、前記基体の少なく
とも収納部の内側に樹脂絶縁層が形成されてなることが
好ましい。一方、先に記載の構成において、1次平面コ
イルの出口部と入口部が基体の一面に相互に隣接して設
けられ、2次平面コイルの出口部と入口部が1次平面コ
イルの出口部と入口部とを設けた面に隣接する他の2面
に1つずつ形成されてなり、1次平面コイルの端子部と
2次平面コイルの端子部が、交差する方向に導出され、
2次平面コイルが、基体の収納部内で多層コイル構造と
されてなることが好ましい。次に、前記各平面コイルを
絶縁シートと導電シートの2層構造とすることができ
る。また、基体が、厚さ方向に2分割されて少なくとも
1つの基体に収納部が形成され、分割された基体に樹脂
絶縁層が被覆されてなる構成としても良い。
クリーン印刷により入口部と出口部に挿入されたもので
あることが好ましい。次に、1次平面コイルの端子部と
2次平面コイルの端子部が、交差する方向に基体から導
出されてなることが好ましい。また、前記基体の少なく
とも収納部の内側に樹脂絶縁層が形成されてなることが
好ましい。一方、先に記載の構成において、1次平面コ
イルの出口部と入口部が基体の一面に相互に隣接して設
けられ、2次平面コイルの出口部と入口部が1次平面コ
イルの出口部と入口部とを設けた面に隣接する他の2面
に1つずつ形成されてなり、1次平面コイルの端子部と
2次平面コイルの端子部が、交差する方向に導出され、
2次平面コイルが、基体の収納部内で多層コイル構造と
されてなることが好ましい。次に、前記各平面コイルを
絶縁シートと導電シートの2層構造とすることができ
る。また、基体が、厚さ方向に2分割されて少なくとも
1つの基体に収納部が形成され、分割された基体に樹脂
絶縁層が被覆されてなる構成としても良い。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施例について説明する。図1〜図7は本発明に係る平面
トランスの第1の例を示すもので、この例の平面トラン
スBは、後述する平面コイルが収納された板状の磁性体
からなる基体31と、この基体31上に被着された磁性
体からなる平板状の基体33を主体として構成されてい
る。前記基体31と基体33とを構成する磁性体は、N
i-Znフェライト、Mn-Znフェライトなどのような
高電気抵抗、高透磁率の磁性体から構成されている。
施例について説明する。図1〜図7は本発明に係る平面
トランスの第1の例を示すもので、この例の平面トラン
スBは、後述する平面コイルが収納された板状の磁性体
からなる基体31と、この基体31上に被着された磁性
体からなる平板状の基体33を主体として構成されてい
る。前記基体31と基体33とを構成する磁性体は、N
i-Znフェライト、Mn-Znフェライトなどのような
高電気抵抗、高透磁率の磁性体から構成されている。
【0013】更に、前記基体31、33を構成する磁性
体は、1MHzで200以上の透磁率を有するものを使
用することが好ましく、1MHzで1000以上の透磁
率のものを用いることがより好ましい。これは、後述す
る如く平面コイルの近傍に高透磁率の磁性体を配置する
ことにより平面コイルの外周縁部のインダクタンスを大
きくし、平面コイル中の電流密度を均一化して平面コイ
ルでの局部発熱を避けるためであり、基体31と基体3
3を構成する磁性体の透磁率が低いと平面コイルが発熱
する割合が大きくなるので好ましくない。また、基体3
1あるいは基体33をNi-Znフェライト、Mn-Zn
フェライトなどのような高電気抵抗、高透磁率の磁性体
から構成すると、これらが熱伝導性にも優れているの
で、平面コイル部分あるいは基体31あるいは基体33
で生じた熱を効率よくそれらの外部に逃がすことができ
る。
体は、1MHzで200以上の透磁率を有するものを使
用することが好ましく、1MHzで1000以上の透磁
率のものを用いることがより好ましい。これは、後述す
る如く平面コイルの近傍に高透磁率の磁性体を配置する
ことにより平面コイルの外周縁部のインダクタンスを大
きくし、平面コイル中の電流密度を均一化して平面コイ
ルでの局部発熱を避けるためであり、基体31と基体3
3を構成する磁性体の透磁率が低いと平面コイルが発熱
する割合が大きくなるので好ましくない。また、基体3
1あるいは基体33をNi-Znフェライト、Mn-Zn
フェライトなどのような高電気抵抗、高透磁率の磁性体
から構成すると、これらが熱伝導性にも優れているの
で、平面コイル部分あるいは基体31あるいは基体33
で生じた熱を効率よくそれらの外部に逃がすことができ
る。
【0014】次に、基体31と基体33の全内外面には
樹脂絶縁層34が形成されている。ここで用いる樹脂と
しては、誘電率のできるだけ小さなものが好ましく、具
