以下、本発明の冷凍装置が採用された一実施形態について、図面に基づいて説明する。
(1)全体概略構成
図1に、空気調和装置100の冷媒回路図を示す。図2に、空気調和装置100のブロック構成図を示す。図3に、制御部7のブロック構成図を示す。
本実施形態の空気調和装置100は、第1室外ユニット10と、第2室外ユニット20と、第1室内ユニット61と、第2室内ユニット65と、を備えている。
これらの第1室外ユニット10と、第2室外ユニット20と、第1室内ユニット61と、第2室内ユニット65とは、液側冷媒連絡配管5およびガス側冷媒連絡配管6を介して互いに接続されることで、冷媒回路3を構成している。本実施形態の冷媒回路3では、第1室内ユニット61と第2室内ユニット65とは、液側冷媒連絡配管5およびガス側冷媒連絡配管6を介して第1室外ユニット10および第2室外ユニット20に対して並列に接続されている。また、第1室外ユニット10と第2室外ユニット20とは、液側冷媒連絡配管5およびガス側冷媒連絡配管6を介して第1室内ユニット61および第2室内ユニット65に対して並列に接続されている。
この冷媒回路3には、冷凍サイクルを実行できるように、作動冷媒が封入されている。
この空気調和装置100は、制御部7によって運転制御や監視が行われる。ここで、制御部7は、第1室内ユニット61に設けられた第1室内側制御部61aと、第2室内ユニット65に設けられた第2室内側制御部65aと、第1室外ユニット10に設けられた第1室外側制御部10aと、第2室外ユニット20に設けられた第2室外側制御部20aと、コントローラ30と、が互いに通信可能に接続されることによって構成されている。
なお、本実施形態では、第1室外ユニット10と第2室外ユニット20のうち、第1室外ユニット10が親機として設定されている場合を例に説明する。
(2)第1室内ユニット61
第1室内ユニット61は、第1室内熱交換器62と、第1室内膨張弁64と、第1室内ファン63と、第1室内ファンモータ63aと、第1ガス側温度センサ71と、第1液側温度センサ72と、第1室内側制御部61aと、を有している。
第1室内熱交換器62は、冷媒回路3の一部を構成している。第1室内熱交換器62のガス側の端部は、後述するガス側冷媒連絡配管6の端部である点Yから伸びる冷媒配管と接続されている。第1室内熱交換器62の液側の端部は、後述する液側冷媒連絡配管5の端部である点Xから伸びる冷媒配管と接続されている。
第1室内膨張弁64は、冷媒回路3内において、第1室内熱交換器62の液側(具体的には、第1室内熱交換器62の液側の端部と点Xとを繋ぐ冷媒配管の途中)に設けられている。第1室内膨張弁64は、特に限定されないが、例えば、通過する冷媒量や減圧程度を調節するために弁開度を調節可能な電動膨張弁とすることができる。
第1室内ファン63は、第1室内熱交換器62に対して空調対象空間(室内)の空気を送り、第1室内熱交換器62を通過した空気を再び空調対象空間に戻す空気流れを形成させる。この第1室内ファン63は、第1室内ファンモータ63aが駆動制御されることにより、風量が調節される。
第1ガス側温度センサ71は、ガス側冷媒連絡配管6の点Yと第1室内熱交換器62のガス側との間の冷媒配管に取り付けられており、第1室内熱交換器62のガス側端部を通過する冷媒の温度を検知する。
第1液側温度センサ72は、第1室内膨張弁64と第1室内熱交換器62の液側との間の冷媒配管に取り付けられており、第1室内熱交換器62の液側端部を通過する冷媒の温度を検知する。
第1室内側制御部61aは、第1室内ユニット61に設けられており、上述の制御部7の一部を構成している。この第1室内側制御部61aは、第1室内メモリ61b、および、CPU、ROM、RAM等を有して構成されている。第1室内側制御部61aは、第1室内膨張弁64の弁開度の制御や、第1室内ファンモータ63aによる第1室内ファン63の風量制御や、第1ガス側温度センサ71の検知温度の把握、第1液側温度センサ72の検知温度の把握等を行う。第1室内メモリ61bには、第1室内熱交換器62の容積の値が格納されている。
(3)第2室内ユニット65
第2室内ユニット65は、第1室内ユニット61と同様であり、第2室内熱交換器66と、第2室内膨張弁68と、第2室内ファン67と、第2室内ファンモータ67aと、第2ガス側温度センサ73と、第2液側温度センサ74と、第2室内側制御部65aと、を有している。
第2室内熱交換器66は、冷媒回路3の一部を構成している。第2室内熱交換器66のガス側の端部は、後述するガス側冷媒連絡配管6の端部である点Yから伸びる冷媒配管(第1室内熱交換器62側に伸びるものとは別の冷媒配管)と接続されている。第2室内熱交換器66の液側の端部は、後述する液側冷媒連絡配管5の端部である点Xから伸びる冷媒配管(第1室内熱交換器62側に伸びるものとは別の冷媒配管)と接続されている。
第2室内膨張弁68は、冷媒回路3内において、第2室内熱交換器66の液側(具体的には、第2室内熱交換器66の液側の端部と点Xとを繋ぐ冷媒配管の途中)に設けられている。第2室内膨張弁68は、特に限定されないが、第1室内膨張弁64と同様に、例えば、通過する冷媒量や減圧程度を調節するために弁開度を調節可能な電動膨張弁とすることができる。
第2室内ファン67は、第2室内熱交換器66に対して空調対象空間(室内)の空気を送り、第2室内熱交換器66を通過した空気を再び空調対象空間に戻す空気流れを形成させる。この第2室内ファン67は、第2室内ファンモータ67aが駆動制御されることにより、風量が調節される。
第2ガス側温度センサ73は、ガス側冷媒連絡配管6の点Yと第2室内熱交換器66のガス側との間の冷媒配管に取り付けられており、第2室内熱交換器66のガス側端部を通過する冷媒の温度を検知する。
第2液側温度センサ74は、第2室内膨張弁68と第2室内熱交換器66の液側との間の冷媒配管に取り付けられており、第2室内熱交換器66の液側端部を通過する冷媒の温度を検知する。
第2室内側制御部65aは、第2室内ユニット65に設けられており、上述の制御部7の一部を構成している。この第2室内側制御部65aは、第2室内メモリ65b、および、CPU、ROM、RAM等を有して構成されている。第2室内側制御部65aは、第2室内膨張弁68の弁開度の制御や、第2室内ファンモータ67aによる第2室内ファン67の風量制御や、第2ガス側温度センサ73の検知温度の把握、第2液側温度センサ74の検知温度の把握等を行う。第2室内メモリ65bには、第2室内熱交換器66の容積の値が格納されている。
(4)第1室外ユニット10
第1室外ユニット10は、第1圧縮機11、第1四路切換弁12、第1室外熱交換器13、第1室外ファン14、第1室外ファンモータ14a、第1室外膨張弁15、第1アキュームレータ19、第1吐出温度センサ51a、第1吐出圧力センサ51b、第1吸入温度センサ52a、第1吸入圧力センサ52b、第1室外熱交温度センサ53、第1外気温度センサ54、第1室外側制御部10aを有している。
第1圧縮機11は、周波数制御が可能な圧縮機であり、運転容量が可変である。
第1四路切換弁12は、4つの接続ポートを有しており、そのうちの2つずつを互いに接続する。この第1四路切換弁12は、接続状態を切り換えることにより、第1室外ユニット10について冷房運転状態と暖房運転状態とを切り換えることができる。第1室外ユニット10の冷房運転状態では、第1圧縮機11の吸入側がガス側冷媒連絡配管6側となり、第1圧縮機11から吐出される冷媒が第1室外熱交換器13側に導かれるように、第1四路切換弁12が切り換えられる。第1室外ユニット10の暖房運転状態では、第1圧縮機11の吸入側が第1室外熱交換器13側となり、第1圧縮機11から吐出される冷媒がガス側冷媒連絡配管6側に導かれるように、第1四路切換弁12が切り換えられる。
第1室外熱交換器13は、第1室外ユニット10が冷房運転状態である場合には冷媒の放熱器(凝縮器)として機能することが可能であり、第1室外ユニット10が暖房運転状態である場合には冷媒の蒸発器として機能することが可能な熱交換器である。この第1室外熱交換器13は、特に限定されないが、例えば、複数の伝熱フィンと伝熱管によって構成されている。
第1室外ファン14は、第1室外ファンモータ14aが駆動することによって回転し、第1室外熱交換器13に対して屋外の空気を供給する。
第1室外膨張弁15は、第1室外熱交換器13の液側(第1室外熱交換器13の液側と液側冷媒連絡配管5との間)に設けられている。第1室外膨張弁15は、特に限定されないが、例えば、通過する冷媒の量や減圧程度を調節することが可能な電動膨張弁とすることができる。
第1アキュームレータ19は、第1四路切換弁12の接続ポートの1つと第1圧縮機11の吸入側との間に設けられた冷媒容器である。
第1吐出温度センサ51aは、第1圧縮機11の吐出側と第1四路切換弁12の接続ポートの1つとの間を流れる冷媒の温度を検知する。
第1吐出圧力センサ51bは、第1圧縮機11の吐出側と第1四路切換弁12の接続ポートの1つと間を流れる冷媒の圧力を検知する。
第1吸入温度センサ52aは、第1圧縮機11の吸入側と第1四路切換弁12の接続ポートの1つとの間を流れる冷媒の温度を検知する。
第1吸入圧力センサ52bは、第1圧縮機11の吸入側と第1四路切換弁12の接続ポートの1つとの間を流れる冷媒の圧力を検知する。
第1室外熱交温度センサ53は、第1室外熱交換器13を流れる冷媒の温度を検知する。
