JP6447861B2 - 蓄電素子 - Google Patents
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Description
本明細書に記載された蓄電素子は、蓄電要素と、有底円筒形状をなすと共に内部に前記蓄電要素が収容されるケースと、を備えた蓄電素子であって、前記ケースは、円盤状をなす底壁と、前記底壁の側縁から立ち上がる側壁と、を有し、前記底壁は、前記底壁と同心円形状をなすと共に、前記ケースの外方に突出する凸部を有し、前記凸部の直径の、前記底壁の直径に対する比が0.20〜0.95である。
本発明の実施形態1を、図1ないし図7を参照しつつ説明する。本実施形態に係る電池10(蓄電素子の一例)は、ニッケル水素蓄電池、ニッケルカドミウム蓄電池等のアルカリ蓄電池である。以下の説明では、図1における紙面手前側を電池10の前側とし、紙面右側を電池10の右側とし、紙面上側を電池10の上側とする。
図1に示すように、電池10は、蓄電要素11と、蓄電要素11が収容される金属製のケース12と、を備える。ケース12は、上方に開口する開口部13を有すると共に内部に蓄電要素11が収容される収容空間14を有する。ケース12の開口部13は、ケース12の開口部13に対応する形状をなした蓋部15によって、上方から塞がれている。
ケース12は、表面にニッケルめっき層が形成された金属板からなる。ケース12を構成する金属としては、鉄、鋼、アルミニウム、アルミニウム合金等、必要に応じて任意の金属を適宜に選択することができる。また、金属板の表面に形成されるめっき層を構成する金属としては、ニッケル、亜鉛等、必要に応じて任意の金属を適宜に選択することができる。
図2に示すように、底壁17には、この底壁17と同心円状をなすと共に、ケース12の外方(図1における下方)に突出する凸部19を有する。凸部19は、上方から見て円形状をなしている。凸部19の直径D1は、底壁17の直径D2よりも小さく設定されており、底壁17と凸部19とは、上方から見て同心円状に形成されている。
(凸部の直径)/(底壁の直径)
側壁18は円筒形状をなしており、側壁18の断面形状は円形状をなしている。側壁18の厚さ寸法は、底壁17の厚さ寸法よりも小さく設定されている。
底壁17の周縁部には、底壁17と側壁18との境界部分に隅部連結部25が形成されている。本実施形態においては、隅部連結部25は、底壁17に形成された基部20と連結されている。隅部連結部25の外面には外側隅部曲面26(隅部曲面の一例)が形成されており、隅部連結部25の内面には内側隅部曲面27(隅部曲面の一例)が形成されている。外側隅部曲面26により、側壁18の外面と、底壁17の外面とは滑らかに連続している。また、内側隅部曲面27により、側壁18の内面と、底壁17の内面とは、滑らかに連続している。
図1に示すように、蓋部15は、後述する正極板28と、弾性を有する接続端子29を介して電気的に接続されており、電池10の正極端子として機能する。蓋部15は全体として円盤状の形状を有し、ケース12の開口部13を塞いでいる。具体的には、蓋部15の周縁部分が、絶縁性の合成樹脂等で形成されたガスケット30を介して、ケース12の開口部13の先端部に嵌められ、その先端部にかしめられている。これにより、蓋部15とケース12との絶縁性を保ちつつ、ケース12が密閉されている。なお、蓋部15には、安全弁31が設けられており、この安全弁31により、ケース12の内圧が所定値以上になったときに、ケース12内のガスを外部に排出することができる。
図1に示すように、蓄電要素11は、ケース12の収容空間14に収容されている。蓄電要素11は、正極板28、負極板16、及び、それらの間に配置されるセパレータ32が、例えばケース12の長手方向(本実施形態における上下方向)に沿った巻き軸を中心に渦巻き状に巻回された構成である。
続いて、本実施形態に係る電池10の製造工程の一例を説明する。なお、本実施形態の製造工程は以下の記述に限定されない。
