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JP6180165B2 - 空気調和装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の室外ユニットと複数の室内ユニットとをガス配管及び液配管で配管接続して構成される空気調和装置に関するものである。
従来の冷凍サイクルを利用した空気調和装置として、例えば、圧縮機、室外側熱交換器及び流量制御弁等を有する複数の室外ユニットと、膨張弁及び室内熱交換器等を有する複数の室内ユニットとをガス配管及び液配管により接続した装置がある。この種の空気調和装置では、複数の室外ユニットのそれぞれに均等に冷媒が流れるように暖房運転時に均液制御を行っている(例えば、特許文献1参照)。
特許第4619303号公報(第9頁−第11頁、図6)
一般的に暖房運転時には、室外熱交換器に付着した霜を除去する霜取り運転を定期的に行う必要がある。霜取り運転では、冷凍サイクルを暖房運転時と逆サイクルとし、圧縮機から吐出された高温冷媒を室外熱交換器に供給することで室外熱交換器に付着した霜を除去する。このような霜取り運転時には、液配管内の液冷媒が室内ユニットを介して室外ユニットに戻り、圧縮機に液バックして圧縮機を損傷する可能性がある。
特許文献1では、暖房運転時の均液制御について記載はあるものの、霜取り運転中の均液制御については全く記載されておらず、霜取り運転中に、上述したように圧縮機への液バックが生じる可能性があるという問題があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、霜取り運転中の液バックを抑制することが可能な空気調和装置を提供することを目的とする。
本発明に係る空気調和装置は、圧縮機、圧縮機から吐出された冷媒の流れ方向を切り替えて暖房運転と霜取り運転とを切り替える四方弁、室外熱交換器及びアキュムレーターを有する複数の室外ユニットと、複数の室外ユニットにガス配管及び液配管により接続され、膨張弁及び室内熱交換器を有する1又は複数の室内ユニットと、霜取り運転中に液配管から1又は複数の室内ユニット及びガス配管を介して数の室外ユニットに戻る冷媒量が、圧縮機への液バックを生じさせない冷媒量となるように膨張弁を制御する制御装置とを備え、制御装置は、膨張弁のCv値を合算した合算Cv値であって、液バックの防止を可能とする必要合算Cv値を設定する必要合算Cv値設定部と、必要合算Cv値と、「膨張弁の開度と、その開度のときの合算Cv値との関係」とに基づいて霜取り運転時の液バック防止用の開度を決定する第1開度決定部とを備え、霜取り運転中、第1開度決定部で決定した開度に膨張弁の開度を固定制御するものである。
本発明によれば、霜取り運転中の液バックを抑制することができる。
本発明の実施の形態1に係る空気調和装置の全体構成図である。 本発明の実施の形態1に係る空気調和装置の制御装置のブロック図である。 「液バック防止に必要な必要合算Cv値と馬力との関係」の一例を示す図である。 「膨張弁10の開度と、その開度のときの合算Cv値との関係」の一例を示す図である。 「膨張弁10の種類別の開度と個別Cv値との関係」の一例を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る空気調和装置1000の制御動作を示すフローチャートである。 「アキュムレーター容量と流量調整弁開度との関係式」の一例を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る空気調和装置1000の制御動作を示すフローチャートである。
実施の形態1.
以下に本発明に係る空気調和装置の構成等を説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る空気調和装置の全体構成図である。図1及び後述の図において、同一の符号を付したものは、同一の又はこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。
空気調和装置1000は、熱源側ユニットである複数の室外ユニット100、200と、利用側ユニットである複数の室内ユニット300A、300B、300C(以下、総称するときは室内ユニット300という場合がある)とを備えている。そして、室外ユニット100、200と、室内ユニット300とがガス配管23a、23b及び液配管22a、22bで接続されている。なお、図1には室外ユニットを2台としたが、これは一例であり、更に複数台であってもよい。また、室内ユニットを3台としたが、これは一例であり、1台以上であればよい。
室外ユニット100は、圧縮機1a、逆止弁2a、四方弁3a、室外熱交換器4a、流量調整弁5a及びアキュムレーター6aを備えている。室外ユニット100は更に、室外熱交換器4aと流量調整弁5aとの間に過冷却熱交換器7aを備えている。また、室外ユニット100は、過冷却熱交換器7aと流量調整弁5aとの間の冷媒の一部を、膨張弁8a及び過冷却熱交換器7aの低圧側を介してアキュムレーター6aの入口側に導くバイパス配管9aを有している。
室外ユニット200は、圧縮機1b、逆止弁2b、四方弁3b、室外熱交換器4b、流量調整弁5b及びアキュムレーター6bを備えている。また、室外ユニット200は更に、室外熱交換器4bと流量調整弁5bとの間に過冷却熱交換器7bを備えている。また、室外ユニット200は、過冷却熱交換器7bと流量調整弁5bとの間から分岐し、膨張弁8b及び過冷却熱交換器7bの低圧側を介してアキュムレーター6bの入口側に接続されたバイパス配管9bを有している。
室内ユニット300A〜300Cのそれぞれは、減圧装置としての膨張弁10及び室内熱交換器11を備えている。