第1外気温度センサ54は、第1室外熱交換器13を通過する前の室外の空気の温度を外気温度として検知する。
第1室外側制御部10aは、第1室外ユニット10に設けられており、上述の制御部7の一部を構成している。この第1室外側制御部10aは、第1室外メモリ10b、および、CPU、ROM、RAM等を有して構成されている。第1室外側制御部10aは、第1圧縮機11の駆動周波数の制御や、第1四路切換弁12の接続状態の切り換えや、第1室外ファンモータ14aによる第1室外ファン14の風量制御や、第1室外膨張弁15の弁開度の制御や、第1吐出温度センサ51aの検知温度の把握、第1吐出圧力センサ51bの検知温度の把握、第1吸入温度センサ52aの検知温度の把握、第1吸入圧力センサ52bの検知温度の把握、第1室外熱交温度センサ53の検知温度の把握、第1外気温度センサ54の検知温度の把握等を行う。第1室外メモリ10bには、第1室外熱交換器13の容積の値が格納されている。
(5)第2室外ユニット20
第2室外ユニット20は、以下に述べるように、第1室外ユニット10と同様に構成されている。
第2室外ユニット20は、第2圧縮機21、第2四路切換弁22、第2室外熱交換器23、第2室外ファン24、第2室外ファンモータ24a、第2室外膨張弁25、第2アキュームレータ29、第2吐出温度センサ56a、第2吐出圧力センサ56b、第2吸入温度センサ57a、第2吸入圧力センサ57b、第2室外熱交温度センサ58、第2外気温度センサ59、第2室外側制御部20aを有している。
第2圧縮機21は、周波数制御が可能な圧縮機であり、運転容量が可変である。
第2四路切換弁22は、4つの接続ポートを有しており、そのうちの2つずつを互いに接続する。この第2四路切換弁22は、接続状態を切り換えることにより、第2室外ユニット20について冷房運転状態と暖房運転状態とを切り換えることができる。第2室外ユニット20の冷房運転状態では、第2圧縮機21の吸入側がガス側冷媒連絡配管6側となり、第2圧縮機21から吐出される冷媒が第2室外熱交換器23側に導かれるように、第2四路切換弁22が切り換えられる。第2室外ユニット20の暖房運転状態では、第2圧縮機21の吸入側が第2室外熱交換器23側となり、第2圧縮機21から吐出される冷媒がガス側冷媒連絡配管6側に導かれるように、第2四路切換弁22が切り換えられる。
第2室外熱交換器23は、第2室外ユニット20が冷房運転状態である場合には冷媒の放熱器(凝縮器)として機能することが可能であり、第2室外ユニット20が暖房運転状態である場合には冷媒の蒸発器として機能することが可能な熱交換器である。この第2室外熱交換器23は、特に限定されないが、例えば、複数の伝熱フィンと伝熱管によって構成されている。
第2室外ファン24は、第2室外ファンモータ24aが駆動することによって回転し、第2室外熱交換器23に対して屋外の空気を供給する。
第2室外膨張弁25は、第2室外熱交換器23の液側(第2室外熱交換器23の液側と液側冷媒連絡配管5との間)に設けられている。第2室外膨張弁25は、特に限定されないが、例えば、通過する冷媒の量や減圧程度を調節することが可能な電動膨張弁とすることができる。
第2アキュームレータ29は、第2四路切換弁22の接続ポートの1つと第2圧縮機21の吸入側との間に設けられた冷媒容器である。
第2吐出温度センサ56aは、第2圧縮機21の吐出側と第2四路切換弁22の接続ポートの1つとの間を流れる冷媒の温度を検知する。
第2吐出圧力センサ56bは、第2圧縮機21の吐出側と第2四路切換弁22の接続ポートの1つと間を流れる冷媒の圧力を検知する。
第2吸入温度センサ57aは、第2圧縮機21の吸入側と第2四路切換弁22の接続ポートの1つとの間を流れる冷媒の温度を検知する。
第2吸入圧力センサ57bは、第2圧縮機21の吸入側と第2四路切換弁22の接続ポートの1つとの間を流れる冷媒の圧力を検知する。
第2室外熱交温度センサ58は、第2室外熱交換器23を流れる冷媒の温度を検知する。
第2外気温度センサ59は、第2室外熱交換器23を通過する前の室外の空気の温度を外気温度として検知する。
第2室外側制御部20aは、第2室外ユニット20に設けられており、上述の制御部7の一部を構成している。この第2室外側制御部20aは、第2室外メモリ20b、および、CPU、ROM、RAM等を有して構成されている。第2室外側制御部20aは、第2圧縮機21の駆動周波数の制御や、第2四路切換弁22の接続状態の切り換えや、第2室外ファンモータ24aによる第2室外ファン24の風量制御や、第2室外膨張弁25の弁開度の制御や、第2吐出温度センサ56aの検知温度の把握、第2吐出圧力センサ56bの検知温度の把握、第2吸入温度センサ57aの検知温度の把握、第2吸入圧力センサ57bの検知温度の把握、第2室外熱交温度センサ58の検知温度の把握、第2外気温度センサ59の検知温度の把握等を行う。第2室外メモリ20bには、第2室外熱交換器23の容積の値が格納されている。
(6)液側冷媒連絡配管5およびガス側冷媒連絡配管6
液側冷媒連絡配管5およびガス側冷媒連絡配管6は、第1室内ユニット61および第2室内ユニット65と、第1室外ユニット10および第2室外ユニット20と、を接続している。
液側冷媒連絡配管5は、第1室内ユニット61の第1室内膨張弁64から液側に伸びる配管と、第2室内ユニット65の第2室内膨張弁68から液側に伸びる配管と、が合流する点Xと、第1室外ユニット10の第1室外膨張弁15から液側に伸びる配管と、第2室外ユニット20の第2室外膨張弁25から液側に伸びる配管と、が合流する点Wと、を接続する配管であり、冷媒回路3の一部を構成している。
ガス側冷媒連絡配管6は、第1室内ユニット61の第1室内熱交換器62からガス側に伸びる配管と、第2室内ユニット65の第2室内熱交換器66からガス側に伸びる配管と、が合流する点Yと、第1室外ユニット10の第1四路切換弁12の接続ポートの1つからガス側に伸びる配管と、第2室外ユニット20の第2四路切換弁22の接続ポートの1つからガス側に伸びる配管と、が合流する点Zと、を接続する配管であり、冷媒回路3の一部を構成している。
なお、液側冷媒連絡配管5およびガス側冷媒連絡配管6は、第1室外ユニット10および第2室外ユニット20の設置位置から、第1室内ユニット61および第2室内ユニット65の設置位置まで延びており、冷媒回路3を構成する配管の中でも最も長いものである。
(7)コントローラ
コントローラ30は、上述の制御部7の一部を構成しており、コントローラメモリ31、および、CPU、ROM、RAM等を有している。コントローラ30は、冷媒回路3の動作に関する各種設定入力を受け付けると共に、冷媒回路3の各種状態を表示出力する。
なお、空気調和装置100を構成する室内ユニット61、65と室外ユニット10、20を接続して敷設した際に、敷設を行った者は、液側冷媒連絡配管5とガス側冷媒連絡配管6として、どのような配管長でどのような内径のものを選定したかを把握している。ここで、この敷設を行った者は、コントローラ30に対して、用いた液側冷媒連絡配管5の容積の情報と、用いたガス側冷媒連絡配管6の容積の情報と、を入力することができる。コントローラ30に入力された液側冷媒連絡配管5やガス側冷媒連絡配管6の情報は、コントローラメモリ31に格納される。液側冷媒連絡配管5やガス側冷媒連絡配管6の情報のコントローラ30への入力は、任意ではあるが、コントローラメモリ31に格納されている場合には、後述のデフロストモードの選択の際に、ガス側冷媒連絡配管6の情報が利用されることになる。
(8)冷房運転状態
冷房運転状態では、制御部7は、第1室内熱交換器62および第2室内熱交換器66が冷媒の蒸発器として機能しつつ、第1室外熱交換器13および第2室外熱交換器23が冷媒の放熱器(凝縮器)として機能するように、第1四路切換弁12および第2四路切換弁22の接続状態を切り換えて冷凍サイクルを実行する(図1の第1四路切換弁12および第2四路切換弁22における点線で示す接続状態参照)。具体的には、制御部7は、第1四路切換弁12の接続状態を、第1圧縮機11から吐出された冷媒を第1室外熱交換器13側に導き、第1室内ユニット61および第2室内ユニット65のガス側から流れてくる冷媒の一部を第1圧縮機11の吸入側に導く接続状態とし、第2四路切換弁22の接続状態を、第2圧縮機21から吐出された冷媒を第2室外熱交換器23側に導き、第1室内ユニット61および第2室内ユニット65のガス側から流れてくる冷媒の他の一部を第2圧縮機21の吸入側に導く接続状態として冷凍サイクルを行う。
冷房運転状態では、制御部7は、第1室外膨張弁15および第2室外膨張弁25がいずれも全開状態となるように制御する。そして、制御部7は、第1室内熱交換器62および第2室内熱交換器66のガス側を流れる冷媒の過熱度が目標過熱度となるように、第1室内膨張弁64および第2室内膨張弁68の各弁開度の制御を行う。
なお、第1圧縮機11および第2圧縮機21の駆動周波数や、第1室内ファンモータ63aおよび第2室内ファンモータ67aや、第1室外ファンモータ14aおよび第2室外ファンモータ24aは、それぞれの所定の制御条件を満たすように制御部7によって駆動制御される。
(7)暖房運転状態