体的にはポリイミド樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレ
ン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネー
ト、ポリエステル、ポリ四フッ化エチレン、フッ素樹
脂、ポリエチレンテレフタレート、テトラフルオロエチ
レン、ナイロン、エポキシ樹脂の内から耐熱性に優れ、
機械的強度に優れたものを1種以上適宜選択して用いる
ことができる。これらの樹脂は、いずれも比誘電率が2
〜4の範囲で十分に低く、本発明の構造に適用すること
ができるものであるが、耐熱性と機械的強度あるいは充
分な厚さを確保するために2層以上の積層構造としても
良い。
樹脂絶縁層34が形成されている。ここで用いる樹脂と
しては、誘電率のできるだけ小さなものが好ましく、具
体的にはポリイミド樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレ
ン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネー
ト、ポリエステル、ポリ四フッ化エチレン、フッ素樹
脂、ポリエチレンテレフタレート、テトラフルオロエチ
レン、ナイロン、エポキシ樹脂の内から耐熱性に優れ、
機械的強度に優れたものを1種以上適宜選択して用いる
ことができる。これらの樹脂は、いずれも比誘電率が2
〜4の範囲で十分に低く、本発明の構造に適用すること
ができるものであるが、耐熱性と機械的強度あるいは充
分な厚さを確保するために2層以上の積層構造としても
良い。
【0015】前記基体31の上面31aには図3に示す
ように平面逆U字状に形成された溝状の収納部35が基
体13の上面31aと前面31bに開口するように形成
されるとともに、基体31の上面31aにおいて前面3
1bに近い部分には、平面逆U字状の収納部35を横切
る方向に延出して基体31の両側面31cに達する直線
溝状の補助収納部36が形成されている。そして、基体
31の前面31bに収納部35の両端部を開口させた部
分が、収納部35の入口部37と出口部38とされ、基
体31の両側面31cに補助収納部36の端部を開口さ
せた部分が補助収納部36の入口部39Aと出口部39
Bとされている。
ように平面逆U字状に形成された溝状の収納部35が基
体13の上面31aと前面31bに開口するように形成
されるとともに、基体31の上面31aにおいて前面3
1bに近い部分には、平面逆U字状の収納部35を横切
る方向に延出して基体31の両側面31cに達する直線
溝状の補助収納部36が形成されている。そして、基体
31の前面31bに収納部35の両端部を開口させた部
分が、収納部35の入口部37と出口部38とされ、基
体31の両側面31cに補助収納部36の端部を開口さ
せた部分が補助収納部36の入口部39Aと出口部39
Bとされている。
【0016】次に、前記逆U字状の収納部35の底部に
は、図4に示すように逆U字状の1次平面コイル40が
収納されている。この1次平面コイル40は、ポリイミ
ド等からなる絶縁材料製の平面逆U字状の絶縁シート4
1の一面(裏面)に銅シート42を被着して構成された
もので、1次平面コイル40の両端部40A、40Aを
収納部35の入口部37と出口部38の内側に配置して
収納部35の底部に配置されている。そして、収納部3
5の入口部37と出口部38には、それぞれ舌状の金属
などの剛体からなる端子43、44が導電ペースト45
を介して嵌入されていて、端子43、44と1次平面コ
イル40の銅シート42とはそれぞれ導電ペースト45
により電気的に接続されている。なお、端子43、44
は剛体からなり、導電性を有するものであれば良いの
で、金属からなる端子、あるいはセラミック等の剛体か
らなる舌状片の外面にメッキ等の導電膜を形成した導電
端子などのいずれかから構成される。
は、図4に示すように逆U字状の1次平面コイル40が
収納されている。この1次平面コイル40は、ポリイミ
ド等からなる絶縁材料製の平面逆U字状の絶縁シート4
1の一面(裏面)に銅シート42を被着して構成された
もので、1次平面コイル40の両端部40A、40Aを
収納部35の入口部37と出口部38の内側に配置して
収納部35の底部に配置されている。そして、収納部3
5の入口部37と出口部38には、それぞれ舌状の金属
などの剛体からなる端子43、44が導電ペースト45
を介して嵌入されていて、端子43、44と1次平面コ
イル40の銅シート42とはそれぞれ導電ペースト45
により電気的に接続されている。なお、端子43、44
は剛体からなり、導電性を有するものであれば良いの
で、金属からなる端子、あるいはセラミック等の剛体か
らなる舌状片の外面にメッキ等の導電膜を形成した導電
端子などのいずれかから構成される。
