以下に、添付図面を参照して、本発明に係る各台装置及び各台装置制御方法の好適な実施例を詳細に説明する。なお、本実施例では、遊技媒体をメダルとし、各台装置を台間メダル貸機として、本発明を適用した場合を示すこととし、ホッパ式の遊技媒体計数ユニットを搭載した場合について説明する。その後、変形例として搬送ベルト式の遊技媒体計数ユニットを搭載した場合について説明する。
まず、本実施例に係る台間メダル貸機における計数処理方法の概念について説明する。図1は、本実施例に係る台間メダル貸機における計数処理方法の概念について説明するための説明図である。図1に示すように、遊技店には遊技機20と、遊技機20に対応して設けられた台間メダル貸機10とが設置される。
遊技客が獲得したメダルを計数して持メダルにする場合には、図1(a)に示すように、台間メダル貸機10の下部にあるメダル投入口からメダルを投入して計数を行うことになる。投入されたメダルは、台間メダル貸機10に内蔵された計数ユニットにおいて自動的に計数され、計数結果が持メダル残高に加算される。また、離席時には、遊技客が手動計数ボタンを押下して、メダルが全部計数され、計数ユニットにメダルがないことを確認してからカード返却を実施することが可能となっている。なお、メダル投入の場合であっても、自動的に計数を開始するのではなく、計数ボタンの押下操作を受け付けて計数を開始するようにしてもよい。
計数ユニット内において、検知センサによりメダルが検知されカウントされることになるが、一定時間メダルの検知がなければ、メダルの計数が終了したものとして計数ユニットは計数動作を停止する。このため、計数ユニット内に残留して計数されなかったメダルは、再びメダルを計数する機会が到来するまでそのまま残留状態となる。
ところが、遊技客は、少数ずつ頻繁にメダルを計数するのではなく、受け皿に数百枚程度貯まった段階でまとまった数のメダルを計数することが考えられる。この場合に、最後のメダル計数において計数ユニット内にメダルが残留したままの状態になっていても、この残留メダルに気付くことなく、遊技客が計数ボタンを押下せずにカードの返却操作を行い、退店若しくは景品交換を行う可能性もある。これでは遊技客にとって残留した分のメダルが損失となってしまう。
そこで本実施例に係る台間メダル貸機10は、図1(b)に示すように、メダルが投入されて自動的に計数される場合以外にも、所定の条件を満たした時に計数ユニットの計数機構を駆動して、計数ユニット内に残留しているメダルを自動的に計数する。そして、残留メダルの計数結果を持メダル残高に加算するようにしているのである。
具体的には、図1(b)に示すように、台間メダル貸機10は、カード返却操作を検知した場合に、計数機構を再駆動して残留メダルを計数する。これにより、計数ボタンを押下しなくても、残留メダルが持メダル残高に加算され、遊技客のメダルの損失を防止できることになる。また、同じくカード返却を伴う持メダル分割あるいは貯メダルを行うような場合も同様に再計数により遊技客のメダルの損失を防止できる。
なお、遊技店にとっては、メダルの集計情報を保護し、メダルの集計の正確性を期すために、閉店、開店、テストといったシステムの動作の変更時に、計数動作を行わせることが必要となる。例えば、開店前に遊技システムを立ち上げた際に、計数ユニット内に残留メダルがあるまま開店をすると、集計に誤差が出る可能性があるため、開店時に検知してはいけないメダルを排除する必要がある。また、閉店時には店内のメダルを集計するため、各台間メダル貸機10の計数機構を駆動させ、残留メダルを計数して集計情報に組み入れる必要がある。
このように、台間メダル貸機10は、遊技客により計数を指示する操作が行われた場合以外にも、必要に応じて適宜計数機構を駆動させることで、計数ユニット内の残留メダルを計数する。このため、遊技客の損失を防止するとともに、遊技店におけるメダルの集計情報の精度を向上することができる。
次に、本実施例に係る遊技システムのシステム構成について説明する。図2は、本実施例に係る遊技システムのシステム構成を示す図である。図2に示すように、遊技店には、複数の遊技機20と、各遊技機20にそれぞれ対応して設けられた台間メダル貸機10とが設置される。台間メダル貸機10は、島コントローラ30を介して店内のネットワークである通信回線と接続する。通信回線には、島コントローラ30と、カード管理装置40と、会員管理装置50と、景品管理装置60と、精算機80とが接続される。
遊技機20は、遊技媒体であるメダルを投入して、3個のドラムを回転させるとともに、ストップボタンを順次押して絵柄を揃えることにより遊技を行うスロットマシンである。3つのドラムの有効ラインに一定の絵柄が揃うと、遊技機20は、絵柄の種類に応じた枚数のメダルを賞出メダルとして払い出す。
台間メダル貸機10は、入金の受付、メダルの貸し出し並びにカード管理装置40との通信を行う。台間メダル貸機10は、遊技客が挿入した紙幣を受け付けたならば、入金確定前にメダルの計数機構を駆動し、計数ユニット内に残留メダルの存否を検知し、残留メダルを検知した場合には計数してメダルの計数結果を持メダル残高に加算する。そして一定数以上のメダルが計数された場合には紙幣を返却し、持メダルの使用を促す。残留メダルが一定数未満の場合にはメダルの計数結果を持メダル残高に加算するとともに、入金額を含む入金通知をカード管理装置40に送信することで、プリペイド価値をカード管理装置40が管理するプリペイド価値に加算させる。
また、台間メダル貸機10は、所定のメダル貸操作がなされたならば、メダル貸要求をカード管理装置40に送信し、カード管理装置40が管理するプリペイド価値を減算させて、減算したプリペイド価値分に対応する数のメダルを払い出す。
また、台間メダル貸機10は、カードの挿入を受け付けたならば、カード管理装置40にカード挿入通知を送信する。また、台間メダル貸機10は、カード管理装置40からプリペイド価値、持メダル口座又は貯メダル口座の残高を受信した場合には、該残高を記憶する。そして、持メダル口座の残高を受信し、持メダル数として記憶した場合には、カード管理装置40に対して持メダル減算要求を送信することで、カード管理装置40が管理する持メダル口座の残高をゼロにクリアする。
また、台間メダル貸機10は、持メダル再プレイ操作を受け付けると、自装置に記憶する持メダル数を所定数減算し、減算した数に相当する数のメダルを払い出す。また、台間メダル貸機10は、貯メダル再プレイ操作を受け付けると、カード管理装置40に対して貯メダル再プレイ要求を送信することで、会員管理装置50が管理する貯メダル口座の残高を所定数減算させ、減算させた数に相当する数のメダルを払い出す。
