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JP2009087729A - 密閉型電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヒートサイクルを印加した場合であっても、漏液の発生のない、信頼性に優れた密閉型電池を提供する。
【解決手段】板状の封口蓋の貫通孔に、リング状の絶縁封口部材5を介して、前記貫通孔の内径よりも大きな外径の頭部22と前記貫通孔の内径よりも小さな外径の軸部23を有する有頭リベット状の電極端子を前記封口蓋に挿入し、該電極端子をかしめることにより前記封口蓋の外径を拡大し、該絶縁封口部材を圧縮挟持することで封止した外装構造を有する電池外装ケースと、該電池外装ケースに収納された正極および負極からなる密閉型電池において、前記封口蓋の貫通孔は、前記電極端子の端部に対向する側から頭部に対向する側に向けて漸次縮径し、かつ前記絶縁封口部材の前記電極端子の端部に対向する側の第1の狭隘部を規定する内径D1と前記絶縁封口部材の前記電極端子の頭部に対向する側の第2の狭隘部を規定する内径D2とがD1>D2の関係にある。
【選択図】図1

Description

本発明は、封口性を改善した密閉型電池に関するものである。
非水電解液を用いたリチウムイオン電池に代表される密閉型電池は、高エネルギー密度などを特徴とし、携帯電話等に代表される小型携帯機器に広く採用されている。密閉型電池は、円筒型のほかに、小型携帯機器の形状に合わせて容積効率を向上することを目的に角型形状の外装ケースを用いるものがある。
近年、従来用いられてきた携帯機器だけでなく、環境問題への関心の高まりから、電気自動車やハイブリット自動車、電力貯蔵用等への適用を目指して、エネルギー密度や入出力特性、サイクル特性の向上への要求が高まっている。
このような要求に好適な電池として、特許文献1に記載されているように、平均結晶粒子径50μm以下のアルミニウムまたはアルミニウム合金の箔からなる負極集電体と、一次粒子径1μm以下の粒度分布をもつ負極活物質とを有する負極を備えた非水電解質二次電池が提案されている。これによると、提案の負極活物質は、リチウム吸蔵時の電位が0.4V以上のものであり、リチウムアルミニウム合金を形成することがないため、集電体にアルミニウムまたはアルミニウム合金を用いることが出来るとされている。更に、集電体の平均結晶粒径を50μm以下にすることで、集電体の強度が向上するため、負極活物質として、一次粒子径1μm以下の粒度分布をもつ粉体を使用しても電極密度を向上することができ、エネルギー密度や入出力特性を向上することができるとも記載されている。
また、これらの用途では、機器の使用寿命が長くなることから、これまで小型携帯機器の2〜3年程度の使用期間に対して、10〜15年といった電池の封口性に関わる長期信頼性への要求がある。さらに、これらの大型機器では、電池の入出力特性などの性能向上はもとより、電池1個あたりの蓄電容量向上を行う必要があるとともに、電気自動車等の用途では、電池重量の軽減といった要求もあり、電池発電要素以外の電池外装部材などの重量軽減を行う必要がある。
従来の小型携帯機器向けの角型形状の電池外装ケースを用いる電池として、例えば特許文献2には、電池ケースの開口部に配置する蓋の貫通孔に、絶縁パッキングを介して、軸部の一端に頭部を有する端子(出力端子)を挿入し、該端子を上下から圧縮し、かしめることで該頭部に対して反対側の端部および軸部の外径を拡大し、絶縁パッキングを圧縮挟持することで封止した密閉型の電池が開示されている。
すなわち、前記特許文献1に記載の負極とリチウムマンガン複合酸化物やリチウムコバルト複合酸化物などの正極活物質との組み合わせにより、エネルギー密度や入出力特性を向上できるとともに、負極集電部材、正極集電部材ともに、アルミニウムまたはアルミニウム合金を使用できることから、前述した特許文献2などに記載の従来の電池ケースの外装構造と組み合わせることで、比較的安価で軽量な電池を形成できる。
