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JP5645453B2 - 空気調和装置 - Google Patents

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JP5645453B2 JP2010097956A JP2010097956A JP5645453B2 JP 5645453 B2 JP5645453 B2 JP 5645453B2 JP 2010097956 A JP2010097956 A JP 2010097956A JP 2010097956 A JP2010097956 A JP 2010097956A JP 5645453 B2 JP5645453 B2 JP 5645453B2
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Description

本発明は、空気調和装置に関するものである。
従来、複数の圧縮機を冷凍サイクルに並列に接続して、多数の室内機に冷媒を供給する空気調和装置が広く使用されている。
この空気調和装置の場合、圧縮機の運転台数によって、空調能力、すなわち冷媒流量の変動が大きくなる。圧縮機の潤滑油は冷媒に溶け込んで冷凍サイクル内を流動するため、冷媒流量の変動に伴って潤滑油分布が大きく変動する。また、冷凍サイクル内を循環した潤滑油が、どの圧縮機に戻るかは確定できないので、複数の圧縮機が接続される場合には油の分布に偏りが生じ、潤滑油不足となる恐れがあった。
これを解消するために、複数の圧縮機に貯留される潤滑油量を略均等にする均油運転が所定のインターバルで繰り返し行われる(特許文献1参照)。
均油運転は、基本的には、複数の圧縮機を相互に所定の回転数だけ差を付けて回転させる。これにより、各圧縮機へ吸入されるガス冷媒に圧力損失量に差がつくので、各圧縮機の内部(潤滑油貯留部)の圧力に差が出る。各圧縮機の内部圧力に差がつくと、圧力差のある圧縮機間を連通している均油管を通って潤滑油が移動するので、圧力差をつけた運転を交互に繰り返し行うことによって各圧縮機の潤滑油量を略均等にすることができる。
また、複数の圧縮機に貯留される潤滑油の量をそれぞれ一定レベル以上に保持する、すなわち、全体の潤滑油量を確保するために、均油運転は、上述の圧力差をつけた運転に先立って各圧縮機の回転数を所定の回転数、一般に増加した回転数にしてアキュムレータ(気液分離器)に貯留された液冷媒に混入した潤滑油を圧縮機内に還流させる還流運転を行っている。
特開平1−203855号公報
ところで、従来の均油運転では、還流運転における増加した回転数である所定回転数とし、それに引き続く圧力差をつけた運転は、この所定回転数を基準にして増減させている。このため、圧縮機の回転数は冷暖房運転時に比べて大きくなるので、全ての圧縮機が供給する冷媒量が冷暖房運転時に比べて大きくなる。これにより、均油運転中に室内機で過暖房あるいは過冷却という事態が発生し、快適性(空調フィーリング)を損なう恐れがあるし、保護制御が作動したりする恐れがある。
本発明は、このような事情に鑑み、均油運転時における冷媒供給量を調整し、快適性の著しい低下および保護制御に入る事態を抑制できる空気調和装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明の一態様は、回転数が可変とされ、相互に均油管で接続された複数の圧縮機と、該圧縮機の吸入側に吸入される冷媒ガス中から液分を分離し、潤滑油を含む液冷媒を貯留する気液分離器と、前記圧縮機の運転に伴い前記気液分離器に貯留された前記液冷媒を徐徐に前記圧縮機の吸入側に供給する供給管と、前記複数の圧縮機に貯留される潤滑油の量をそれぞれ一定