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JP6427896B2 - 眼内レンズ挿入器具および眼内レンズ挿入システム - Google Patents

眼内レンズ挿入器具および眼内レンズ挿入システム Download PDF

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JP6427896B2 JP2014034619A JP2014034619A JP6427896B2 JP 6427896 B2 JP6427896 B2 JP 6427896B2 JP 2014034619 A JP2014034619 A JP 2014034619A JP 2014034619 A JP2014034619 A JP 2014034619A JP 6427896 B2 JP6427896 B2 JP 6427896B2
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Description

本発明は、眼鏡レンズを眼内に挿入する眼内レンズ挿入器具および眼内レンズ挿入システムに関する。
従来、白内障の手術方法の1つとして水晶体を摘出した後、水晶体の代わりとして眼内レンズを挿入する手法が一般的に用いられている。眼内レンズを挿入するために設ける患者眼の切開創を小さくするために軟性の眼内レンズを用い、眼内レンズ挿入器具で眼内レンズを小さく折り曲げて眼内へと挿入する手法が広く用いられている。軟性の眼内レンズとして、患者眼の視度を提供する光学部と、光学部を眼内で支える支持部を有する眼内レンズが広く用いられている。
軟性の眼内レンズを眼内に挿入する眼内レンズ挿入器具として、押出棒に支持部を係止させて眼内レンズを押し出す眼内レンズ挿入器具が知られている(特許文献1)。
特開2012−125355
しかし、特許文献1の眼内レンズ挿入器具は、支持部を押出棒の上方に係止して押し出すため、眼内レンズを挿入部から排出した際、押出棒の先端は支持部と水晶体嚢の間に位置される。押出棒を患者眼の角膜側へ引き戻す際に、支持部が押出棒の凹凸形状に引っかかり、眼内レンズが意図せぬ方向に動いてしまう可能性があった。術者は押出棒の先端を水晶体嚢の方向へ移動させ、押出棒を支持部から十分引き離した後に押出棒を切開創の方向へと引き戻す必要があり、操作が複雑となっていた。
本発明は、眼内レンズを容易に射出できる眼内レンズ挿入器具または眼内レンズ挿入システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1) 光学部と前記光学部の周辺部から外側に伸びる支持部とを有し前面が眼内で角膜側に向けられる変形可能な眼内レンズを、先端に開口を有する筒状の挿入部に棒状の押出部材を進行させることで眼内に挿入する眼内レンズ挿入器具であって、前記押出部材は、押出軸の先端側に設けられ前記光学部を押し出す押出部と、前記押出部より基端側に設けられ前記支持部の前面側と面して前記支持部を係止する係止部と、を備え、前記係止部は、前記押出軸中心に向かって陥没する陥没形状で形成されており、前記係止部のうち押出軸の先端方向を向く基端面は、前記押出軸の軸方向に対して左右一方向に連続的に傾斜していることを特徴とする。
(2) 光学部と前記光学部の周辺部から外側に伸びる支持部とを有し前面が眼内で角膜側に向けられる変形可能な眼内レンズが予め充填され、前記眼内レンズを先端に開口を有する筒状の挿入部に棒状の押出部材を進行させることで眼内に挿入する眼内レンズ挿入システムであって、前記押出部材は、押出軸の先端側に設けられ、前記光学部を押し出す押出部と、前記押出部より基端側に設けられ、前記支持部の前面側と面して前記支持部を係止する係止部と、を備え、前記係止部は、前記押出軸中心に向かって陥没する陥没形状で形成されており、前記係止部のうち押出軸の先端方向を向く基端面は、前記押出軸の軸方向に対して左右一方向に連続的に傾斜していることを特徴とする。
本発明によれば、眼内レンズを容易に射出できる眼内レンズ挿入器具または眼内レンズ挿入システムを提供することができる。
本実施形態の眼内レンズ挿入器具を斜め上方からみた斜視図である。 図1の眼内レンズ挿入器具を斜め下方からみた斜視図である。 セット部材を開いた状態の斜め下方からの斜視図である。 プランジャーを斜め下方からみた斜視図である。 プランジャーの先端付近を示す図であり、(a)底面図、(b)左側面図である。 本実施形態で使用する眼内レンズの図であり、(a)平面図、(b)側面図である。 載置部に眼内レンズを載置した図であり、(a)底面図、(b)側面からみた状態の断面図である。 挿入を始める際の載置部の断面図である。 (a)挿入部に設けられた変形機構の横断面図、(b)折り畳まれた眼内レンズを示す底面図である。 眼内レンズを排出した状態の斜視図である。 係止部の第1の変容例を示す図であり、押出部材の先端側からみた横断面図である。 係止部の第2の変容例を示す図であり、押出部材の先端側からみた横断面図である。
以下図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以降の説明では、本体100の先端部122の方向(図1の紙面左下側)を先端方向(前方)、プランジャー200の押圧部220の方向(図1の紙面右上側)を基端方向(後方)として説明している。また、図1における紙面上側、下側、右斜め下側、左斜め上側を、それぞれ、眼内レンズ挿入器具10の上方、下方、右方、下方として説明している。