【0017】次に、収納部35において1次平面コイル
40の上方には、図7に示す2次平面コイル46が収納
されている。この2次平面コイル46は、図5に示す下
部コイル47と図6に示す上部コイル48とが電気的に
接合されて図7に示すように2重コイル状に積層された
ものである。
40の上方には、図7に示す2次平面コイル46が収納
されている。この2次平面コイル46は、図5に示す下
部コイル47と図6に示す上部コイル48とが電気的に
接合されて図7に示すように2重コイル状に積層された
ものである。
【0018】まず、下部コイル47は、図5に示すよう
に収納部35に収納可能な逆U字状の本体部47aと、
この本体部47aの一側の端部において補助収納部36
に沿って本体部47aの側部側に突出された延出部47
bと、本体部47aの他側の端部において補助収納部3
6に沿って延出部47b側に突出された延出部47cと
を具備して構成され、本体部47aと延出部47bは図
7に示すように銅シート(導電シート)47Aの上面を
ポリイミド等からなる絶縁シート47Bで覆って構成さ
れ、延出部47cの部分の絶縁シート47Bが除去され
て銅シート47A部分が露出された形状とされている。
なお、後述する上部コイル48との電気的接続を良好に
するために、この露出した銅シート部分の上に導電体か
らなる接続パッド47A'を設けておいても良い。次
に、上部コイル48は、図6に示すように収納部35に
収納可能な逆U字状の本体部48aと、この本体部48
aの左側の端部において補助収納部36に沿って本体部
48aの右側向いて突出された延出部48bと、本体部
48aの右側の端部において補助収納部36に沿って右
側に突出された延出部48cとを具備して構成され、本
体部48aと延出部47bと延出部48cは、いずれ
も、図7に示すように銅シート(導電シート)48Aの
上面をポリイミド等からなる絶縁シート48Bで覆って
構成されている。
に収納部35に収納可能な逆U字状の本体部47aと、
この本体部47aの一側の端部において補助収納部36
に沿って本体部47aの側部側に突出された延出部47
bと、本体部47aの他側の端部において補助収納部3
6に沿って延出部47b側に突出された延出部47cと
を具備して構成され、本体部47aと延出部47bは図
7に示すように銅シート(導電シート)47Aの上面を
ポリイミド等からなる絶縁シート47Bで覆って構成さ
れ、延出部47cの部分の絶縁シート47Bが除去され
て銅シート47A部分が露出された形状とされている。
なお、後述する上部コイル48との電気的接続を良好に
するために、この露出した銅シート部分の上に導電体か
らなる接続パッド47A'を設けておいても良い。次
に、上部コイル48は、図6に示すように収納部35に
収納可能な逆U字状の本体部48aと、この本体部48
aの左側の端部において補助収納部36に沿って本体部
48aの右側向いて突出された延出部48bと、本体部
48aの右側の端部において補助収納部36に沿って右
側に突出された延出部48cとを具備して構成され、本
体部48aと延出部47bと延出部48cは、いずれ
も、図7に示すように銅シート(導電シート)48Aの
上面をポリイミド等からなる絶縁シート48Bで覆って
構成されている。
【0019】以上の構成によれば、下部コイル47と上
部コイル48を共に重ね合わせて基体31の収納部35
の内部に収納することにより、下部コイル47の延出部
47cの導電シート47Aと上部コイル48の延出部4
8bの下面側の銅シート48Aを重ねて電気的に接続す
ることで2次平面コイル46を構成することができると
ともに、下部コイル47の延出部47bの導電シート4
7A部分を一入力側の端子とし、上部コイル48の延出
部48cの導電シート48A部分を他側の出力端子とす
る2重コイルが構成される。なお、上部コイル47と下
部コイル48の接続部分は、両コイル47、48の重ね
合わせ時に銅シート47Aの露出部分か銅シート48A
の先端部下面に導電性の接着剤を塗布しておくことによ
り確実に接続ができるようにしておくことが好ましい。
また、銅シート47Aの露出部分に接続パッド47A'
を設けた場合はこの接続パッド47A'を介して確実に
下部コイル47と上部コイル48とが接続される。
部コイル48を共に重ね合わせて基体31の収納部35
の内部に収納することにより、下部コイル47の延出部
47cの導電シート47Aと上部コイル48の延出部4
8bの下面側の銅シート48Aを重ねて電気的に接続す
ることで2次平面コイル46を構成することができると
ともに、下部コイル47の延出部47bの導電シート4
7A部分を一入力側の端子とし、上部コイル48の延出
部48cの導電シート48A部分を他側の出力端子とす