レベル以上に保持する均油制御モードを有する運転を制御する制御部と、が備えられている空気調和装置であって、前記均油制御モードは、前記複数の圧縮機の内、気液分離器から前記液冷媒が十分に吸入できる所定回転数以上に一部の圧縮機を増速して回転させ、前記一部の圧縮機が前記所定回転数以上で運転された場合に全ての圧縮機による冷媒供給量が均油運転開始前の冷媒供給量を維持するように算出された回転数まで残りの圧縮機の回転数を低減させる動作を、全ての圧縮機が少なくとも一度は前記所定回転数以上で運転されるように前記一部の圧縮機を切り替えて繰り返し行う空気調和装置である。
本態様にかかる空気調和装置では、制御部の均油制御モードが、たとえば、所定のインターバルで機能する。均油制御モードは、複数の圧縮機の内、一部の圧縮機を気液分離器に貯留された液冷媒を十分に吸入できる所定回転数以上に増速して回転させ、一方で、残りの圧縮機の回転数を一部の圧縮機が所定回転数以上で運転された場合に全ての圧縮機による冷媒供給量が均油運転開始前の冷媒供給量を維持するように算出された回転数まで低減させる。
これにより、一部の圧縮機は増加された回転数で運転され、残りの圧縮機は低減された回転数で運転されるので、各圧縮機へ吸入されるガス冷媒に圧力損失量の差が発生し、各圧縮機の内部の圧力に差が出る。各圧縮機の内部圧力に差がつくと、圧力差のある圧縮機間を連通している均油管を通って潤滑油が移動する。また、一部の圧縮機は、所定回転数以上で運転されているので、気液分離器に貯留された液冷媒に混入した潤滑油を十分に圧縮機内に還流させることができる。
この動作は、全ての圧縮機が少なくとも一度は所定回転数以上で運転されるように一部の圧縮機を切り替えて繰り返し行われるので、各圧縮機には、気液分離器からの潤滑油の還流量を十分確保できるとともに各圧縮機の潤滑油量を略均等にすることができる。
このとき、残りの圧縮機は、全ての圧縮機による冷媒供給量が均油運転開始前の冷媒供給量を維持するように回転数が低減されるので、全ての圧縮機が供給する冷媒供給量は、均油運転の開始時、言い換えると、冷暖房運転の冷媒供給量と略同じである。したがって、室内機に供給される冷媒量は変化しないので、均油運転中に室内機で過暖房あるいは過冷却という事態が発生し、快適性(空調フィーリング)を損なうことおよび保護制御が作動したりすることを抑制できる。
なお、均油制御モードの実施に先立ち油戻し制御を行い気液分離器に潤滑油を多く貯留させておくことが好ましい。
前記態様では、前記均油制御モードは、前記残りの圧縮機の回転数を低減して停止させる場合、停止タイミングを前記一部の圧縮機の所定回転数への増加開始タイミングよりも所定時間遅らせることが好適である。
冷暖房運転の冷媒供給量の状況に応じて、残りの圧縮機が停止されることがある。また、残りの圧縮機が非常に低速で回転させる場合には、圧縮機の耐久性等を勘案して一部の圧縮機の回転数を残りの圧縮機の回転数分増加(所定回転数よりも回転数を増加)させ、残りの圧縮機を停止させることがある。
残りの圧縮機を停止すると、その時点で残りの圧縮機における冷媒供給量が無くなる。一方、残りの圧縮機が一部の圧縮機に切り替えられ、一部の圧縮機に切り替えられた圧縮機が停止状態から所定回転数に達するまでには時間がかかるので、冷媒供給量は徐徐に増加することになる。言い換えると、一部の圧縮機による冷媒供給量が所定の量(冷暖房時の冷媒供給量)になるには若干のタイムラグがある。
本態様では、均油制御モードは、残りの圧縮機の停止タイミングを一部の圧縮機の所定回転数への増加開始タイミングよりも所定時間遅らせるので、このタイムラグによる一時的な冷媒供給量が低下するのを抑制することができる。