また、本実施形態の眼内レンズ挿入器具10は、眼内レンズ1を押し進める際の向き(図1参照)と、眼内レンズ1を充填する際の向き(図2参照)とが上下に反転した状態で使用される。
図1に示す本実施形態の眼内レンズ挿入器具10は、変形可能な眼内レンズ1を眼内に送り出すために使用される。図1は眼内レンズ1の充填が完了して眼内レンズ1を押し出し始める際に術者または介助者の手で把持される眼内レンズ挿入器具10の上下方向を示す図である。また、図2は眼内レンズ挿入器具10に眼内レンズ1を充填する際に術者または介助者の手で把持される眼内レンズ挿入器具10の上下方向を示す図である。本実施形態の眼内レンズ挿入器具10は、眼内レンズ1を押し出し始める際の上下方向に対し、眼内レンズ1を充填する際の眼内レンズ挿入器具10の上下方向は、眼内レンズ挿入器具10の押出軸Aに対して逆転する。
眼内レンズ挿入器具10は、本体100とプランジャー200とを備えている。本体100は筒状の部材であり、眼内レンズ1を小さく折り曲げる。プランジャー200は、眼内レンズ1を押し出すための棒状の部材であり、眼内レンズ1の押し出し手段として本体100に対して進退移動に取り付けられる。
本実施形態の眼内レンズ挿入器具10は、本体100およびプランジャー200が樹脂材料で形成されているので、使用後に容易に廃棄することができる。眼内レンズ挿入器具10は、モールド成型、樹脂の削り出しによる切削加工などで成形されてもよい。樹脂材料で形成されることで、眼内レンズ挿入器具10の製造費用を低減でき、使用者に安価で提供することができる。
なお、本実施形態の眼内レンズ挿入器具10は、粘着性のある軟性の眼内レンズ1を押し出すために、本体100の筒状の内壁に潤滑コーティング処理が行われている。なお、セット部材146は、潤滑コーティング処理を行わない代わりに表面の一部を粗面で形成している。また、本実施形態の眼内レンズ挿入器具10は無色透明で形成されている。
<本体>
また、本体100は挿入部120と載置部140を備える。挿入部120は、開口した先端部122を先端に有する略円筒形状の挿入筒部124を備える。載置部140は、押し出し前の眼内レンズ1が置かれる載置面142と、眼内レンズ1を載置面142に置くための開口が形成された開口部144と、開口部144を塞ぐために開閉可能な板状のセット部材146を備える(図3参照)。
先端部122には、押出軸Aに直交する面に対して傾斜した傾斜面であり、載置される眼内レンズ1の光学部2の後面2Bの方向に傾斜して形成される開口端面123を有している。言い換えるなら、開口端面123は眼内レンズ1の後面2B側(眼内レンズ挿入器具10における下方)を向くようにべベルが形成されている。また、開口端面123の基端部には、基端方向に向けてV字形状に切り込まれた切込み121が形成されている。
なお、押出軸Aと,係止部282が向く方向と,に共に垂直な方向から見て、係止部282が向く方向に,開口端面123が傾斜して形成されていればよい。言い換えるなら、押出軸Aの先端方向からみて下側に向くように開口端面123が傾斜して形成されていればよい。押出軸Aの先端方向からみて下方(図1でセット部材146が位置する側)を0度とした場合、0°を含めた−45°〜+45°の範囲のいずれか方向に向けて傾斜した開口端面123が形成されることが好ましい。より好ましくは、0度に向けて形成されることが好ましい。
なお、本実施形態の開口端面123は、筒状の先端部122を押出軸Aと交差する方向から直進してカットした形状と同等の形状で形成されている。先端部122をカットする形状は押出軸Aと交差する方向から直進させることに限らない。押出軸Aに対して非対称な角度で先端部122をカットさせた形状と同等の形状で開口端面123を形成させてもよい。
開口端面123が傾斜されていることで、先端部122から排出される眼内レンズ1の排出方向は、押出軸Aの方向に対して、開口端面123が傾斜する方向に曲がりながら排出される。また、切込み121が形成されていることで、先端部122を患者眼の切開創に挿入する際、筒状の先端部122は、外径が小さくなるように変形される。
挿入筒部124は、押出軸Aの先端方向に向かうほど筒状の内径が徐々に小さくなるテーパー形状に形成されている。挿入筒部124を通過する眼内レンズ1は筒状の内径の内壁に沿って次第に小さく折り曲げられる。なお、挿入部120は、眼内レンズ1の前面2Aを山折り形状に変形する変形機構126(図9(a)参照)を有している。
詳しくは、筒状の挿入筒部124の横断面の内壁の形状を、上方と下方とで非対称の形状に形成されている。眼内レンズ1の前面2Aと面する方向の内壁の形状は外側に歪曲して形成されており、後面2Bが面する方向の内壁の形状は平坦面で成形されている(図9(a)参照)。先細りのテーパー形状の内壁と、横断面が上下非対称な内壁の形状とを組合せ、眼内レンズ1の前面2Aが山折り(つまり、前面側に向けて凸状)に変形される変形機構126が形成されている。
また、挿入筒部124の基端側に載置部140が接続される。載置部140は、眼内レンズ1を載置する載置面142と、開口部144と、セット部材146を有する。載置部140は眼内レンズ1が押し出される直前に載置される場所であり、術者または介助者によって載置面142に眼内レンズ1が載置される(図3参照)。
