以下に、添付図面を参照して、本発明に係る記憶媒体処理装置、遊技システム及び記憶媒体処理方法の好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下では、記憶媒体がカードであり、このカードに関連付けられる持玉を分割対象とした場合を中心に説明することとする。
本明細書中にあって持玉とは、遊技客が遊技において獲得した遊技媒体または当該遊技媒体数を示すデータであって、その当日中(閉店より前の時間)のみ遊技に再度供することができるものを言う。貯玉とは、遊技客が遊技において獲得した遊技媒体また当該遊技媒体数を示すデータであって、翌日以降(閉店より後の時間)も遊技に再度供することができるものを言う。持玉は、一般遊技客および会員遊技客の双方が使用可能であり、遊技台を移動した場合等に使用する。貯玉は通常、会員遊技客のみが使用可能であり、獲得した遊技媒体を翌日以降の遊技に用いる場合に使用する。貯玉の使用には所定の手数料が課される(手数料は遊技媒体数を減算することで徴収される)ことが通常であるが、時間帯や会員種別によって徴収しないこととしてもよい。
まず、本実施例1に係る台間カード処理機及び持玉分割方法の概念について説明する。図1は、本実施例1に係る台間カード処理機及び持玉分割方法の概念を説明するための説明図である。図1に示す台間カード処理機10は、遊技客自身の操作によって持玉を分割できる装置である。
遊技客が持玉を分割する場合には、分割元の遊技種、分割先の遊技種並びに分割する持玉数を入力する。図1(a1)は、分割元の遊技種を選択する操作を行った状態を示している。図1(a1)に示す状態では、台間カード処理機10の表示操作部13に、4円パチンコの持玉と、1円パチンコの持玉と、20円スロットの持玉とが表示されている。
4円パチンコは、1玉4円で貸し出された4円レートのパチンコ玉の持玉を示す。図1(a1)では、4円パチンコの持玉は「1000玉」である。1円パチンコは、1玉1円で貸し出された1円レートのパチンコ玉の持玉を示す。図1(a1)では、1円パチンコの持玉は「500玉」である。20円スロットは、1枚20円で貸し出された20円レートのスロットメダルの持玉を示す。図1(a1)では、20円スロットの持玉は「700枚」である。
また、図1(a1)では、遊技客により1円パチンコの持玉が分割元として指定されている。台間カード処理機10は、分割元の指定を受け付けた後、図1(a2)に示すように、分割先の指定を受け付ける。図1(a2)は、4円パチンコ、1円パチンコ及び20円スロットのうち、1円パチンコが分割先として指定された状態を示している。
台間カード処理機10は、分割先の指定を受け付けた後、図1(a3)に示すように、分割数の指定を受け付ける。図1(a3)は、「300玉」を分割数として指定された状態を示している。
台間カード処理機10は、分割数の指定を受け付けた場合に、分割元について分割前後の持玉数を表示し、分割先について分割後の持玉数を表示する。具体的には、分割元である1円パチンコの持玉数「500」が分割後に「200玉」となることを表示し、分割先である1円パチンコの持玉数が「300玉」となることを表示する。
ここで、図1(a3)では、分割元のレートと分割後のレートが同一であるので、分割先の持玉数は分割数と同一であるが、分割元のレートと分割後のレートが異なる場合には、該レートの差に基づいて分割数を換算することで、分割先に関連付けられる持玉数を求めて表示する。例えば、分割元が1円パチンコであり、分割数が「300玉」であり、分割先が4円レートであるならば、分割先に関連付けられるパチンコ玉は「75玉」となる。
遊技客により分割元、分割先及び分割数を指定された後、台間カード処理機10は、カードの排出操作を行う。これにより、図1(b)に示すように、分割元のカードC1及び分割先のカードC2が排出される。
分割元のカードC1には、4円パチンコの持玉「1000玉」、1円パチンコの持玉「200玉」並びに20円スロットの持玉「700枚」が関連付けられている。また、分割先のカードC2には、1円パチンコの持玉「300玉」が関連付けられている。
このため、遊技客は、台間カード処理機10のカードユニット部15に分割元のカードC1を挿入して遊技を継続するとともに、分割先のカードC2を第三者に渡すことで持玉の一部を第三者に譲渡することができる。この分割先のカードC2を受け取った第三者は、他の遊技機に併設された台間カード処理機10のカードユニット部15に分割先のカードC2を挿入することで、1円パチンコの持玉「300玉」を保有した状態で遊技を行うことが可能となる。
さらに、この台間カード処理機10は、分割処理終了後の時点から所定の期間(例えば「30秒」)であれば、分割処理した2枚のカードを合算して元の状態に戻すことが可能である。分割操作を誤った場合や分割処理を行っている途中で状況が変化した場合に柔軟に対応できるようにするためである。
次に、本実施例1に係る遊技システムのシステム構成について説明する。図2は、本実施例1に係る遊技システムのシステム構成を示す図である。同図に示すように、この遊技媒体処理システムでは、複数の遊技機20と、各遊技機20にそれぞれ対応して設けられた台間カード処理機10と、カード管理装置40と、会員管理装置50と、複数の島端計数機60と、精算機70と、景品管理装置80とが通信回線90を介して接続されている。なお、複数の遊技機20及び台間カード処理機10は、島コントローラ30を介して通信回線90に接続されている。
遊技機20は、パチンコ玉を遊技領域に打ち込んで遊技客がパチンコ遊技を行うパチンコ機等の装置である。台間カード処理機10は、遊技機20に対する玉貸し処理、遊技機20で獲得したパチンコ玉の計数処理、計数したパチンコ玉を持玉として再投出する処理、貯玉の再プレイ処理などを行う装置である。