台間メダル貸機10は、カード返却操作を受け付けたならば、まず、計数ユニットを駆動してメダルの計数動作を開始する。そして計数ユニット内の残留メダルの検知を行い、メダルを検知した場合にはメダルを計数して、持メダル数に加算する。その後、自装置に記憶する持メダル数を含む持メダル加算要求をカード管理装置40に送信し、カード管理装置40が管理する該当する持メダル口座に持メダル数を加算させた後、カード排出通知をカード管理装置40に送信し、カードを排出制御する。
また、台間メダル貸機10は、遊技客の一般カードのプリペイド価値及び持メダル数が0になった時点で、計数機構を駆動させ、計数ユニット内の残留メダルの検知及び計数を行う。メダルが計数された場合にはその枚数を持メダル残高に加算する。
また、台間メダル貸機10は、上記の計数動作以外で、所定のコマンドを受信した場合、若しくは所定の操作を受け付けた場合にも、計数機構を駆動させて計数動作を行い、コマンド若しくは操作種別に応じて計数したメダル数を持メダルへ加算するか又は廃棄する。
島コントローラ30は、遊技島に設けられた一群の遊技機20及び台間メダル貸機10を束ねる中継装置である。カード管理装置40は、カードのプリペイド価値及び持メダル数等をカードデータとして管理する管理装置である。
カード管理装置40は、台間メダル貸機10からカード挿入通知を受信したならば、挿入されたカードのIDと台間メダル貸機10とを関連づけて管理し、該カードIDに関連づけられたプリペイド価値及び持メダル口座の残高を台間メダル貸機10に送信する。また、カード挿入通知に示されたカードIDが会員カードのカードIDである場合には、カード挿入通知を会員管理装置50に送信し、会員管理装置50から受信した貯メダル再プレイデータを台間メダル貸機10に送信する。
また、カード管理装置40は、台間メダル貸機10から持メダル減算要求を受信した場合には、持メダル口座の残高をゼロにクリアし、台間メダル貸機10から持メダル加算要求を受信した場合には、持メダル加算要求に示された持メダル数を持メダル口座に加算する。
また、カード管理装置40は、台間メダル貸機10からメダル貸要求を受信した場合には、対応するプリペイド価値を所定値減算し、メダル貸許可を台間メダル貸機10に送信する。そして、貯メダル再プレイ要求を受信した場合には、該貯メダル再プレイ要求を会員管理装置50に送信し、会員管理装置50が貯メダル再プレイ許可を出力した場合には、貯メダル再プレイ許可を台間メダル貸機10に送信する。
また、カード管理装置40は、景品管理装置60からカードIDを受信したならば、このカードIDに関連付けられた持メダル口座の残高を景品管理装置60に対して通知する。さらに、精算機80からカードIDを受信したならば、このカードIDに関連付けられたプリペイド価値を精算機80に対して通知する。
会員管理装置50は、遊技店に会員登録された会員の会員管理データを管理する管理装置である。具体的には、会員に対して発行した会員カードIDに関連づけて、貯メダル数、ポイント、暗証番号及び氏名等を管理する。
会員管理装置50は、カード管理装置40から貯メダル口座の残高の問い合わせを受けたならば、指定されたカードIDに対応する貯メダル口座の残高をカード管理装置40に通知する。また、会員管理装置50は、カード管理装置40を介して貯メダル再プレイ要求を受信したならば、貯メダル再プレイ要求に示されたカードIDに関連付けられた貯メダル口座の残高を所定数減算し、貯メダル再プレイ許可を出力する。
また、会員管理装置50は、景品管理装置60から貯メダル口座の残高の問い合わせを受けたならば、指定されたカードIDに対応する貯メダル口座の残高を景品管理装置60に通知する。
景品管理装置60は、遊技店内の景品交換カウンタに併設された景品交換用の端末装置であり、獲得メダル、貯メダル及び持メダルの景品交換処理を行う。この景品管理装置60には、カードのカードIDを読み取るリーダライタ及び景品を払い出す景品払出装置が接続されている。景品管理装置60は、リーダライタがカードを受け付けた場合には、リーダライタで読み出したカードのカードIDをカード管理装置40に送信して、該カードの持メダル口座残高を要求する。また、貯メダルを景品交換する場合は、会員管理装置50に対して貯メダル口座残高を要求する。
精算機80は、プリペイド価値が対応付けられたカードが挿入されると、このカードのカードIDをカード管理装置40に送信し、該カードに関連付けられたプリペイド価値を取得し、取得したプリペイド価値に相当する現金の払出を行う。
図2に示した台間メダル貸機10がメダル貸しを行う場合のメダル貸処理について説明する。遊技客が台間メダル貸機10に対してメダル貸操作を行うと、台間メダル貸機10は、カード管理装置40のローカルアドレスを宛先として指定した電文を送信する。この電文は、台間メダル貸機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間メダル貸機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、メダル貸要求とを含む。
カード管理装置40は、メダル貸要求を含む電文を受信すると、該電文内のカードIDに関連付けられたプリペイド価値を所定値(例えば、100円)減算してカード管理データを更新し、メダル貸許可を送信元の台間メダル貸機10に送信する。メダル貸許可を受信した台間メダル貸機10は、減算したプリペイド価値に対応する数(例えば5枚)のメダルを払い出す。
次に、図2に示したシステムで持メダルの再プレイを行う場合の持メダル再プレイ処理について説明する。台間メダル貸機10は、一般カードあるいは会員カードの挿入を受け付けた場合に、カード管理装置40のローカルアドレスを宛先として指定した電文を送信する。この電文は、台間メダル貸機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間メダル貸機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間メダル貸機10のレートを特定するための情報と、カード挿入通知とを含む。
カード管理装置40は、台間メダル貸機10からカード挿入通知を受信した場合には、該電文内のカードIDに関連付けられた各レートの持メダル口座の残高を台間メダル貸機10に通知する。
台間メダル貸機10は、カード管理装置40から受信した持メダルの残高を記憶する。そして、カードID及びレートを特定する情報と、持メダル減算要求とを含む電文をカード管理装置40に送信する。カード管理装置40は、持メダル減算要求を受信した場合には、カードIDにより特定される各レートの持メダル口座の残高をゼロにクリアする。台間メダル貸機10は、持メダル再プレイ操作を受け付けた場合には、記憶した持メダルの残高を所定数減算し、対応する数のメダルを払い出す。
