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JP6766345B2 - 発泡用積層体及び発泡積層体 - Google Patents

発泡用積層体及び発泡積層体 Download PDF

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JP6766345B2 JP2015228916A JP2015228916A JP6766345B2 JP 6766345 B2 JP6766345 B2 JP 6766345B2 JP 2015228916 A JP2015228916 A JP 2015228916A JP 2015228916 A JP2015228916 A JP 2015228916A JP 6766345 B2 JP6766345 B2 JP 6766345B2
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Description

本発明は、生産性が高く、かつ、良好な断熱性と発泡外観を示す発泡用積層体及び発泡積層体に関するものである。
従来から、断熱性を有する容器として、合成樹脂、特にポリスチレンを発泡させたものが多く使用されている。しかし、発泡ポリスチレン容器は、廃棄時の環境への負荷が高い、印刷適性に劣るなどの欠点があり、他の素材への代替が検討されている。そのような中、紙カップ胴部の外周面にコルゲートした紙を貼り合わせて断熱層を形成した容器、同紙カップの胴部外周面にパルプ製の不織布とコート紙との積層体を接合した容器などが開発され、使用されている。
しかしながら、いずれの方法も加工、成形が容易でなく、コスト高になるという欠点があった。そこで、水分を含んだ基材の少なくとも一面に低融点の熱可塑性合成樹脂フィルムをラミネートし、加熱することにより、基材に含まれている水分を利用して合成樹脂フィルムを凹凸に発泡させる技術が考案された(例えば、特許文献1〜3参照。)。しかし、このようにして得られる材料は、発泡層の厚みが薄く、断熱性が不十分であった。
また、容器胴部材及び底板部材からなり、容器胴部材及び底板部材の原紙の内壁面に高融点の熱可塑性合成樹脂フィルムをラミネートしてあると共に容器胴部材の原紙の外壁面に低融点の熱可塑性合成樹脂フィルムをラミネートしてあり、この低融点の熱可塑性合成樹脂フィルムを加熱処理して発泡してある断熱紙容器が提案されている(例えば、特許文献4参照。)。
しかし、内壁面に高融点の熱可塑性合成樹脂を有する断熱紙容器では、断熱性は良好なものの、低融点の熱可塑性樹脂をラミネートする際の加工速度を上昇させると発泡外観が悪化し、生産性に劣っていた。
また、発泡外観が優れる断熱紙容器として、少なくとも紙の片面に特定のメルトマスフローレートを有する低密度ポリエチレンを発泡させた発泡層を有する断熱紙容器が提案されている(例えば、特許文献5〜6参照)。
しかし、メルトマスフローレートのみを制御した低密度ポリエチレンを用いたとしても、ラミネート成形時の加工速度を上昇した際には発泡外観が悪化することは解消されず、生産性に劣っていた。
特公昭48−32283号公報 特開昭57−110439号公報 特開2001−270571号公報 特開2004−58534号公報 特許第5197983号公報 特開2015−171794号公報
本発明の目的は、生産性が高く、かつ、良好な断熱性と発泡外観を示す発泡用積層体及び発泡積層体を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の発泡積層体が、生産性が高く、かつ、優れた断熱性と発泡外観を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、少なくとも(A)層/紙基材層/(B)層を含み、(A)層が(i)〜(iii)を満たす低密度ポリエチレン(a)、(B)層がJIS K6922−1(1997年)により測定された密度が930kg/m以上970kg/m以下であるポリエチレン系樹脂(b)から構成されることを特徴とする発泡用積層体に関するものである。
(i)JIS K6922−1(1997年)により測定したメルトマスフローレートが5g/10分以上30g/10分以下
(ii)JIS K6922−1(1997年)により測定した密度が910kg/m以上923kg/m以下
(iii)235℃で測定したスウェル比(SR)が1.55以上1.70未満
