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JP6228451B2 - 冷感シート - Google Patents

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Description

本発明は、冷感シートに関する。
従来より、含水ゲルシートを備えた冷感シートが開発されており、皮膚に貼付した際に水の気化熱によって局所に冷感を及ぼすことが知られている(例えば特許文献1)。こうした含水ゲルシートにメントール等の冷感剤を含有させることによって、さらに冷感付与効果を高めることも試みられている(例えば特許文献2)。
一方、ヒリヒリ感やつっぱり感等の皮膚感覚を低下又は緩和させる作用を有する成分として、trans−4−tert−ブチルシクロヘキサノールが知られており、これを含む皮膚刺激の治療や予防のための化粧用組成物が開発されている(例えば特許文献3)。また、かかるtrans−4−tert−ブチルシクロヘキサノールは、香料の一成分として用い得ることも知られている(例えば特許文献4)。
特開2002−241747号公報 特表2008−515785号公報 特表2012−523381号公報 特開2009−91342号公報
しかしながら、従来のような冷感シートを用いても、含水ゲルシートを備えた冷感シートを皮膚に貼付した際、皮膚温度が次第に上昇するにつれ、或いは一定時間同じ皮膚温度が継続するにつれ、冷感を感じ取れなくなる傾向にあるため、長時間持続して冷感効果を実感するのは困難な状況にある。
したがって、本発明は、冷感効果を増強しつつ、その持続性をも高めることのできる冷感シートに関する。
そこで本発明者は、種々検討したところ、特許文献3〜4に記載されるように、単に皮膚感覚を低下又は緩和させる作用を有する成分或いは香料成分として知られているにすぎないtrans−4−tert−ブチルシクロヘキサノールは、全く予想外にも冷感効果をもたらすことを見出し、さらにこれを特定量で用いた含水高分子ゲルシートを備える冷感シートであると、冷感効果の持続性を飛躍的に高められることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、含水高分子ゲルシートを備え、かつ該含水高分子ゲルシート中にtrans−4−tert−ブチルシクロヘキサノールを0.002質量%以上0.99質量%以下含有する冷感シートに関するものである。
本発明の冷感シートによれば、高い冷感効果を持続して発揮することができるため、皮膚に貼付して用いた際にも、心地よい冷感を長時間にわたり実感することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の冷感シートは、含水高分子ゲルシートを備え、かつ該含水高分子ゲルシート中にtrans−4−tert−ブチルシクロヘキサノールを0.002質量%以上0.99質量%以下含有する。
本発明の冷感シートが備える含水高分子ゲルシートは、本発明の冷感シートを皮膚に貼付した際、皮膚から含水高分子ゲルへと熱が伝導しながら、含水高分子ゲルシート中の水分が蒸散し、水の気化熱によって皮膚から供給された熱が奪われ冷却されるため、結果として冷感シートを貼付した部位に冷感をもたらす。そして、後述するtrans−4−tert−ブチルシクロヘキサノールと相まって、かかる冷感を長時間に亘って良好に持続させることができる。
含水高分子ゲルシートを形成する高分子としては、水を保持して適度な弾力性や柔軟性を有するゲルを形成し得るものであれば良く、例えば、カルボキシル基、硫酸基、又はリン酸基なる官能基を有する高分子が挙げられる。具体的には、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸及びその塩、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体等のポリ(メタ)アクリル酸;カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース等のアニオン性セルロース誘導体;ジェランガム、ペクチン、キサンタンガム、カラギーナン、寒天、アルギン酸及びその塩、アニオン性の澱粉誘導体等が挙げられ、これらの1種又は2種以上の高分子を使用できる。