以下に、添付図面を参照して、本発明に係る各台装置の好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下では、記録媒体がカードであり、このカードに関連付けられる持玉を分割対象とした場合を中心に説明することとする。
まず、本実施例1に係る台間カード処理機及び持玉分割方法の概念について説明する。図1は、本実施例1に係る台間カード処理機及び持玉分割方法の概念を説明するための説明図である。図1に示す台間カード処理機10は、遊技客自身の操作によって持玉を分割できる装置である。
例えば、遊技客が保有する持玉「1500玉」のうちの「500玉」を持玉分割処理して第三者に譲渡したい場合には、遊技客は持玉分割操作を行う。具体的には、図1(A)に示すように、台間カード処理機10に設けられた表示操作部13に「500」と入力し、遊技機20に設けられたカード返却ボタン21aを押下操作する。
これにより、図1(B)に示すように、持玉「1000玉」が関連付けられた分割元カードがカードユニット部15から排出され、引き続いて同図(C)に示すように、持玉「500玉」が関連付けられた分割先カードがカードユニット部15から排出される。
このため、遊技客は、台間カード処理機10のカードユニット部15に分割元カードを挿入して遊技を継続するとともに、分割先カードを第三者に渡すことで持玉の一部を第三者に譲渡することができる。この分割先カードを受け取った第三者は、他の遊技機に併設された台間カード処理機10のカードユニット部15に分割先カードを挿入することで、持玉「500玉」を保有した状態で遊技を行うことが可能となる。
表示操作部13のテンキーは、各種入力操作(例えば、貯玉再プレイ時の暗証番号入力等)に用いられるが、持玉が有る状態で操作されると、分割玉数の入力手段として作用する。
また、この台間カード処理機10は、表示操作部13に入力される玉数が不適切であり、分割先カード又は分割元カードに関連付けられる持玉数が所定値(例えば、「125玉」)未満となる場合には、分割処理を行わないこととしている。関連付けられた持玉が極端に少ない場合は、生成された分割先カードが廃棄される可能性があるためである。ただし、遊技店に登録された会員に対して付与される会員カードが分割元カードであれば、分割先カード又は分割元カードに関連付けられる持玉数が所定値未満となる場合でも分割処理を行う。会員は、いたずらで分割先カードを生成する可能性は低いと考えられるからである。
さらに、この台間カード処理機10は、分割処理終了後の時点から所定の期間(例えば「30秒」)であれば、分割処理した2枚のカードを合算して元の状態に戻すことが可能である。分割操作を誤った場合や分割処理を行っている途中で状況が変化した場合に柔軟に対応できるようにするためである。この点に関しては、後述する実施例2において詳細に説明する。
次に、本実施例1に係る遊技媒体処理システムのシステム構成について説明する。図2は、本実施例1に係る遊技媒体処理システムのシステム構成を示す図である。同図に示すように、この遊技媒体処理システムでは、複数の遊技機20と、各遊技機20にそれぞれ対応して設けられた台間カード処理機10と、カード管理装置40と、会員管理装置50と、複数の島端計数機60と、精算機70と、景品管理装置80とが通信回線90を介して接続されている。なお、複数の遊技機20及び台間カード処理機10は、島コントローラ30を介して通信回線90に接続されている。
遊技機20は、パチンコ玉を遊技領域に打ち込んで遊技客がパチンコ遊技を行うパチンコ機等の装置である。台間カード処理機10は、遊技機20に対する玉貸し処理、遊技機20で獲得したパチンコ玉の計数処理、計数したパチンコ玉を持玉として再投出する処理、貯玉の再プレイ処理などを行う装置である。
この台間カード処理機10には、あらかじめ複数枚のカードが収納されており、遊技客が遊技を終えてカード返却ボタン21aを押下操作すると、該カード1にプリペイド価値並びに持玉数が関連付けた後に返却される。具体的には、このプリペイド価値及び持玉数がカード1に書き込まれるとともに、カード管理装置40で管理されるカード情報40eの内容が更新される。また、カード1を受け入れたならば、このカード1のプリペイド価値並びに持玉数をカード管理装置40から取得し、取得したプリペイド価値並びに持玉数に基づいてパチンコ玉の貸出処理並びに持玉の投出処理を行う。なお、カード1自体にプリペイド価値並びに持玉数を書き込んだ理由は主にオフライン運用を考慮したためであり、通常運用ではカード管理装置40で管理されるカード情報40eが正として取り扱われる。