この台間カード処理機10には、あらかじめ複数枚のカードが収納されており、遊技客が遊技を終えてカード返却ボタン21aを押下操作すると、該カードにプリペイド価値並びに持玉数が関連付けた後に返却される。具体的には、このプリペイド価値及び持玉数がカードに書き込まれるとともに、カード管理装置40で管理されるカード情報40eの内容が更新される。また、カードを受け入れたならば、このカードのプリペイド価値並びに持玉数をカード管理装置40から取得し、取得したプリペイド価値並びに持玉数に基づいてパチンコ玉の貸出処理並びに持玉の投出処理を行う。なお、カード自体にプリペイド価値並びに持玉数を書き込んだ理由は主にオフライン運用を考慮したためであり、通常運用ではカード管理装置40で管理されるカード情報40eが正として取り扱われる。
また、この台間カード処理機10は、持玉が存在する状況下で持玉の分割数を入力する持玉分割操作が行われると、該持玉数から分割数を差し引いた値を関連付けた分割元カードを排出した後、分割数を関連付けた分割先カードを排出する。このため、遊技客は、先に排出された分割元カードを再度台間カード処理機10に挿入して遊技を継続できるとともに、分割先カードを第三者に渡して持玉共有を行うことができる。
ここで、入力された持玉数が適正な値ではなく、分割元カード及び分割先カードに関連付けられる持玉数が所定値(例えば、「125玉」)未満となる場合には、持玉の分割処理は実行されない。関連付けられる持玉が極端に少ない分割先カードは、無駄に捨てられる可能性が高いためである。ただし、分割元カードが会員カードである場合には、分割元カード及び分割先カードに関連付けられる持玉数が所定値未満となる場合であっても、持玉の分割処理を実行する。会員の場合は、無駄な分割先カードを発行するケースが少なく、また夜間に持玉が自動的に貯玉移行された場合に、貯玉上限を超える状況を避けるべく少量の持玉分割を行う可能性があるためである。
島コントローラ30は、遊技島に設けられた一群の遊技機20及び台間カード処理機10を束ねる中継装置である。カード管理装置40は、カードのプリペイド価値及び持玉数等をカード情報40eとして管理する管理装置である。持玉数については、レートや遊技媒体の種類等が異なる遊技種毎に管理する。
会員管理装置50は、遊技店に会員登録された会員の会員データを管理する管理装置である。具体的には、会員に対して発行した会員カードIDに対応づけて、会員の氏名及び住所等の会員データ並びに貯玉データ等を管理する。なお、本実施例では貯玉の分割処理についての説明を省略するが、持玉分割処理と同様に行うことができる。
島端計数機60は、遊技島端等に設けられ、遊技客が獲得したパチンコ玉数を計数し、計数値をカードに関連付けるか、レシートへ印字して発行する。精算機70は、プリペイド価値が関連付けられたカードが挿入されると、このプリペイド価値に相当する現金の払出を行う。景品管理装置80は、遊技店内の景品交換カウンターに併設された景品交換用の端末装置であり、貯玉及び持玉の景品交換処理を行う。
次に、図1に示した台間カード処理機10の外観構成について説明する。図3は、図1に示した台間カード処理機10の外観構成を示す図である。同図には、台間カード処理機10が併設される遊技機20が破線で図示されている。また、同図には紙幣のみを受け付ける台間カード処理機10を図示したが、硬貨受け付け用のユニットを設けることもできる。
図3に示すように、台間カード処理機10は、台間カード処理機10の装置の状態を所定色のランプの点灯あるいは点滅で表示する状態表示部11と、パチンコ玉を貸し出す際の各種紙幣を受け付ける紙幣挿入部12とを有する。また、台間カード処理機10は、ディスプレイなどの表示部並びにテンキーや各種ボタンを含む操作部からなる表示操作部13と、遊技機20の上皿21に遊技媒体を供給するノズル14と、カードID、プリペイド価値、貯玉データ及び持玉データが記憶されたカードを受け付けるカードユニット部15と、携帯端末の識別子であるIDmを読み取る携帯読取部16とが設けられている。
また、台間カード処理機10は、遊技客が獲得したパチンコ玉数を持玉数として計数する計数部17と、獲得玉を貯留する持玉貯留部18とを有する。遊技機20の下皿22から落下したパチンコ玉は、持玉貯留部18を経て計数部17へと導かれる。この持玉貯留部18には、持玉数を表示する持玉数表示部18aが設けられている。この持玉数表示部18aは、7セグメント(7SEG)のLCD等で構成され、後述する台間カード処理機10の制御部10fにより表示制御される。
なお、遊技機20には、パチンコ玉を貯留する上皿21及び該上皿21の貯留量が増えたパチンコ玉を貯留する下皿22が設けられている。この上皿21には、カードを返却するカード返却ボタン21aが設けられている。その詳細な説明は後述するが、表示操作部13から所定のパチンコ玉数を入力してカード返却ボタン21aが押下操作されると、持玉分割処理が行われる。
次に、図1に示した台間カード処理機10及びカード管理装置40の内部構成について説明する。図4は、図1に示した台間カード処理機10及びカード管理装置40の内部構成を示す機能ブロック図である。
同図に示すように、台間カード処理機10は、R/W部10aと、通信I/F部10bと、記憶部10cと、制御部10fとを有する。この制御部10fには、表示操作部13、計数部17及び持玉数表示部18aが接続されている。
R/W部10aは、受け入れたカードへのデータの読み書きを行う処理部である。具体的には、カードが挿入された場合には、該カードのカードID、プリペイド価値及び持玉数を読み込んで制御部10fに出力する。カードを返却する場合には、このカードにプリペイド価値及び持玉数を書き込む処理を行う。なお、カードにプリペイド価値及び持玉数を書き込む理由は、カード管理装置40との通信が途絶した状況下でもオフライン運用を可能にするためである。