なかでも、高い保水量と、十分なゲル強度、及び皮膚に貼付した際における皮膚の凹凸やその動きに追従可能な柔軟性とを兼ね備える観点、並びに後述するように、本発明の冷感シートが含水高分子ゲルシートに繊維シートが積層されてなる場合、高い水分量を含水高分子ゲルシートから繊維シートへ供給し得る観点から、ポリ(メタ)アクリル酸、アニオン性セルロース誘導体及びカラギーナンから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、カルボキシメチルセルロースがより好ましい。これら高分子の含有量は、十分な水分量を供給し続ける観点から、含水高分子ゲルシート中に、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.5質量%以上であり、さらに好ましくは1質量%以上である。これら高分子の含有量は、同様の観点から、含水高分子ゲルシート中に、好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは20質量%以下であり、さらに好ましくは15質量%以下である。また、これら高分子の含有量は、含水高分子ゲルシート中に、好ましくは0.1〜30質量%であり、より好ましくは0.5〜20質量%であり、さらに好ましくは1〜15質量%である。含水高分子ゲルシートにおける含有量がかかる値となる量で、ゲル原液に配合するとよい。
含水高分子ゲルシート中における水分含有量は、水の気化熱により持続的に貼付部位に冷感をもたらす観点から、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは60質量%以上であり、さらに好ましくは70質量%以上である。含水高分子ゲルシート中における水分含有量は、同様の観点から、好ましくは99質量%以下であり、より好ましくは95質量%以下である。また、含水高分子ゲルシート中における水分含有量は、好ましくは50〜99質量%であり、より好ましくは60〜99質量%であり、さらに好ましくは70〜95質量%である。含水高分子ゲルシート中の水分量がかかる値となる量で、ゲル原液に配合するとよい。
本発明の冷感シートが備える含水高分子ゲルシートは、trans−4−tert−ブチルシクロヘキサノールを0.002質量%以上0.99質量%以下含有する。かかるtrans−4−tert−ブチルシクロヘキサノールを特定量で含有することにより、体感温度を効果的に低減して心地よい冷感作用をもたらし、含水高分子ゲルシート中の水分と相まって冷感を増強しつつ、その持続性を効果的に高めることができる。trans−4−tert−ブチルシクロヘキサノールを含有する市販品としては、例えば、SymSitive 1609、SymSitive DPG(いずれもシムライズ(株)製)を好適に用いることができる。また、例えばP−T−BUTYL CYCLOHEXANOL(高砂香料工業(株))のような4−tert−ブチルシクロヘキサノールのcis体およびtrans体混合物も使用可能である。
trans−4−tert−ブチルシクロヘキサノールの含有量は、冷感を増強してその持続性を効果的に高める観点から、含水高分子ゲルシート中に、0.002質量%以上であって、好ましくは0.005質量%以上であり、より好ましくは0.008質量%以上である。trans−4−tert−ブチルシクロヘキサノールの含有量は、刺激性や臭い等の発現を抑制して良好な使用感を保持する観点から、含水高分子ゲルシート中に、0.99質量%以下であって、好ましくは0.75質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以下である。また、trans−4−tert−ブチルシクロヘキサノールの含有量は、含水高分子ゲルシート中に、0.002質量%以上0.99質量%以下であって、好ましくは0.005〜0.75質量%であり、より好ましくは0.008〜0.5質量%である。
含水高分子ゲルシートの厚みは、皮膚に貼付した際の蓄熱を回避する観点から及び後述するように、本発明の冷感シートが含水高分子ゲルシートに繊維シートが積層されてなる場合、繊維シートがもたらす作用とも相まって、十分な水分量を繊維シートへ移行させ続ける観点から、好ましくは0.1mm以上であり、より好ましくは0.3mm以上であり、さらに好ましくは0.5mm以上である。含水高分子ゲルシートの厚みは、同様の観点から、好ましくは4mm以下であり、より好ましくは3mm以下であり、さらに好ましくは2mm以下である。また、含水高分子ゲルシートの厚みは、好ましくは0.1mm以上4mm以下であり、より好ましくは0.3〜3mmであり、さらに好ましくは0.5〜2mmである。