冷房運転時、室外ユニット100及び室内ユニット300においては、圧縮機1a、逆止弁2a、四方弁3a、室外熱交換器4a、流量調整弁5a、膨張弁10、室内熱交換器11、四方弁3a及びアキュムレーター6aの順に冷媒配管により接続されて冷媒が循環する冷媒回路が構成されている。
上記の冷媒回路の中で、流量調整弁5aと膨張弁10とは、液操作弁21a、液配管22a及び液分配器22を介して接続されている。また、室内熱交換器11と四方弁3aとは、ガス分配器23、ガス配管23a及びガス操作弁24aを介して接続されている。
冷房運転時、室外ユニット200及び室内ユニット300においては、圧縮機1b、逆止弁2b、四方弁3b、室外熱交換器4b、流量調整弁5b、膨張弁10、室内熱交換器11、四方弁3b及びアキュムレーター6bの順に冷媒配管により接続されて冷媒が循環する冷媒回路が構成されている。
上記の冷媒回路の中で、流量調整弁5bと膨張弁10とは、液操作弁21b、液配管22b及び液分配器22を介して接続されている。また、室内熱交換器11と四方弁3bとは、ガス分配器23、ガス配管23b及びガス操作弁24bを介して接続されている。
以下、空気調和装置1000を構成する各機器について説明する。
圧縮機1a、1bは、低温低圧のガス冷媒を吸入して圧縮し、高温高圧の冷媒として、四方弁3a、3bへ向けて吐出するものである。
室外ユニット100、200は、それぞれインバーター装置を備えており、それぞれ制御装置50a、50bからの駆動信号に従って、圧縮機1a、1bの運転周波数を任意に変化させ、容量を変化させることができる。
逆止弁2a、2bは、それぞれ四方弁3a、3bから圧縮機1a、1bへ向かう方向に冷媒が逆流するのを防ぐものである。
四方弁3a、3bは、圧縮機1a、1bから吐出された冷媒の流れ方向を切り替えて暖房運転と霜取り運転(冷房運転)とを切り替えるものである。具体的には、四方弁3a、3bは、冷房運転時には、それぞれ圧縮機1a、1bから吐出された高温高圧の冷媒を室外熱交換器4a、4bへ向かうように、かつ、室内ユニット300からそれぞれガス操作弁24a、24bを経由して流れてきた低温低圧のガス冷媒をアキュムレーター6a、6bへ向かうように流路を切り替える。
一方、四方弁3a、3bは、暖房運転時には、それぞれ圧縮機1a、1bから吐出された高温高圧の冷媒をガス操作弁24a、24bを経由して室内熱交換器11へ向かうように、かつ、室外熱交換器4a、4bから流出した低温低圧のガス冷媒をそれぞれアキュムレーター6a、6bへ向かうように流路を切り替える。図1では四方弁3a、3bを冷房運転側に切り替えた状態を示している。この四方弁3a、3bの流路の切り替えは、それぞれ制御装置50a、50bからの駆動信号によって実施される。
室外熱交換器4a、4bは、流入する冷媒と、ファン(図示せず)によって送られてくる外気との熱交換を実施するものである。具体的には、室外熱交換器4a、4bは、冷房運転時には、放熱器として機能し、それぞれ圧縮機1a、1bから流れてくる高温高圧の冷媒の熱を外気に放熱させる。一方、室外熱交換器4a、4bは、暖房運転時には、蒸発器として機能し、それぞれ過冷却熱交換器7a、7bから流れてくる気液二相冷媒に外気の熱を吸熱させる。
過冷却熱交換器7a、7bは、高圧側流路と低圧側流路とを有し、室外熱交換器4a、4bと流量調整弁5a、5bとの間の高圧側冷媒と、高圧側冷媒の一部を膨張弁8a、8bで減圧した低圧側冷媒とを熱交換させて高圧側冷媒を冷却するものである。過冷却熱交換器7a、7bは冷房運転時に使用されるものであり、暖房運転時は膨張弁8a、8bが全閉とされて使用されない。
流量調整弁5a、5bは、通過する冷媒の流量を調整し、膨張及び減圧させるものである。また、流量調整弁5a、5bは、暖房運転中、液バックによって圧縮機1a、1bが損傷するのを防止するため、それぞれ制御装置50a、50bからの駆動信号に従って開度が調整されるようになっている。流量調整弁5a、5bを調整するのは、暖房運転中のみであり、冷房運転中、流量調整弁5a、5bは、全開である。
アキュムレーター6a、6bは、それぞれ四方弁3a、3bを経由してきた冷媒における余剰冷媒を溜めておくものである。
室内熱交換器11は、流入する冷媒と、ファン(図示せず)によって送られてくる空調対象空間の空気との熱交換を実施するものである。具体的には、室内熱交換器11は、冷房運転時には、蒸発器として機能し、膨張弁10によって減圧された気液二相冷媒を空調対象空間の空気と熱交換させて蒸発させる。一方、室内熱交換器11は、暖房運転時には、放熱器として機能し、それぞれ室外ユニット100、室外ユニット200の圧縮機1a、1bから流れてくる高温高圧の冷媒を空調対象空間の空気と熱交換させて放熱させる。
膨張弁10は、室内ユニット300内を循環する冷媒の流量を調整し、膨張及び減圧させるものである。膨張弁10は、ここではステップモータ等の駆動装置(図示せず)によって自由に開度設定可能なものとしている。各膨張弁10は自己の膨張弁10に直列に接続される室内熱交換器11の接続容量に応じて異なる種類のものが採用される。ここでは、室内ユニット300A、300Bの膨張弁10が種類A、室内ユニット300Cの膨張弁10が種類Bとする。
液操作弁21a及びガス操作弁24aは、開状態となることによって、室外ユニット100と室内ユニット300との間で冷媒が流出入することになり、冷凍サイクルが成立することになる。
液操作弁21b及びガス操作弁24bは、開状態となることによって、室外ユニット200と室内ユニット300との間で冷媒が流出入することになり、冷凍サイクルが成立することになる。
液分配器22は、冷房運転時には、室外ユニット100の流量調整弁5aを通過した冷媒と、室外ユニット200の流量調整弁5bを通過した冷媒とを合流させ、室内ユニット300へ流入させる機能を有する。また、液分配器22は、暖房運転時には、室内ユニット300の膨張弁10によって減圧された冷媒を分岐させ、それぞれ室外ユニット100、室外ユニット200へ流入させる機能を有する。