また、上記発泡用積層体の(A)層が発泡していることを特徴とする発泡積層体に関するものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の積層体を構成する低密度ポリエチレン(a)は、高圧法低密度ポリエチレン(c)、直鎖状低密度ポリエチレン(d)又はこれらの組成物から構成される。
高圧法低密度ポリエチレン(c)は、従来公知の高圧法ラジカル重合法により得ることができる。
直鎖状低密度ポリエチレン(d)は、チーグラー・ナッタ触媒やフィリップス触媒、メタロセン触媒を用いた高・中・低圧イオン重合法により、エチレンとα−オレフィンを共重合することで得ることができる。
直鎖状低密度ポリエチレン(d)に用いるα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセンなどを挙げることができ、これらの1種または2種以上が用いられる。
低密度ポリエチレン(a)のJIS K6922−1(1997年)により測定された密度(以下、単に密度と略す)は、断熱性及び発泡外観に優れるため、910〜923kg/mの範囲であり、より好ましくは914〜923kg/m、さらに好ましくは916〜920kg/mの範囲である。低密度ポリエチレン(a)の密度が910kg/m未満では、発泡外観に劣るため好ましくなく、923kg/mを超える範囲では、断熱性に劣るため好ましくない。
また、低密度ポリエチレン(a)のJIS K6922−1(1997年)により測定したメルトマスフローレート(以下、単にMFRと略す)は、5〜30g/10分の範囲であり、断熱性及び発泡外観に優れることから、12〜24g/10分の範囲が好ましく、より好ましくは12〜18g/10分、最も好ましくは12〜16g/10分の範囲である。低密度ポリエチレン(a)のMFRが5g/10分未満の範囲では、発泡外観に劣るため好ましくなく、30g/10分を超える範囲ではラミネート加工性に劣るため好ましくない。
本発明を構成する低密度ポリエチレン(a)の235℃で測定したスウェル比(以下単にSRと略す)は1.55以上1.70未満の範囲であり、より好ましくは1.55〜1.65、最も好ましくは1.61〜1.65の範囲である。低密度ポリエチレン(a)のSRが1.55未満の範囲では、ラミネート加工性、発泡外観に劣ることから好ましくなく、1.70以上の範囲では、生産性、発泡外観に劣るため好ましくない。
このSRは、JIS K6922−1(1997年)で使用されるメルトインデクサーを用い、温度235℃、押出量3g/分の条件にて装置に充填された樹脂をオリフィスより押出し、オリフィス直下に設置したイソプロパノールを入れたメスシリンダーでストランド状の押出物を採取し、ストランドの径(D)をメルトインデクサーのオリフィス径(D)で除すことにより求められる。
本発明を構成する低密度ポリエチレン(a)は、生産性、発泡性能に優れることから、MFRとSRが下式(1)の関係式を満たすことが好ましく、より好ましくは下式(2)の関係式を満たし、最も好ましくは下式(3)を満たす。
SR<−1.25×log(MFR)+3.21 (1)
SR<−1.25×log(MFR)+3.15 (2)
SR<−1.25×log(MFR)+3.09 (3)
ここで、logは常用対数を表す。
本発明を構成する低密度ポリエチレン(a)には、エチレン・α−オレフィン共重合体などの他のポリオレフィンを配合してもよいが、発泡外観に優れることから、(A)層は高圧法低密度ポリエチレン(c)のみから構成されることが好ましい。
本発明の積層体を構成する低密度ポリエチレン(a)にポリオレフィンを混合する時は、低密度ポリエチレン(a)のペレットとポリオレフィンのペレットを固体状態で混合したペレット混合物であってもよいが、単軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリー等で溶融混練した混合物の方が、品質の安定した製品が得られるので好ましい。溶融混練装置を用いる場合、溶融温度はポリオレフィン系樹脂の融点〜300℃程度が好ましい。
また、本発明の積層体を構成する低密度ポリエチレン(a)には、必要に応じて、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤等、ポリオレフィン樹脂に一般に用いられている添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で添加してもかまわない。
本発明の積層体を構成するポリエチレン系樹脂(b)の密度は、断熱性、発泡の安定性に優れることから、930〜970kg/mの範囲であり、より好ましくは935〜970kg/mの範囲であり、最も好ましくは945〜965kg/mの範囲である。ポリエチレン系樹脂(b)の密度が930kg/m未満では、断熱性に劣るため好ましくなく、970kg/mを超える範囲では、発泡外観に劣るため好ましくない。