台間メダル貸機10は、カード返却操作を受け付けた場合には、カード管理装置40に対して持メダル加算要求を含む電文を送信する。この電文は、排出するカードのカードIDと、送信元である台間メダル貸機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間メダル貸機10のレートを特定するための情報と、各レートの持メダルの残高と持メダル加算要求とを含む。
カード管理装置40は、持メダル加算要求を受け付けた場合には、該電文内のカードIDに関連付けられた各レートの持メダル口座の残高を受信した残高の値に更新する。その後、台間メダル貸機10は、カード管理装置40にカード排出通知を送信し、カードを排出制御する。
次に、図2に示したシステムで貯メダルの再プレイを行う場合の貯メダル再プレイ処理について説明する。台間メダル貸機10は、会員カードが挿入された場合、若しくは会員カードとして使用可能な携帯端末からカードIDに対応する識別情報を読み取った場合に、カード管理装置40のローカルアドレスを宛先として指定した電文を送信する。この電文は、台間メダル貸機10に挿入されているカードのカードID(若しくは携帯端末から読み取ったカードIDに対応する識別情報。以降、カードIDという)と、送信元である台間メダル貸機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間メダル貸機10のレートを特定するための情報と、カード挿入通知とを含む。
カード管理装置40は、カード挿入通知の電文を会員管理装置50に送信する。会員管理装置50は、カード挿入通知の電文を受信した場合には、該電文内のカードIDに関連付けられた暗証番号と、貯メダル口座のうち、該電文により特定されたレートの貯メダル口座の残高とを含む貯メダル再プレイデータを台間メダル貸機10に送信する。
台間メダル貸機10は、受信した貯メダル再プレイデータを記憶し、貯メダル再プレイデータに示された貯メダル口座の残高が貯メダル再プレイにおけるメダルの払出単位数(貯メダル再プレイ単位数。例えば25枚)以上である場合には貯メダル再プレイ操作を受け付け可能とする。なお、ここでは、貯メダル口座の残高が払出単位数以上である場合に貯メダル再プレイ操作を受け付け可能とする場合について説明を行なったが、貯メダル再プレイデータに貯メダル再プレイ可能回数が示されているならば、貯メダル再プレイ可能回数が1以上である場合に貯メダル再プレイ操作を受け付け可能としてもよい。
台間メダル貸機10は、貯メダル再プレイデータの記憶後、最初に貯メダル再プレイ操作を受け付けた場合に、遊技客に対して暗証番号の入力を求め、入力された暗証番号が貯メダル再プレイデータに示された暗証番号と一致するかを確認する。
台間メダル貸機10は、暗証番号が一致した場合に、カード管理装置40のローカルアドレスを宛先として指定した電文を送信する。この電文は、台間メダル貸機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間メダル貸機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間メダル貸機10のレートを特定するための情報と、貯メダル再プレイ要求とを含む。なお、ここでは最初に貯メダル再プレイ操作を受付けた場合に暗証番号の入力を求める場合を示したが、暗証番号の入力はカード挿入時に行うようにしてもよい。
カード管理装置40は、貯メダル再プレイ要求の電文を会員管理装置50に送信する。会員管理装置50は、貯メダル再プレイ要求の電文を受信した場合には、該電文内のカードIDに関連付けられた貯メダル口座のうち、該電文により特定されたレートの貯メダル口座の残高を所定値減算し、減算後の残高を含む貯メダル再プレイデータを台間メダル貸機10に送信する。
台間メダル貸機10は、貯メダル再プレイデータを受信して貯メダル口座の残高を更新し、メダルを貯メダル再プレイ単位数だけ払い出す。また、更新後の貯メダル口座の残高が貯メダル再プレイ単位数未満となったかを判定し、貯メダル再プレイ単位数未満となったならば、貯メダル再プレイ操作を受け付け不能とする。更新後の貯メダル口座の残高が貯メダル再プレイ単位数以上であれば、再度貯メダル再プレイ操作を受け付け可能であり、貯メダル再プレイ操作を受け付けた場合には貯メダル再プレイ要求を送信する。2回目以降の貯メダル再プレイ操作では、暗証番号の確認は不要である。なお、暗証番号の確認を毎回行なうように設定してもよい。
次に、閉店処理における持メダルからの貯メダルへの移行について説明する。カード管理装置40は、閉店処理時にカード管理データの持メダル口座の残高を確認し、持メダルの残高が「0」より大きい持メダル口座が存在する場合には、該持メダル口座の残高をカードID及びレートとともに会員管理装置50に通知する。会員管理装置50は、カードID及びレートにより特定される貯メダル口座の残高に通知された持メダル口座残高を加算して更新する。その後、カード管理装置40は、該持メダル口座の残高をゼロにクリアする。
次に、図2に示した遊技機20及び台間メダル貸機10の外観構成について説明する。図3は、図2に示した遊技機20及び台間メダル貸機10の外観構成を示す図である。なお、紙幣のみを受け付ける台間メダル貸機10を図示したが、硬貨受付用ユニットを設けることもできる。また、紙幣挿入口は台間メダル貸機10と別体であってもよい。
図3に示すように、遊技機20は、3つのドラムを有するドラム部21と、各種表示を行う表示部22と、メダル投入口23と、ドラムの回転開始操作を受け付けるスタートレバーやドラムに対応して設けられた3つのストップボタン等を有する操作部24と、遊技機20から払い出されたメダルを受け入れる受け皿25とを有する。
台間メダル貸機10は、台間メダル貸機10の装置状態を所定色のランプの点灯あるいは点滅で表示する状態表示部11と、メダルを貸し出す際の各種紙幣を受け付ける紙幣挿入口12aと、タッチパネルディスプレイ等の表示操作部13と、カードを受け付けるカード挿入口14aと、携帯端末等をかざすためのかざし部14bと、メダルを遊技機20に搬出するノズル18aと、計数対象のメダルの投入を受け付けるメダル投入口19aとを有する。
次に、台間メダル貸機10に内蔵される計数ユニット19について説明する。図4(a)及び(b)は、台間メダル貸機10に内蔵された計数ユニット19の分解斜視図及び側面図である。図4に示すように、計数ユニット19は、同じく台間メダル貸機10に内蔵されるメダル払出装置90の下方に位置し、台間カード処理機10の下部を占める形で搭載されている。また、遊技客が計数するメダルを投入するメダル投入口19aは、ノズル18aの上方において台間メダル貸機の前面から突出して設けられている。
