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JP5865780B2 - 防振装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば自動車や産業機械等に適用され、エンジン等の振動発生部の振動を吸収および減衰する防振装置に関するものである。
従来から、例えば下記特許文献1に示されるような、振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される筒状の第1取付け部材、および他方に連結される第2取付け部材と、これらの両取付け部材を連結する弾性体と、を備える防振装置が知られている。前記弾性体は、軸線方向に間隔をあけて配置された環状の第1弾性体および第2弾性体を備えている。これらの両弾性体の間には、液室が形成されるとともに、該液室を、制限通路を通して互いに連通する複数の受圧液室に分割する弾性隔壁が、周方向に間隔をあけて複数配置されている。前記弾性隔壁は、第1弾性体に連結されるとともに第2弾性体に当接している。前記第2取付け部材は、第1弾性体の内周縁部が連結された第1分割体と、第2弾性体の内周縁部が連結された第2分割体と、に軸線方向に分割されている。
特開2007−278399号公報
しかしながら、前記防振装置では、第1弾性体に弾性隔壁が連結されることで第1弾性体が補強され、第1弾性体が、第2弾性体よりも軸線方向に変形し難くなっていることから、軸線方向に荷重が入力されて両取付け部材が軸線方向に相対的に変位したときに、第1弾性体の内周縁部の変位量が、第2弾性体の内周縁部の変位量よりも小さくなり易かった。そのため、弾性隔壁における径方向の内側の端部と、第2弾性体の内周縁部と、が軸線方向に離間して両者の間に隙間があき、この隙間を通して周方向に隣り合う受圧液室が互いに連通するおそれがあった。この場合、液体が制限通路を流通し難くなり、減衰特性を発揮させることが困難になる。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、減衰特性を確実に発揮させることができる防振装置を提供することである。
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係る防振装置は、振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される筒状の第1取付け部材、および他方に連結される第2取付け部材と、これらの両取付け部材を連結する弾性体と、を備え、前記弾性体は、軸線方向に間隔をあけて配置された環状の第1弾性体および第2弾性体を備え、これらの両弾性体の間には、液体が封入された液室が形成されるとともに、該液室を、制限通路を通して互いに連通する複数の受圧液室に分割する弾性隔壁が、周方向に間隔をあけて複数配置され、前記弾性隔壁は、前記第1弾性体に連結されるとともに前記第2弾性体に当接し、前記第2取付け部材は、前記第1弾性体の内周縁部が連結された第1分割体と、前記第2弾性体の内周縁部が連結された第2分割体と、に軸線方向に分割された防振装置であって、前記両弾性体の内周縁部同士は、軸線方向に隣り合い、前記第1分割体には、前記第1弾性体の内周縁部が径方向の外側から連結されるとともに前記弾性隔壁の径方向の内側の端部と軸線方向に重なるように配置され、前記弾性隔壁の径方向の内側の端部を、前記第2弾性体の内周縁部との間に挟み込む規制部が設けられ、前記第2分割体には、前記第1分割体と軸線方向に離間し、前記第1分割体との間に周方向に延在する環状凹部が設けられた本体部が備えられ、前記第1弾性体の内周縁部は、前記環状凹部内に進入していることを特徴とする。
この発明によれば、第1分割体に前記規制部が設けられているので、軸線方向に荷重が入力されて両取付け部材が軸線方向に相対的に変位したときに、弾性隔壁の径方向の内側の端部を、第1分割体の規制部と第2弾性体の内周縁部との間に挟み込んだ状態で軸線方向に変位させることができる。これにより、弾性隔壁における径方向の内側の端部と、第2弾性体の内周縁部と、が軸線方向に離間して両者の間に隙間があくのを抑制することが可能になり、減衰特性を確実に発揮させることができる。