暖房運転状態では、制御部7は、第1室外熱交換器13および第2室外熱交換器23が冷媒の蒸発器として機能しつつ、第1室内熱交換器62および第2室内熱交換器66が冷媒の放熱器(凝縮器)として機能するように、第1四路切換弁12および第2四路切換弁22の接続状態を切り換えて冷凍サイクルを実行する(図1の第1四路切換弁12および第2四路切換弁22における実線で示す接続状態参照)。具体的には、制御部7は、第1四路切換弁12の接続状態を、第1圧縮機11から吐出された冷媒が第1室内ユニット61および第2室内ユニット65のガス側に送られる冷媒の一部となるようにしつつ、第1室外熱交換器13から流れてくる冷媒を第1圧縮機11の吸入側に導く接続状態とし、第2四路切換弁22の接続状態を、第2圧縮機21から吐出された冷媒が第1室内ユニット61および第2室内ユニット65のガス側に送られる冷媒の他の一部となるようにしつつ、第2室外熱交換器23から流れてくる冷媒を第2圧縮機21の吸入側に導く接続状態として冷凍サイクルを行う。
暖房運転状態では、制御部7は、第1室内熱交換器62および第2室内熱交換器66の液側を流れる冷媒の過冷却度が目標過冷却度となるように、第1室内膨張弁64および第2室内膨張弁68の各弁開度の制御を行う。なお、制御部7は、第1室外熱交換器13や第2室外熱交換器23に送られる冷媒を減圧することができるように第1室外膨張弁15および第2室外膨張弁25の各弁開度を制御する。
なお、第1圧縮機11および第2圧縮機21の駆動周波数や、第1室内ファンモータ63aおよび第2室内ファンモータ67aや、第1室外ファンモータ14aおよび第2室外ファンモータ24aは、それぞれの所定の制御条件を満たすように制御部7によって駆動制御される。
(8)デフロスト運転
制御部7は、上述の暖房運転を行っている際に、制御部7が所定除霜条件が成立していると判断した場合にデフロスト運転を行う。
この所定除霜条件としては、特に限定されないが、例えば、外気温度と室外熱交換器の温度が所定の温度条件を満たす状態が所定時間以上継続して続いていること、とすることができる。この場合、制御部7は、第1外気温度センサ54または第2外気温度センサ59の検知温度によって外気温度を把握してもよい。また、制御部7は、第1室外熱交温度センサ53または第2室外熱交温度センサ58の検知温度によって室外熱交換器の温度を把握してもよい。なお、本実施形態では、制御部7は、第1室外熱交換器13と第2室外熱交換器23の少なくともいずれか一つのみについて所定除霜条件が成立した場合に、全ての室外熱交換器を順次または同時に除霜するように制御部7が構成されている。
(8−1)デフロストモードの判定
デフロスト運転では、上記所定除霜条件が成立した時点で、制御部7によって選択されているデフロストモードが実行される。
制御部7は、後述する交互デフロストモードおよび後述する逆デフロストモードの両方を実行可能に構成されている。
制御部7は、敷設または増設・変更等された空気調和装置100を構成する第1室内熱交換器62と第2室内熱交換器66の合計容積と、第1室外熱交換器13と第2室外熱交換器23の合計容積と、場合によってはガス側冷媒連絡配管6の容積と、を用いてデフロスト判定条件の判断を行い、判断結果に応じて、交互デフロストモードを選択して実行するか、逆サイクルデフロストモードを選択して実行する。
なお、制御部7によるデフロストモードの判定は、空気調和装置100が敷設された後、電源が初めて投入された際、および、空気調和装置100を構成する室内ユニットや室外ユニットの増設・変更後、電源が初めて投入された際、に行われる。
以下、デフロストモードの判定フローチャートを図4に示す。
なお、本実施形態では、第1室外ユニット10と第2室外ユニット20のうち、第1室外ユニット10が親機として設定されており、主として、以下の処理は、制御部7の一部を構成する第1室外側制御部10aによって行われる。
ステップS1では、第1室外側制御部10aは、空気調和装置100の電源が投入されたか否かを判断する。ここで、電源が投入された場合には、ステップS2に移行する。
ステップS2では、第1室外側制御部10aは、コントローラ30のコントローラメモリ31に、ガス側冷媒連絡配管6の情報が格納されているか否かを判断する。ここで、ガス側冷媒連絡配管6の情報が格納されていると判断した場合には、ステップS3に移行する。ガス側冷媒連絡配管6の情報が格納されていないと判断した場合には、ステップS5に移行する。
ステップS3では、第1室外側制御部10aは、各室内熱交換器62、66の容積の情報、各室外熱交換器13、23の容積の情報、ガス側冷媒連絡配管6の容積の情報をそれぞれ読み出す。具体的には、第1室外側制御部10aは、第1室内側制御部61aの第1室内メモリ61bに格納されている第1室内熱交換器62の容積の情報、第2室内側制御部65aの第2室内メモリ65bに格納されている第2室内熱交換器66の容積の情報、自身の第1室外メモリ10bに格納されている第1室外熱交換器13の容積の情報、第2室外側制御部20aの第2室外メモリ20bに格納されている第2室外熱交換器23の容積の情報、および、コントローラ30のコントローラメモリ31に格納されているガス側冷媒連絡配管6の容積の情報をそれぞれ読み出す。さらに、第1室外側制御部10aは、読み出した情報を用いて、室内熱交換器の合計容積と、室外熱交換器の合計容積を算出する。そして、ステップS4に移行する。
ステップS4では、第1室外側制御部10aは、ステップS3で読み出した情報および算出した情報を用いて、デフロストモード判定(1)の条件が成立するか否かを判断する。
このデフロストモード判定(1)の条件は、室内熱交換器の合計容積、室外熱交換器の合計容積、ガス側冷媒連絡配管の容積から特定される条件である限り、特に限定されないが、本実施形態では、(室内熱交換器の合計容積+ガス側冷媒連絡配管の容積)>室外熱交換器の合計容積である場合に、デフロストモード判定(1)の条件が成立すると判断する。
デフロストモード判定(1)の条件が成立すると判断された場合には、ステップS7に移行する。デフロストモード判定(1)の条件が成立しないと判断された場合には、ステップS8に移行する。
ステップS5では、第1室外側制御部10aは、第1室外側制御部10aは、各室内熱交換器62、66の容積の情報、各室外熱交換器13、23の容積の情報をそれぞれ読み出す。具体的には、第1室外側制御部10aは、第1室内側制御部61aの第1室内メモリ61bに格納されている第1室内熱交換器62の容積の情報、第2室内側制御部65aの第2室内メモリ65bに格納されている第2室内熱交換器66の容積の情報、自身の第1室外メモリ10bに格納されている第1室外熱交換器13の容積の情報、および、第2室外側制御部20aの第2室外メモリ20bに格納されている第2室外熱交換器23の容積の情報をそれぞれ読み出す。さらに、第1室外側制御部10aは、読み出した情報を用いて、室内熱交換器の合計容積と、室外熱交換器の合計容積を算出する。そして、ステップS6に移行する。
ステップS6では、第1室外側制御部10aは、第1室外側制御部10aは、ステップS3で読み出した情報および算出した情報を用いて、デフロストモード判定(2)の条件が成立するか否かを判断する。
このデフロストモード判定(2)の条件は、室内熱交換器の合計容積、室外熱交換器の合計容積から特定される条件である限り、特に限定されないが、本実施形態では、室内熱交換器の合計容積>室外熱交換器の合計容積である場合に、デフロストモード判定(2)の条件が成立すると判断する。
デフロストモード判定(2)の条件が成立すると判断された場合には、ステップS7に移行する。デフロストモード判定(1)の条件が成立しないと判断された場合には、ステップS8に移行する。
ステップS7では、第1室外側制御部10aは、デフロストモードとして逆サイクルデフロストモードを選択する。なお、選択したデフロストモードは、第1室外メモリ10bに格納(上書き)される。
ステップS8では、第1室外側制御部10aは、デフロストモードとして交互デフロストモードを選択する。なお、選択したデフロストモードは、第1室外メモリ10bに格納(上書き)される。
以上により、制御部7は、所定除霜条件が成立した際に交互デフロストモードと逆サイクルデフロストモードのうちデフロストモードとして選択されている方(第1室外メモリ10bに格納されている方)を選択して実行する。
(8−2)交互デフロストモード
交互デフロストモードは、複数台の室外ユニット(第1室外ユニット10および第2室外ユニット20)のうちの一部である1台をデフロスト対象とし、そのデフロスト対象を順次変えていくことにより、全ての室外ユニットをデフロストさせる運転モードである。
すなわち、交互デフロストモードでは、まず、第1室外熱交換器13と第2室外熱交換器23のうちのいずれか一方のみがデフロスト対象となるように(例えば、第1室外熱交換器13がデフロスト対象となるように)第1四路切換弁12および第2四路切換弁22の接続状態が切り換えられ、デフロスト対象の室外熱交換器(この例では、第1室外熱交換器13)のデフロストを行う。そして、最初のデフロスト対象である室外熱交換器(この例では第1室外熱交換器13)のデフロストが終了した場合に、続けて、先にデフロスト対象であった室外熱交換器以外の室外熱交換器(この例では、第2室外熱交換器23)のみがデフロスト対象となるように第1四路切換弁12および第2四路切換弁22の接続状態が切り換えられ、新たなデフロスト対象の室外熱交換器(この例では、第2室外熱交換器23)のデフロストを行う。このようにして、デフロスト対象となる室外熱交換器が順次変わっていくように(デフロスト対象となる室外熱交換器をローテーションさせるように)第1四路切換弁12および第2四路切換弁22の接続状態が切り換えられることで、全ての室外熱交換器のデフロストを行う。
