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JP7193935B2 - 制御装置、空調システム及び制御方法 - Google Patents

制御装置、空調システム及び制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、制御装置、空調システム及び制御方法に関する。
特許文献1には、空気調和機により温度制御された空調エアを床面に配置されたパネルボードに送り、パネルボードを冷却または加熱して、該パネルボードからの冷気または暖気を室内に放射する床放射冷暖房システムが開示されている。この床放射冷暖房システムでは、パネルボードを通過した空調エアをパネルボード端部のグリルより室内へ吹き出す。これにより、パネルボードからの熱放射だけでなく、空調エアによっても室内を冷暖房することができる。また、特許文献1には、室内へ吹き出した空調エアが、再び空気調和機に吸引され再利用されることが記載されている。
特許文献2には、床冷暖房パネルを床面に配置し、冷温水供給ユニットから冷水や温水を床冷暖房パネルへ送って冷暖房を行う温調システムが開示されている。特許文献2に記載の温調システムでは、床冷暖房パネルへ供給される冷水の流路に設けられた熱動弁に対して、冷房運転の停止後に結露防止のために通電を行うことが記載されている。
特開2004-232989号公報 特開2016-125677号公報
特許文献1に記載の床放射冷暖房システムで冷房運転を行う場合、冷房運転の終了後に相対的に温度が高い室内の空気が、床下のパネルボード内部に流入し、パネルボード裏側の空調エアの風路に結露を生じる可能性がある。特許文献1には、このような結露を防止する手段の記載が無い。また、特許文献2に記載の結露防止手段は、特許文献1に記載されているような床放射冷暖房システムに適用することはできない。
そこでこの発明は、上述の課題を解決することのできる制御装置、空調システム及び制御方法を提供することを目的としている。
本発明の一態様によれば、制御装置は、空調対象となる空間の空気を吸入して前記空気の温度を制御する空気調和機と、前記空間に接する面に配置された放射パネルモジュールと、前記空気調和機によって温度制御された前記空気を前記放射パネルモジュールへ送出するファンと、前記放射パネルモジュールを通過した前記空気を前記空間へ吹き出す吹出口と、を含む空調システムにおいて、湿度と前記ファンの運転時間の関係を定めた設定テーブルを保持し、冷房運転の終了後に前記ファンを、前記冷房運転の終了時における前記空間の湿度と前記設定テーブルとに基づく当該湿度に応じた運転時間だけ運転する。
本発明の一態様によれば、前記制御装置は、前記冷房運転の終了時における前記空間の湿度について、第1湿度が第2湿度より高い場合、前記ファンの運転を、前記第2湿度の場合より、前記第1湿度の場合に長時間実行する。
本発明の一態様によれば、前記制御装置は、前記ファンの回転数が設定可能であって、前記制御装置は、前記ファンの回転数が低く設定された場合、前記ファンの回転数が高く設定された場合に比べて、冷房運転の終了後に長時間、前記ファンを運転する。
本発明の一態様によれば、前記放射パネルモジュールの背面側には、前記空気調和機によって温度制御された前記空気が通過する熱交換流路と、前記熱交換流路をバイパスするバイパス流路と、前記熱交換流路と前記バイパス流路との分岐点に設けられ、前記熱交換流路に流入する前記温度制御された前記空気と前記バイパス流路に流入する前記温度制御された前記空気の流量とを調整するダンパーと、が設けられ、冷房運転の終了後の前記ファンの運転中に前記ダンパーを切り替え、前記ファンによって送風される空気が前記熱交換流路と前記バイパス流路に流れるように制御する。
本発明の一態様によれば、空調システムは、空調対象となる空間の空気を吸入して前記空気の温度を制御する空気調和機と、前記空間に接する面に配置された放射パネルモジュールと、前記空気調和機によって温度制御された前記空気を前記放射パネルモジュールへ送出するファンと、前記放射パネルモジュールを通過した前記空気を前記空間へ吹き出す吹出口と、上記の何れかに記載の制御装置と、を備える。
