JP5928809B2 - 棒状化粧料塗布容器 - Google Patents
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Description
そして、近年において、上記棒状化粧料は、塗布時のソフト感、発色の良さ、及び艶等が求められていることから非常に柔軟なものである。
しかしながら、棒状化粧料を平滑に塗布する必要があることから、塗布時にスリーブの先端が塗布面に対して直接接触しないようにしなければならず、必要以上に棒状化粧料をスリーブから突出させてしまうものである。従って、塗布後に棒状化粧料がスリーブより突出して残ってしまうと、キャップの装着により棒状化粧料が変形し、さらに装着するキャップのみならず周囲を汚損する恐れがある。
しかしながら、上記繰出機構の作動は、該繰出機構を構成する第一の螺合部と第二の螺合部との摩擦抵抗又は作動抵抗の大小差により行われるので、この第一の螺合部と第二の螺合部との摩擦抵抗又は作動抵抗が不正確であると第一の螺合部及び第二の螺合部において誤作動が起こる恐れがある。すなわち、棒状化粧料を本体内から突出させるとき、第1螺合部より先に第2螺合部が作動し、必要以上の棒状化粧料が突出し塗布後にパイプ部材を先筒内に収容しても、先筒から棒状化粧料が突出してしまうことで棒状化粧料の破損や、キャップのみならず、周囲をも汚損してしまうものである。そこで、該繰出機構では、該繰出機構を構成する部品において高い精度や追加部品が必要とされるので、製造作業が複雑となり、作業効率は低下して製造コストの上昇を招く恐れがある。
内装する繰出機構により、外筒内の中筒内において保持される棒状化粧料を前進自在に収容する本体と、該本体の前端開口部に対して着脱自在となるキャップとから構成され、
該本体内において、ネジ軸と連結する中皿と一体となる棒状化粧料を前進可能に保持する中筒と、後述する外筒と共に、本体に対して相対的に回転可能になる回止筒とを固持するものであって、
該本体内において内装される繰出機構を、
該本体内外方向に摺動し、本体内に固持される回止筒と一体となる外筒の第1繰出機構と、
中皿と連結するネジ軸と、該ネジ軸が回転不能に貫通し、外筒と一体となり、本体に対して相対的に回転可能になる回止筒と、該ネジ軸と噛合し、本体に対して相対的に回転不能になるネジ筒とからなる第2繰出機構とからなるものとし、
外筒の本体内外方向への摺動とともに、該外筒と一体となる回止筒によって露出した中筒内において保持される棒状化粧料を突出させ、又は中筒を外筒内へ収容してなるものである。
さらに、使用時には本体内方向へ摺動する外筒と一体となる回止筒によって、中筒内において保持される棒状化粧料を確実に突出させることができ、使用後には中筒から棒状化粧料が突出していても、外筒からは突出してしまうことなく、中筒を外筒内に確実に収容させることができるものとなる。
上記繰出機構において、
第1繰出機構は、側面に軸先端方向に対して左巻きのラセン溝を刻設し、本体に対して嵌合されるラセン筒と、外側面に該ラセン筒のラセン溝に遊嵌する突起を突設するとともに、後端縁に後述する回止筒の片歯カムと一方向のみ噛合して結合自在となる片歯カムを形成して、本体内外方向に摺動自在となる外筒とからなり、
第2繰出機構は、軸先端方向に向かって左巻きのネジ部を有し、棒状化粧料を保持する中皿と一体となるネジ軸と、該ネジ軸が回転不能に貫通するものであって、外方に向かって突設される鍔部に前記外筒の片歯カムと一方向のみ噛合して結合自在となる片歯カムを形成して、本体に対して相対的に回転可能になる回止筒と、該ネジ軸のネジ部と噛合する噛合せ部を形成し、本体に対して回転不能となるように嵌合されるネジ筒とからなるものであって、
本体の回転によって、外筒を本体内方向へ摺動させて中筒を露出させるとともに、外筒の片歯カムと回止筒の片歯カムとを噛合させて一体に結合させた上で、ネジ筒によって露出した中筒内において中皿に一体に保持される棒状化粧料を突出させ、又は外筒を本体外方向へ摺動させて中筒を外筒内ヘ収容してなるものである。
さらに、使用時には本体を右回転させることで、本体内側面のラセン溝に突起を遊嵌する外筒は本体内方向へ摺動して中筒を露出させるとともに、外筒の片歯カムと本体内の固持される回止筒の片歯カムとが噛合して両者は一体に結合した上で、本体に対して相対的に回転不能に嵌合されるネジ筒とネジ軸との噛合を介して該ネジ軸と一体となる中皿を前進させるものである。その結果、中筒より棒状化粧料を突出させることができるものとなる。一方、使用後には本体を反対方向に左回転させることで、該外筒の片歯カムと回止筒の片歯カムとの噛合による結合が解離するとともに、外筒はその突起を遊嵌するラセン溝によって誘導されて本体外方向へ摺動するものとなる。その結果、外筒内へ中筒を確実に収容できるものとなる。