ガス分配器23は、冷房運転時には、室内ユニット300の室内熱交換器11から流出した低温低圧のガス冷媒を分岐させ、それぞれ室外ユニット100、室外ユニット200へ流入させる機能を有する。また、ガス分配器23は、暖房運転時には、室外ユニット100のガス操作弁24aを介した冷媒と、室外ユニット200のガス操作弁24bを介した冷媒とを合流させ、室内ユニット300へ流入させる機能を有する。
なお、冷凍サイクルの構成は図示のものに限定されず、例えば過冷却熱交換器7a、7b及び膨張弁8a、8bは省略可能である。
続いて、センサ類と制御装置について説明する。
圧縮機1a、1bの吐出側には、圧縮機1a、1bから吐出される冷媒の吐出温度を検出する吐出温度センサ30a、30bが設置されている。また、アキュムレーター6a、6bの入口には、アキュムレーター6a、6bの温度を検出する温度センサ32a、32bが設けられている。また、室内ユニットの室内熱交換器11には、冷房運転時における蒸発温度又は暖房運転時における凝縮温度を検出する熱交温度センサ33が設けられている。
また、圧縮機1a、1bの吐出側には吐出圧力を検出する吐出圧力センサ40a、40bが設けられ、また、圧縮機1a、1bの吸入側には吸入圧力を検出する吸入圧力センサ41a、41bが設けられている。ここで、温度センサ32a、32bの位置をアキュムレーター6a、6bの入口側としたのは、アキュムレーター入口の冷媒過熱度を制御し、液冷媒がアキュムレーター6a、6bに戻らない運転を実現するためである。
なお、吸入圧力センサ41a、41bの位置については図示位置に限られたものではなく、四方弁3a、3bから圧縮機1a、1bの吸入側に至るまでの区間であれば、何処の場所に設けられていてもよい。また吐出圧力センサ40a、40bの圧力を飽和温度に換算することにより、冷凍サイクルの凝縮温度を求めることも可能である。これらの各温度センサ及び圧力センサの検出信号は後述の制御装置50に送信される。
室外ユニット100、200は制御装置50a、50bを備えている。制御装置50a、50bは、マイクロコンピュータで構成され、CPU、RAM及びROM等を備えており、ROMには制御プログラム及び後述のフローチャートに対応したプログラムが記憶されている。なお、以下では、各制御装置50a、50bの制御全体をまとめる場合は制御装置50として説明する。
制御装置50a、50bは、室外ユニット100、200及び室内ユニット300に設けられた各センサの検出情報取得できるようになっている。制御装置50a、50bは、これらの各種情報と予め搭載されている制御プログラムに基づいて、圧縮機1a、1bの運転周波数の制御、四方弁3a、3bの流路切り替え制御、並びに、膨張弁8a、8b及び流量調整弁5a、5bの開度調整等の空気調和装置1000全体の制御を行う。
具体的には、制御装置50a、50bは、室内ユニット300で必要とされる空調能力を発揮できるように、冷房運転時は目標蒸発温度、暖房運転時は目標凝縮温度を決定している。そして、その目標蒸発温度又は目標凝縮温度となるように圧縮機1a、1bの周波数を制御する。また、制御装置50は、冷房運転中及び暖房運転中、過熱度(冷房運転時)又は過冷却度(暖房運転時)が目標値となるように各室内ユニット300の膨張弁10の開度制御を行う。
また、制御装置50a、50bは更に、暖房運転中に、特許文献1と同様の方法で均液制御を行う。また、制御装置50は、暖房運転中に各種センサからの検出情報に基づいて室外熱交換器4a、4bの着霜を検知すると、霜取り運転を行う。本発明はこの霜取り運転中における液バック防止制御に特徴があるがその詳細は改めて説明する。
各制御装置50a、50bは通信線により互いに接続され、センサ情報及び制御情報等を送受信可能に接続されている。よって例えば、制御装置50aが受信した吐出温度、凝縮温度、アキュムレーター入口温度及び蒸発温度の情報を制御装置50bに送信することができる。同様に、制御装置50bは吐出温度、凝縮温度、アキュムレーター入口温度及び蒸発温度の情報を制御装置50aへ送信することができる。
なお、上記の構成例では制御装置50を室外ユニット100、200のみに設けた構成を示したが、次のようにしても良い。すなわち、制御装置50の機能の一部を持つ室内側の制御装置を室内ユニット300に設け、室外側の制御装置と室内側の制御装置との間でデータ通信を行うことにより連携処理を行う構成にしてもよい。
図2は、本発明の実施の形態1に係る空気調和装置の制御装置のブロック図である。図2には、霜取り運転中における液バック防止制御に関わる部分のみを示している。
制御装置50は、必要合算Cv値設定部51と、開度決定部52と、室内ユニット情報取得部53と、馬力情報取得部54とを備えている。開度決定部52は本発明の第1開度決定部及び第2開度決定部を構成している。必要合算Cv値設定部51及び開度決定部52の説明は、後述の動作説明の際に行うこととし、ここでは室内ユニット情報取得部53及び馬力情報取得部54について説明する。
室内ユニット情報取得部53は、各膨張弁10の種類と、種類別の膨張弁10の個数とに関する情報である室内ユニット情報を取得する。制御装置50には、室内ユニット300の接続台数(ここでは3台)と、室内ユニット300の能力とがシステム構築時等に予めインプットされている。また、室内ユニット300の能力によって膨張弁10の種類、個数が決まっている。このため、室内ユニット情報取得部53は、システム全体で使用している膨張弁10の種類及び種類別の個数を室内ユニット情報として取得できる。