上記高分子によりゲルを形成する際、さらに架橋剤を用いて高分子が有する官能基と反応させるのがよい。かかる架橋剤としては、アルミニウム、マグネシウム、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、カドミウム、鉛、カルシウム、カリウム等を含む酸化物や水酸化物、塩類のような金属イオン化合物;ポリリジン等のポリアミノ酸のようなカチオン性ポリマー;エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル等の多官能性エポキシ化合物から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
上記含水高分子ゲルシートは、従来より多用されていたメントール等の冷感剤を必ずしも含有せずとも、高い冷感を長時間にわたり持続させることができる。そのため、これらメントール等の冷感剤の含有量が高まるにつれ増強し得る刺激性等を考慮する必要がなく、良好な使用感を発揮することが可能である。かかる冷感剤としては、l−メントール、d−メントール、及びdl−メントール等のメントールのほか、メンチルエチルアミノシュウ酸、メンチルピロリドンカルボン酸、コハク酸メンチル、グルタル酸メンチル、エチルメンタンカルボキシアミド、メンタンカルボニルグリシンエチルエステル、メントン、メントングリセリンアセタール等のメントール誘導体が挙げられる。これら冷感剤の含有量は、含水高分子ゲルシート中に、好ましくは1質量%以下であり、さらに好ましくは0.5質量%以下であり、また刺激性低減の観点から、不可避的に混入する場合を除き、冷感剤を含有しないことが好ましい。
含水高分子ゲルシートのpHは3.5〜7が好ましい。通常、ヒトの正常な皮膚のpHは上記範囲内にあり、皮膚のpHが必要以上に変動すると皮膚の機能が妨げられてしまうことから、皮膚に直接接し得る含水高分子ゲルシートのpHも上記範囲であることが好ましい。かかるpHは、適宜pH調整剤を用いることによって調整すればよい。pH調整剤としては、例えばコハク酸、クエン酸、酒石酸等の有機酸又はこれらの塩、或いはリン酸又はその塩等が好適に使用される。上記含水高分子ゲルシートのpHは、より好ましくは4〜7であり、さらに好ましくは4〜6.5である。
なお、含水高分子ゲルシートのpHは、含水高分子ゲルシート0.5gを純水4.5gに溶解するまで混合撹拌し、その分散液のpHをpHメーター(B−212,HORIBA)にて測定した値である。
含水高分子ゲルシートには、上記成分のほか、通常、化粧品や医薬品等で用いられる他の成分、例えば、グリセリン、1.3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリグリセリン、ポリエチレングリコール等の多価アルコール類、尿素、アミノ酸類、ヒアルロン酸ナトリウム等の保湿剤;油剤;アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等の界面活性剤;薬効成分;防腐剤;酸化防止剤;紫外線吸収剤;溶解剤;着色料;「合成香料化学と商品知識」、印藤元一著、1996年化学工業日報社刊;「パフューム アンド フレバー ケミカルス(Perfume and Flavor Chemicals)」、ステファンアークタンダー(STEFFENARCTAMDER)著、1969年等の文献に記載された香料等であって、上記冷感剤及びtrans−4−tert−ブチルシクロヘキサノール以外の成分を適宜含有させてもよい。また、これらの成分は、後述する繊維シートに含有させてもよい。
含水高分子ゲルシートを製造するには、まず、高分子、水、trans−4−tert−ブチルシクロヘキサノール、及び必要に応じて他の成分を含有するゲル原液を調製する。次いで、剥離可能なフィルムにゲル原液を挟み込み、ベーカー式アプリケーター等を用いて展延する。このとき、ゲル原液を挟み込む一方の面を後述する繊維シートとしてもよい。そして、加温下で数日間熟成させることにより、含水高分子ゲルシートを得る。なお、含水高分子ゲルシートは、従来公知の方法にしたがって製造することができ、これに限られるものではない。