本発明の積層体を構成するポリエチレン系樹脂(b)としては、エチレン単独重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体又はこれらの組成物であり、その分子鎖の形態は直鎖状でもよく、分岐を有していてもよい。このようなポリエチレン系樹脂(b)は、特に限定されるものではなく、前記密度範囲を外れなければよい。
エチレン単独重合体としては、中・低圧法エチレン単独重合体、高圧法低密度ポリエチレンが例示することができる。中・低圧法エチレン単独重合体は、従来公知の中・低圧イオン重合法により得ることができる。また、高圧法低密度ポリエチレンは、従来公知の高圧ラジカル重合法により得ることができる。
エチレン・α−オレフィン共重合体に用いるα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセンなどを挙げることができ、これらの1種または2種以上が用いられる。
エチレン・α−オレフィン共重合体を得るための方法は特に限定するものではなく、チーグラー・ナッタ触媒やフィリップス触媒、メタロセン触媒を用いた高・中・低圧イオン重合法などを例示することができる。このような共重合体は、市販品の中から便宜選択することができる。
これらの中で、ラミネート成形性に優れることから、密度が930〜980kg/mである中・高密度ポリエチレン(e)10〜90重量%とMFRが1〜20g/10分、SRが1.50〜2.20である高圧法低密度ポリエチレン(f)90〜10重量%を含むエチレン系樹脂組成物(g)((e)と(f)の合計は100重量%)であることが好ましい。
中・高密度ポリエチレンは、従来公知の中・低圧イオン重合法により得られるエチレン単独重合体、チーグラー・ナッタ触媒やフィリップス触媒、メタロセン触媒を用いた高・中・低圧イオン重合法などにより得られるエチレン・α−オレフィン共重合体が例示される。
また、中・高密度ポリエチレン(e)において、エチレン系樹脂組成物(g)のラミネート加工性に優れることから、MFRは6〜100g/10分の範囲が好ましく、より好ましくは8〜60g/10分の範囲である。
さらに、中・高密度ポリエチレン(e)の密度は、エチレン系樹脂組成物(g)のラミネート加工性、生産性に優れるため、945〜975kg/mがより好ましい。
高圧法低密度ポリエチレン(f)のMFRは、エチレン系樹脂組成物(g)の押出ラミネート加工性に優れるため、0.3〜10g/10分の範囲がより好ましく、最も好ましくは1〜4g/10分の範囲である。
また、高圧法低密度ポリエチレン(f)において、エチレン系樹脂組成物(g)の製膜安定性に優れることから、密度は910〜935kg/mの範囲が好ましい。
さらに、高圧法低密度ポリエチレン(f)のSRは、エチレン系樹脂組成物(g)の製膜安定性に優れることから、1.75〜2.20の範囲がより好ましく、最も好ましくは1.90〜2.20の範囲である。
エチレン系樹脂組成物(g)のMFRは、ラミネート成形性に優れるため、1〜50g/10分の範囲が好ましく、さらに好ましくは3〜20g/10分の範囲である。
また、本発明を構成するポリエチレン系樹脂(b)には、ポリプロピレンなどの他のポリオレフィンを配合してもよく、これらのポリオレフィンの配合比は1〜30重量%がラミネート成形性と積層体外観の点から好ましい。
本発明の積層体を構成するポリエチレン系樹脂(b)にポリオレフィンを混合する時は、ポリエチレン系樹脂(b)のペレットとポリオレフィンのペレットを固体状態で混合したペレット混合物であってもよいが、単軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリー等で溶融混練した混合物の方が、品質の安定した製品が得られるので好ましい。溶融混練装置を用いる場合、溶融温度はポリエチレン系樹脂の融点〜300℃程度が好ましい。
さらに、本発明を構成するポリエチレン系樹脂(b)には、必要に応じて、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤等、ポリオレフィン樹脂に一般に用いられている添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で添加してもかまわない。
本発明の積層体を構成する(A)層の発泡前の厚みは、本発明の目的が達成される限りにおいて特に制限はないが、発泡外観に優れることから、60〜150μmの範囲が好ましく、より好ましくは、80〜120μm、更に好ましくは、80〜100μmである。
