JP6481658B2 - ブレーキディスク - Google Patents
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Description
本発明は、ブレーキディスクに関する。
特許文献1には、「異音の発生のないブレーキディスクを得ること」を目的に、「互いに異なる振動数の少なくとも2枚のディスクを重合し、両者を相互間に自由度を与え得る如く分散した複数個所で互いに結着する」ことが記載されている。具体的には、2枚のディスクが、ブレーキパッドと摺動する部分でリベットによって、一体的に結着されることが記載されている。
特許文献1に記載されるブレーキディスクでは、ブレーキパッド(「摩擦パッド」ともいう)と接触する部分にて、多数のリベットにて、2枚のディスクが固定される。この場合、リベット用の貫通孔には、摩擦パッドの摩耗粉が蓄積されるため、この摩耗粉に起因する異音(ブレーキ鳴き)が懸念される。
本発明の目的は、少なくとも2つのディスクを重ね合せたブレーキディスクにおいて、適切にブレーキ鳴きが低減され得るものを提供することである。
本発明に係るブレーキディスク(BRD)は、摩擦パッド(MPO、MPI)との摺動によって車輪(WH)に制動トルクを付与する。ブレーキディスク(BRD)は、前記摩擦パッド(MPO、MPI)と接触する少なくとも1つの補助ディスク(BDH、BDI)と、前記補助ディスク(BDH、BDI)と面接触する主ディスク(BDR、BDS)と、を備える。
本発明に係るブレーキディスク(BRD)では、前記主ディスク(BDR、BDS)、及び、前記補助ディスク(BDH、BDI)は、前記補助ディスク(BDH、BDI)と前記摩擦パッド(MPO、MPI)との摺動範囲(Hms)外であって、前記摺動範囲(Hms)に対して、前記主ディスク(BDR、BDS)の回転軸(Jbd)に近接した側において、相互に微小変位可能な状態で面接触するように固定されている。
上記構成によれば、主ディスクBDR、BDSと補助ディスクBDH、BDIとが、微小変位可能な状態で固定されているため、ブレーキ鳴きが発生した場合に、主ディスクと補助ディスクとが摩擦をもって摺動し、ブレーキ鳴きが減衰され得る。補助ディスクBDH、BDIの固定が、摩擦パッドMPO、MPIと補助ディスクBDH、BDIとの摺動範囲Hmsを外し、且つ、摺動範囲Hmsに対して主ディスクの回転軸Jbdに近い側で行われる。即ち、補助ディスクBDH、BDIの締結部が、摺動範囲Hmsとは重ならないため、摩擦パッドの摩耗粉がこの締結部に蓄積されることがないため、摩耗粉によるブレーキ鳴きが回避され得る。さらに、締結部分が、ディスク回転軸Jbdに近い場所に位置するため、ブレーキディスクBRDの外径において小型化され得る。
本発明に係るブレーキディスク(BRD)では、前記主ディスク(BDR、BDS)に通気孔(Avn)が設けられる。補助ディスクBDH、BDIの固定が、摩擦パッドMPO、MPIと補助ディスクBDH、BDIとの摺動範囲Hmsを外し、且つ、摺動範囲Hmsに対して主ディスクの回転軸Jbdに近い側で行われる。このため、締結部と通気孔Avnとの位置的な干渉が避けられ、通気孔Avnによる十分な冷却性が確保され得る。
<本発明に係るブレーキディスクの第1の実施形態>
図1の部分断面図を参照して、本発明に係るブレーキディスクBRDの第1の実施形態について説明する。ブレーキディスクBRDは、車両において車輪WHを制動するために採用されるディスク型制動装置の摩擦円盤である。
図1の部分断面図を参照して、本発明に係るブレーキディスクBRDの第1の実施形態について説明する。ブレーキディスクBRDは、車両において車輪WHを制動するために採用されるディスク型制動装置の摩擦円盤である。
ブレーキディスクBRDは、ハブユニットHUBに埋め込まれたハブボルトHBBによって、車輪WHと一体となって回転するように固定されている。具体的には、ハブユニットHUBから延びたハブボルトHBBが、ブレーキディスクBRDに開けられた取付孔Ahb、及び、車輪WHのホイールディスク部Whdを貫通し、ホイールナットWHNによって締結される。
ブレーキディスクBRDは、2つの摩擦パッドMPO、MPIによって挟まれる。ここで、車輪WHのホイールディスク部Whdに近い側(即ち、車両の左右方向において外側)に位置するものが、アウタ側パッドMPOであり、車輪WHのホイールディスク部Whdよりも遠い側(即ち、車両の左右方向において内側)に位置するものが、インナ側パッドMPIである。制動時には、ブレーキディスクBRDは、摩擦パッドMPO、MPIによって挟み込まれ、摩擦力が発生される。この摩擦力によって、車輪WHは制動力を発揮する。