特開2005−123183号公報 特開2003−272574号公報
しかしながら、上記構成の電池ケースであっても用途(使用環境)が異なると次のような問題を生じる。
前述のように、電気自動車やハイブリット自動車、電力貯蔵用等の大型機器への密閉型電池の搭載に伴い、電池の蓄電容量を拡大するために電池の大型化を行った場合、電池の強度確保のために、角型形状の電池外装ケースを構成する金属缶や、板状の封口蓋の肉厚を増大させる必要がある。たとえば、従来の小型携帯機器用の封口蓋の肉厚が0.25mm以下であるのに対して、大型機器用の封口蓋では肉厚が0.3mm以上となる。このように部材が肉厚化することにより電池の総重量が増加する。
そこで、金属缶、板状の封口蓋、有頭リベット状の電極端子の全てをアルミニウムまたはアルミニウム合金とすることにより、電池外装ケース全体の軽量化を図るようにしている。しかし、これらの部材をアルミニウムまたはアルミニウム合金にすると、リベット状電極端子のかしめ部付近の軸部外径が先に拡大してしまい、リング状絶縁封口部材の圧縮率に大幅なバラツキを生じて漏液を生じるおそれがある。
すなわち、図4に示すように、従来の密閉型電池100では、封口蓋4の貫通孔42にリング状の絶縁封口部材5を嵌め込み、絶縁プレート6を内方から絶縁封口部材5の小径部の周囲に嵌め込み、貫通孔の内径D1(=D2)よりも大きな外径の頭部22と貫通孔の内径D1(=D2)よりも小さな外径の軸部23を有する有頭リベット状の電極端子20を外方から絶縁封口部材5の開口に挿通し、さらにワッシャー7を内方から電極端子の軸部23に挿通した状態で、かしめ加工機により電極端子20を上下から圧縮してかしめる。このかしめ加工時において軸部23の端部28がつぶれて平たくなるとともに、軸部23の外径が拡大するが、アルミニウムまたはアルミニウム合金は他のニッケルや鉄などの金属材料と比べて降伏応力が低いために、リベット状電極端子のかしめ端部28近傍の軸部(内方部位)が先に座屈して膨出し、リベット状電極端子の頭部22近傍の軸部(外方部位)は塑性変形しにくいため、かしめ端部近傍の第1の狭隘部16とリベット頭部近傍の第2の狭隘部17との間において絶縁封口部材5の圧縮率に大幅なバラツキを生じる。この圧縮率のバラツキにより、特に、通常の使用環境を再現したヒートサイクル(例えば、−20℃〜70℃)を印加した場合、部材の膨張収縮により、絶縁封口部材5による押圧力が低下し、封口性能の低下による漏液を生じるおそれがある。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、長期間にわたりヒートサイクルを印加した場合であっても、封口性を維持し、漏液の発生のない、長期信頼性に優れた密閉型電池を提供することを目的とする。
本発明に係る密閉型電池は、金属缶と、板状の封口蓋の貫通孔に、リング状の絶縁封口部材を介して、前記貫通孔の内径よりも大きな外径の頭部と前記貫通孔の内径よりも小さな外径の軸部を有する有頭リベット状の電極端子を前記封口蓋の一方側から挿入し、該電極端子を上下から圧縮してかしめることにより前記封口蓋の他方側にて該電極端子の端部および軸部の外径を拡大し、該絶縁封口部材を圧縮挟持することで封止した外装構造を有する電池外装ケースと、該電池外装ケースに収納された正極および負極からなる電極群を有する密閉型電池において、前記封口蓋の貫通孔は、前記電極端子の端部に対向する側から頭部に対向する側に向けて漸次縮径し、かつ前記絶縁封口部材の前記電極端子の端部に対向する側の第1の狭隘部を規定する内径D1と前記絶縁封口部材の前記電極端子の頭部に対向する側の第2の狭隘部を規定する内径D2とがD1>D2の関係にあることを特徴とする。
