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JP7115307B2 - 作業車両 - Google Patents

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JP7115307B2
JP7115307B2 JP2018248351A JP2018248351A JP7115307B2 JP 7115307 B2 JP7115307 B2 JP 7115307B2 JP 2018248351 A JP2018248351 A JP 2018248351A JP 2018248351 A JP2018248351 A JP 2018248351A JP 7115307 B2 JP7115307 B2 JP 7115307B2
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Description

この発明は、トラクタ等の作業車両に関するものである。
トラクタ等の作業車両においては、エンジンルームを開閉可能に覆うボンネットを開ける際にロック(固定)された状態を解除する技術として、例えば特許文献1に記載の技術が知られている。
特許文献1(特開平05-139339号公報)には、ボンネットの近傍位置から外部に突出して設けられたレバー(36)を所要の方向に動かして操作することにより、ボンネットの固定された状態が解除されてボンネットを開けることができる技術が記載されている。
特開平05-139339号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、ボンネットを開ける操作がレバーを動かす操作で済むので容易であるという反面、外部に突出した状態にあるレバーに誤って触れることでボンネットが不必要なときに開いてしまうというおそれがある。
また、トラクタ等の作業車両が販売される国や地域の法規制又は使用者の要望によっては、ボンネットが不用意に開けられないようにボンネットを開ける操作の安全性の向上を強く求める場合がある。その一方で、ボンネットを開ける操作の安全性よりもその操作の容易性を優先して求める場合もある。
このため、トラクタ等の作業車両においても、ボンネットを開ける操作の安全性を優先して確保する仕様(構造)とその安全性を備えつつ操作の容易性を優先して確保する仕様のいずれか一方に、必要に応じて簡単に変更して対応することができることが望まれている。
この発明は、ボンネットを開ける操作の安全性を優先して確保する構造とその操作の容易性を優先して確保する構造とのいずれか一方に必要に応じて変更して対応することができることを技術的課題とする。
本発明の上記課題は、次の手段により解決される。
請求項1に記載の発明は、エンジンルーム(12)を覆う開閉式のボンネット(20)と、前記エンジンルーム(12)の上部に設けられ、前記ボンネット(20)を閉じた状態で固定するボンネット固定具(30)と、前記ボンネット(20)の内側に設けられ、前記ボンネット固定具(30)に固定される被固定部材(40)と、前記ボンネット固定具(30)の前記被固定部材(40)を固定した状態を解除する解除機構(50)と、前記エンジンルーム(12)の上部において外部に露出した状態で設けられ、前記解除機構(50)を作動させる動力を押し込む操作により入力する操作部(60)と、前記操作部(60)に前記解除機構(50)と接続するよう装着され、前記押し込む操作を指(100)で行うことが可能な第1操作状態と前記押し込む操作を補助具(80)により行う第2操作状態のいずれか一方を装着の変更により実現する押込み部材(70)と、を備え、
前記操作部(60)は、装着孔(61)を有し、
前記押込み部材(70)は、前記装着孔(61)に入らない拡大部(7)を有し、
前記第1操作状態では、前記押込み部材(70)の前記拡大部(7)を前記装着孔(61)よりも外側に配置して外部に露出させた状態にし、
前記第2操作状態では、前記押込み部材(70)の前記拡大部(7)を前記装着孔(61)よりも内側に配置して内部に収容した状態にすることを特徴とする作業車両である。
請求項2に記載の発明は、前記押込み部材(70)は、前記操作部(60)に装着する向き(E1,E2)を変えることにより前記第1操作状態と前記第2操作状態を変更する部材である請求項1に記載の作業車両である。
請求項3に記載の発明は、前記押込み部材(70)は、前記解除機構(50)の接続部分(52a)が挿し込まれて接続される接続孔(73A,73B)を両端部から内側にむけて所要の長さ(L1,L2)で設けた棒状の本体部(71)と、前記本体部(71)の一端部に拡大して設けた拡大部(75)とを有する形状の部材である請求項2に記載の作業車両である。
請求項4に記載の発明は、前記操作部(60)は、前記押込み部材(70)の本体部(71)が嵌め入れられて装着される装着孔(61)と、前記装着孔(61)の周囲に前記押込み部材(70)の拡大部(75)を外部に突出した状態で取り囲むよう設けた囲み壁部(62)とを有する構造部分として構成されている請求項3に記載の作業車両である。
請求項5に記載の発明は、前記ボンネット固定具(30)は、支持部材(31)と、前記支持部材(31)の一部に支持軸(32)を支点にして回動するよう取り付けられ、前記被固定部材(40)を係止するかぎ部(34)が設けられた係止部材(33)とを有しており、前記解除機構(50)は、前記操作部(60)から押し込む操作により入力される動力を、前記ボンネット固定具(30)における前記係止部材(33)を前記かぎ部(34)が前記被固定部材(40)を係止する状態が解除される方向(B2)に回動させる動力に変換して伝達するリンク機構(51)で構成されている請求項1乃至4のいずれかに記載の作業車両である。
請求項1に記載の発明によれば、押込み部材(70)の装着の変更により第1操作状態と第2操作状態のいずれか一方を実現し得るので、ボンネット(20)を開ける操作の安全性を優先して確保する構造とその操作の容易性を優先して確保する構造とのいずれか一方に必要に応じて変更して対応することができる。