この交互デフロストモードは、デフロストモードとして選択されている状態で所定除霜条件が成立した場合に開始される運転である。
なお、全ての室外熱交換器のデフロストが終了した場合には、第1四路切換弁12および第2四路切換弁22の接続状態を切り換えて、再び、暖房運転を再開させる。
(8−2−1)第1室外熱交換器13がデフロスト対象である場合の運転
ここで、上記第1室外熱交換器13がデフロスト対象となるように第1四路切換弁12および第2四路切換弁22の接続状態が切り換えられた状態の冷媒回路3における冷媒流れの様子を、図5に示す。
第1室外熱交換器13がデフロスト対象となる場合には、第1四路切換弁12は、冷媒回路3の点Zの部分を通過する冷媒が第1圧縮機11の吸入側に導かれ、第1圧縮機11から吐出される冷媒が第1室外熱交換器13に送られるように接続状態が切り換えられ、第2四路切換弁22は、第2室外熱交換器23を通過した冷媒が第2圧縮機21の吸入側に導かれ、第2圧縮機21から吐出される冷媒が冷媒回路3の点Zの部分に送られるように接続状態が切り換えられる。
ここで、デフロスト対象である第1室外熱交換器13の液側に設けられている第1室外膨張弁15は、弁開度が全開状態となるように、制御部7により制御される。
また、デフロスト対象ではない第2室外熱交換器23の液側に接続されている第2室外膨張弁25は、第2圧縮機21により吸入される冷媒の過熱度が所定の第1目標過熱度となるように、制御部7によって弁開度が制御される。なお、制御部7は、第2圧縮機21により吸入される冷媒の過熱度を、第2吸入温度センサ57aの検知温度および第2吸入圧力センサ57bの検知圧力から求める。
なお、第1室内膨張弁64および第2室内膨張弁68は、後述するように、全閉状態とはされず、いずれも冷媒が通過できる開度となるように制御されている。また、第1室内ファンモータ63aや第2室内ファンモータ67aは、蒸発器として機能している第1室内熱交換器62や第2室内熱交換器66における冷気が室内に送られてしまわないように、基本的に停止されている。
以上の運転状態では、冷媒回路3の点Wを通過した冷媒は、第2室外膨張弁25を通過する際に低圧まで減圧され、低圧の冷媒の蒸発器として機能する第2室外熱交換器23において蒸発し、第2四路切換弁22および第2アキュームレータ29を介して第2圧縮機21に吸入される。
第2圧縮機21において中間圧力まで圧縮された冷媒は、第2四路切換弁22を介して冷媒回路3の点Zまで送られる。ここで、後述するように、第1室内膨張弁64および第2室内膨張弁68はいずれも冷媒が通過できる開度に制御されているため、第1室内熱交換器62や第2室内熱交換器66からガス側冷媒連絡配管6を介して冷媒回路3の点Zの箇所まで流れてきている。このため、冷媒回路3の点Zの箇所では、これらの冷媒が合流し、第1四路切換弁12および第1アキュームレータ19を介して第1圧縮機11に吸入される。
第1圧縮機11でさらに高圧まで圧縮された冷媒は、高温高圧冷媒となってデフロスト対象である第1室外熱交換器13に供給され、第1室外熱交換器13に付着している霜を効率的に融解させることが可能になっている。ここで、デフロスト対象の第1室外熱交換器13は、冷媒の放熱器(凝縮器)として機能する。第1室外熱交換器13を通過した高圧液冷媒は、全開状態に制御されている第1室外膨張弁15を通過した後、冷媒回路3の点Wまで送られる。
第1室内膨張弁64および第2室内膨張弁68が開けられた状態となっているため、冷媒回路3の点Wに送られた高圧液冷媒の一部は、液側冷媒連絡配管5を介して、第1室内熱交換器62と第2室内熱交換器66とに向けて流れていく(なお、第1室内膨張弁64および第2室内膨張弁68において冷媒は中間圧力まで減圧される)。ここで、第1室内熱交換器62および第2室内熱交換器66は、中間圧力の冷媒の蒸発器として機能している。第1室内熱交換器62および第2室内熱交換器66を通過した冷媒は、冷媒回路3の点Yで合流した後、ガス側冷媒連絡配管6を介して再び冷媒回路3の点Zまで送られる。また、冷媒回路3の点Wに送られた冷媒の他の一部は、再び、第2室外膨張弁25に送られる。
このようにして、第1室外熱交換器13がデフロスト対象である場合の運転が行われる。
なお、デフロスト対象である第1室外熱交換器13について所定除霜終了条件が成立した場合、すなわち、当該室外熱交換器の下端部分の温度が所定温度以上になった場合に、制御部7は、第1室外熱交換器13のデフロストを終了させる。なお、制御部7は、第1室外熱交換器13の熱交換器の下端部分の温度を把握するために、第1室外熱交温度センサ53の検知温度を用いるようにしてもよいし、第1室外熱交温度センサ53とは別個の温度センサが当該下端部分に設けられている場合には当該温度センサの検知温度を用いるようにしてもよい。
(8−2−2)第2室外熱交換器23がデフロスト対象である場合の運転
ここで、上記第2室外熱交換器23がデフロスト対象となるように第1四路切換弁12および第2四路切換弁22の接続状態が切り換えられた状態の冷媒回路3における冷媒流れの様子を、図6に示す。
第2室外熱交換器23がデフロスト対象となる場合には、第1四路切換弁12は、第1室外熱交換器13を通過した冷媒が第1圧縮機11の吸入側に導かれ、第1圧縮機11から吐出される冷媒が冷媒回路3の点Zの部分に送られるように接続状態が切り換えられ、第2四路切換弁22は、冷媒回路3の点Zの部分を通過した冷媒が第2圧縮機21の吸入側に導かれ、第2圧縮機21から吐出される冷媒が第2室外熱交換器23に送られるように接続状態が切り換えられる。
ここで、デフロスト対象である第2室外熱交換器23の液側に設けられている第2室外膨張弁25は、弁開度が全開状態となるように、制御部7により制御される。
また、デフロスト対象ではない第1室外熱交換器13の液側に接続されている第1室外膨張弁15は、第1圧縮機11により吸入される冷媒の過熱度が所定の第1目標過熱度となるように、制御部7によって弁開度が制御される。なお、制御部7は、第1圧縮機11により吸入される冷媒の過熱度を、第1吸入温度センサ52aの検知温度および第1吸入圧力センサ52bの検知圧力から求める。
なお、第1室内膨張弁64および第2室内膨張弁68は、後述するように、全閉状態とはされず、いずれも冷媒が通過できる開度となるように制御されている。また、第1室内ファンモータ63aや第2室内ファンモータ67aは、蒸発器として機能している第1室内熱交換器62や第2室内熱交換器66における冷気が室内に送られてしまわないように、基本的に停止されている。
以上の運転状態では、冷媒回路3の点Wを通過した冷媒は、第1室外膨張弁15を通過する際に低圧まで減圧され、低圧の冷媒の蒸発器として機能する第1室外熱交換器13において蒸発し、第1四路切換弁12および第1アキュームレータ19を介して第1圧縮機11に吸入される。
第1圧縮機11において中間圧力まで圧縮された冷媒は、第1四路切換弁12を介して冷媒回路3の点Zまで送られる。ここで、後述するように、第1室内膨張弁64および第2室内膨張弁68はいずれも冷媒が通過できる開度に制御されているため、第1室内熱交換器62や第2室内熱交換器66からガス側冷媒連絡配管6を介して冷媒回路3の点Zの箇所まで流れてきている。このため、冷媒回路3の点Zの箇所では、これらの冷媒が合流し、第2四路切換弁22および第2アキュームレータ29を介して第2圧縮機21に吸入される。
第2圧縮機21でさらに高圧まで圧縮された冷媒は、高温高圧冷媒となってデフロスト対象である第2室外熱交換器23に供給され、第2室外熱交換器23に付着している霜を効率的に融解させることが可能になっている。ここで、デフロスト対象の第2室外熱交換器23は、冷媒の放熱器(凝縮器)として機能する。第2室外熱交換器23を通過した高圧液冷媒は、全開状態に制御されている第2室外膨張弁25を通過した後、冷媒回路3の点Wまで送られる。
第1室内膨張弁64および第2室内膨張弁68が開けられた状態となっているため、冷媒回路3の点Wに送られた高圧液冷媒の一部は、液側冷媒連絡配管5を介して、第1室内熱交換器62と第2室内熱交換器66とに向けて流れていく(なお、第1室内膨張弁64および第2室内膨張弁68において冷媒は中間圧力まで減圧される)。ここで、第1室内熱交換器62および第2室内熱交換器66は、中間圧力の冷媒の蒸発器として機能している。第1室内熱交換器62および第2室内熱交換器66を通過した冷媒は、冷媒回路3の点Yで合流した後、ガス側冷媒連絡配管6を介して再び冷媒回路3の点Zまで送られる。また、冷媒回路3の点Wに送られた冷媒の他の一部は、再び、第1室外膨張弁15に送られる。
このようにして、第2室外熱交換器23がデフロスト対象である場合の運転が行われる。
なお、デフロスト対象である第2室外熱交換器23について所定除霜終了条件が成立した場合、すなわち、当該室外熱交換器の下端部分の温度が所定温度以上になった場合に、制御部7は、第2室外熱交換器23のデフロストを終了させる。なお、制御部7は、第2室外熱交換器23の熱交換器の下端部分の温度を把握するために、第2室外熱交温度センサ58の検知温度を用いるようにしてもよいし、第2室外熱交温度センサ58とは別個の温度センサが当該下端部分に設けられている場合には当該温度センサの検知温度を用いるようにしてもよい。
(8−2−3)交互デフロストモードの性質