また、両弾性体の内周縁部同士が、軸線方向に互いに隣り合っているので、弾性隔壁の径方向の端部の軸線方向に沿った大きさを小さくし、この端部における軸線方向の剛性を低く抑えることができる。これにより、軸線方向に荷重が入力されて両取付け部材が軸線方向に相対的に変位したときに、前記隙間があくのを確実に抑制することができる。
また、前記規制部は軸線方向に延在し、該規制部のうち、軸線方向に沿った弾性隔壁側の端部に、前記第1弾性体の内周縁部が連結され、前記規制部における前記弾性隔壁側の端部には、面取り部が形成されていてもよい。
この場合、規制部における前記弾性隔壁側の端部に面取り部が形成されているので、面取り部が形成されていない場合に比べて、第1弾性体の径方向の長さを確保し易くすることが可能になり、第1弾性体の劣化を抑えて第1弾性体の性能を長期にわたって発揮させることができる。
また、前記規制部は、前記第1分割体において前記弾性隔壁と周方向に対応する部分が径方向の外側に向けて突出することで構成されていてもよい。
この場合、規制部が、第1分割体において弾性隔壁と周方向に対応する部分が径方向の外側に向けて突出することで構成されているので、第1分割体において弾性隔壁と周方向に対応する部分を回避した部分において、第1弾性体の径方向の長さを確保し易くすることが可能になり、第1弾性体の劣化を抑えて第1弾性体の性能を長期にわたって発揮させることができる。
本発明に係る防振装置によれば、減衰特性を確実に発揮させることができる。
本発明の一実施形態に係る防振装置の縦断面図である。 図1に示す防振装置の他の縦断面図である。 図1に示す防振装置の要部の平面図である。
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係る防振装置を説明する。
図1に示すように、防振装置10は、振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される筒状の第1取付け部材11、および他方に連結される第2取付け部材12と、これらの両取付け部材11、12を弾性的に連結する弾性体13、14と、液体が封入された第1取付け部材11内の封入液室15を軸線O方向に区画し、弾性体13、14を壁面の一部とする主液室16と、副液室17と、を画成する仕切り部材18と、を備えている。この防振装置10は、前記液体として、例えばエチレングリコール、水、シリコーンオイル等が封入されたいわゆる液体封入型である。
ここで第1取付け部材11、第2取付け部材12、弾性体13、14および仕切り部材18はそれぞれ、中心軸線を共通軸にして同軸上に配置されている。以下では、この共通軸を軸線Oといい、軸線O方向に沿って仕切り部材18に対する主液室16側を一方側といい、副液室17側を他方側といい、軸線Oに直交する方向を径方向といい、軸線O回りに周回する方向を周方向という。なお、当該防振装置10が振動発生部および振動受部に各別に連結された設置状態で、静荷重(初期荷重)が入力されるバウンド側は、前記他方側となっており、前記静荷重の入力方向の反対側であるリバウンド側は、前記一方側となっている。
第1取付け部材11における軸線O方向の中央部には、径方向の内側に向けて窪む絞り部11aが、周方向の全周にわたって延設されている。また第1取付け部材11の内周面は、被覆膜11bにより被覆されている。被覆膜11bは、第1取付け部材11における前記他方側の端部を回避して配設されている。なお第1取付け部材11は、軸線O方向から見た平面視において円形状であってもよく、多角形状であってもよい。
第2取付け部材12は、内部がねじ孔とされた有底筒状に形成されるとともに、第1取付け部材11に対して前記一方側にずらされて配置されている。第2取付け部材12の外径は、第1取付け部材11の外径よりも小さく、第2取付け部材12は、第1取付け部材11の径方向の内側に位置している。第2取付け部材12は、第1取付け部材11の前記一方側の端部内から前記一方側に向けて突出している。
弾性体13、14は、軸線O方向に間隔をあけて配置された環状の一方側弾性体(第1弾性体)13および他方側弾性体(第2弾性体)14を備えている。これらの両弾性体13、14は、例えばゴム材料や合成樹脂材料などからなる弾性体材料により形成されている。両弾性体13、14は、前記軸線Oと同軸に配置されており、両弾性体13、14の間には、液体が封入された液室19(環状液室)が形成されている。