本発明の密閉型電池では、封口蓋の貫通孔の内径をD1>D2の関係としているので、封口時にリベット状の電極端子をかしめた場合に、拡径した電極端子の軸部と内径D1の貫通孔周壁との間に規定される絶縁封口部材のリベット端部に対向する側の第1の狭隘部の厚みと、電極端子の軸部(ほぼ初期径)と内径D2の貫通孔周壁との間に規定される絶縁封口部材のリベット頭部に対向する側の第2の狭隘部の厚みとがちょうどバランス良く同じ程度になり(図1参照)、全体として絶縁封口部材の圧縮率が均一化される。これによりヒートサイクルを受けたときに絶縁封口部材に生じるクリープ現象が低減または抑制され、長期間にわたり液漏れを生じない高信頼性の密閉型電池となる。
本発明によれば、長期間にわたりヒートサイクルを受けた場合であっても、所望の封口性を維持し、漏液の発生のない、長期信頼性に優れた密閉型電池が提供される。本発明の密閉型電池は、長期間にわたり液漏れを生じないで安全に使用でき、かつ比較的安価で軽量であることから、特にハイブリッド車や電気自動車に搭載する車載用二次電池、あるいは電力平準化に使用される電力貯蔵用二次電池として好適なものとなる。
本発明者らは、密閉型電池の封口蓋かしめ部のシール性に関して鋭意研究を積み重ねた結果、封口蓋の貫通孔の形状を予め、リベット状電極端子のかしめ部近傍部位における貫通孔の内径D1とリベット状電極端子の頭部近傍部位における貫通孔の内径D2との関係をD1>D2とすることで、封口蓋及びリベット状電極端子の双方ともにアルミニウムまたはアルミニウム合金とした場合でも、良好な封口性を長期間にわたり維持することができ、さらに電池外装ケースを軽量化できるという知見を得た。本発明はかかる知見に基づいてなされたものである。
本発明において、内径D2を3mm以上とし、かつ比率D1/D2を1.05以上とすることが好ましい。封口蓋かしめシール部をアルミニウムまたはアルミニウム合金とする場合、折損防止の強度補償を図るために、リベット状電極端子の軸部の直径を少なくとも3mmより太くすることが要求される。このため封口蓋において貫通孔の内径D2を3mm以上にする必要がある。また、比率D1/D2が1.05未満の封口蓋かしめシール部では漏液発生率が高くなるのに対して(表1の比較例1,2)、比率D1/D2が1.05以上の封口蓋かしめシール部では漏液をまったく生じなくなる(表1の実施例1〜4)。後者では絶縁封口部材の圧縮率のバラツキが小さくなるからである。
本発明において、封口蓋の貫通孔の高さ(軸方向長さ)Hを0.3mm以上とすることができる。大型機器用の電源では強度補償のために封口蓋を厚くする必要があり、アルミニウムまたはアルミニウム合金の封口蓋では肉厚を0.3mm以上にすることが推奨されている。このため貫通孔の高さHは0.3mm以上とすることが望ましい。ところで、貫通孔の高さHが大きくなると、絶縁封口部材の圧縮率にさらにバラツキを生じやすくなるが、本発明の封口蓋では貫通孔の内径D1,D2の関係をD1>D2とし、リベット端部に対向する側の第1の狭隘部とリベット頭部に対向する側の第2の狭隘部との間において絶縁封口部材の圧縮率を均一化しているので、長期間にわたりヒートサイクルを受けた場合であっても漏液を生じなくなる。
本発明において、電池ケース内に収納された負極は、リチウムイオンの吸蔵放出電位が金属リチウムの電位に対して0.4Vよりも貴となる負極活物質をアルミニウムまたはアルミニウム合金の箔からなる集電体に塗着してなることが望ましい。このようにすると負極活物質とアルミニウムまたはアルミニウム合金との化学反応を抑制することができるからである。
以下、本発明の実施の形態に係る密閉型電池として角型リチウムイオン電池を図1と図2を参照して説明する。
図2の(a)と(b)に示すように、本実施形態の密閉型電池1Aは、上面が略長方形に開口する金属缶10と、この金属缶10内に充填された電極群11および電解液と、金属缶10の開口を塞ぐ封口蓋4Aと、正極タブ9aおよび負極タブ9bと、電解液注入口12を塞ぐ封口栓13と、リベット状の電極端子20とを備えている。電解液注入口12は、電池外装ケースである金属缶10内に電解液を注入した後、封口栓13で封止し、封口蓋4Aにレーザ溶接してある。
金属缶10は、アルミニウム板またはアルミニウム合金板を深絞り加工して作製され、正極側の出力端子を兼ねている。
