JP5971426B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Description
本発明は、ステアリング機構に与える操舵補助トルクを発生する電動モータを備える電動パワーステアリング装置に関し、特に端当て時の衝撃を緩和するための電動パワーステアリング装置に関するものである。
従来、ステアリング装置として、運転者がステアリングホイールを操舵する操舵トルクに応じて電動モータを駆動することにより、ステアリング機構に操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置が普及している。
一般に、ステアリング機構では、ステアリングホイールを中立位置から左右何れかの方向に操舵を続け、ステアリングホイールの操作量がその最大値に相当する最大舵角に達すると、ステアリング機構がメカニカルストッパに当接してそれ以上の操舵ができない操舵限界となる。このような操舵限界となって、メカニカルストッパに当接する状態となることを端当てと称している。
一般に、ステアリング機構では、ステアリングホイールを中立位置から左右何れかの方向に操舵を続け、ステアリングホイールの操作量がその最大値に相当する最大舵角に達すると、ステアリング機構がメカニカルストッパに当接してそれ以上の操舵ができない操舵限界となる。このような操舵限界となって、メカニカルストッパに当接する状態となることを端当てと称している。
そして、ステアリングホイールが素早く操作される場合、即ち操舵速度が大きい場合には、電動パワーステアリング装置で発生する操舵補助力も大きくなり、端当て時に生じる衝撃力も大きなものとなる。その結果、ステアリング機構の耐久性が低下したり、操舵操作において運転者が不快感を覚えたりすることがある。
そこで、端当て時の衝撃を緩和するための電動パワーステアリング装置として、例えば特許文献1に記載の技術がある。この技術は、操舵輪が所定の最大舵角に接近し減衰開始舵角を超えたことを検出したとき、電動モータの駆動力を減衰するようにしたものである。ここでは、上記減衰開始舵角は、操舵輪の負荷及び操舵輪の操舵速度に応じて設定している。
そこで、端当て時の衝撃を緩和するための電動パワーステアリング装置として、例えば特許文献1に記載の技術がある。この技術は、操舵輪が所定の最大舵角に接近し減衰開始舵角を超えたことを検出したとき、電動モータの駆動力を減衰するようにしたものである。ここでは、上記減衰開始舵角は、操舵輪の負荷及び操舵輪の操舵速度に応じて設定している。
上記特許文献1に記載の技術にあっては、操舵輪の負荷及び操舵輪の操舵速度に応じて減衰開始舵角を設定するように構成されており、操舵速度が高速である場合には、最大舵角と減衰開始舵角との差を大きくする(電動モータの駆動力を減衰させる時点を早める)ことで、モータ慣性によって端当て時に大きな衝撃が発生することを防止するようにしている。
しかしながら、この場合、最大舵角近傍で操舵補助力が不足し、運転者が最大舵角までハンドル操作することが困難となってしまう。また、ステアリングホイールを最大舵角近傍から中立位置へ向かって切り戻す場合には、電動モータの駆動力の減衰により、操舵補助力が不十分となってステアリングホイールが最大舵角付近に張り付くような感覚を与え、操舵フィーリングが悪化してしまう。
そこで、本発明は、操舵フィーリングを悪化することなく、自然且つ円滑な操舵感を実現しながら、端当て時の衝撃力を緩和することができる電動パワーステアリング装置を提供することを課題としている。
しかしながら、この場合、最大舵角近傍で操舵補助力が不足し、運転者が最大舵角までハンドル操作することが困難となってしまう。また、ステアリングホイールを最大舵角近傍から中立位置へ向かって切り戻す場合には、電動モータの駆動力の減衰により、操舵補助力が不十分となってステアリングホイールが最大舵角付近に張り付くような感覚を与え、操舵フィーリングが悪化してしまう。