本発明によると、複数の圧縮機の内、一部の圧縮機を気液分離器に貯留された液冷媒が十分に吸入できる所定回転数で回転させ、全ての圧縮機による冷媒供給量が均油運転開始前の冷媒供給量を維持するように残りの圧縮機の回転数を低減させる動作を、全ての圧縮機が少なくとも一度は所定回転数で運転されるように一部の圧縮機を切り替えて繰り返し行うので、各圧縮機には、気液分離器からの潤滑油の還流量を十分確保できるとともに各圧縮機の潤滑油量を略均等にすることができ、か、均油運転中に室内機で過暖房あるいは過冷却という事態が発生し、快適性(空調フィーリング)を損なうことおよび保護制御が作動したりすることを抑制できる。
本発明の一実施形態にかかる空気調和装置の冷凍サイクルを示すブロック図である。 本発明の一実施形態にかかる空気調和装置で均油運転される際の各圧縮機の回転数の時間変化を示すタイムチャートである。 本発明の一実施形態の別の実施態様にかかる空気調和装置で均油運転される際の各圧縮機の回転数の時間変化を示すタイムチャートである。 本発明の一実施形態のさらに別の実施態様にかかる空気調和装置で均油運転される際の各圧縮機の回転数の時間変化を示すタイムチャートである。
以下、本発明の一実施形態にかかるマルチ型の空気調和装置1について図1および図2を用いて詳細に説明する。
図1は、本実施形態にかかる空気調和装置1の冷凍サイクルを示すブロック図である。
空気調和装置1には、2台の室外機3(3A,3B)と、複数の室内機5と、これらを接続するガス側配管7および液側配管9とが備えられている。
室外機3A,3Bは、略同構成であるので、両者を区別する必要がある部材については、符号の後にサフィックス“A”あるいは“B”を付して区別し、その必要が少ない部材については符号のみを付して説明する。
室外機3A,3Bには、冷媒を圧縮するインバータ駆動の圧縮機11A,11Bと、冷媒ガス中から潤滑油を分離する油分離器13と、冷媒の循環方向を切り換える四方切換弁15と、冷媒と外気とを熱交換させる2台の室外熱交換器17と、暖房用の室外電動膨張弁(EEVH)19と、液冷媒を貯留するレシーバ21と、液冷媒に過冷却を与える過冷却熱交換器23と、過冷却熱交換器23に分流される冷媒量を制御する過冷却電動膨張弁(EEVSC)25と、圧縮機11A,11Bに吸入される冷媒ガス中から液分を分離し、液冷媒を貯留するアキュムレータ(気液分離器)27A,27Bと、ガス側操作弁29と、液側操作弁31と、が備えられている。
室外機3側の上記各機器は、吐出配管33、ガス配管35、液配管37、ガス配管39、吸入配管41、および過冷却用の分岐配管43等の冷媒配管を介して公知の如く接続されている。また、油分離器13と圧縮機11A,11Bの吸入配管41との間には、油分離器13内で吐出冷媒ガスから分離された冷凍機油を所定量ずつ圧縮機11A,11B側に戻すための油戻し回路45が設けられている。
圧縮機11A,11Bは、図示しないインバータによって回転数が調節されるように構成されている。
ガス側配管7および液側配管9は、室外機3A,3Bのガス側操作弁29および液側操作弁31に接続される冷媒配管であり、現場での据え付け施工時に、室外機3A,3Bとそれに接続される複数の室内機5との間の距離に応じてその長さが設定されるようになっている。
ガス側配管7および液側配管9の途中には、それぞれ適宜台数の室内機5が接続されるように適宜分岐されている。
アキュムレータ27A,27Bで気液分離された低圧ガスは、冷媒配管を構成する吸入配管41を通って、圧縮機11A,11Bの吸入側に供給されるようにされている。
過冷却電動膨張弁25を通る冷媒は、分岐配管43および吸入配管41を介してアキュムレータ27A,27Bに供給される。
アキュムレータ27A,27Bで気液分離された液冷媒は、キャピラリチューブを有する還流配管(供給管)47を通って、吸入配管41に供給されるようにされている。