図3に示すように、載置面142の下方には開口部144が設けられている。開口部144には、眼内レンズ1を通過できる開口面積が形成されている。開口部144には、開口部144の開口を遮蔽する板状のセット部材146がヒンジ機構によって接続されている。ヒンジ機構のヒンジ軸は、押出軸Aに直行した左右方向に伸びる。ヒンジ機構によって、セット部材146は眼内レンズ挿入器具10の押出軸Aの先端方向に向けて回動することができる。セット部材146の回動によって、開口部144の開口は開閉される。
セット部材146は、閉じられた際に筒状となる載置部140の内壁を形成する内壁面147を有する。セット部材146の内壁面147には、プランジャー200の軸ズレを低減する軸出溝148と、内壁面147と眼内レンズ1との粘着を低減させる粗面が形成された粗面部149が形成されている。軸出溝148は、押出軸Aの軸と平行となる方向に伸びる陥没形状の溝であり、内壁面147の表面を陥没させることで形成されている。
また、図2に示すように、本体100の載置部140より基端側の底面には、複数の係止孔180(第1係止孔180Aおよび第2係止孔180B)が形成されている。第1係止孔180Aおよび第2係止孔180Bは、押出軸Aの軸方向の異なる位置に設けられている。係止孔180はプランジャー200が押出軸Aを進行する際に、プランジャー200を所定の位置で一時停止させるために設けられている。
本体100の係止孔180とプランジャー200に形成されている係止突起262(図4参照)が係合されると、プランジャー200を進行する際の摺動抵抗が変化し、プランジャー200を所定の位置で係止させることができる。なお、プランジャー200を進行させ、係止孔180とプランジャー200とが係合する瞬間、本体100とプランジャー200との間で生じている摺動抵抗は小さくなる(減少される)。
第2係止孔180Bが形成される位置は、プランジャー200の先端が挿入部120の長さの略中間地点に達した際に第2係止孔180Bと係止突起262とが係合するように形成されている。第2係止孔180Bと係止突起262が係合されたとき、眼内レンズ1は筒状の挿入部120の内部に位置され,折り曲げられた状態とされる。
第1係止孔180Aは、プランジャー200の進行開始位置を規定するために設けられている。係止突起262と第1係止孔180Aとが係合する位置にあるとき、押出部材280の押出部284と係止部282(詳細は後述する)は、開口部144の開口に位置される(図3,図7参照)。
なお、本実施形態の眼内レンズ挿入器具10は、第1係止孔180Aと係止突起262とが係合された状態に組み立てられる。完成した眼内レンズ挿入器具10は、眼内レンズ挿入器具10の全体を収容するケースに収められ、使用現場へと搬送される。ケースは、第1係止孔180Aと係止突起262との係合状態を維持する。利用者が、眼内レンズ挿入器具10の上下を反転させた状態でセット部材146を開いた際、開口部144の開口の下方に押出部284と係止部282が位置されている。
また、本体100には、載置部140より基端側に、筒状の本体100の外装面から上下方向に張り出す把持部160が形成されている。把持部160は、術者または介助者がプランジャー200を押し出す際に手の指で把持できる面積が形成されている。
また、本体100は、載置部140に載置される眼内レンズ1の載置方向を誘導する指標190(図1参照)を備えている。指標190は、載置面142の裏側となる外装面(つまり、本体100の上面)に位置され、外装面を所定形状で凹凸させることで形成されている。本実施形態の本体100は、指標190として、眼内レンズ1の輪郭形状が形成されている。本体100は無色透明で形成されているため、術者または介助者は、載置面142の側(つまり、底面側)から外装面に形成されている指標190を視認することができる。
なお、本実施形態の指標190は、光学部2の前面2Aが載置面142を向くように(つまり、前面2Aと載置面142が対向するように)眼内レンズ1を載置した際の、載置面142の上方(つまり、底面側)からみた眼内レンズ1の輪郭形状が本体100に指標190として形成されている。
なお、指標190を本体100以外の箇所に備えても良い。例えば、眼内レンズ挿入器具10を収容するケースに指標190を備えても良い。また、例えば、眼内レンズ挿入器具10の搬送時に取り付けられ、眼内レンズ1の挿入時に取り外される保護部材などに指標190を備えてもよい。
また、指標190は眼内レンズ1の輪郭形状に限らず、他の形状や文字で記載されていてもよい。指標190によって、載置部140に載置される眼内レンズ1の方向が誘導されればよい。より好ましくは、指標190によって、載置部140に載置される眼内レンズ1の前面2Aの方向と支持部3の方向が誘導されればよい。
<プランジャー>
図4を用いてプランジャー200を説明する。プランジャー200は、先端に眼内レンズ1と当接される押出部材280を備える。また、プランジャー200は、押出棒260と軸基部240と押圧部220とを有する。
プランジャー200の基端には、プランジャー200を術者が押し出す際に術者の指が当接される押圧部220が形成されている。押圧部220には、押出軸Aと直交する板状の部材が形成されている。押圧部220の先端側には、押出軸Aの方向に伸びる棒状の軸基部240が接続される。
