JPH10212430A - 温度に応じて流動性が変化する水系塗料および粘性制御剤 - Google Patents
温度に応じて流動性が変化する水系塗料および粘性制御剤Info
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- JPH10212430A JPH10212430A JP1896397A JP1896397A JPH10212430A JP H10212430 A JPH10212430 A JP H10212430A JP 1896397 A JP1896397 A JP 1896397A JP 1896397 A JP1896397 A JP 1896397A JP H10212430 A JPH10212430 A JP H10212430A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 優れた塗装作業性と形成された塗膜の高い仕
上がり品質とを両立することができる水系塗料を提供す
ること。 【解決手段】 上記課題を解決するための本発明の水系
塗料は、温度に応じて流動性が変化する水系塗料であっ
て、その固形分全量に対して0.01重量%〜10重量
%の範囲内の量の粘性制御剤が配合されており、ここで
該粘性制御剤は、低温時における該塗料に擬塑性流動を
表現させる一方、温度の上昇に応じて該塗料の擬塑性流
動の度合いを低減させる若しくは該塗料にニュートン流
動を表現させ得るものであることを特徴とする。
上がり品質とを両立することができる水系塗料を提供す
ること。 【解決手段】 上記課題を解決するための本発明の水系
塗料は、温度に応じて流動性が変化する水系塗料であっ
て、その固形分全量に対して0.01重量%〜10重量
%の範囲内の量の粘性制御剤が配合されており、ここで
該粘性制御剤は、低温時における該塗料に擬塑性流動を
表現させる一方、温度の上昇に応じて該塗料の擬塑性流
動の度合いを低減させる若しくは該塗料にニュートン流
動を表現させ得るものであることを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水系塗料に関し、詳
しくは、温度コントロールによって流動性を異ならせる
ことができる水系塗料および水系塗料用粘性制御剤に関
する。
しくは、温度コントロールによって流動性を異ならせる
ことができる水系塗料および水系塗料用粘性制御剤に関
する。
【0002】
【従来の技術】塗料の粘性を制御することは、高い仕上
がり品質の塗膜を得るために特に重要である。塗装時、
特にスプレー塗装時においては、微粒化を良好に保つた
めに低い粘度(非ニュートン流体等における見かけの粘
度を含む。以下同じ。)が要求される一方、塗着後にお
いては塗料のたれを防ぐのに十分なレベルの高い粘度が
要求される。特に、水系塗料(いわゆる、水溶性樹脂塗
料、ディスパージョン塗料、エマルション塗料を包含す
る。以下同じ。)をスプレー塗装する場合、水の蒸発に
よる濃度上昇に伴う十分な粘度上昇が期待できないた
め、当該塗料が擬塑性流動(せん断速度およびせん断応
力の増大とともに粘度が低下する流動)を示すことが求
められる。
がり品質の塗膜を得るために特に重要である。塗装時、
特にスプレー塗装時においては、微粒化を良好に保つた
めに低い粘度(非ニュートン流体等における見かけの粘
度を含む。以下同じ。)が要求される一方、塗着後にお
いては塗料のたれを防ぐのに十分なレベルの高い粘度が
要求される。特に、水系塗料(いわゆる、水溶性樹脂塗
料、ディスパージョン塗料、エマルション塗料を包含す
る。以下同じ。)をスプレー塗装する場合、水の蒸発に
よる濃度上昇に伴う十分な粘度上昇が期待できないた
め、当該塗料が擬塑性流動(せん断速度およびせん断応
力の増大とともに粘度が低下する流動)を示すことが求
められる。
【0003】このため、従来から水系塗料に擬塑性を付
与するための種々の粘性制御剤が開発されている。例え
ば、特開平3−22301号公報には疎水化ヒドロキシ
エチルセルロースを水系塗料の増粘剤として使用するこ
とが開示されており、この他にもポリアクリル酸等、種
々の化合物が水系塗料用増粘剤として使用されている。
与するための種々の粘性制御剤が開発されている。例え
ば、特開平3−22301号公報には疎水化ヒドロキシ
エチルセルロースを水系塗料の増粘剤として使用するこ
とが開示されており、この他にもポリアクリル酸等、種
々の化合物が水系塗料用増粘剤として使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、塗料を塗装
した場合、塗着後は塗料の濃度が上昇するのに伴って粘
度が上昇し、塗料がある濃度以上になると粘度が高くな
るために塗料が流動しなくなる。この濃度上昇に伴う流
動の停止が早く起こる場合、塗面のレベリング(フロ
ー)性が悪くなるために、仕上がり品質が悪くなる。通
常、擬塑性流動を示す塗料は、せん断速度が低い状態に
おける粘度が高いために、塗装後の乾燥過程のような静
置された状態(塗料にかかるせん断速度が低い状態)に
おける濃度上昇に伴う流動の停止が早く起こる。その結
果、塗面のレベリング(フロー)性が悪くなるために、
仕上がり品質が悪くなりがちである。
した場合、塗着後は塗料の濃度が上昇するのに伴って粘
度が上昇し、塗料がある濃度以上になると粘度が高くな
るために塗料が流動しなくなる。この濃度上昇に伴う流
動の停止が早く起こる場合、塗面のレベリング(フロ
ー)性が悪くなるために、仕上がり品質が悪くなる。通
常、擬塑性流動を示す塗料は、せん断速度が低い状態に
おける粘度が高いために、塗装後の乾燥過程のような静
置された状態(塗料にかかるせん断速度が低い状態)に
おける濃度上昇に伴う流動の停止が早く起こる。その結
果、塗面のレベリング(フロー)性が悪くなるために、