そこで、本発明は、操舵フィーリングを悪化することなく、自然且つ円滑な操舵感を実現しながら、端当て時の衝撃力を緩和することができる電動パワーステアリング装置を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、本発明に係る電動パワーステアリング装置の一態様は、ステアリング機構に入力される操舵トルクを検出する操舵トルク検出部と、少なくとも前記操舵トルク検出部で検出した操舵トルクに基づいて電流指令値を演算する電流指令値演算部と、前記ステアリング機構のステアリングシャフトに与える操舵補助トルクを発生する電動モータと、前記電流指令値に基づいて前記電動モータを駆動制御するモータ制御部と、を備えた電動パワーステアリング装置であって、ステアリングホイールの操舵角を検出する操舵角検出部と、前記操舵角検出部で検出した操舵角に基づいて、前記電動モータの電圧目標値を設定する電圧目標値設定部と、前記電動モータのモータ回転数を検出するモータ回転数検出部と、前記電圧目標値設定部で設定した電圧目標値と前記モータ回転数検出部で検出したモータ回転数とを用い、前記電動モータのモータ出力特性に基づいて、前記電流指令値演算部で演算した電流指令値の制限値を設定する電流制限値設定部と、を備え、前記モータ制御部は、前記電流指令値演算部で演算した電流指令値を、前記電流制限値設定部で設定した制限値を上限として制限した後の電流指令値に基づいて、前記電動モータを駆動制御することを特徴としている。
このように、操舵角に応じて電動モータの電圧目標値を設定することで、操舵角に応じて電動モータの出力特性を設定することができる。そして、設定したモータ出力特性を用いて、操舵補助制御の電流指令値の上限値を設定する。そのため、電動モータに流す最大電流値を操舵角に応じて設定することができ、所望の操舵感を実現することができる。したがって、端当て時の衝撃力を緩和したり最大舵角付近でのアシスト不足を抑制したりすることができ、操舵フィーリングを向上することができる。
また、上記において、前記電圧目標値設定部は、前記操舵角検出部で検出した操舵角が予め設定した制限開始舵角以上であるとき、前記操舵角検出部で検出した操舵角が前記制限開始舵角よりも小さいときと比較して、前記電圧目標値を減少補正することが好ましい。
これにより、操舵角が制限開始舵角以上である場合には、確実に電動モータの出力を制限することができる。そのため、確実に端当て時に中間シャフト等のトルク伝達部材に伝達される衝撃力を緩和することができる。したがって、ステアリング機構の耐久性を維持することができる。また、操舵操作において運転者が不快感を覚えるのを抑制することができる。
これにより、操舵角が制限開始舵角以上である場合には、確実に電動モータの出力を制限することができる。そのため、確実に端当て時に中間シャフト等のトルク伝達部材に伝達される衝撃力を緩和することができる。したがって、ステアリング機構の耐久性を維持することができる。また、操舵操作において運転者が不快感を覚えるのを抑制することができる。
さらに、上記において、前記電圧目標値設定部は、前記操舵角検出部で検出した操舵角が前記制限開始舵角以上であるとき、前記操舵角検出部で検出した操舵角がステアリングホイールの切り込み限界角である最大操舵角に近づくほど、前記電圧目標値が、予め設定した最大電圧値からモータ出力特性に基づいて予め設定した最小電圧値に向けて小さくなるように、大きく減少補正することが好ましい。
このように、操舵角が最大操舵角に近づくほど電動モータの電圧目標値を小さい値に設定するので、操舵角が最大操舵角に近づくほどアシスト力が小さくなるように制限することができる。したがって、より効果的に端当て時の衝撃力を緩和することができる。また、モータ出力特性に基づいて電動モータの最小電圧値を設定しておくので、運転者がラックエンドまでハンドル操作するのに最低限必要なアシスト力を確保しておくことができる。これにより、円滑な操舵感を実現することができる。
このように、操舵角が最大操舵角に近づくほど電動モータの電圧目標値を小さい値に設定するので、操舵角が最大操舵角に近づくほどアシスト力が小さくなるように制限することができる。したがって、より効果的に端当て時の衝撃力を緩和することができる。また、モータ出力特性に基づいて電動モータの最小電圧値を設定しておくので、運転者がラックエンドまでハンドル操作するのに最低限必要なアシスト力を確保しておくことができる。これにより、円滑な操舵感を実現することができる。