また、この台間カード処理機10は、持玉が存在する状況下で持玉の分割数を入力する持玉分割操作が行われると、該持玉数から分割数を差し引いた値を関連付けた分割元カードを排出した後、分割数を関連付けた分割先カードを排出する。このため、遊技客は、先に排出された分割元カードを再度台間カード処理機10に挿入して遊技を継続できるとともに、分割先カードを第三者に渡して持玉共有を行うことができる。
ここで、入力された持玉数が適正な値ではなく、分割元カード及び分割先カードに関連付けられる持玉数が所定値(例えば、「125玉」)未満となる場合には、持玉の分割処理が実行しない。関連付けられる持玉が極端に少ない分割先カードは、無駄に捨てられる可能性が高いためである。ただし、分割元カードが会員カードである場合には、分割元カード及び分割先カードに関連付けられる持玉数が所定値未満となる場合であっても、持玉の分割処理を実行する。会員の場合は、無駄な分割先カードを発行するケースが少なく、また夜間に持玉が自動的に貯玉移行された場合に、貯玉上限を超える状況を避けるべく少量の持玉分割を行う可能性があるためである。
島コントローラ30は、遊技島に設けられた一群の遊技機20及び台間カード処理機10を束ねる中継装置である。カード管理装置40は、カード1のプリペイド価値及び持玉数等をカード情報40eとして管理する管理装置である。なお、その詳細な説明は後述するが、かかるカード情報40eには、プリペイド価値及び持玉数だけではなく、分割数、分割元カードID、分割先カードIDからなる分割データが含まれる。
会員管理装置50は、遊技店に会員登録された会員の会員データを管理する管理装置である。具体的には、会員に対して発行した会員カードIDに対応づけて、会員の氏名及び住所等の会員データ並びに貯玉データ等を管理する。なお、本実施例では貯玉の分割処理についての説明を省略するが、持玉分割処理と同様に行うことができる。
島端計数機60は、遊技島端等に設けられ、遊技客が獲得したパチンコ玉数を計数し、計数値をカード1に関連付けるか、レシートへ印字して発行する。精算機70は、紙幣挿入部42に挿入された各種紙幣のプリペイド価値が関連付けられたカード1が挿入されると、このプリペイド価値に相当する現金の払出を行う。景品管理装置80は、遊技店内の景品交換カウンターに併設された景品交換用の端末装置であり、貯玉及び持玉の景品交換処理を行う。
次に、図1に示した台間カード処理機10の外観構成について説明する。図3は、図1に示した台間カード処理機10の外観構成を示す図である。同図には、台間カード処理機10が併設される遊技機20が破線で図示されている。また、同図には紙幣のみを受け付ける台間カード処理機10を図示したが、硬貨受け付け用のユニットを設けることもできる。
図3に示すように、台間カード処理機10は、台間カード処理機10の装置の状態を所定色のランプの点灯あるいは点滅で表示する状態表示部11と、パチンコ玉を貸し出す際の各種紙幣を受け付ける紙幣挿入部12とを有する。また、台間カード処理機10は、ディスプレイなどの表示部並びにテンキーや各種ボタンを含む操作部からなる表示操作部13と、遊技機20の上皿21に遊技媒体を供給するノズル14と、カードID、プリペイド価値、貯玉データ及び持玉データが記憶されたカード1を受け付けるカードユニット部15と、携帯端末の識別子であるIDmを読み取る携帯読取部16とが設けられている。
また、台間カード処理機10は、遊技客が獲得したパチンコ玉数を持玉数として計数する計数部17と、獲得玉を貯留する持玉貯留部18とを有する。遊技機20の下皿22から落下した遊技媒体は、持玉貯留部18を経て計数部17へと導かれる。この持玉貯留部18には、持玉数を表示する持玉数表示部18aが設けられている。この持玉数表示部18aは、7セグメント(7SEG)のLCD等で構成され、後述する台間カード処理機10の制御部10fにより表示制御される。
なお、遊技機20には、パチンコ玉を貯留する上皿21及び該上皿21の貯留量が増えたパチンコ玉を貯留する下皿22が設けられている。この上皿21には、カードを返却するカード返却ボタン21aが設けられている。その詳細な説明は後述するが、表示操作部13から所定のパチンコ玉数を入力してカード返却ボタン21aが押下操作されると、持玉分割処理が行われる。