また、(B)層の厚みは、本発明の目的が達成される限りにおいて特に制限はないが、発泡性に優れ、破損などの問題が小さいことから、20〜100μmの厚みであることが好ましく、経済性の観点から、20〜50μmの範囲が最も好適である。
本発明の積層体を構成する(A)層の厚みは、断熱性に優れるため、800μm以上が好ましく、より好ましくは900μm以上、最も好ましくは1000μm以上である。
本発明の積層体を構成する紙基材については特に限定はないが、低密度ポリエチレン(a)の発泡倍率を向上させることができるため、紙基材の坪量は150〜400g/mが好ましく、更に好ましくは、250〜350g/mである。
このような紙基材に含まれる水分については特に制限はないが、低密度ポリエチレン(a)の発泡倍率が向上することから、15〜30g/mであることが好ましく、より好ましくは20〜30g/m、最も好ましくは20〜26g/mである。
本発明の積層体を得る手法として、低密度ポリエチレン(a)及びポリエチレン系樹脂(b)を押出ラミネート加工する方法が例示されるが、加工が容易なことから、低密度ポリエチレン(a)とポリエチレン系樹脂(b)をタンデムラミネート加工する手法が好ましい。
押出ラミネート成形法により積層体を得る手法として、シングルラミネート加工法、タンデムラミネート加工法、サンドウィッチラミネート加工法、共押出ラミネート加工法などの各種押出ラミネート加工法を例示することができる。押出ラミネート法における樹脂の温度は260〜350℃の範囲が好ましく、冷却ロールの表面温度は10〜50℃の範囲が好ましい。
また、押出ラミネート加工において、ポリエチレン系樹脂を溶融状態で押出し層とした直後に、該層の基材接着面を含酸素気体又は含オゾン気体に曝し、基材と貼り合わせる手法を用いると、基材層との接着性に優れることから好ましい。含オゾン気体により熱可塑製樹脂と基材との接着性を向上させる場合は、オゾンガスの処理量としては、ダイより押出された熱可塑製樹脂よりなるフィルム1m当たり0.5mg以上のオゾンを吹き付けることが好ましい。
本発明の積層体を得る手法における押出ラミネート加工法は、熱可塑製樹脂層と基材層との接着性をさらに向上させるため、ポリエチレン系樹脂が発泡しない程度の温度、例えば3〜60℃の温度で10時間以上熱処理することができる。また必要に応じて、紙基材の接着面に対してコロナ処理、フレーム処理、プラズマ処理などの公知の表面処理を施してもよい。また、必要であれば紙基材にアンカーコート剤を塗布しても良い。
本発明の積層体を得る手法として、発泡積層体の断熱性及び経済性に優れるため、ポリエチレン系樹脂を紙基材層に積層する前に、紙基材の片面又は両面に水を塗布してもよい。
水分を塗布する手法は、本発明の目的が達成される限りにおいて特に限定はなく、ロールコート装置、リップコート装置、スプレー装置、ダイコート装置、グラビア装置、ダンプニング装置などを用いた手法が例示することができる。水の塗布量が均一になるため、ダンプニング装置を用いた手法が好ましい。
このようなダンプニング装置は、例えば、鈴木産業(株)より商品名「ハイローターS」が、ニッカ(株)より商品名「WEKOローターダンプニング」が、東機エレクトロニクス(株)より商品名「TSD−3000」が販売されている。特に、水の塗布ムラがなく品質が安定することから、「ハイローターS」を用いることが好ましい。
本発明における水の塗布量は、本発明の目的が達成される限りにおいて特に限定はないが、低密度ポリエチレン(a)の発泡倍率が高くでき、かつ、紙基材と低密度ポリエチレン(a)及び/またはポリエチレン系樹脂(b)との接着強度が低下しないことから、1.5g/m以上30g/m以下が好ましく、3g/m以上15g/m以下がより好ましい。
本発明の積層体を加熱することにより、(A)層が発泡した発泡積層体を得ることができる。
加熱発泡により本発明の積層体を得る手法における加熱方法としては、熱風、電熱、電子線の他、積層体を容器状に成形し、高温の物体を内填して充填物の熱を利用するなど、任意の手段を使用できる。加熱は、オーブン内で回分式に行う手法、コンベアなどにより連続的に行う手法などにより行うことができる。
加熱する熱源としては、本目的が達成される限りにおいて特に限定はなく、積層体及び成形した容器では熱風、電熱、電子線などが例示でき、積層体を成形した容器では高温の物体を内填して充填物の熱を利用するなどが例示できる。また、加熱方法は、オーブン内で回分式に行う手法、コンベアなどにより連続的に行う手法などにより行うことができる。