また、上記において、運転者によるステアリングホイールの切り増し操作を検出する切り増し操作検出部を備え、前記電圧目標値設定部は、前記切り増し操作検出部で運転者によるステアリングホイールの切り増し操作を検出しており、且つ前記操舵角検出部で検出した操舵角が前記制限開始舵角以上であるとき、前記操舵角検出部で検出した操舵角が前記制限開始舵角よりも小さいときと比較して、前記電圧目標値を減少補正することが好ましい。
このように、切り増し操作中にのみ電動モータの電圧制限を行ってモータ出力を制限するようにするので、ステアリングホイールを最大舵角近傍から中立位置へ向かって切り戻す場合に、操舵アシスト力が不十分となるのを防止することができる。そのため、このような切り戻し操作時に、ステアリングホイールが最大舵角付近に張り付くような感覚を運転者に与えることがなくなり、操舵フィーリングの悪化を防止することができる。
このように、切り増し操作中にのみ電動モータの電圧制限を行ってモータ出力を制限するようにするので、ステアリングホイールを最大舵角近傍から中立位置へ向かって切り戻す場合に、操舵アシスト力が不十分となるのを防止することができる。そのため、このような切り戻し操作時に、ステアリングホイールが最大舵角付近に張り付くような感覚を運転者に与えることがなくなり、操舵フィーリングの悪化を防止することができる。
さらにまた、上記において、ステアリングホイールの操舵角速度を検出する操舵角速度検出部を備え、前記電圧目標値設定部は、前記操舵角速度検出部で検出した操舵角速度が大きいほど、前記電圧目標値の減少補正量を大きくすることが好ましい。このように、操舵角速度が大きいほど電動モータの電圧制限を大きくするので、高速操舵時のモータ出力を制限し端当て時の衝撃力を弱めることができると共に、低速操舵時の操舵補助力を維持することができる。
また、上記において、ステアリングホイールの操舵角加速度を検出する操舵角加速度検出部を備え、前記電圧目標値設定部は、前記操舵角加速度検出部で検出した操舵角加速度が大きいほど、前記電圧目標値の減少補正量を大きくすることが好ましい。このように、操舵角加速度が大きいほど電動モータの電圧制限を大きくするので、ラックエンド付近の急な切返し操舵に対しても適切にモータ出力を制限することができる。
また、上記において、ステアリングホイールの操舵角加速度を検出する操舵角加速度検出部を備え、前記電圧目標値設定部は、前記操舵角加速度検出部で検出した操舵角加速度が大きいほど、前記電圧目標値の減少補正量を大きくすることが好ましい。このように、操舵角加速度が大きいほど電動モータの電圧制限を大きくするので、ラックエンド付近の急な切返し操舵に対しても適切にモータ出力を制限することができる。
さらに、上記において、前記電圧目標値設定部は、前記操舵トルク検出部で検出した操舵トルクが小さいほど、前記電圧目標値の減少補正量を大きくすることが好ましい。このように、操舵トルクが小さいほど電動モータの電圧制限を大きくするので、車両の負荷や路面μの状態などによって操舵力が小さい場合でも、適切にモータ出力を制限することができ、端当て時の衝撃力を低減することができる。
また、上記において、自車両の車速を検出する車速検出部を備え、前記電圧目標値設定部は、前記車速検出部で検出した車速が予め設定した高車速領域判定車速を下回るとき、当該車速が速いほど前記電圧目標値の減少補正量を小さく変更し、前記車速検出部で検出した車速が前記高車速領域判定車速以上であるとき、前記電圧目標値の減少補正量を零に変更することが好ましい。このように、車速が高車速領域内にある場合には電動モータの電圧制限をなくすので、緊急回避などに影響がないようにすることができる。
また、上記において、自車両の車速を検出する車速検出部を備え、前記電圧目標値設定部は、前記車速検出部で検出した車速が予め設定した高車速領域判定車速を下回るとき、当該車速が速いほど前記電圧目標値の減少補正量を小さく変更し、前記車速検出部で検出した車速が前記高車速領域判定車速以上であるとき、前記電圧目標値の減少補正量を零に変更することが好ましい。このように、車速が高車速領域内にある場合には電動モータの電圧制限をなくすので、緊急回避などに影響がないようにすることができる。
さらにまた、上記において、前記電流制限値設定部は、前記電動モータの電圧値を、前記電圧目標値設定部で設定した電圧目標値で一定としたときのモータ出力特性線上の動作点のうち、モータ回転数が前記モータ回転数検出部で検出したモータ回転数となるときのモータ電流値を算出し、当該モータ電流値を前記電流指令値の制限値として設定することが好ましい。