本実施形態に係る電池10において、凸部19の直径D1を異ならせたサンプル1〜23につき、一般的なCAE(Computer Aided Engineering)解析手法を行い、凸部19の直径D1の、底壁17の直径D2に対する比と、底壁17及び凸部19の中心部分の、ケース12の外方への変位量と、の関係を算出した。結果を図4に示す。また、凸部19の直径D1の、底壁17の直径D2に対する比と、底壁17及び凸部19の中心部分の、底壁17の中心部分Cの外方(図1における下方)への変位量と、を表1にまとめた。
続いて、サンプル1〜23の作用、効果について説明する。サンプル3〜23は実施例とされ、サンプル1〜2は比較例とされる。サンプル3〜23に係る蓄電素子は、蓄電要素11と、有底円筒形状をなすと共に内部に蓄電要素11が収容されるケース12と、を備え、ケース12は、円盤状をなす底壁17と、底壁17の側縁から立ち上がる側壁18と、を有し、底壁17は、底壁17と同心円形状をなすと共に、ケース12の外方に突出する凸部19を有する。これにより、底壁17に形成された凸部19によって底壁17が補強される。これにより、ケース12内の内圧が上昇した場合であっても、ケース12の底壁17が変形することを抑制することができる。
続いて、サンプル24〜29について説明する。サンプル24〜29においては、図5及び図6に示すように、外側隅部曲面26の曲率半径Q1、及び内側隅部曲面27の曲率半径Q2を同じ値としつつ、曲率半径Q1及び曲率半径Q2の値を種々に変化させた場合における、底壁17の中心部分Cの変位量を、CAE解析の手法により解析した。
サンプル24〜29は実施例とされる。サンプル24〜29においては、底壁17の周縁部には、底壁17と側壁18とが連結される隅部連結部25が形成されている。隅部連結部25の内面には内側隅部曲面27が形成されており、隅部連結部25の外面には外側隅部曲面26が形成されている。内側隅部曲面27の曲率半径Q2、及び外側隅部曲面26の曲率半径Q1の双方は、同じ値に設定されており、且つ、0.40mm〜1.40mmに設定されている。サンプル24〜29においては、底壁17の厚さ寸法は0.30mmであるので、内側隅部曲面27の曲率半径Q2の、底壁17の厚さ寸法に対する比は、1.33〜4.67とされる。また、外側隅部曲面26の曲率半径Q1の、底壁17の厚さ寸法に対する比も、1.33〜4.67とされる。
(曲率半径)/(底壁の厚さ寸法)
次に、本発明の実施形態2を、図8ないし図10を参照しつつ説明する。本実施形態においては、基部20の内面と底壁連結部21の内面との間には内側第1曲面33が形成されている。これにより、基部20の内面と底壁連結部21の内面とは滑らかに連結されている。また、底壁連結部21の内面と凸部19の内面との間には内側第2曲面34が形成されている。これにより、底壁連結部21の内面と凸部19の内面とは滑らかに連結されている。
続いて、サンプル30〜49について説明する。サンプル30〜49においては、図9に示すように、内側第1曲面33の曲率半径R2、内側第2曲面34の曲率半径S2、外側第1曲面35の曲率半径R1、及び外側第2曲面36の曲率半径S1を同じ値としつつ、種々の値に変化させた場合における、底壁17の中心部分Cの変位量を、CAE解析の手法により解析した。
凸部19と、基部20とが連結された底壁連結部21には、ケース12内の内圧が上昇したときに、応力が集中しやすくなっている。そこで、サンプル30〜49においては、基部20の内面と底壁連結部21の内面との間には内側第1曲面33を形成し、底壁連結部21の内面と凸部19の内面との間には内側第2曲面34を形成し、基部20の外面と底壁連結部21の外面との間には外側第1曲面35を形成し、底壁連結部21の外面と凸部19の外面との間には外側第2曲面36を形成している。これにより、基部20と底壁連結部21との間、及び凸部19と底壁連結部21との間は、滑らかな曲面で連結されている。この結果、ケース12内の内圧が上昇した場合でも、底壁連結部21に応力が集中することが抑制されるので、ケース12の底壁17が変形することを抑制することができる。