ブレーキディスクBRDは、主ディスクBDR、補助ディスクBDH、及び、締結部材TKBにて構成される。なお、「アウタ側」は車両の左右方向において外側を示し、「インナ側」は車両の左右方向において内側を示す。
主ディスクBDRは、その内周部において、ブレーキディスクの回転軸方向Jbd(車輪WHの回転軸と同じ)に延びる有底円筒形状を有する。主ディスクBDRの円筒部Engからは、径方向(車輪WHの回転軸Jbdに垂直方向)に環状に成形されている。即ち、主ディスクBDRは、ハット形状(つば付帽子の形状)をもち、つば(ブリム)部が摩擦パッドとの摺動部分であり、クラウン部が円筒部分Engに相当する。
円筒部Engの内部には、ハブユニットHUBが設けられる。円筒部Engの底部Skbには、複数の取付孔(貫通孔)Ahbが設けられる。ハブユニットHUBのハブボルトHBBが、取付孔Ahbを貫通し、車輪WHのホイールディスクWhdを挟んで、ホイールナットWHNにて締め付けられる。即ち、ハブユニットHUB、主ディスクBDR、及び、車輪WHが、ハブボルトHBB、及び、ホイールナットWHNにて一体的に結合される。
主ディスクBDRの外周部は円盤形状を有する。この外周部に位置する主ディスクインナ面Mse(平面)にてインナ側摩擦パッドMPIと摺接する。また、主ディスクBDRの外周部は、放熱のため、その内部に複数の通気孔(空気の通路)Avnを有する。主ディスクBDRは、所謂、ベンチレーテッド・ディスクである。主ディスクBDRでは、通気孔Avnに対して、アウタ側(車両の左右方向において中心から遠い側)の部分が回転軸Jbdの方向に延ばされ、円筒部分Engに接続される。この接続部分Otbに、補助ディスクBDHが留められる。例えば、主ディスクBDRには、鋳鉄が採用され得る。鋳鉄は制振性が高いことに因る。
補助ディスクBDHは、環状に成形された薄板形状の部材であり、主ディスクBDRと面接触するように重ね合わされる。従って、主ディスクBDRと補助ディスクBDHとの接触は、点、又は、線での接触ではない。補助ディスクBDHは、主ディスクBDRと同様に、車輪WHと一体となって回転する。車輪WH(タイヤ)が制動力を発生するよう、補助ディスクBDHは、外周部に位置する補助ディスクアウタ面Mhp(平面)にてアウタ側摩擦パッドMPOと摺接する。ここで、ブレーキディスクBRDが回転する場合に、補助ディスクBDHと摩擦パッドMPOとが摺動する部分が、摺動範囲Hmsである。例えば、補助ディスクBDHには、鋼板が採用され得る。なお、補助ディスクBDHには通気孔は設けられない。
主ディスクBDR、及び、補助ディスクBDHの各平面について説明する。主ディスクBDRにおいて、インナパッドMPIと接する平面(摺動面)が、主ディスクインナ面Mseである。主ディスクインナ面Mseとは反対側(裏側)の平面が、主ディスクアウタ面Msdである。補助ディスクBDHにおいて、アウタパッドMPOと接する平面(摺動面)が、補助ディスクアウタ面Mhpである。補助ディスクアウタ面Mhpとは反対側(裏側)の平面が、補助ディスクインナ面Mhqである。
主ディスクBDRと補助ディスクBDHとは重ね合わされる。このため、主ディスクアウタ面Msdと補助ディスクインナ面Mhqとが面で接触する。主ディスクアウタ面Msd、及び、補助ディスクインナ面Mhqが接触面である。制動時には、主ディスクBDR、及び、補助ディスクBDHは、摩擦パッドMPO、MPIによって挟み込まれるように力を受ける。従って、制動時には、非制動時に比較して、主ディスクアウタ面Msdと補助ディスクインナ面Mhqとの接触面圧が増加される。
補助ディスクBDHには、主ディスクBDRに組み付けられるよう、内周部分に複数の組立孔Atkが設けられている。補助ディスクBDHの組立孔Atkに対応して、主ディスクBDRの接続部Otbにも、複数の組立孔Atkが開けられる。組立孔Atkは、夫々のディスク部材BDR、BDHにおいての貫通孔である。
締結部材TKBは、夫々のディスク部材BDR、BDHの組立孔Atkを貫通する。そして、締結部材TKBによって、これら2つのディスク部材BDR、BDHが締結される。具体的には、締結部材TKBはかしめ部材(例えば、リベット、グロメット)であり、その端部が塑性変形されることによって、主ディスクBDRと補助ディスクBDHとが固定される。即ち、ブレーキディスクBRDは、2つの円盤(主ディスクBDR、及び、補助ディスクBDH)が重ね合わされ、締結部材TKBによって固定され、1つの円盤として形成される。組立孔Atkの孔径は、貫通部における締結部材TKBの直径に比較し、僅かに大きい。このため、ディスク回転軸Jbdの方向に固定された状態において、主ディスクBDRと補助ディスクBDHとは、接触面内において相互に微小変位が可能な状態である。車輪WH、ハブユニットHUB、主ディスクBDR、及び、補助ディスクBDHは、同軸に固定される。従って、ディスク回転軸Jbdは、車輪WH、ハブユニットHUB、主ディスクBDR、及び、補助ディスクBDHの回転軸である。