これにより、例えば作業車両にボンネット(20)を開ける操作の安全性を優先して確保する仕様が求められる場合には、第2操作状態を実現するよう対応することで、例えば指の誤操作によりボンネット(20)が不必要なときに開いてしまうことを防止することができる。一方、作業車両にボンネット(20)を開ける操作の容易性を優先して確保する仕様が求められる場合には、第1操作状態を実現するよう対応することで、指で押し込む操作によりボンネット(20)を容易に開けることができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、押込み部材(70)という1つの部品の装着する向きを変えるだけで第1操作状態と第2操作状態を簡単に変更することができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1および2に記載の発明の効果に加えて、簡易な構成の押込み部材(70)を適用することができ、製造コスト面でも有利である。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3に記載の発明の効果に加えて、操作部(60)において押込み部材(70)の拡大部(75)が囲み壁部(62)により取り囲まれた状態になるので、誤って押込み部材(70)の拡大部(75)に触れて押込み部材(70)を押し込むという誤操作の発生を防止することができ、これにより第1操作状態においても操作の容易性に加えて操作の安全性も確保することができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至4に記載の発明の効果に加えて、ボンネット(20)の固定およびその固定解除に関する構成部分を簡素な構成で実現することができる。
本発明の一実施形態に係るトラクタの左側面を示す側面図である。 図1のトラクタにおけるボンネットおよび操作パネル部を示し、(A)はその正面の斜め左上から見下ろしたときの斜視図、(B)はその後方の斜め左上から見下ろしたときの斜視図、(C)はその後方の斜め左側から見たときの斜視図である。 図2のボンネットを示し、(A)はその後方の斜め左側から見たときの斜視図、(B)はその下方から見たときの図である。 図2のボンネットにおける開閉支点の構成を示す概略図である。 図2のボンネットの後方部における構成を示す斜視図である。 図2の操作パネル部の背面におけるボンネット固定具、解除機構および操作部を示し、(A)はその背面の右上から見下ろしたときの斜視図、(B)はその背面の左上から見下ろしたときの斜視図である。 図6のボンネット固定具および解除機構と押込み部材を示す要部斜視図である。 図7のボンネット固定具および解除機構を示す分解斜視図である。 ボンネットを閉じた際の固定状態を示す断面斜視図である。 図9の固定状態における一部を拡大して示す概略斜視図である。 操作部の構成を示し、(A)はその正面から見たときの説明図、(B)は(A)のQ-Q線に沿う断面図である。 押込み部材の構成を示し、(A)はその本体部側から見たときの斜視図、(B)は(A)のQ-Q線に沿う断面図、(C)は(B)の押込み部材をその左右の向きを変えて示す断面図である。 押込み部材の装着の向きにより実現する第1操作状態を示し、(A)はその押し込む操作をする前の状態の概略断面図、(B)はその押し込む動作をしたときの状態の概略断面図である。 押込み部材の装着の向きにより実現する第2操作状態及び補助具を示し、(A)はその押し込む操作をする前の状態の概略断面図、(B)はその押し込む動作をしたときの状態の概略断面図である。 操作部と押込み部材の状態を示し、(A)は第1操作状態のときを正面から見たときの説明図、(B)は第2操作状態のときを正面から見たときの説明図である。 操作部の変形例を示し、(A)は第1操作状態において押し込む操作をする前の状態の概略断面図、(B)は第2操作状態において押し込む操作をする前の状態の概略断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態であるトラクタ1の左側面図を示す。
以下の説明では、特に断りがない限り、前後とはトラクタの前側および後側になる方向をいい、具体的にはトラクタが直進して前進する際の方向を前(前方)とし、その直進して後進する際の方向を後(後方)とする。また同様に、左右はトラクタの前方に向いたときの左側および右側になる方向とし、上下はトラクタの上側および下側になる方向とする。
トラクタ1は、車体フレーム2に、エンジン3、変速機構部(トランスミッション等)4、左右一対の前輪5および後輪6、操縦席7等が搭載または装備されている。これにより、トラクタ1は、エンジン3で発生させる回転動力を変速機構部4において適宜減速してから後輪6のみまたは前輪5と後輪6の双方に伝えることにより、所要の速度で前進および後進することが可能な車両として構成されている。
また、トラクタ1は、車体フレーム2の前輪5と後輪6の間になる下部に、例えば草刈装置等を構成するモアデッキ8が着脱可能に取り付けられている。モアデッキ8の駆動部には、エンジン3で得られる回転動力の一部を変速機構部4から取り出して出力する図示しない出力駆動軸を介して回転動力が伝動される。
さらに、トラクタ1は、操縦席7の前方や左右の周囲に、トラクタの操縦に必要なステアリングハンドル9、操作パネル部10、レバー、ペダル等の機材が配置されている。操作パネル部10は、各種の計器類、スイッチ、表示部等の部品が配置されている部分である。操縦席7の後方には、トラクタ1が転倒した際における操縦者の安全を確保する安全バー11が設けられている。
<ボンネット>
そして、トラクタ1は、エンジン3やその関連部品の上方や左右前方の部分を開閉式のボンネット20によって覆い隠している。
このトラクタ1においては、閉じたときのボンネット20で覆われてボンネット20の内側に存在するエンジン3等を含む空間がエンジンルーム12として形成されている。また、このトラクタ1においては、図1に破線で例示するようにボンネット20を開けた状態にすることにより、エンジン3等が外部に露出した状態になるので、そのエンジン3等の点検修理、清掃等を行うようになっている。
ボンネット20は、図1や図2に示されるように、ヘッドライト13を含む前面部20aと、その前面部20aの上端から操作パネル部10(の操作パネルカバー11)に至るまでの上面部20bと、その前面部20aの左右側端から後方に同じ幅で延びた後に途中から操作パネル部10にむけて下部が切り欠かれて幅が狭められた形状の左右の側面部20c,20dを有する構造の覆い部材である。