る2重コイルが構成される。なお、上部コイル47と下
部コイル48の接続部分は、両コイル47、48の重ね
合わせ時に銅シート47Aの露出部分か銅シート48A
の先端部下面に導電性の接着剤を塗布しておくことによ
り確実に接続ができるようにしておくことが好ましい。
また、銅シート47Aの露出部分に接続パッド47A'
を設けた場合はこの接続パッド47A'を介して確実に
下部コイル47と上部コイル48とが接続される。
【0020】次に、基体35の補助収納部36の入口部
39Aには、導電ペースト50を介して金属端子51が
嵌入され、金属端子51が下部コイル47の延出部47
bの導電シートに導電ペースト50を介して電気的に接
続されるとともに、補助収納部36の出口部39Bに
は、導電ペースト52を介して金属端子53が嵌入され
ていて、金属端子53が上部コイル48の延出部48c
の導電シート48Aに導電ペースト52を介して電気的
に接続されている。
39Aには、導電ペースト50を介して金属端子51が
嵌入され、金属端子51が下部コイル47の延出部47
bの導電シートに導電ペースト50を介して電気的に接
続されるとともに、補助収納部36の出口部39Bに
は、導電ペースト52を介して金属端子53が嵌入され
ていて、金属端子53が上部コイル48の延出部48c
の導電シート48Aに導電ペースト52を介して電気的
に接続されている。
【0021】なお、前記の構造において溝状の収納部3
5、36の深さは、そこに収納する1次平面コイル40
と2次平面コイル46の合計厚さとほぼ等しくしておく
ことが好ましい。このようにすることで基体31に基体
33を接着した際に両コイル40、46を基体31、3
3で挟んで固定することができる。また、同時に2次平
面コイル46を構成する下部コイル47と上部コイル4
8を互いに密着でいるので、下部コイル47の延出部4
7cの銅シート47A部分と上部コイル48の延出部4
8bの銅シート48A部分を圧着できて両コイル47、
48の電気的接合も良好にとることができる。
5、36の深さは、そこに収納する1次平面コイル40
と2次平面コイル46の合計厚さとほぼ等しくしておく
ことが好ましい。このようにすることで基体31に基体
33を接着した際に両コイル40、46を基体31、3
3で挟んで固定することができる。また、同時に2次平
面コイル46を構成する下部コイル47と上部コイル4
8を互いに密着でいるので、下部コイル47の延出部4
7cの銅シート47A部分と上部コイル48の延出部4
8bの銅シート48A部分を圧着できて両コイル47、
48の電気的接合も良好にとることができる。
【0022】次に、基体31の前面31bの入口部37
と出口部38において端子43、44を嵌入した部分の
上方には、絶縁シートを嵌入させ、接着剤を用いて隙間
埋めを行い、端子43、44を固定することが好まし
い。また、基体31と同じ磁性材料製のブロック31B
を嵌入しても良い。更に、入口部37と出口部38の内
側では端子43、44の肉厚を厚く形成し、入口部37
と出口部38の外側では端子43、44の肉厚を薄く形
成して端子43、44の肉厚の部分で前記隙間埋めを行
うことができる構成としても良い。
と出口部38において端子43、44を嵌入した部分の
上方には、絶縁シートを嵌入させ、接着剤を用いて隙間
埋めを行い、端子43、44を固定することが好まし
い。また、基体31と同じ磁性材料製のブロック31B
を嵌入しても良い。更に、入口部37と出口部38の内
側では端子43、44の肉厚を厚く形成し、入口部37
と出口部38の外側では端子43、44の肉厚を薄く形
成して端子43、44の肉厚の部分で前記隙間埋めを行
うことができる構成としても良い。
【0023】前記平面トランスBは、端子43、44を
1次側の巻線用の引出線とし、端子51、53を2次側
の巻線用の引出線として、使用することで、1:2の出
力比のトランスとして使用することができる。更にこの
例の基体31、33は、Ni-Znフェライト、Mn-Z
nフェライトなどのような高電気抵抗の高透磁率の磁性
体からなり、熱伝導性に優れており、平面コイルと磁性
体を広い面積でごく近傍に配置できるために、平面コイ
ル側で発生した熱を基体31、33を介して速やかに外
部に排出できるので、従来構造の樹脂ボビン収納型のト
ランスとは異なり、平面コイルに熱を蓄積してしまうお
それは少ない。
1次側の巻線用の引出線とし、端子51、53を2次側
の巻線用の引出線として、使用することで、1:2の出
力比のトランスとして使用することができる。更にこの
例の基体31、33は、Ni-Znフェライト、Mn-Z
nフェライトなどのような高電気抵抗の高透磁率の磁性
体からなり、熱伝導性に優れており、平面コイルと磁性
体を広い面積でごく近傍に配置できるために、平面コイ