本発明の一態様によれば、制御方法は、空調対象となる空間の空気を吸入して前記空気の温度を制御する空気調和機と、前記空間に接する面に配置された放射パネルモジュールと、前記空気調和機によって温度制御された前記空気を前記放射パネルモジュールへ送出するファンと、前記放射パネルモジュールを通過した前記空気を前記空間へ吹き出す吹出口と、湿度と前記ファンの運転時間の関係を定めた設定テーブルと、を含む空調システムにおいて、冷房運転の終了後に前記ファンを、前記冷房運転の終了時における前記空間の湿度と、前記設定テーブルとに基づく当該湿度に応じた運転時間だけ運転する。
本発明によれば、放射式と対流式を組み合わせた空調システムにおいて、冷房運転終了後に放射パネル裏側の風路に生じる結露を防止することができる。
本発明の一実施形態における空調システムの一例を示す概略図である。 本発明の一実施形態における放射パネルとその配置例を示す図である。 本発明の一実施形態における冷媒回路の一例を示す図である。 本発明の一実施形態における制御装置の一例を示すブロック図である。 本発明の一実施形態における結露防止運転のフローチャートである。
<実施形態>
以下、本実施形態の空調システムについて図を参照しつつ説明を行う。
図1は、本発明の一実施形態における空調システムの一例を示す概略図である。
空調システム100は、室内機10と、室外機20と、放射パネルモジュール40A,40Bと、ダクト13と、を備える。以下、放射パネルモジュール40A,40B等を総称して放射パネルモジュール40と記載する場合がある。
室内機10は、空調対象となる室内の空間W0の天井裏などに設置され、吸込口W1から空間W0の空気Wを吸入し、この空気Wを適切な温度に調節してダクト13へ送出する。空間W0の床、壁面、天井などには、少なくとも1つの放射パネルモジュール40が配置され、ダクト13へ送出された温度制御済みの空気は、放射パネルモジュール40へ供給される。放射パネルモジュール40は、ふく射熱を空間W0へ放射する放射パネルと、室内機10から供給される空気Wが通過する風路を備える。放射パネルは空間W0と接するように床、壁、天井などの表面にその放射面(放射パネル)が空間W0側を向くように配置され、放射パネルの裏面を通過する温度制御済みの空気Wが放射パネルを冷却または加熱する。放射パネルが冷却または加熱されることにより、放射パネルを介してふく射熱が空間W0へ伝達し、空間W0を冷房または暖房する。なお、放射パネルモジュール40A、放射パネルモジュール40Bは、配管等で接続されていて、放射パネルモジュール40Aを通過した空気Wは、放射パネルモジュール40Bへ供給される。室内機10から供給される空気Wは、放射パネルモジュール40A、放射パネルモジュール40Bを通過し、吹出口W2Aから空間W0へ吹き出され、空間W0を冷却または加熱する。このように空調システム100は、放射式および対流式の2方式による空調を行って空間W0の冷暖房を行う。
次に放射パネルモジュール40の構成および配置の一例について説明する。
図2は本発明の一実施形態における放射パネルモジュールとその配置例を示す図である。図2に放射パネルモジュール40の平面図を示す。図2に示す例では、空間W0の床面に4つの放射パネルモジュール40A,40B,40C,40Dが配置されている。放射パネルモジュール40Aを例に放射パネルモジュール40の構成を説明する。放射パネルモジュール40Aは、ダンパー42Aと、流路形成部材41A1,41A2,41A3,41A4,41A5,41A6と、ダンパー制御部43Aと、入口部44Aと、出口部45Aと、を備えている。また、放射パネルモジュール40Aの上側の面(空間W0の床面)は、図示しない放射パネルで形成されている。ダンパー制御部43Aは、制御装置30の指示に基づいてダンパー42Aの開閉動作を制御する。ダンパー42Aが実線で示す位置にあるとき(開状態とする)、入口部44Aから流入した空気Wは、実線矢印が示す方向にバイパス流路46Aを通過し、出口部45Aから送り出される。一方、ダンパー制御部43Aの制御によりダンパー42Aが破線で示す位置にあるとき(閉状態とする)、入口部44Aから流入した空気Wは、破線矢印が示す方向に熱交換流路47A1,47A2,47A3,47A4,47A5,47A6,47A7を通過し、出口部45Aから送り出される。