仕上がり品質が悪くなりがちである。
【0005】上記従来の増粘剤によっても水系塗料に擬
塑性を付与することはできるが、塗料塗装後の乾燥過程
(塗料にかかるせん断速度が低い状態)における塗膜中
の粘度の上昇を早めてしまい塗面のレベリング(フロ
ー)性が悪くなるために、仕上がり品質が悪くなりがち
である。従って、塗膜のレベリング(フロー)性を改善
するためには、塗料の濃度が上昇しても粘度が上昇しな
いようにすることが求められる。
塑性を付与することはできるが、塗料塗装後の乾燥過程
(塗料にかかるせん断速度が低い状態)における塗膜中
の粘度の上昇を早めてしまい塗面のレベリング(フロ
ー)性が悪くなるために、仕上がり品質が悪くなりがち
である。従って、塗膜のレベリング(フロー)性を改善
するためには、塗料の濃度が上昇しても粘度が上昇しな
いようにすることが求められる。
【0006】本発明は、従来の増粘剤では解決できなか
った水系塗料のレベリング性に関する上記問題点を解決
するものである。一般に、水系塗料を含む樹脂等の水分
散液は条件が変化した場合でもせん断速度が高い状態に
おける粘度はほとんど変化しない。従って、塗着後に所
定の条件下において擬塑性流動の度合いを低下させる若
しくはニュートン流動にすることでせん断速度が低い状
態における塗料の粘度が低下する。すなわち、本発明の
目的とするところは、以下の特性: a)塗装時には擬塑性流動を示す; b)塗着後には所定の条件下において擬塑性流動の度合
いが低下する、若しくはニュートン流動を示す; を水系塗料に付与させるための水系塗料用粘性制御剤、
および、そのような粘性制御剤を含有する水系塗料を提
供することである。
った水系塗料のレベリング性に関する上記問題点を解決
するものである。一般に、水系塗料を含む樹脂等の水分
散液は条件が変化した場合でもせん断速度が高い状態に
おける粘度はほとんど変化しない。従って、塗着後に所
定の条件下において擬塑性流動の度合いを低下させる若
しくはニュートン流動にすることでせん断速度が低い状
態における塗料の粘度が低下する。すなわち、本発明の
目的とするところは、以下の特性: a)塗装時には擬塑性流動を示す; b)塗着後には所定の条件下において擬塑性流動の度合
いが低下する、若しくはニュートン流動を示す; を水系塗料に付与させるための水系塗料用粘性制御剤、
および、そのような粘性制御剤を含有する水系塗料を提
供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、水系塗料
(エマルション塗料、水溶性樹脂塗料、ディスパージョ
ン塗料を包含する。以下同じ。)に添加される物質であ
って当該塗料の粘性を制御し得る物質を鋭意検討した結
果、温度域によって当該塗料の流動性を変化させる高分
子物質を見出し、当該物質からなる水系塗料用粘性制御
剤および当該粘性制御剤を種々の樹脂用組成物に含有さ
せて成る水系塗料を開発して本発明を完成するに至っ
た。
(エマルション塗料、水溶性樹脂塗料、ディスパージョ
ン塗料を包含する。以下同じ。)に添加される物質であ
って当該塗料の粘性を制御し得る物質を鋭意検討した結
果、温度域によって当該塗料の流動性を変化させる高分
子物質を見出し、当該物質からなる水系塗料用粘性制御
剤および当該粘性制御剤を種々の樹脂用組成物に含有さ
せて成る水系塗料を開発して本発明を完成するに至っ
た。
【0008】すなわち、本発明は、水系塗料の粘性を制
御するための粘性制御剤であって、低温時における当該
塗料に擬塑性流動を表現させる一方、温度の上昇に応じ
て当該塗料の擬塑性流動の度合いを低減させる、若しく
は、当該塗料にニュートン流動を表現させ得るものであ
ることを特徴とする、水系塗料の流動性を温度に応じて
変化させ得る粘性制御剤(以下「本発明の粘性制御剤」
という。)を提供する。
御するための粘性制御剤であって、低温時における当該
塗料に擬塑性流動を表現させる一方、温度の上昇に応じ
て当該塗料の擬塑性流動の度合いを低減させる、若しく
は、当該塗料にニュートン流動を表現させ得るものであ
ることを特徴とする、水系塗料の流動性を温度に応じて
変化させ得る粘性制御剤(以下「本発明の粘性制御剤」
という。)を提供する。
【0009】さらに本発明は、水系塗料であって、その
塗料には固形分全量に対して0.01重量%〜10重量
%の範囲内の量の粘性制御剤が配合されており、ここで
当該粘性制御剤は、低温時における当該塗料に擬塑性流
動を表現させる一方、塗料温度の上昇に応じて当該塗料
の擬塑性流動の度合いを低減させる、若しくは、当該塗
料にニュートン流動を表現させ得るものであることを特
徴とする、温度に応じて流動性が変化する水系塗料(以
下「本発明の水系塗料」という。)を提供する。
塗料には固形分全量に対して0.01重量%〜10重量
%の範囲内の量の粘性制御剤が配合されており、ここで
当該粘性制御剤は、低温時における当該塗料に擬塑性流
動を表現させる一方、塗料温度の上昇に応じて当該塗料
の擬塑性流動の度合いを低減させる、若しくは、当該塗
料にニュートン流動を表現させ得るものであることを特
徴とする、温度に応じて流動性が変化する水系塗料(以
下「本発明の水系塗料」という。)を提供する。
【0010】本明細書において「ニュートン流動」と
は、せん断速度(またはせん断応力)の変化に関わらず
粘度が殆ど変化しないことを特徴とするいわゆるニュー
トンの粘性法則に従う流体特性(流動性)をいい、他
方、「擬塑性流動」とは、ニュートンの粘性法則が成立
せず、せん断速度(またはせん断応力)の増大に伴って
見かけの粘度が低下することを特徴とする流体特性(流
動体)をいう。また、擬塑性流動の度合いとは、せん断
速度(またはせん断応力)の増大に伴う見かけの粘度の
低下の割合いをいう。
は、せん断速度(またはせん断応力)の変化に関わらず