馬力情報取得部54は、室外ユニット100、200の馬力情報を取得する。馬力情報取得部54は、予め記憶されている馬力情報を取得してもよいし、システム構築時等にインプットされた馬力情報を取得してもよい。
次に、実施の形態1に係る空気調和装置1000の冷凍サイクルの動作について説明する。
(暖房運転)
暖房運転では、四方弁3a、3bが図1の点線で示される状態に切り替えられる。なお、暖房運転中、制御装置50は、上述したように特許文献1と同様の均液制御に基づき流量調整弁5a、5bの開度制御を行っている。この制御については改めて簡単に説明する。また、膨張弁8a、8bは全閉、膨張弁10は、過冷却度が目標値となるように開度制御されている。
暖房運転では、圧縮機1a、1bによって圧縮され、吐出された高温高圧の冷媒は、逆止弁2a、2b、四方弁3a、3b、ガス操作弁24a、24bを通過し、ガス分配器23で合流して室内熱交換器11に流入する。室内熱交換器11に流入した高温高圧の冷媒は、ファン(図示せず)によって送られてくる室内吸込み空気と熱交換して放熱し、室内熱交換器11から流出する。室内熱交換器11から流出した高圧冷媒は、膨張弁10によって減圧され、低温低圧の気液二相冷媒となり、液分配器22で2つに分配される。液分配器22で分配された各冷媒のそれぞれは、液配管22a、22b及び液操作弁21a、21bを通過して室外ユニット100、200に流入する。室外ユニット100、200に流入する冷媒流量は、後述のように流量調整弁5a、5bの開度で調整される。
流量調整弁5a、5bを流出した冷媒は、室外熱交換器4a、4bに流入する。室外熱交換器4a、4bに流入した低温低圧の冷媒は、ファン(図示せず)によって送られてくる室外吸込み空気と熱交換して蒸発し、低温低圧のガス状態となる。ガス状態となった冷媒は、四方弁3a、3bを介してアキュムレーター6a、6bに流入する。アキュムレーター6a、6bへ流入した冷媒は、圧縮機1a、1bに吸入され、再び圧縮される。
ここで、暖房運転中における均液制御について簡単に説明する。この均液制御は、上述したように特許文献1と同様の均液制御を採用できる。すなわち、室外ユニット100と室外ユニット200のそれぞれで、自己の室外ユニット100、200における吐出過熱度とアキュムレーター入口過熱度とに基づいて流量調整弁5a、5bが個別に開度制御される。
すなわち、制御装置50aは、吐出過熱度を、吐出温度センサ30aにより検出された吐出温度と、吐出圧力センサ40aにより検出された圧力を飽和換算して求めた高圧圧力飽和温度との差で求める。また、制御装置50aは、アキュムレーター入口過熱度を、温度センサ32aで検出されたアキュムレーター入口温度と、吸入圧力センサ41aで検出された圧力を飽和換算して求めた低圧圧力飽和温度との差で求める。
制御装置50bは、吐出過熱度を、吐出温度センサ30bにより検出された吐出温度と、吐出圧力センサ40bにより検出された圧力を飽和換算して求めた高圧圧力飽和温度との差で求める。また、制御装置50bは、アキュムレーター入口過熱度を、温度センサ32bで検出されたアキュムレーター入口温度と吸入圧力センサ41bで検出された圧力を飽和換算して求めた低圧圧力飽和温度との差で求める。
以上のようにして求めた吐出過熱度とアキュムレーター入口過熱度とに基づいて流量調整弁5a、5bの開度制御を行うことで、暖房運転中において各室外ユニット100、200内の冷媒量をほぼ均一にすることができる。
次に、霜取り運転の冷凍サイクルの動作について説明する。
(霜取り運転)
霜取り運転では、四方弁3a、3bを図1の実線で示される状態に切り替えて冷房運転させる。霜取り運転中、流量調整弁5a、5bは全開、膨張弁8a、8bは全閉となっている。また、膨張弁10は、霜取り運転時の液バック防止用の開度αに固定制御される。なお、霜取り運転では全ての室内ユニット300を冷房運転させる。
霜取り運転では、圧縮機1a、1bによって圧縮された高温高圧の冷媒が、室外熱交換器4a、4bに流入する。室外熱交換器4a、4bに流入した高温高圧の冷媒によって室外熱交換器4a、4bの霜取りを実施する。室外熱交換器4a、4bで霜取りに利用された冷媒は、流量調整弁5a、5bを経由して液分配器22で合流し、室内ユニット300に流入する。室内ユニット300に流入した冷媒は、膨張弁10で減圧される。減圧された冷媒は、室内熱交換器11に流入し、室内吸込み空気と熱交換して吸熱し、室内熱交換器11から流出する。室内熱交換器11から流出した冷媒は、ガス分配器23で2つに分配され、それぞれがガス配管23a、23b及びガス操作弁24a、24bを通過して室外ユニット100、200に流入する。
室外ユニット100、200に流入した冷媒は、四方弁3a、3bを経由してアキュムレーター6a、6bへ流入する。アキュムレーター6a、6bへ流入した冷媒は、圧縮機1a、1bに吸入され、再び圧縮される。
(霜取り運転中の液バック防止制御)
次に、霜取り運転中の室内ユニット300の膨張弁10の開度αについて説明する。まず、膨張弁10の開度αを求めるにあたっての概要を説明する。制御装置50の必要合算Cv値設定部51は、馬力情報取得部54で取得した馬力情報と、予め記憶した、後述の図3に示す「液バック防止に必要な必要合算Cv値と馬力との関係」とに基づいて液バック防止に必要な必要合算Cv値を求めて設定する。なお、Cv値(弁容量係数)とは、弁に流すことのできる流量を表す係数であり、Cv値が大きいと流路の開口面積が大きいことを意味する。また、合算Cv値とは、空気調和装置1000の各膨張弁10のCv値を合算した値であり、必要合算Cv値とは、液バック防止が可能となるときの合算Cv値である。
なお、必要合算Cv値設定部51は、外部からの入力により必要合算Cv値を設定してもよい。
そして、制御装置50の開度決定部52は、その「必要合算Cv値」と後述の図4に示す「膨張弁の開度と、その開度のときの合算Cv値との関係」とに基づいて、各膨張弁10の開度αを決定する。なお、各膨張弁10の開度は同じに制御される。