このように、電動モータの電圧目標値から特定したモータ出力特性と、モータ回転数とに基づいて、操舵補助制御の電流指令値の制限値を設定するので、自然且つ円滑な操舵フィーリングを実現することができる。
このように、電動モータの電圧目標値から特定したモータ出力特性と、モータ回転数とに基づいて、操舵補助制御の電流指令値の制限値を設定するので、自然且つ円滑な操舵フィーリングを実現することができる。
本発明によれば、モータ出力特性を利用して、電動モータに流れる電流の上限値を設定することができる。したがって、操舵フィーリングを悪化することなく、自然且つ円滑な操舵感を実現しながら、端当て時の操舵限界位置となったときに中間シャフト等のトルク伝達部材に伝達される衝撃力を緩和することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明に係る電動パワーステアリング装置を示す全体構成図である。
図中、符号1は、車両のステアリングホイールであり、このステアリングホイール1に運転者から作用される操舵力はステアリングシャフト2に伝達される。このステアリングシャフト2は、入力軸2aと出力軸2bとを有し、入力軸2aの一端がステアリングホイール1に連結され、入力軸2aの他端が操舵トルクセンサ3を介して出力軸2bの一端に連結されている。
(第1の実施形態)
図1は、本発明に係る電動パワーステアリング装置を示す全体構成図である。
図中、符号1は、車両のステアリングホイールであり、このステアリングホイール1に運転者から作用される操舵力はステアリングシャフト2に伝達される。このステアリングシャフト2は、入力軸2aと出力軸2bとを有し、入力軸2aの一端がステアリングホイール1に連結され、入力軸2aの他端が操舵トルクセンサ3を介して出力軸2bの一端に連結されている。
そして、出力軸2bに伝達された操舵力は、ユニバーサルジョイント4を介して中間シャフト5に伝達され、さらに、ユニバーサルジョイント6を介してピニオンシャフト7に伝達される。このピニオンシャフト7に伝達された操舵力はステアリングギヤ8を介してタイロッド9に伝達され、図示しない転舵輪を転舵する。ここで、ステアリングギヤ8は、ピニオンシャフト7に連結されたピニオン8aとこのピニオン8aに噛合するラック8bとを有するラックアンドピニオン形式に構成され、ピニオン8aに伝達された回転運動をラック8bで直進運動に変換している。
ステアリングシャフト2の出力軸2bには、操舵補助力を出力軸2bに伝達する操舵補助機構10が連結されている。この操舵補助機構10は、出力軸2bに連結された減速ギヤ11と、この減速ギヤ11に連結されて操舵系に対して補助操舵力を発生する電動モータ13とを備えている。
また、操舵トルクセンサ3は、ステアリングホイール1に付与されて入力軸2aに伝達された操舵トルクを検出するものである。例えば、操舵トルクセンサ3は、操舵トルクを入力軸2a及び出力軸2b間に介挿した図示しないトーションバーの捩れ角変位に変換し、この捩れ角変位を磁気信号で検出し、それを電気信号に変換するように構成されている。この操舵トルクセンサ3が検出した操舵トルクTは、コントローラ14に入力する。
また、操舵トルクセンサ3は、ステアリングホイール1に付与されて入力軸2aに伝達された操舵トルクを検出するものである。例えば、操舵トルクセンサ3は、操舵トルクを入力軸2a及び出力軸2b間に介挿した図示しないトーションバーの捩れ角変位に変換し、この捩れ角変位を磁気信号で検出し、それを電気信号に変換するように構成されている。この操舵トルクセンサ3が検出した操舵トルクTは、コントローラ14に入力する。
コントローラ14は、車載電源であるバッテリ15から電源供給されることによって作動する。ここで、バッテリ15の負極は接地され、その正極はエンジン始動を行うイグニッションスイッチ16を介してコントローラ14に接続されると共に、イグニッションスイッチ16を介さず直接、コントローラ14に接続されている。
