JP7399587B2 - 防振装置 - Google Patents
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Description
そして、防振装置に振動が入力されると、第1取付部材および第2取付部材が、弾性体を弾性変形させながら相対的に変位して、主液室の内圧が変動するのに伴い、オリフィス通路に液体が流通することで、この振動が減衰、吸収される。
仕切部材に、第1オリフィス通路と第2オリフィス通路との接続部分と、副液室と、を直結する短絡通路が形成されているので、振動入力時に、第1オリフィス通路と第2オリフィス通路との接続部分に到達した液体の一部を、短絡通路を通して副液室に逃がすことが可能になり、この接続部分における液体の滞留が抑えられ、液体が第1オリフィス通路および第2オリフィス通路を円滑に流れることとなり、動ばねを抑えることができる。
第1オリフィス通路、および第2オリフィス通路が、径方向に互いに接続されて配置された場合、防振装置の軸方向のかさ張りを抑えることができる。
メンブランが、主液室および副液室それぞれの隔壁の一部をなすように弾性変形可能に設けられていて、例えば、主液室および副液室の双方に連通した収容室内に移動可能に収容された、いわゆるガタメンブランではないので、振動入力時に、メンブランが他の部材に衝突して打音が生ずるのを抑制することができる。
防振装置1は、振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される筒状の第1取付部材11、および他方に連結される第2取付部材12と、第1取付部材11と第2取付部材12とを連結した弾性体13と、第1取付部材11内の液室14を、弾性体13を隔壁の一部とする主液室15および副液室16に仕切る仕切部材17と、を備えている。
この防振装置1が、例えば自動車のエンジンマウントとして使用される場合、第1取付部材11が振動受部としての車体に連結され、第2取付部材12が振動発生部としてのエンジンに連結される。これにより、エンジンの振動が車体に伝達することが抑えられる。
以下、仕切部材17に対して軸方向に沿う主液室15側を上側といい、副液室16側を下側という。防振装置1を軸方向から見て、中心軸線Oに交差する方向を径方向といい、中心軸線O回りに周回する方向を周方向という。
弾性体13は、第2取付部材12のフランジ部12aの上面、下面、および外周面を一体に覆うストッパゴム32と一体に形成されている。
ダイヤフラム19および弾性体13により、液体が封入される液室14が第1取付部材11内に画成されている。液室14に封入される液体としては、例えばエチレングリコール、水、若しくはシリコーンオイル等が挙げられる。
なお、仕切部材17は、上側部材34、下側部材33、および固定部材38のうちの少なくとも1つを有しなくてもよく、上側部材34、下側部材33、および固定部材38は一体に形成されてもよい。
固定筒部34a、固定フランジ34b、上側フランジ34c、外筒部34d、および下側フランジ34eは、中心軸線Oと同軸に配設されている。
底板部33a、内筒部33b、および上板部33dは、中心軸線Oと同軸に配設されている。
第2オリフィス通路26における副液室16側の開口部(以下、第2連通孔という)22は、下側部材33の内筒部33bに形成されている。第2連通孔22は、第1連通孔21より径方向の内側に位置している。第2連通孔22および第1連通孔21それぞれの周方向の位置は、互いに同等になっている。図2に示されるように、第1連通孔21および第2連通孔22は、軸方向から見て、上側部材34の外筒部34d、および第2オリフィス通路26を介して径方向で隣り合っている。第2連通孔22は、副液室16に径方向に開口している。なお、第2連通孔22は、副液室16に軸方向に開口してもよい。第2連通孔22は、副液室16のうち、第1オリフィス通路25および第2オリフィス通路26により径方向の外側から囲まれ、かつメンブラン31の下面と軸方向で対向する部分に開口している。
第1オリフィス通路25は、メンブラン31より下方に位置している。第1オリフィス通路25は、メンブラン31より径方向の外側に位置している。
外筒部34dにおいて、軸方向から見て、外側隔壁34fを周方向に挟む、第1連通孔21の反対側に位置する部分に、径方向に貫く接続孔(接続部分)27が形成されている。接続孔27および第1連通孔21は、軸方向から見て、外側隔壁34fに周方向で隣接している。