「微小変位」とは、ブレーキ鳴きが発生する場合において、ブレーキ鳴きの振幅よりも大きい変位である。ブレーキ鳴きは、大きくても数十μmである。従って、微小変位は組み付けにおけるガタ、或いは、部材の弾性変形の範囲内である。ブレーキ鳴きが発生した場合、主ディスクBDR(特に、主ディスクアウタ面Msd)と補助ディスクBDH(特に、補助ディスクインナ面Mhq)とは互いに、接触面の任意の方向に擦り合わされる(吹出し部(A)を参照)。主ディスクBDRと補助ディスクBDHとの接触面には摩擦が存在するため、擦り合わされるときに生じる摩擦減衰によって、ブレーキ鳴きが低減される。
補助ディスクBDHが、主ディスクBDRに固定される部分(即ち、締結部材TKBによる締結箇所)が、補助ディスクBDHと摩擦パッドMPOとの摺動範囲Hmsを外し、且つ、摺動範囲Hmsに対してディスクBDR、BDHの回転軸Jbdに近接した側に位置される。ここで、摺動範囲Hmsは、補助ディスクBDHが回転される場合に、補助ディスクBDHと摩擦パッドMPOとが接触する帯状の領域である(網掛け部を参照)。この摺動範囲Hmsを外して、ディスクBDHが固定されるため、通気孔Avnと締結部材TKBとの位置的な干渉が防止されるとともに、締結部材TKBと摩擦パッドMPOとの接触が回避される。従って、冷却性が十分に確保されるとともに、ディスクに摩擦パッドの摩耗粉が付着し難く、この摩耗粉に起因するブレーキ鳴きが抑制され得る。さらに、ディスク固定がディスク回転軸Jbdに近い部位にてなされるため、ブレーキディスクBRDが小型化され得る。
ここで、主ディスクBDRが、通気孔Avnに対してアウタ側のディスク接続部Otbにて固定される場合、補助ディスクBDHは、主ディスクBDRのアウタ側に設けられる。具体的には、接続部Otbは、主ディスクBDRにおいて、通気孔Avnに対してアウタ側から回転軸Jbdの方向に延ばされ円筒部Engに接合された部分であり、該接続部Obtに組立孔Atkが開けられる。そして、アウタ側から補助ディスクBDHが組み付けられる。この配置によって、ディスクBDR、DBHの形状が簡素化されるとともに、組立性が更に向上され得る。
車輪WHが制動力を発生しない非制動時には、主ディスクBDRと補助ディスクBDHとは、相対的な運動はせず、完全に一体となって回転する。また、制動時であっても、ブレーキ鳴きが発生していない場合、主ディスクBDRと補助ディスクBDHとの相対変位は発生しない。しかし、制動時において、主ディスクBDR、及び、補助ディスクBDHのうちの何れか一方のディスクにてブレーキ鳴きが発生すると、ブレーキ鳴きが発生していないディスクとの間で、周期的な相対変位が生じる。主ディスクBDRと補助ディスクBDHとの相対的な運動によって、主ディスクアウタ面Msdと補助ディスクインナ面Mhqとの間に摩擦力が生じる。この摩擦力によって、発生していたブレーキ鳴きが抑制され得る。
主ディスクBDR、及び、補助ディスクBDHが、同時にブレーキ鳴きを生じないように、夫々が異なる振動特性(例えば、固有振動数)を有するものが採用される。従って、主ディスクBDR、及び、補助ディスクBDHのうちの何れか一方のディスクにてブレーキ鳴きが発生した場合、他方のディスクによって振動が増幅されること(即ち、共振現象)が回避される。
<本発明に係るブレーキディスクの第2の実施形態>
図2の断面図を参照して、本発明に係るブレーキディスクBRDの第2の実施形態について説明する。相違点は、第1の実施形態では、主ディスクBDRにおけるディスク部(摺動部)と円筒部との接続部Otbが、通気孔Avnに対してアウタ側にあるディスクの延長上にあるが、第2の実施形態では、接続部Inbにて、通気孔Avnに対して主ディスクBDRのインナ側にあるディスクの延長上にある。
図2の断面図を参照して、本発明に係るブレーキディスクBRDの第2の実施形態について説明する。相違点は、第1の実施形態では、主ディスクBDRにおけるディスク部(摺動部)と円筒部との接続部Otbが、通気孔Avnに対してアウタ側にあるディスクの延長上にあるが、第2の実施形態では、接続部Inbにて、通気孔Avnに対して主ディスクBDRのインナ側にあるディスクの延長上にある。