軸基部240は、押出軸Aの先端方向に伸びる軸板と、軸板の上端部および下端部に接続され、押出軸Aの先端方向に伸びる天板および底板と、軸板と天板と底板とに接続され、押出軸Aと直交する垂直板とが形成されている。軸板、天板、底板、垂直板によって、軸基部240は、押出軸Aの軸方向にむけて上下左右方向からの応力がかかっても撓み難い剛性を有している。また、軸基部240はプランジャー200の押し出し中に押出部材280を含めるプランジャー200の軸回転を防止する回転防止機構となる。回転防止機構によって、プランジャー200が押し出され先端部122から押出部材280が飛び出しても、開口端面123が傾斜されている方向と後述する係止部282の方向とは維持される。
軸基部240の先端側には押出棒260が接続される。押出棒260には、押出軸Aの先端方向に伸びる軸棒と、軸棒の左右端部から左右各々の方向に張り出す張出板とが形成されている。また、軸基部240の基端には、底面側に突出し、本体100の係止孔180と係合される係止突起262が形成されている。
張出板によって、押出棒260の左右方向の撓みが低減される。係止突起262は軸棒の下端(上下が反転した図4の状態では上端)から基端方向に向けて傾斜して伸びる羽根状の部材として形成されている。羽根形状によって係止突起262は上下方向の弾性を有している。係止突起262に押出軸Aの軸方向に交差する方向の応力がかかると、係止突起262の先端部は撓む。なお、プランジャー200を進行中、係止突起262は撓んだ状態で本体100を進む。
押出棒260の先端には棒状の押出部材280が接続される。押出部材280の先端側には、眼内レンズ1の光学部2を押し出す押出部284が形成されている。押出部284より基端側には、眼内レンズ1の支持部3の前面側と面して(つまり、支持部3の前面側と対向した状態で)支持部3を係止する係止部282が形成されている(図5参照)。
詳しくは、押出部材280は基端に棒状の軸棒281が形成されている。軸棒281の先端側には左右方向が押出軸Aに対して傾斜した斜面である基端面286が形成されている。基端面286は、係止部282の基端となる。基端面286の上端部(つまり、図5(b)における下端)には、押出軸Aに平行に先端方向に伸びる板状の平板部283が接続される。
なお、本実施形態の眼内レンズ挿入器具10は、基端面286の押出軸Aの先端方向の端部292は、押出部284から3〜4mmの位置に配置されている。また、基端面286は押出軸Aの方向(図5(b)だと左下方向)に傾斜していてもよい。押出軸Aの方向に傾斜させることで、眼内レンズ1の押し出し中に後方支持部3Bが係止部282からより外れ難くなると考えられる。また、基端面286の平板部283から離れる方向の端部(図5(b)だと上方向の端部)に押出軸Aと水平であって、先端方向に伸びる突起部または突起板を設けてもよい。
平板部283の先端部には、先端に向かうほど横断面の面積が増す移行部287が接続されている。移行部287には基端方向に傾斜した解除斜面288が形成されている。つまり、解除斜面288は、押出軸Aから遠ざかる方向(図5(b)における上方)を向くように、押出軸Aと直交する平面に対して傾斜している。
基端面286、平板部283、移行部287によって、眼内レンズ1の支持部3を係止する係止部282が形成されている。なお、係止部282は棒状の押出部材280を押出軸Aの軸の中心に向かって陥没させた陥没部291を形成してもよい。陥没部291は、陥没部291の軸方向の断面積が、支持部3の横断面の断面積よりも大きくなる陥没量で形成されている。
支持部3を係止部282(本実施形態では、係止部282の基端面286)で係止することで、眼内レンズ1を押し出す際に支持部3が後方に伸びて押出部材280に絡み付くことが抑制される。従って、支持部3が破損される現象を低減できる。また、眼内レンズ1を排出した際、押出部材280に絡み付いた支持部3によって,眼内レンズ1の排出中に眼内レンズ挿入器具10を回転する操作が不要となる。
なお、本実施形態の眼内レンズ挿入器具10では、眼内レンズ1の載置時に開いたセット部材146を閉じると、押出部材280とセット部材146の内壁面147との間に、陥没部291による隙間が押出軸Aに直交する方向に形成される。支持部3は形成された隙間を横断する形となる。また、押出部材280と本体100の内壁との間に形成される陥没部291による隙間は、先端部122まで続く。よって、眼内レンズ1を挿入する際、セット部材146が下方を向いて眼内レンズ1が押し出されても、係止部282による支持部3の係止が外れることはない。
なお、係止部282は支持部3を係止するため、押出部284とともに眼内レンズ1を押し出す作用も有している。なお、陥没部291と筒状の内壁とで支持部3を挟み込んでもよい。
移行部287の先端には棒状の押出部284が接続される。押出部284は、眼内レンズ1の光学部2と当接する当接面289を先端に備える。当接面289の上端と下端には、先端方向に張り出す板状の張出板290が形成されている。当接面289は押出軸Aに直行する面として形成されている。本実施形態の押出部284の当接面289は眼内レンズ1のコバ2Cに当接される。また、張出板290は、眼内レンズ1の押し出し中にコバ2Cが当接面289から外れないように形成されている。
<眼内レンズ>
図6を用いて、本実施形態の眼内レンズ挿入器具10に適用できる眼内レンズ1の一例を説明する。なお、本実施形態の眼内レンズ挿入器具10は、光学部2と、光学部2の周辺部から外側に伸びる支持部3とを有し、前面2Aが眼内で角膜側に向けられる変形可能な眼内レンズ1を使用することが好適とされている。