加熱温度、加熱時間などの条件は、本発明の目的が達成される限りにおいて特に限定はなく、一般的に、熱風を熱源とする場合は、加熱温度は低密度ポリエチレン(a)の融点以上150℃以下、風量は0.5〜2.0m/時、加熱時間は10秒〜6分間である。
本発明の積層体は、少なくとも(A)層/紙基材/(B)層を含むことを特徴とするものであり、(A)層と紙基材と(B)層の3成分のみからなるものだけでなく他の成分、例えば(C)層を含んでいてもよい。具体的には、(A)層/紙基材/(B)層、(A)層/紙基材/(B)層/(A)層、(B)層/紙基材/(A)層/(B)層、(A)層/紙基材/(B)層/(B)層、(A)層/(A)層/紙基材/(B)層、(A)層/紙基材/(B)層/(C)層、(B)層/紙基材/(A)層/(C)層、(C)層/(B)層/紙基材/(A)層/(B)層/(C)層、(A)層/紙基材/(B)層/(C)層/(B)層/(A)層、(B)層/紙基材/(A)層/(C)層/(A)層/(B)層などが例示される。なお、層の間の記号/は、隣接する層であることを表している。
(C)層としては、合成高分子重合体から形成される層や織布、不織布、金属箔、紙類、セロファン等が挙げられる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド系樹脂、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、アイオノマー等のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブテン、アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリウレタン、セルロース系樹脂など合成高分子重合体から形成される層等が挙げられる。更に、これらの高分子重合体フィルム及びシートはさらにアルミ蒸着、アルミナ蒸着、二酸化珪素蒸着、アクリル処理されたものでもよい。また、これらの高分子重合体フィルム及びシートはさらにウレタン系インキ等を用い印刷されたものでもよい。金属箔としては、アルミ箔、銅箔などが例示でき、また、紙類としてはクラフト紙、上質紙、伸張紙、グラシン紙、カップ原紙や印画紙原紙等の板紙などが挙げられる。
本発明の発泡用積層体は、生産性が高く、かつ、発泡させると良好な断熱性と発泡外観を示す発泡積層体となる 本発明の発泡積層体は、少なくとも胴部材に使用した断熱紙容器として用いられる。
本願実施例の高圧法低密度ポリエチレン(a)のMFRとSRの関係を示す。。
以下、実施例および比較例により本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1)密度
密度は、JIS K6922−1(1997年)に準拠して測定した。
(2)メルトマスフローレート(MFR)
MFRは、JIS K6922−1(1997年)に準拠して測定した。
(3)スウェル比(SR)
JIS K6922−1(1997年)で使用されるメルトインデクサーを用い、温度235℃、押出量3g/分の条件にて装置に充填された樹脂をオリフィスより押出し、オリフィス直下に設置したイソプロパノールを入れたメスシリンダーでストランド状の押出物を採取し、ストランドの径(D)をメルトインデクサーのオリフィス径(D)で除すことにより求めた。
(4)加熱発泡
実施例により得られた積層体を10cm×20cmに切り出し円筒状に成形したサンプルを、所定の温度に加熱したギア老化試験機(安田精機製作所製 No.102−SHF−77)中で熱風をあてながら所定の時間静置した後、取り出して空気中で室温まで冷却した。
(5)紙基材の水分量
ポリエチレン系樹脂の積層前の紙基材について、カールフィッシャー法水分測定装置(三菱化学(株)製、商品名CA−05)を使用し測定した。測定温度は165℃である。
(6)発泡層厚み
実施例により得られた発泡体、及びブランクとして発泡させる前のラミネート積層体をサンプル取りし、光学顕微鏡により断面写真を撮影した。断面写真から発泡層の厚みを測定し、5箇所で測定した。(7)発泡表面の状態
得られた発泡体の表面の平滑性を目視で観測した。表面の平滑性が良好である場合を◎、やや良好である場合を○、良好であるもののやや劣る場合を△、不良の場合を×とした。
実施例1
(A)層の樹脂として、MFRが14g/10分、密度が917kg/m、SRが1.64である高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、A1)を、(B)層の樹脂として、MFRが7g/10分、密度が940kg/mである高密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン LW04−1)(B1)を使用した。