第2の実施形態における主ディスクBDR、及び、補助ディスクBDIの各平面について説明する。主ディスクBDRにおいて、アウタパッドMPOと接する平面(摺動面)が、主ディスクアウタ面Msdである。主ディスクアウタ面Msdとは反対側(裏側)の平面が、主ディスクインナ面Mseである。補助ディスクBDIにおいて、インナパッドMPIと接する平面(摺動面)が、補助ディスクインナ面Mhsである。補助ディスクインナ面Mhsとは反対側(裏側)の平面が、補助ディスクアウタ面Mhrである。
主ディスクBDRと補助ディスクBDIとは重ね合わされる。補助ディスクBDIが、締結部材TKBによって、主ディスクBDRに固定される。主ディスクインナ面Mseと補助ディスクアウタ面Mhrとが面で接触し、相互に微小変位可能な状態である。主ディスクインナ面Mse、及び、補助ディスクアウタ面Mhrは、接触面である。制動時には、主ディスクBDR、及び、補助ディスクBDIは、摩擦パッドMPO、MPIによって挟み込まれるように力を受ける。従って、制動時には、非制動時に比較して、主ディスクインナ面Mseと補助ディスクアウタ面Mhrとの接触面圧が増加される。
第1の実施形態と同様に、ブレーキ鳴きが発生した場合、主ディスクBDRと補助ディスクBDIとの間で微小な相互運動が生じる。このとき、主ディスクBDRと補助ディスクBDIとの間では摩擦力が発生する。この摩擦力によって、ブレーキ鳴きが減衰され得る。
補助ディスクBDIには、主ディスクBDRに組み付けられるよう、内周部分に複数の組立孔Atkが設けられている。また、補助ディスクBDIの組立孔Atkに対応するよう、主ディスクBDRにも複数の組立孔Atkが設けられる。各ディスク部材の組立孔Atkは貫通孔である。
補助ディスクBDIが、主ディスクBDRに固定される部分(即ち、締結部材TKBによる締結箇所)が、補助ディスクBDIと摩擦パッドMPIとの摺動範囲Hmsを外し、且つ、摺動範囲Hmsに対して主ディスクの回転軸Jbdに近接した側に位置される。この配置によって、締結部材TKBと、通気孔Avn、及び、摩擦パッドMPIとの位置的な干渉が回避される。結果、通気孔によるディスク冷却性が確保されるとともに、ディスクに摩擦パッドの摩耗粉が付着し難く、この摩耗粉に起因するブレーキ鳴きが抑制され得る。さらに、ディスク固定が回転軸Jbdに近い部位でなされるため、ブレーキディスクBRDが小型化され得る。
主ディスクBDRの組立孔Atkは、通気孔Avnに対して、インナ側(車両の左右方向において中心から近い側)の接続部Inbに設けられる。即ち、主ディスクBDRのインナ側のディスクが回転軸Jbdの方向に延長されて、円筒部Engに接続される。そして、補助ディスクBDIは、主ディスクBDRのインナ側に配置され、主ディスクインナ面Mseと補助ディスクアウタ面Mhrとが、面で接触する。
主ディスクBDRがインナ側の接続部Inbで固定されるものにおいて、上記配置が採用されることによって、ディスク形状が簡略化され、組立性がより向上される。なお、また、補助ディスクBDIが変位し易いよう、補助ディスクBDIの組立孔Atkの直径が、主ディスクBDRの組立孔Atkの直径よりも大きく設定され得る。さらに、共振によるブレーキ鳴きを回避するため、主ディスクBDR、及び、補助ディスクBDIは、異なる振動特性(例えば、固有振動数)を有するよう、形状、材質等が選定される。
<本発明に係るブレーキディスクの第3の実施形態>
図3の断面図を参照して、本発明に係るブレーキディスクBRDの第3の実施形態について説明する。第1、第2の実施形態では、1つの主ディスクBDRと、1つの補助ディスクBDHとで構成されているが、第3の実施形態では、1つの主ディスクBDRと、2つの補助ディスクBDH、BDIとで構成される。「BDR」等の如く、同一記号を付された部材(構成要素)等は、第2の実施形態でも同一の機能を有する。従って、相違点を主に説明する。
図3の断面図を参照して、本発明に係るブレーキディスクBRDの第3の実施形態について説明する。第1、第2の実施形態では、1つの主ディスクBDRと、1つの補助ディスクBDHとで構成されているが、第3の実施形態では、1つの主ディスクBDRと、2つの補助ディスクBDH、BDIとで構成される。「BDR」等の如く、同一記号を付された部材(構成要素)等は、第2の実施形態でも同一の機能を有する。従って、相違点を主に説明する。
第3の実施形態に係るブレーキディスクBRDでは、第1補助ディスクBDHに加え、第2補助ディスクBDIが設けられる。具体的には、第2補助ディスクBDIは、主ディスクBDRに対して、第1補助ディスクBDHが接するアウタ側とは反対側である、主ディスクBDRのインナ側に設けられる。第1補助ディスクBDHと同様に、第2補助ディスクBDIにも組立孔(貫通孔)Atkが設けられ、主ディスクBDRに、締結部材TKBによって固定される。ここで、補助ディスクBDI(特に、補助ディスクアウタ面Mhr)と主ディスクBDR(特に、主ディスクインナ面Mse)とは面で接触し(点接触、線接触ではない)、相互に微小変位(ブレーキ鳴きの振幅よりも大きく、例えば、組み付けガタ、又は、部材の弾性変形範囲内)し得る状態で固定されている。ブレーキディスクBRDの第3の実施形態では、2つの補助ディスクBDH、BDIが摩擦パッドMPI、MPOと摺接し、主ディスクBDRは直接摩擦パッドとは摺動しない。