図3は、「液バック防止に必要な必要合算Cv値と馬力との関係」を示す図である。図3は、実機試験により求められる。実機試験は、ここでは40馬力システムで行った。なお、40馬力システムで適用されるアキュムレーターには、容量が異なる例えば2種類のアキュムレーターがある。具体的には例えば、容量小(14[l])のアキュムレーターと、容量大(28[l])のアキュムレーターが用いられる。よって、アキュムレーター6a、6bに用いるアキュムレーターの組み合わせの構成例としては、容量小と容量小の組み合わせ、容量小と容量大の組み合わせ、容量大と容量大の組み合わせの3つの組み合わせがある。
各室外ユニット100、200のアキュムレーター6a、6bを両方共、容量大のものとした場合、十分な容量があるため、霜取り運転中にアキュムレーター6a、6bがオーバーフローして圧縮機1a、1bに液バックとなる問題は生じない。しかし、今後、コスト低減の目的で室外ユニット100、200のアキュムレーター容量を小さくしていくことを考えると、アキュムレーター6a、6bの容量を両方共、容量小のものとした場合、オーバーフローが懸念される。つまり、最も厳しい条件の組み合わせとした場合、オーバーフローが懸念される。
よって、ここでは40馬力システムで室外ユニット100、200のアキュムレーター6a、6bの容量を両方共、容量小とする。そして、合算Cv値を調整しながら、つまり各膨張弁10の開口面積を調整しながら霜取り運転を行い、オーバーフローが生じない合算Cv値を求める実機試験を行った。その結果、合算Cv値を1.2とする必要があることがわかった。この合算Cv値が40馬力のときの必要合算Cv値に相当する。そして、オーバーフローの防止に必要な必要合算Cv値が馬力に比例することを考えると、オーバーフローの防止に必要な必要合算Cv値と馬力との関係は図3のように求められることになる。
図4は、「膨張弁10の開度と、その開度のときの合算Cv値との関係」の一例を示す図である。
上記図3より、オーバーフローの防止に必要な必要合算Cv値が分かるため、この必要合算Cv値に基づき図4を参照することで、各膨張弁10の開度αを求めることができる。
図4は、以下のようにして作成できる。室内ユニット300A〜300Cの各膨張弁10のCv値は、自己の膨張弁10に直列に接続される室内熱交換器11の容量によって異なっている。制御装置50は、次の図5に示す「膨張弁10の種類別の開度と個別Cv値との関係」を予め記憶している。
図5は、「膨張弁10の種類別の開度と個別Cv値との関係」の一例を示す図である。
図5には、A、B、Cの3種類の個別Cv値と開度との関係を示している。
制御装置50は、室内ユニット情報取得部53で取得した室内ユニット情報(各膨張弁10の種類と、種類別の膨張弁10の個数)と、図4に示した「膨張弁10の種類別の開度と個別Cv値との関係」とに基づいて、個別Cv値を合算することで図4を求めることができる。つまり、本実施の形態1の空気調和装置1000では、種類Aを4個、種類Bを2個使用しているため、例えば開度が800[パルス]では、図5より種類Aの個別Cv値が0.18、種類BのCv値が0.15を得ることができる。よって、合算Cv値は、0.18×4+0.15×2=1.02として求められる。なお、図1では各室内ユニット300が二つの膨張弁10を並列に接続した構成を示しているが、この構成に限定するものではなく、一つの膨張弁10を室内熱交換器11に直列に接続した構成でもよい。この構成においても、同様の計算で合算Cv値を求めることができる。
なお、ここでは、「膨張弁10の開度と、その開度のときの合算Cv値との関係」を、室内ユニット情報と図5とに基づいて作成するとしたが、予め記憶しておいてもよい。
また、図3〜図5に示した関係は、これらの図に示したような式の形式に限らず表形式でも良く、表形式で制御装置50に記憶されていてもよい。また、図3〜図5に示した各数値は一例に過ぎない。
次に、本発明の実施の形態1に係る空気調和装置1000の制御動作を説明する。
図6は、本発明の実施の形態1に係る空気調和装置1000の制御動作を示すフローチャートである。以下、図6を参照しながら、暖房運転時における均液制御及び霜取り運転時における液バック防止制御について説明する。
(ST1)
まず、暖房運転を開始すると、室外ユニット100及び室外ユニット200のそれぞれは、均液制御を行う。すなわち、制御装置50は、上述したように吐出過熱度とアキュムレーター入口過熱度とに基づいて流量調整弁5a、5bの開度を調整する。これにより室外ユニット100及び室外ユニット200のそれぞれに流入する冷媒量が調整され、室外ユニット100及び室外ユニット200のそれぞれの冷媒量を均等にすることができる。なお、流量調整弁5a、5bの両方に同じ制御が行われるのではなく、流量調整弁5a、5bは、それぞれ自身が設けられている室外ユニット100、200の各機器の状態等に応じて制御が行われる。そして、流量調整弁5a、5bの制御は、暖房運転中、予め設定された制御間隔毎に制御される。
(ST2)
暖房運転中、制御装置50は、霜取り運転開始条件を満足しているかどうかを判定する。その判定の結果、霜取り運転開始条件を満足している場合、霜取り運転を開始し、そうでない場合、ステップST1に戻って引き続き暖房運転を行いながら均液制御を行う。
(ST3)
制御装置50は、霜取り運転開始条件を満足したと判断すると、四方弁3a、3bを図1の実線方向に切り替えて霜取り運転を開始する。
(ST4)