空気Wが、熱交換流路47A1等を通過すると、放射パネルモジュール40Aからのふく射熱が増大し、暖房時には床(放射パネル)が暖かくなる。反対に空気Wがバイパス流路46Aを通過した場合には、放射パネルモジュール40Aが配置された領域の床の温度上昇は抑えられ、暖かい空気Wは対流式の空調で利用される。例えば、ユーザが、放射パネルモジュール40Aが配置された領域で過ごす場合、リモートコントローラ等によって、放射パネルモジュール40Aのダンパー42Aを切り替える指示を行い、空気Wが熱交換流路47A1等を通過するように制御することができる。あるいは、冷房運転時にユーザが、放射パネルモジュール40Aが配置された領域で過ごす場合、足元が冷えるのを抑えるためにリモートコントローラにより、ダンパー42Aを切り替える指示を行い、空気Wがバイパス流路46Aを通過するように制御することができる。放射パネルモジュール40B~40Dについても同様に構成されている。
図示するように放射パネルモジュール40Aと放射パネルモジュール40Bは配管50Aで接続されている。同様に放射パネルモジュール40Cと放射パネルモジュール40Dは配管50Cで接続されている。ダクト13は2つに分岐して、入口部44A,44Cと接続している。室内機10からダクト13を介して温度制御済みの空気Wが放射パネルモジュール40Aの入口部44Aと放射パネルモジュール40Cの入口部44Cへ供給される。放射パネルモジュール40Aへ供給された空気Wは、バイパス流路46A又は熱交換流路47A1等を通過して出口部45Aから配管50Aを介して放射パネルモジュール40Bの入口部44Bへ供給される。同様に放射パネルモジュール40Cへ供給された空気Wは、放射パネルモジュール40Cの内部を通過して出口部45Cから配管50Cを介して放射パネルモジュール40Dの入口部44Dへ供給される。放射パネルモジュール40B,40Dについても同様である。放射パネルモジュール40B,40Dがそれぞれ出口部45B,45Dから送り出した空気Wは、吹き出し口W2A~W2Dから空間W0へ吹き出される。
放射パネルモジュール40A~40Dのダンパー42A~42Dは、各々独立して制御することができるので、例えば、放射パネルモジュール40Aのみ空気Wが熱交換流路47A1等を流れるようにダンパー42Aを閉状態とし、放射パネルモジュール40B~40Dについては、それぞれダンパー42B~42Dを開状態に制御することができる。
吹き出し口W2A~W2Dから空間W0へ吹き出された空気Wは、空間W0を冷房または暖房して、再び吸込口W1から室内機10へ吸入される。図1、図2に例示するように、天井の吸入口W1と吹出口W2A~W2Dとを離れた位置に設け、その間に複数の放射パネルモジュール40を並べて配置することができる。例えば、吸入口W1と吹出口W2A等とが、空調対象の部屋の両端に近い位置に設けられていれば、対流式の空調において部屋全体を偏りなく空調することができる。また、複数の放射パネルモジュール40を、配管50を介して任意の方向に接続することで2次元平面状に放射パネルを配置することができる。これにより、放射式の空調によっても部屋全体を空調することができる。
なお、ダンパー42Aの切り替えは、完全な開状態と閉状態との間で切り替える制御に限定されない。例えば、ステッピングモータを用いて、開状態と閉状態との間を多段階に切り替えられるように制御してもよい。これにより、熱交換流路47A1等に流入する空気Wの流量とバイパス流路46Aに流入する空気Wの流量とを調整し、より細やかな温度制御を行うことができる。例えば、暖房中に床の温度が高いと感じた場合、ユーザの指示によりダンパー制御部43Aは、ダンパー42Aの位置を開状態と閉状態の中間の位置に制御してもよい。すると、閉状態に制御した場合よりは少ない量の空気Wが熱交換流路47A1等へ流入するため、床の温度上昇を抑えることができる。