図2における符号10aはパネル本体、符号14は操作パネル部10の外側を覆う操作パネルカバー、符号14aはステアリングハンドル9等を通過させて取り付ける通し孔を示す。
また、ボンネット20は、図2や図3に示されるように、複数の支持フレーム21とその支持フレーム21の外側に配置して取り付けられる被覆材22とで構成されている。
支持フレーム21は、例えば次の5つのフレーム21a~21eを組み合わせたものである。すなわち、前面部20aの内側下端から左右の側面部20c,20dの内側下端の途中まで延びるように配置される第1フレーム21aと、上面部20bの内側前方において左右両側に延びるように配置される第2フレーム21bと、上面部20bの内側後方において左右両側に延びるように配置される第3フレーム21cと、第1フレーム21aと第2フレーム21bを接続するように左右両側から上方にそれぞれ立ち上がるように配置される第4フレーム21dと、第2フレーム21bと第3フレーム21cを接続するように前後方向に延びるように配置される第5フレーム21eである。
被覆材22は、予め所望の形状に成形された合成樹脂、金属等からなる部材であり、支持フレーム21の各フレーム21a~21eに固定されるよう取り付けられている。
さらに、ボンネット20は、閉じたときに、その上面部20bと左右の側面部20c,20dのうちの操作パネル部10と接続する端部20eが、操作パネル部10の操作パネルカバー14のボンネット20と接続する端部14bと重なり合って接続し合う形状に形成されている。
前面部20aの上部には、図2(A)に示されるように左右に分かれて延びる対称形状のヘッドライト13の出光面が配置されている。また、その前面部20aの上部の内側には、図3(B)に示されるようにヘッドライト13の光源、反射板等を含むライトユニットが配置されている。ライトユニットは、図3(B)や図4に示されるようにライトブラケット15を介して第4フレーム21dに固定されるよう取り付けられている。
そして、ボンネット20は、図1に示されるように、その前方の下部に配置する開閉支点25を中心に矢印A1,A2で示す方向に回転することにより開閉するように取り付けられている。これにより、ボンネット20は、図1に破線で例示したように、開けたときに、その後方部が上方に持ち上げられた状態になる。
このトラクタ1においては、図4に示されるように、前輪4の車軸等を格納したフロントアクスルにおけるアクスルブラケット16に固定支点部(支持軸)17を設け、この固定支点部17を開閉支点としてボンネット20が開閉動されるよう構成されている。
具体的には、ボンネット20は、図4に示されるように、第4フレーム21dの下部の前方部分に設けた軸受け26を固定支点部(支持軸)17に対して回転可能に取り付けている。これにより、ボンネット20は、第4フレーム21dの軸受け26が支持される固定支点部17を開閉支点25として矢印A1,A2で示す方向に回転して開閉動する。
このライトブラケット15は、ボンネット20の内面に沿って支持するように配置されることにより、ボンネット20を補強する補強材を兼ねている。
<ボンネットの被固定部材>
また、ボンネット20は、図3や図5に示されるように、その後方部の上部内側に、後述するボンネット固定具(30)に固定される被固定部材40が設けられている。
被固定部材40は、ボンネット20の後方部のほぼ中央位置において後方外部に突出するよう延びる棒状の部材で構成されている。
この実施形態における被固定部材40は、その外部に飛び出る端部が上方に少し傾斜するよう曲げられた形状になっている。また、この被固定部材40は、ボンネット20の後方部内側に配置される第3フレーム21cに一部が固定された状態で取り付けられている。また、第3フレーム21cには、被固定部材40よりも下方側に間隔をあけて存在する接触面45aを有した接触部材としての接触ブラケット45が設けられている。接触ブラケット45は、所要の形状に成形された板状の部材であり、第3フレーム21cに固定されている。
<ボンネット固定具>
一方、トラクタ1には、そのエンジンルーム12の後方における上部に、図6に示されるように、ボンネット20を閉じた状態で固定するためのボンネット固定具30が設けられている。
ボンネット固定具30は、操作パネル部10の背面内側(エンジンルーム12に面する側)に、閉じたときのボンネット20における被固定部材40と向き合って対向する位置に設けられている。また、ボンネット固定具30は、さらに詳しく説明すると、図6や図7に示されるように、操作パネル部10の操作パネル本体10aを固定する固定ブラケット18に取り付けられている。
このボンネット固定具30は、図7や図8に示されるように、支持部材31と、被固定部材40を係止するかぎ(鉤)部34が設けられて支持軸32を支点にして回動する係止部材33と、係止部材33がかぎ部34により被固定部材40を係止する方向(図7の矢印B1で示す方向)に回動するよう付勢する引張ばね35とを有している。
まず、支持部材31は、図7等に示されるように、操作パネル部10の固定ブラケット18にネジ等の固定手段により固定して取り付けられる。
この支持部材31は、固定ブラケット18の上部枠に固定されて前方に迫り出して下方に階段状に延びる基礎部31aと、基礎部31aの上部に係止部材33のかぎ部34に係止されるときの被固定部材40の一部を収容する収容空間Sと、その収容空間Sから基礎部31aの前方に迫り出して下方側に平面状に延びて係止部材33を取り付ける取付け面部31bとを有した形状からなる部材である。
このうち取付け面部31bのほぼ中央部には、図8に示されるように支持軸32が前方側に突出するように設けられている。また、取付け面部31bの上部には、ボンネット20を閉じる際に、被固定部材40が係止部材33のかぎ部34にむけて案内されるV字状の切り欠かれた形状からなる案内部31cが設けられている。さらに、基礎部31aの下端部には、ボンネット20の開く動作を補助するための後述する補助バネ(37)を設置する台座部31dが前方に迫り出す状態で設けられている。