まず、(A1)を直径90mmφのスクリューを有する単軸押出ラミネーター(ムサシノキカイ(株)製)へ供給し、320℃の温度でTダイより押し出し、水分量が24.0g/mであり、坪量320g/mである紙基材上に引き取り速度が80m/分、エアギャップ長さが130mmで70μmの厚さになるよう押出ラミネート成形を行った。さらに、(B1)を直径90mmφのスクリューを有する単軸押出機(ムサシノキカイ(株)製)へ供給し、320℃の温度、80m/分の引き取り速度、130mmのエアギャップ長さで、(B1)の厚みが40μmとなるように押出し、高圧法低密度ポリエチレン(A1)、紙基材、高密度ポリエチレン(B1)の順に積層されてなる積層体を得た。得られた積層体を120℃、5分間加熱して発泡させ、発泡積層体を得た。得られた発泡積層体について、発泡層の厚み、発泡表面の状態を評価した。評価の結果を表1に示す。発泡後の発泡層の厚み、発泡層の平滑性はともに良好であった。
実施例2
(A)層の樹脂として、MFRが14g/10分、密度が917kg/m、SRが1.64である高圧法低密度ポリエチレン(A1)を50重量%、MFRが14g/10分、密度が917kg/m、SRが1.74である高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、A2)を50重量%になるよう配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径50mm)にて溶融混練した高圧法低密度ポリエチレン(A3、MFR 14g/10分、密度 917kg/m、SR 1.68)を使用した以外は、実施例1と同様の手法により発泡積層体を得た。得られた発泡積層体について、発泡層厚み及び発泡外観を評価した。評価の結果を表1に示す。
実施例3
(A)層の樹脂として、MFRが14g/10分、密度が917kg/m、SRが1.74である高圧法低密度ポリエチレン(A2)を55重量%、MFRが24g/10分、密度が918kg/m、SRが1.45である高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、A4)を45重量%になるよう配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径50mm)にて溶融混練した高圧法低密度ポリエチレン(A5、MFR 18g/10分、密度 918kg/m、SR 1.66)を使用した以外は、実施例1と同様の手法により発泡積層体を得た。得られた発泡積層体について、発泡層厚み及び発泡外観を評価した。評価の結果を表1に示す。
実施例4
(A)層の樹脂として、MFRが14g/10分、密度が917kg/m、SRが1.64である高圧法低密度ポリエチレン(A1)を60重量%、MFRが24g/10分、密度が918kg/m、SRが1.45である高圧法低密度ポリエチレン(A4)を40重量%になるよう配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径50mm)にて溶融混練した高圧法低密度ポリエチレン(A6、MFR 18g/10分、密度 917kg/m、SR 1.62)を使用した以外は、実施例1と同様の手法により発泡積層体を得た。得られた発泡積層体について、発泡層厚み及び発泡外観を評価した。評価の結果を表1に示す。
Figure 0006766345
実施例記載の高圧法低密度ポリエチレン(a)のMFRとSRの関係を図1に示す。この図の通り、明細書記載の式(1)を満たす実施例4は、式(1)を満たさない実施例3よりも発泡外観に優れる。更に、式(2)を満たす実施例2はより発泡外観が優れ、式(3)を満たす実施例1は、より発泡層厚みに優れる。
なお、式(1)〜式(3)の傾きについては、密度が918kg/mと等しい高圧法低密度ポリエチレン(A2)、MFRが13g/10分、密度が918kg/m、SRが1.71である高圧法低密度ポリエチレン及びMFRが8g/10分、密度が918kg/m、SRが2.05である高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製)のMFRとSRの相関から算出した。
比較例1
(A)層の樹脂として、MFRが14g/10分、密度が917kg/m、SRが1.74である高圧法低密度ポリエチレン(A2)を使用した以外は、実施例1と同様の手法により発泡積層体を得た。得られた発泡積層体について、発泡層厚み及び発泡外観を評価した。評価の結果を表2に示す。発泡外観に劣っていた。