図1に戻り、吸込口W1から吸入された空気Wは、室内機10が備える室内熱交換器2との間で熱交換を行い、適切な温度に制御され、ファン9によって再びダクト13へ送出される。室内機10は、室内熱交換器2、ファン9、温度センサ11、湿度センサ12、制御装置30を備える。温度センサ11は、吸込口W1から吸入された空気Wの温度を計測する。湿度センサ12は、吸込口W1から吸入された空気Wの湿度(相対湿度)を計測する。制御装置30は、温度センサ11および湿度センサ12の計測値に基づいて、ファン9の回転数を制御し、空気Wをダクト13へ送出する。室内機10は、室外機20と冷媒配管6、図示しない通信線等で接続される。室内機10と室外機20は、冷凍サイクルを構成しており、冷媒を冷凍サイクル内で循環させることによって冷媒の加熱・冷却を行い、室内熱交換器2を通じて空気Wを所望の温度に制御する。
ここで、図3を用いて、室内機10と室外機20による冷凍サイクルの運転について説明する。図3は、本発明の一実施形態における冷媒回路の一例を示す図である。
図3に示すように室内機10は、室内熱交換器2、ファン9を備える。室外機20は、圧縮機1、膨張弁3、室外熱交換器4、四方弁5を備える。圧縮機1、室内熱交換器2、膨張弁3、室外熱交換器4、四方弁5は冷媒配管6で接続される。
圧縮機1は、冷媒を圧縮し、圧縮後の高温、高圧の冷媒を吐出する。暖房運転では、冷媒は矢印8の方向に循環する。つまり、圧縮機1が吐出した冷媒は、四方弁5を介して室内熱交換器2に供給される。冷媒は、室内熱交換器2にて、吸込口W1から吸入した空気Wへ放熱し、凝縮して液化する。凝縮した冷媒は、膨張弁3によって減圧され、低圧の冷媒となる。低圧の冷媒は、室外熱交換器4へ供給され、外気からの吸熱により気化する。気化した冷媒は、四方弁5を通過して圧縮機1へ吸入される。圧縮機1は低圧の冷媒を圧縮して高圧の冷媒を吐出する。
また、冷房運転では、冷媒は矢印7の方向に循環する。つまり、圧縮機1が吐出した高圧の冷媒は、四方弁5を介して室外熱交換器4に供給され外気へ放熱し凝縮する。凝縮した冷媒は膨張弁3によって減圧される。低圧の冷媒は、室内熱交換器2へ供給され、空気Wから吸熱して空気Wを冷却し、気化する。気化した冷媒は、四方弁5を通過して圧縮機1へ吸入される。圧縮機1は低圧の冷媒を圧縮して高圧の冷媒を吐出する。
室外機20の制御装置21は、暖房と冷房に応じた四方弁5の切り替えや、温度センサ11が計測した空気Wの温度と設定温度との差に応じた回転数で圧縮機1を駆動するなどして、空間W0の温度が、ユーザが設定した設定温度となるように冷凍サイクルの運転を行う。空気Wと冷媒は、室内熱交換器2で熱交換する。制御装置30は、所定の回転数でファン9を制御して、所望の温度に制御された熱交換後の空気Wをダクト13へ送出する。次に制御装置30について説明する。
図4は、本発明の一実施形態における制御装置の一例を示すブロック図である。
制御装置30は、例えばマイコン等のコンピュータ装置である。図示するように制御装置30は、センサ情報取得部31と、設定情報取得部32と、タイマ33と、記憶部34と、制御部35と、通信部36とを備えている。なお、制御装置30は、室内機10に関して種々の制御を行うが、本明細書では、冷房運転の終了後に放射パネルモジュール40裏側の風路や配管50Aなどに結露が生じるのを防止する機能を中心に説明する。
センサ情報取得部31は、温度センサ11から空気Wの温度の計測値、湿度センサ12から空気Wの湿度の計測値を取得する。
設定情報取得部32は、ユーザがリモートコントローラ等から入力した各種設定情報を取得する。例えば、設定情報取得部32は、運転の開始と停止の指示、冷房・暖房の設定、室温の設定、風量の設定、床のどのエリア(放射パネルモジュール40A~40Dの何れか)を温めるか(又は冷却するか)等の設定情報を取得する。
タイマ33は、時間を計測する。
記憶部34は、センサ情報取得部31が取得した温度や湿度の計測値、設定情報取得部32が取得した各種設定情報など種々の情報を記憶する。また、記憶部34は、制御装置30の機能を実現する各種プログラムを記憶する。