次に、図3に示した台間カード処理機10のカードユニット部15について、さらに詳細に説明する。図4は、図3に示したカードユニット部15の概略図である。同図(a)には、カードユニット部15を前面側(同図のZ軸の負方向)からみた概略前面図を示し、同図(b)には、カードユニット部15を側面側(同図のYZ平面で切断しX軸の正方向)からみた概略側断面図を示している。
同図(b)に示したように、カードユニット部15は、カード搬送部15aと、リーダライタ部15bと、収納部15dとを備えている。また、リーダライタ部15bは、アンテナ部15cを有する。このリーダライタ部15bは、図5に示したR/W部10aと同一のものである。なお、カードユニット部15が取り扱うカードは、ICチップを内蔵するいわゆるICカードであり、あらかじめカードIDが記録されるとともに、持玉数、プリペイド価値などのデータが記録されている。そして、持玉数やプリペイド価値は、カード管理装置40のカード情報40eに記憶される。
カード搬送部15aは、遊技店の会員に対して発行される会員カードや一般カードが挿入された場合に、カードを同図のZ軸の正方向へと搬送する。また、カードを排出する場合には、カードを同図のZ軸の負方向へと搬送する。
リーダライタ部15bは、カードとのデータ送受信を行うアンテナ部15cを有している。また、リーダライタ部15bは、かかるデータ送受信に際して、カードをアンテナ部15c上に保持する。したがって、台間カード処理機10が、カードに関連付けられた持玉数を分割する場合には、かかるリーダライタ部15bの位置までカードを搬送する必要がある。
収納部15dは、遊技店の非会員である一般客に主に利用されるいわゆる一般カードの収納領域である。所定枚数の一般カードが、遊技店の開店前にあらかじめ収納部15dに収納される。また、持玉データが関連付けられた一般カードが挿入口から挿入された場合には、リーダライタ部15bにて持玉データを読み取って関連付けを解消する。関連付けが解消された一般カードは、収納部15dへ収納される。なお、台間カード処理機10が持玉の分割処理を行う場合には、収納部15dに収納された所定枚数の一般カードのうち、常に最上位に位置する一般カードがリーダライタ部15bの位置に搬送されることになる。
次に、図1に示した台間カード処理機10及びカード管理装置40の内部構成について説明する。図5は、図1に示した台間カード処理機10及びカード管理装置40の内部構成を示す機能ブロック図である。
同図に示すように、台間カード処理機10は、R/W部10aと、通信I/F部10bと、記憶部10cと、制御部10fとを有する。この制御部10fには、表示操作部13、計数部17及び持玉数表示部18aが接続されている。
R/W部10aは、受け入れたカード1へのデータの読み書きを行う処理部である。具体的には、カード1が挿入された場合には、該カード1のカードID、プリペイド価値及び持玉数を読み込んで制御部10fに出力する。カード1を返却する場合には、このカード1にプリペイド価値及び持玉数を書き込む処理を行う。なお、カード1にプリペイド価値及び持玉数を書き込む理由は、カード管理装置40との通信が途絶した状況下でもオフライン運用を可能にするためである。
通信I/F部10bは、カード管理装置40とデータ通信を行うためのインタフェース部である。記憶部10cは、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、遊技客が保持する持玉を示す持玉数10dと、持玉分割を行う場合の条件となる最小数を意味する最小持玉数10eとを記憶する。
制御部10fは、台間カード処理機10の全体制御を行う制御部であり、持玉管理部10g、持玉分割処理部10h及び払出処理部10iを有する。持玉管理部10gは、記憶部10cに記憶した持玉数10dを用いて遊技客の持玉数を管理する管理部である。具体的には、新たな持玉が計数された場合には計数値を持玉数に加算処理し、持玉の払い出しが行われた場合には払い出し数を持玉数から減算処理する。カード1を返却する場合には、カード管理装置40に対して持玉数を通知してカード管理装置40により管理されるカード情報40eの更新指示を行う。
持玉分割処理部10hは、持玉の分割処理を行う処理部である。具体的には、表示操作部13を介して持玉を分割するため持玉分割操作を受け付けたならば、持玉数10dから分割数を減算した値を関連付けた分割元カードを排出した後、分割数を関連付けた分割先カードを排出する処理を行う。ただし、この持玉分割処理部10hは、持玉分割操作で指定された分割数若しくはこの分割数を持玉数10dから減算した値が最小持玉数(例えば「125玉」)未満である場合には、持玉分割処理を行わない。ただし、分割元カードが会員カードである場合には、分割数が最小持玉数未満であっても持玉分割処理を行う。