計数ユニット19の構成について図4及び図5を用いて説明する。メダル投入口19aからメダルを下方に搬送する搬送部19bと、搬送部19bから搬送されたメダルを内部に貯留するメダル計数用ホッパ19cとを有している。図4(a)及び図(b)に示すように、すり鉢状のメダル投入口19aの下部開口から搬送部19bと、搬送部19bの底面19b1とメダル計数用ホッパ19cの傾斜部19c1及びメダル計数ホッパ19c内貯留領域まで連通する構成になっている。また、メダル計数用ホッパ19cは、メダル払出ホッパ91が逆すり鉢型なのに対し、ほぼ円筒の形状になっている。
図5は、メダル計数用ホッパ19c内の構成を示した図である。図5に示すように、メダル計数用ホッパ19cの底部には、メダルを1枚ずつ収容する一又は複数(図5(a)に示す例では5つ)の孔部19d1が周方向に沿って設けられた回転円盤19dが略水平面に沿って設けられている。回転円盤19dは、円盤の中心を回転軸として反時計方向に回転するようになっている。また、メダル計数用ホッパ19cの貯留領域内において、回転円盤19dよりも上方にあるメダルを検知する第1のメダル検知センサ19e及び第2のメダル検知センサ19fを有している。さらに、図示しないが、図4(b)において回転円盤の手前側(左側)で、メダル計数ホッパ19cの傾斜部19c1の下部には回転円盤19dの回転駆動を行う回転円盤駆動モータが設けられている。
次に、計数ユニット19の計数機構について説明する。遊技客が遊技機20の受皿に貯まったメダルを取り出して、メダル投入口19aに投入する。投入されたメダルは、搬送部19bの通路から、水平面に対して傾斜した搬送部の底面19b1と、これに連接した同じく水平面に対して傾斜した傾斜部19c1を介してメダル計数用ホッパ19cに送られる。メダル計数用ホッパ19cに送られたメダルは、傾斜部19c1から開口19c2を介してメダル計数用ホッパ19c内のメダル貯留領域に送られる。
図5に示すように、メダル計数用ホッパ19c内の貯留領域にメダルが送られると、貯留領域内において回転円盤19dよりも上方にあるメダルが、それぞれ発光素子と受光素子を有した第1のメダル検知センサ19eや第2のメダル検知センサ19fにより検出されると、図示しない円盤駆動モータが回転円盤19dを回転駆動させる。なお、発光素子から発せられた光がメダルにより遮光されて受光素子により受光されなくなることで、各メダル検知センサ19e、19fはメダルの存在を検知する。
そして、回転円盤19dの孔部19d1に収容されたメダルは1枚ずつ図示しないガイド部により案内され、回転円盤19dの外周縁におけるガイド部が設けられていない箇所において、孔部19d1から1枚ずつ繰出されたメダルが計数される。計数されたメダルは、図4におけるメダル計数ユニット19の後方にさらに繰出され、図示しないメダル回収装置により島端等に設置されているメダル回収部に搬送され回収される。
また、各メダル検知センサ19e、19fによりメダルが検知されていない状態で、計数部により所定時間メダルの計数が行われない場合には、メダル計数ユニット19において正常にメダルの計数が完了したと判断され、回転円盤の回転駆動が停止される。
次に計数ユニット19のエラー解除について説明する。台間メダル貸機10のメダルが詰まるエラーが発生した場合に、店員は、メダル投入口19aの上部にある下部扉を取り外し、メダル投入口19aや回転円盤19dを引き出してエラー解除を行い、メダルの詰まりを解消する。メダルの詰まり解消後は、前記の逆順で復帰させる。
次に、図2に示した台間メダル貸機10の内部構成について説明する。図6は、図2に示した台間メダル貸機10の内部構成を示すブロック図である。図6に示すように、台間メダル貸機10は、紙幣搬送部12と、表示操作部13と、リーダライタ14と、かざし部14bと、通信部15と、記憶部16と、制御部17と、ノズルユニット18と、計数ユニット19とを有する。
紙幣搬送部12は、紙幣挿入口12aから挿入された紙幣の金種及び真偽を判別しつつ図示しない紙幣収納部に搬送する搬送部である。表示操作部13は、メダル貸操作及び遊技客向けのメッセージ表示を行うためのタッチパネル式の入出力装置である。
リーダライタ14は、カード挿入口14aに挿入されたカードからカードIDを読取る読取部である。なお、カード挿入口14aに挿入されたカードは、このリーダライタ14を経て図示しないカード収納部に収納される。通信部15は、通信回線との間のデータ通信を行うためのインタフェース部である。
記憶部16は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部16は、カードID16a、有価価値データ16b、計数データ16cおよび装置ID16dを記憶する。
カードID16aは、リーダライタ14により読み取られたカードIDである。図示しないカード収納部からリーダライタ14にカードが搬送された場合には、リーダライタ14により読み取られたカードIDによってカードID16aが更新される。また、カード挿入口14aから図示しないカード収納部にカードが搬送される場合にも、この搬送途中でリーダライタ14により読み取られたカードIDによってカードID16aが更新される。
有価価値データ16bは、遊技媒体の払い出しを受けるために使用可能な有価価値を示すデータである。この有価価値には、メダル貸しに使用可能なプリペイド価値の残高、持メダル口座の残高並びに貯メダル口座の残高を含む。
計数データ16cは、計数されたメダルの枚数を記憶したデータである。また、装置ID16dは、台間メダル貸機10のIDである。
制御部17は、台間メダル貸機10を全体制御する制御部であり、データ管理部17a、紙幣処理部17b、カード処理部17c、状態管理部17d、計数制御部17e及び計数データ送信部17fを有する。
データ管理部17aは、カードが挿入された場合に、カードID16a及び装置IDを含むカード挿入通知をカード管理装置40に送信する。また、データ管理部17aは、カード管理装置40から有価価値(プリペイド価値、持メダル及び貯メダルの少なくともいずれか)を受信した場合に、受信した有価価値により有価価値データ16bを更新する。データ管理部17aは、有価価値データ16bに示されたプリペイド価値、持メダル数及び貯メダル数を適宜表示操作部13に表示制御する。
また、データ管理部17aは、遊技客によりメダル貸操作が行われた場合に、カードID16a及び装置ID16dを含むメダル貸要求をカード管理装置40に送信する。このメダル貸要求への応答としてメダル貸許可を受信したならば、データ管理部17aは、所定数のメダルを払い出す。