一方側弾性体13の外周縁部は、第1取付け部材11における前記一方側の端部に前記被覆膜11bを介して連結されている。一方側弾性体13は、径方向の外側から内側に向かうに従い漸次、軸線O方向に沿った大きさが大きくなっている。一方側弾性体13は、径方向の外側から内側に向かうに従い漸次、前記一方側に向けて張り出すことで、軸線O方向に沿った大きさが大きくなっている。一方側弾性体13は、第1取付け部材11における前記一方側の端部を閉塞している。
他方側弾性体14の外周縁部は、第1取付け部材11において前記絞り部11aよりも前記他方側に位置する部分内に、前記被覆膜11bを介して嵌合されたリング部材20の内周面に連結されている。他方側弾性体14は、径方向の外側から内側に向かうに従い漸次、前記一方側に向けて延在している。他方側弾性体14において、前記一方側を向き液室19を画成する画成面14aは、前記他方側に向けて凹となる凹曲面状に形成されている。
ここで、第1取付け部材11における前記他方側の端部は、ダイヤフラム21により閉塞されている。ダイヤフラム21は、第1取付け部材11における前記他方側の端部内に嵌合されたダイヤフラムリング21aと、ダイヤフラムリング21a内を閉塞する膜状のダイヤフラムゴム21bと、を備えている。ダイヤフラムゴム21bは、外縁部がダイヤフラムリング21aの内周面に加硫接着された逆椀状に形成されている。
そして、第1取付け部材11内においてダイヤフラム21と他方側弾性体14との間が前記封入液室15とされている。
仕切り部材18は、ダイヤフラムリング21aとリング部材20との間に軸線O方向に挟み込まれるとともに、第1取付け部材11内に前記被覆膜11bを介して嵌合されている。なお図示の例では、仕切り部材18には、軸線O方向に開口する連通孔を通して主液室16および副液室17に各別に連通する収容室18aが設けられている。収容室18aには、主液室16と副液室17との圧力差に応じて軸線O方向に変位可能な可動板18bが収容されている。
そして前記封入液室15のうち、仕切り部材18と他方側弾性体14との間が前記主液室16とされ、仕切り部材18とダイヤフラム21との間が前記副液室17とされている。主液室16は、他方側弾性体14の変形により内容積が変化する。副液室17は、ダイヤフラム21のダイヤフラムゴム21bの変形により内容積が変化する。
これらの主液室16と副液室17とは、オリフィス通路22を通して連通されている。オリフィス通路22は、仕切り部材18に設けられている。オリフィス通路22の流路長および流路断面積は、そのオリフィス通路22の共振周波数が予め決められた周波数となるように設定(チューニング)されている。この予め決められた周波数としては、例えばアイドル振動(例えば、周波数が18Hz〜30Hz、振幅が±0.5mm以下)の周波数や、アイドル振動よりも周波数が低いシェイク振動(例えば、周波数が14Hz以下、振幅が±0.5mmより大きい)の周波数などが挙げられる。なおオリフィス通路22は、1つであっても2つ以上であってもよい。2つ以上である場合には、共振周波数が互いに異なっていてもよい。
ここで図2および図3に示すように、両弾性体13、14の間には、前記液室19を、制限通路23を通して互いに連通する複数の受圧液室24に分割する弾性隔壁25が、周方向に間隔をあけて複数配置されている。弾性隔壁25は、前記軸線Oを径方向に挟んで2つ設けられるとともに互いに同形同大とされており、これらの弾性隔壁25は、前記液室19を、互いに同形同大の2つの受圧液室24に分割する。両受圧液室24は、前記軸線Oを間に挟んで並んで配置されている。
制限通路23は、リング部材20と、仕切り部材18と、第1取付け部材11と、の間に設けられている。制限通路23は、両受圧液室24を直結しており、主液室16、副液室17およびオリフィス通路22とは非連通となっている。制限通路23の流路長および流路断面積は、その制限通路23の共振周波数が予め決められた周波数となるように設定(チューニング)されている。この予め決められた周波数としては、例えばアイドル振動の周波数や、アイドル振動よりも周波数が低いシェイク振動の周波数などが挙げられる。なお制限通路23は、1つであっても2つ以上であってもよい。2つ以上である場合には、共振周波数が互いに異なっていてもよい。また、制限通路23が、両受圧液室24と副液室17とを各別に連通するように一対設けられ、両受圧液室24が、制限通路23および副液室17を通して互いに連通されていてもよい。