制御装置50の開度決定部52は、霜取り運転を開始すると共に、室内ユニット300の膨張弁10の開度αを上述のようにして決定する。そして、制御装置50は、決定された開度αに各室内ユニット300の膨張弁10を固定制御する。すなわち、制御装置50は、空気調和装置1000の馬力がここでは40馬力とすると、図3から必要合算Cv値が1.2と分かる。続いて制御装置50は図4に基づいて合算Cv値が1.2のときの各膨張弁10の開度αを930[パルス]と決定する。
このようにして決定された開度αに各膨張弁10を固定制御することにより、霜取り運転中、液配管22a、22bから室内ユニット300を介して室外ユニット100、200に向かう液冷媒の流量が制限される。これにより、霜取り運転中にアキュムレーター6a、6bがオーバーフローするのを抑制できる。その結果、圧縮機1a、1bに液冷媒が液バックするのを抑制できる。
(ST5、ST6)
そして、制御装置50は霜取り運転終了条件を満足しているかどうかを判定する。その判定の結果、霜取り運転終了条件を満足している場合は霜取り運転を終了して暖房運転に戻る。霜取り運転終了条件を満足していない場合、引き続き、霜取り運転を実施し、霜取り運転終了条件を満足しているかどうかを判定する。
(ST7、ST8)
制御装置50は霜取り運転終了条件を満足していると判定した場合、続いて室内ユニット300がサーモOFF又は停止信号を受信しているかどうかを判定する。その判定の結果、室内ユニット300がサーモOFF又は停止信号を受信している場合、制御装置50は、運転モードをサーモOFF又は停止とする。室内ユニット300がサーモOFF又は停止信号を受信していない場合は、暖房運転を継続したまま、ステップST1に戻り、同様の処理を繰り返す。
(実施の形態1の効果)
以上説明したように本実施の形態1によれば、暖房運転中に霜取り運転を開始する際、予め実機試験により求めた、霜取り運転時の液バック防止用の開度αに各室内ユニット300の膨張弁10を固定制御する。これにより、霜取り運転中にアキュムレーター6a、6bがオーバーフローするのを抑制でき、圧縮機1a、1bに液冷媒が液バックするのを抑制できる。
また、流量調整弁5a、5b及び膨張弁10の開度制御により、暖房運転中及び霜取り運転中の各室外ユニット100、200内の冷媒を、各室外ユニット100、200の能力に応じて均一に分配等できる。このように暖房運転中のみならず霜取り運転中の冷媒の偏在も改善できる。よって、アキュムレーター6a、6bの容量を小さくして原価低減を図ることが可能となる。
また、制御装置50は、「液バック防止に必要な必要合算Cv値と馬力との関係」及び「膨張弁10の種類別の開度と個別Cv値との関係」を予め記憶している。また、制御装置50は、予めインプットされている室内ユニット300の接続台数と、室内ユニット300の能力とに基づいて膨張弁10の種類と、種類別の個数に関する室内ユニット情報を取得する。そして、室内ユニット情報と、「膨張弁10の種類別の開度と個別Cv値との関係」とに基づいて「膨張弁10の開度と、その開度のときの合算Cv値との関係」を求めることができる。
そして、霜取り運転時には、制御装置50は、空気調和装置1000の馬力情報と、「液バック防止に必要な必要合算Cv値と馬力との関係」と、「膨張弁10の種類別の開度と個別Cv値との関係」とから、霜取り運転時の液バック防止用の開度αを決定できる。つまり、これらの関係を保持していることで、制御装置50は特定の馬力に限らず、任意の馬力の空気調和装置の制御装置として汎用的に使用でき、任意の馬力で室内ユニットの膨張弁10の開度を求めることができる。
実施の形態1は、室外ユニットが2台の例を示したが、室外ユニットが3台以上でもよく、その場合でも同様方法で霜取り運転を行うことで、液バックを抑制できる。
実施の形態2.
上記実施の形態1では、霜取り運転時の液バックを改善する制御について説明したが、液バックは、霜取り運転時だけでなく霜取り運転から暖房運転への復帰時に起こることもある。すなわち、霜取り運転を終了して暖房運転に切り替わった際、流量調整弁5a、5bと室内ユニット300の膨張弁10との間の液配管22a、22bに溜まった液冷媒が、一気にアキュムレーター6a、6bに戻る。この場合、一気に戻った液冷媒がアキュムレーター6a、6bからオーバーフローして圧縮機1a、1bに液バックする。よって、実施の形態2では、液バック保護の制御を更に強化するため、暖房運転への復帰時の液バックを抑制する制御を行う。
上記実施の形態1では、霜取り運転中、流量調整弁5a、5bの開度を全開としており、暖房運転への復帰時もそのまま全開としていた。これに対し、実施の形態2では、各室外ユニット100、200は、自身に設置されたアキュムレーター6a、6bのサイズに応じて予め設定された、暖房運転復帰時の液バック防止用の開度βに制御する。開度βは、予め実機試験を行ってアキュムレーター6a、6bがオーバーフローしないように求められた開度である。よって、流量調整弁5a、5bの開度を開度βに制御することにより、暖房運転復帰時のアキュムレーター6a、6bのオーバーフローを抑制でき、液バックを抑制できる。
開度βを求める実機試験は以下のようにして行われる。なお、ここではアキュムレーター6a、6bを実施の形態1と同様、最も厳しい条件の組み合わせである、容量小と容量小(どちらも例えば、14[l])の組み合わせとする。そして、冷媒回路内の冷媒を偏らせ、アキュムレーター6a、6bのどちらか、ここではアキュムレーター6aをほぼ満液とする。そして、流量調整弁5a、5bの両方の開度を段階的に小さくして空気調和装置1000を霜取り運転から暖房運転に復帰させる動作を繰り返し、アキュムレーター6aでオーバーフローが発生しない流量調整弁5a、5bの開度を見つける。そして、その開度を開度β(例えば、200パルス)とする。