また、データ管理部17aは、遊技客により持メダル再プレイ操作が行われた場合に、有価価値データ16bに示された持メダル口座の残高を所定数減算し、対応する数のメダルを払い出す。
また、データ管理部17aは、遊技客により貯メダル再プレイ操作が行われた場合に、カードID16a及び装置ID16dを含む貯メダル再プレイ要求をカード管理装置40に送信する。この貯メダル再プレイ要求への応答として貯メダル再プレイ許可を受信したならば、データ管理部17aは、所定数のメダルを払い出す。
また、データ管理部17aは、遊技客によりカード返却操作が行われた場合に、計数制御部17eに計数ユニット19を駆動させて残留メダルを計数させる。その後、カードID16a、装置ID16d並びに持メダル数を含む持メダル加算要求をカード管理装置40に送信して、自装置持メダル口座の残高をゼロにクリアする。
また、データ管理部17aは、紙幣挿入口12aに紙幣が挿入されると、挿入された紙幣の金額、カードID16a及び装置ID16dを含む入金通知をカード管理装置40に送信する。
紙幣処理部17bは、紙幣挿入口12aから受け付けた紙幣を搬送制御しつつ該紙幣の金種種別及び真偽識別を行った後に、該紙幣を図示しない紙幣収納部に収納する処理部である。紙幣処理部17bは、紙幣の挿入を検知すると、入金を確定して紙幣収納部に収納する前に、計数制御部17eに計数ユニット19を駆動させて残留メダルを計数させる。
そして、紙幣処理部17bは、計数制御部17eから一定数以上のメダル計数があったことを通知された場合には、挿入された紙幣を紙幣挿入口12aから返却する処理を行う。なお、ここで表示操作部13に計数したメダルの枚数と、その使用を促すメッセージを表示してもよい。
カード処理部17cは、カード挿入口14aからカードを受け付けたならばリーダライタ14によりカードID16a及びプリペイド価値を読み取らせる。そして、このカードID16aを記憶部16に格納し、カードID16aに関連付けられたプリペイド価値を有価価値データ16bのプリペイド価値に加算する。
また、カード処理部17cは、カードの返却操作を受け付けた場合には、図示しないカード収納部に収納したカードのカードID16aをリーダライタ14により読み取らせ、データ管理部17aによりカード管理装置40のカードデータが更新された後に、プリペイド価値をカードに関連付けてカード挿入口14aからカードを排出する。
状態管理部17dは、システムモード及びシステムモードの変化を検知して、台間メダル貸機10の動作状態を監視する管理部である。状態管理部17dは、上位装置からシステムの動作状態に関するコマンド等の情報を受信した場合には、計数制御部17eに対してシステムの動作モード及びモード変化を通知する。また、状態管理部17dは、装置の異常状態をカード管理装置40に送信する。
計数制御部17eは、計数ユニット19の計数動作を制御する制御部である。計数制御部17eは、所定のタイミングで、後述する計数動作モードにより計数ユニット19の駆動部を駆動し、メダルの計数を行うように計数ユニット19に指示を出す。また、計数ユニット19が計数したメダル枚数は、後述する計数動作モードに応じて持メダルへ加算するか若しくは加算しない。メダルの計数値を持メダルへ加算する場合には、計数制御部17eは、有価価値データ16bの持メダル残高に計数したメダル枚数を加算する。
計数データ送信部17fは、計数データ16cをカード管理装置40に送信する。計数データ送信部17fは、遊技システムがテストモード及び開店から閉店へとモード変化した場合に、計数データ16cに記憶していたメダルの計数結果をカード管理装置40に送信する。計数データ送信部17fはカード管理装置40への送信終了後に、計数データ16cをクリアする。
次に、台間メダル貸機10の記憶部16が記憶するデータの具体例について説明する。図7は、台間メダル貸機10の記憶部16に記憶する各種データのデータ構造の一例を示す図である。
図7(a)に示すカードID16aは、台間メダル貸機10に挿入されたカードのIDが「1001」であることを示している。なお、ここでは、カードIDの上1桁がカードの種別を示しており、上1桁が「1」のカードが一般カード、上1桁が「2」のカードが会員カードであるとしている。
図7(b)に示す有価価値データ16bは、カードIDが「1001」の遊技客のプリペイド価値が「10」度数、レートを特定するための情報が「M1」である持メダル口座の残高が「500」枚であり、レートを特定するための情報が「M2」である持メダル口座の残高が「0」枚であり、レートを特定するための情報が「M3」である持メダル口座の残高が「0」枚であることを示している。データ管理部17aは、一般カードのプリペイド価値及び持ちメダル口座残高を管理し、その全ての値が0になると計数機構を駆動させる。
また、図7(b)では、一般カードが挿入された状態であるため、貯メダル口座の残高は全て「0」である。なお、ここではプリペイド価値の度数は1度数が100円相当である。また、レートを特定するための情報「M1」は、1枚20円で貸し出されるメダルに対応し、レートを特定するための情報「M2」は1枚10円で貸し出されるメダルに対応し、レートを特定するための情報「M3」は、1枚5円で貸し出されるメダルに対応する。図7(c)は、台間メダル貸機10の装置ID16dが「5006」であることを示している。
次に、台間メダル貸機10の計数動作モードについて説明する。図8は、台間メダル貸機10の計数動作モードを説明するための説明図である。図8に示すように、台間メダル貸機10の計数動作モードは、計数のための計数ユニット19の駆動時間と、計数値の取り扱いとに応じて、第一計数動作から第四計数動作までの4つに分類される。台間メダル貸機10の計数制御部17eは、計数動作の開始条件、すなわちどのタイミングで計数動作を行うかの種別に応じて、これら4つの計数動作モードを選択して計数制御する。
駆動時間「通常」と駆動時間「簡易」は、計数ユニット19の回転円盤の駆動を開始してから計数機構の駆動を終了するまでの時間が異なる。メダルの投入あるいは計数ボタンを押下した場合のように、計数対象となるメダルの存在が確実である場合には、駆動時間「通常」が用いられる。一方、カード返却操作を受け付けた場合のように、計数対象となるメダルが存在するか否か不明である場合には、駆動時間「通常」よりも計数機構の駆動を終了するまでの時間が短い駆動時間「簡易」が用いられる。駆動時間「簡易」は、「通常」よりも早いタイミングでメダルなしを判定するため駆動時間が短く、メダルがない場合の処理が速いため、主に投入検知できなかったメダルがないかの確認に使用される。ただし、駆動時間「簡易」の場合でも、メダルが検知された場合には駆動時間「通常」に移行するように駆動制御される。