本発明の冷感シートは、上記含水高分子ゲルシートの少なくとも一方の面に、繊維シートが積層されてなるものであることが好ましい。これにより、含水高分子ゲルシートを単に担持させることができるだけでなく、含水高分子ゲルシートから繊維シートへと水分が移行し、かかる繊維シートから徐々に水分が蒸発することで冷却効果が発揮される。本発明は、このような水分の蒸散による冷却効果を発揮する繊維シートと組み合わせると、冷感効果の持続性を高めることができる点から好ましい。
繊維シートの素材としては、水分を含水高分子ゲルシートから水を繊維シート層へ移行させ、水分の蒸散速度を向上させる観点から、吸水性を有する繊維(吸水性繊維)を含有することが好ましい。
繊維シートが含有する吸水性繊維としては、具体的には、例えば、レーヨン、コットン、キュプラ、麻、ウール、シルク、アセテート、セルロース、木材パルプ、非木材パルプ等の吸水性繊維;水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、アミド基、アミノ酸基等の親水性基を有するポリマー、例えばポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、酢酸セルロース、ポリアクリルアミド、メラミン樹脂、親水性ポリウレタン等の親水性ポリマーからなる吸水性繊維;親水化処理したポリエステル等、親水化処理した疎水性ポリマーからなる吸水性繊維;ポリエチレンやポリプロピレン等の疎水性ポリマーからなる疎水性部と親水性ポリマーからなる吸水性部とを備える吸水性の複合繊維等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。吸水性の複合繊維としては、例えば、芯部と鞘部とからなり、少なくとも一方が親水性ポリマーからなる芯鞘構造を有する繊維が挙げられる。また、繊維内部に水分を保持する空隙が形成されてなる多孔質構造を呈していてもよい。
なお、個々の繊維については、少なくとも一部が一方向に配向した状態で存在していてもよく、あるいはランダムな方向に配向していてもよい。
これら吸水性繊維のなかでも、レーヨン、コットン、セルロース、パルプ及びポリビニルアルコールから選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
繊維シートに吸水性繊維を含有する場合、吸水性繊維のみからなる繊維シートであってもよく、吸水性繊維と疎水性繊維とを含有する混合繊維シートであってもよい。具体的には、繊維シート中における吸水性繊維の含有量は、含水高分子ゲルシートから繊維シートの繊維への水分の移行、並びに繊維からの水分蒸散が非常に良好に促進される観点から、繊維シート中に、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは5質量%以上であり、さらに好ましくは10質量%以上、ことさらに好ましくは30質量%以上である。繊維シート中における吸水性繊維の含有量は、繊維シート中に、好ましくは100質量%以下である。また、繊維シート中における吸水性繊維の含有量は、繊維シート中に、好ましくは1〜100質量%であり、より好ましくは5〜100質量%であり、さらに好ましくは10〜100質量%、ことさらに好ましくは30〜100質量%である。
繊維シートの坪量は、含水高分子ゲルシートから繊維シートの繊維への水分の移行、並びに繊維からの水分蒸散が非常に良好に促進される観点から、好ましくは50g/m2以下であり、より好ましくは40g/m2以下、さらに好ましくは30g/m2以下である。吸水性繊維シートの坪量は、同様の観点から、好ましくは3g/m2以上であり、より好ましくは5g/m2以上であり、さらに好ましくは10g/m2以上である。また、吸水性繊維シートの坪量は、好ましくは3〜50g/m2であり、より好ましくは5〜40g/m2であり、さらに好ましくは10〜30g/m2である。
繊維シートは、含水高分子ゲルシートから繊維シートへの水分の移行、並びに繊維シートからの水分蒸散が非常に良好に促進される観点から、好ましくは不織布、織布、編布及び紙から選ばれる1種又は2種以上であり、より好ましくは不織布である。