ここで前記弾性隔壁25は、両弾性体13、14のうち、一方側弾性体13に連結されるとともに他方側弾性体14に当接している。弾性隔壁25は、一方側弾性体13から他方側弾性体14に向けて突出し、径方向の内側から外側に向かうに従い漸次、軸線O方向に沿った大きさが大きくなっている。弾性隔壁25において前記他方側を向く当接面25aは、前記他方側に向けて凸となる凸曲面状に形成されており、他方側弾性体14における前記画成面14aに当接している。弾性隔壁25の径方向に沿った大きさは、一方側弾性体13の内周縁部から外周縁部までの径方向に沿った大きさよりも小さく、他方側弾性体14の内周縁部から外周縁部までの径方向に沿った大きさよりも小さい。弾性隔壁25における径方向の外側の端部は、前記被覆膜11bに連結されている。なお一方側弾性体13、弾性隔壁25および被覆膜11bは、一体に形成されている。
ここで図1に示すように、前記第2取付け部材12は、一方側弾性体13の内周縁部が連結された一方側分割体(第1分割体)26と、他方側弾性体14の内周縁部が連結された他方側分割体(第2分割体)27と、に軸線O方向に分割される。
他方側分割体27は、有底筒状の本体部27aと、本体部27aから前記一方側に向けて突出する装着部27bと、を備えている。本体部27aの前記一方側の端部には、前記一方側に向けて開口する周溝27cが形成されている。本体部27aにおいて軸線O方向の中央部よりも前記他方側に位置する部分の外径は、前記他方側に向かうに従い漸次、縮径している。
一方側分割体26は軸線O方向の両側に向けて開口する筒状に形成され、一方側分割体26における前記他方側の端部内には、他方側分割体27の装着部27bが装着されている。一方側分割体26と、他方側分割体27の本体部27aと、は軸線O方向に離間しており、両者の間には、周方向に延在する環状凹部28が設けられている。
図2および図3に示すように、一方側分割体26には、当該一方側分割体26において、弾性隔壁25と周方向に対応する部分が径方向の外側に向けて突出することで構成される規制部26aが設けられている。図2に示すように、規制部26aは、軸線O方向に延在しており、図示の例では、一方側分割体26の軸線O方向の全長にわたって延在している。規制部26aにおける前記他方側(軸線方向に沿った弾性隔壁側)の端部には、面取り部26bが形成されている。面取り部26bは、前記他方側に向かうに従い漸次、径方向の内側に向けて延在している。面取り部26bは、軸線O方向に向けて凸となる凸曲面状に形成されている。
ここで両弾性体13、14の内周縁部同士は、軸線O方向に隣り合っている。他方側弾性体14の内周縁部は、他方側分割体27の本体部27aの外周面に連結され、前記周溝27c内に進入している。一方側弾性体13の内周縁部は、一方側分割体26において軸線O方向の中央部よりも前記一方側に位置する部分の外周面に連結されており、規制部26aの少なくとも一部、図示の例では、軸線O方向に沿った前記他方側の端部に径方向の外側から連結されている。さらに一方側弾性体13の内周縁部は、前記環状凹部28内に進入している。そして、一方側弾性体13のうち、環状凹部28内に進入する部分は、他方側弾性体14のうち、周溝27c内に進入する部分に前記一方側から当接または近接している。
そして本実施形態では、図2に示すように、規制部26aは、弾性隔壁25の径方向の内側の端部と軸線O方向に重なるように配置され、弾性隔壁25の径方向の内側の端部を他方側弾性体14の内周縁部との間に挟み込んでいる。規制部26aは、弾性隔壁25の径方向の内側の端部を、一方側分割体26の内周縁部とともに、他方側弾性体14の内周縁部との間に軸線O方向に挟み込んでいる。
以上のように構成された防振装置10は、主液室16が鉛直方向上側に位置しかつ副液室17が鉛直方向下側に位置するように取り付けられる圧縮式(正立式)となっている。