なお、駆動時間「簡易」から駆動時間「通常」に移行する場合には、計数ユニット19の回転円盤19dの駆動は、駆動時間「簡易」と同じ方向にホッパ回転(正回転)するように計数ユニット19が駆動制御する。
第一計数動作は、駆動時間「通常」であり、計数値の取り扱いを「持メダルへの加算」とする動作モードである。この動作モードは、メダルを計数して持メダルとするために、実際にメダル投入口19aからメダルが投入されることを前提としている。
第二計数動作は、駆動時間「通常」であり、計数値の取り扱いを「破棄」とする動作モードである。この第二計数動作では、メダルの計数結果は持メダルに加算されずに破棄される。
第三計数動作は、駆動時間「簡易」であり、計数値の取り扱いを「持メダルへの加算」とする動作モードである。第三計数動作により計数を行った結果、メダルが検知されたならば、第三計数動作から第一計数動作に自動的に移行する。
第四計数動作は、駆動時間「簡易」であり、計数値の取り扱いを「破棄」とする動作モードである。第四計数動作により計数を行った結果、メダルが検知されたならば、第四計数動作から第二計数動作に自動的に移行する。
次に上記4つの計数動作の開始タイミングについて詳細に説明する。図9は、4つの計数動作の開始タイミングを説明するための説明図である。図9に示すように、営業時間中にメダル投入口19aに対するメダルの投入を検知又は計数ボタンが押下された場合には第一計数動作でメダルを計数する。同様に、営業時間中に計数ボタンが押下された場合には第一計数動作でメダルを計数する。
また、閉店後の試し打ちでメダル投入口19aにメダルが投入された場合には第二計数動作でメダルを計数する。試し打ちの場合には、遊技機20の動作確認等を目的に行うものであり、メダルの計数値は不要となる。
また、閉店から開店若しくはテストモードへ移行する信号を受信した場合には第二計数動作でメダルを計数する。開店若しくはテストモードへの移行の場合には、開店又はテストに備えて計数ユニット19内に残留するメダルを確実に排除する必要があるため、駆動時間「通常」の第二計数動作を用いる。
営業時間中に所定の操作を受け付けた場合と、システムモードの変化に関する信号を受信した場合には、第三計数動作によりメダルを計数する。具体的には、カードの返却操作を受け付けた時と、持メダルの分割操作を受け付けた時と、携帯端末を用いた貯メダル操作を受け付けた時と、入金を受け付けた時には第三計数動作によりメダルを計数する。また一般カードのプリペイド価値の残高が0あるいは遊技媒体の払い出しが不可となった場合には第三計数動作によりメダルを計数する。また、計数に関わるエラーが解除された時と、計数値のクリアを指示する計数クリアコマンドの受信時には第三計数動作によりメダルを計数する。また、営業時間中に台間メダル貸機10の電源オフ・オンが行われた場合には第三計数動作によりメダルを計数する。
カードの返却及び持メダル分割時は、カードID16aに持メダル口座の残高を関連付けるため、計数ユニット19内の残留メダルがある場合にはその計数結果を持メダル口座に加算する必要があるが、残留メダルがないにも関わらず計数に時間がかかるとカード返却が遅れるため、第三計数動作を用いる。また、携帯端末を用いた貯メダル操作の場合も携帯端末を台間メダル貸機のかざし部14bにかざして、メダル数の関連付けを行うために、計数に時間を要するのは不適切であることから、第三計数動作を用いることとしている。入金を受け付けた場合にも、入金の未確定状態を短時間とするために第三計数動作を用いている。この計数により計数結果が一定数以上となった場合には、無用な紙幣の消費を防ぐため、持メダルの使用を促し、紙幣を返却する。計数結果が一定数未満であれば、計数結果を持メダル残高に加算して入金を確定する。
一般カードのプリペイド価値の残高が0あるいは遊技媒体の払い出しが不可となった場合には、遊技客が離席する可能性があるため、玉貸操作又は持メダル再プレイ操作を受け付けてプリペイド価値及び持メダル口座の残高が全て「0」となった時点で第三計数動作を行う。
計数に関わるエラーが解除された場合には、解除指示信号を受信した時点を第三計数動作の開始タイミングとする。計数途中でエラーが発生した場合など、持メダル口座に加算すべき残留メダルが存在する可能性があるためである。
計数クリアコマンドとは、開店前にシステムが起動されている状態で、遊技店の集計情報の保護を行うためのコマンドである。台間メダル貸機10は、この計数クリアコマンドを受信したタイミングで第三計数動作による計数を行って、計数結果を上位装置に送信する。この結果、台間メダル貸機10の計数ユニット19に残留メダルしたメダルは取り除かれる。また、上位装置では計数クリアコマンドに基づく計数結果を受信し、遊技店の集計情報に加えることができるので、台間メダル貸機10内に残留したメダルにより集計結果が不整合となることを防止できる。なお、台間メダル貸機10は、計数クリアコマンドに基づく計数結果を上位装置に送信した後、計数結果を破棄し、持メダル口座の残高を「0」にクリアする。
開店あるいはテストモードから閉店モードへ変化する場合には、システムモード変更指示信号を受信した時点で第三計数動作による計数を開始する。この計数結果も上位装置に送信され、遊技店内のメダルの集計情報に加えられる。なお、テストモードとはシステム全体でテストを行うものであり、テストモードへ移行する段階で、第二計数動作により残留メダルの計数が行われ、計数値が破棄されて初期化される。このため、テストモードから閉店モードへ移行する段階で第三計数動作を行うことにより、テストモード中の計数が正確に行われたかを確認することが可能となる。
営業中に台間メダル貸機10の電源オフ・オンを行われた場合には、電源オフ状態からオンになり、台間メダル貸機10として起動準備が完了してREADY信号等を状態管理部17dが検知した時点を第三計数動作の開始タイミングとする。この場合には、電源オフが行われる前に遊技客が投入したメダルが残留している可能性があるため、計数結果は持メダル口座の残高へ加算する。
第四計数動作は、閉店中に台間メダル貸機10の電源オフ・オンが行われた場合に用いる。この場合には、営業中の電源オフ・オンと同様、READY信号等を状態管理部17dが検知した時点が第四計数動作の開始タイミングとなる。なお、この場合には、閉店モード移行の段階で店のメダルの集計は終了しており、遊技客もいないので、残留メダルを排除するための動作として用いられる。このため、計数結果は破棄する。
次に、台間メダル貸機10によるメダルの計数処理手順について説明する。図10は、台間メダル貸機10のメダル計数処理手順を説明するためのフローチャートである。台間メダル貸機10の状態管理部17dは、閉店から開店モードへ移行する信号を受信したならば(ステップS101;Yes)、計数制御部17eに対して第二計数動作を行うように指示する。計数制御部17eは、第二計数動作を行い、計数ユニット19を駆動させ、残留するメダルの計数を行い、メダルがあった場合には計数値を破棄する(ステップS102)。開店モードへ移行する信号を受信しない場合には(ステップS101;No)、待機状態を維持する。