以下に、本実施形態の交互デフロストモードの性質を述べる。
空気調和装置100の冷媒回路3には、各室内熱交換器や各室外熱交換器を用いて冷房運転や暖房運転を行う際に効率的な運転が可能になるだけの冷媒量が封入されているところ、主としてデフロスト対象以外の室外ユニットでデフロスト用の熱を得てデフロスト対象となる室外ユニットでデフロストを行うような場合には、冷媒回路3において余剰冷媒が生じがちになる。
これに対して、以上の交互デフロストモードでは、交互デフロスト運転を行う際に、第1室内膨張弁64および第2室内膨張弁68を開いた状態にする。このため、余剰冷媒を吸収させることができ、デフロスト対象となる室外ユニットから流出させた冷媒が直ぐに当該室外ユニットに戻ってきてしまうことを回避できる。
また、デフロスト対象となる室外ユニットから流れ出る冷媒は、デフロスト対象ではない室外ユニットに向けて流れるだけではなく、室内ユニット側に向けても流すことができる(例えば、第1室外熱交換器13がデフロスト対象である場合において、第1室外熱交換器13を通過した冷媒が点Wを通過して第2室外膨張弁25に向けて流れて行こうとしても、第2室外膨張弁25は第2圧縮機21の吸入冷媒の過熱度に応じた開度制御が行われているため、冷媒は第2室外膨張弁25を十分に通過できない場合がある。この場合であっても、第1室外熱交換器13を通過した冷媒は点Wを通過して第1室内膨張弁64や第2室内膨張弁68にも流すことができる)。このため、デフロスト対象である室外熱交換器における液冷媒の溜まり込みを抑制させ、高温の冷媒を効率的に供給できる状態にすることで、除霜を効率的に行うことが可能になる。
(8−2−4)交互デフロストモードの制御フロー
図7および図8に、交互デフロストモードの制御フローを示す。
ステップS10では、制御部7は、空気調和装置100が暖房運転を実行中であるか否かを判断する。ここで、暖房運転が実行中であればステップS11に移行し、暖房運転が実行中でなければステップS10を繰り返す。
ステップS11では、制御部7は、上述の所定除霜条件が成立しているか否かを判断する。具体的には、制御部7は、複数の室外熱交換器(第1室外熱交換器13と第2室外熱交換器23)のうちの少なくとも1つについて所定除霜条件が成立するものがあった場合には、ステップS12に移行し、いずれの室外熱交換器においても所定除霜条件が成立していない場合にはステップS11を繰り返す。
ステップS12では、制御部7は、暖房運転を中止し、複数の室外熱交換器のうちの一部がデフロスト対象となるように第1四路切換弁12と第2四路切換弁22の接続状態を切り換える。なお、デフロスト対象とする室外熱交換器の順番は、特に限定されないが、本実施形態では、第1室外熱交換器13を先にデフロスト対象とし、その後、第2室外熱交換器23を続けてデフロスト対象とする場合を例に挙げて説明する。
ステップS13では、制御部7は、第1室内膨張弁64と第2室内膨張弁68が開けられた状態となるようにして、各弁開度が所定初期開度で維持されるように制御する。すなわち、第1室内膨張弁64と第2室内膨張弁68について、全閉状態とすることなく、それぞれ冷媒が通過可能な状態が確保される。この所定初期開度については、特に限定されないが、例えば、室内膨張弁が直接接続されている室内熱交換器の容積に応じた値としてもよく、第1室内熱交換器と第2室内熱交換器の容積が異なる場合にはそれぞれの容積に応じた異なる開度として設定されていてもよい。これにより、デフロスト運転の初期段階から、冷媒回路3内における冷媒の流動を促進し、デフロスト対象となる室外熱交換器に対して高温高圧の冷媒を効率良く供給できることになる。
ステップS14では、制御部7は、第1圧縮機11、第2圧縮機21を駆動させ、第1室外膨張弁15を全開状態にして、第2室外膨張弁25を第2圧縮機21の吸入冷媒の過熱度が所定の第1目標過熱度となるように制御を行う(上記図5およびその説明参照)。この第1目標過熱度の値は、特に限定されないが、例えば、0度より大きく10度以下である値としてもよい。
ステップS15では、制御部7は、所定初期条件が成立しているか否かを判断する。ここで、所定初期条件とは、特に限定されず、例えば、第1室内膨張弁64と第2室内膨張弁68を所定初期開度とした状態で第1圧縮機11と第2圧縮機21が駆動開始した時から所定初期時間が経過した場合に成立する条件としてもよいし、デフロスト対象である室外熱交換器に接続されている圧縮機(ここでは第1圧縮機11)の吸入冷媒の過熱度が所定初期過熱度となった場合(例えば、5度以下となった場合)に成立する条件としてもよい。ここで、所定初期条件が成立していればステップS16に移行し、所定初期条件が成立していない場合にはステップS15を繰り返す。
ステップS16では、制御部7は、ステップS14における制御を継続させつつ、第1室内膨張弁64と第2室内膨張弁68を所定初期開度に維持させる制御を止めて、第1圧縮機11の吸入冷媒の過熱度が所定の第2目標過熱度となるように第1室内膨張弁64と第2室内膨張弁68の弁開度の制御を行う。なお、ステップS14における所定の第1目標過熱度の値と、ステップS16における所定の第2目標過熱度の値とは、同一の値であってもよいし、異なる値であってもよい。なお、ステップS16の段階では第1室外熱交換器13の除霜開始から時間が経過して冷媒回路3の冷媒分布が安定してきていることから、ステップS16の第2目標過熱度の値をステップS14の第1目標過熱度の値よりも小さくしてもよく、例えば、0度より大きく5度以下としてもよい。このように室内膨張弁64、68の開度が調整されることで、デフロスト対象となる第1室外熱交換器13を有する第1室外ユニット10の第1圧縮機11において液圧縮の発生や吐出冷媒温度の異常上昇の発生を抑制させることができる。また、デフロスト対象となる第1室外ユニット10に対して、第1室内ユニット61や第2室内ユニット65側からだけでなくデフロスト対象でない第2室外ユニット20からも冷媒が送られてきても、デフロスト対象の第1室外ユニット10の第1圧縮機11における液圧縮や吐出温度の異常上昇を抑制させることができる。
ステップS17では、制御部7は、現在デフロスト対象としている室外熱交換器について所定除霜終了条件が成立しているか否かを判断する。本実施形態の例では、先にデフロスト対象とされている第1室外熱交換器13について、所定除霜終了条件を満たしているか否かが判断される。具体的には、上述のとおり、第1室外熱交換器13の下端部分の温度が所定温度以上になっている場合に、第1室外熱交換器13について所定除霜終了条件が成立していると判断する。所定除霜終了条件が成立している場合には、ステップS18(図7および図8の「A」参照)に移行し、所定除霜終了条件が成立していない場合にはステップS17を繰り返す。
ステップS18では、制御部7は、直前までデフロスト対象であった室外熱交換器をデフロスト対象から外し、直前までデフロスト対象であった室外熱交換器以外の室外熱交換器が新たなデフロスト対象となるように、第1四路切換弁12と第2四路切換弁22の接続状態を切り換える。本実施形態では、デフロストを終えた第1室外熱交換器13をデフロスト対象から外し、その後、続けて第2室外熱交換器23がデフロスト対象となるように、第1四路切換弁12と第2四路切換弁22の接続状態を切り換える。
ステップS19では、制御部7は、ステップS13と同様に、第1室内膨張弁64と第2室内膨張弁68が開けられた状態となるようにして、各弁開度が所定初期開度で維持されるように制御する。なお、複数の室外熱交換器のうち最初にデフロスト対象とされる室外熱交換器をデフロストする場合(ステップS13)の第1室内膨張弁64や第2室内膨張弁68の所定初期開度と、複数の室外熱交換器のうち二番目以降にデフロスト対象とされる室外熱交換器をデフロストする場合(ステップS19)の第1室内膨張弁64や第2室内膨張弁68の所定初期開度とは、同一としてもよいし、異ならせてもよい。異ならせる場合には、例えば、二番目以降にデフロスト対象とされる室外熱交換器をデフロストする場合の第1室内膨張弁64や第2室内膨張弁68の所定初期開度の決定において、最初にデフロスト対象とされる室外熱交換器のデフロストが終了した際(直前のデフロスト対象のデフロストが終了した際)の冷媒回路3における冷媒の状態を反映させて決定するようにしてもよい。
ステップS20では、制御部7は、第1圧縮機11、第2圧縮機21を駆動させ、第2室外膨張弁25を全開状態にして、第1室外膨張弁15を第1圧縮機11の吸入冷媒の過熱度が所定の第1目標過熱度となるように制御を行う(上記図6およびその説明参照)。ここで、ステップS14の所定の第1目標過熱度と、ステップS20の所定の第1目標過熱度とは、全く同じ値としてもよいが、異なる値としてもよい。
ステップS21では、制御部7は、所定初期条件が成立しているか否かを判断する。ここで、所定初期条件とは、ステップS15と同様であり、特に限定されず、例えば、第1室内膨張弁64と第2室内膨張弁68を所定初期開度とした状態で第1圧縮機11と第2圧縮機21が駆動開始した時から所定初期時間が経過した場合に成立する条件としてもよいし、デフロスト対象である室外熱交換器に接続されている圧縮機(ここでは第2圧縮機21)の吸入冷媒の過熱度が所定初期過熱度となった場合(例えば、5度以下となった場合)に成立する条件としてもよい。ここで、所定初期条件が成立していればステップS22に移行し、所定初期条件が成立していない場合にはステップS21を繰り返す。