接続孔27は、第1オリフィス通路25における周方向の一方側の端部(接続部分)を画成する内面のうち、径方向の内側に位置して径方向の外側を向く内周面に開口している。接続孔27は、第1オリフィス通路25における周方向の一方側の端部と、第2オリフィス通路26と、を径方向に連通している。
第2オリフィス通路26における周方向の他方側の端部を画成する内面のうち、径方向の内側に位置して径方向の外側を向く内周面に、第2連通孔22が開口している。第2オリフィス通路26における周方向の他方側の端部は、第2連通孔22を通して副液室16に連通している。
なお、短絡通路20は、第1オリフィス通路25における周方向の一方側の端部、若しくは接続孔27に開口してもよい。
短絡通路20の流路断面積は、例えば1.7mm2以上とされ、第1オリフィス通路25、および第2オリフィス通路26それぞれにおける周方向の一方側の端部の各流路断面積、並びに接続孔27の流路断面積より小さくなっている。短絡通路20の流路断面積は、第1連通孔21、および第2連通孔22それぞれの流路断面積より小さくなっている。
なお、第1オリフィス通路25、および第2オリフィス通路26それぞれの流通抵抗を、互いに異ならせてもよいし、互いに同等にしてもよい。
短絡通路20の流路断面積が、第1オリフィス通路25と第2オリフィス通路26との接続部分の流路断面積より小さくなっているので、第1オリフィス通路25および第2オリフィス通路26の共振周波数等を容易にチューニングすることができる。
特に、微振幅(例えば、0.05mm~0.2mm)振動の入力時に、メンブラン31を弾性変形させることで、動ばねを低く抑えることができ、この振幅より大きい振幅(例えば、0.2mm~1.0mm)の振動が入力されたときには、周波数が同等であれば、振幅が増減しても、液体を、第1オリフィス通路25および第2オリフィス通路26を流通させて、入力振動を減衰、吸収することができる。
第1オリフィス通路25、および第2オリフィス通路26の、メンブラン31に対する位置は、例えば軸方向の位置を互いに同等にする等、適宜変更してもよい。
接続孔27は、例えば、第1オリフィス通路25および第2オリフィス通路26のうちの少なくとも一方における周方向の中間部に開口してもよい。
本発明に係る防振装置1は、車両のエンジンマウントに限定されるものではなく、エンジンマウント以外に適用することも可能である。例えば、車両用のキャビンマウント若しくはブッシュ、または建設機械に搭載された発電機のマウントに適用することも可能であり、或いは、工場などに設置される機械のマウントに適用することも可能である。
11 第1取付部材
12 第2取付部材
13 弾性体
14 液室
15 主液室
16 副液室
17 仕切部材
20 短絡通路
25 第1オリフィス通路
26 第2オリフィス通路
27 接続孔
31 メンブラン
O 中心軸線
Claims (2)
- 振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される筒状の第1取付部材、および他方に連結される第2取付部材と、
前記第1取付部材と前記第2取付部材とを連結した弾性体と、
前記第1取付部材内の液室を、前記弾性体を隔壁の一部に有する主液室および副液室に仕切る仕切部材と、を備え、
前記仕切部材は、
前記主液室から前記副液室側に向けて延びる第1オリフィス通路と、
前記副液室から前記主液室側に向けて延びるとともに、前記第1オリフィス通路に接続された第2オリフィス通路と、を備え、
前記第1オリフィス通路は、前記主液室から前記第1取付部材の中心軸線回りに沿う周方向の一方側に向けて延び、
前記第2オリフィス通路は、前記第1オリフィス通路との接続部分から周方向の他方側に向けて延び、
前記仕切部材に、前記第1オリフィス通路と前記第2オリフィス通路との接続部分と、前記副液室と、を直結する短絡通路が形成され、
前記仕切部材は、前記主液室および前記副液室それぞれの隔壁の一部をなし、かつ弾性変形可能に設けられたメンブランを備え、
前記短絡通路は、前記副液室のうち、前記第1オリフィス通路および前記第2オリフィス通路により径方向の外側から囲まれ、かつ前記メンブランと対向する部分に、径方向に開口している、防振装置。 - 前記短絡通路の流路断面積は、前記第1オリフィス通路と前記第2オリフィス通路との接続部分の流路断面積より小さい、請求項1に記載の防振装置。
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