圧縮機11Aの内部(潤滑油貯留部)と圧縮機11Bの内部(潤滑油貯留部)とを連通させる均油管46が設けられている。均油管46には、圧縮機11A,11B側に開閉弁48が備えられている。
室内機5は、複数設けられており、各室内機5の構成は同等とされる。
室内機5には、冷媒と室内空気とを熱交換させて室内の空調に供する室内熱交換器49と、冷房用の室内膨張弁(EEVC)51と、が備えられている。
空気調和装置1には、その運転を制御する制御部53が備えられている。制御部53には、空気調和装置1の圧縮機11A,11Bに貯留される潤滑油の量をそれぞれ一定レベル以上に保持する均油動作を制御する均油制御モード55が備えられている。
以上のように構成された本実施形態にかかる空気調和装置1の冷暖房運転動作について説明する。
冷房運転は、以下のように行われる。
圧縮機11A,11Bで圧縮された高温高圧の冷媒ガスは、圧縮機11A,11Bから吐出され、油分離器13で冷媒中に含まれている冷凍機油が分離される。
その後、冷媒ガスは、四方切換弁15を経て室外熱交換器17で外気と熱交換されて凝縮液化される。この液冷媒は、室外膨張弁19を通過し、レシーバ21にいったん貯留される。
レシーバ21で循環量が調整された液冷媒は、過冷却熱交換器23を流通される過程で、分岐配管43に一部が分流され、過冷却用膨張弁(EEVSC)25で断熱膨張された冷媒と熱交換されて過冷却度が付与される。
この液冷媒は、液側操作弁31を経て室外機3A,3Bから液側配管9へと導出される。液側配管9に導出された液冷媒は、各室内機5へと分流される。
各室内機5に流入した液冷媒は、室内膨張弁(EEVC)51で断熱膨張され、気液二相流となって室内熱交換器49へと流入される。
室内熱交換器49では、循環される室内空気と冷媒とが熱交換され、室内空気は冷却されて室内の冷房に供される。
一方、冷媒はガス化され、ガス側配管7を通って再び室外機3A,3Bに戻る。
室外機3A,3Bに戻ったガス配管39を通る冷媒ガスは、四方切換弁15を経て吸入配管41を通ってアキュムレータ27A,27Bに導入される。
アキュムレータ27A,27Bでは、冷媒ガス中に含まれている液分が分離され、ガス分のみが吸入配管41を通って圧縮機11A,11Bへと吸入される。この冷媒は、圧縮機11A,11Bにおいて再び圧縮され、以上のサイクルを繰り返すことによって冷房運転が行われる。
一方、暖房運転は、以下のように行われる。
圧縮機11A,11Bにより圧縮された高温高圧の冷媒ガスは、圧縮機11A,11Bから吐出され、油分離器13で冷媒中に含まれている冷凍機油が分離された後、四方切換弁15によりガス側配管7側に供給される。
この冷媒は、ガス側操作弁29、ガス側配管7を経て室外機3A,3Bから導出され、更に分岐されて各室内機5へと導入される。
室内機5に導入された高温高圧の冷媒ガスは、室内熱交換器49で循環される室内空気と熱交換され、室内空気は加熱されて室内の暖房に供される。
一方、冷媒は凝縮され、室内膨張弁(EEVC)51および液側配管9を経て室外機3A,3Bに戻される。
室外機3に戻った液配管9を通る冷媒は、液側操作弁31を経て過冷却熱交換器23に至り、冷房時の場合と異なり過冷却用膨張弁25は常に作動させるわけではなく、過冷却も付与しない場合がある。そして、レシーバ21に流入され、いったん貯留されることにより循環量が調整される。
この液冷媒は、室外膨張弁(EEVH)19で断熱膨張された後、室外熱交換器17へと流入される。
室外熱交換器17では、送風される外気と冷媒とが熱交換され、冷媒は外気から吸熱して蒸発ガス化される。
この冷媒は、室外熱交換器17から四方切換弁15を経て吸入配管41を通ってアキュムレータ27A,27Bに導入される。