通信I/F部10bは、カード管理装置40とデータ通信を行うためのインタフェース部である。通信I/F部10bは、セキュリティチップ部を有している。セキュリティチップは、自己の識別ID及び所定の暗号化・復号化プログラムを有するものであり、カード管理装置40のセキュリティチップとの間で通信を行うためのものである。セキュリティチップは、通信I/F部10bから入出力するデータが予め定められたセキュリティ性を要するデータ種別に該当するかどうかを判別し、該当しない場合はそのままデータの入出力を行う。一方、セキュリティ性を要するデータ種別に該当する場合は、データの入出力に際し、自己の識別IDと相手方の識別IDを用いて、カード管理装置40のセキュリティチップとの間で相互認証処理を行う。ここで相互認証OKであれば、出力の場合は暗号化プログラムにより暗号化したデータを出力し、入力の場合は、相手方からのデータの入力待ちとなって、受信したデータの復号化を行う。カード管理装置40のセキュリティチップとの間では、予め暗号化・復号化方式が取り決められており、相互に相手方が暗号化したデータを復号化することが可能となっている。ここで、セキュリティ性を要しないデータとは、カード返却操作の入力信号等、不正に入力されても実質的に損害のないものが含まれる。セキュリティ性を要するデータとは、持玉数、遊技機における不正検出信号、貸玉の通知、貸玉の使用通知、レート情報など、遊技客・遊技店の利益に直接かかわるものが含まれる。また、セキュリティ性を要するデータ種別かどうかの判断は、制御部10fで行っても良い。また、相互認証にてNGとなった場合には、相互認証NGを検知した機器は上位装置および自機の表示部に異常を出力した上で、エラーダウンする。
記憶部10cは、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、遊技客が保持する持玉を示す持玉数10dと、持玉分割を行う場合の条件となる最小数を意味する最小持玉数10eとを記憶する。
制御部10fは、台間カード処理機10の全体制御を行う制御部であり、持玉管理部10g、分割対象受付部10h、持玉分割処理部10j及び払出処理部10kを有する。持玉管理部10gは、記憶部10cに記憶した持玉数10dを用いて遊技客の持玉数を管理する管理部である。具体的には、新たな持玉が計数された場合には計数値を遊技種の持玉数に加算処理し、持玉の払い出しが行われた場合には払い出し数を設定された遊技種の持玉数から減算処理する。
持玉数の加算処理及び減算処理は、持玉数のうち、台間カード処理機10が併設された遊技機により使用されるレート及び種類に対応する持玉数に対して行う。また、カードを返却する場合には、カード管理装置40に対して持玉数を通知してカード管理装置40により管理されるカード情報40eの更新指示を行う。
分割対象受付部10hは、分割元となる遊技種と、分割先となる遊技種の指定を受け付ける処理部である。具体的には、分割対象受付部10hは、分割元として選択可能な遊技種を表示操作部13に表示制御し、遊技客からの選択操作を受け付ける。
分割元として選択可能な遊技種は、持玉数が「0」よりも大きい遊技種である。また、カード管理装置40により、分割が禁止された遊技種がある場合には、分割が禁止された遊技種を分割元としての選択対象から除外する。
また、分割対象受付部10hは、分割先として選択可能な遊技種を表示操作部13に表示制御し、遊技客からの選択操作を受け付ける。分割先として選択可能な遊技種は、カード管理装置40により分割が禁止された遊技種以外の遊技種である。
持玉分割処理部10jは、持玉の分割処理を行う処理部である。具体的には、表示操作部13を介して分割数を受け付けたならば、分割元の持玉数から分割数を減算した値を関連付けた分割元カードを排出した後、分割数に対応する持玉数を関連付けた分割先カードを排出する処理を行う。
持玉分割処理部10jは、換算処理部10j1を有する。換算処理部10j1は、分割元のレートと分割後のレートが異なる場合には、該レートの差に基づいて分割数を換算することで、分割先に関連付ける持玉数を算定する処理部である。持玉分割処理部10jは、換算処理部10j1により算定された持玉数を分割先カードに対応付ける。
また、持玉分割処理部10jは、換算処理部10j1により算定された持玉数若しくは分割数を減算した持玉数が最小持玉数(例えば「125玉」)未満である場合には、持玉分割処理を行わない。ただし、分割元カードが会員カードである場合には、分割数が最小持玉数未満であっても持玉分割処理を行う。
具体的には、持玉分割処理部10jは、表示操作部13から分割数の入力を受け付け、かつ、遊技機20のカード返却ボタン21aの押下操作を検知したならば、持玉分割操作がなされたものと判定する。そして、分割元として指定された遊技種の持玉数から分割数を減算した値若しくは換算処理部10j1により算定された持玉数が、最小持玉数未満であるか否かを判定する。その結果、分割元として指定された遊技種の持玉数から分割数を減算した値若しくは換算処理部10j1により算定された持玉数のいずれか一方が、最小持玉数未満である場合には、入力値異常を示す「NG」を表示操作部13に表示して、持玉分割処理を行わない。これに対して分割元として指定された遊技種の持玉数から分割数を減算した値若しくは換算処理部10j1により算定された持玉数がともに最小持玉数以上である場合には、持玉分割処理を行う。なお、持玉分割処理の詳細な説明については後述する。