具体的には、持玉分割処理部10hは、表示操作部13から分割数の入力を受け付け、かつ、遊技機20のカード返却ボタン21aの押下操作を検知したならば、持玉分割操作がなされたものと判定する。そして、持玉数10dから分割数を減算した値若しくは分割数が、最小持玉数未満であるか否かを判定する。その結果、持玉数10dから分割数を減算した値若しくは分割数のいずれか一方が、最小持玉数未満である場合には、入力値異常を示す「NG」を表示操作部13に表示して、持玉分割処理を行わない。これに対して、持玉数10dから分割数を減算した値及び分割数がともに最小持玉数以上である場合には、持玉分割処理を行う。なお、持玉分割処理の詳細な説明については後述する。
払出処理部10iは、持玉払出ボタンが押下操作された場合に、ノズル14を介して持玉数のうちの所定数(例えば、125玉)を遊技機20の上皿21に投出するとともに、貸出ボタンが押下操作された場合には、カード1にプリペイド価値があることを条件に所定数の遊技媒体を払い出すよう遊技機20に指示する処理部である。なお、貯玉の再プレイを行う場合には、ノズル14を介して貯玉数のうちの所定数(例えば、125玉)を遊技機20の上皿21に投出することになる。
次に、カード管理装置40は、入力部40aと、表示部40bと、通信I/F部40cと、記憶部40dと、制御部40fとを有する。入力部40aは、キーボードやマウス等の入力デバイスであり、表示部40bは、液晶パネルやディスプレイ装置等の表示デバイスである。通信I/F部40cは、台間カード処理機10とデータ通信するためのインタフェース部であり、記憶部40dは、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスである。
図6に示すように、この記憶部40dには、カードID、プリペイド価値、持玉数及び分割データが対応づけられたカード情報40eが記憶されている。図6は、カードID「001」の持玉数「1500玉」のうちの「500玉」がカードID「002」に持玉分割され、カードID「001」の持玉数が「1000玉」となり、カードID「002」の持玉数が「500玉」となった状況を示している。かかる持玉分割が実行されると、図6に示すように、プリペイド価値「0円」、持玉数「1500玉」、分割数「500玉」、分割先カードID「002」がカードID「001」に対応づけられ、プリペイド価値「0円」、持玉数「500玉」、分割元カードID「001」がカードID「002」に対応づけられることになる。
制御部40fは、カード管理装置40を全体制御する制御部であり、カード情報管理部40gを有する。カード情報管理部40gは、記憶部40dに記憶したカード情報40eを用いて各カードの持玉数やプリペイド価値を管理する。
次に、図5に示した台間カード処理機10及びカード管理装置40によるカード挿入時の処理手順について説明する。図7は、図5に示した台間カード処理機10及びカード管理装置40によるカード挿入時の処理手順を示すフローチャートである。ここでは、説明の便宜上、カード1に持玉が関連付けられているものとする。
図7に示すように、台間カード処理機10は、当初カード1の受付待ち状態にあり(ステップS101;No)、カード1を受け付けたならば(ステップS101;Yes)、R/W部10aによりカードIDを読み取り(ステップS102)、このカードIDを含む持玉数の問合せ信号をカード管理装置40に対して送信する(ステップS103)。
カード管理装置40は、持玉数の問合せ信号を受信したならば(ステップS104;Yes)、カード情報40eをカードIDで検索して持玉数を抽出し(ステップS105)、抽出した持玉数を台間カード処理機10に送信した後(ステップS106)、カード情報40eのカードIDに対応する持玉数を「0玉」にクリアする(ステップS107)。台間カード処理機10が、持玉数を受信したならば(ステップS108;Yes)、受信した持玉数を記憶部10cに記憶し(ステップS109)、この持玉数を持玉数表示部18aに表示する(ステップS110)。上記一連の処理を行うことにより、カードに関連付けられた持玉数10dが台間カード処理機10に記憶されることになる。