コントローラ14には、操舵トルクTの他に、車速センサ17で検出した車速Vsや操舵角センサ18で検出した操舵角θsを入力する。そして、これらに応じた操舵補助力を操舵系に付与する操舵補助制御(操舵アシスト)を行う。具体的には、上記操舵補助力を電動モータ13で発生するための操舵補助指令値(操舵補助トルク指令値)を公知の手順で算出し、算出した操舵補助指令値に基づいて電動モータ13の電流指令値を算出する。そして、算出した電流指令値とモータ電流検出値とにより、電動モータ13に供給する駆動電流をフィードバック制御する。
コントローラ14には、操舵トルクTの他に、車速センサ17で検出した車速Vsや操舵角センサ18で検出した操舵角θsを入力する。そして、これらに応じた操舵補助力を操舵系に付与する操舵補助制御(操舵アシスト)を行う。具体的には、上記操舵補助力を電動モータ13で発生するための操舵補助指令値(操舵補助トルク指令値)を公知の手順で算出し、算出した操舵補助指令値に基づいて電動モータ13の電流指令値を算出する。そして、算出した電流指令値とモータ電流検出値とにより、電動モータ13に供給する駆動電流をフィードバック制御する。
次に、コントローラ14の具体的構成について説明する。
コントローラ14は、図2に示すように、操舵トルクT及び車速Vsに基づいて操舵補助指令値(操舵補助トルク指令値)を演算する指令値演算部21と、操舵補助指令値を補償する指令値補償部22と、操舵角θsに基づいて電動モータ13の電圧を制限するための電圧目標値Vtを設定する電圧制限部23と、指令値補償部22で補償された操舵補助指令値に基づいて電動モータ13を駆動制御するモータ制御部24とを備えている。
指令値演算部21は、操舵補助指令値演算部31と、位相補償部32と、トルク微分回路33と、を備える。
操舵補助指令値演算部31は、操舵トルクT及び車速Vsをもとに、操舵補助指令値算出マップを参照して操舵補助指令値(操舵補助トルク指令値)を演算する。ここで、操舵補助指令値算出マップは、横軸に操舵トルクT、縦軸に操舵補助指令値をとり、車速Vsをパラメータとした特性線図で構成されている。操舵補助指令値は、操舵トルクTの増加に対して最初は比較的緩やかに増加し、さらに操舵トルクTが増加すると、その増加に対して操舵補助指令値が急峻に増加するように設定されている。この特性曲線の傾きは、車速Vsの増加に従って小さくなるように設定されている。また、各特性曲線には、それぞれ上限値が設けられている。
コントローラ14は、図2に示すように、操舵トルクT及び車速Vsに基づいて操舵補助指令値(操舵補助トルク指令値)を演算する指令値演算部21と、操舵補助指令値を補償する指令値補償部22と、操舵角θsに基づいて電動モータ13の電圧を制限するための電圧目標値Vtを設定する電圧制限部23と、指令値補償部22で補償された操舵補助指令値に基づいて電動モータ13を駆動制御するモータ制御部24とを備えている。
指令値演算部21は、操舵補助指令値演算部31と、位相補償部32と、トルク微分回路33と、を備える。
操舵補助指令値演算部31は、操舵トルクT及び車速Vsをもとに、操舵補助指令値算出マップを参照して操舵補助指令値(操舵補助トルク指令値)を演算する。ここで、操舵補助指令値算出マップは、横軸に操舵トルクT、縦軸に操舵補助指令値をとり、車速Vsをパラメータとした特性線図で構成されている。操舵補助指令値は、操舵トルクTの増加に対して最初は比較的緩やかに増加し、さらに操舵トルクTが増加すると、その増加に対して操舵補助指令値が急峻に増加するように設定されている。この特性曲線の傾きは、車速Vsの増加に従って小さくなるように設定されている。また、各特性曲線には、それぞれ上限値が設けられている。
位相補償部32は、操舵補助指令値演算部31で演算した操舵補助指令値に対して位相補償を行い、位相補償後の操舵補助指令値を加算器48に出力する。ここでは、例えば、(T1s+1)/(T2s+1)のような伝達特性を操舵補助指令値に作用させるものとする。
トルク微分回路33は、操舵トルクTを微分した操舵トルク変化率をもとに操舵トルクTに対する補償値を算出し、これを加算器48に出力する。
指令値補償部22は、角速度演算部41と、角加速度演算部42と、収斂性補償部43と、慣性補償部44と、SAT推定フィードバック部45と、を少なくとも有する。
角速度演算部41は、回転角センサ13aで検出したモータ回転角θを微分してモータ角速度ωを算出する。角加速度演算部42は、角速度演算部41で演算したモータ角速度ωを微分してモータ角加速度αを算出する。