払出処理部10kは、持玉払出ボタンが押下操作された場合に、ノズル14を介して持玉数のうちの所定数(例えば、125玉)を遊技機20の上皿21に投出するとともに、貸出ボタンが押下操作された場合には、カードにプリペイド価値があることを条件に所定数の遊技媒体を払い出すよう遊技機20に指示する処理部である。なお、貯玉の再プレイを行う場合には、ノズル14を介して貯玉数のうちの所定数(例えば、125玉)を遊技機20の上皿21に投出することになる。
次に、カード管理装置40は、入力部40aと、表示部40bと、通信I/F部40cと、記憶部40dと、制御部40fとを有する。入力部40aは、キーボードやマウス等の入力デバイスであり、表示部40bは、液晶パネルやディスプレイ装置等の表示デバイスである。通信I/F部40cは、台間カード処理機10とデータ通信するためのインタフェース部であり、記憶部40dは、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスである。
図5に示すように、この記憶部40dには、カードID、プリペイド価値及び持玉数が対応づけられたカード情報40eが記憶されている。図5は、カードID「001」に対し、プリペイド価値「0円」、4円パチンコの持玉数「1000玉」、1円パチンコの持玉数「200玉」及び20円スロットの持玉数「700枚」が関連付けられた状態を示している。また、図5は、カードID「002」に対し、プリペイド価値「0円」、4円パチンコの持玉数「0玉」、1円パチンコの持玉数「300玉」及び20円スロットの持玉数「0枚」が関連付けられた状態を示している。
制御部40fは、カード管理装置40を全体制御する制御部であり、カード情報管理部40gを有する。カード情報管理部40gは、記憶部40dに記憶したカード情報40eを用いて各カードの持玉数やプリペイド価値を管理する。
次に、図4に示した台間カード処理機10及びカード管理装置40によるカード挿入時の処理手順について説明する。図6は、図4に示した台間カード処理機10及びカード管理装置40によるカード挿入時の処理手順を示すフローチャートである。ここでは、説明の便宜上、カードに持玉が関連付けられているものとする。
図6に示すように、台間カード処理機10は、カードを受け付けたならば(ステップS101;Yes)、R/W部10aによりカードIDを読み取り(ステップS102)、このカードIDを含む持玉数の問合せ信号をカード管理装置40に対して送信する(ステップS103)。
カード管理装置40は、持玉数の問合せ信号を受信したならば(ステップS104;Yes)、カード情報40eをカードIDで検索して、該カードIDに関連付けられた各遊技種の持玉数を抽出し(ステップS105)、抽出した各遊技種の持玉数を台間カード処理機10に送信した後(ステップS106)、カード情報40eのカードIDに関連付けられた各遊技種の持玉数を「0玉」にクリアする(ステップS107)。台間カード処理機10が、各遊技種の持玉数を受信したならば(ステップS108;Yes)、受信した各遊技種の持玉数を記憶部10cに記憶し(ステップS109)、この持玉数を持玉数表示部18aに表示する(ステップS110)。上記一連の処理を行うことにより、カードに関連付けられた持玉数10dが台間カード処理機10に記憶されることになる。なお、カードIDに関連付けられた各遊技種の持玉数を全て「0玉」にクリアするのではなく、カードが挿入された台間カード処理機の遊技種(玉、1円レート等)に該当する遊技種(玉、1円レート)に関する持玉数を「0玉」にクリアするようにしてもよい。
このように、通常時は、カードに記録された持玉数ではなく、カード管理装置40に記憶された持玉数を正として利用するとともに、カードが台間カード処理機10に挿入されたならば、この台間カード処理機10に持玉数を移管することになる。そして、カードが返却される場合に、台間カード処理機10内の持玉数がカード管理装置40に移管され、カード情報40eが更新される。
次に、図4に示した台間カード処理機10による持玉分割処理時の処理手順について説明する。図7は、図4に示した台間カード処理機10による持玉分割処理時の処理手順を示すフローチャートである。ここでは説明の便宜上、図6に示した処理若しくは遊技客による遊技により、台間カード処理機10の記憶部10cに持玉数が記憶されていることとする。
図7に示すように、台間カード処理機10は、分割元の遊技種を指定する操作の受け付け待ちの状態にあり(ステップS201)、分割元の遊技種(例えば4円レート)を指定する操作を受け付けたならば(ステップS201;Yes)、分割先の遊技種を指定する操作の受け付け待ちの状態となる(ステップS202)。
分割先の遊技種を指定する操作を受け付けたならば(ステップS202;Yes)、台間カード処理機10は、分割数の受け付け待ちの状態となる(ステップS203)。持玉数を受け付けたならば(ステップS203;Yes)、台間カード処理機10は、分割元の現持玉数10d(A)と分割数(B)から分割後の分割元カードの持玉数(C)を「C=A−B」の算定式により算定する(ステップS204)。そして、分割後の分割元カードの持玉数(C)が最小持玉数未満であるか否かを判定する(ステップS205)。
また、台間カード処理機10は、分割元の遊技種と分割先の遊技種のレートの差に基づいて分割数(B)を換算し、分割先カードに関連付ける持玉数(D)を算定し(ステップS206)、分割後の分割先カードの持玉数(D)が最小持玉数未満であるか否かを判定する(ステップS207)。
持玉数(C)と持玉数(D)のうち、少なくともいずれか一方が最小持玉数未満である場合には(ステップS205;No又はステップS207;No)、台間カード処理機10は、表示操作部13のLCDに入力値エラーを示す「NG」を表示して(ステップS208)処理を終了する。