当該防振装置10が例えば自動車に取り付けられた場合、第1取付け部材11は、振動発生部としてのエンジンに連結される一方、第2取付け部材12は、図示しないブラケット等を介して振動受部としての車体に連結される。なお自動車では、エンジンから車体に、車体の前後方向または左右方向に沿った振動が入力され易く、当該防振装置10は、径方向のうち、受圧液室24が前記軸線Oを挟んで並ぶ並列方向が、例えば前記前後方向または前記左右方向などに一致するように取り付けられる。
前記防振装置10では、軸線O方向の荷重が入力され、第1取付け部材11と第2取付け部材12とが軸線O方向に相対的に変位すると、両取付け部材11、12を連結する他方側弾性体14が弾性変形する。すると主液室16の容積が変化し、主液室16と副液室17との間でオリフィス通路22を通して液体が往来してオリフィス通路22内で液柱共振が生じ、オリフィス通路22の共振周波数の周波数と同等の周波数の振動が吸収および減衰される。
また、前記並列方向の荷重が入力され、第1取付け部材11と第2取付け部材12とが並列方向に相対的に変位すると、両弾性体13、14および弾性隔壁25が弾性変形する。すると、両受圧液室24の容積が変化し、両受圧液室24の間で制限通路23を通して液体が往来して制限通路23内で液柱共振が生じ、制限通路23の共振周波数の周波数と同等の周波数の振動が吸収および減衰される。
以上説明したように、本実施形態に係る防振装置10によれば、一方側分割体26に前記規制部26aが設けられているので、軸線O方向に荷重が入力されて両取付け部材11、12が軸線O方向に相対的に変位したときに、弾性隔壁25の径方向の内側の端部を、一方側分割体26の規制部26aと他方側弾性体14の内周縁部との間に挟み込んだ状態で軸線O方向に変位させることができる。これにより、弾性隔壁25における径方向の内側の端部と、他方側弾性体14の内周縁部と、が軸線O方向に離間して両者の間に隙間があくのを抑制することが可能になり、減衰特性を確実に発揮させることができる。
また、両弾性体13、14の内周縁部同士が、軸線O方向に互いに隣り合っているので、弾性隔壁25の径方向の端部の軸線O方向に沿った大きさを小さくし、この端部における軸線O方向の剛性を低く抑えることができる。これにより、軸線O方向に荷重が入力されて両取付け部材11、12が軸線O方向に相対的に変位したときに、前記隙間があくのを確実に抑制することができる。
また、規制部26aにおける前記弾性隔壁25側の端部に面取り部26bが形成されているので、面取り部26bが形成されていない場合に比べて、一方側弾性体13の径方向の長さを確保し易くすることが可能になり、一方側弾性体13の劣化を抑えて一方側弾性体13の性能を長期にわたって発揮させることができる。
さらに規制部26aが、一方側分割体26において弾性隔壁25と周方向に対応する部分が径方向の外側に向けて突出することで構成されているので、一方側分割体26において弾性隔壁25と周方向に対応する部分を回避した部分において、一方側弾性体13の径方向の長さを確保し易くすることが可能になり、一方側弾性体13の劣化を抑えて一方側弾性体13の性能を長期にわたって発揮させることができる。
また本実施形態では、前記他方側に、当該防振装置10の設置状態で初期荷重が入力されるのに対し、両弾性体13、14のうち、前記一方側に位置する一方側弾性体13に弾性隔壁25が連結されており、前記設置状態で、弾性隔壁25における径方向の内側の端部と、他方側弾性体14の内周縁部と、が軸線O方向に離間して両者の間に隙間があき易くなっていることから、この隙間があくのを抑制するという前述の作用効果が顕著に奏功されることとなる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、面取り部26bはなくてもよい。
また前記実施形態では、規制部26aは、一方側分割体26の軸線O方向の全長にわたって延在しているものとしたが、全長にわたって延在していなくてもよい。
また前記実施形態では、規制部26aは、一方側分割体26において弾性隔壁25と周方向に対応する部分が径方向の外側に向けて突出することで構成されているものとしたが、これに限られず、例えば一方側分割体を他方側分割体の本体部より大径に形成し、一方側分割体の外周部により、周方向の全周にわたって延在する規制部を構成してもよい。