制御部35は、室内機10の制御、室外機20と連携して空調システム100の制御を行う。例えば、設定情報取得部32が、冷房の運転開始指示、冷房時の設定温度を取得すると、制御部35は、通信部36を介して、室外機20の制御装置21へ、温度センサ11の計測値と共にそれらの設定情報を通知する。制御装置21は、温度センサ11の計測値と設定温度の差に基づいて、圧縮機1を駆動し、空気Wが所望の温度となるよう冷凍サイクルを運転する。また、例えば、設定情報取得部32が、所定の風量の設定情報を取得すると、制御部35は、ダクト13へ供給される空気Wの風量が所定の風量となるようファン9の回転数を制御する。例えば、風量が強、中、弱の3段階で設定できる場合、それらの設定ごとにファン9の回転数が定められていて、制御部35は、ユーザが設定した風量の設定に対応する回転数でファン9を駆動する。また、例えば、冷房時にユーザが、放射パネルモジュール40Aのエリアをあまり冷やさないように設定した場合、制御部35は、ダンパー制御部43Aへ、ダンパー42Aを開状態とするよう指示する。
制御部35は、冷房運転の終了後にもファン9の運転を継続して、放射パネルモジュール40裏側の風路等への結露を防ぐ。例えば、空調システム100が、冷房運転を行っている間、空間W0よりも、放射パネルモジュール40の風路の方が冷却され低温になることが多い。冷房運転の終了とともにファン9が停止すると、吹出口W2A~W2Dから空間W0への空気Wの流れが停止し、反対に、空間W0から放射パネルモジュール40の風路側へと空気Wが流入する可能性がある。すると、相対的に高温の空気Wが放射パネルモジュール40の風路で冷却され、風路で結露する可能性がある。その為、本実施形態では、冷房運転の終了後に結露防止のためにファン9をしばらくの間運転し、空間W0から放射パネルモジュール40への空気の逆流を防ぎ、風路内での結露を防止する。
具体的には、ユーザが冷房運転を終了する操作を行うと、その指示情報が室外機20へ送信され、制御装置21は圧縮機1の運転を停止する。これに対し、室内機10では制御部35が、冷房運転の終了後もファン9の運転を継続する。ファン9の運転を継続するので、吹出口W2A等から空間W0へ向かう空気Wの流れにより、空間W0から放射パネルモジュール40の風路への空気の流入を防ぐことができる。また、ダクト13、放射パネルモジュール40等に存在していた冷却済みの空気は空間W0へ吐き出され、冷房運転の終了時に空間W0に存在していた空気Wは、吸込口W1から吸入されてファン9によりダクト13へ送出され、放射パネルモジュール40を通過した後に吐出口W2A等から空間W0へと吐き出されるという空気Wの循環が行われる。これにより、空間W0と放射パネルモジュール40内部との温度差がなくなり、空間W0から放射パネルモジュール40内部へ空気Wが流入したとしても結露が生じない状態となる。
なお、制御部35は、放射パネルモジュール40A等のダンパー42Aについては、冷房終了時と同じ開閉状態を維持するようダンパー制御部43Aを制御して、ファン9の運転を継続してもよい。あるいは、放射パネルモジュール40A等のダンパー42Aの開閉状態を所定時間ごとに切り替えるように制御してもよい。
通信部36は、制御装置21との間の通信を行う。例えば、設定情報取得部32が、運転停止指示を取得すると、通信部36は、その運転停止指示を室外機20の制御装置21へ送信する。また、通信部36は、ダンパー制御部43A等と通信を行う。例えば、制御部35が、ダンパー42Aを閉状態にするよう指示した場合、通信部36は、その指示情報を、ダンパー制御部43Aへ送信する。
次に本実施形態の冷房終了後の結露防止運転の処理の流れについて、図1~図4の空調システム100の構成を例に説明を行う。
図5は、本発明の一実施形態における結露防止運転のフローチャートである。
前提として空調システム100は、冷房運転中であるとする。冷房運転の実行中、通信部36は、センサ情報取得部31が取得した温度センサ11による空気Wの温度を所定の時間間隔で室外機20の制御装置21へ送信する。制御装置21は、空気Wの温度が、設定温度に近づくように圧縮機1の回転数を調整し冷凍サイクルを運転する。また、制御部35は、ユーザが設定した風量となるようにファン9の回転数を制御する。