電極群11は、正極活物質をアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる集電体に塗着したシート状の正極と、負極活物質アルミもしくはアルミ合金からなる集電体に塗着したシート状の負極とを、絶縁性のセパレータを介して渦巻状に巻回した後に、金属缶10の断面形状に合わせて、断面を長円形に押し潰して形成されている。電極群11の正極シートおよび負極シートの各々からは正負両極の導電タブ9a、9bが導出され、それぞれ正極端子19及びリベット状電極端子20と導電接続される。なお、本実施例では符号19の部材を正極端子、符号20の部材を負極端子としたが、配線の接続を逆にして、符号19の部材を負極端子、符号20の部材を正極端子とした場合でも同様の効果が得られる。
ここで、正極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵・放出できる酸化物や硫化物、ポリマーなどを使用することができる。好ましい正極活物質としては、高い正極電位が得られるリチウムマンガン複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物、リチウムコバルト複合酸化物、リチウム燐酸鉄等が挙げられる。
また、負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵・放出できる金属酸化物、金属硫化物、金属窒化物、合金等を使用することができる。好ましい負極活物質としては、リチウムイオンの吸蔵放出電位が金属リチウムの電位に対して0.4Vよりも貴なる物質が挙げられる。これはアルミニウムまたはアルミニウム合金とリチウムとの合金反応を抑えられることから、負極集電体および負極関連構成部材にアルミニウムまたはアルミニウム合金を使用することができる。例えば、負極活物質としては、チタン酸化物、リチウムチタン酸化物、タングステン酸化物、アモルファススズ酸化物、スズ珪素酸化物、酸化珪素などがあり、中でもリチウムチタン複合酸化物が好ましい。
密閉型電池1Aに用いられる封口部材は、封口蓋4A、有頭リベット状の電極端子20、リング状の絶縁封口部材5、絶縁プレート6およびワッシャー7により構成されている。封口蓋4Aは、厚さ0.3mmのアルミニウム板またはアルミニウム合金板をプレス成型したものであり、金属缶10の矩形開口を取り囲む周縁に全周レーザ溶接され、金属缶10の上面開口を塞いでいる。
封口蓋4Aには2つの開口が形成されている。電解液注入口12は、封口蓋4Aのほぼ中央に開口し、金属缶10内の電極群11に電解液を注入した後において、封口栓13により塞がれる。封口栓13は封口蓋4Aに全周レーザ溶接される。負極端子取出用開口42Aは、負極タブ9bの端部を負極端子(有頭リベット状の電極端子)20に接続するための貫通孔である。この貫通孔42Aは、封口蓋4Aの内方から外方に向けて漸次縮径している。貫通孔42Aの内径D1の内方周壁は、リング状絶縁封口部材5の第1の狭隘部16Aを規定している。貫通孔42Aの内径D2の外方周壁は、絶縁封口部材5の第2の狭隘部17Aを規定している。図1に示すように、これらの内径D1とD2とはD1>D2の関係にある。
有頭リベット状の電極端子20は、頭部22、軸部23、かしめ端部28を有している。頭部22の外径は封口蓋4Aの貫通孔42Aの内径よりも大きい。軸部23の外径は、貫通孔42Aの内径よりも十分に小さく、かつ絶縁封口部材5のリング開口径より僅かに小さい。軸部23の一部(かしめ端部28の側)は、かしめ加工時に膨出しており、内径D1の貫通孔42Aの内方周壁との間に第1の狭隘部16Aを形成している。軸部23の他の部分(頭部22の側)は、内径D2の貫通孔42Aの外方周壁との間に第2の狭隘部17Aを形成している。なお、かしめ端部28は、かしめ加工時に扁平につぶされ、これによりリベット状電極端子20が封口蓋4Aから抜け落ちないようになっている。