第1、第2の実施形態と同様に、主ディスクBDR、及び、補助ディスクBDH、BDIは、異なる振動特性(例えば、固有振動数)を有する。これは、共振現象によって引き起こされるブレーキ鳴きを防止するためである。
第3の実施形態においても、第1、第2の実施形態と同様の効果を奏する。即ち、ブレーキ鳴きが発生した場合に、主ディスクBDRと、第1、第2補助ディスクBDH、BDIとの摩擦によって、このブレーキ鳴きが減衰される。また、補助ディスクBDH、BDIが、主ディスクBDRに組み付けられる箇所(締結箇所)として、摺動範囲Hmsを回避した上で、摺動範囲Hmsに対してディスク回転軸Jbdに近い場所が選択される。即ち、締結部材TKBによる締結箇所が、摺動範囲Hmsを避け、回転軸Jbdに近接して配置される。このため、冷却性の確保、摩擦パッドの摩耗粉に起因するブレーキ鳴きの抑制、及び、ブレーキディスクBRD(特に、外径形状)の小型化がなされ得る。
<補助ディスクの例>
図4の部分断面図を参照して、補助ディスクBDH、BDIの例(第1例)について説明する。補助ディスクBDHと補助ディスクBDIとは、基本的には同じであるため、補助ディスクBDHを例に説明する。
図4の部分断面図を参照して、補助ディスクBDH、BDIの例(第1例)について説明する。補助ディスクBDHと補助ディスクBDIとは、基本的には同じであるため、補助ディスクBDHを例に説明する。
補助ディスクBDHは、薄板(例えば、鋼板)であり、回転軸Jbdに相対的に近い箇所にて、主ディスクBDRに固定される。制動が行われている場合、摩擦パッドMPO(アウタ側)、MPI(インナ側)にて押圧されるため、主ディスクBDRと補助ディスクBDHとは、確実に面で接している。しかし、非制動時において、主ディスクBDRと補助ディスクBDHとが、外周部(外径部)にて固定されない場合、主ディスクBDRと補助ディスクBDHとが接触していない状況が生じ得る。このときに、主ディスクBDRと補助ディスクBDHとの隙間に砂等の異物が入り込むと、期待する摩擦減衰効果が得られない場合が生じ得る。これを回避するため、主ディスクBDRと補助ディスクBDHとが確実に接触(接触面圧)するよう、接触面に予め圧力(予圧)が付与される。
具体的には、組み付け前の補助ディスクBDHの形状として、「皿ばね」形状が採用される。皿ばねは、中心に孔の開いた円盤状の板を円錐状(円を底面とした、錐状の立体)にしたばねであり、ダイヤフラム・スプリングとも称呼される。補助ディスクBDHの皿ばね形状(円錐形状)において、底側の外周部Gshと、山頂側の内周部Nshとに荷重が加えられ、円錐高さを低くする方向に撓ませられて組み付けられる。従って、補助ディスクBDHの補助ディスクインナ面Mhqは、主ディスクBDRの主ディスクアウタ面Msdに対して、常に押し付けられるよう、予圧を維持した状態で固定される。
補助ディスクBDHのばね作用によって、主ディスクBDRと補助ディスクBDHとが面圧をもって密着されるため、非制動時において、上記隙間が生じない。このため、ブレーキディスクBRDでは、摩擦減衰によるブレーキ鳴きの抑制効果が、長期間に亘って維持され得る。
補助ディスクBDIに対しても、補助ディスクBDHと同様の皿ばね形状が採用される。補助ディスクBDIの補助ディスクアウタ面Mhrは、主ディスクBDRの主ディスクインナ面Mseに対して、常に押し付けられるよう、予圧を維持した状態で固定される。結果、摩擦減衰効果が維持され得る。
<補助ディスクの他の例>
図5の概略図を参照して、補助ディスクBDH、BDIの他の例(第2例)について説明する。第1例と同様に、補助ディスクBDHと補助ディスクBDIとは、基本的には同じであるため、第2例でも補助ディスクBDHを例に説明する。図は、組み付け前の補助ディスクBDHの形状を示す。
図5の概略図を参照して、補助ディスクBDH、BDIの他の例(第2例)について説明する。第1例と同様に、補助ディスクBDHと補助ディスクBDIとは、基本的には同じであるため、第2例でも補助ディスクBDHを例に説明する。図は、組み付け前の補助ディスクBDHの形状を示す。