ステップS22では、制御部7は、ステップS20における制御を継続させつつ、第1室内膨張弁64と第2室内膨張弁68を所定初期開度に維持させる制御を止めて、第2圧縮機21の吸入冷媒の過熱度が所定の第2目標過熱度となるように第1室内膨張弁64と第2室内膨張弁68の弁開度の制御を行う。なお、ステップS20における所定の第1目標過熱度の値と、ステップS22における所定の第2目標過熱度の値とは、同一の値であってもよいし、異なる値であってもよい。なお、ステップS22の段階では第2室外熱交換器23の除霜開始から時間が経過して冷媒回路3の冷媒分布が安定してきていることから、ステップS22の第2目標過熱度の値をステップS20の第1目標過熱度の値よりも小さくしてもよく、例えば、0度より大きく5度以下としてもよい。このように室内膨張弁64、68の開度が調整されることで、デフロスト対象となる第2室外熱交換器23を有する第2室外ユニット20の第2圧縮機21において液圧縮の発生や吐出冷媒温度の異常上昇の発生を抑制させることができる。また、デフロスト対象となる第2室外ユニット20に対して、第1室内ユニット61や第2室内ユニット65側からだけでなくデフロスト対象でない第1室外ユニット10からも冷媒が送られてきても、デフロスト対象の第2室外ユニット20の第2圧縮機21における液圧縮や吐出温度の異常上昇を抑制させることができる。
ステップS23では、制御部7は、現在デフロスト対象としている室外熱交換器について所定除霜終了条件が成立しているか否かを判断する。本実施形態の例では、第1室外熱交換器13に続いてデフロスト対象とされている第2室外熱交換器23について、所定除霜終了条件が成立しているか否かが判断される。具体的には、上述のとおり、第2室外熱交換器23の下端部分の温度が所定温度以上になっている場合に、第2室外熱交換器23について所定除霜終了条件が成立していると判断する。所定除霜終了条件が成立している場合には、ステップS24に移行し、所定除霜終了条件が成立していない場合にはステップS23を繰り返す。
ステップS24では、制御部7は、第2室外熱交換器23をデフロスト対象としていた第1四路切換弁12と第2四路切換弁22の接続状態を暖房運転を行うための接続状態に切り換え、暖房運転を再開させ、ステップS10に戻って処理を繰り返す(図7および図8の「B」参照)。
(8−3)逆サイクルデフロストモード
逆サイクルデフロストモードは、第1室外熱交換器13と第2室外熱交換器23の両方を冷媒の放熱器として機能させ、第1室内熱交換器62と第2室内熱交換器66の両方を冷媒の蒸発器として機能させるように、第1四路切換弁12および第2四路切換弁22の接続状態を切り換えて、全ての室外熱交換器を同時にデフロストさせる運転モードである。
逆サイクルデフロストモードの冷媒回路3における具体的な冷媒の流れる経路は、図9に示す通りである。
すなわち、第1四路切換弁12は、冷媒回路3の点Zの部分を通過する冷媒が第1圧縮機11の吸入側に導かれ、第1圧縮機11から吐出される冷媒が第1室外熱交換器13に送られるように接続状態が切り換えられ、第2四路切換弁22についても、冷媒回路3の点Zの部分を通過する冷媒が第2圧縮機21の吸入側に導かれ、第2圧縮機21から吐出される冷媒が第2室外熱交換器23に送られるように接続状態が切り換えられる。
ここで、第1室外膨張弁15および第2室外膨張弁25は、いずれも、弁開度が全開状態となるように、制御部7により制御される。
なお、第1室内膨張弁64および第2室内膨張弁68は、第1圧縮機11または第2圧縮機21の吸入冷媒の過熱度が所定の過熱度(例えば、0度より大きく10度以下の値)となるように制御される。これらの冷媒の過熱度は、第1吸入温度センサ52aの検知温度および第1吸入圧力センサ52bの検知圧力や、第2吸入温度センサ57aの検知温度および第2吸入圧力センサ57bの検知圧力から求められる。
また、第1室内ファンモータ63aや第2室内ファンモータ67aは、蒸発器として機能している第1室内熱交換器62や第2室内熱交換器66における冷気が室内に送られてしまわないように、基本的に停止されている。
以上の逆サイクルデフロストモードでは、冷媒回路3の点Xに送られた冷媒は、第1室内ユニット61側と第2室内ユニット65側とに向けて分岐して流れる。そして、第1室内膨張弁64で低圧まで減圧された冷媒は、低圧の冷媒の蒸発器として機能する第1室内熱交換器62において蒸発し、第2室内膨張弁68で低圧まで減圧された冷媒は、低圧の冷媒の蒸発器として機能する第2室内熱交換器66において蒸発する。第1室内熱交換器62および第2室内熱交換器66から流出した冷媒は、冷媒回路3の点Yで合流し、ガス側冷媒連絡配管6を介して、冷媒回路3の点Zまで送られる。
冷媒回路3の点Zに送られた冷媒は、第1室外ユニット10側と第2室外ユニット20側とに向けて分岐して流れる。第1室外ユニット10側に送られた冷媒は、第1四路切換弁12および第1アキュームレータ19を介して第1圧縮機11に吸入される。第1圧縮機11で高圧まで圧縮された冷媒は、第1室外熱交換器13において放熱し、第1室外膨張弁15を通過して、冷媒回路3の点Wに送られる。第2室外ユニット20側に送られた冷媒も同様に、第2四路切換弁22および第2アキュームレータ29を介して第2圧縮機21に吸入される。第2圧縮機21で高圧まで圧縮された冷媒は、第2室外熱交換器23において放熱し、第2室外膨張弁25を通過して、冷媒回路3の点Wに送られる。第1室外ユニット10側と第2室外ユニット20側から流れてきた冷媒は、冷媒回路3の点Wで合流して、液側冷媒連絡配管5を介して、再び冷媒回路3の点Xに送られる。
この逆サイクルデフロストモードは、デフロストモードとして選択されている状態で所定除霜条件が成立した場合に開始される運転である。
なお、制御部7は、第1室外熱交換器13と第2室外熱交換器23の両方について所定除霜終了条件が成立した場合、すなわち、全ての室外熱交換器の下端部分の温度が所定温度以上になった場合に、逆サイクルデフロストモードを終了させ、第1四路切換弁12および第2四路切換弁22の接続状態を切り換えて、再び、暖房運転を再開させる。
(8−3−1)逆サイクルデフロストモードの制御フロー
図10に、逆サイクルデフロストモードの制御フローを示す。
ステップS30では、制御部7は、空気調和装置100が暖房運転を実行中であるか否かを判断する。ここで、暖房運転が実行中であればステップS31に移行し、暖房運転が実行中でなければステップS30を繰り返す。
ステップS31では、制御部7は、上述の所定除霜条件が成立しているか否かを判断する。具体的には、制御部7は、複数の室外熱交換器(第1室外熱交換器13と第2室外熱交換器23)のうちの少なくとも1つについて所定除霜条件が成立するものがあった場合には、ステップS32に移行し、いずれの室外熱交換器においても所定除霜条件が成立していない場合にはステップS31を繰り返す。
ステップS32では、制御部7は、暖房運転を中止し、逆サイクルデフロストモードを実行開始する。すなわち、制御部7は、複数の室外熱交換器の全て(第1室外熱交換器13および第2室外熱交換器23)が冷媒の放熱器として機能し、複数の室内熱交換器の全て(第1室内熱交換器62および第2室内熱交換器66)が冷媒の蒸発器として機能するように、第1四路切換弁12と第2四路切換弁22の接続状態を切り換える(上記図9およびその説明参照)。
ステップS33では、制御部7は、第1圧縮機11および第2圧縮機21を駆動させる。さらに、制御部7は、第1室内膨張弁64および第2室内膨張弁68の弁開度について、第1圧縮機11および第2圧縮機21の吸入冷媒の過熱度が所定の第3目標過熱度以上となるように制御を行う(例えば、0度より大きく10度以下の値となるように制御を行う)。特に限定されないが、制御部7は、例えば、第1圧縮機11の吸入冷媒の過熱度と第2圧縮機21の吸入冷媒の過熱度のうち所定の第3目標過熱度未満のものが生じた場合には、第1室内膨張弁64の弁開度と第2室内膨張弁68の弁開度のうち弁開度がより小さい方について弁開度を上げる等のようにして制御を行ってもよい。なお、ここで、制御部7は、第1室外膨張弁15および第2室外膨張弁25をいずれも全開状態に制御する。
ステップS34では、制御部7は、全ての室外熱交換器について(第1室外熱交換器13および第2室外熱交換器23の両方について)所定除霜終了条件が成立しているか否かを判断する。すなわち、制御部7は、第1室外熱交換器13の下端部分の温度が所定温度以上になっており、かつ、第2室外熱交換器23の下端部分の温度も所定温度以上になっている場合に、所定除霜終了条件が成立していると判断する。ここで、所定除霜終了条件が成立していると判断された場合には、ステップS35に移行し、所定除霜終了条件が成立していないと判断した場合には、ステップS34を繰り返す。
ステップS35では、制御部7は、第1室外熱交換器13および第2室外熱交換器23を放熱器として機能させ、第1室内熱交換器62および第2室内熱交換器66を蒸発器として機能させる接続状態となっている第1四路切換弁12と第2四路切換弁22を暖房運転を行うための接続状態に切り換え、暖房運転を再開させ、ステップS30に戻る。
(9)特徴
(9−1)
本実施形態の空気調和装置100では、デフロストモードとして交互デフロストモードが選択されている場合には、複数の室外熱交換器のうちの一部をデフロスト対象として、当該デフロスト対象を変えていくことで全ての室外熱交換器の除霜を行う交互デフロストモードが実行される。