また、基礎部31aの下端部には、台座部31dの片側に存在するよう上記引張ばね35の一端を引っ掛ける取付ピン312が設けられている。また、取付け面部31bと台座部31dにおける上記取付ピン312と接近する位置には、係止部材33の一方向の回動を(後述する第1アーム部33c)接触した際に停止させるよう規制する板状の停止規制部313が設けられている。また、台座部31dのほぼ中央には、補助バネ(37)を取り付ける取付孔36aが設けられている。
次に、係止部材33は、支持軸32に通して取り付けられる回転孔33aが設けられた回転基部33bと、回転孔33aの片側(図8における右側)の部分から上方側に延びて上端部で回転孔33a側に曲がって被固定部材40を係止する窪み形状のかぎ部34が形成された本体部33bと、回転孔33aの反対側(図8における左側)において回転孔33aから離れるように延びる第1アーム部33cと、回転孔33aの片側の部分から本体部33bと反対側になる下方側に延びる第2アーム部33dとを有した形状からなる板状の部材である。
このうち本体部33bの上端部には、ボンネット20を閉じる際に、被固定部材40が接触して係止部材33を係止が解除される方向(図7の矢印B2で示す方向)に一時的に回動させるよう誘導する傾斜誘導部33eが形成されている。傾斜誘導部33eは、被固定部材40を係止していないときは、図7等に示されるように支持部材31の案内部31cおけるV字空間に斜めに入り込むかのように重なり合った状態に保たれている。また、第1アーム部33cの先端部には、引張ばね35の一端(フックなど)を取り付ける取付ピン315が設けられている。また、第2アーム部33dには、後述する解除機構(50)の一部が連結される連結軸336が設けられている。
この係止部材33は、図7や図8に示されるように、そのかぎ部34を有する本体部33bが、支持部材31の取付け面部31bにある支持軸32に、回転孔33aを通してかつすべり軸受け331を介在させた状態で回転可能に支持されるとともに複数のワッシャー332を介在させた状態でボルト333により固定されるよう取り付けられている。
また、係止部材33は、支持軸32に回転可能に取り付けられた状態において、その第1アーム部33cにある取付ピン335に、一端が支持部材31における取付ピン312に取り付けられた上記引張ばね35の他端(フックなど)をかけている。これにより、係止部材33は、引張ばね35の引っ張るばね力によって被固定部材40を係止する方向(図7の矢印B1で示す方向)に回動する状態に保たれるよう付勢されている。なお、このときの係止部材33は、支持部材31にある停止規制部313に接触すると、その係止する方向(B1)への回動が停止させられるようになっている。
また、ボンネット固定具30の支持部材31における台座部36には、図6、図7等に示されるように、ボンネット20の開く動作を補助するための補助ばね37が設けらている。
補助ばね37は、例えばコイルスプリングを用いて構成されており、その下端部37aを台座部36に設けた取付孔36aに固定ネジ371にて固定することにより起立した状態で取り付けられている。この補助ばね37は、ボンネット20を閉じた際に被固定部材40と併設された接触ブラケット45と接触して所定の量だけ圧縮された状態になるものである。
この実施形態における補助ばね37は、ボンネット20を開けているときに、その自由端になる上端部37bが係止部材33のかぎ部34に届く程度の高さを有する自由長のものが適用されている。また、この補助ばね37は、そのばね(コイル部)の中心線がボンネット固定具30における支持軸32を通過するような位置関係になるよう配置されている。
また、補助ばね37の上端側には、ボンネット20を閉じた際に被固定部材40と併設された接触ブラケット45との接触による衝撃や損傷を受けることから保護するための接触保護材(ブッシュ)38が設けられている。
接触保護材38は、図8や図9に示されるように、例えば、補助ばね37の上端部37bのコイル空間部に嵌め入れることが可能な外径からなる円筒状の本体部38aと、その本体部38aの上端側に形成される大径のフランジ部38bとを有する形状からなる部材である。また、この接触保護材38としては、例えば、合成樹脂等の材料を用いて製作されたものが適用される。
このボンネット固定具30は、ボンネット20がその後方部を手で押されて矢印A2(図1)で示す方向に回転して閉じられる際に、図9や図10に示されるように、そのボンネット20側にある被固定部材40をボンネット固定具30側にある係止部材33のかぎ部34に係止することにより、ボンネット20を閉じた状態で固定するようになっている。
このときボンネット20は、開閉支点25を支点にして閉じられる方向に下降するよう矢印A2で示す方向に回転すると、ボンネット20の後方部にある被固定部材40が、操作パネル部10の背面側に配置されたボンネット固定具30に接近した状態になる。
続いて、ボンネット20が更に閉じられる方向である矢印A2で示す方向に回転して下降すると、その被固定部材40が、支持部材31におけるV字状の案内部31cの片側と係止部材33のかぎ部34における傾斜誘導部33eとに接触して移動する。
これにより、ボンネット固定具30では、係止部材33が引張ばね35の引っ張るばね力に抗して係止を解除する方向(図7の矢印B2で示す方向)に一時的に退避するよう回動して、被固定部材40を通過させてV字状の案内部31cの最下部に移動させる。次に、被固定部材40が案内部31cの下部に移動した後は、係止部材33が引張ばね35の引っ張るばね力により係止する方向(図7の矢印B1で示す方向)に戻るように回動する。
この結果、ボンネット固定具30は、被固定部材40を係止部材33のかぎ部34に収容して係止した状態になり、これによってボンネット20を閉じた状態で固定する。
このボンネット固定具30によりボンネット20が閉じた状態で固定されたときには、被固定部材40の先端部が、支持部材31における収容空間Sに収容されて存在する(図10)。また、このときのボンネット固定具30の支持部材31における台座部36にある補助ばね37は、ボンネット20側にある接触ブラケット45の接触面45aが接触保護材38を介して接触して押し込むことになるので、所定の量だけ圧縮された状態になる。これにより、補助ばね37は、接触ブラケット45をボンネット20が開けられる方向A1に付勢し続ける状態になる。