比較例2
(A)層の樹脂として、MFRが24g/10分、密度が918kg/m、SRが1.45である高圧法低密度ポリエチレン(A4)を使用した以外は、実施例1と同様の手法により発泡積層体を得た。得られた発泡積層体について、発泡層厚み及び発泡外観を評価した。評価の結果を表2に示す。発泡外観に劣っていた。
比較例3
(A)層の樹脂として、MFRが8g/10分、密度が924kg/m、SRが1.68である高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、A7)を使用した以外は、実施例1と同様の手法により発泡積層体を得た。得られた発泡積層体について、発泡層厚み及び発泡外観を評価した。評価の結果を表2に示す。発泡層厚みに劣っていた。
比較例4
(A)層の樹脂として、MFRが13g/10分、密度が918kg/m、SRが1.71である高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、A8)を使用した以外は、実施例1と同様の手法により発泡積層体を得た。得られた発泡積層体について、発泡層厚み及び発泡外観を評価した。評価の結果を表2に示す。発泡層外観に劣っていた。
比較例5
(A)層の樹脂として、MFRが13g/10分、密度が918kg/m、SRが1.84である高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、A9)を50重量%、MFRが24g/10分、密度が918kg/m、SRが1.45である高圧法低密度ポリエチレン(A4)を50重量%になるよう配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径50mm)にて溶融混練した高圧法低密度ポリエチレン(A10、MFR 18g/10分、密度 918kg/m、SR 1.71)を使用した以外は、実施例1と同様の手法により発泡前の積層体を得た。評価の結果を表2に示す。発泡外観に劣っていた。
比較例6
(A)層の樹脂として、MFRが58g/10分、密度が917kg/m、SRが1.26である高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、A11)を使用した以外は、実施例1と同様の手法により発泡前の積層体を得た。評価の結果を表2に示す。(A)層の成膜時にラミ厚みが安定せず、発泡積層体の評価ができなかった。
Figure 0006766345
本発明の発泡用積層体は、コーヒー、スープなどの高温飲料用の紙容器、インスタントラーメンなどの即席食品用の容器等、断熱性を求められる容器に好適に使用される。

Claims (6)

  1. 少なくとも(A)層/紙基材層/(B)層を含み、(A)層が(i)〜(iv)を満たす低密度ポリエチレン(a)、(B)層がJIS K6922−1(1997年)により測定された密度が930kg/m以上970kg/m以下であるポリエチレン系樹脂(b)から構成されることを特徴とする発泡用積層体。
    (i)JIS K6922−1(1997年)により測定したメルトマスフローレート(MFR)が5g/10分以上30g/10分以下
    (ii)JIS 6922−1(1997年)により測定した密度が910kg/m以上923kg/m以下
    (iii)235℃で測定したスウェル比(SR)が1.55以上1.70未満
    (iv)MFRとSRが下式(3)を満たす
    SR<−1.25×log(MFR)+3.09(3)
  2. 低密度ポリエチレン(a)のSRが1.55以上、1.65以下であることを特徴とする請求項1に記載の発泡用積層体。
  3. (A)層が高圧法低密度ポリエチレン(c)のみから構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の発泡用積層体。
  4. 請求項1乃至3いずれか一項に記載の発泡用積層体の(A)層が発泡していることを特徴とする発泡積層体。
  5. 請求項4に記載の発泡積層体を少なくとも胴部材に使用したことを特徴とする断熱紙容器。
  6. 上記低密度ポリエチレン(a)と上記紙基材との押出ラミネート成形速度、及び上記ポリエチレン系樹脂(b)と上記紙基材との押出ラミネート成形速度が80m/分以上である請求項1乃至3いずれか一項に記載の発泡用積層体の製造方法。
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