粘度が殆ど変化しないことを特徴とするいわゆるニュー
トンの粘性法則に従う流体特性(流動性)をいい、他
方、「擬塑性流動」とは、ニュートンの粘性法則が成立
せず、せん断速度(またはせん断応力)の増大に伴って
見かけの粘度が低下することを特徴とする流体特性(流
動体)をいう。また、擬塑性流動の度合いとは、せん断
速度(またはせん断応力)の増大に伴う見かけの粘度の
低下の割合いをいう。
【0011】本発明の粘性制御剤では、温度の調節によ
って水系塗料の流動性を変化させることができる。すな
わち、本発明の粘性制御剤が配合されて成る本発明の水
系塗料は、所定の低温域で擬塑性流動を示す一方、温度
の上昇とともにその流動性を変化させて擬塑性流動の度
合いを低減させる若しくはニュートン流動を示すように
なる。このため、本発明の水系塗料によれば、低温域
(擬塑性流動を示す温度域)で塗装に供することによっ
て塗面からの塗料のたれを防止することができるととも
に、塗装後の乾燥工程において被塗物を高温条件下(す
なわち、擬塑性流動の度合いを低減、若しくはニュート
ン流動を示す温度域)に曝すことによって、本発明の水
系塗料からなるレベリング性の優れた良好な塗膜を形成
することができる。
って水系塗料の流動性を変化させることができる。すな
わち、本発明の粘性制御剤が配合されて成る本発明の水
系塗料は、所定の低温域で擬塑性流動を示す一方、温度
の上昇とともにその流動性を変化させて擬塑性流動の度
合いを低減させる若しくはニュートン流動を示すように
なる。このため、本発明の水系塗料によれば、低温域
(擬塑性流動を示す温度域)で塗装に供することによっ
て塗面からの塗料のたれを防止することができるととも
に、塗装後の乾燥工程において被塗物を高温条件下(す
なわち、擬塑性流動の度合いを低減、若しくはニュート
ン流動を示す温度域)に曝すことによって、本発明の水
系塗料からなるレベリング性の優れた良好な塗膜を形成
することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、典型的には以下のよう
に実施され得る。
に実施され得る。
【0013】本発明の粘性制御剤として用いられる、温
度域によって水系塗料の流動性を変化させ得る高分子物
質(混合物および複合体を包含する。以下「粘性制御高
分子物質」と略称する。)は、水溶性の高分子物質であ
って温水または冷水に溶解された際にはゲルあるいは粘
稠な溶液となる一連の物質として特定され得る。このよ
うな水溶性高分子物質の典型的なものには、植物ガム質
のような粘質多糖あるいは下限共融点温度を有する高分
子のホモポリマーまたは共重合体がある。種々の用途で
固定(ゲル)化担体として工業的に利用され得る多糖類
等のポリマーは本発明における粘性制御高分子物質とし
て使用され得る。
度域によって水系塗料の流動性を変化させ得る高分子物
質(混合物および複合体を包含する。以下「粘性制御高
分子物質」と略称する。)は、水溶性の高分子物質であ
って温水または冷水に溶解された際にはゲルあるいは粘
稠な溶液となる一連の物質として特定され得る。このよ
うな水溶性高分子物質の典型的なものには、植物ガム質
のような粘質多糖あるいは下限共融点温度を有する高分
子のホモポリマーまたは共重合体がある。種々の用途で
固定(ゲル)化担体として工業的に利用され得る多糖類
等のポリマーは本発明における粘性制御高分子物質とし
て使用され得る。
【0014】本発明の粘性制御剤として好ましい粘性制
御高分子物質は、カラギーナン、ジェラン、アルギン酸
のような粘質多糖あるいはポリイソプロピルアクリルア
ミド、ポリビニルメチルエーテルのような下限共融点温
度を有する高分子等から成るホモポリマーまたは共重合
体である。上記各粘性制御高分子物質であって、およそ
1万〜500万の平均分子量を有するものが本発明にお
ける粘性制御高分子物質として特に好ましい。
御高分子物質は、カラギーナン、ジェラン、アルギン酸
のような粘質多糖あるいはポリイソプロピルアクリルア
ミド、ポリビニルメチルエーテルのような下限共融点温
度を有する高分子等から成るホモポリマーまたは共重合
体である。上記各粘性制御高分子物質であって、およそ
1万〜500万の平均分子量を有するものが本発明にお
ける粘性制御高分子物質として特に好ましい。
【0015】本発明の粘性制御剤は水溶性の上記粘性制
御高分子物質から構成されるため、水系塗料の性状に特
に限定されるものではない。従って、上記粘性制御高分
子物質からなる本発明の粘性制御剤は、無機物あるいは
有機物を含む水分散液の流動性および粘度特性を制御す
るのに有用であり、例えば、天然および合成ラテック
ス、各種合成樹脂エマルション、水溶性樹脂水分散液、
水に不溶性の無機および有機物質のスラリーおよびコロ
イド状分散体(コロイダルディスパーション)およびこ
れらの混合組成物を包含する種々の性状の水系塗料に適
用することができる。
御高分子物質から構成されるため、水系塗料の性状に特
に限定されるものではない。従って、上記粘性制御高分
子物質からなる本発明の粘性制御剤は、無機物あるいは
有機物を含む水分散液の流動性および粘度特性を制御す
るのに有用であり、例えば、天然および合成ラテック
ス、各種合成樹脂エマルション、水溶性樹脂水分散液、
水に不溶性の無機および有機物質のスラリーおよびコロ
イド状分散体(コロイダルディスパーション)およびこ
れらの混合組成物を包含する種々の性状の水系塗料に適
用することができる。
【0016】また、上記のとおり、本発明の粘性制御剤
の塗料への適用幅が広い結果、本発明の粘性制御剤を含
有することを特徴とする本発明の水系塗料では、いわゆ
る塗膜形成主要素(基体樹脂)の他、種々の顔料(例え
ば、アルミニウムペースト、酸化チタン、カーボンブラ
ック、マイカ、キナクリドン等)および染料、分散剤、