まず、ユーザの指示により空調システム100が冷房運転を終了する(ステップS11)。具体的には、ユーザが冷房運転の停止指示をリモートコントローラ等により入力すると、通信部36が停止指示を室外機20の制御装置21へ送信する。制御装置21は、圧縮機1を停止する等して冷凍サイクルの運転を停止する。室内機10では、制御部35が、冷房運転の停止指示情報を取得したことに基づいて、タイマ33を用いた冷房運転停止後の経過時間の監視を開始しつつ、ファン9の運転を継続する(ステップS12)。制御部35は、ファン9の回転数を冷房運転時の回転数のまま維持してもよいし、結露防止運転用に設定された所定の回転数に変更して運転してもよい。また、センサ情報取得部31は、湿度センサ12が計測した冷房終了時の相対湿度を取得する(ステップS13)。制御部35は、センサ情報取得部31が取得した相対湿度に基づいて、冷房運転終了後のファン9の運転時間を設定する(ステップS14)。例えば、制御部35が、相対湿度と運転時間の関係を定めた設定テーブルを保持していて、制御部35は、この設定テーブルに基づいて、冷房終了時の相対湿度に応じた継続時間を設定する。この設定テーブルには、より高い相対湿度に対して、より長い運転時間が設定されている。つまり、冷房運転終了時の空間W0の湿度が高い程、制御部35は、冷房運転終了後に長時間ファン9を運転する。
また、制御部35は、相対湿度に依存せず、所定時間だけファン9の運転を継続してもよい。所定時間とは、例えば、ダクト13、放射パネルモジュール40A~40D、配管50A等、冷房運転の終了時点で、室内機10の送出口から吹出口W2A等に至るまでの空間内に残存する冷却済みの空気Wが、吹出口W2A等から空間W0へ吹き出されるまでに要する時間であってもよい。
次に制御部35は、タイマ33が計測した時間を参照して、冷房運転が終了してからステップS14で設定した運転時間が経過するかどうかを判定する(ステップS15)。制御部35は、設定した運転時間が経過するまでファン9の運転を継続する。設定した運転時間が経過すると(ステップS15;Yes)、制御部35は、ファン9を停止する(ステップS16)。
あるいは、運転時間を設定する代わりに、例えば、放射パネルモジュール40A等の風路に温度センサを設け、制御部35は、風路に設けた温度センサと、温度センサ11が計測する室内機10の吸込口W1での空気Wの温度との差が、所定の範囲内(ファン9の停止後、空間W0から風路側への空気の流入が生じても結露が発生しないような温度差)である状態が一定の時間以上維持される状態となるまでファン9の運転を継続してもよい。
なお、ファン9の運転中、制御部35は、ダンパー制御部43A等へダンパー42Aの開閉状態を切り替えるよう指示し、一旦は空気Wが全ての流路を流れるように制御してもよい。
また、結露防止運転用の回転数は、ユーザが任意に設定できてもよく、回転数の高低に応じて冷房運転後の運転時間の長短が設定されてもよい。例えば、ユーザが風量を小さく設定した場合には、風量を大きく設定した場合に比べてより長い運転時間が設定(ステップS14)されてもよい。
本実施形態によれば、空調対象となる空間W0の空気Wを吸入して、空気Wの温度を制御する空気調和機(室内機10、室外機20)と、空間W0に接する面に配置された放射パネルモジュール40と、空気調和機によって温度制御された空気Wを放射パネルモジュール40へ送出するファン9と、放射パネルモジュール40を通過した空気Wを空間W0へ吹き出す吹出口W2A等とを備える空調システム100において、冷房運転終了後に空間W0の空気Wが、冷やされた放射パネルモジュール40の風路側へ流入することによる、風路(放射パネル裏面)への結露やカビの発生を防止することができる。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。また、この発明の技術範囲は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記の実施形態では、ファン9を冷房運転終了後に継続して運転するよう制御したが、同様の制御を、空調システム100における除湿運転後に行ってもよい。また、上記実施例では、放射パネルモジュール40等を床面に配置する例を挙げたが、天井や壁面に配置してもよい。