このように、通常時は、カードに記録された持玉数ではなく、カード管理装置40に記憶された持玉数を正として利用するとともに、カードが台間カード処理機10に挿入されたならば、この台間カード処理機10に持玉数を移管することになる。そして、カードが返却される場合に、台間カード処理機10内の持玉数がカード管理装置40に移管され、カード情報40eが更新される。
次に、図5に示した台間カード処理機10による持玉分割処理時の処理手順について説明する。図8は、図5に示した台間カード処理機10による持玉分割処理時の処理手順を示すフローチャートである。ここでは説明の便宜上、図7に示した処理若しくは遊技客による遊技により、台間カード処理機10の記憶部10cに持玉数10dが記憶されていることとする。
図8に示すように、台間カード処理機10は、持玉分割操作を受け付け待ちの状態にあり(ステップS201;No)、持玉分割操作を受け付けたならば(ステップS201;Yes)、持玉分割処理を行う。図9は、持玉分割操作の一例を説明するための説明図である。遊技客が持玉数から「500玉」を分割したい場合には、まず図9(a)に示すように表示操作部13のテンキーで「5」を入力する。これにより、表示操作部13のLCDには「5」が表示される。
遊技客が、図9(b)に示すように表示操作部13のテンキーで「0」を引き続き入力すると、表示操作部13のLCDには「50」が表示され、図9(c)に示すように表示操作部13のテンキーで「0」を引き続き入力すると、表示操作部13のLCDには「500」が表示される。これにより、分割数「500玉」の指定が完了する。このとき、現持玉数より大きな数値も入力できないものとする。その後、遊技客は、図9(d)に示すように遊技機20の上皿21に設けられたカード返却ボタン21aを押下操作することで、分割数「500玉」の持玉分割操作が完了する。
かかる持玉分割操作が行われると、現持玉数10d(A)と分割数(B)から分割後の分割元カードの持玉数(C)が「C=A−B」の算定式により算定される(ステップS202)。そして、分割後の分割元カードの持玉数(C)又は分割数(B)の少なくともいずれか一方が最小持玉数未満であるか否かが判定される(ステップS203〜S204)。
その結果、少なくともいずれか一方が最小持玉数未満である場合には(ステップS203;No又はステップS204;No)、表示操作部13のLCDに入力値エラーを示す「NG」を表示して処理を終了する。
これに対して、分割後の分割元カードの持玉数(C)及び分割数(B)がともに最小持玉数以上である場合には(ステップS204Yes)、持玉数(C)を関連付けた分割元カードを排出する(ステップS206)。具体的には、持玉数(C)をカード管理装置40に送信してカード情報40eの書き換え指示を行い、カード情報40eの書き換え完了後に持玉数(C)をカード1に記録し、記録完了後にカード1を排出することになる。
その後、分割元カードの排出処理と同様の処理を行って、分割数(C)を関連付けた分割先カードを排出する(ステップS207)。なお、カードユニット部15に収納されたカード枚数が所定値未満となった場合には(ステップS208;No)、表示操作部13のLCDにカード枚数不足「NO CARD」を表示して(ステップS209)、遊技客にカード不足を通知する。これにより、遊技客は遊技店の店員を呼んで、カードの補充を行わせる。なお、かかるカード不足となった場合には、台間カード処理機10の状態表示部11を例えば赤色点滅させることで、店員にカード不足を報知することもできる。
上記一連の処理により、分割元カード及び分割先カードの順でカードが排出処理されることになるので、遊技客は、分割元カードを台間カード処理機10に挿入して遊技を継続するとともに、分割先カードを第三者に渡して持玉を効率良く譲渡することができる。なお、分割元カードが会員カードである場合には、分割後の分割元カードの持玉数(C)又は分割数(B)の少なくともいずれか一方が最小持玉数未満であるであっても、分割処理を行うよう構成することもできる。会員の場合は、予め氏名や住所が登録されていることから、いたずら等で無駄な持玉分割処理を行う可能性が低いためである。
上述してきたように、本実施例1では、分割元カードに関連付けられた持玉数のうち分割先カードに関連付ける分割数を表示操作部13上の操作で受け付けたならば、持玉分割処理部10hが、この分割数を持玉数10dから減算した値を関連付けた分割元カードを排出した後、分割数を関連付けた分割先カードを排出して、分割元カードに関連付けられた持玉数10dの分割処理を行うよう構成したので、持玉数10dの一部を他の遊技客に譲渡して持玉共有を行う場合に、持玉数10dの一部を効率良く第三者に譲り渡すことができる。