ル側で発生した熱を基体31、33を介して速やかに外
部に排出できるので、従来構造の樹脂ボビン収納型のト
ランスとは異なり、平面コイルに熱を蓄積してしまうお
それは少ない。
【0024】次に、1次平面コイル40と2次平面コイ
ル46を共にシート状に形成することで薄型化できるの
で、全体として数mmの厚さの平面トランスBを構成
し、基体31、33の部分の高さを数mm程度とした構
成であっても、これらシート状の平面コイル40、46
を複数枚容易に積層することができるようになり、この
積層数の組み合わせによって1次平面コイルと2次平面
コイルの出力比をこの例の如く1:2ではなく、1:n
の所望の割合にすることができる。即ち、例えば、シー
ト状の2次平面コイルを3枚積層コイル構造として各コ
イルを直列接続することで1:3の出力比を得ることが
でき、シート状の2次平面コイルを4枚積層コイル構造
として直列接続することで1:4の出力比を得ることが
できる。
ル46を共にシート状に形成することで薄型化できるの
で、全体として数mmの厚さの平面トランスBを構成
し、基体31、33の部分の高さを数mm程度とした構
成であっても、これらシート状の平面コイル40、46
を複数枚容易に積層することができるようになり、この
積層数の組み合わせによって1次平面コイルと2次平面
コイルの出力比をこの例の如く1:2ではなく、1:n
の所望の割合にすることができる。即ち、例えば、シー
ト状の2次平面コイルを3枚積層コイル構造として各コ
イルを直列接続することで1:3の出力比を得ることが
でき、シート状の2次平面コイルを4枚積層コイル構造
として直列接続することで1:4の出力比を得ることが
できる。
【0025】なお、本発明構成において樹脂絶縁層34
を設けると、この樹脂絶縁層34が基体31、33の間
にギャップを構成することになるが、この樹脂絶縁層3
4を設ける場合と設けない場合において、樹脂絶縁層3
4を設けない場合の方がわずかながら磁気的結合や効率
の点では有利になると思われる。しかし、樹脂絶縁層3
4を無くした構成とすると、閉磁路構成となり易いの
で、励磁電流が存在するコイル付近への磁束の集中が起
こり、局所的な磁気飽和や鉄損の集中による発熱が問題
になるので、樹脂絶縁層34を設ける方が好ましいと考
えられる。即ち、樹脂絶縁層34の部分では磁気的な抵
抗が高いので、磁性体からなる基体31と基体33での
磁束密度分布が均一化することになる。
を設けると、この樹脂絶縁層34が基体31、33の間
にギャップを構成することになるが、この樹脂絶縁層3
4を設ける場合と設けない場合において、樹脂絶縁層3
4を設けない場合の方がわずかながら磁気的結合や効率
の点では有利になると思われる。しかし、樹脂絶縁層3
4を無くした構成とすると、閉磁路構成となり易いの
で、励磁電流が存在するコイル付近への磁束の集中が起
こり、局所的な磁気飽和や鉄損の集中による発熱が問題
になるので、樹脂絶縁層34を設ける方が好ましいと考
えられる。即ち、樹脂絶縁層34の部分では磁気的な抵
抗が高いので、磁性体からなる基体31と基体33での
磁束密度分布が均一化することになる。
【0026】次に、前記構成の平面トランスBの製造方
法の一例について説明する。この例の平面トランスBを
製造するには、Ni-Znフェライトなどの高透磁率磁
性材料からなる図1に示すような基体31と基体33を
製造し、基体31の収納部35に1次平面コイル40と
下部コイル47と上部コイル48を順次積層収納し、次
いで基体31の上面に基体33を接着する。この状態で
基体33の前面31b側には入口部37と出口部38に
相当する穴が形成され、基体33の両側面31c側には
入口部39と出口部40に相当する穴が形成されるの
で、これらの穴の開口部に導電ペーストをスクリーン印
刷法により盛り付け、次いで各開口部から端子を押し込
み嵌入することで導電ペーストを各穴の奥側に押し込
み、各穴の内側に位置する1次平面コイル40の端部あ
るいは2次平面コイル46の端部に導電ペーストを到達
させることで端子の取り付けを行うことができる。
法の一例について説明する。この例の平面トランスBを
製造するには、Ni-Znフェライトなどの高透磁率磁
性材料からなる図1に示すような基体31と基体33を
製造し、基体31の収納部35に1次平面コイル40と
下部コイル47と上部コイル48を順次積層収納し、次
いで基体31の上面に基体33を接着する。この状態で
基体33の前面31b側には入口部37と出口部38に
相当する穴が形成され、基体33の両側面31c側には
入口部39と出口部40に相当する穴が形成されるの
で、これらの穴の開口部に導電ペーストをスクリーン印
刷法により盛り付け、次いで各開口部から端子を押し込
み嵌入することで導電ペーストを各穴の奥側に押し込