繊維シートの厚みは、含水高分子ゲルシートに含まれる水分の蒸散を阻害せず、かつこの効果を長時間に亘って持続させる観点から、好ましくは0.01mm以上であり、より好ましくは0.05mm以上である。繊維シートの厚みは、同様の観点から、好ましくは0.8mm以下であり、より好ましくは0.6mm以下である。また、繊維シートの厚みは、好ましくは0.01〜0.8mmであり、より好ましくは0.05〜0.6mmである。
本発明の冷感シートは、皮膚に貼付することによって用いるのが好ましく、貼付した皮膚に対し、効果的かつ持続的に冷感をもたらすことができる。すなわち、外皮(頭皮を含む)に貼付するための化粧料、医薬品、医薬部外品及び雑貨として、その用途は多岐に亘る。例えば、急な発熱時に額や首元に冷感を付与したい場合、夏場の暑くて寝苦しい夜の就寝前に四肢や体、頸、顔面、頭部に対し、持続的に冷感を付与したい場合、夏場の高温多湿時の屋内外で頻繁にシートを取り換える必要なく、持続性の高い冷感を得たい場合など、所望の部位の皮膚上に貼付して用いることができる。
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下の冷感シートを開示する。
[1]含水高分子ゲルシートを備え、かつ該含水高分子ゲルシート中にtrans−4−tert−ブチルシクロヘキサノールを0.002質量%以上0.99質量%以下含有する冷感シート。
[2]含水高分子ゲルシートを形成する高分子が、好ましくはカルボキシル基、硫酸基、又はリン酸基なる官能基を有する高分子であり、より好ましくはポリ(メタ)アクリル酸、アニオン性セルロース誘導体及びカラギーナンから選ばれる1種又は2種以上であり、さらに好ましくはカルボキシメチルセルロースである上記[1]冷感のシート。
[3]含水高分子ゲルシート中における水分含有量が、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは60質量%以上であり、さらに好ましくは70質量%以上であり、好ましくは99質量%以下であり、より好ましくは95質量%以下である上記[1]又は[2]の冷感シート。
[4]含水高分子ゲルシート中におけるtrans−4−tert−ブチルシクロヘキサノールの含有量が、好ましくは0.005質量%以上であり、より好ましくは0.008質量%以上であり、好ましくは0.75質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以下である上記[1]〜[3]いずれか1の冷感シート。
[5]含水高分子ゲルシートの厚みは、好ましくは0.1mm以上であり、より好ましくは0.3mm以上であり、さらに好ましくは0.5mm以上であり、好ましくは4mm以下であり、より好ましくは3mm以下であり、さらに好ましくは2mm以下である上記[1]〜[4]いずれか1の冷感シート。
[6]含水高分子ゲルシート中における冷感剤の含有量は、好ましくは1質量%以下であり、さらに好ましくは0.5質量%以下であり、また好ましくは不可避的に混入する場合を除き、冷感剤を含有しない上記[1]〜[5]いずれか1の冷感シート。
[7]好ましくは含水高分子ゲルシートの少なくとも一方の面に、繊維シートが積層されてなる上記[1]〜[6]いずれか1の冷感シート。
[8]好ましくは繊維シートが吸水性繊維を含有するものであり、さらに吸水性繊維が、好ましくはレーヨン、コットン、セルロース、パルプ及びポリビニルアルコールから選ばれる1種又は2種以上である上記[7]の冷感シート。
[9]吸水性繊維の含有量は、繊維シート中に、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは5質量%以上であり、さらに好ましくは10質量%以上であり、また、好ましくは100質量%以下である上記[7]又は[8]の冷感シート。
[10]繊維シートの坪量は、好ましくは3g/m2以上であり、より好ましくは5g/m2以上であり、さらに好ましくは10g/m2以上であり、また、好ましくは50g/m2以下であり、より好ましくは40g/m2以下であり、さらに好ましくは30g/m2以下である上記[7]〜[9]いずれか1の冷感シート。
[11]繊維シートが、好ましくは不織布、織布、編布及び紙から選ばれる1種又は2種以上であり、より好ましくは不織布である上記[7]〜[10]いずれか1の冷感シート。
[12]繊維シートの厚みが、好ましくは0.01mm以上であり、より好ましくは0.05mm以上であり、また、好ましくは0.8mm以下であり、より好ましくは0.6mm以下である上記[7]〜[11]いずれか1の冷感シート。