この交互デフロストモードでは、デフロスト対象以外の室外熱交換器については冷媒の低圧の蒸発器として機能させると共に、室内熱交換器については低圧の冷媒を一度圧縮させた圧力(デフロスト対象ではない室外熱交換器に接続された圧縮機により圧縮された冷媒の圧力)である中間圧力の蒸発器として機能させることにより、室内熱交換器のみを冷媒の低圧の蒸発器として機能させる場合(逆サイクルデフロストモード)と比較すると、室内熱交換器で生じる冷媒の蒸発を小さく抑えることができている。このように、交互デフロストモード中における室内熱交換器の温度の低下が小さく抑えられる点で、室外熱交換器の除霜後、暖房運転を再開させた時に、暖かい空気を室内に供給開始するまでの時間を短くすることに寄与する。
また、この交互デフロストモードでは、デフロスト対象ではない室外ユニットの圧縮機を低段側圧縮機とし、デフロスト対象の室外ユニットの圧縮機を高段側圧縮機として、冷媒を多段圧縮させるため、デフロスト対象の室外熱交換器に対して多段圧縮された高温の冷媒を供給することができる。このため、デフロスト対象の室外熱交換器における除霜効率を高めることができる点で、除霜に要する時間を短くすることに寄与する。
他方で、交互デフロストモードは、デフロスト対象となる室外熱交換器を切り換えながら行われ、複数の室外熱交換器の全てを同時に除霜することができない点で、除霜に長い時間を要する傾向にある。
(9−2)
本実施形態の空気調和装置100では、デフロストモードとして逆サイクルデフロストモードが選択されている場合には、複数の室内熱交換器を全て蒸発器として機能させ、複数の室外熱交換器を全て凝縮器として機能させることで全ての室外熱交換器の除霜を同時に行う逆サイクルデフロストモードが実行される。
この逆サイクルデフロストモードでは、室内熱交換器の合計容積が大きな場合には、室外熱交換器の除霜に用いる熱源を多く存在することとなる点で、除霜に要する時間を短くすることができる。また、交互デフロストモードと比べて、デフロスト対象となる室外熱交換器の切り換えが不要であり、複数の室外熱交換器を同時に除霜させることができる点で、除霜に要する時間を短くすることができる。
他方で、逆サイクルデフロストモードは、室外熱交換器の除霜時のための熱源を室内熱交換器のみで確保するため、蒸発器として機能する室内熱交換器における温度が大きく低下しやすい点で、暖房運転を再開させた時に、暖かい空気を室内に供給開始するまでの時間が長くなる傾向にある。
また、逆サイクルデフロストモードでは、室外熱交換器の除霜時のための熱源を室内熱交換器のみで確保するため、室内熱交換器の合計容積が比較的小さい場合には熱源が不足気味になる点で、室外熱交換器の除霜に長い時間を要する傾向にある。
(9−3)
室外ユニットに対して接続される室内ユニットの数や具体的な構成は、ニーズに応じて異なり、その組み合わせは無数である。
これに対して、本実施形態の空気調和装置100では、構成された室外ユニットと室内ユニットの組み合わせに応じて、除霜の開始から暖房運転再開後の暖かい空気の供給を開始するまでに要する時間を短くさせることが可能なデフロストモードを選択することが可能になっている。
具体的には、本実施形態の空気調和装置100では、デフロストモード判定(1)の条件の判断においてもデフロストモード判定(2)の条件の判断においても、少なくとも室外熱交換器の合計容積と室内熱交換器の合計容積との関係に基づいて交互デフロストモードと逆サイクルデフロストモードの選択が行われている。すなわち、室内熱交換器の合計容積が室外熱交換器の合計容積よりも大きければ大きいほど、逆サイクルデフロストモードが交互デフロストモードよりも優先して選択される。
ここで、制御部7は、室外熱交換器の合計容積に対して室内熱交換器の合計容積が大きめである場合には、逆サイクルデフロストモードを優先的に選択して実行する。このため、除霜時に、より多くの熱源を確保することができ、複数の室外熱交換器を一度に除霜できるため、比較的短時間で除霜を終えることが可能になる。また、室外熱交換器の合計容積に対して室内熱交換器の合計容積が大きめである場合には、室内熱交換器の合計容積が小さめである場合と比べて、除霜時における室内熱交換器での蒸発負荷が小さいため、室内熱交換器での温度低下を小さく抑えることができる。このため、逆サイクルデフロストモードを実行する場合には交互デフロストモードを実行する場合よりも室内熱交換器における温度低下が生じる傾向はあるものの、室外熱交換器の合計容積に対して室内熱交換器の合計容積が大きめである場合には、室内熱交換器の温度低下を小さく抑えることができ、暖房運転再開後の暖かい空気の供給を開始するまでに要する時間も短くすることができる。このように、室外熱交換器の合計容積に対して室内熱交換器の合計容積が大きめである場合には、制御部7は、交互デフロストモードではなく、逆サイクルデフロストモードを優先的に選択して実行するため、除霜の開始から暖房運転再開後の暖かい空気の供給を開始するまでに要する時間を短くさせることが可能になる。
また、ここで、制御部7は、室外熱交換器の合計容積に対して室内熱交換器の合計容積が小さめである場合には、交互デフロストモードを優先的に選択して実行する。このため、室内熱交換器での温度低下を抑制させつつ除霜を行うことができ、暖房運転再開後の暖かい空気の供給を開始するまでの時間を短時間とすることが可能になる。また、交互デフロストモードはデフロスト対象となる室外熱交換器を切り換えながら行われるため除霜に時間がかかる傾向はあるものの、室外熱交換器の合計容積に対して室内熱交換器の合計容積が小さめである場合には、逆サイクルデフロストモードを実行した場合であっても除霜自体に時間を要することとなるため、室内熱交換器での温度低下を小さく抑えることができる分だけ交互デフロストモードの方が有利となる。このように、室外熱交換器の合計容積に対して室内熱交換器の容積が小さめである場合には、制御部7は、逆サイクルデフロストモードではなく、交互デフロストモードを選択して実行することで、除霜の開始から暖房運転再開後の暖かい空気の供給を開始するまでに要する時間を短くさせることが可能になる。
(9−4)
冷媒回路3のガス側冷媒連絡配管6の容積が大きい場合には、ガス側冷媒連絡配管6の容積が小さい場合と比較して、逆サイクルデフロストモードを実行する際の冷媒の保有熱量を多くすることができ、除霜のための熱量を多く確保することができる。このため、ガス側冷媒連絡配管6の容積が大きいほど、逆サイクルデフロストモードを行った際の除霜に要する時間を短時間にすることが可能になる。そして、本実施形態の空気調和装置100では、デフロストモード判定(1)の条件の判断において示したように、ガス側冷媒連絡配管6の容積を把握できる場合には、これを加味して交互デフロストモードと逆サイクルデフロストモードの選択が行われている。すなわちガス側冷媒連絡配管6の容積の値が大きければ大きいほど、逆サイクルデフロストモードが交互デフロストモードよりも優先して選択される。
すなわち、例えば、室内熱交換器の合計容積が比較的小さめである場合であっても、ガス側冷媒連絡配管6の容積が比較的大きく、室内熱交換器の合計容積とガス側冷媒連絡配管6の容積との合計が室外熱交換器の合計容積を超えるような場合には、交互デフロストモードではなく逆サイクルデフロストモードを選択することが可能になっている。このように、デフロストモードの判定において、液側冷媒連絡配管の容積も加味したより有利なモードを選択することが可能になっている。
また、ガス側冷媒連絡配管6の容積の情報を把握できない場合であっても、デフロストモード判定(2)の条件の判断において示したように、室内熱交換器の合計容積が室外熱交換器の合計容積を超えるような場合には、交互デフロストモードではなく逆サイクルデフロストモードを選択することが可能になっている。このように、ガス側冷媒連絡配管6の容積の情報が把握できていない場合であっても、ガス側冷媒連絡配管6の容積を加味するまでもなく室内熱交換器の合計容積が室外熱交換器の合計容積よりも大きな場合には、逆サイクルデフロストモードが交互デフロストモードよりも有利であるとして、逆サイクルデフロストモードを選択して実行させることで、除霜の開始から暖房運転再開後の暖かい空気の供給を開始するまでに要する時間を短くさせることが可能になる。
(9−5)
本実施形態の空気調和装置100では、第1室内ユニット61、第2室内ユニット65と第1室外ユニット10、第2室外ユニット20が初めて接続されて敷設された後だけでなく、既に敷設されている室内ユニットと室外ユニットについて増設や変更等が行われた後であっても、例えば、増設や変更後に電源投入された際にデフロストモードの判定が行われる。
このため、増設や変更等が行われた後に初めて所定除霜条件が満たされて除霜が行われる前までの間に、制御部7が、空気調和装置100の新しい状態に応じたデフロストモードとなるように選択しなおすことができる。
これにより、増設や変更等が行われた場合であっても、除霜の開始から暖房運転再開後の暖かい空気の供給を開始するまでに要する時間を短くさせることが可能になる。
(10)他の実施形態
上記実施形態では、本発明の実施形態の一例を説明したが、上記実施形態はなんら本願発明を限定する趣旨ではなく、上記実施形態には限られない。本願発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更した態様についても当然に含まれる。