<解除機構と操作部>
また、ボンネット固定具30には、図6、図7等に示されるように、ボンネット20の被固定部材40を固定している状態を解除するための解除機構50が設けられている。
また、トラクト1には、図1、図2、図6、図10等に示されるように、この解除機構50を作動させる動力を押し込む操作により入力する操作部60が、エンジンルーム12の上部において外部に露出した状態で設けられている。
まず、解除機構50は、操作部60から押し込む操作により入力される動力を、ボンネット固定具30における係止部材33をかぎ部34が被固定部材40を係止する状態が解除される方向(B2)に回動させるための動力に変換して伝達するリンク機構51により構成されている。
解除機構50におけるリンク機構51は、図6~図8等に示されるように、操作部60の押し込む操作により入力される動力を伝達する伝達ロッド52と、伝達ロッド52の一端部と係止部材33における第2アーム部33dの結合軸336と連結する連結リンク53と、ロッド52を移動可能に支持する支持部材55とで構成されている。なお、リンク機構51は、ボンネット固定具30における係止部材33を回動リンクとして利用している。
このうち伝達ロッド52は、図8等に示されるように、例えば丸棒状の部材で構成されている。
この伝達ロッド52は、直線状の本体部52aと、本体部52aの一端において操作部60に装着される後述する押込み部材(70)と接続できるようクランク状に曲げられて続く一端部(接続軸部)52bと、本体部52aの他端において連結リンク53と回転可能に連結できるようにほぼ直角に折り曲げられて続く他端部(連結軸部)52cとを有する形状の部材になっている。他端部52cには、連結リンク53を取り付けた際の取付位置を規制する突起52dや図示しないピン差込み孔が設けられている。
次に、連結リンク53は、図8等に示されるように、例えば所要の長さからなる板状の部材で構成されている。この連結リンク53には、その一端部に伝達ロッド52の他端部52cが嵌め入れられる第1結合孔(第1連結孔)53aが設けられ、その他端部に係止部材33における第2アーム部33dの結合軸336が嵌め入れられる第2結合孔(第2連結孔)53bが設けられている。
次に、支持部材55は、図7等に示されるように、例えば断面がU字状の形状になるよう折り曲げ加工された部材が適用されており、伝達ロッド52の本体部52aを一定の方向に往復移動可能に挟んだ状態で支持(保持)するようになっている。支持部材55は、伝達ロッド52を操作部60の押し込む操作により入力される動力の方向(図7の矢印Cで示す方向)に沿って移動し得るように支持している。また、支持部材55は、例えば操作パネル部10の固定ブラケット18に固定されるように配置される。
解除機構50におけるリンク機構51は、図7等に示されるように、連結リンク53を介して伝達ロッド52と係止部材33における第2アーム部33dの結合軸336とを結合させるように組み立ることにより使用される。
具体的には、連結リンク53は、その第1結合孔53aを、伝達ロッド52の他端部52cに嵌め入れてワッシャー532を介在させて割ピン533を他端部52cにあるピン差込み孔に差し込んで回転可能に結合する。また、連結リンク53は、その第2結合孔53bを、係止部材33における結合軸336に嵌め入れてワッシャー534を介在させて割ピン535を結合軸336にある図示しないピン差込み孔に差し込んで回転可能に結合する。さらに、伝達ロッド52は、その本体部52aを支持部材55に支持させるように取り付けられる。
解除機構50は、そのリンク機構51における伝達ロッド52が操作部60の押し込む操作により入力される動力の方向(図7の矢印Cで示す方向)に沿って移動したとき、その伝達ロッド52から伝達される動力をリンク機構51における連結リンク53が、ボンネット固定具30における係止部材33をかぎ部34が被固定部材40を係止する状態が解除される方向(図7の矢印B2で示す方向)に引張ばね35の引っ張るばね力に抗して回動させるべき動力に変換して伝えるように作動する。
リンク機構51は、このような動力の伝達により係止部材33を係止する状態が解除される方向(B2)に回動させるよう、伝達ロッド52を支持する支持部材55の高さ位置等の条件が適宜設定されている。
操作部60は、図2、図6等に示されるように、操作パネル部10における操作パネルカバー14の左側面部の上部に配置されている。
この操作部60は、図6、図10、図11等に示されるように、後述する押込み部材(70)が装着される装着孔61を有する円筒状の部材で構成されている。
装着孔61は、直径D2からなる断面円形の貫通孔として形成されている。この装着孔61の直径D2は、操縦者、作業者等の人の指100が入らない程度の寸法(例えば5mm以下の寸法)に設定されている。
また、操作部60は、図2、図6、図11(B)等に示されるように、その一部が操作パネルカバー14の外部に所要の高さHだけ突出した状態で設けられている。
さらに、操作部60は、後述する押込み部材(70)の拡大部(75)を内在させるよう収容する窪み(凹部)63が設けられている。窪み63は、開口の形状が装着孔61の直径D2よりも大きい寸法の直径D1からなる円形であって深さが所要の寸法Jである窪み空間として形成されている。また、窪み63は、その底面64が装着孔61にむけて窪み63の開口から次第に遠ざるように緩やかに傾斜する傾斜面として形成されている。
<押込み部材>
そして、このトラクタ1においては、図7、図8や図12~図14に示されるように、操作部60に解除機構50と接続するよう装着される部材であって、操作部60における押し込む操作を指100で行う第1操作状態(図13)とその押し込む操作を補助具80により行う第2操作状態(図14)のいずれか一方を装着の変更により実現する押込み部材70を備えている。
特にこの押込み部材70は、図13と図14に示されるように、操作部60に装着する向き(E1,E2)を変えることにより、上記第1操作状態と上記第2操作状態を変更することができる部材として構成されている。
この実施形態における押込み部材70としては、解除機構50の接続部分である伝達ロッド52の一端部52bが嵌め込まれて接続される2つの接続孔73A,73Bを設けた棒状の本体部71と、その本体部71の一端部に拡大して設けた拡大部75とを有する形状の部材が適用されている。