制動が行われない場合に、主ディスクBDRと補助ディスクBDHとが離れて隙間が生じることを回避するため、補助ディスクBDHの外周部につめ部Tsuが設けられる。ブレーキディスクの組み付け時に、このつめ部Tsuが折り曲げられ、主ディスクBDRの外周部に引っ掛けられる。つめ部Tsuによって補助ディスクBDHの外周部が主ディスクBDRに外周部に固定されるため、上記隙間の発生が抑制され得る。さらに、補助ディスクBDHの第1例で示した皿ばね形状を採用した上で、補助ディスクBDHにつめ部Tsuが設けられ、主ディスクBDRの外周部に留められる。主ディスクBDRと補助ディスクBDHとの面接触が、さらに堅固なものにされ得る。
<本発明に係るブレーキディスクの第4〜第6の実施形態>
図6〜図8の断面図を参照して、本発明に係るブレーキディスクBRDの第4〜第6の実施形態について説明する。第1〜第3の実施形態では、主ディスクBDRが単独の部材として構成されるが、第4〜第5の実施形態では、主ディスクBDSとハット部材HTBとの2つの別部材で構成される。図6が図1に、図7が図2に、図8が図3に、夫々対応している。「BDH」等の如く、同一記号を付された部材(構成要素)等は、第4〜第6の実施形態でも同一の機能を有する。従って、相違点を主に説明する。
図6〜図8の断面図を参照して、本発明に係るブレーキディスクBRDの第4〜第6の実施形態について説明する。第1〜第3の実施形態では、主ディスクBDRが単独の部材として構成されるが、第4〜第5の実施形態では、主ディスクBDSとハット部材HTBとの2つの別部材で構成される。図6が図1に、図7が図2に、図8が図3に、夫々対応している。「BDH」等の如く、同一記号を付された部材(構成要素)等は、第4〜第6の実施形態でも同一の機能を有する。従って、相違点を主に説明する。
主ディスクBDSは、環状に成形される。主ディスクBDSには、放熱のため、内部に複数の通気孔(空気の通路)Avnが設けられる。補助ディスクBDH、BDIは、環状に成形された薄板形状の部材であり、主ディスクBDSと面接触するように重ね合わされる。ブレーキディスクBRDが回転する場合に、補助ディスクBDH、BDIと摩擦パッドMPO、MPIとが摺動する。この部分が、摺動範囲Hmsである。なお、補助ディスクBDHには通気孔は設けられない。
主ディスクBDS、及び、補助ディスクBDH、BDIには、ハット部材HTBに組み付けられるよう、内周部分に複数の組立孔Atkが設けられている。組立孔Atkは、夫々のディスク部材BDS、BDH、BDIにおいての貫通孔である。
ハット部材HTBは、外周部Engにフランジ部Flnを有し、ブレーキディスクの回転軸方向Jbd(車輪WHの回転軸と同じ)に延びる有底円筒形状の部材である。ハット部材HTBの円筒内部には、ハブユニットHUBが設けられる。ハット部材HTBの底部Skbには、複数の取付孔(貫通孔)Ahbが設けられる。ハブユニットHUBのハブボルトHBBが、取付孔Ahbを貫通し、車輪WHのホイールディスクWhdを挟んで、ホイールナットWHNにて締め付けられる。ハブユニットHUB、ハット部材HTB、及び、車輪WHが、一体的に結合される。
ハット部材HTBのフランジ部Flnには、主ディスクBDS、及び、補助ディスクBDH、BDIを組み付けられるよう、複数の組立孔(貫通孔)Atkが設けられる。締結部材TKBは、夫々の部材HTB、BDS、BDH、BDIの組立孔Atkを貫通する。そして、締結部材TKBによって、これらの部材HTB、BDS、BDH、BDIが締結される。具体的には、締結部材TKBはかしめ部材(例えば、リベット、グロメット)である。組立孔Atkの孔径は、貫通部における締結部材TKBの直径に比較し、僅かに大きい。このため、ディスク回転軸Jbd方向に固定された状態において、主ディスクBDSと補助ディスクBDH、BDIとは、接触面内において相互に微小変位が可能な状態である。車輪WH、ハブユニットHUB、ハット部材HTB、主ディスクBDS、及び、補助ディスクBDH、BDIは、同軸に固定される。従って、ディスク回転軸Jbdは、車輪WH、ハブユニットHUB、ハット部材HTB、主ディスクBDS、及び、補助ディスクBDH、BDIのうちの少なくとも1つ、の回転軸である。
「微小変位」とは、ブレーキ鳴きが発生する場合において、ブレーキ鳴きの振幅よりも大きい変位である。例えば、微小変位は組み付けにおけるガタ、或いは、部材の弾性変形の範囲内である。ブレーキ鳴きが発生した場合、主ディスクBDSと補助ディスクBDH、BDIとは互いに、接触面の任意の方向に擦り合わされる。そして、主ディスクBDSと補助ディスクBDH、BDIとの接触面には摩擦が存在するため、擦り合わされるときに生じる摩擦減衰によって、ブレーキ鳴きが低減される。