酸化防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤などを含有または混
合させることができる。
の塗料への適用幅が広い結果、本発明の粘性制御剤を含
有することを特徴とする本発明の水系塗料では、いわゆ
る塗膜形成主要素(基体樹脂)の他、種々の顔料(例え
ば、アルミニウムペースト、酸化チタン、カーボンブラ
ック、マイカ、キナクリドン等)および染料、分散剤、
酸化防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤などを含有または混
合させることができる。
【0017】本発明の水系塗料では、その固形分全量に
対して0.01重量%〜10重量%の範囲内の量の上記
本発明の粘性制御剤が配合されておればよく、このこと
によって、低温時において擬塑性流動を示す一方、温度
の上昇に応じて擬塑性流動を低減させる若しくはニュー
トン流動を示し得る。本発明の粘性制御剤を、固形分全
量に対して0.1重量%〜5重量%の範囲内の量となる
ように水系塗料に配合することが特に好ましい。一方、
本発明の粘性制御剤の配合量が固形分全量に対して10
重量%よりも高すぎる場合は、水系塗料の親水性が必要
以上に高くなるため塗膜の耐水性の観点から望ましくな
い。また、本発明の粘性制御剤の配合量が固形分全量に
対して0.01重量%よりも低すぎる場合は、上記粘度
特性(流動性)を制御するのに十分とはいえない。
対して0.01重量%〜10重量%の範囲内の量の上記
本発明の粘性制御剤が配合されておればよく、このこと
によって、低温時において擬塑性流動を示す一方、温度
の上昇に応じて擬塑性流動を低減させる若しくはニュー
トン流動を示し得る。本発明の粘性制御剤を、固形分全
量に対して0.1重量%〜5重量%の範囲内の量となる
ように水系塗料に配合することが特に好ましい。一方、
本発明の粘性制御剤の配合量が固形分全量に対して10
重量%よりも高すぎる場合は、水系塗料の親水性が必要
以上に高くなるため塗膜の耐水性の観点から望ましくな
い。また、本発明の粘性制御剤の配合量が固形分全量に
対して0.01重量%よりも低すぎる場合は、上記粘度
特性(流動性)を制御するのに十分とはいえない。
【0018】本発明の水系塗料では、その使用条件に応
じて限定されるものではないが、典型的には、低温時の
擬塑性流動を示す状態での粘度は、せん断速度100 s
-1以下の場合に100 Pa・s以上であり、せん断速度
102 s-1以上の場合には100 Pa・s未満である。
一方、塗料温度を上昇させて、擬塑性流動の度合いが低
減あるいはニュートン流動を示すようになった後の本発
明の水系塗料の粘度は、せん断速度に関わらず、100
Pa・s未満の値を維持する。従って、本発明の水系塗
料では、ニュートン流動を表現する温度域に曝すことで
塗膜内における塗料の流動を均一化することができる。
じて限定されるものではないが、典型的には、低温時の
擬塑性流動を示す状態での粘度は、せん断速度100 s
-1以下の場合に100 Pa・s以上であり、せん断速度
102 s-1以上の場合には100 Pa・s未満である。
一方、塗料温度を上昇させて、擬塑性流動の度合いが低
減あるいはニュートン流動を示すようになった後の本発
明の水系塗料の粘度は、せん断速度に関わらず、100
Pa・s未満の値を維持する。従って、本発明の水系塗
料では、ニュートン流動を表現する温度域に曝すことで
塗膜内における塗料の流動を均一化することができる。
【0019】本発明の水系塗料を適用する被塗物につい
ては特に制限はなく、例えば、自動車、船舶、航空機等
の輸送機器や建築物、あるいは電気器具などの外板塗装
に適用され得る。本発明の水系塗料では、温度コントロ
ールによって擬塑性流動とニュートン流動とを目的およ
び/または塗装工程に応じて表現させることができるた
め、特に優れた塗装作業性と高い仕上がり品質が求めら
れる自動車等のボディの塗装に好ましく適用される。
ては特に制限はなく、例えば、自動車、船舶、航空機等
の輸送機器や建築物、あるいは電気器具などの外板塗装
に適用され得る。本発明の水系塗料では、温度コントロ
ールによって擬塑性流動とニュートン流動とを目的およ
び/または塗装工程に応じて表現させることができるた
め、特に優れた塗装作業性と高い仕上がり品質が求めら
れる自動車等のボディの塗装に好ましく適用される。
【0020】次に、本発明の水系塗料を用いる場合の好
ましい塗装方法について説明する。塗装工程において
は、被塗物の表面に本発明の水系塗料を塗装する方法に
は特に制限がなく、従来の水系塗料の塗装方法のほとん
どが適用できる。典型的には霧化式塗装(例えば、エア
スプレー塗装、エアレススプレー塗装機、エア霧化式も
しくは回転霧化式静電塗装)またははけ塗りあるいはデ
ィップコート法などによって塗装することができる。優
れた塗装作業性と高い仕上がり品質が求められる被塗物
に塗装する場合は霧化式塗装が好ましい。一方、塗装後
の乾燥工程についても特に限定はされないが、焼付け等
により加熱する場合には温風の印化や熱風炉、赤外炉、
誘電加熱炉等が適用できる。また、冷却する必要がある
場合には冷風の印化や低温槽等が適用できる。
ましい塗装方法について説明する。塗装工程において
は、被塗物の表面に本発明の水系塗料を塗装する方法に
は特に制限がなく、従来の水系塗料の塗装方法のほとん
どが適用できる。典型的には霧化式塗装(例えば、エア
スプレー塗装、エアレススプレー塗装機、エア霧化式も
しくは回転霧化式静電塗装)またははけ塗りあるいはデ
ィップコート法などによって塗装することができる。優
れた塗装作業性と高い仕上がり品質が求められる被塗物
に塗装する場合は霧化式塗装が好ましい。一方、塗装後
の乾燥工程についても特に限定はされないが、焼付け等
により加熱する場合には温風の印化や熱風炉、赤外炉、