(10−1)他の実施形態A
上記実施形態では、各室内ユニットや室外ユニットが自己の熱交換器の容積の情報を自己のメモリに格納している場合を例に挙げて説明した。
これに対して、例えば、各室内ユニットや室外ユニットとしては、自己の熱交換器の容積を直接的に示す情報は有しておらず、自己の機種を示す情報を自己のメモリに格納していてもよい。すなわち、第1室内メモリ61bには第1室内ユニット61の機種を示す情報が格納されており、第2室内メモリ65bには第2室内ユニット65の機種を示す情報が格納されており、第1室外メモリ10bには第1室外ユニット10の機種を示す情報が格納されており、第2室外メモリ20bには第2室外ユニット20の機種を示す情報が格納されていてもよい。
この場合において、各メモリに格納された情報を読み出して処理を行う制御部(上記実施形態では親機である第1室外ユニット10の第1室外側制御部10a)が有しているメモリ(上記実施形態では第1室外メモリ10b)に、室内ユニットや室外ユニットの機種毎の熱交換器の容積の情報を示すテーブルを格納させておく。
これにより、各メモリに格納された機種を示す情報を読み出した制御部が、当該テーブルを用いて機種を示す情報と照合することにより、各ユニットの熱交換器の容積を把握するようにしてもよい。
なお、熱交換器の容積を把握した後の処理は上記実施形態と同様である。
(10−2)他の実施形態B
上記実施形態では、第1室外ユニット10の第1室外熱交換器13の容積の情報を格納した第1室外メモリ10bと、第2室外ユニット20の第2室外熱交換器23の容積の情報を格納した第2室外メモリ20bと、がそれぞれ設けられている場合を例に挙げて説明した。
これに対して、増設や変更は室外ユニットよりも室内ユニット側で生じることが多いことから、例えば、図11に示すように、各室外熱交換器の容積を格納したメモリを室外ユニット毎に設ける代わりに、室外熱交換器の合計容積(第1室外熱交換器13と第2室外熱交換器23の合計容積)の情報を格納した室外総合メモリ12bを設けるようにしてもよい。この室外総合メモリ12bは、特に限定されないが、例えば、複数の室外ユニットのうちの親機に設けることができる。
(10−3)他の実施形態C
上記実施形態では、交互デフロストモードと逆サイクルデフロストモードのいずれを選択するためのデフロストモードの判定を、親機である第1室外ユニット10の第1室外側制御部10aに行わせる場合を例に挙げて説明した。
これに対して、デフロストモードの判定主体はこれに限定されるものではなく、例えば、第2室外ユニット20の第2室外側制御部20aに行わせてもよいし、第1室内ユニット61の第1室内側制御部61aに行わせてもよいし、第2室内ユニット65の第2室内側制御部65aに行わせてもよい。
(10−4)他の実施形態D
また、他の実施形態Cに記載した例以外にも、例えば、図12に示すように、空気調和装置100の制御部7が、冷媒回路3以外の冷媒系統の装置についても管理を行う遠隔管理装置70とインターネット回線等の通信回線を通じて通信可能に接続されている場合には、当該遠隔管理装置70に空気調和装置100のデフロストモードの判定を行わせるようにしてもよい。この場合には、デフロストモードの判定を行わない空気調和装置100と、デフロストモードの判定を行う遠隔管理装置70と、によって管理システム200が構成されることになる。
具体的には、遠隔管理装置70が、第1室内側制御部61aの第1室内メモリ61bに格納されている第1室内熱交換器62の容積の情報、第2室内側制御部65aの第2室内メモリ65bに格納されている第2室内熱交換器66の容積の情報、第1室外側制御部10aの第1室外メモリ10bに格納されている第1室外熱交換器13の容積の情報、第2室外側制御部20aの第2室外メモリ20bに格納されている第2室外熱交換器23の容積の情報を、それぞれ通信回線を介して取得し、コントローラ30のコントローラメモリ31にガス側冷媒連絡配管6の容積の情報が格納されている場合にはこれも通信回線を介して取得する。そして、遠隔管理装置70は、通信回線を介して取得した情報を用いて、室内熱交換器の合計容積と、室外熱交換器の合計容積を算出する。さらに、遠隔管理装置70は、ガス側冷媒連絡配管6の容積の情報を取得できている場合には上記実施形態と同様にデフロストモード判定(1)の条件の判断を行い、ガス側冷媒連絡配管6の容積の情報を取得できていない場合には上記実施形態と同様にデフロストモード判定(2)の条件の判断を行うことで、デフロストモードの判定を行う。そして、選択したデフロストモードを遠隔管理装置70の管理メモリ70aに格納し、空気調和装置100の制御部7を構成する第1室外側制御部10a等に対して通信回線を介して送信することで、選択されたデフロストモードを知らせる。そして、例えば、選択されたデフロストモードの知らせを受信した第1室外側制御部10aは、第1室外メモリ10bに受信したデフロストモードを格納(上書き)し、上記実施形態と同様に空気調和装置100においてデフロストモードを実行する。
また、デフロストモードの判定を遠隔管理装置70において行う場合においても、他の実施形態Aで説明した例と同様に、各室内ユニットや室外ユニットとしては、自己の熱交換器の容積を直接的に示す情報は有しておらず、自己の機種を示す情報を自己のメモリに格納しているだけであってもよい。この場合には、遠隔管理装置70が有している管理メモリ70aにおいて、室内ユニットや室外ユニットの機種毎の熱交換器の容積の情報を示すテーブルを格納させておくことになる。そして、遠隔管理装置70では、各室内ユニットや室外ユニットから取得した機種を示す情報と当該テーブルを照合させつつ、各熱交換器の容積や合計容積を求めて、上記実施形態と同様のデフロストモードの判定を行うこととなる。
(10−5)他の実施形態E
さらに、上記他の実施形態Dにおいて説明した、デフロストモードの判定を行わない空気調和装置100と、デフロストモードの判定を行う遠隔管理装置70と、を備えた管理システム200は、各室外熱交換器の容積を格納したメモリを室外ユニット毎に設ける代わりに、図13に示すように、室外熱交換器の合計容積(第1室外熱交換器13と第2室外熱交換器23の合計容積)の情報を格納した室外総合メモリ12bを設けるようにしてもよい。この室外総合メモリ12bは、特に限定されないが、例えば、複数の室外ユニットのうちの親機に設けることができる。
(10−6)他の実施形態F
上記実施形態では、コントローラ30がガス側冷媒連絡配管6の容積の入力を受け付けて、コントローラメモリ31に格納する場合を例に挙げて説明した。
これに対して、例えば、コントローラ30が、ガス側冷媒連絡配管6の配管長と内径の入力を受け付けて、これをコントローラメモリ31に格納するようにしてもよい。この場合には、コントローラメモリ31に格納されているガス側冷媒連絡配管6の配管長と内径を乗じることによって容積を算出することができる。この配管長と内径を乗じる処理を行う主体は、特に限定されず、コントローラ30が行ってもよいし、例えば、親機である第1室外ユニット10の第1室外側制御部10aが行ってもよい。
(10−7)他の実施形態G
上記実施形態では、交互デフロストモード実行時に、第1室内膨張弁64と第2室内膨張弁68を所定初期開度に維持させる制御や過熱度に応じた制御を行う場合を例に挙げて説明した。
これに対して、交互デフロストモード実行時に第1室内膨張弁64と第2室内膨張弁68を開けておくことなく、全閉状態に維持するようにしてもよい。この場合の交互デフロストモードでは、室内熱交換器に冷媒が流れないため、室内熱交換器における温度低下をさらに抑制することが可能になる。
(10−8)他の実施形態H
上記実施形態では、室内ユニットに対して2台の室外ユニットが並列接続されている場合を例に挙げて説明した。
これに対して、例えば、室内ユニットに並列接続される室外ユニットの数については、これに限られるものではなく、例えば、3台またはそれ以上の室外ユニットが室内ユニットに対して並列接続されていてもよい。
この場合において、交互デフロストモードを実行する場合には、1つの室外熱交換器をデフロスト対象として、そのデフロスト対象となる1つの室外熱交換器を変更していくことで室外熱交換器の全てをデフロストさせてもよい。また、複数の室外熱交換器をデフロスト対象として、そのデフロスト対象となる複数の室外熱交換器を変更してくことで全体をデフロストさせてもよい。
なお、複数の室外ユニットに対して接続される室内ユニットの数も、特に限定されるものではなく、1つだけであってもよいし、3台以上が並列に接続されていてもよい。
(10−9)他の実施形態I
上記実施形態では、ステップS14、S16、S20、S22では、圧縮機が吸入する冷媒の過熱度が所定の目標値となるように各膨張弁の開度制御を行う場合を例に挙げて説明した。
これに対して、例えば、上記各ステップでは、圧縮機が吸入する冷媒の過熱度ではなく、圧縮機から吐出される冷媒の過熱度が所定の目標値となるように各膨張弁の開度制御を行うようにしてもよい。ここでの圧縮機から吐出される冷媒の過熱度は、特に限定されないが、例えば、第1吐出温度センサ51aの検知温度と第1吐出圧力センサ51bの検知圧力から制御部7が求めてもよいし、第2吐出温度センサ56aの検知温度と第2吐出圧力センサ56bの検知圧力から制御部7が求めてもよい。