また、ループ形状で形成されている支持部3が好適とされている。また、片端が光学部2に接続され,他端が解放状態とされるオープンループ型で形成されている支持部3がより好適とされている。また、細い糸状のフィラメントタイプで形成されている支持部3がより好適とされている。ただし、本発明はこれらの好適例以外の眼内レンズにも適用できる。
眼内レンズ1は、患者眼に所定の屈折力を与える光学部2と、光学部2を眼内で支持するための支持部3を有している。光学部2には屈折力が異なる円形の前面2Aと後面2Bが形成されている。
前面2Aと後面2Bは光学特性が異なるため、光学部2は患者眼の眼内で所定の方向に向けて設置される。本実施形態の眼内レンズ1の光学部2は、前面2Aが患者眼の角膜の方向に向けて設置されるように設計されている。なお、前面2Aが患者眼の角膜の方向に向けて設置されることで、後面2Bは患者眼の網膜の方向に向けられる。
光学部2の周辺部には、前面2Aと後面2Bとを接続する側面を有するコバ2Cが形成されている。本実施形態の眼内レンズ1は2つの支持部3(前方支持部3A,後方支持部3B)を有している。支持部3は、細い糸状のフィラメントタイプであり、横断面が円形に形成されている。支持部3は、支持部3の先端に向かうほど光学部2の周方向に歪曲されている。また、支持部3は、先端が開放端となるオープンループとして形成されている。支持部3は、光学部2の周辺部の異なる位置に接続される。また、支持部3は、光学部2の外側に向けて伸びる。
光学部2の材料には、HEMA(ヒドロキシエチルメタクリレート)等の単体や、アクリル酸エステルとメタクリル酸エステルの複合材料等の従来、折り曲げ可能な軟性の眼内レンズに用いられている材料を使用してもよい。支持部3の材料にはPMMA(ポリメチルメタクリレート)等の、従来、眼内レンズの支持部として用いられている材料を使用してもよい。なお、光学部2と支持部3は変形可能な弾性を有するが、眼内レンズ1の光学部2の前面2Aを上方に向けても、支持部3が垂れ下がることのない形状保持特性を有している。
<使用方法>
使用者(例えば術者または介助者)は、眼内レンズ挿入器具10が収容されたケースから眼内レンズ挿入器具10を取り出す。続けて使用者は、眼内レンズ挿入器具10を手で持ち、セット部材146を開く。なお、セット部材146が開いた状態でケースに収容させてもよい。セット部材146が開いた状態でケースに収容することで、使用時、使用者はセット部材146を開く作業が不要となる。
続けて使用者は、セット部材146を開いたことで現れた開口部144が上方を向くように(つまり、開いたセット部材146が上面側に位置するように)眼内レンズ挿入器具10を回転操作する。
続けて使用者は、図示なき粘弾性物質を載置部140に注入する。なお、粘弾性物質が注入されることで、粘着性のある軟性の眼内レンズ1の粘着性が低減される。粘弾性物質によって、眼内レンズ1を、筒状の挿入部120および載置部140の内壁に引っ掛からせることなく好適に進行させることができる。
続けて使用者は、本体100の外装側に設けられている指標190を、粘弾性物質が塗布された載置面142越しに本体100の内面側から参照し、鑷子などで把持した眼内レンズ1の光学部2の前面2Aと載置部140の載置面142とが面するように眼内レンズ1を載置部140に載置する(図7参照)。
このとき、光学部2は上方から(つまり、眼内レンズ挿入器具10の底面側から)本体100の載置面142に当接し、後方支持部3Bはプランジャー200の係止部282に上方から当接される。なお、本実施形態の眼内レンズ挿入器具10は、本体100の第1係止孔180Aにプランジャー200の係止突起262が係合された状態で製造されている。また、第1係止孔180Aと係止突起262が係合された状態で眼内レンズ挿入器具10はケースに収容され、使用現場に搬送される。
第1係止孔180Aと係止突起262が係合された状態で搬送されるため、使用者が使用現場で眼内レンズ挿入器具10を取り出し、セット部材146を開いた際には、載置面142の一部に押出部284と係止部282が重なるように押出部材280が位置されている。
続けて使用者は、セット部材146を基端方向に回動させてセット部材146を閉じる。続けて、使用者は眼内レンズ挿入器具10を押出軸Aに対して略180°回転し、セット部材146が下方を向くように眼内レンズ挿入器具10を持つ(図8参照)。
続けて使用者は、プランジャー200の押圧部220を押し出し、第2係止孔180Bに係止突起262が係合する位置までプランジャー200を進行させる。プランジャー200の係止突起262が第1係止孔180Aから第2係止孔180Bに移動する間に、眼内レンズ1は、挿入部120の先細りの中空形状を形成する内壁および変形機構126によって変形が行われ始める。プランジャー200の係止突起262が第2係止孔180Bに達した時点で、変形機構126によって眼内レンズ1の前面2Aは山折りに変形されている(図9参照)。
続けて術者は、手術台で上方を向いて横たわっている患者眼の角膜の周辺部、または強膜に形成されている切開創に先端部122を挿入する。続けて術者は、切開創から前嚢切開されている前嚢の方向に先端部122を挿入してゆき、前嚢切開と先端部122の開口端面123とが向き合うように先端部122を位置させる。