すなわち、本体内外方向へ摺動する外筒と回止筒における片歯カム同士による結合又は解離によってのみ、露出した中筒内において保持される棒状化粧料を確実に突出させ、又は中筒から棒状化粧料を突出していても、外筒からは突出してしまうことなく、中筒を外筒内へ確実に収容することができるものとなる。
上記繰出機構において、
第1繰出機構は、本体の内側面に沿って周設する円周リブ及び後述する外筒の外側面に突設される係止突起間に係合自在となる軸方向に配設される縦リブと、外側面に該本体の内側面に突設する円周リブと係止自在となる係止突起を一定の間隔を持って突設するとともに、後述する回止筒の軸方向に配設される係合突縁に常時遊嵌される縦スリットを後端縁より軸方向に沿って刻設し、本体内外方向に摺動自在になる外筒とからなり、
第2繰出機構は、軸先端方向に向かって左巻きのネジ部を有し、中皿と一体となるネジ軸と、該ネジ軸が回転不能に貫通するものであって、外周面において該外筒の縦スリットと常時遊嵌する係合突縁を突設し、本体に対して相対的に回転可能になる回止筒と、該ネジ軸のネジ部と噛合する噛合せ部を形成し、本体に対して回転不能になるネジ筒とからなるものであって、
外筒を本体内方向へ摺動させて中筒を露出させるとともに、本体と共に回転するネジ筒によって露出した中筒内において中皿に一体に保持される棒状化粧料を突出させ、又は外筒を本体外方向へ摺動させて中筒を外筒内へ収容してなるものである。
さらに、使用時には外筒を本体内方向へ押勢することによって、外筒の係止突起と本体の内側面に突設された円周リブとの係止、及び本体の内側面に突設する縦リブと、該縦リブと係合して本体に対して回転不能となっている外筒の係止突起間との係合が解離しつつ外筒の縦スリットが回止筒の係合突縁に誘導されながら摺動して中筒を露出させるとともに、さらに本体を回転させることによって、本体に対して相対的に回転不能になるネジ筒とネジ軸との噛合を介して該ネジ軸と一体となる中皿を前進させるものである。その結果、中筒より棒状化粧料を突出させることができるものとなる。一方、使用後には外筒を本体外方向へ押勢することで外筒の縦スリットが回止筒の係合突縁に誘導されながら摺動して、該外筒の係止突起と本体の内側面に突設された円周リブとが係止するとともに、本体の縦リブが外筒の係止突起間とが係合するものとなる。その結果、外筒に対して本体は回転不能となるとともに、中筒を外筒へ確実に収容することができるものである。
すなわち、本体の円周リブと外筒の係止突起との係止、及び本体の縦リブと外筒の係止突起間と係合の結合又は解離によってのみ、露出した中筒内において保持される棒状化粧料を確実に突出させ、又は中筒から棒状化粧料を突出していても、外筒からは突出してしまうことなく中筒を外筒内へ確実に収容することができるものである。
そして、さらに外筒3を手でもって本体2を右回転させると、該本体2の後端開口部2bに密嵌する尾栓9に対して相対的に回転不能になるネジ筒11は本体2とともに回転し、該ネジ筒11は中筒4内において棒状化粧料5を保持する中皿7と一体になるネジ軸6と噛合し、且つ該ネジ軸6は手で持たれた外筒3と一体となって回転不能である回止筒8によってその回転が規制されているので、ネジ軸6は該ネジ軸6と一体となる中皿7とともに前進して、中筒4より棒状化粧料5を突出させることができるものとなる。
従って、中筒4内において保持される棒状化粧料5は、外筒3を本体2内方向へ摺動させて回止筒8と結合させることによってのみ前進可能となり、棒状化粧料5を確実に突出させることができるものとなる。
従って、外筒3を回止筒と解離させ、本体2外方向へ摺動させることで中筒4を外筒3内に収容するものであるので、中筒4外に棒状化粧料5を突出させたままでもキャップ12を確実に装着することができ、また突出していても、外筒からは突出してしまうことはないので、該棒状化粧料5に対して損傷させること、及び中筒4の収容にあたって誤作動で中筒4外へ棒状化粧料5を過剰に突出させることをも確実に防止できるものとなる。
そして、さらに外筒3’を手でもって本体2’を右回転させると、該本体2’の後端開口部2b’に密嵌する尾栓9’に対して相対的に回転不能になるネジ筒11’は本体2’とともに回転し、該ネジ筒11’は中筒4’内において棒状化粧料5’を保持する中皿7’と一体になるネジ軸6’と噛合し、且つ該ネジ軸6’は手で持たれた外筒3’と一体となって回転不能である回止筒8’によってその回転が規制されているので、ネジ軸6’は該ネジ軸6’と一体となる中皿7’とともに前進して、中筒4’より棒状化粧料5’が突出させることができるものとなる。