主ディスクBDS、及び、補助ディスクBDH、BDIが、ハット部材HTBに固定される部分(即ち、締結部材TKBによる締結箇所)が、補助ディスクBDH、BDIと摩擦パッドMPO、MPIとの摺動範囲Hmsを外し、且つ、摺動範囲Hmsに対してディスク回転軸Jbdにより近接した場所に配置される。この締結箇所の配置によって、締結箇所と通気孔Avnとの干渉が抑制され、ディスクの冷却性が確保され得る。また、締結部材TKBと摩擦パッドMPOとの接触が回避され、ディスクに摩擦パッドの摩耗粉が付着し難く、この摩耗粉に起因するブレーキ鳴きが抑制され得る。さらに、ディスク固定が回転軸Jbdに近い側でなされるため、ブレーキディスクBRDが小型化され得る。
各ディスク部材BDS、BDH、BDIが、ディスクとは別の部材であるハット部材HTBを介して、固定されることによって、ブレーキディスクBRD全体の組立性が向上され得る。補助ディスクBDHの組立孔(貫通孔)Atkの直径が、主ディスクBDSの組立孔(貫通孔)Atkの直径よりも大きくされる。これにより、補助ディスクBDHが、ハット部材HTBに対して、接触面方向において、動き易くされ、摩擦減衰の効果が得られ易くなる。
主ディスクBDS、及び、補助ディスクBDH、BDIが、同時にブレーキ鳴きを生じないように、夫々が異なる振動特性(例えば、固有振動数)を有するものが採用される。これによって、主ディスクBDS、及び、補助ディスクBDH、BDIのうちの何れか一方のディスクにてブレーキ鳴きが発生した場合、他方のディスクによって振動が増幅されること(即ち、共振現象)が回避される。
<作用・効果>
以下、本発明の実施形態の作用・効果について説明する。ブレーキディスクBRDは、摩擦パッドMPO、MPIとの摺動によって車輪WHに制動トルクを付与する。ブレーキディスクBRDは、主ディスクBDR、及び、少なくとも1つの補助ディスク(補助ディスクBDH、及び、BDIのうちで、1つ以上)にて構成される。
以下、本発明の実施形態の作用・効果について説明する。ブレーキディスクBRDは、摩擦パッドMPO、MPIとの摺動によって車輪WHに制動トルクを付与する。ブレーキディスクBRDは、主ディスクBDR、及び、少なくとも1つの補助ディスク(補助ディスクBDH、及び、BDIのうちで、1つ以上)にて構成される。
補助ディスクBDH(補助ディスクBDI)は、摩擦パッドMPO(摩擦パッドMPI)と摺動する。補助ディスクBDH(BDI)と摩擦パッドMPO(MPI)とが摺動する平面が、摺動面Mhp(Mhs)である。主ディスクBDRは、摺動面Mhp(Mhs)とは反対側(裏側)の接触面Mhq(Mhr)で補助ディスクBDH(BDI)と面接触する。そして、締結部材TKBによって、主ディスクBDR、及び、補助ディスクBDH(BDI)が相互に微小変位可能な状態で、一体となって回転するよう固定される。具体的には、車輪WH、ハブユニットHUB、主ディスクBDR、及び、補助ディスクBDH(BDI)は、同軸に固定される。従って、ディスク回転軸Jbdは、車輪WH、ハブユニットHUB、主ディスクBDR、及び、補助ディスクBDH(BDI)のうちの少なくとも1つ、の回転軸である。
「微小変位可能な状態」とは、ブレーキ鳴きが発生した場合において、このブレーキ鳴きの振幅よりも大きい変位が、相互間で許容されることである。この振幅は、非常に小さいため、締結におけるガタ、部材の弾性変形の範囲内である。ディスク間で微小変位可能であるため、ブレーキ鳴きが発生した場合に、主ディスクBDRと補助ディスク(BDH、及び/又は、BDI)とが摩擦をもって摺動することで、ブレーキ鳴きが減衰される。
主ディスクBDR、及び、少なくとも1つの補助ディスクBDH、BDIの締結は、摩擦パッドMPO、MPIと補助ディスクBDH、BDIとの摺動範囲Hmsを外し、この摺動範囲Hmsを基準としたときにブレーキディスク(例えば、主ディスクBDR、BDS)の回転軸Jbdに近い側で行われる。締結部材TKBによる締結部が、摺動範囲Hmsと重ならず、摩擦パッドの摩耗粉がこの締結部分に溜まることがない。このため、摩耗粉に起因するブレーキ鳴きが回避され得る。さらに、締結部分が、ディスク回転軸Jbdに近い場所に位置するため、ブレーキディスクBRDの外径において小型化され得る。
ブレーキディスクBRDの冷却性を向上させるため、主ディスクBDRには、通気孔Avnが設けられ得る。締結部材TKBによる締結が、通気孔Avnの位置を避けて行われることによって、十分な冷却性が確保され得る。なお、特許文献1に記載のものに、通気孔が採用される場合、組み付け用のリベットが通気孔と干渉するため、組み付けが不可である。また、組み付けられたとしても、通気孔とリベットとが干渉するため、通気孔が十分に機能せず、冷却性が損なわれ得る。