誘電加熱炉等が適用できる。また、冷却する必要がある
場合には冷風の印化や低温槽等が適用できる。
【0021】本発明の水系塗料を用いて被塗物にレベリ
ング性の優れる塗膜を形成させる場合、上記塗装工程に
おける温度コントロールが重要なファクターとなる。す
なわち、本発明の水系塗料が擬塑性流動を示す低温条件
下で塗装を実施することで塗面からの塗料のたれを防止
することができる。そして、塗装後の乾燥工程において
は、被塗物を本発明の水系塗料の擬塑性流動の度合いが
低減する、若しくは、水系塗料にニュートン流動を示す
高温条件下におくことで塗膜中の粘度の上昇を抑制する
ことが可能であり、結果、レベリング性の優れた塗膜を
形成することができる。例えば、塗料の性状および使用
条件に応じて限定されるものではないが、10℃〜30
℃の低温域で塗装工程を実施し、次いで乾燥工程におい
て被塗物を40℃またはそれ以上の高温に曝すことによ
ってレベリング性の優れた塗膜を形成することができ
る。
ング性の優れる塗膜を形成させる場合、上記塗装工程に
おける温度コントロールが重要なファクターとなる。す
なわち、本発明の水系塗料が擬塑性流動を示す低温条件
下で塗装を実施することで塗面からの塗料のたれを防止
することができる。そして、塗装後の乾燥工程において
は、被塗物を本発明の水系塗料の擬塑性流動の度合いが
低減する、若しくは、水系塗料にニュートン流動を示す
高温条件下におくことで塗膜中の粘度の上昇を抑制する
ことが可能であり、結果、レベリング性の優れた塗膜を
形成することができる。例えば、塗料の性状および使用
条件に応じて限定されるものではないが、10℃〜30
℃の低温域で塗装工程を実施し、次いで乾燥工程におい
て被塗物を40℃またはそれ以上の高温に曝すことによ
ってレベリング性の優れた塗膜を形成することができ
る。
【0022】
【実施例】以下の実施例において、本発明の水系塗料お
よび粘性制御剤をさらに詳細に説明するが、これらはな
んら本発明を限定するものではない。
よび粘性制御剤をさらに詳細に説明するが、これらはな
んら本発明を限定するものではない。
【0023】<実施例1>先ず、実施例1として、本発
明の粘性制御剤として好適な水溶液を調製し、その温度
に応じた粘性挙動(流動性)を調べた。すなわち、イオ
ン交換水に1重量%となるようにκ−カラギーナン(分
子量10万〜200万)を常温で溶解した。次いで得ら
れた水溶液をそのまま3時間攪拌した後、10℃、20
℃、30℃、40℃の各温度条件下で24時間静置し
た。その後、上記各温度における本水溶液の粘性挙動を
測定した。なお、粘性挙動は回転型粘度計を用いてせん
断速度5×10-2s-1〜5×102 s-1における粘度を
測定して評価した。測定結果を図1に示す。図1中の白
抜き×、白抜き逆三角、白抜き丸、および白抜き四角
が、各々、10℃、20℃、30℃、および40℃にお
ける本水溶液のせん断速度(s-1;横軸)に対する粘度
(Pa・s )の変動を示したものである。図1から明らか
なように、1重量%のκ−カラギーナン水溶液は、10
℃、20℃、および30℃条件下ではせん断速度の増大
に伴って見かけの粘度が減少するいわゆる擬塑性流動を
示す一方、40℃条件下においてはニュートン流動を示
し、せん断速度に関わらず粘度はほぼ一定であり常に1
0 -1Pa・s未満であった。
明の粘性制御剤として好適な水溶液を調製し、その温度
に応じた粘性挙動(流動性)を調べた。すなわち、イオ
ン交換水に1重量%となるようにκ−カラギーナン(分
子量10万〜200万)を常温で溶解した。次いで得ら
れた水溶液をそのまま3時間攪拌した後、10℃、20
℃、30℃、40℃の各温度条件下で24時間静置し
た。その後、上記各温度における本水溶液の粘性挙動を
測定した。なお、粘性挙動は回転型粘度計を用いてせん
断速度5×10-2s-1〜5×102 s-1における粘度を
測定して評価した。測定結果を図1に示す。図1中の白
抜き×、白抜き逆三角、白抜き丸、および白抜き四角
が、各々、10℃、20℃、30℃、および40℃にお
ける本水溶液のせん断速度(s-1;横軸)に対する粘度
(Pa・s )の変動を示したものである。図1から明らか
なように、1重量%のκ−カラギーナン水溶液は、10
℃、20℃、および30℃条件下ではせん断速度の増大
に伴って見かけの粘度が減少するいわゆる擬塑性流動を
示す一方、40℃条件下においてはニュートン流動を示
し、せん断速度に関わらず粘度はほぼ一定であり常に1
0 -1Pa・s未満であった。
【0024】<実施例2>また、実施例2として、本発
明の粘性制御剤として好適な他の水溶液を調製し、その
温度に応じた粘性挙動(流動性)を調べた。すなわち、
イオン交換水に1重量%となるようにジェラン(分子量
100万〜200万)を常温で溶解した。次いで得られ
た水溶液をそのまま3時間攪拌した後、上記実施例1と
同様に、10℃、20℃、30℃、40℃の各温度条件
下で24時間静置した。その後、上記各温度における本
水溶液の粘性挙動を測定した。なお、粘性挙動は回転型
粘度計を用いてせん断速度2×10-2s-1〜103 s
- 1 における粘度を測定して評価した。測定結果を図2
に示す。図2中の白抜き丸、白抜き逆三角、白抜き×、
および白抜き四角が、各々、10℃、20℃、30℃、
および40℃における本水溶液のせん断速度(s-1;横
軸)に対する粘度(Pa・s )の変動を示したものであ
る。図2から明らかなように、1重量%のジェラン水溶
液は、10℃および20℃条件下ではせん断速度の増大
に伴って見かけの粘度が減少するいわゆる擬塑性流動を
示す一方、30℃および40℃条件下においては擬塑性
流動の度合いが低減し、粘度はせん断速度に関わらず常
に5×100 Pa・s未満であった。
明の粘性制御剤として好適な他の水溶液を調製し、その