これに対して、持玉数(C)と持玉数(D)がともに最小持玉数以上である場合には(ステップS207;Yes)、持玉数(C)を関連付けた分割元カードを排出する(ステップS209)。具体的には、持玉数(C)をカード管理装置40に送信してカード情報40eの書き換え指示を行い、カード情報40eの書き換え完了後に持玉数(C)をカードに記録し、記録完了後にカードを排出することになる。
その後、分割元カードの排出処理と同様の処理を行って、分割数(D)を関連付けた分割先カードを排出する(ステップS210)。なお、カードユニット部15に収納されたカード枚数が所定値未満となった場合には(ステップS211;No)、表示操作部13のLCDにカード枚数不足「NO CARD」を表示して(ステップS212)、遊技客にカード不足を通知する。これにより、遊技客は遊技店の店員を呼んで、カードの補充を行わせる。なお、かかるカード不足となった場合には、台間カード処理機10の状態表示部11を例えば赤色点滅させることで、店員にカード不足を報知することもできる。
上記一連の処理により、分割元カード及び分割先カードの順でカードが排出処理されることになるので、遊技客は、分割元カードを台間カード処理機10に挿入して遊技を継続するとともに、分割先カードを第三者に渡して持玉を効率良く譲渡することができる。なお、分割元カードが会員カードである場合には、分割後の持玉数(C)が最小持玉数未満か否かの判定は行わなくてもよい。または、分割後の持玉数(C)又は持玉数(D)の少なくともいずれか一方が最小持玉数未満であっても、分割処理を行うよう構成することもできるようにしてもよい。会員の場合は、予め氏名や住所が登録されていることから、いたずら等で無駄な持玉分割処理を行う可能性が低いためである。
上述してきたように、本実施例1に係る台間カード処理機10は、持玉数の分割を行う場合に、分割元の遊技種並びに分割先の遊技種の指定を受け付けて、分割元として指定された遊技種の持玉数から指定された分割数を減算して分割元カードに関連付け、分割数に対応する持玉数を分割先として指定された遊技種の持玉として分割先カードに関連付ける。このため、複数の遊技種が存在する場合に、遊技機20により使用される遊技種に限らず任意の遊技種を分割の対象とすることができる。
また、分割元と分割先が異なる遊技種であっても分割処理が可能であるので、分割にかかる利便性を大きく向上することができる。また、換算処理部10j1による換算を行うことで、分割元と分割先の遊技種のレートが異なる場合であっても持玉の分割が可能である。さらに、パチンコ玉とスロットメダルのように遊技媒体の種類が異なる場合であっても持玉の分割が可能である。なお、遊技種の一部について分割を禁止することも可能である。また、パチンコ玉とスロットメダルのように遊技媒体の種類の選択を可能とすることで、玉とメダルとの間で持玉(メダル)数の分割を可能とする場合は、遊技種選択時に遊技媒体の種類(玉/メダル)とレートの両方を入力することになる。
上記実施例1では、持玉払出ボタンの操作を受けてパチンコ玉を払い出す台間カード処理機について説明を行った。かかる台間カード処理機は、遊技客によるパチンコ玉の投入を受け付けて、該パチンコ玉が遊技領域に射出されて入賞した場合には入賞により生じた賞玉分のパチンコ玉を払い出す開放式の遊技機に併設される。
しかし、近年では、遊技客からのパチンコ玉の投入や賞玉の払い出しを制限した封入式の遊技機の導入が検討されている。かかる封入式遊技機に併設される台間カード処理機では、持玉数のデータに基づいて封入式遊技機によるパチンコ玉の射出を管理し、賞玉数は持玉数に加算されることなる。
本実施例2では、封入式遊技機に併設される台間カード処理機に本発明を適用した場合について説明する。図8は、実施例2に係る台間カード処理機及び封入式遊技機の内部構成を示す機能ブロック図である。
図8に示す台間カード処理機110は、計数部17を有さない点と、通信I/F部10bが封入式遊技機120と通信する点と、制御部10fが払出処理部10kに代えて射出管理部111を有する点とが図4に示した台間カード処理機10と異なる。その他の構成及び動作については図4に示した台間カード処理機10と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
射出管理部111は、持玉数10dに示された各遊技種の持玉数のうち、封入式遊技機120が使用する遊技種の持玉数が「0」より大きい場合に封入式遊技機120に対して射出許可を送信する。射出許可の送信は、通信I/F部10bを介して行う。
また、射出管理部111は、封入式遊技機120によりパチンコ玉が射出された場合に、封入式遊技機120が使用する遊技種の持玉数を減算する処理を行う。この減算は、パチンコ玉が1玉射出される度に行ってもよいし、所定数(例えば10玉)射出される度に行ってもよい。
射出されたパチンコ玉が入賞した場合には、台間カード処理機110は、通信I/F部10bを介して入賞により得られた賞玉数を受信し、賞玉数を封入式遊技機120が使用する遊技種の持玉数に加算する処理を行う。
封入式遊技機120は、通信I/F部121、制御部122及び遊技制御部123を有する。通信I/F部121は、台間カード処理機110とデータ通信を行うためのインタフェース部である。通信I/F部121は、通信I/F部10bと同様にセキュリティチップ部を有し、通信I/F部10bのセキュリティチップとの間で暗号通信を行う。
制御部122は、封入式遊技機120を全体制御する制御部であり、通信制御部122a及び射出処理部122bを有する。通信制御部122aは、台間カード処理機110との通信並びに遊技制御部123との通信を制御する制御部である。