本明細書に記載された技術は、上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような態様も含まれる。
Claims (6)
- 蓄電要素と、
有底円筒形状をなすと共に内部に前記蓄電要素が収容されるケースと、を備えた蓄電素子であって、
前記ケースは、円盤状をなす底壁と、前記底壁の側縁から立ち上がる側壁と、を有し、
前記底壁は、前記底壁と同心円形状をなすと共に、前記ケースの外方に突出する凸部を有し、
前記凸部の直径の、前記底壁の直径に対する比が0.20〜0.95であり、
前記底壁は、前記凸部よりも前記底壁の径方向の外方に位置する基部を有し、
前記基部と前記凸部とは底壁連結部によって連結されており、
前記基部の内面と前記底壁連結部の内面との間には内側第1曲面が形成されており、
前記底壁連結部の内面と前記凸部の内面との間には内側第2曲面が形成されており、
前記基部の外面と前記底壁連結部の外面との間には外側第1曲面が形成されており、
前記底壁連結部の外面と前記凸部の外面との間には外側第2曲面が形成されており、
前記内側第1曲面、前記内側第2曲面、前記外側第1曲面、又は前記外側第2曲面の曲率半径の、前記底壁の厚さ寸法に対する比の少なくとも一つは0.50〜11.90である蓄電素子。 - 請求項1に記載の蓄電素子であって、
前記側壁の外面には、前記底壁寄りの位置に、外方に突出する肉厚部が形成されており、
前記肉厚部の厚さ寸法は、前記側壁のうち前記肉厚部と異なる部分の厚さ寸法よりも大きく設定されている蓄電素子。 - 請求項1または請求項2に記載の蓄電素子であって、
前記底壁の周縁部には、前記底壁と前記側壁とが連結される隅部連結部が形成されており、
前記隅部連結部の内面及び外面の双方又は一方には隅部曲面が形成されており、
前記隅部曲面の曲率半径の、前記底壁の厚さ寸法に対する比の少なくとも一つは、1.33〜4.67である蓄電素子。 - 蓄電要素と、
有底円筒形状をなすと共に内部に前記蓄電要素が収容されるケースと、を備えた蓄電素子であって、
前記ケースは、円盤状をなす底壁と、前記底壁の側縁から立ち上がる側壁と、を有し、
前記底壁は、前記底壁と同心円形状をなすと共に、前記ケースの外方に突出する凸部を有し、
前記凸部の直径の、前記底壁の直径に対する比が0.20〜0.95であり、
前記側壁の外面には、前記底壁寄りの位置に、外方に突出する肉厚部が形成されており、
前記肉厚部の厚さ寸法は、前記側壁のうち前記肉厚部と異なる部分の厚さ寸法よりも大きく設定されている蓄電素子。 - 請求項4に記載の蓄電素子であって、
前記底壁の周縁部には、前記底壁と前記側壁とが連結される隅部連結部が形成されており、
前記隅部連結部の内面及び外面の双方又は一方には隅部曲面が形成されており、
前記隅部曲面の曲率半径の、前記底壁の厚さ寸法に対する比の少なくとも一つは、1.33〜4.67である蓄電素子。 - 蓄電要素と、
有底円筒形状をなすと共に内部に前記蓄電要素が収容されるケースと、を備えた蓄電素子であって、
前記ケースは、円盤状をなす底壁と、前記底壁の側縁から立ち上がる側壁と、を有し、
前記底壁は、前記底壁と同心円形状をなすと共に、前記ケースの外方に突出する凸部を有し、
前記凸部の直径の、前記底壁の直径に対する比が0.20〜0.95であり、
前記底壁の周縁部には、前記底壁と前記側壁とが連結される隅部連結部が形成されており、
前記隅部連結部の内面及び外面の双方又は一方には隅部曲面が形成されており、
前記隅部曲面の曲率半径の、前記底壁の厚さ寸法に対する比の少なくとも一つは、1.33〜4.67である蓄電素子。
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