温度に応じた粘性挙動(流動性)を調べた。すなわち、
イオン交換水に1重量%となるようにジェラン(分子量
100万〜200万)を常温で溶解した。次いで得られ
た水溶液をそのまま3時間攪拌した後、上記実施例1と
同様に、10℃、20℃、30℃、40℃の各温度条件
下で24時間静置した。その後、上記各温度における本
水溶液の粘性挙動を測定した。なお、粘性挙動は回転型
粘度計を用いてせん断速度2×10-2s-1〜103 s
- 1 における粘度を測定して評価した。測定結果を図2
に示す。図2中の白抜き丸、白抜き逆三角、白抜き×、
および白抜き四角が、各々、10℃、20℃、30℃、
および40℃における本水溶液のせん断速度(s-1;横
軸)に対する粘度(Pa・s )の変動を示したものであ
る。図2から明らかなように、1重量%のジェラン水溶
液は、10℃および20℃条件下ではせん断速度の増大
に伴って見かけの粘度が減少するいわゆる擬塑性流動を
示す一方、30℃および40℃条件下においては擬塑性
流動の度合いが低減し、粘度はせん断速度に関わらず常
に5×100 Pa・s未満であった。
【0025】<比較例1>次に、本発明の粘性制御剤の
比較例として、通常のポリマー水溶液を調製し、その温
度に応じた粘性挙動(流動性)を調べた。すなわち、常
温下、1重量%となるようにポリアクリル酸溶液(大日
本インキ社製品「ボンコートHV(商標)」)をイオン
交換水で希釈した。次いで得られた希釈液にジメチルエ
タノールアミンをカルボキシル基に対して当量添加し、
そのまま3時間攪拌した後、上記実施例1および実施例
2と同様に、10℃、20℃、30℃、40℃の各温度
条件下で24時間静置した。その後、上記各温度におけ
る本水溶液の粘性挙動を測定した。なお、粘性挙動は回
転型粘度計を用いてせん断速度5×10-2s-1〜5×1
02 s-1における粘度を測定して評価した。測定結果を
図3に示す。図3中の白抜き×、白抜き丸、白抜き逆三
角、および白抜き四角が、各々、10℃、20℃、30
℃、および40℃における本水溶液のせん断速度
(s-1;横軸)に応じた粘度(Pa・s )の変動を示した
ものである。図3から明らかなように、本水溶液は、い
ずれの温度条件下においてもせん断速度の増大に伴って
見かけの粘度が減少するいわゆる擬塑性流動を示し、上
記実施例1および実施例2で調製された本発明の粘性制
御剤のように、温度を上昇した場合にも、流動性の変化
は認められなかった。
比較例として、通常のポリマー水溶液を調製し、その温
度に応じた粘性挙動(流動性)を調べた。すなわち、常
温下、1重量%となるようにポリアクリル酸溶液(大日
本インキ社製品「ボンコートHV(商標)」)をイオン
交換水で希釈した。次いで得られた希釈液にジメチルエ
タノールアミンをカルボキシル基に対して当量添加し、
そのまま3時間攪拌した後、上記実施例1および実施例
2と同様に、10℃、20℃、30℃、40℃の各温度
条件下で24時間静置した。その後、上記各温度におけ
る本水溶液の粘性挙動を測定した。なお、粘性挙動は回
転型粘度計を用いてせん断速度5×10-2s-1〜5×1
02 s-1における粘度を測定して評価した。測定結果を
図3に示す。図3中の白抜き×、白抜き丸、白抜き逆三
角、および白抜き四角が、各々、10℃、20℃、30
℃、および40℃における本水溶液のせん断速度
(s-1;横軸)に応じた粘度(Pa・s )の変動を示した
ものである。図3から明らかなように、本水溶液は、い
ずれの温度条件下においてもせん断速度の増大に伴って
見かけの粘度が減少するいわゆる擬塑性流動を示し、上
記実施例1および実施例2で調製された本発明の粘性制
御剤のように、温度を上昇した場合にも、流動性の変化
は認められなかった。
【0026】<実施例3>次に、上記実施例1で得られ
た本発明の粘性制御剤を含有する本発明の水系塗料とし
て好適な塗料を調製した。すなわち、攪拌機、温度調節
器、および冷却管を備えた反応容器内にエチレングリコ
ールモノブチルエーテルを286重量部ほど仕込み、温
度を120℃に保った。ここに、メタクリル酸40重量
部、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル100重量部、ア
クリル酸n-ブチル140重量部、メタクリル酸エチル7
0重量部およびアゾビスイソブチロニトリル6.9重量
部からなるモノマー溶液を5時間かけて添加した。その
後1時間攪拌を継続し、不揮発分55重量%、数平均分
子量4800の水系塗料用樹脂組成物を得た。
た本発明の粘性制御剤を含有する本発明の水系塗料とし
て好適な塗料を調製した。すなわち、攪拌機、温度調節
器、および冷却管を備えた反応容器内にエチレングリコ
ールモノブチルエーテルを286重量部ほど仕込み、温
度を120℃に保った。ここに、メタクリル酸40重量
部、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル100重量部、ア
クリル酸n-ブチル140重量部、メタクリル酸エチル7
0重量部およびアゾビスイソブチロニトリル6.9重量
部からなるモノマー溶液を5時間かけて添加した。その
後1時間攪拌を継続し、不揮発分55重量%、数平均分
子量4800の水系塗料用樹脂組成物を得た。
【0027】上記得られた水系塗料用樹脂組成物をジメ
チルエタノールアミンで酸価に対して当量中和し、水で
25重量%に希釈した後、上記実施例1で調製した本発
明の粘性制御剤(1重量%のκ−カラギーナン水溶液)
を全量に対して1重量%になるように添加し、さらに、
三井東圧化学株式会社製品「サイメル303(商標)」
(メトキシメチロールメラミン)を適量添加し均一混合
し、塗料を得た。
チルエタノールアミンで酸価に対して当量中和し、水で
25重量%に希釈した後、上記実施例1で調製した本発