アキュムレータ27A,27Bでは、冷媒ガス中に含まれている液分が分離され、ガス分のみが吸入配管41を通って圧縮機11A,11Bへと吸入される。この冷媒は、圧縮機11A,11Bにおいて再び圧縮される。以上のサイクルを繰り返すことによって暖房運転が行われる。
次に、均油制御モード55による均油運転について図2を用いて説明する。圧縮機11Aは、運転回転数Naで、圧縮機11Bは運転回転数Nbで運転されている。
均油制御モード55では、アキュムレータ27A,27Bに貯留された液冷媒が十分に吸入できる所定回転数Nacが設定されている。
均油制御モード55は、一台(一部)の圧縮機、たとえば、圧縮機11Aが所定回転数Nacで運転された場合、他(残り)の圧縮機11Bをどの程度の回転数で運転すれば、運転中の圧縮機11A,11Bが供給している冷媒量を確保できるか算出する。必要な圧縮機11Bの回転数が非常に小さかった場合、その回転数で圧縮機11Bを運転すると、圧縮機Bに不具合と判断した場合、圧縮機Bを停止させることにする。この場合、圧縮機11Aは、圧縮機11Bが供給すべき冷媒供給量を上乗せするために、所定回転数Nacよりも若干大きな回転数Nで運転することとする。
なお、必要な圧縮機11Bの回転数がある程度の大きさであれば、圧縮機11Aの回転数Nは所定回転数Nacとし、圧縮機11Bも運転することとする。
また、必要な圧縮機11Bの回転数が0の場合、圧縮機11Aの回転数Nは所定回転数Nacとし、圧縮機11Bは運転を停止することとする。
均油制御モード55は、時点Xで均油運転を開始する。均油制御モード55は圧縮機11Aの回転数を運転時の回転数Naから回転数Nへ向けて増加させる。均油制御モード55は、時点Xから時間(所定時間)T0後に、圧縮機11Bを停止する。これは、圧縮機11Aの能力増加にタイムラグがあるので、このタイムラグによる一時的な冷媒供給量が低下するのを抑制するためである。
圧縮機11Aは増加された回転数Nで運転され、圧縮機11Bは停止されるので、圧縮機11A,11Bへ吸入されるガス冷媒に圧力損失量の差が発生し、圧縮機11A,11Bの内部の圧力に差が出る。圧縮機11A,11Bの内部圧力に差がつくと、圧力差のある圧縮機11A,11B間を連通している均油管46を通って潤滑油が移動する。
また、圧縮機11Aは、所定回転数Nacよりも大きな回転数Nで運転されているので、アキュムレータ27Aに貯留された液冷媒に混入した潤滑油を十分に圧縮機11A内に還流させることができる。
均油制御モード55は、圧縮機11Aの回転数Nでの運転および圧縮機11Bの停止の状態が予め設定した時間経過すると、圧縮機11Aと圧縮機11Bとの役割を逆転させる。すなわち、均油制御モード55は圧縮機11Aを停止し、圧縮機11Bを回転数Nで運転するようにする。
このようにすると、圧縮機11A,11B間で均油管46を通って潤滑油が移動する。圧縮機11Bは、所定回転数Nacよりも大きな回転数Nで運転されているので、アキュムレータ27Bに貯留された液冷媒に混入した潤滑油を十分に圧縮機11B内に還流させることができる。
このように、全ての圧縮機11A,11Bが少なくとも一度は所定回転数Nacよりも大きな回転数Nで運転されるので、圧縮機11A,11Bには、アキュムレータ27A,27Bからの潤滑油の還流量を十分確保できるとともに圧縮機11A,11Bの潤滑油量を略均等にすることができる。
停止する圧縮機を圧縮機11Bから圧縮機11Aへ切り替える場合、圧縮機11Bを停止状態から起動するタイミングと、圧縮機11Aを停止するタイミングとは、後者が前者よりも時間(所定時間)T1だけ遅らせている。
圧縮機11Bが停止状態から回転数Nに達するまでには時間がかかるので、冷媒供給量は徐徐に増加することになる。言い換えると、圧縮機11Bによる冷媒供給量が所定の量(冷暖房時の冷媒供給量)になるには若干のタイムラグがある。