このうち本体部71は、図12等に示されるように、装着部60の装着孔61に貫通するように嵌め入れて装着することが可能な外径D3と所要の長さからなる丸棒状の外観を有しており、その両端部から内側にむけて所要の長さL1,L2からなる2つの接続孔73A,73B(第1接続孔73A,第2接続孔73B)が設けられた部分である。
第1接続孔73Aの長さL1は、第2接続孔73Bの長さL2よりも短い寸法に設定されている(L1<L2)。この接続孔73A,73Bの長さL1、L2については、押込み部材70を装着部60に装着する向き(E1,E2)が変更されたときのいずれの場合にも、共通する伝達ロッド52の一端部52bを嵌め入れて接続することができる寸法関係に設定される。ちなみに、伝達ロッド52の一端部52bは、図13(A)と図14(A)に示されるように、例えば操作部60の操作パネルカバー14の内側に存在する端部60bと一定の距離Wだけ離れた位置に存在するよう配置される。また、2つの接続孔73A,73Bは、伝達ロッド52の一端部52bを嵌めこむことが可能な直径D4からなる円柱状の孔である。
また、この本体部71は、第1接続孔73Aと第2接続孔73Bの間に隔壁部74が存在する構成になっている。さらに、この本体部71は、隔壁部74に通気孔77が設けられている。
次に、拡大部75は、図12等に示されるように、本体部71の外径D3よりも大きい寸法の外径D5からなる円板状の外観を有する部分である。この円板状の拡大部75は、その中心部に本体部71における第2接続孔73Bの開口部が存在する形状にもなっている。
この拡大部75は、操作部60における窪み63の内側に内在するよう収容されるため、その外径D5が窪み63の直径D1よりも小さい寸法に設定されている(D5<D1)。また、拡大部75は、所要の厚さKの円板として構成されている。この拡大部75は、本体部71と一体に製作されるか、あるいは、本体部71とは別体で製作して本体部71の後から取り付けて製作される。
また、操作部60は、この本体部71および拡大部75を有する形状からなる押込み部材70を使用することから、押込み部材70の本体部71が嵌め入れられて装着される装着孔61と、その装着孔61の周囲に押込み部材70の拡大部75を操作パネルカバー14の外部に突出した状態で取り囲むように設けた囲み壁部62とを有する構造部分として構成されている。
このうち装着孔61は、上記した通り断面円形の貫通孔であるが、その直径D2は押込み部材70の本体部71が装着孔61に装着されて移動させることが可能になるよう、その本体部71の外径D3よりも少し大きめの寸法に設定されている。
次に、囲み壁部62は、例えば上記窪み63を形成する際に残る部分(周囲の壁)のうち操作パネルカバー14の外部に突出して存在する部分により構成される。
また、囲み壁62は、図13(A)に示されるように、操作部60に装着する向きE1で装着されたときの押込み部材70の拡大部75が窪み63に内在しているとき、その拡大部75と窪み63の底面64と間に、操作部60での押込み操作に必要となる距離(押込み距離)Nだけ押し込んで移動させることができる隙間空間が存在するよう構成されている。
一方、操作部60の装着孔61についても、図14(A)に示されるように、その装着孔61に装着する向きE2で装着されたときの押込み部材70の本体部71が、操作部60での押込み操作に必要となる距離Nだけ押し込まれたときに支持されながら移動することができる孔部分が存在するように構成されている。
補助具80は、図14に示されるように、押込み部材70の本体部71における第1接続孔73Aに挿し込む棒状の挿込み部81と、その挿込み部81の一端部に設けられて人の指等で挟み持つための持つ把持部82とを有する形状からなる器具である。
棒状の挿込み部81は、その断面が第1接続孔73Aの直径D4よりも小さい寸法の外径D7の円形からなり、その長さが第1接続孔73Aの長さL1よりも長い寸法からなる丸棒の部材で構成される部分である。この挿込み部81の先端部は、丸みのある形状になっている。
把持部82は、人の指等で挟み持つことが可能な形状の部材で構成される部分である。
この補助具80は、例えば、トラクタ1の工具箱(図示ぜず)に保管されており、必要なときに取り出して使用される。
<第1操作状態>
次に、この押込み部材70の装着により操作部60の押し込む操作を指100で行う第1操作状態を実現する場合について説明する。
第1操作状態は、図13(A)に示されるように、押込み部材70の本体部71を、操作部60の窪み63のある側から装着孔61に嵌め入れて貫通させるよう装着した後、その本体部71の第2接続孔73Bに操作部60の背面側に存在する解除機構50のリンク機構51における伝達ロッド52の一端部52bを嵌め入れて接続することにより実現される。
このように押込み部材70を装着するときの向きを第1の装着向きE1とする。
この場合、押込み部材70は、第1の装着向きE1で操作部60に装着して解除機構50における伝達ロッド52の一端部52bと接続したとき、図13(A)に示されるように、その拡大部75が操作部60の窪み63に距離Nの隙間空間を確保して内在した状態になる。図15(A)は、このときの状態を操作部60の正面側から見た場合の状態として示している。つまり、このときの押込み部材70の拡大部75は、操作部60の窪み63内において外部に露出した状態におかれる。
このため、このときの操作部60は、ボンネット20を開ける際の押し込む操作を、図13に示されるように操作部60に露出して存在する押込み部材70の拡大部75を人の指100で押すことにより行うことが可能な状態になる。
したがって、押込み部材70を第1の装着向きE1で装着して第1操作状態を実現した場合は、トラクタ1のボンネット20を開けるときには、図13(B)や図15(A)に示さるように、操作部60の窪み63内に露出して存在する押込み部材70の拡大部75を指100により所要の力Fで操作部60の窪み63内にむけて押し込む操作をすればよい。