従って、中筒4’内において保持される棒状化粧料5’は、外筒3’を本体2’内方向へ摺動させて回止筒8’と結合させることによってのみ前進可能となり、棒状化粧料5’を確実に突出させることができるものとなる。
従って、外筒3’を本体2’外方向へ摺動して回止筒8’と解離させ、本体2’外方向へ摺動させることで中筒4’を外筒3’内に収容するものであるので、中筒4’外に棒状化粧料5’を突出させたままでもキャップ12’を確実に装着することができ、また突出していても、外筒からは突出してしまうことはないので、棒状化粧料5’に対して損傷させること、及び中筒4’の収容にあたって誤作動で中筒4’外へ棒状化粧料5’を過剰に突出させることをも確実に防止できるものとなる。
2、2’ 本体
2a、2a’ 前端開口部
2b、2b’ 後端開口部
2c’ 円周リブ
2d’ 縦リブ
3、3’ 外筒
3a 突起
3b 片歯カム
3a’ 係止突起
3b’ 縦スリット
4、4’ 中筒
5、5’ 棒状化粧料
6、6’ ネジ軸
6a、6a’ ネジ部
7、7’ 中皿
8、8’ 回止筒
8a 鍔部
8b 片歯カム
8a’ 係合突縁
9、9’ 尾栓
10 ラセン筒
10a ラセン溝
11、11’ ネジ筒
11a、11a’ 噛合せ部
12、12’ キャップ
Claims (3)
- 内装する繰出機構により、外筒内の中筒内において保持される棒状化粧料を前進自在に収容する本体と、該本体の前端開口部に対して着脱自在となるキャップとから構成され、
該本体内において、ネジ軸と連結する中皿と一体となる棒状化粧料を前進可能に保持する中筒と、後述する外筒と共に、本体に対して相対的に回転可能になる回止筒とを固持するものであって、
該本体内において内装される繰出機構を、
該本体内外方向に摺動し、本体内に固持される回止筒と一体となる外筒の第1繰出機構と、
中皿と連結するネジ軸と、該ネジ軸が回転不能に貫通し、外筒と一体となり、本体に対して相対的に回転可能になる回止筒と、該ネジ軸と噛合し、本体に対して相対的に回転不能になるネジ筒とからなる第2繰出機構とからなるものとし、
外筒の本体内外方向への摺動とともに、該外筒と一体となる回止筒によって露出した中筒内において保持される棒状化粧料を突出させ、又は中筒を外筒内へ収容してなる
ことを特徴とする棒状化粧料塗布容器。 - 上記繰出機構において、
第1繰出機構は、側面に軸先端方向に対して左巻きのラセン溝を刻設し、本体に対して嵌合されるラセン筒と、外側面に該ラセン筒のラセン溝に遊嵌する突起を突設するとともに、後端縁に後述する回止筒の片歯カムと一方向のみ噛合して結合自在となる片歯カムを形成して、本体内外方向に摺動自在となる外筒とからなり、
第2繰出機構は、軸先端方向に向かって左巻きのネジ部を有し、棒状化粧料を保持する中皿と一体となるネジ軸と、該ネジ軸が回転不能に貫通するものであって、外方に向かって突設される鍔部に前記外筒の片歯カムと一方向のみ噛合して結合自在となる片歯カムを形成して、本体に対して相対的に回転可能になる回止筒と、該ネジ軸のネジ部と噛合する噛合せ部を形成し、本体に対して回転不能となるように嵌合されるネジ筒とからなるものであって、
本体の回転によって、外筒を本体内方向へ摺動させて中筒を露出させるとともに、外筒の片歯カムと回止筒の片歯カムとを噛合させて一体に結合させた上で、ネジ筒によって露出した中筒内において中皿に一体に保持される棒状化粧料を突出させ、又は外筒を本体外方向へ摺動させて中筒を外筒内ヘ収容してなる
ことを特徴とする請求項1記載の棒状化粧料塗布容器。 - 上記繰出機構において、
第1繰出機構は、本体の内側面に沿って周設する円周リブ及び後述する外筒の外側面に突設される係止突起間に係合自在となる軸方向に配設される縦リブと、外側面に該本体の内側面に突設する円周リブと係止自在となる係止突起を一定の間隔を持って突設するとともに、後述する回止筒の軸方向に配設される係合突縁に常時遊嵌される縦スリットを後端縁より軸方向に沿って刻設し、本体内外方向に摺動自在になる外筒とからなり、
第2繰出機構は、軸先端方向に向かって左巻きのネジ部を有し、中皿と一体となるネジ軸と、該ネジ軸が回転不能に貫通するものであって、外周面において該外筒の縦スリットと常時遊嵌する係合突縁を突設し、本体に対して相対的に回転可能になる回止筒と、該ネジ軸のネジ部と噛合する噛合せ部を形成し、本体に対して回転不能になるネジ筒とからなるものであって、
外筒を本体内方向へ摺動させて中筒を露出させるとともに、本体と共に回転するネジ筒によって露出した中筒内において中皿に一体に保持される棒状化粧料を突出させ、又は外筒を本体外方向へ摺動させて中筒を外筒内へ収容してなる
ことを特徴とする請求項1記載の棒状化粧料塗布容器。
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