ステップS102の後、状態管理部17dは、計数クリアコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS103)。状態管理部17dは、計数クリアコマンドを受信した場合には(ステップS103;Yes)、計数制御部17eに対して第三計数動作を行うように指示する。計数制御部17eは、計数ユニット19を駆動し、第三計数動作を行い、残留メダルがあった場合には計数結果を上位装置に送信し、その後、計数結果をゼロクリアする(ステップS104)。
ステップS104の後、若しくは計数クリアコマンドを受信していない場合には(ステップS103;No)、台間メダル貸機10は、営業時間中メダル計数処理を行う(ステップS105)。この営業時間中メダル計数処理の詳細については後述する。
ステップS105の後、状態管理部17dは、開店から閉店へ移行する信号を受信したか否かを判定する(ステップS106)。閉店へ移行する信号を受信しない場合には(ステップS106;No)、状態管理部17dは、計数制御部17eに対して営業中のメダル計数処理を継続させる。
開店から閉店へ移行する信号を受信した場合には(ステップS106;Yes)、状態管理部17dは、閉店処理を実行し(ステップS107)、処理を終了する。閉店処理の中では計数も行うが、その詳細については後述する。
次に、営業時間中メダル計数処理について説明する。図11は、図10に示したフローチャートの営業時間中メダル計数処理の処理手順を示したフローチャートである。
計数制御部17eは、メダルの投入又は計数ボタンの押下を検知した場合には(ステップS201;Yes)、計数ユニット19を駆動させ、第一計数動作により投入されたメダルの計数を行い、持メダル口座の残高に加算する(ステップS202)。メダルの投入又は計数ボタンの押下の受け付けがなかった場合には(ステップS201;No)、ステップS203に移行する。
ステップS203では、計数制御部17eは、カード返却、持メダル分割、携帯端末による貯メダル操作のいずれかを受け付けたか否かを判定する。カード返却、持メダル分割、携帯端末による貯メダル操作のいずれかを受け付けた場合には(ステップS203;Yes)、計数制御部17eは、計数ユニット19を駆動し、第三計数動作を行い、メダルを計数した場合には持メダル口座の残高に加算させて(ステップS212)、処理を終了する。いずれの操作も受け付けていない場合には(ステップS203;No)、紙幣の挿入を検知したかどうかを判定する(ステップS204)。
紙幣の挿入を検知した場合には(ステップS204;Yes)、紙幣処理部17bは、入金確定前に、計数制御部17eに対して第三計数動作を行わせる(ステップS205)。その結果、一定数以上のメダルがあった場合には(ステップS206;Yes)、紙幣処理部17bは紙幣を返却して(ステップS207)、ステップS209に移行する。
ステップS205で計数したメダルが一定数に満たない場合には(ステップS206;No)、計数制御部17eは、計数結果を持メダル口座の残高に加算するとともに、データ管理部17aは、紙幣の額面に応じて有価価値データ16bのプリペイド価値を加算して(ステップS208)、ステップS209に移行する。紙幣の受け付けがない場合には(ステップS204;No)、ステップS209に移行する。
ステップS209では、データ管理部17aは、一般カードのプリペイド価値及び持メダル口座残高が全て「0」となったかを判定する。一般カードのプリペイド価値及び持メダル口座残高が全て「0」となったならば(ステップS209;Yes)、データ管理部17aは、計数制御部17eに対して第三計数動作を行わせ、メダルがある場合には持メダル口座の残高に加算させて(ステップS212)、処理を終了する。一般カードではなく会員カードである場合、若しくはプリペイド価値又は持メダル口座の残高が「0」でない場合(ステップS209;No)、計数に関わるエラーの解除の指示を受信したか否かを判定する(ステップS210)。
計数に関わるエラーの解除の指示を受信した場合には(ステップS210;Yes)、計数制御部17eは、第三計数動作を行い、メダルを検知した場合には計数結果を持メダル口座の残高に加算させて(ステップS212)、処理を終了する。計数に関わるエラーの解除の指示を受信していない場合には(ステップS210;No)、状態管理部17dは、台間メダル貸機10が電源オフ状態から電源オンの起動状態になったかどうかを判定する(ステップS211)。
状態管理部17dは、台間メダル貸機10の電源投入による起動を検知した場合には(ステップS211;Yes)、計数制御部17eに対して第三計数動作を行わせ、メダルを計数した場合には、持メダル残高に加算させて(ステップS212)、処理を終了する。従業員により台間メダル貸機10の電源オフ・オンが行われない場合には(ステップS211;No)、処理を終了する。
次に、閉店処理時の計数処理について説明する。図12は、図10のフローチャートで示した閉店処理における計数処理の処理手順を示したフローチャートである。
状態管理部17dは開店モードから閉店モードへの移行に伴い、計数制御部17eに対して第三計数動作を行わせ、計数結果のカード管理装置40への送信を計数データ送信部17fに行わせる(ステップS301)。
ステップS301の後、状態管理部17dは、閉店モードからテストモードに変化する信号を受信したか否かを判定する(ステップS302)。状態管理部17dは、閉店モードからテストモードに変化する信号を受信していない場合には(ステップS302;No)、ステップS307に移行する。一方、閉店モードからテストモードに変化する信号を受信した場合には(ステップS302;Yes)、状態管理部17dは、計数制御部17eに対して第二計数動作を行わせ、計数結果を破棄させる(ステップS303)。その後、テストモードにおける所定の動作チェックを行う(ステップS304)。
ステップS304の後、状態管理部17dは、テストモードから閉店モードへの変更を指示するシステムモード変更指示信号を受信したか否かを判定する(ステップS305)。テストモードから閉店モードへの変更を指示するシステムモード変更指示信号を受信していなければ(ステップS305;No)、ステップS304に移行する。一方、テストモードから閉店モードへの変更を指示するシステムモード変更指示信号を受信したならば(ステップS305;Yes)、計数制御部17eに対して第三計数動作を行わせ、計数結果のカード管理装置40への送信を計数データ送信部17fに実行させる(ステップS306)。