これにより、押込み部材70は、図13(B)に示さるように、その拡大部75が操作部60の窪み63内で押し込まれて距離Nだけ移動するとともに、その本体部71が操作部60の装着孔61に支持されて矢印Cで示す方向に同じ距離Nだけ移動する。また、この押込み部材70の押込み操作による移動によって生まれる動力が、解除機構50における伝達ロッド52の一端部52bに伝わる。このため、その伝達ロッド52全体も、図7に示されるように、支持部材55で支持されながら矢印Cで示す方向に距離Nと同じ距離Mだけ移動する。
この結果、解除機構50における伝達ロッド52が矢印Cで示す方向に移動すると、その伝達ロッド52の一端部52bに結合する連結リンク53がボンネット固定具30における係止部材33の第2アーム部33dにある結合軸336を押すので、その係止部材33が支持軸32を中心に引張ばね35の引っ張るばね力に抗して矢印B2で示す係止状態を解除する方向B2に回動させられる。これにより、ボンネット20にある被固定部材40は、係止部材33のかぎ部34による係止状態から開放されて、ボンネット固定具30による固定が解除される。
そして、この被固定部材40のボンネット固定具30による固定が解除されると、ボンネット20は、固定時に圧縮されていた補助ばね37が自由長になるよう伸びて復元する際に発揮されるばね力により接触ブラッケット45が押し上げられ、これにより少し開いた状態になる。しかる後、ボンネット20は、その後方部を手で持ち上げることにより、図1に破線で例示するように開閉支点25を支点にして矢印A1で示す方向に回転させられることで開けられた状態になる。
このように第1操作状態を実現した場合には、操作部60における押込み部材70の拡大部7を指100で押し込む操作により、ボンネット20を容易に開けることができる。これにより、トラクタ1にボンネット20を開ける操作の容易性を優先して確保する仕様が求められる場合(例えば北米国向けに販売する場合)には、容易に対応することできる。
しかも、この第1操作状態を実現した場合は、押込み部材70の拡大部75が操作パネルカバー14の外部に突出した状態になるものの、その突出している拡大部75が操作部60における囲み壁部62により取り囲まれた状態になるので、その拡大部75に誤って触れて押し込むという誤操作が発生しにくくなる。このため、第1操作状態においても、操作の容易性に加えて操作の安全性も確保することができる。
<第2操作状態>
次に、押込み部材70の装着により操作部60の押し込む操作を補助具80により行う第2操作状態を実現する場合について説明する。
第2操作状態は、図14(A)に示されるように、押込み部材70の本体部71を、操作部60の背面側から装着孔61に嵌め入れて装着した後、その本体部71の一部および拡大部75にある第2接続孔73Bに、操作部60の背面側に存在する解除機構50のリンク機構51における伝達ロッド52の一端部52bを嵌め入れて接続することにより実現される。
このように押込み部材70を装着するときの向きを第2の装着向きE2とする。
また、このときの押込み部材70の装着作業は、実際のところ、例えば、押込み部材70の本体部71の第2接続孔73Bに、支持部材55から取り外した伝達ロッド52の一端部52bを嵌め入れて接続した状態にしておき、しかる後、その伝達ロッド52の一端部52bが接続されている押込み部材70の本体部71を操作部60の背面側から装着孔61に所要の長さだけ嵌め入れることにより行われる。
この場合、押込み部材70は、第2の装着向きE2で操作部60に装着して解除機構50における伝達ロッド52の一端部52bと接続したとき、図14(A)に示されるように、その本体部71の先端部が操作部60の装着孔61に距離Nの隙間空間を確保して支持された状態になる。図15(B)は、このときの状態を操作部60の正面側から見た場合の状態として示している。つまり、このときの押込み部材70の本体部71は、操作部60の装着孔61内に収容されてその先端のみが第1接続孔73Aの開口部とともに外部から見える状態におかれる。
このため、このときの操作部60は、ボンネット20を開ける際の押し込む操作を、図14(A)に示されるように、人の指100が操作部60の装着孔61内に入らないので手100で行うことができず、補助具80を用いて行うことに限られた状態になる。
したがって、押込み部材70を第2の装着向きE2で装着して第2操作状態を実現した場合は、トラクタ1のボンネット20を開けるときには、図14(B)や図15(B)に示さるように、操作部60の装着孔61の装着孔64内に僅かに露出して存在する押込み部材70の本体部71の第1接続孔73Aに補助具80の挿込み部81を操作部60の窪み63を通して差し込んだ後、その本体部71を補助具80により所要の力Fで操作部60の装着孔61内に更に押し込む操作をすればよい。
これにより、押込み部材70は、図14(B)に示さるように、その本体部71が操作部60の装着孔61内で押し込まれて距離Nだけ移動するとともに、その残りの本体部71や拡大部75が矢印Cで示す方向に同じ距離Nだけ移動する。また、この押込み部材70の補助具80を用いた押込み操作による移動によって生まれる動力が、解除機構50における伝達ロッド52の一端部52bに伝わる。このため、その伝達ロッド52全体も、支持部材55で支持されながら矢印Cで示す方向に距離Nと同じ距離Mだけ移動する。
この結果、解除機構50における伝達ロッド52が矢印Cで示す方向に移動すると、上記第1操作状態の場合と同様に、その移動による動力が連結リンク53を介してボンネット固定具30における係止部材33に伝えられて、その係止部材33が矢印B2で示す係止状態を解除する方向B2に回動させられる。これにより、ボンネット20にある被固定部材40は、係止部材33のかぎ部34による係止状態から開放されて、ボンネット固定具30による固定が解除される。
そして、この被固定部材40のボンネット固定具30による固定が解除されると、上記第1操作状態の場合と同様に、ボンネット20は、補助ばね37のばね力により接触ブラッケット45が押し上げられて少し開いた状態になり、しかる後、その後方部を手で持ち上げることにより、図1に二点鎖線で例示するように開閉支点25を支点に回転して開けられた状態になる。
このように第2操作状態を実現した場合には、操作部60の装着孔61にある押込み部材70の本体部71を補助具80により押し込む操作により、ボンネット20を開けることができる。この場合は、操作部60の装着孔61にある押込み部材70の本体部71を人の指100により押し込むことができない。これにより、トラクタ1にボンネット20を開ける操作の安全性を優先して確保する仕様が求められる場合(例えば欧州国向けに販売する場合)には、容易に対応することできる。