なお、暖房運転中、アキュムレーター6a、6bからは、冷媒が流出して圧縮機1a、1bに向かう。このため、アキュムレーター6a、6bから流出する冷媒量が、室内ユニット300側からアキュムレーター6aに戻ってくる冷媒量よりも多い場合は、オーバーフローは発生しない。しかし、アキュムレーター6aから流出する冷媒量が、室内ユニット300側からアキュムレーター6aに戻ってくる冷媒量よりも少ないと、オーバーフローが発生することになる。
実機試験では、いわばその境目となるときの開度を求めることになる。なお、流量調整弁5a、5bの開度を小さくすればするほど、アキュムレーター6a、6bに戻る冷媒量が少なくなるため、オーバーフローを抑制できることになる。しかし、流量調整弁5a、5bを必要以上に閉めすぎると、室外ユニット100、200に戻る冷媒量が少なくなりすぎ、所望の暖房能力が得られなくなる。よって、上記実機試験を行い、上記境目を見極めることが有効である。
なお、ここでは、冷媒をアキュムレーター6a、6bのどちらかに偏らせてほぼ満液とした上で、オーバーフローが発生しない開度βを求めるとしたが、これは、厳しい試験条件を作り込む意図である。このように厳しい試験状態で実機試験を行った結果に基づき開度βを求め、この開度βに流量調整弁5a、5bの開度を制御することで、アキュムレーター6a、6bのオーバーフロー防止の確実性を高めることができる。
なお、上記では、アキュムレーター6a、6bの容量を同容量としたが、互いに容量が異なっていても良い。例えば、アキュムレーター6aを容量小(例えば、14[l])、アキュムレーター6bを容量大(例えば、28[l])としてもよい。容量大側のアキュムレーター6bの容量が十分な容量である場合、流量調整弁5bの開度を全開のままとしてもオーバーフローの問題は発生しない。よって、この場合は、容量小のアキュムレーター6a側の流量調整弁5aの開度βを、上記実機試験を行って得られた開度とし、容量大のアキュムレーター6b側の流量調整弁5bの開度βは全開とする。
なお、アキュムレーター6a、6bの容量が互いに異なる場合の例として、一方が容量小、他方が容量大、つまり他方の容量が十分な容量である場合の例を挙げたが、一方が容量小、他方が容量中(例えば、21[l])というような場合もある。つまり、容量中のアキュムレーター側の流量調整弁を全開とすると、オーバーフローが発生する場合がある。このような場合、容量小及び容量中のそれぞれに対応した開度βは、例えば予め記憶された次の図7に示す関係式を用いて決定すればよい。
図7は、「アキュムレーター容量と流量調整弁開度との関係式」の一例を示す図である。
図7より、容量小及び容量中のそれぞれのアキュムレーター容量[l]に対応した流量調整弁の開度β[パルス]を決定することができる。
上記のようにして開度βは予め決定されるが、現地の配管長や使用する空気条件によっても異なってくることから、幅を持たせるためにも制御装置50で開度を変更できるようにしておく。
図8は、本発明の実施の形態2に係る空気調和装置1000の制御動作を示すフローチャートである。以下、図8を参照しながら、暖房運転への復帰時の液バックを抑制する制御動作について説明する。
ST1〜ST8については、実施の形態1と同様である。
(ST9)
制御装置50の開度決定部52は、霜取り運転終了後、暖房運転に復帰する際に、室外ユニット100、200の流量調整弁5a、5bのそれぞれの開度を上述のようにして決定する。そして、制御装置50は、それぞれ対応の開度βに固定制御する。これにより、流量調整弁5a、5bと膨張弁10との間に溜まった液冷媒が、一気にアキュムレーター6a、6bに戻ることが抑制される。よって、アキュムレーター6a、6bのオーバーフローを防止でき、液バックを抑制できる。
(ST10)
そして、制御装置50は、霜取り運転を終了してから、予め設定した冷媒追い出し期間(例えば6分)が経過しているかどうかを判定する。冷媒追い出し期間とは、霜取り運転時に室外熱交換器4a、4bから室内ユニット300の膨張弁10の間に溜まった冷媒量を追い出すのにかかる時間である。ステップST10における判定の結果、冷媒追い出し期間が経過していれば室外ユニット100、200の流量調整弁5a、5bの開度固定を解除し、暖房運転に戻る。制御装置50は、冷媒追い出し期間が経過していない場合、ステップST7に戻る。
冷媒追い出し期間は、以下のようにして設定できる。ここでは、空気調和装置1000が40馬力であり、アキュムレーター6a、6bが両方共、容量小(14[l])のアキュムレーターである。また、開度βが200パルスの場合を例に冷媒追い出し期間の設定方法について説明する。実施の形態1で霜取り運転時に各室外熱交換器4a、4bから各室内ユニット300の膨張弁10の間に溜まる冷媒量は、配管長が室外ユニット100、200の馬力に応じて決められた最長である場合を考慮すると、最大で例えば50[kg]である。そして、室外ユニット100、200の流量調整弁5a、5bの開度を200パルスとしている場合の冷媒流量は250[kg/h]である。
このため、最も厳しい条件である、容量小と容量小の組み合わせで、流量調整弁5a、5bの開度を200パルスとしている場合を考慮すると冷媒追い出し期間は以下のように求められる。すなわち、50[kg]/(250[kg/h]×2)=0.1[h]=6[min]として求められる。
実施の形態2は、室外ユニットが2台のシステムについてであるが、実施の形態1と同様、室外ユニットが3台となっても同様である。
(実施の形態2の効果)
以上説明したように、本実施の形態2によれば実施の形態1と同様の効果が得られると共に、以下の効果が得られる。すなわち、上記手順により、暖房運転への復帰後の流量調整弁5a、5bのそれぞれの開度を、それぞれ対応の開度βに冷媒追い出し期間、固定開度とすることで、アキュムレーターの容量が小さい室外ユニットへの液バック量を抑制することが可能となる。