リング状絶縁封口部材5は、フランジ部14と、フランジ部14の下面に、有頭リベット状の電極端子の軸部23が挿通されるパイプ状のボス部15とを備えている。ここで、リング状絶縁封口部材5および絶縁プレート6の材質としては、ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイド、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等の熱可塑性および絶縁性を有する合成樹脂などが好ましい。なお、封口蓋4A、リベット状電極端子20、ワッシャー7および封口栓13は、アルミニウムまたはアルミニウム合金でつくられている。
封口部の組み付けは以下の手順で行う。
リング状絶縁封口部材5のパイプ状のボス部15を封口蓋4Aの貫通孔42Aに嵌挿し、さらに有頭リベット状の電極端子20をパイプ状のボス部15に挿嵌する。その後、図1に示すように、軸部23に絶縁プレート6を介してワッシャー7を挿嵌する。この状態でかしめ加工機により有頭リベット状の電極端子20を上下から圧縮し、電極端子のかしめ端部28を押しつぶす。このかしめ加工時に、軸部23を拡径し、封口蓋4Aの貫通孔42Aの内壁と軸部23との間で、リング状絶縁封口部材5を圧縮挟持することで封止する。このときの圧縮率は20〜80%の範囲内とすることが好ましい。圧縮率20%未満では圧縮不足によりリング状絶縁封口部材5と封口蓋4Aの貫通孔42Aの内壁またはリング状絶縁封口部材5と有頭リベット状の電極端子20の軸部23との密着性が低下して、良好な封口性が得られない。また、圧縮率が80%を超えると、過大な圧縮によりリング状絶縁封口部材5のパイプ状のボス部15に亀裂を生じて破断し、さらには、ヒートサイクルによる膨張収縮の変位・変形に追従することができず、所望の封口性が保たれなくなる。ここで「圧縮率」とは、かしめ前のパイプ状のボス部15の肉厚をT1、かしめ後のボス部15の肉厚をT2としたとき、圧縮率PR=T2/T1で与えられる値である。
なお、本実施形態の説明では、有頭リベット状電極端子の頭部を電池外装ケースの外側とし、かしめ端部をケースの内側としているが、これとは逆に、有頭リベット状電極端子の頭部を電池外装ケースの内側とし、かしめ端部をケースの外側としてもよい。その場合は、板状封口蓋の内径D1を有頭リベット状電極端子のかしめ端部の側とし、内径D2を同端子の頭部の側とすることで、同様の効果が得られる。
以下、図1〜図4および表1を参照して本発明の実施例を比較例と対比しながら説明する。なお、本発明の主旨を超えない限り、本発明は以下に掲載される実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
封口蓋4Aの貫通孔42Aにおいて、高さHを0.5mm、内方の内径D1を4mm、外方の内径D2を4.4mm、有頭リベット状の電極端子20の軸部23の外径を3mm、リング状絶縁部材5のパイプ状のボス部15の肉厚を片側0.5mmとし、有頭リベット状の電極端子20の軸部23をかしめて、図1に示す封口構造に組み立て、幅70mm、高さ100mm、厚さ15mmの非水電解質二次電池1Aを作製した。実施例1ではパイプ状のボス部15(第1の狭隘部16Aと第2の狭隘部17A)の圧縮率を50%とした。
(実施例2)
実施例2では、貫通孔42Aの外方の内径D2を4.2mmに変更したことを除いて、他の構成は実施例1と同様の図1に示す非水電解質二次電池1Aを作製した。実施例2においてもパイプ状のボス部15(第1の狭隘部16Aと第2の狭隘部17A)の圧縮率を50%とした。
(実施例3)
実施例3では、かしめ寸法を変更し、パイプ状のボス部15の圧縮率を30%としたことを除いて、他の構成は実施例1と同様の図1に示す非水電解質二次電池1Aを作製した。
(実施例4)
実施例4では、かしめ寸法を変更し、パイプ状のボス部15の圧縮率を70%としたことを除いて、他の構成は実施例1と同様の図1に示す非水電解質二次電池1Aを作成した。
(比較例1)