<第1操作状態と第2操作状態の変更>
以上説明したように、このトラクタ1においては、押込み部材70の装着を変更すること、すなわちその装着する向きE1,E2を図13(A)と図14(A)に示すように変えることにより、上記第1操作状態(図13)と上記第2操作状態(図14)のいずれか一方に、必要(要請など)に応じて容易に変更して対応することが可能である。
[変形例]
図16は、上記一実施形態に係るトラクタ1における操作部60の変形例を示している。
この変形例における操作部60は、その正面側60aが操作パネルカバー14の外部に突出せず面一の状態(段差がなく連続した面を形成する状態)になるよう設けたものである。この場合の操作部60は、操作パネルカバー14の内側に突出して存在する部分が増える。図16(A)は、この操作部60に押込み部材70を第1の装着方向E1で装着して第1操作状態を実現した場合を示している。一方、図16(B)は、この操作部60に押込み部材70を第2の装着方向E2で装着して第2操作状態を実現した場合を示している。
この変形例におけるトラクタ1は、操作部60を操作パネルカバー14の外部に突出せず面一の状態に設けていることにより、第1操作状態において押込み部材70の拡大部75も操作パネルカバー14の外部に突出しない状態にすることが可能となり、その拡大部75に誤って触れて押し込むという誤操作が発生しにくくなる。このため、第1操作状態においても、操作の容易性に加えて操作の安全性も確保することができる。また、この場合は、第1操作状態と第2操作状態のいずれであっても、操作部60に誤って触れる可能性が低くなり、操作部60の一部が操作パネルカバー14の外部に突出している場合に比べて、操作部60の一部が破損するおそれもなくなる。
なお、上記実施形態における押込み部材70については、その拡大部75が円板以外の形状にしても構わない。
また、上記実施形態における補助具80については、第2操作状態において操作部60の装着孔61に存在する押込み部材70の第1接続孔73Aに挿し込んで押込み部材70全体を押し込むことが可能であれば、例えば、一般の工具などを代用することも可能である。
さらに、上記実施形態のトラクタ1は、操縦席6を覆うキャビンを有するものであってもよい。
本発明は、トラクタなどの農作業用の車両に限られず、その他の各種作業用の車両にも適用することができる。
1 トラクタ 12 エンジンルーム
20 ボンネット 30 ボンネット固定具
31 支持部材 32 支持軸
33 係止部材 34 かぎ部
40 被固定部材 50 解除機構
51 リンク機構 52b 伝達ロッドの一端部(接続部分)
60 操作部 61 装着孔
62 囲み壁部 70 押込み部材
71 本体部 73A,73B 接続孔
75 拡大部 80 補助具
100 指
B2 係止する状態を解除する方向
E1,E2 押込み部材の装着する向き
L1,L2 接続孔の長さ

Claims (5)

  1. エンジンルーム(12)を覆う開閉式のボンネット(20)と、
    前記エンジンルーム(12)の上部に設けられ、前記ボンネット(20)を閉じた状態で固定するボンネット固定具(30)と、
    前記ボンネット(20)の内側に設けられ、前記ボンネット固定具(30)に固定される被固定部材(40)と、
    前記ボンネット固定具(30)の前記被固定部材(40)を固定した状態を解除する解除機構(50)と、
    前記エンジンルーム(12)の上部において外部に露出した状態で設けられ、前記解除機構(50)を作動させる動力を押し込む操作により入力する操作部(60)と、
    前記操作部(60)に前記解除機構(50)と接続するよう装着され、前記押し込む操作を指(100)で行うことが可能な第1操作状態と前記押し込む操作を補助具(80)により行う第2操作状態のいずれか一方を装着の変更により実現する押込み部材(70)と、
    を備え、
    前記操作部(60)は、装着孔(61)を有し、
    前記押込み部材(70)は、前記装着孔(61)に入らない拡大部(7)を有し、
    前記第1操作状態では、前記押込み部材(70)の前記拡大部(7)を前記装着孔(61)よりも外側に配置して外部に露出させた状態にし、
    前記第2操作状態では、前記押込み部材(70)の前記拡大部(7)を前記装着孔(61)よりも内側に配置して内部に収容した状態にすることを特徴とする作業車両。
  2. 前記押込み部材(70)は、前記操作部(60)に装着する向き(E1,E2)を変えることにより前記第1操作状態と前記第2操作状態を変更する部材である請求項1に記載の作業車両。
  3. 前記押込み部材(70)は、前記解除機構(50)の接続部分(52a)が挿し込まれて接続される接続孔(73A,73B)を両端部から内側にむけて所要の長さ(L1,L2)で設けた棒状の本体部(71)と、前記本体部(71)の一端部に拡大して設けた拡大部(75)とを有する形状の部材である請求項2に記載の作業車両。
  4. 前記操作部(60)は、前記押込み部材(70)の本体部(71)が嵌め入れられて装着される装着孔(61)と、前記装着孔(61)の周囲に前記押込み部材(70)の拡大部(75)を外部に突出した状態で取り囲むよう設けた囲み壁部(62)とを有する構造部分として構成されている請求項3に記載の作業車両。
  5. 前記ボンネット固定具(30)は、支持部材(31)と、前記支持部材(31)の一部に支持軸(32)を支点にして回動するよう取り付けられ、前記被固定部材(40)を係止するかぎ部(34)が設けられた係止部材(33)とを有しており、
    前記解除機構(50)は、前記操作部(60)から押し込む操作により入力される動力を、前記ボンネット固定具(30)における前記係止部材(33)を前記かぎ部(34)が前記被固定部材(40)を係止する状態が解除される方向(B2)に回動させる動力に変換して伝達するリンク機構(51)で構成されている請求項1乃至4のいずれかに記載の作業車両。
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