み、各穴の内側に位置する1次平面コイル40の端部あ
るいは2次平面コイル46の端部に導電ペーストを到達
させることで端子の取り付けを行うことができる。
【0027】前記基体33の各穴に嵌入固定した端子4
3、44、51、53は、基体33により固定保持され
るので、曲がったり動くおそれは少ない。従って、この
例の平面トランスBを回路基板等に接続する際に端子4
3、44、51、53に接続コードを容易にはんだ付け
することができ、はんだ付け時に接続部をショートさせ
るおそれも少ない。また、1次平面コイル側の端子4
3、44を基体31の前面側31bに設け、2次平面コ
イル側の端子51、53を基体31の側面31cに別々
に設けたので、各端子間の距離を充分に確保することが
できるので、これによってはんだ付け時のショートの発
生を防止できる。
3、44、51、53は、基体33により固定保持され
るので、曲がったり動くおそれは少ない。従って、この
例の平面トランスBを回路基板等に接続する際に端子4
3、44、51、53に接続コードを容易にはんだ付け
することができ、はんだ付け時に接続部をショートさせ
るおそれも少ない。また、1次平面コイル側の端子4
3、44を基体31の前面側31bに設け、2次平面コ
イル側の端子51、53を基体31の側面31cに別々
に設けたので、各端子間の距離を充分に確保することが
できるので、これによってはんだ付け時のショートの発
生を防止できる。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、磁性体か
らなる基体の収納部に1次平面コイルと2次平面コイル
を収納し、基体の外面に設けた入口部と出口部に導電ペ
ーストを介して剛体の端子を配置することで、端子を基
体の外部に露出させることができ、この剛体の端子を用
いて結線することができる。よって、端子結線のための
はんだ付けの際に端子が動いてはんだ付けが困難になる
おそれは少なくなり、はんだ付けの際のショート事故の
おそれを少なくできる。また、端子部分が動かないの
で、はんだ付け部分も動くことはなくなり、取り付けた
回路基板の他の回線に接触するおそれもないために、外
部とのショート事故も生じ難い特徴がある。更に、基体
から突出させた剛体からなる端子を回路基板にはんだ付
けするならば、基体を回路基板に固定することも容易に
でき、取り付け構造を強固にできる平面トランスを提供
できる。
らなる基体の収納部に1次平面コイルと2次平面コイル
を収納し、基体の外面に設けた入口部と出口部に導電ペ
ーストを介して剛体の端子を配置することで、端子を基
体の外部に露出させることができ、この剛体の端子を用
いて結線することができる。よって、端子結線のための
はんだ付けの際に端子が動いてはんだ付けが困難になる
おそれは少なくなり、はんだ付けの際のショート事故の
おそれを少なくできる。また、端子部分が動かないの
で、はんだ付け部分も動くことはなくなり、取り付けた
回路基板の他の回線に接触するおそれもないために、外
部とのショート事故も生じ難い特徴がある。更に、基体
から突出させた剛体からなる端子を回路基板にはんだ付
けするならば、基体を回路基板に固定することも容易に
でき、取り付け構造を強固にできる平面トランスを提供
できる。
【0029】次に本発明において、基体の一面に1次平
面コイル用の入口部と出口部を設けてこの一面にそれぞ
れの端子を設け、基体の他の面に2次平面コイル用の入
口部あるいは出口部を設けて他の面にそれぞれの端子を
設ける構成とするならば、薄型の平面トランスであって
も端子を設ける位置を基体の周囲に充分な間隔をおいて
設けることができ、これにより隣接する端子の間隔を大
きく確保することができるので、はんだ付けによる結線
時のショート事故発生を抑制できる。
面コイル用の入口部と出口部を設けてこの一面にそれぞ
れの端子を設け、基体の他の面に2次平面コイル用の入
口部あるいは出口部を設けて他の面にそれぞれの端子を
設ける構成とするならば、薄型の平面トランスであって
も端子を設ける位置を基体の周囲に充分な間隔をおいて
設けることができ、これにより隣接する端子の間隔を大
きく確保することができるので、はんだ付けによる結線
時のショート事故発生を抑制できる。
【0030】また、1次平面コイルと2次平面コイルの
うち、少なくとも一方を複数個の導体から構成すること
により、1次側のコイル巻数と2次側のコイル巻数を変
えることができ、これにより、出力電圧を所望の比率に
設定できる平面トランスを提供することができる。ま
た、1次平面コイルと2次平面コイルを磁性体からなる
基体に収納することで、電磁ノイズ放射がほとんどない
トランスとすることができ、かつ、1次平面コイルと2
次平面コイルの近傍に透磁率の高い磁性体を配すること