1・・・圧縮機
2・・・室内熱交換器
3・・・膨張弁
4・・・室外熱交換器
5・・・四方弁
6・・・冷媒配管
9・・・ファン
10・・・室内機
11・・・温度センサ
12・・・湿度センサ
13・・・ダクト
20・・・室外機
21・・・制御装置
30・・・制御装置
31・・・センサ情報取得部
32・・・設定情報取得部
33・・・タイマ
34・・・記憶部
35・・・制御部
36・・・通信部
40A、40B、40C、40D・・・放射パネルモジュール
41A1,41A2,41A3,41A4,41A5,41A6・・・流路形成部材
42A・・・ダンパー
43A・・・ダンパー制御部
44A・・・入口部
45A・・・出口部
46A・・・バイパス流路
47A1,47A2,47A3,47A4,47A5,47A6,47A7・・・熱交換流路
50A、50C・・・配管
100・・・空調システム
W・・・空気
W0・・・空間
W1・・・吸込口
W2A、W2B、W2C、W2D・・・吹出口

Claims (6)

  1. 空調対象となる空間の空気を吸入して前記空気の温度を制御する空気調和機と、前記空間に接する面に配置された放射パネルモジュールと、前記空気調和機によって温度制御された前記空気を前記放射パネルモジュールへ送出するファンと、前記放射パネルモジュールを通過した前記空気を前記空間へ吹き出す吹出口と、を含む空調システムにおいて、
    湿度と前記ファンの運転時間の関係を定めた設定テーブルを保持し、
    冷房運転の終了後に前記ファンを、前記冷房運転の終了時における前記空間の湿度と前記設定テーブルとに基づく当該湿度に応じた運転時間だけ運転する、
    制御装置。
  2. 前記冷房運転の終了時における前記空間の湿度について、第1湿度が第2湿度より高い場合、前記ファンの運転を、前記第2湿度の場合より、前記第1湿度の場合に長時間実行する、
    請求項に記載の制御装置。
  3. 前記ファンの回転数が設定可能であって、
    前記制御装置は、前記ファンの回転数が低く設定された場合、前記ファンの回転数が高く設定された場合に比べて、冷房運転の終了後に長時間、前記ファンを運転する、
    請求項1から請求項2の何れか1項に記載の制御装置。
  4. 前記放射パネルモジュールの背面側には、前記空気調和機によって温度制御された前記空気が通過する熱交換流路と、前記熱交換流路をバイパスするバイパス流路と、前記熱交換流路と前記バイパス流路との分岐点に設けられ、前記熱交換流路に流入する前記温度制御された前記空気と前記バイパス流路に流入する前記温度制御された前記空気の流量とを調整するダンパーと、が設けられ、
    冷房運転の終了後の前記ファンの運転中に前記ダンパーを切り替え、前記ファンによって送風される空気が前記熱交換流路と前記バイパス流路に流れるように制御する、
    請求項1から請求項3の何れか1項に記載の制御装置。
  5. 空調対象となる空間の空気を吸入して、前記空気の温度を制御する空気調和機と、
    前記空間に接する面に配置された放射パネルモジュールと、
    前記空気調和機によって温度制御された前記空気を前記放射パネルモジュールへ送出するファンと、
    前記放射パネルモジュールを通過した前記空気を前記空間へ吹き出す吹出口と、
    請求項1から請求項の何れか1項に記載の制御装置と、
    を備える空調システム。
  6. 空調対象となる空間の空気を吸入して前記空気の温度を制御する空気調和機と、前記空間に接する面に配置された放射パネルモジュールと、前記空気調和機によって温度制御された前記空気を前記放射パネルモジュールへ送出するファンと、前記放射パネルモジュールを通過した前記空気を前記空間へ吹き出す吹出口と、湿度と前記ファンの運転時間の関係を定めた設定テーブルと、を含む空調システムにおいて、
    冷房運転の終了後に前記ファンを、前記冷房運転の終了時における前記空間の湿度と、前記設定テーブルとに基づく当該湿度に応じた運転時間だけ運転する、
    制御方法。
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