ステップS306の後、若しくは閉店モードからテストモードに変化する信号を受信しない場合に(ステップS302;No)、状態管理部17dは、台間メダル貸機10の電源オフ及びオンによる再起動が行われたか否かを判定する(ステップS307)。状態管理部17dは、台間メダル貸機10の電源投入による起動を検知した場合には(ステップS307;Yes)、計数制御部17eに対して第四計数動作を行わせ、計数結果を破棄する(ステップS308)。
ステップS308の後、若しくは台間メダル貸機10の電源オフ及びオンによる再起動が行われていない場合に(ステップS307;No)、計数制御部17eは、試し打ちによるメダルの投入が行われたか否かを判定する(ステップS309)。メダルの投入を検知した場合には(ステップS309;Yes)、第二計数動作を行い、計数結果を破棄する(ステップS310)。
ステップS310の後、若しくはメダルの投入を検知していない場合(ステップS309;No)、状態管理部17dは、閉店指示の信号を受信したか否かを判定する(ステップS311)。閉店指示の信号を受信してしない場合には(ステップS311;No)、S302に移行する。閉店指示の信号を受信した場合には(ステップS311;Yes)、台間メダル貸機10の電源オフ待機となって、処理を終了する。
上述したように、本実施例では、メダル計数を求める操作を受け付けた場合以外でも、所定の条件が成立した場合には計数ユニット19を駆動させ、計数ユニット19内に残留した可能性のあるメダルを計数し、遊技客の持メダル口座の残高に加算するように構成した。このため、カード返却を伴う操作を受け付けた場合や一般カードのプリペイド価値及び持メダル口座の残高が全て0になった場合のように、遊技客が計数ユニット19内に残留したメダルに気付かずに離席する可能性がある場合であっても、その残留メダルを計数して持メダル口座の残高に加算し、遊技客が損失を被ることを防止できる。
また、本実施例では、開店、閉店及びテストモード等遊技システムのモード変化時にも計数動作を行い、メダルの計数あるいは破棄を行うことによって、遊技店にとって、メダルの集計情報を保護するとともに、メダルの集計の正確性を期すことができる。
なお、本実施例では、一定数以上の残留メダルを計数した場合に、挿入した紙幣を返却するとしたが、遊技客に持メダルへの加算か、紙幣の返却(残留メダルの使用)かを選択させるようにしてもよい。
また、本実施例では詳細には説明しなかったが、メダルの集計誤差が大きい場合に計数機構を駆動させて、計数ユニット19内に残留メダルの有無を確認し、集計誤差の原因を調べることもできる。計数動作を行っても集計誤差に変化がない場合には持ち出しの可能性が考えられるからである。なお、この場合には、台間メダル貸機10は第三計数動作を選択し、残留メダルの計数結果を持メダル残高に加算する。
なお、本実施例では、持メダルに加算すべきでないメダルの計数値については台間メダル貸機10で破棄する構成を例示したが、このメダルの計数値をカード管理装置40に通知するように構成してもよい。この場合、カード管理装置40は、通知されたメダルの計数値を持メダル数とは別に管理してもよいし、カード管理装置40でクリアしてもよい。
また、本実施例の計数動作とは、回転円盤19dの駆動動作のことである。すなわち、計数するとは記載しているが全て計数する必要はない。もちろん、全て計数処理してもかまわない。
本実施例では、ホッパ式の回転機構を利用したメダル計数ユニット19を搭載した台間メダル貸機10について本発明を適用した場合について説明したが、変形例として、ベルト駆動式の計数機構を搭載した台間メダル貸機10においても適用が可能である。
図13は、台間メダル貸機10に搭載されたベルト駆動式の計数機構を利用した計数ユニット119の断面構成図を示した図である。図13に示すように、計数ユニット119は、3つのローラとベルトを有する第1搬送機構120と、2つのプーリと搬送ベルトを有する第2搬送機構121と、メダル通路119bと、2つの検知センサ119c、119dとを有する。
計数ユニット119の計数機構の概要について説明する。投入口19aから投入されたメダルは第1搬送機構120に積層状態で貯留される。そして第1搬送機構120によってメダルは1層1列状態にされ、第2搬送機構121に送られる。第2搬送機構121はメダルをメダル通路119b上の後方のメダル回収部まで搬送する。搬送されたメダルは、メダル通路119bの途中にある2つの検知センサ119c及び119dにより、メダルの真贋判定と、偽メダルと判定されたメダルを除いた正規メダルのみ計数が行われる。
ベルト駆動式の計数ユニット119の場合には、実施例の計数動作である回転円盤19dの駆動動作に相当するのはベルトの駆動動作になる。また、ホッパ回転式の計数ユニット19のように、回転円盤19d上のメダルの存在を検出した後に回転円盤19dを駆動させて、回転円盤19dから出るメダルを計数センサにより計数する機構とは異なる。このため、ベルト駆動式の計数ユニット119の場合には、計数動作モードは、その構成及び計数動作に応じて、実施例の4つの計数動作モードのうち、適合するモードを選択するようにしてもよい。
また、本実施例及び変形例では、遊技媒体数を関連づける媒体であるカードの形態についての詳細な説明を省略したが、かかるカードには、磁気カード、ICカード等が含まれる。また、ここでは説明の便宜上「カード」を例にとって説明したが、かかるカード以外に、チップ、スティック、携帯端末等を用いる場合に本発明を適用することもできる。特に、ICチップ付携帯端末を媒体として用いる場合は、当該携帯端末のICチップから非接触にて取得可能な識別情報を用いて携帯端末を一意に識別できるため、当該識別情報に関連付けて遊技媒体数を管理することができる。
また、本実施例及び変形例では、メダルを遊技媒体として用いる遊技機に併設される各台装置を例に説明を行った。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、球状の遊技媒体(遊技玉)を遊技媒体として用いる遊技機に併設される各台装置に適用してもよい。
また、図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部または一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、カード管理装置40と会員管理装置50は一体となっていてもよい。また、台間メダル貸機10にカード挿入時、プリペイド価値、持メダル数及び貯メダル数が記憶される場所は特に限定されない。