ができ、各平面コイル外周縁部でのインダクタンスを大
きくでき、通電時に平面コイル導体部分での電流密度を
均一にすることができるので、平面コイル部分でのジュ
ール発熱の少ない平面トランスを提供できる。更に、基
体の収納部に1次と2次の平面コイルを収納した構成な
ので、全体を薄型化小型化できる特徴を有する。
うち、少なくとも一方を複数個の導体から構成すること
により、1次側のコイル巻数と2次側のコイル巻数を変
えることができ、これにより、出力電圧を所望の比率に
設定できる平面トランスを提供することができる。ま
た、1次平面コイルと2次平面コイルを磁性体からなる
基体に収納することで、電磁ノイズ放射がほとんどない
トランスとすることができ、かつ、1次平面コイルと2
次平面コイルの近傍に透磁率の高い磁性体を配すること
ができ、各平面コイル外周縁部でのインダクタンスを大
きくでき、通電時に平面コイル導体部分での電流密度を
均一にすることができるので、平面コイル部分でのジュ
ール発熱の少ない平面トランスを提供できる。更に、基
体の収納部に1次と2次の平面コイルを収納した構成な
ので、全体を薄型化小型化できる特徴を有する。
【0031】また、本発明は、基体を厚さ方向に2分割
し、少なくとも一方の基体に平面コイルの収納部を形成
し、基体表面に樹脂絶縁層を被覆することで、基体間に
ギャップとなる絶縁部分を形成することができ、これに
より、ギャップとなる樹脂絶縁層での磁気抵抗を大きく
して一方の基体と他方の基体側での磁束分布を均一化す
ることができ、1次平面コイルと2次平面コイルが発生
させる磁束を平面コイルの周囲で均質化し、平面コイル
の一部分に磁束が集中することを抑制できるので、平面
コイルで部分的に過剰に発熱することを防止できる。よ
って平面コイルが発熱により溶けるおそれのない熱効率
の良い平面トランスを提供できる。更に、基体を磁性体
から構成してそれらに1次平面コイルと2次平面コイル
を収納した構成であり、従来構造の如く樹脂製のボビン
に収納した構成のコイルと比較すると、コイルを覆って
いる基体の熱伝導率が樹脂製のボビンよりも高いので、
平面コイル部分で発熱を生じても熱を速やかに基体を介
して外部に逃がすことができる。よって、熱のこもり難
い平面トランスを提供できる。
し、少なくとも一方の基体に平面コイルの収納部を形成
し、基体表面に樹脂絶縁層を被覆することで、基体間に
ギャップとなる絶縁部分を形成することができ、これに
より、ギャップとなる樹脂絶縁層での磁気抵抗を大きく
して一方の基体と他方の基体側での磁束分布を均一化す
ることができ、1次平面コイルと2次平面コイルが発生
させる磁束を平面コイルの周囲で均質化し、平面コイル
の一部分に磁束が集中することを抑制できるので、平面
コイルで部分的に過剰に発熱することを防止できる。よ
って平面コイルが発熱により溶けるおそれのない熱効率
の良い平面トランスを提供できる。更に、基体を磁性体
から構成してそれらに1次平面コイルと2次平面コイル
を収納した構成であり、従来構造の如く樹脂製のボビン
に収納した構成のコイルと比較すると、コイルを覆って
いる基体の熱伝導率が樹脂製のボビンよりも高いので、
平面コイル部分で発熱を生じても熱を速やかに基体を介
して外部に逃がすことができる。よって、熱のこもり難
い平面トランスを提供できる。
【図1】 本発明に係る平面トランスの第1の例を示す
斜視図。
斜視図。
【図2】 図1に示す平面トランスの一部を示す断面
図。
図。
【図3】 同平面トランスの基体を示す分解斜視図。
【図4】 同平面トランスの基体と1次平面コイルの平
面図。
面図。
【図5】 同平面トランスの基体と下部コイルの平面
図。
図。
【図6】 同平面トランスの基体と上部コイルの平面
図。
図。
【図7】 2次平面コイルを構成する上部コイルと下部
コイルの斜視図。
コイルの斜視図。
【図8】 先に提案した平面トランスの分解斜視図。
【図9】 図8に示す平面トランスの前面図。
【図10】 図8に示す平面トランスの結線状態を示す
斜視図。
斜視図。
B、 平面トランス 31 基体 31a 上面 31b 前面 31c 側面 33 基体 34 樹脂絶縁層 35 収納部 36 補助収納部 40 1次平面コイル 37、39A 入口部 38、39B 出口部 45、52 導電ペースト 46 2次平面コイル 43、44 端子 51、53 端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 牧野 彰宏 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内
Claims (7)
- 【請求項1】 磁性体からなる基体に収納部が形成さ
れ、この収納部に1次平面コイルと2次平面コイルが相
互に絶縁状態で積層収納され、1次平面コイルと2次平