また前記実施形態では、弾性隔壁25が、一方側弾性体13に連結されるとともに他方側弾性体14に当接しているものとしたが、これに限られない。例えば、弾性隔壁が、他方側弾性体に連結されるとともに一方側弾性体に当接していてもよい。この場合、前記規制部を、他方側弾性体に設けることで、前述の作用効果を奏功させることができる。
また前記実施形態では、液室19は、2つの受圧液室24に区画されているものとしたが、複数の分割液室に区画されていれば、これに限られるものではない。例えば、弾性隔壁を、周方向に間隔をあけて3つ以上設け、液室を、3つ以上の受圧液室に区画してもよい。これにより、径方向のうちの複数の方向に沿った振動に対する減衰特性を効果的に発揮することができる。
また、前記実施形態では、オリフィス通路22および制限通路23は、液体が流通することで液柱共振を生じさせるものとしたが、これに限られるものではなく、例えば液体が流通することで、粘性減衰により振動を吸収および減衰してもよい。
また前記実施形態では、防振装置10として圧縮式を示したが、主液室が鉛直方向下側に位置しかつ副液室が鉛直方向上側に位置するように取り付けられる吊り下げ式であっても良い。
また、本発明に係る防振装置10は、車両のエンジンマウントに限定されるものではなく、エンジンマウント以外に適用することも可能である。例えば、建設機械に搭載された発電機のマウントにも適用することも可能であり、或いは、工場等に設置される機械のマウントにも適用することも可能である。
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
10 防振装置
11 第1取付け部材
12 第2取付け部材
13 一方側弾性体(第1弾性体)
14 他方側弾性体(第2弾性体)
19 液室
23 制限通路
24 受圧液室
25 弾性隔壁
26 一方側分割体(第1分割体)
26a 規制部
26b 面取り部
27 他方側分割体(第2分割体)

Claims (3)

  1. 振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される筒状の第1取付け部材、および他方に連結される第2取付け部材と、
    これらの両取付け部材を連結する弾性体と、を備え、
    前記弾性体は、軸線方向に間隔をあけて配置された環状の第1弾性体および第2弾性体を備え、
    これらの両弾性体の間には、液体が封入された液室が形成されるとともに、該液室を、制限通路を通して互いに連通する複数の受圧液室に分割する弾性隔壁が、周方向に間隔をあけて複数配置され、
    前記弾性隔壁は、前記第1弾性体に連結されるとともに前記第2弾性体に当接し、
    前記第2取付け部材は、前記第1弾性体の内周縁部が連結された第1分割体と、前記第2弾性体の内周縁部が連結された第2分割体と、に軸線方向に分割された防振装置であって、
    前記両弾性体の内周縁部同士は、軸線方向に隣り合い、
    前記第1分割体には、前記第1弾性体の内周縁部が径方向の外側から連結されるとともに前記弾性隔壁の径方向の内側の端部と軸線方向に重なるように配置され、前記弾性隔壁の径方向の内側の端部を、前記第2弾性体の内周縁部との間に挟み込む規制部が設けられ
    前記第2分割体には、前記第1分割体と軸線方向に離間し、前記第1分割体との間に周方向に延在する環状凹部が設けられた本体部が備えられ、
    前記第1弾性体の内周縁部は、前記環状凹部内に進入していることを特徴とする防振装置。
  2. 請求項1記載の防振装置であって、
    前記規制部は軸線方向に延在し、該規制部のうち、軸線方向に沿った弾性隔壁側の端部に、前記第1弾性体の内周縁部が連結され、
    前記規制部における前記弾性隔壁側の端部には、面取り部が形成されていることを特徴とする防振装置。
  3. 請求項1または2に記載の防振装置であって、
    前記規制部は、前記第1分割体において前記弾性隔壁と周方向に対応する部分が径方向の外側に向けて突出することで構成されていることを特徴とする防振装置。
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