主ディスクBDSとは別個の部材であるハット部材HTBが採用される(図6〜図8参照)。ハット部材HTBに対して、主ディスクBDS、及び、補助ディスクBDH、BDIが固定される。この場合、ハット部材HTB、主ディスクBDS、及び、補助ディスクBDH、BDIは一体となって、回転軸Jbdまわりに回転する。該構成によって、ブレーキディスクBRDにおける組み付け性が向上され得る。該構成においても、主ディスクBDSには通気孔Avnが設けられ、締結部材TKBによる締結箇所は、摺動範囲Hmsを回避し、摺動範囲Hmsに対してディスク回転軸Jbdに近い側に設定される。ディスクの冷却性能が確保され、摩耗粉によるブレーキ鳴きが回避され、ブレーキディスクBRDが小型化され得る。
さらに、ブレーキディスクBRDが、通気孔Avnを有する1つの主ディスクと1つの補助ディスクとで構成される場合、通気孔Avnに対して主ディスクBDR、BDSのアウタ側(車両左右方向で中心から遠い側、即ち、外側)の部分が回転軸方向に延長されて円筒部Engに接続される構成(接続部Otb)では、補助ディスクBDHは、主ディスクBDR、BDSのアウタ側に配置される(図1、図6参照)。一方、通気孔Avnを基準として、主ディスクBDR、BDSのインナ側(車両左右方向で中心から近い側、即ち、内側)の部分が回転軸方向に延ばされて円筒部Engに接続される構成(接続部Inb)では、補助ディスクBDIは、主ディスクBDR、BDSのインナ側に配置される(図2、図7参照)。主ディスクBDR,BDSと円筒部Engとの接続位置(即ち、接続部Otb、Inb)、及び、補助ディスクBDH、BDIの配置の関係において、各ディスクの形状が簡素化されるとともに、組み付け性が、更に向上される。
主ディスクBDR、BDS、及び、補助ディスクBDH、BDIの材質、形状において、固有振動数等の振動特性が異なるものが採用され得る。これにより、ディスク間の共振によるブレーキ鳴きが回避され得る。
組み付け前の補助ディスクBDH、BDIの形状として、「皿ばね」形状が採用される(図4参照)。補助ディスクBDH、BDIのばね作用によって、主ディスクBDR、BDSと補助ディスクBDH、BDIとが予圧を維持した状態で密着される。このため、非制動時において、主ディスクBDR、BDSと補助ディスクBDH、BDIとの間に隙間が生じない。結果、摩擦減衰によるブレーキ鳴きの抑制効果が、長期間に亘って維持され得る。
補助ディスクBDH、BDIの外周部につめ部Tsuが設けられ、組み付け時に、このつめ部Tsuが折り曲げられ、主ディスクBDR、BDSの外周部に引っ掛けられる(図5参照)。この構成によって、制動が行われない場合に、主ディスクBDR、BDSと補助ディスクBDH、BDIとの面接触が解除され、隙間が生じることが回避され得る。
<変形例>
主ディスクBDR、BDSとして、冷却用通気孔Avnを有するベンチレーテッド型のものに代えて、通気孔Avnをもたないソリッド型のものが採用される。ソリッド型ディスクが採用される場合でも、上記同様の効果を奏する。
主ディスクBDR、BDSとして、冷却用通気孔Avnを有するベンチレーテッド型のものに代えて、通気孔Avnをもたないソリッド型のものが採用される。ソリッド型ディスクが採用される場合でも、上記同様の効果を奏する。
主ディスクBDR、BDSと補助ディスクBDH、BDIとの結合に、かしめ固定が例示されたが、かしめ固定に代えて、ボルトとナットとの組み合わせが採用され得る。また、かしめ固定に代えて、溶接(例えば、スポット溶接)によって固定され得る。さらに、主ディスクBDS、及び、ハット部材HTBのうちの何れか1つが鋳物である場合には、補助ディスクBDH、BDIは、これらに鋳込まれて固定され得る。このような固定方法においても、相互の微小変位が確保され、上記同様の効果を奏する。
BRD…ブレーキディスク、MPO、MPI…摩擦パッド、BDR、BDS…主ディスク、BDH、BDI…補助ディスク、HTB…ハット部材、TKB…締結部材、Avn…通気孔、Hms…摺動範囲。
Claims (2)
- 摩擦パッドとの摺動によって車輪に制動トルクを付与するブレーキディスクにおいて、
前記摩擦パッドと接触する少なくとも1つの補助ディスクと、
前記補助ディスクと面接触する主ディスクと、
を備え、
前記主ディスク、及び、前記補助ディスクは、
前記補助ディスクと前記摩擦パッドとの摺動範囲外であって、
前記摺動範囲に対して、前記主ディスクの回転軸に近接した側において、
相互に微小変位可能な状態で固定される、ブレーキディスク。 - 請求項1に記載のブレーキディスクにおいて、
前記主ディスクが通気孔を有する、ブレーキディスク。
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