この際、分割元カード又は分割先カードに関連付け可能な最小持玉数を記憶しておき、分割数若しくは該分割数を持玉数10dから減算した値のいずれか一方が最小持玉数未満である場合には、持玉分割処理を行なわないよう構成したので、遊技客が不必要な遊技媒体数の分割処理を行って、無駄な記録媒体の発行を抑止することができる。
また、分割数若しくは該分割数を持玉数10dから減算した値のいずれか一方が最小持玉数未満である場合に、分割数の異常を示す「NG」を表示するよう構成したので、遊技客が分割数を誤って入力した場合に入力値異常を遊技客に報知して、遊技客に分割数の再入力を促すことができる。
なお、上記実施例1では、分割数若しくは該分割数を持玉数10dから減算した値のいずれか一方が最小持玉数未満である場合に、持玉分割処理を行わない場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、カードに関連付けるプリペイド価値と持玉数がともに「0」となる場合に、持玉分割処理を行わないよう構成することもできる。このようにすることで、意味のない分割先カードを発行することを防止することができる。
ところで、上記実施例1では、持玉分割処理を行う場合を示したが、例えば遊技客が第三者に持玉を譲渡しようとしたが状況が変わった場合や分割数の入力を誤った場合は、分割処理した持玉を元に戻すことが望まれる。このため、本実施例2では、一度持玉分割処理したものを合算処理する場合を示すこととする。なお、本実施例2に係るシステム構成等については、実施例1のものと同様となるので、ここではその説明を省略する。
図10は、本実施例2に係る台間カード処理機100及びカード管理装置110の内部構成を示す機能ブロック図である。なお、図5に示したものと同様の機能部については同一符号を付すこととしてその詳細な説明を省略する。図10に示すように、この台間カード処理機100には、図5に示した構成にタイマ101及び持玉合算処理部102が追加されている。タイマ101は、計時開始指示を受けてから現時刻までの経過時間を計時する計時装置である。
持玉合算処理部102は、上記実施例1により分割元カードと分割先カードに持玉分割処理された持玉を合算処理する処理部である。この持玉合算処理部102は、持玉の合算処理を無条件で行うわけではなく、分割処理を終えた時点から所定時間(例えば「30秒」)内に限って合算処理を認めている。また、特別な持玉合算操作を必要とするものではなく、分割元カードと分割先カードをカードユニット部15に挿入すると、持玉の合算処理を実行するものである。
また、カード管理装置110には、図5に示した構成に合算可否判定部111が追加されている。この合算可否判定部111は、台間カード処理機100から合算可否の問合せ信号を受信した場合に、カード情報40eに含まれる分割データを参照して合算可否を判定する処理部である。例えば、図6に示した分割元カードID「001」の分割数「500」と分割先カードID「002」の持玉数が一致し、分割先カードID「002」の分割データに分割元カードID「001」が存在し、分割元カードID「001」の分割データに分割先カードID「002」が存在する場合には、合算可能であると判定される。なお、分割数と持玉数が一致しない場合や、分割データに含まれる分割元カードID又は分割先カードIDが不一致である場合には、合算不可であると判定される。
図11は、図10に示した台間カード処理機100及びカード管理装置110による持玉合算処理時の処理手順を示すフローチャートである。なお、ここでは説明の便宜上、持玉分割処理を終えた時点でタイマ101による計時が開始されているものとする。また、図7に示す手順で1枚目のカードの持玉数が台間カード処理機100に移管されているものとする。
同図に示すように、台間カード処理機10が、2枚目のカードを受け付けたならば(ステップS301;Yes)、2枚目のカードを受け付けた時点でのタイマ101による計時時間が所定の時間(例えば、「30秒」)以内であるか否かを確認し(ステップS302)、所定の時間を超えている場合には(ステップS302;No)、2枚目のカードを排出して(ステップS303)、処理を終了する。なお、この場合の1枚目のカードについては、カードユニット部15内に取り込まれ、図7に示した処理が行われる。