収斂性補償部43は、角速度演算部41で演算したモータ角速度ωを入力し、車両のヨーの収斂性を改善するためにステアリングホイール1が振れ回る動作に対して、ブレーキをかけるように、収斂性補償値Icを算出する。
慣性補償部44は、電動モータ13の慣性により発生するトルク相当分を補償して慣性感又は制御応答性の悪化を防止するための慣性補償値Iiを算出する。
トルク微分回路33は、操舵トルクTを微分した操舵トルク変化率をもとに操舵トルクTに対する補償値を算出し、これを加算器48に出力する。
指令値補償部22は、角速度演算部41と、角加速度演算部42と、収斂性補償部43と、慣性補償部44と、SAT推定フィードバック部45と、を少なくとも有する。
角速度演算部41は、回転角センサ13aで検出したモータ回転角θを微分してモータ角速度ωを算出する。角加速度演算部42は、角速度演算部41で演算したモータ角速度ωを微分してモータ角加速度αを算出する。
収斂性補償部43は、角速度演算部41で演算したモータ角速度ωを入力し、車両のヨーの収斂性を改善するためにステアリングホイール1が振れ回る動作に対して、ブレーキをかけるように、収斂性補償値Icを算出する。
慣性補償部44は、電動モータ13の慣性により発生するトルク相当分を補償して慣性感又は制御応答性の悪化を防止するための慣性補償値Iiを算出する。
SAT推定フィードバック部45は、操舵トルクT、モータ角速度ω、モータ角加速度α及び指令値演算部21で演算した操舵補助指令値を入力し、これらに基づいてセルフアライニングトルクSATを推定演算する。
そして、加算器46は、慣性補償部44で算出した慣性補償値IiとSAT推定フィードバック部45で算出したセルフアライニングトルクSATとを加算し、その結果を加算器47に出力する。
加算器47は、加算器46の加算結果と収斂性補償部43で算出した収斂性補償値Icとを加算し、その結果を指令補償値Icomとして加算器48に出力する。
加算器48は、位相補償部32が出力した位相補償後の操舵補助指令値に、トルク微分回路33が出力した補償値と、指令値補償部22が出力した指令補償値Icomとを加算し、補償後の操舵補助指令値を出力する。この補償後の操舵補助指令値は、モータ制御部24に入力する。
そして、加算器46は、慣性補償部44で算出した慣性補償値IiとSAT推定フィードバック部45で算出したセルフアライニングトルクSATとを加算し、その結果を加算器47に出力する。
加算器47は、加算器46の加算結果と収斂性補償部43で算出した収斂性補償値Icとを加算し、その結果を指令補償値Icomとして加算器48に出力する。
加算器48は、位相補償部32が出力した位相補償後の操舵補助指令値に、トルク微分回路33が出力した補償値と、指令値補償部22が出力した指令補償値Icomとを加算し、補償後の操舵補助指令値を出力する。この補償後の操舵補助指令値は、モータ制御部24に入力する。
また、電圧制限部23は、切り増し判定部51と、電圧目標値設定部52と、を備える。
切り増し判定部51は、操舵角θsを入力し、運転者がステアリングホイール1を切り増し操作しているか否かを判定する。先ず、切り増し判定部51は、操舵角θsに基づいて操舵角速度ωsを算出する。そして、操舵角θsと操舵角速度ωsとが同符号であるとき、運転者がステアリングホイール1を切り増し操作していると判断し、切り増し判定フラグFlg=1を電圧目標値設定部52に出力する。一方、操舵角θsと操舵角速度ωsとが異符号であるとき、運転者がステアリングホイール1を切り戻し操作していると判断し、切り増し判定フラグFlg=0を電圧目標値設定部52に出力する。
切り増し判定部51は、操舵角θsを入力し、運転者がステアリングホイール1を切り増し操作しているか否かを判定する。先ず、切り増し判定部51は、操舵角θsに基づいて操舵角速度ωsを算出する。そして、操舵角θsと操舵角速度ωsとが同符号であるとき、運転者がステアリングホイール1を切り増し操作していると判断し、切り増し判定フラグFlg=1を電圧目標値設定部52に出力する。一方、操舵角θsと操舵角速度ωsとが異符号であるとき、運転者がステアリングホイール1を切り戻し操作していると判断し、切り増し判定フラグFlg=0を電圧目標値設定部52に出力する。