続けて術者は、プランジャー200の押圧部220を押し込む。押圧部220が押し込まれ、プランジャー200の係止突起262と第2係止孔180Bとの係合が解除されると、眼内レンズ1は挿入部120の先端に移動するほど更に小さく折り曲げられ、眼内レンズ1は先端部122から水晶体嚢の方向へと排出される。折り畳まれた眼内レンズ1の光学部2は、先端部122の開口を通過するとゆっくり復元を始める。なお、術者は押出部284と係止部282とが先端部122から露出するまでプランジャー200の押圧部220を押す。なお、本体100の基端と羽根状の押圧部220とが接すると大きな抵抗力が生じ、プランジャー200の進行限界に達する。
なお、開口端面123と水晶体嚢とが面して眼内レンズ1が排出されるため、折り畳まれた光学部2の前面2Aが角膜方向を向くように眼内レンズ1が眼内レンズ挿入器具10から排出される。また、眼内レンズ挿入器具10によって光学部2の前面2Aが山折りされているため、光学部2の周辺部は、網膜側から角膜側の方向へと復元される。
また、押出部材280に支持部3が係止された状態で眼内レンズ1が排出されるため、眼内レンズ1が眼内に排出されても、支持部3は後嚢と押出部材280との間に位置される(図10参照)。
続けて、術者は、押出部284と係止部282が筒状の先端部122から突出した挿入部120を切開創の方向へと引き戻す。このとき、術者は、先端部122が向く方向を調節し、先端部122の先端を角膜方向に若干向けてから挿入部120を切開創の方向へと引き戻してもよい。
なお、本実施形態の眼内レンズ挿入器具10は、支持部3が後嚢と押出部材280との間に位置されるように眼内レンズ1が排出されるため、係止部282に支持部3を係止させて押し出しても、押出部材280と眼内レンズ1とを眼内で容易に引き離すことができる。
挿入部120が切開創の方向へと引き戻されることで、眼内レンズ挿入器具10による眼内レンズ1の射出操作が完了される。
なお、眼内レンズ1の排出後、挿入部120を切開創の方向へと引き戻す使用方法を示したが、異なる使用方法も考えられる。例えば、眼内レンズ1の排出後、術者がプランジャー200を操作し、先端部122から突出する押出部材280だけを眼内レンズ挿入器具10の基端方向に引き戻す使用方法も考えられる。
<作用および効果>
以上説明したように、本実施形態の眼内レンズ挿入器具10は、押出部284より基端側に設けられ、支持部3の前面側と面して支持部3を係止する係止部282が押出部材280に形成されている。眼内レンズ1を眼内へと排出した際、支持部3が水晶体嚢側、押出部材280が角膜側となる位置関係で眼内レンズ1が排出される。
または、挿入部120の先端に所定方向に傾斜した開口端面123を形成し、押出部材280の押出部284より基端側に係止部282が形成されている。開口端面123が向く所定方向の押出部材280の面側に支持部3を係止する係止部282が形成されている。開口端面123を水晶体嚢の方向に向けて眼内レンズ1を眼内へと排出した際、支持部3が水晶体嚢側、押出部材280が角膜側となる位置関係で眼内レンズ1が排出される。
押出部材280が支持部3に引っ掛かることなく、もしくは押出部材280に支持部3が引っ掛かり難くなる。眼内から眼内レンズ挿入器具10を容易に引き戻すことができ、眼内レンズ1を容易に射出することができる。眼内レンズ1の排出後、眼内レンズ1が不用意に移動してしまう可能性が低下するため、術者は速やかに眼内レンズ1を射出できる。
もし、本件発明とは異なり、支持部3の後面側を係止して眼内レンズ1を押し出したとするならば、支持部3が角膜側、押出部材280が水晶体嚢側となる位置関係で眼内レンズ1が排出される。この場合、術者は押出部材280を引き戻す際、押出部材280の表面との摩擦、または押出部材280に形成されている係止部282をはじめとした凹凸形状によって、支持部3が容易に引っ掛かってしまう(比較として本件発明を記した図10を参考されたし)。
第1の手法として、支持部3と押出部材280とが引っ掛かったまま押出部材を引き戻すと、眼内レンズ1全体が水晶体嚢から離れる方向に動いてしまう。動かされた眼内レンズ1を鑷子などで嚢の方向へと移動させる手間が生じる。第2の手法として、支持部3と押出部材280とが引っ掛からないように引き戻すためには、J字を逆から描くように、押出部材280の先端を一旦水晶体嚢の方向に押し向けてから押出部材280を引き戻す操作が必要となる。
第1の手法、第2の手法、何れの手法も眼内レンズ1の射出に繊細な操作を要するとともに、眼内レンズの射出に時間を要する。一方、本件発明は押出部材280に支持部3を係止させて排出しても、押出部材280を容易に切開創の方向へと引き戻すことが可能である。
なお、係止部282の形状として、例えば、眼内レンズ1の光学部2の前面2Aと面する載置部140の載置面142に対して斜めに陥没される係止部282を形成してもよい。また、係止部282を形成する陥没を複数設けてもよい(図11参照)。なお、図11および図12は、本実施形態の平板部283の軸上位置に相当する横断面図である。
また、例えば、押出部材280を形成する軸棒281の横断面の形状は円形であってもよい。また、陥没させる方向は押出部材280の軸方向に向かって側方からであってもよい(図12参照)。押出部材280に形成される係止部282が支持部3の後面側と面する位置に形成されなければよい。また、係止部282と支持部3の後面側とが面しないように眼内レンズ1を押出部材280の係止部282に係止させればよい。
また、本実施形態では、術者の手がプランジャー200を押すことで押出部材280が進行される眼内レンズ挿入器具10を用いたが、押出部材280を他の押出手段で進行させてもよい。例えば、アクチュエータを使用し、押出部材280を電動で進行させてもよい。また、例えば、押出部材280に流体などで圧力をかけ、押出部材280を進行させる手法も考えられる。