これに対して、所定の時間内であれば(ステップS302;Yes)、カード管理装置110に対して合算可否の問合せ信号を送信する(ステップS304)。この問合せ信号には、カードユニット部15が受け付けた2枚のカードのカードIDが含まれる。
カード管理装置110は、かかる合算可否の問合せ信号を受信したならば(ステップS305;Yes)、分割元カードIDと分割先カードIDをチェックして合算可否を判定する(ステップS306)。その結果、合算不可であると判定された場合には(ステップS307;No)、合算不可データを台間カード処理機100に送信して処理を終了する。
一方、合算可能であると判定された場合には(ステップS307;Yes)、分割先カードIDの持玉数をカード情報40eから取得して台間カード処理機100に送信し(ステップS309)、カード情報40eの分割先カードIDの持玉数を「0玉」にクリアした後(ステップS310)、処理を終了する。
台間カード処理機100は、合算不可データを受信したならば(ステップS311;Yes)、表示操作部13のLCDに「合算不可」を表示するとともに(ステップS312)、2枚目のカードを排出して(ステップS313)、処理を終了する。一方、持玉数を受信した場合には(ステップS314;Yes)、受信した持玉数を記憶部10cに記憶した持玉数10dに加算し(ステップS315)、加算した持玉数を表示操作部13のLCDに表示して(ステップS316)、合算処理を終了する。
上述してきたように、本実施例2では、持玉分割処理を終えた時点から所定時間内であり、かつ、2枚のカード(分割元カード及び分割先カード)を受け入れて合算可能であると判定された場合には、特別な持玉合算操作なしに分割した持玉を合算処理することができる。
なお、本実施例2では、説明の便宜上カード管理装置110の合算可否判定部111で合算可否の判定処理を行うこととしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、台間カード処理機100側で合算可否の判定処理を行うこともできる。具体的には、カード情報40e内の分割データをカード管理装置110から台間カード処理機100に通知すれば、台間カード処理機100にて合算可否を判定できる。
また、上記実施例1及び2では、台間カード処理機にカードを挿入した場合に、カード管理装置で管理される持玉数を台間カード処理機10に移行してカード管理装置が管理する持玉数をクリアすることとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、台間カード処理機とカード管理装置の双方で持玉数を管理する場合や、カード管理装置のみで持玉数を管理する場合に適用することもできる。
また、上記実施例1及び2では、持玉を分割処理及び合算処理する場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、貯玉等を分割処理及び合算処理する場合に適用することもできる。さらに、上記実施例1及び2では、台間カード処理機からノズルを介して持玉を払い出す場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、台間カード処理機から遊技機に対して払出指示を行い、遊技機の内部からパチンコ玉を払い出す場合に適用することもできる。
また、上記実施例1及び2では、カード管理装置と会員管理装置を別装置とした場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、カード管理装置と会員管理装置を一体化した場合に適用することもできる。
また、上記実施例1及び2では、台間カード処理機10で分割処理を行う場合を示したが、機能の一部を島コントローラ30やカード管理装置40に持たせて、システムとして同様の機能を達成するようにしても良い。具体的には、分割指示入力やカード排出の制御の機能は、台間カード処理機10が持つことになるが、持玉の分割処理そのものは、管理装置側で行うようにしても良い。なお、機能の一部を島コントローラ30やカード管理装置40以外の機器に持たせることもできる。
また、いわゆるダブルサンドと呼ばれる台間カード処理機(CRユニット)と各台計数機が分離されたものの場合は、計数機能や持玉分割機能を、貸出機能を持つ台間カード処理機(CRユニット)とは別体の装置に持たせても良い。