均油制御モード55は、圧縮機11Aの停止タイミングを圧縮機11Bの回転数Nへの増加開始タイミングよりも時間T1だけ遅らせているので、このタイムラグによる一時的な冷媒供給量が低下するのを抑制することができる。
時間T1は、回転数差が大きくタイムラグ時間が大きいので、時間T0よりも大きく設定されている。
時間T0および時間T1は、必要に応じて設定されるが、たとえば、回転数の増加に要する時間の半分位の時間とされる。
なお、停止される圧縮機11が、低い回転数で運転される場合、該圧縮機11の冷媒供給は徐徐に低下するので、その低下させるタイミングは他方の回転数を増加させるタイミングと一致させてもよいし、時間T1よりも小さい時間遅延させてもよい。
本実施形態では、室外機3A,3Bが2台の場合であるが、3台の室外機3にも同様に適用することができる。3台目の室外機3は、図1に一点鎖線で示されるように、ガス側配管7および液側配管9によって並列に接続される。3台目の圧縮機11Cは均油管46で圧縮機11A,11Bと並列に接続されている。
ここでは、圧縮機11A,11Bが運転され、圧縮機11Cが停止されている状態で均油運転を行う場合を説明する。
均油制御モード55は、この場合も、上述の2台圧縮機11A,11Bと同様に一部の圧縮機、たとえば、圧縮機11Aが所定回転数Nacで運転された場合、残りの圧縮機11B,11Cをどの程度の回転数で運転すれば、運転中の圧縮機11A,11Bが供給している冷媒量を確保できるか算出する。そして、上述と同様に所定回転数Nacで運転する圧縮機11の回転数Nを決定する。
ここでは、1台の圧縮機11を回転数Nで運転し、他の2台の圧縮機11は停止させることで説明する。
均油制御モード55は、時点Xで均油運転を開始する。均油制御モード55は圧縮機11Aの回転数を運転時の回転数Naから回転数Nへ向けて増加させる。均油制御モード55は、時点Xから時間(所定時間)T0後に、圧縮機11Bを停止する。すなわち、圧縮機11B,11Cは停止する。これは、圧縮機11Aの能力増加にタイムラグがあるので、このタイムラグによる一時的な冷媒供給量が低下するのを抑制するためである。
圧縮機11Aは増加された回転数Nで運転され、圧縮機11B,11Cは停止されているので、圧縮機11A,11B,11Cへ吸入されるガス冷媒に圧力損失量の差が発生し、圧縮機11A,11B,11Cの内部の圧力に差が出る。圧縮機11A,11B,11Cの内部圧力に差がつくと、圧力差のある圧縮機11A,11B,11C間を連通している均油管46を通って潤滑油が移動する。
また、圧縮機11Aは、所定回転数Nacよりも大きな回転数Nで運転されているので、アキュムレータ27Aに貯留された液冷媒に混入した潤滑油を十分に圧縮機11A内に還流させることができる。
均油制御モード55は、圧縮機11Aの回転数Nでの運転および圧縮機11B,11Cの停止の状態が予め設定した時間経過すると、圧縮機11Aと圧縮機11Bとの役割を逆転させる。すなわち、均油制御モード55は圧縮機11Aを停止し、圧縮機11Bを回転数Nで運転するようにする。
このようにすると、圧縮機11A,11B,11C間で均油管46を通って潤滑油が移動する。圧縮機11Bは、所定回転数Nacよりも大きな回転数Nで運転されているので、アキュムレータ27Bに貯留された液冷媒に混入した潤滑油を十分に圧縮機11B内に還流させることができる。
均油制御モード55は、圧縮機11Bの回転数Nでの運転および圧縮機11A,11Cの停止の状態が予め設定した時間経過すると、圧縮機11Bと圧縮機11Cとの役割を逆転させる。すなわち、均油制御モード55は圧縮機11Bを停止し、圧縮機11Cを回転数Nで運転するようにする。これにより、圧縮機11A,11B,11Cの潤滑油の移動が行われ、かつ、圧縮機11Cにもアキュムレータ29から潤滑油を十分に還流させることができる。