また、挿入部120と載置部140と押出部材280とからなるカードリッジ、または、挿入部120と載置部140と押出部材280と眼内レンズ1とからなるプリセット型のカードリッジにも本件発明を適用できる。カードリッジ型の眼内レンズ挿入器具として利用者に提供できる。また、例えば、本発明の挿入部120と載置部140を備えたカードリッジと、本発明の押出部材280を備えた押出手段とを組み合わせた眼内レンズ挿入器具10であってもよい。
また、本実施形態は光学部2と支持部3とが別部材となるスリーピース型の眼内レンズ1を使用したが、本発明に適用できる眼内レンズの種類はスリーピース型に限るものではない。例えば、光学部2と支持部3とが同一材料で一体成形されるワンピース型の眼内レンズにも適用できる。
また、本実施形態では支持部3の先端が自由端となるオープンループ型の眼内レンズ1を使用したが、本発明に適用できる支持部3の形状はオープンループ型に限るものでもない。例えば、支持部3の両端が光学部2に接続される眼内レンズであってもよい。また、本実施形態では一対の支持部3(3A,3B)を有する眼内レンズ1を使用したが、支持部3が1つであっても、または支持部3を3つ以上有してもよい。
また、例えば、光学部2を複数枚のレンズで形成した眼内レンズ、患者が毛様体を動かす力で光学部2の屈折力が変形する調節眼内レンズにも本発明を適用できると考えられる。即ち、光学部の周辺部から支持部が外側に伸びる変形可能な眼内レンズであればよい。
また、本実施形態の眼内レンズ挿入器具10は、指標190によって、容易に眼内レンズ1を所定の方向に向けて載置部140に載置させることができる。眼内レンズ1の載置方向のミスによって生じる、眼内レンズ1の破損、または眼内レンズ1が意図せぬ形態で射出される現象が抑制される。
また、本実施形態の眼内レンズ挿入器具10は、セット部材146を開けば眼内レンズ1を載置する載置面142が現れ、眼内レンズ1を眼内レンズ挿入器具10に容易に充填できる。セット部材146は、眼内レンズ挿入器具10の内部に眼内レンズ1が載置される位置において係止部282と向き合う眼内レンズ挿入器具10の内壁該当部分を開閉可能としている。
セット部材146は本体100の筒状の内壁の一部を兼ねているため、眼内レンズ挿入器具10の全長を短くできる。また、眼内レンズ挿入器具10の横断面の断面積を小さくすることができる。眼内レンズ挿入器具10の体積を小さくすることができ、術者が眼内レンズ挿入器具10を容易に取り扱うことができる。
なお、指標190とセット部材146とを組み合わせる構成だけでも、押出部材280を支持部3の前面側に容易に当接できる眼内レンズ挿入器具10となる。
また、本実施形態の眼内レンズ挿入器具10は、光学部2の前面2Aを山折りとすることで、折り曲げられた眼内レンズ1が排出されて復元する際、光学部2の周辺部は網膜側から角膜側に向けて復元される。光学部2の縁が網膜側から角膜側に向けて復元されることで、光学部2の周辺部が角膜の後面に接する可能性が低くなる。また、押出部材280を押し出す際、係止部282から支持部3が外れ難くなる。
また、本実施形態の眼内レンズ挿入器具10は、先端部122の開口端面123が傾斜することで、角膜に設けられる切開創に挿入部120を挿入し易くなる。また、開口端面123が光学部2の後面2Bの方向に傾斜していることで、排出される眼内レンズ1は水晶体嚢の方向に曲げられて排出される。眼内レンズ1を速やかに水晶体嚢に設置できる。
また、開口端面123の傾斜方向と押出部材280に係止部282が形成される向きとが略同方向となるため、眼内レンズ1が水晶体嚢の方向へと排出された際、支持部3が水晶体嚢側、押出部材280が角膜側の位置関係になる。押出部材280が支持部3に引っ掛かることなく、もしくは押出部材280に支持部3が引っ掛かり難くなる。従って、眼内から眼内レンズ挿入器具10を容易に引き戻すことができ、眼内レンズ1を容易に射出することができる。
なお、光学部2の前面2Aの山折りに変形させる変形機構126と後面2Bの方向に傾斜させた開口端面123だけでも、眼内レンズ1を速やかに設置でき、眼内レンズ1と角膜後面とが接し難くなる。眼内レンズ1を容易に眼内に挿入できる効果がある。
また、本実施形態の眼内レンズ挿入器具10では、係止部282の面のうち、押出軸Aの先端方向を向く基端面286は、眼内レンズ1の前後方向と押出軸Aの軸方向の両方に交差する左右の方向のいずれかに傾斜している。従って、支持部3にかかる折り曲げ負担を好適に逃がすことができ、支持部3にかかる折り曲げ負担を低減することができる。眼内レンズ1を押し出す際に支持部3が折れ、眼内レンズ1が破損する可能性を低減できる。
また、本実施形態の眼内レンズ挿入器具10は、基端面286の押出軸Aの先端方向の端部292は、押出部284から3〜4mmの位置に配置されている。眼内レンズ1を押し出す際、係止部282で支持部3を好適に係止することができる。その結果、支持部3が破損する可能性、または支持部3が意図せぬ方向に曲がる可能性等が低下する。従って、術者は速やかに眼内レンズ1を挿入できる。
なお、傾斜した基端面286または端部292の形成位置と、スリーピース型眼内レンズとを組み合わせるだけでも、大きく折り曲げると支持部3が破損し易いスリーピース型眼内レンズを安定して射出できる効果がある。