1a、1b 圧縮機、2a、2b 逆止弁、3a、3b 四方弁、4a、4b 室外熱交換器、5a、5b 流量調整弁、6a、6b アキュムレーター、7a、7b 過冷却熱交換器、8a、8b 膨張弁、9a、9b バイパス配管、10 膨張弁、11 室内熱交換器、21a、21b 液操作弁、22 液分配器、22a、22b 液配管、23 ガス分配器、23a、23b ガス配管、24a、24b ガス操作弁、30a、30b 吐出温度センサ、32a、32b 温度センサ、33 熱交温度センサ、40a、40b 吐出圧力センサ、41a、41b 吸入圧力センサ、50(50a、50b) 制御装置、51 必要合算Cv値設定部、52 開度決定部、53 室内ユニット情報取得部、54 馬力情報取得部、100 室外ユニット、200 室外ユニット、300(300A、300B、300C) 室内ユニット、1000 空気調和装置。

Claims (8)

  1. 圧縮機、前記圧縮機から吐出された冷媒の流れ方向を切り替えて暖房運転と霜取り運転とを切り替える四方弁、室外熱交換器及びアキュムレーターを有する複数の室外ユニットと、
    前記複数の室外ユニットにガス配管及び液配管により接続され、膨張弁及び室内熱交換器を有する1又は複数の室内ユニットと、
    前記霜取り運転中に前記液配管から前記1又は複数の室内ユニット及び前記ガス配管を介して記複数の室外ユニットに戻る冷媒量が、前記圧縮機への液バックを生じさせない冷媒量となるように前記膨張弁を制御する制御装置とを備え
    前記制御装置は、
    前記膨張弁のCv値を合算した合算Cv値であって、前記液バックの防止を可能とする必要合算Cv値を設定する必要合算Cv値設定部と、
    前記必要合算Cv値と、「前記膨張弁の開度と、その開度のときの前記合算Cv値との関係」とに基づいて前記霜取り運転時の液バック防止用の前記開度を決定する第1開度決定部とを備え、
    前記霜取り運転中、前記第1開度決定部で決定した前記開度に前記膨張弁の開度を固定制御することを特徴とする空気調和装置。
  2. 前記制御装置は、
    前記膨張弁の種類と、前記種類別の前記膨張弁の個数とに関する情報である室内ユニット情報を取得する室内ユニット情報取得部を有し、前記室内ユニット情報と、予め記憶した「前記膨張弁の種類別の開度と個別Cv値との関係」とに基づいて前記「前記膨張弁の開度と、その開度のときの前記合算Cv値との関係」を求める
    ことを特徴とする請求項記載の空気調和装置。
  3. 前記制御装置は、
    前記複数の室外ユニットの馬力情報を取得する馬力情報取得部を有し、
    前記必要合算Cv値設定部は、
    前記馬力情報と、予め記憶した「液バック防止に必要な必要合算Cv値と馬力との関係」とに基づいて前記必要合算Cv値を求めて設定する
    ことを特徴とする請求項又は請求項記載の空気調和装置。
  4. 前記複数の室外ユニットのそれぞれは、
    自己の前記室外ユニットに流入する冷媒量を調整する流量調整弁を前記室外熱交換器と前記膨張弁との間に備えており、
    前記制御装置は、
    前記霜取り運転から前記暖房運転への復帰時に、前記液配管から前記複数の室外ユニットに戻る冷媒量が、前記圧縮機への液バックを生じさせない冷媒量となるように複数の前記流量調整弁を制御する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項の何れか一項に記載の空気調和装置。
  5. 前記制御装置は、
    前記霜取り運転から前記暖房運転への復帰時に、複数の前記流量調整弁のそれぞれの開度を、その流量調整弁と共に同じ前記室外ユニットに備えられたアキュムレーターのサイズに応じて決められた、暖房運転復帰時の液バック防止用の開度に固定制御する
    ことを特徴とする請求項記載の空気調和装置。
  6. 圧縮機、前記圧縮機から吐出された冷媒の流れ方向を切り替えて暖房運転と霜取り運転とを切り替える四方弁、室外熱交換器及びアキュムレーターを有する複数の室外ユニットと、
    前記複数の室外ユニットにガス配管及び液配管により接続され、膨張弁及び室内熱交換器を有する1又は複数の室内ユニットと、
    前記霜取り運転中に前記液配管から前記1又は複数の室内ユニット及び前記ガス配管を介して記複数の室外ユニットに戻る冷媒量が、前記圧縮機への液バックを生じさせない冷媒量となるように前記膨張弁を制御する制御装置とを備え
    前記複数の室外ユニットのそれぞれは、
    自己の前記室外ユニットに流入する冷媒量を調整する流量調整弁を前記室外熱交換器と前記膨張弁との間に備えており、
    前記制御装置は、
    前記霜取り運転から前記暖房運転への復帰時に、前記液配管から前記複数の室外ユニットに戻る冷媒量が、前記圧縮機への液バックを生じさせない冷媒量となるように、複数の前記流量調整弁のそれぞれの開度を、その流量調整弁と共に同じ前記室外ユニットに備えられたアキュムレーターのサイズに応じて決められた、暖房運転復帰時の液バック防止用の開度に固定制御する
    ことを特徴とする空気調和装置。
  7. 前記制御装置は、
    「前記アキュムレーターのサイズに応じた前記暖房運転復帰時の液バック防止用の開度」を予め記憶しており、前記暖房運転への復帰時に、複数の前記アキュムレーターのそれぞれのサイズと、「前記アキュムレーターのサイズに応じた暖房運転復帰時用の開度」とに基づいて複数の前記流量調整弁のそれぞれの前記暖房運転復帰時用の開度を決定する第2開度決定部を備えた
    ことを特徴とする請求項5又は請求項6記載の空気調和装置。
  8. 前記制御装置は、
    前記霜取り運転中、霜取り運転時の液バック防止用の開度に前記膨張弁の開度を固定制御する
    ことを特徴とする請求項6又は請求項7記載の空気調和装置。
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