このように、全ての圧縮機11A,11B,11Cが少なくとも一度は所定回転数Nacよりも大きな回転数Nで運転されるので、圧縮機11A,11B,11Cには、アキュムレータ27A,27B,27Cからの潤滑油の還流量を十分確保できるとともに圧縮機11A,11B,11Cの潤滑油量を略均等にすることができる。
停止させるタイミングは、それぞれ停止状態から起動するタイミングよりも時間T1だけ遅らせ、一時的な冷媒供給量が低下するのを抑制している。
また、並列に接続された4台の室外機3にも同様に適用することができる。
ここでは、図4に示されるように全ての圧縮機11A,11B,11C,11Dが運転されている状態で均油運転を行う場合を説明する。
均油制御モード55は、この場合も、上述の2台圧縮機11A,11Bと同様に一部の圧縮機、たとえば、圧縮機11A,11Cが所定回転数Nacで運転された場合、残りの圧縮機11B,11Dをどの程度の回転数で運転すれば、運転中の圧縮機11A,11B,11C,11Dが供給している冷媒量を確保できるか算出する。そして、上述と同様に所定回転数Nacで運転する圧縮機11の回転数Nを決定する。
ここでは、2台の圧縮機11を回転数Nで運転し、他の2台の圧縮機11は停止させることで説明する。
均油制御モード55は、時点Xで均油運転を開始する。均油制御モード55は圧縮機11A,11Cの回転数を運転時の回転数Na,Ncから回転数Nへ向けて増加させる。均油制御モード55は、時点Xから時間(所定時間)T0後に、圧縮機11B,11Dを停止する。これは、圧縮機11A,11Cの能力増加にタイムラグがあるので、このタイムラグによる一時的な冷媒供給量が低下するのを抑制するためである。
圧縮機11A,11Cは増加された回転数Nで運転され、圧縮機11B,11Dは停止されているので、圧縮機11A,11B,11Cへ吸入されるガス冷媒に圧力損失量の差が発生し、圧縮機11A,11B,11C,11Dの内部の圧力に差が出る。圧縮機11A,11B,11C,11Dの内部圧力に差がつくと、圧力差のある圧縮機11A,11B,11C,11D間を連通している均油管46を通って潤滑油が移動する。
また、圧縮機11A,11Cは、所定回転数Nacよりも大きな回転数Nで運転されているので、アキュムレータ27A,27Cに貯留された液冷媒に混入した潤滑油を十分に圧縮機11A,11C内に還流させることができる。
均油制御モード55は、圧縮機11A,11Cの回転数Nでの運転および圧縮機11B,11Dの停止の状態が予め設定した時間経過すると、圧縮機11A,11Cを停止し、圧縮機11B,11Dを回転数Nで運転するようにする。
次いで、均油制御モード55は、圧縮機11B,11Dの回転数Nでの運転および圧縮機11A,11Cの停止の状態が予め設定した時間経過すると、圧縮機11C,11Dを停止し、圧縮機11A,11Bを回転数Nで運転するようにする。
次いで、均油制御モード55は、圧縮機11A,11Bの回転数Nでの運転および圧縮機11C,11Dの停止の状態が予め設定した時間経過すると、圧縮機11A,11Bを停止し、圧縮機11C,11Dを回転数Nで運転するようにする。
これらの状態における動作は上述と同様であるので、ここでは重複した説明を省略する。
このようにすると、4台の圧縮機11A,11B,11C,11Dは、2台ずつ組み合わせを変えて所定回転数Nacよりも大きな回転数Nでそれぞれ2期間に亘り運転されるので、アキュムレータ27に貯留された液冷媒に混入した潤滑油を十分に還流させることができるし、均油管46を通した潤滑油量における相互間の均一化を図ることができる。