また、本件発明は眼内レンズ挿入器具10に眼内レンズ1が予め充填されて製造され、使用現場に搬送される眼内レンズ挿入システムにも適用できる。利用現場で眼内レンズ1を充填する必要がなく、直ぐに使用することができる。眼内レンズ1の眼内への挿入を容易に行うことができる。
また、眼内レンズ挿入システムとして適用する際に、光学部2と支持部3とが異なる材料で形成され、支持部3がフィラメントタイプのスリーピース型眼内レンズを充填させてもよい。この場合、支持部3が折り曲げ難く、タッキングが難しいスリーピース型眼内レンズであっても、支持部3が絡むことなく眼内レンズ1を好適に眼内に射出することができる。
また、本実施形態の眼内レンズ挿入器具10は、進行する押出部材280を所定の位置で一時停止させるノッチ手段(係止孔180,係止突起262)を備えている。ノッチ手段によって所定の位置で摺動抵抗を変化させる。本実施形態では摺動抵抗が増加する。ノッチ手段によって眼内レンズ挿入器具10の操作が容易になる。
なお、載置面142の上方を開口させるセット部材146と、摺動抵抗を増加させるノッチ手段とによって、眼内レンズ1の支持部3を押出部材280に容易に当接させることができる。眼内レンズ挿入器具10を複雑な構造にすることなく安定して眼内レンズ1を挿入できる。
また、本実施形態の眼内レンズ挿入器具10は、眼内レンズ1を載置面142に載置するだけで、支持部3は係止部282に係止可能とされる。押し出し中に押出部材280の係止部282に支持部3を係止させる機構が不要となり、眼内レンズ挿入器具10を安価に製造できる。
また、係止部282で支持部3を係止した状態で眼内レンズ1を押し出す。従って、眼内レンズ1の進行中に支持部3がプランジャー200に絡みつき難く、眼内レンズ1の排出時に眼内レンズ1の方向を調節する操作が不要になりやすい。
また、本実施形態の眼内レンズ挿入器具10では、開閉可能なセット部材146の筒状の内壁を形成する内壁面147は、粗面が形成された粗面部149を有している。セット部材146に粗面部149が形成されていることで、セット部材146に潤滑コーティング処理を行わなくとも、眼内レンズ1とセット部材146との粘着を低減することができる。安価な眼内レンズ挿入器具10を提供できる。
また、本実施形態の眼内レンズ挿入器具10では、セット部材146はヒンジ機構によって押出軸Aの先端方向に回動する回動手段を備えている。粘弾性物質を注入した後にセット部材146を閉じても、セット部材146を閉じることで粘弾性物質が左右方向の片方に偏る現象が生じない。簡単な構成であっても、載置部140に粘弾性物質を好適に塗布することができる。
また、本実施形態の眼内レンズ挿入器具10は、傾斜した開口端面123の基端部に、基端方向に向けてV字形状に切り込まれた切込み121が形成されている。切開創に挿入部120を挿入する際、先端部122の外径を小さくして挿入することができる。挿入部120を容易に切開創に挿入できる。
また、本実施形態の眼内レンズ挿入器具10は、係止部282の先端側に、面が基端側を向いた解除斜面288が形成されている。眼内レンズ1の排出時、係止部282は嚢と面するため、押出部材280を引き戻す際に解除斜面288と支持部3とが接しても、解除斜面288が支持部3を嚢の方向へ移動させる作用として働く。係止部282に係止されていた支持部3を押出部材280から容易に引き離すことができる。
2 光学部
2B 後面
3A 前方支持部
3B 後方支持部
120 挿入部
140 載置部
280 押出部材
282 係止部
284 押出部

Claims (3)

  1. 光学部と前記光学部の周辺部から外側に伸びる支持部とを有し前面が眼内で角膜側に向けられる変形可能な眼内レンズを、先端に開口を有する筒状の挿入部に棒状の押出部材を進行させることで眼内に挿入する眼内レンズ挿入器具であって、
    前記押出部材は、
    押出軸の先端側に設けられ前記光学部を押し出す押出部と、
    前記押出部より基端側に設けられ前記支持部の前面側と面して前記支持部を係止する係止部と、
    を備え
    前記係止部は、前記押出軸中心に向かって陥没する陥没形状で形成されており、前記係止部のうち押出軸の先端方向を向く基端面は、前記押出軸の軸方向に対して左右一方向に連続的に傾斜している
    ことを特徴とする眼内レンズ挿入器具。
  2. 請求項1に記載の眼内レンズ挿入器具であって、
    前記挿入部の先端に設けられる開口端面は、前記眼内レンズを押し出す押出軸に直交する面に対して傾斜した傾斜面であって、前記開口端面は前記光学部の後面の方向に傾斜して形成されていることを特徴とする眼内レンズ挿入器具。
  3. 光学部と前記光学部の周辺部から外側に伸びる支持部とを有し前面が眼内で角膜側に向けられる変形可能な眼内レンズが予め充填され、前記眼内レンズを先端に開口を有する筒状の挿入部に棒状の押出部材を進行させることで眼内に挿入する眼内レンズ挿入システムであって、
    前記押出部材は、
    押出軸の先端側に設けられ、前記光学部を押し出す押出部と、
    前記押出部より基端側に設けられ、前記支持部の前面側と面して前記支持部を係止する係止部と、
    を備え、
    前記係止部は、前記押出軸中心に向かって陥没する陥没形状で形成されており、前記係止部のうち押出軸の先端方向を向く基端面は、前記押出軸の軸方向に対して左右一方向に連続的に傾斜している
    ことを特徴とする眼内レンズ挿入システム。
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