通信制御部122aは、台間カード処理機110より射出許可を受信した場合に射出処理部122bに通知する。また、通信制御部122aは、遊技領域にパチンコ玉が射出された場合に、台間カード処理機110に射出玉数を送信する。また、通信制御部122aは、射出されたパチンコ玉が入賞した場合に、賞玉数を台間カード処理機110に送信する。
射出処理部122bは、台間カード処理機110より射出許可を受信した状態で、遊技客によるハンドルの操作を検知した場合に遊技領域に対してパチンコ玉を射出する処理を行う。
遊技制御部123は、制御部122と接続し、封入されたパチンコを用いた遊技を制御する制御部である。遊技制御部123は、遊技領域にパチンコ玉が射出される度に制御部122に通知する。また、遊技制御部123は、射出されたパチンコ玉が入賞した場合に、賞玉数を制御部122に通知する。
このように封入式遊技機120に併設した台間カード処理機110であっても、実施例1と同様に、持玉数の分割を行う場合に、分割元の遊技種並びに分割先の遊技種の指定を受け付けて、分割元として指定された遊技種の持玉数から指定された分割数を減算して分割元カードに関連付け、分割数に対応する持玉数を分割先として指定された遊技種の持玉として分割先カードに関連付けることができる。また、分割元と分割先の遊技種が異なる場合や、遊技種のレートが異なる場合であっても持玉の分割が可能である点も実施例1と同様である。
上記実施例1及び2では、単一の遊技種を分割元として持玉の分割を行う場合について説明を行ったが、複数の遊技種を分割元とすることも可能である。本実施例3では、複数の遊技種を分割元とする持玉の分割について説明する。
図9は、実施例3に係る台間カード処理機及び持玉分割方法の概念を説明するための説明図である。図9に示す台間カード処理機210は、遊技客自身の操作によって持玉を分割できる装置である。
遊技客が持玉を分割する場合には、分割元の遊技種、分割先の遊技種並びに分割する持玉数を入力する。図9(a1)は、分割元の遊技種を選択する操作を行った状態を示している。図9(a1)に示す状態では、台間カード処理機10の表示操作部13に、4円パチンコの持玉と、1円パチンコの持玉と、20円スロットの持玉とが表示されている。
4円パチンコは、1玉4円で貸し出された4円レートのパチンコ玉の持玉を示す。図9(a1)では、4円パチンコの持玉は「1000玉」である。1円パチンコは、1玉1円で貸し出された1円レートのパチンコ玉の持玉を示す。図9(a1)では、1円パチンコの持玉は「500玉」である。20円スロットは、1枚20円で貸し出された20円レートのスロットメダルの持玉を示す。図9(a1)では、20円スロットの持玉は「700枚」である。
また、図9(a1)では、遊技客により1円パチンコの持玉が分割元として指定されている。台間カード処理機10は、分割元の指定を受け付けた後、図9(a2)に示すように、分割先の指定を受け付ける。図9(a2)は、4円パチンコ、1円パチンコ及び20円スロットのうち、1円パチンコが分割先として指定された状態を示している。
台間カード処理機10は、分割先の指定を受け付けた後、図9(a3)に示すように、分割数の指定を受け付ける。図1(a3)は、「700玉」を分割数として指定された状態を示している。
台間カード処理機10は、分割数の指定を受け付けた場合に、分割元について分割前後の持玉数を表示し、分割先について分割後の持玉数を表示する。ここで、分割元の持玉数が指定された分割数に満たない場合には、台間カード処理機210は、他の遊技種も分割元として使用する。
図9では、1円パチンコ700玉が分割数であるが、分割元である1円パチンコの持玉は500玉であり、分割数に満たない。そこで、台間カード処理装置210は、1円パチンの持玉数である500玉を全て使用し、不足分の1円パチンコ200玉分については、4円パチンコの持玉数を使用することとしている。
具体的には、図9(a3)に示すように、分割元である1円パチンコの持玉数「500」が分割後に「0」となるとともに、4円パチンコの持玉数「1000」が分割後に「950」となることが表示されている。4円パチンコの持玉数の差分「50」は、1円パチンコの持玉数「200」に相当するため、1円パチンコの持玉分「500」と合算することにより、分割先に1円パチンコの持玉数「700」を関連付けることができるのである。
遊技客により分割元、分割先及び分割数を指定された後、台間カード処理機210は、カードの排出操作を行う。これにより、図9(b)に示すように、分割元のカードC1及び分割先のカードC2が排出される。
分割元のカードC1には、4円パチンコの持玉「950玉」、1円パチンコの持玉「0玉」並びに20円スロットの持玉「700枚」が関連付けられている。また、分割先のカードC2には、1円パチンコの持玉「700玉」が関連付けられている。
このため、遊技客は、台間カード処理機210のカードユニット部15に分割元のカードC1を挿入して遊技を継続するとともに、分割先のカードC2を第三者に渡すことで持玉の一部を第三者に譲渡することができる。この分割先のカードC2を受け取った第三者は、他の遊技機に併設された台間カード処理機10のカードユニット部15に分割先のカードC2を挿入することで、1円パチンコの持玉「700玉」を保有した状態で遊技を行うことが可能となる。
さらに、この台間カード処理機10は、分割処理終了後の時点から所定の期間(例えば「30秒」)であれば、分割処理した2枚のカードを合算して元の状態に戻す分割取消処理が可能である。分割操作を誤った場合や分割処理を行っている途中で状況が変化した場合に柔軟に対応できるようにするためである。分割処理で複数の遊技種を分割元としていた場合には、分割取消処理を行った場合にそれぞれの分割元の持玉数を復元することが可能となるように、各分割元からの分割数を個別に記憶しておくことが望ましい。