面コイルの少なくとも一方が複数個の導体からなるとと
もに、基体の外面に基体内の収納部の1次平面コイルに
到達する入口部と出口部および2次平面コイルに到達す
る入口部と出口部がそれぞれ形成され、前記各入口部と
出口部に各平面コイルの一部が配置される一方、各入口
部と出口部に導電ペーストを内側に配置し外端部を基体
の外に出した剛体からなる端子が挿入され、挿入された
各端子が導電ペーストを介して基体内の各平面コイルの
端子部に電気的に接続されてなることを特徴とする平面
トランス。 - 【請求項2】 前記導電ペーストが、スクリーン印刷に
より入口部と出口部に挿入されたものであることを特徴
とする請求項1に記載の平面トランス。 - 【請求項3】 前記1次平面コイルの端子部と2次平面
コイルの端子部が、交差する方向に基体から導出されて
なることを特徴とする平面トランス。 - 【請求項4】 前記基体の少なくとも収納部の内側に樹
脂絶縁層が形成されてなることを特徴とする請求項1〜
3のいずれかに記載の平面トランス。 - 【請求項5】 1次平面コイルの出口部と入口部が基体
の一面に相互に隣接して設けられ、2次平面コイルの出
口部と入口部が1次平面コイルの出口部と入口部とを設
けた面に隣接する他の2面に1つずつ形成されてなり、
1次平面コイルの端子部と2次平面コイルの端子部が、
交差する方向に導出され、2次平面コイルが、基体の収
納部内で多層コイル構造とされてなることを特徴とする
請求項1記載の平面トランス。 - 【請求項6】 前記各平面コイルが、導電シートと絶縁
シートの積層構造とされてなることを特徴とする請求項
1〜5のいずれかに記載の平面トランス。 - 【請求項7】 前記基体が、厚さ方向に2分割されて少
なくとも1つの基体に収納部が形成され、分割された基
体に樹脂絶縁層が被覆されてなることを特徴とする請求
項1〜6のいずれかに記載の平面トランス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8173972A JPH1022139A (ja) | 1996-07-03 | 1996-07-03 | 平面トランス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8173972A JPH1022139A (ja) | 1996-07-03 | 1996-07-03 | 平面トランス |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1022139A true JPH1022139A (ja) | 1998-01-23 |
Family
ID=15970442
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8173972A Withdrawn JPH1022139A (ja) | 1996-07-03 | 1996-07-03 | 平面トランス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1022139A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101241476B1 (ko) | 2011-10-24 | 2013-03-11 | 엘지이노텍 주식회사 | 평면 변압기 및 이를 구비한 디스플레이장치 |
JP2017037925A (ja) * | 2015-08-07 | 2017-02-16 | 新電元工業株式会社 | プレーナトランス及びdc−dcコンバータ |
JP2019121737A (ja) * | 2018-01-10 | 2019-07-22 | Tdk株式会社 | インダクタ素子 |
-
1996
- 1996-07-03 JP JP8173972A patent/JPH1022139A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101241476B1 (ko) | 2011-10-24 | 2013-03-11 | 엘지이노텍 주식회사 | 평면 변압기 및 이를 구비한 디스플레이장치 |
JP2017037925A (ja) * | 2015-08-07 | 2017-02-16 | 新電元工業株式会社 | プレーナトランス及びdc−dcコンバータ |
JP2019121737A (ja) * | 2018-01-10 | 2019-07-22 | Tdk株式会社 | インダクタ素子 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
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