この場合も、圧縮機11を停止させるタイミングは、それぞれ停止状態から起動するタイミングよりも時間T1だけ遅らせ、一時的な冷媒供給量が低下するのを抑制している。
なお、本発明は以上説明した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形を行ってもよい。
たとえば、本実施形態では、1台の圧縮機11を有する室外機3が複数台備えられているものであるが、複数の圧縮機11を有する室外機3を1台あるいは複数台備えられているものに対しても同様に適用できる。
1 空気調和装置
11,11A,11B,11C,11D 圧縮機
27A,27B アキュムレータ
46 均油管
47 還流配管
53 制御部
55 均油制御モード
T0,T1 時間

Claims (4)

  1. 回転数が可変とされ、相互に均油管で接続された複数の圧縮機と、
    該圧縮機の吸入側に吸入される冷媒ガス中から液分を分離し、潤滑油を含む液冷媒を貯留する気液分離器と、
    前記圧縮機の運転に伴い前記気液分離器に貯留された前記液冷媒を徐徐に前記圧縮機の吸入側に供給する供給管と、
    前記複数の圧縮機に貯留される潤滑油の量をそれぞれ一定レベル以上に保持する均油制御モードを有する運転を制御する制御部と、が備えられている空気調和装置であって、
    前記均油制御モードは、前記複数の圧縮機の内、気液分離器から前記液冷媒が十分に吸入できる所定回転数以上に一部の圧縮機を増速して回転させ、前記一部の圧縮機が前記所定回転数以上で運転された場合に全ての圧縮機による冷媒供給量が均油運転開始前の冷媒供給量を維持するように算出された回転数まで残りの圧縮機の回転数を低減させる動作を、全ての圧縮機が少なくとも一度は前記所定回転数以上で運転されるように前記一部の圧縮機を切り替えて繰り返し行うことを特徴とする空気調和装置。
  2. 前記均油制御モードは、前記残りの圧縮機の回転数を低減して停止させる場合、停止タイミングを前記一部の圧縮機の所定回転数への増加開始タイミングよりも所定時間遅らせることを特徴とする請求項1に記載の空気調和装置。
  3. 回転数が可変とされ、相互に均油管で並列に接続された複数の圧縮機と、
    該圧縮機の吸入側に吸入される冷媒ガス中から液分を分離し、潤滑油を含む液冷媒を貯留する気液分離器と、
    前記圧縮機の運転に伴い前記気液分離器に貯留された前記液冷媒を徐徐に前記圧縮機の吸入側に供給する供給管と、
    前記複数の圧縮機に貯留される潤滑油の量をそれぞれ一定レベル以上に保持する均油制御モードを有する運転を制御する制御部と、が備えられている空気調和装置であって、
    前記均油制御モードは、前記複数の圧縮機の内、一部の一以上の前記圧縮機の組み合わせを第1の圧縮機群とし、残りの一以上の前記圧縮機の組み合わせを第2の圧縮機群とし、気液分離器から前記液冷媒が十分に吸入できる所定回転数以上に前記第1の圧縮機群内の前記圧縮機を増速して回転させ、前記第1の圧縮機群が前記所定回転数以上で運転された場合に全ての前記圧縮機による冷媒供給量が均油運転開始前の冷媒供給量を維持するように算出された回転数まで前記第2の圧縮機群内の前記圧縮機の回転数を低減させる動作を、全ての前記圧縮機が少なくとも一度は前記所定回転数以上で運転されるように前記第1の圧縮機群および前記第2の圧縮機群内の前記圧縮機の組み合わせを切り替えて繰り返し行うことを特徴とする空気調和装置。
  4. 前記均油制御モードは、前記第2の圧縮機群内の前記圧縮機の回転数を低減して停止させる場合、停止タイミングを前記第1の圧縮機群内の前記圧縮機の前記所定回転数への増加開始タイミングよりも所定時間遅らせることを特徴とする請求項3に記載の空気調和装置。
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