[13]皮膚に貼付して用いるための上記[1]〜[12]いずれか1の冷感シート。
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明する。なお、表中に特に示さない限り、各成分の含有量は質量%を示す。
[実施例1〜3、比較例1〜3]
表1に示す処方にしたがい、ゲル厚み0.8mmの含水高分子ゲルシートを調製して冷感シートを得た。
具体的には、まずグリセリン、パラオキシ安息香酸メチルを加温溶解させたプロピレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、乾燥水酸化アルミニウムゲルとの混合液を混練機に投入し、次にコハク酸水溶液、ポリエチレングリコール400(比較例3のみ使用せず)、trans−4−tert−ブチルシクロヘキサノール、及び香料(冷感剤に該当する成分を含まない)を添加して、未架橋ゲル原液を調製した。次いで、得られた未架橋ゲル原液を、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに挟み込み、ベーカー式アプリケーターによってゲル原液の厚さを0.8mmに調整して展延し、シート状にした。シート状の一方の面に厚み0.2mm、坪量24g/m2の吸水性不織布(レーヨン+パルプ+ポリビニルアルコール+ポリエチレンテレフタレート=23+28+3+15+31質量%(芯部)/ポリエチレン(鞘部))を押し付けて積層し、得られたシートをアルミピローに封入して密封した後、50℃で2日間熟成し、ゲル原液中の架橋反応を進行させて含水高分子ゲルシートを形成した。なお、調製したゲル原液のpHは、4.5〜6.5であった。得られた含水高分子ゲルシートを長方形(面積50cm2)に型抜きして完成させた。
得られた含水高分子ゲルシートの片面のPETフィルムを剥離した後、かかる面を額に貼付し、貼付直後から5分、10分、20分、30分、45分、60分経過した時点での冷感について、下記基準にしたがってモニター5人による評価を行い、その平均値を求めた。なお、比較例3の含水高分子ゲルシートは、貼付直後から刺激性が感じられるとともに、貼付部位の皮膚に赤みが生じたため、冷感評価を行わなかった。
結果を表1に示す。
《冷感評価》
4:強い冷感を感じる
3:冷感を感じる
2:やや冷感を感じる
1:かすかに冷感を感じる
0:冷感を全く感じない
Figure 0006228451
[実施例4]
プロピレングリコールを1,3−ブチレングリコールに替え、カルボキシメチルセルロースナトリウムに加え、さらにポリアクリル酸ナトリウム及びポリアクリル酸を用い、コハク酸水溶液に加え、さらに酒石酸水溶液を用いた以外、実施例1と同様にして冷感シートを得た。次いで、実施例1と同様にして、貼付直後から5分、10分、20分、30分経過した時点での冷感評価を行った。
結果を表2に示す。
Figure 0006228451
表1〜2の結果より、実施例1〜4のシートは、比較例1〜3のシートに比して、貼付後から30分経過した時点でも、高い冷感効果を発揮していることが確認され、60分経過した時点でも依然として良好な冷感効果を実感できることがわかる。

Claims (5)

  1. 含水高分子ゲルシートと、
    該含水高分子ゲルシートの少なくとも一方の面に積層された繊維シート
    を備え、
    水高分子ゲルシート中にtrans−4−tert−ブチルシクロヘキサノールを0.002質量%以上0.75質量%以下含有し、かつ
    繊維シートの坪量が3g/m 2 以上50g/m 2 以下である、
    冷感シート。
  2. 含水高分子ゲルシートの厚みが、0.1mm以上4mm以下である請求項1に記載の冷感シート。
  3. 繊維シートが、吸水性繊維を5質量%以上100質量%以下含有するものである請求項1又は2記載の冷感シート。
  4. 吸水性繊維が、レーヨン、コットン、セルロース、パルプ及びポリビニルアルコールから選ばれる1種又は2種以上である請求項に記載の冷感シート。
  5. 繊維シートの厚みが、0.01mm以上0.8mm以下である請求項のいずれか1項に記載の冷感シート。
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