次に、図9に示した台間カード処理装置210の内部構成について説明する。図10は、図9に示した台間カード処理装置210の内部構成を示す機能ブロック図である。図10に示すように、台間カード処理装置210は、持ち玉分割処理部10jに乗入処理部10j2をさらに有する。その他の構成及び動作については、実施例1に示した台間カード処理装置10と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
乗入処理部10j2は、指定された分割元の持玉数が指定された分割数に満たない場合に、他の遊技種も分割元として使用し、指定された分割数を確保する乗入処理を行う処理部である。具体的には、指定された分割元の持玉数が指定された分割数に満たなければ、乗入処理部10j2は、持玉数が0よりも大きい他の遊技種を分割元として選択する。
乗入処理部10j2が選択した遊技種のレートが分割先の遊技種と異なる場合には、乗入処理部10j2は、分割先とのレートの違いに基づいた換算を行い、換算後の玉数の合計が、分割先の持玉数と一致するようにする。
乗入処理部10j2が選択する遊技種は、遊技客による指定を受け付けることとしてもよいし、予め定めた優先順位に則って決定するようにしてもよい。また、乗入処理部10j2が選択する遊技種の数は任意である。例えば、4円パチンコ、2円パチンコ、1円パチンコの3つの遊技種を分割元として選択し、レートに応じた換算の後に合算することもできる。
次に、図10に示した台間カード処理機210による持玉分割処理時の処理手順について説明する。図11は、図10に示した台間カード処理機210による持玉分割処理時の処理手順を示すフローチャートである。
図11に示すように、台間カード処理機210は、分割元の遊技種を指定する操作の受け付け待ちの状態にあり(ステップS301)、分割元の遊技種(例えば4円レート)を指定する操作を受け付けたならば(ステップS301;Yes)、分割先の遊技種を指定する操作の受け付け待ちの状態となる(ステップS302)。
分割先の遊技種を指定する操作を受け付けたならば(ステップS302;Yes)、台間カード処理機210は、分割数の受け付け待ちの状態となる(ステップS303)。分割数を受け付けたならば(ステップS303;Yes)、台間カード処理機10は、分割元の現持玉数10d(A)と分割数(B)から分割後の分割元カードの持玉数(C)を「C=A−B」の算定式により算定する(ステップS304)。そして、分割後の分割元カードの持玉数(C)が最小持玉数以上であるか否かを判定する(ステップS305)。
分割後の分割元カードの持玉数(C)が最小持玉数未満となるならば(ステップS305;No)、乗入処理部10j2による乗入処理を行う(ステップS313)。乗入処理の後、又は分割後の分割元カードの持玉数(C)が最小持玉数以上である場合(ステップS305;Yes)、台間カード処理機210は、分割元の遊技種と分割先の遊技種のレートの差に基づいて分割数(B)を換算し、分割先カードに関連付ける持玉数(D)を算定し(ステップS306)、分割後の分割先カードの持玉数(D)が最小持玉数以上未満であるか否かを判定する(ステップS307)。
持玉数(D)が最小持玉数未満である場合には(ステップS307;No)、台間カード処理機210は、表示操作部13のLCDに入力値エラーを示す「NG」を表示して(ステップS308)処理を終了する。
これに対して、持玉数(D)が最小持玉数以上である場合には(ステップS307;Yes)、持玉数(C)を関連付けた分割元カードを排出する(ステップS309)。具体的には、持玉数(C)をカード管理装置40に送信してカード情報40eの書き換え指示を行い、カード情報40eの書き換え完了後に持玉数(C)をカードに記録し、記録完了後にカードを排出することになる。
その後、分割元カードの排出処理と同様の処理を行って、分割数(D)を関連付けた分割先カードを排出する(ステップS310)。なお、カードユニット部15に収納されたカード枚数が所定値未満となった場合には(ステップS311;No)、表示操作部13のLCDにカード枚数不足「NO CARD」を表示して(ステップS312)、遊技客にカード不足を通知する。これにより、遊技客は遊技店の店員を呼んで、カードの補充を行わせる。なお、かかるカード不足となった場合には、台間カード処理機210の状態表示部11を例えば赤色点滅させることで、店員にカード不足を報知することもできる。なお、報知するタイミングは分割処理開始時でもよい。その時点で分割カードが必要であることが明確になるからである。
次に、乗入処理の具体例について説明する。図12は、乗入処理の具体例について説明するための説明図である。図12では、分割元の持玉数Aのうち、4円パチンコの持玉数Aaが「1000」であり、2円パチンコの持玉数Abが「0」であり、1円パチンコの持玉数Acが「500」である場合を示している。
分割元である1円レート、次に分割先である1円レートの選択を行い、分割数Bとして1円パチンコ「700」が指定されると、1円パチンコの持玉数Ac「500」は分割数Bに満たない状態となる。そこで、乗入処理部10j2は、4円パチンコの持玉数Aa「1000」をさらに分割元として使用する。この結果、分割元カードの持玉数Cは、4円パチンコの持玉数Caが「950」となり、2円パチンコの持玉数Cbが「0」となり、1円パチンコの持玉数Ccが「0」となる。また、分割先カードの持玉数Dは、4円パチンコの持玉数Daが「0」となり、2円パチンコの持玉数Dbが「0」となり、1円パチンコの持玉数Dcが「700」となる。
乗入処理部10j2は、乗入処理を行う際に、分割元の各遊技種の持玉数Ca,Cb,Cc並びに分割先の各遊技種の持玉数Da,Db,Dcが最小持玉数以上となるように、遊技種及び各遊技種から分割する持玉数を決定する。