明の粘性制御剤(1重量%のκ−カラギーナン水溶液)
を全量に対して1重量%になるように添加し、さらに、
三井東圧化学株式会社製品「サイメル303(商標)」
(メトキシメチロールメラミン)を適量添加し均一混合
し、塗料を得た。
【0028】<実施例4>次に、上記実施例2で得られ
た本発明の粘性制御剤を含有する本発明の水系塗料とし
て好適な塗料を調製した。すなわち、上記実施例3と同
一の原料物質および方法によって、不揮発分55重量
%、数平均分子量4800の水系塗料用樹脂組成物を
得、次いで、得られた水系塗料用樹脂組成物をジメチル
エタノールアミンで酸価に対して当量中和し、水で25
重量%に希釈した後、上記実施例2で調製した本発明の
粘性制御剤(1重量%のジェラン水溶液)を全量に対し
て1重量%になるように添加し、さらに、三井東圧化学
株式会社製品「サイメル303(商標)」(メトキシメ
チロールメラミン)を適量添加し均一混合し、塗料を得
た。
た本発明の粘性制御剤を含有する本発明の水系塗料とし
て好適な塗料を調製した。すなわち、上記実施例3と同
一の原料物質および方法によって、不揮発分55重量
%、数平均分子量4800の水系塗料用樹脂組成物を
得、次いで、得られた水系塗料用樹脂組成物をジメチル
エタノールアミンで酸価に対して当量中和し、水で25
重量%に希釈した後、上記実施例2で調製した本発明の
粘性制御剤(1重量%のジェラン水溶液)を全量に対し
て1重量%になるように添加し、さらに、三井東圧化学
株式会社製品「サイメル303(商標)」(メトキシメ
チロールメラミン)を適量添加し均一混合し、塗料を得
た。
【0029】<比較例2>比較例として、上記比較例1
で得られた水溶液を含有する水系塗料を調製した。すな
わち、上記実施例3と同一の原料物質および方法によっ
て、不揮発分55重量%、数平均分子量4800の水系
塗料用樹脂組成物を得、次いで、得られた水系塗料用樹
脂組成物をジメチルエタノールアミンで酸価に対して当
量中和し、水で25重量%に希釈した後、上記参考例1
で調製したポリアクリル酸水溶液を全量に対して1重量
%になるように添加し、さらに、三井東圧化学株式会社
製品「サイメル303(商標)」(メトキシメチロール
メラミン)を適量添加し均一混合し、塗料を得た。
で得られた水溶液を含有する水系塗料を調製した。すな
わち、上記実施例3と同一の原料物質および方法によっ
て、不揮発分55重量%、数平均分子量4800の水系
塗料用樹脂組成物を得、次いで、得られた水系塗料用樹
脂組成物をジメチルエタノールアミンで酸価に対して当
量中和し、水で25重量%に希釈した後、上記参考例1
で調製したポリアクリル酸水溶液を全量に対して1重量
%になるように添加し、さらに、三井東圧化学株式会社
製品「サイメル303(商標)」(メトキシメチロール
メラミン)を適量添加し均一混合し、塗料を得た。
【0030】<実施例5> (塗膜の評価)上記実施例3および実施例4ならびに比
較例2で得られた各塗料の塗料安定性、塗装性(たれに
くさ及びレベリング性)ならびに形成された塗膜の外観
(光沢及び肌)を評価した。
較例2で得られた各塗料の塗料安定性、塗装性(たれに
くさ及びレベリング性)ならびに形成された塗膜の外観
(光沢及び肌)を評価した。
【0031】中塗り鋼板に25℃条件下で上記各塗料を
エアースプレー塗装し、5分間の静置後、各塗装鋼板を
40℃条件下(但し、上記実施例4の塗料を塗装した鋼
板については35℃条件下)に1分間曝した。次いで、
各塗装鋼板を乾燥器内に移し、140℃で30分間の焼
付けを実施し、塗面の外観を評価した。また、参考例と
して、実施例3で得られた塗料を上記と同様の方法で塗
装した鋼板を5分間静置後、上記40℃条件下に曝すこ
となく、直接乾燥器内に移し、140℃で30分間の焼
付けを同様に実施したものの塗面の外観も合わせて評価
した。結果を表1に示す。
エアースプレー塗装し、5分間の静置後、各塗装鋼板を
40℃条件下(但し、上記実施例4の塗料を塗装した鋼
板については35℃条件下)に1分間曝した。次いで、
各塗装鋼板を乾燥器内に移し、140℃で30分間の焼
付けを実施し、塗面の外観を評価した。また、参考例と
して、実施例3で得られた塗料を上記と同様の方法で塗
装した鋼板を5分間静置後、上記40℃条件下に曝すこ
となく、直接乾燥器内に移し、140℃で30分間の焼
付けを同様に実施したものの塗面の外観も合わせて評価
した。結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】表1に示すように、上記実施例3および実
施例4で得られた本発明の水系塗料を塗装した場合であ
って塗装後の乾燥工程において40℃(35℃)条件下
に1分間曝したもの(表中の実施例3および実施例4の
欄)については、塗料安定性、塗装性(たれにくさ及び
レベリング性)ならびに形成された塗膜の外観(光沢及
び肌)のいずれも良好であった(表中の○)。
施例4で得られた本発明の水系塗料を塗装した場合であ
って塗装後の乾燥工程において40℃(35℃)条件下
に1分間曝したもの(表中の実施例3および実施例4の
欄)については、塗料安定性、塗装性(たれにくさ及び
レベリング性)ならびに形成された塗膜の外観(光沢及
び肌)のいずれも良好であった(表中の○)。
【0034】一方、上記比較例2で得られた本発明の水
系塗料を塗装した場合であって塗装後の乾燥工程におい
て40℃条件下に1分間曝したもの(表中の比較例2の
欄)および上記実施例3で得られた本発明の水系塗料を
塗装した場合であって塗装後の乾燥工程において40℃
条件下に曝さなかったもの(表中の参考例の欄)につい
ては、レベリング性が不良であり、結果、形成された塗
膜の外観が好ましくなかった(表中の×)。本実施例か
ら明らかなように、本発明の水系塗料においては、温度
コントロールによって流動性を変化させることができる