比較例1では、貫通孔42の内方の内径D1を4.0mm、外方の内径D2を4.0mmとしたことを除いて、他の構成は実施例1と同じとする図4に示す非水電解質二次電池100を作成した。
(比較例2)
比較例2では、貫通孔42Bの内方の内径D1を4.0mm、外方の内径D2を3.6mmとしたことを除いて、他の構成は実施例1と同じとする図3に示す非水電解質二次電池1Bを作成した。
上記の実施例1〜4および比較例1,2の非水電解質二次電池サンプルに対してヒートサイクル試験をそれぞれ行った。ヒートサイクル試験方法は、−30℃の低温に2時間保持し、次いで+80℃の高温に2時間保持する。これを1サイクルとして、100サイクル実施した後、各サンプルにおける電解液の漏液状況を調べた。試験セルはそれぞれ100個である。表1に、その結果を示す。
表1より明らかなように、比較例1、2では、圧縮率にばらつきが生じており、最大圧縮部分では50%となっているが、その他の部分は圧縮率が低く、温度サイクルによる膨張収縮による変位・変形に追従できずに、漏液が発生したものと考えられる。
Figure 2009087729
本発明の実施例に係る密閉型電池を示す要部断面図。 (a)は密閉型電池の縦断面図、(b)は密閉型電池の平面図。 比較例の電池を示す要部断面図。 従来の電池を示す要部断面図。
符号の説明
1A,1B、100…密閉型電池、
4…封口蓋、5…絶縁封口部材、6…絶縁プレート、7…ワッシャー、
9a…正極タブ、9b…負極タブ、
10…金属缶、11…電極群、12…電解液注入口、13…封口栓、
14…フランジ部、15…ボス部、
16,16A,16B…第1の狭隘部、
17,17A,17B…第2の狭隘部、
20…リベット状電極端子、
22…頭部、23…軸部、28…かしめ端部、
42,42A,42B…貫通孔(負極端子取出用開口)。

Claims (6)

  1. 金属缶と、板状の封口蓋の貫通孔に、リング状の絶縁封口部材を介して、前記貫通孔の内径よりも大きな外径の頭部と前記貫通孔の内径よりも小さな外径の軸部を有する有頭リベット状の電極端子を前記封口蓋の一方側から挿入し、該電極端子を上下から圧縮してかしめることにより前記封口蓋の他方側にて該電極端子の端部および軸部の外径を拡大し、該絶縁封口部材を圧縮挟持することで封止した外装構造を有する電池外装ケースと、該電池外装ケースに収納された正極および負極からなる電極群を有する密閉型電池において、
    前記封口蓋の貫通孔は、前記電極端子の端部に対向する側から頭部に対向する側に向けて漸次縮径し、かつ前記絶縁封口部材の前記電極端子の端部に対向する側の第1の狭隘部を規定する内径D1と前記絶縁封口部材の前記電極端子の頭部に対向する側の第2の狭隘部を規定する内径D2とがD1>D2の関係にあることを特徴とする密閉型電池。
  2. 前記封口蓋および有頭リベット状の電極端子は、アルミニウムまたはアルミニウム合金でつくられていることを特徴とする請求項1に記載の密閉型電池。
  3. 前記内径D2は3mm以上であり、かつ比率D1/D2が1.05以上であることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の密閉型電池。
  4. 前記封口蓋の貫通孔の高さが0.3mm以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の密閉型電池。
  5. 密閉型電池が、非水電解質二次電池であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の密閉型電池。
  6. 前記電池ケース内に収納された負極は、リチウムイオンの吸蔵放出電位が金属リチウムの電位に対して0.4Vよりも貴となる負極活物質をアルミニウムまたはアルミニウム合金の箔からなる集電体に塗着してなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の密閉型電池。
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