なお、分割元カードが会員カードである場合には、分割後の持玉数Ca,Cb,Ccや持玉数Da,Db,Dcが最小持玉数未満となってもよい点については、実施例1と同様である。
また、一般カードであっても、最小持玉数未満となることを許容するように構成してもよい。その場合には、むしろ、残数が「0」となる方が望ましい。一般カードの使用は当日に限られるため、125玉等の持玉数を残す等により持玉を分散させるよりも、いずれかの遊技種の持玉がなくなるように分割することで持玉を集約する方がよい場合もあるからである。
上述してきたように、本実施例3に係る台間カード処理装置210は、複数の遊技種を分割元として使用し、持玉数の分割を行うことができる。このため、一つの遊技種では所望の分割数を得られない場合であっても、柔軟に持玉の分割が可能である。
本実施例3では、分割元の持玉数以上の分割数を指定可能に構成した場合について説明を行ったが、分割数はあくまで分割元の持玉数以内でしか指定できないように構成してもよい。その場合には、さらに分割を希望するのであれば、追加で同様の操作を行うこととなる。
なお、上記実施例1、2及び3では、台間カード処理機にカードを挿入した場合に、カード管理装置で管理される持玉数を台間カード処理機に移行してカード管理装置が管理する持玉数をクリアすることとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、台間カード処理機とカード管理装置の双方で持玉数を管理する場合や、カード管理装置のみで持玉数を管理する場合に適用することもできる。
また、上記実施例1、2及び3では、説明の便宜上、「複数のレートの中から遊技客が望む所望のレートを選択する場合」について説明したが、本発明は、「複数の遊技種の中から遊技客が望む所望の遊技種を選択する場合」に適用することもできる。この「遊技種」とは、レートが同一であっても交換率やプレミアの付与率が異なる場合など、運営上遊技に用いる遊技媒体を相互に分別して扱うべきものと定められている種別である。つまり、たとえ同一レートであっても複数の遊技種が存在し得る。
また、上記実施例1、2及び3では、カードの形態についての詳細な説明を省略したが、かかるカードには、磁気カード、ICカード等が含まれる。また、ここでは説明の便宜上「カード」を例にとって説明したが、かかるカード以外に、チップ、スティック、携帯端末等を用いる場合に本発明を適用することもできる。特に、ICチップ付携帯端末を媒体として用いる場合は、台間カード処理機10に設けられたリーダライタ(R/W)に当該携帯端末を翳すことにより、ICチップとR/Wとの非接触通信により当該携帯端末と関連付けられたプリペイド価値及び持玉数を取得することができる。
また、上記実施例1、2及び3では、パチンコ玉を使用する遊技機に併設した台間カード処理機を例示して説明を行ったが、スロットメダルを使用する遊技機に併設した台間カード処理機、精算機又は景品管理装置等、持玉が対応付けられた記憶媒体を処理する任意の装置に適用可能である。
また、上記実施例1、2及び3では、持玉を分割する場合を例に説明を行ったが、貯玉の分割やプリペイド価値の分割等、遊技に関する各種データを分割して譲渡可能とする場合に広く適用可能である。
また、上記実施例1、2及び3では、分割する数を入力する構成について説明を行ったが、分割して残す数の入力を行う構成で実施してもよい。例えば、図1に示した例で、図1(a2)に示すように、分割先の指定(1円パチンコ)を受け付けた後、図1(a3)で分割数の指定ではなく、分割後に残す玉(200玉)を指定することで、図1と同様の分割を実現することができる。
また、分割先或いは分割元の「最小持玉数」の設定は、レートによって異ならせることが望ましい。例えば、4円レートであれば「125玉」を最小持玉数とし、1円レートであれば「500玉」を最小持玉数としてもよい。或いは、金額を入力することで、それぞれのレートでの玉数に換算して最小持玉数としてもよい。
また、分割元で選択したレートと同一レートへの分割を設定している場合であれば、分割先の遊技種(レート)指定のステップは省略してもよい。また、分割元の選択操作を省略し、いきなり分割数入力を行った場合であれば、分割する遊技種(レート)は、現在操作している台間カード処理機と同じ遊技種であるといった分割方法であってもよい。また、現在操作している台間カード処理装置と同じ遊技種を分割先の遊技種とし、分割元の遊技種のみを選択するように構成してもよい。
また、台間カード処理機と管理装置間との間の通信状態に応じて、分割処理の可/不可のさまざまな対応ができるようにしてもよい。例えば、管理装置と通信不良状態になると、「持玉分割は一切できない」、「パチンコ玉とスロットメダルのように遊技媒体の種類が異なる分割はできない」、「レートが同一の分割は認めるが、異なるレート間での分割はできない」といったパターンでの制御を行うことができる。
また、上記実施例1、2及び3では、分割先のカードを排出した後、分割元のカードを排出する場合を説明したが、分割先カードと分割元カードの排出順序は任意であり、どちらを先に排出してもよい。
また、図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部または一部を各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
例えば、上記実施例1、2及び3では、カード管理装置と会員管理装置を別装置とした場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、カード管理装置と会員管理装置を一体化した場合に適用することもできる。