ため、優れた塗装作業性と塗膜の高い仕上がり品質とを
両立することができる。
系塗料を塗装した場合であって塗装後の乾燥工程におい
て40℃条件下に1分間曝したもの(表中の比較例2の
欄)および上記実施例3で得られた本発明の水系塗料を
塗装した場合であって塗装後の乾燥工程において40℃
条件下に曝さなかったもの(表中の参考例の欄)につい
ては、レベリング性が不良であり、結果、形成された塗
膜の外観が好ましくなかった(表中の×)。本実施例か
ら明らかなように、本発明の水系塗料においては、温度
コントロールによって流動性を変化させることができる
ため、優れた塗装作業性と塗膜の高い仕上がり品質とを
両立することができる。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、以下の特性: a)塗装時には擬塑性流動を示す; b)塗着後には所定の条件下において擬塑性流動の度合
いが低下する若しくはニュートン流動を示し、一定レベ
ルの粘度が維持される; を水系塗料に付与させるための水系塗料用粘性制御剤、
および、そのような粘性制御剤を含有する水系塗料を提
供することができる。
いが低下する若しくはニュートン流動を示し、一定レベ
ルの粘度が維持される; を水系塗料に付与させるための水系塗料用粘性制御剤、
および、そのような粘性制御剤を含有する水系塗料を提
供することができる。
【0036】すなわち、本発明の水系塗料では、低温域
において擬塑性流動を示し、当該温度を上昇させること
によってその流動性が変化し、擬塑性流動の度合いを低
下させる若しくはニュートン流動を示すようになる。従
って、本発明の水系塗料によれば、塗装工程および乾燥
工程における温度をコントロールすることによって、優
れた塗装作業性と塗膜の高い仕上がり品質とを両立する
ことができる。
において擬塑性流動を示し、当該温度を上昇させること
によってその流動性が変化し、擬塑性流動の度合いを低
下させる若しくはニュートン流動を示すようになる。従
って、本発明の水系塗料によれば、塗装工程および乾燥
工程における温度をコントロールすることによって、優
れた塗装作業性と塗膜の高い仕上がり品質とを両立する
ことができる。
【図1】一実施例に係る本発明の粘性制御剤における温
度条件別せん断速度に対する粘性挙動を示すグラフであ
る。
度条件別せん断速度に対する粘性挙動を示すグラフであ
る。
【図2】一実施例に係る本発明の粘性制御剤における温
度条件別せん断速度に対する粘性挙動を示すグラフであ
る。
度条件別せん断速度に対する粘性挙動を示すグラフであ
る。
【図3】一比較例としての従来の高分子水溶液における
温度条件別せん断速度に対する粘性挙動を示すグラフで
ある。
温度条件別せん断速度に対する粘性挙動を示すグラフで
ある。
Claims (2)
- 【請求項1】 水系塗料であって、 その塗料には固形分全量に対して0.01重量%〜10
重量%の範囲内の量の粘性制御剤が配合されており、 ここで該粘性制御剤は、低温時における該塗料に擬塑性
流動を表現させる一方、温度の上昇に応じて該塗料の擬
塑性の度合いを低減させる若しくは該塗料にニュートン
流動を表現させ得るものであることを特徴とする、温度
に応じて流動性が変化する水系塗料。 - 【請求項2】 水系塗料の粘性を制御するための粘性制
御剤であって、 低温時における該塗料に擬塑性流動を表現させる一方、
温度の上昇に応じて該塗料の擬塑性の度合いを低減させ
る、若しくは、該塗料にニュートン流動を表現させ得る
ものであることを特徴とする、水系塗料の流動性を温度
に応じて変化させ得る粘性制御剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1896397A JPH10212430A (ja) | 1997-01-31 | 1997-01-31 | 温度に応じて流動性が変化する水系塗料および粘性制御剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1896397A JPH10212430A (ja) | 1997-01-31 | 1997-01-31 | 温度に応じて流動性が変化する水系塗料および粘性制御剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10212430A true JPH10212430A (ja) | 1998-08-11 |
Family
ID=11986315
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1896397A Pending JPH10212430A (ja) | 1997-01-31 | 1997-01-31 | 温度に応じて流動性が変化する水系塗料および粘性制御剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10212430A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008144064A (ja) * | 2006-12-12 | 2008-06-26 | Nippon Paint Co Ltd | 自動車用水性中塗り塗料組成物 |
-
1997
- 1997-01-31 JP JP1896397A patent/JPH10212430A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008144064A (ja) * | 2006-12-12 | 2008-06-26 | Nippon Paint Co Ltd | 自動車用水性中塗り塗料組成物 |
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