電圧目標値設定部52は、切り増し判定フラグFlgと操舵角θsとを入力し、これらに基づいて電動モータ13の電圧目標値(電圧制限値)Vtを設定する。ここでは、切り戻し操作中(Flg=0)であると判定した場合には、電動モータ13の電圧制限をしないものとし、電圧目標値Vtを常に最大電圧値であるバッテリ電圧Vbattに設定する。
一方、切り増し操作中(Flg=1)であると判定した場合には、操舵角θsが予め設定した制限開始舵角θst以上の領域(以下、電圧制限領域という)で、電動モータ13の電圧制限をするものとし、当該領域で電圧目標値Vtをバッテリ電圧Vbattよりも小さい値に設定(バッテリ電圧Vbattに対して減少補正)する。
具体的には、図3に示すように、切り戻し操作中(Flg=0)である場合には、操舵角θsにかかわらず常に電圧目標値Vtをバッテリ電圧Vbattに設定する。また、切り増し操作中(Flg=1)である場合で、0≦θs<θstである場合にも、電圧目標値Vtをバッテリ電圧Vbattに設定する。
一方、切り増し操作中(Flg=1)であると判定した場合には、操舵角θsが予め設定した制限開始舵角θst以上の領域(以下、電圧制限領域という)で、電動モータ13の電圧制限をするものとし、当該領域で電圧目標値Vtをバッテリ電圧Vbattよりも小さい値に設定(バッテリ電圧Vbattに対して減少補正)する。
具体的には、図3に示すように、切り戻し操作中(Flg=0)である場合には、操舵角θsにかかわらず常に電圧目標値Vtをバッテリ電圧Vbattに設定する。また、切り増し操作中(Flg=1)である場合で、0≦θs<θstである場合にも、電圧目標値Vtをバッテリ電圧Vbattに設定する。
そして、切り増し操作中(Flg=1)である場合で、θst≦θs≦θendである場合には、操舵角θsが大きくなるにつれて電圧目標値Vtがバッテリ電圧Vbattから最小電圧Vminまで直線的に小さくなるように設定する。ここで、上記θendは、運転者が操舵可能な最大操舵角であり、ラックエンド角に相当する。
また、最小電圧Vminは、運転者がラックエンドまでハンドルを切れるようにするためのモータ電圧値に設定する。すなわち、最小電圧Vminは、最大操舵角での最低限のアシスト力を維持するためのモータ電圧値に設定するものとし、電動モータ13のモータ出力特性に基づいて予め設定しておく。
また、最小電圧Vminは、運転者がラックエンドまでハンドルを切れるようにするためのモータ電圧値に設定する。すなわち、最小電圧Vminは、最大操舵角での最低限のアシスト力を維持するためのモータ電圧値に設定するものとし、電動モータ13のモータ出力特性に基づいて予め設定しておく。
電圧目標値設定部52は、このようにして設定した電圧目標値Vtを、モータ制御部24の電流指令値制限部62に出力する。
モータ制御部24は、電動モータ13の実電流を検出する電流検出器60と、電流指令値演算部61と、電流指令値制限部62と、減算器63と、電流制御部64と、モータ駆動部65と、を備える。
電流指令値演算部61は、加算器48が出力した操舵補助指令値(操舵補助トルク指令値)から電動モータ13の電流指令値Irefを演算する。
電流指令値制限部62は、電流指令値演算部61で演算した電流指令値Irefを、後述する電流制限値I_Limを上限として制限し、制限した電流指令値を制限後電流指令値Iref_Limとして出力する。ここで、電流制限値I_Limは、電圧目標値設定部52で設定した電圧目標値Vtと、モータ角速度ωから算出したモータ回転数Nとに基づいて、モータ出力特性を利用して設定する。
モータ制御部24は、電動モータ13の実電流を検出する電流検出器60と、電流指令値演算部61と、電流指令値制限部62と、減算器63と、電流制御部64と、モータ駆動部65と、を備える。
電流指令値演算部61は、加算器48が出力した操舵補助指令値(操舵補助トルク指令値)から電動モータ13の電流指令値Irefを演算する。
電流指令値制限部62は、電流指令値演算部61で演算した電流指令値Irefを、後述する電流制限値I_Limを上限として制限し、制限した電流指令値を制限後電流指令値Iref_Limとして出力する。ここで、電流制限値I_Limは、電圧目標値設定部52で設定した電圧目標値Vtと、モータ角速度ωから算出したモータ回転数Nとに基づいて、モータ出力特性を利用して設定する。
図4は、電動モータ13の出力特性を示す図である。この図4に示すように、電動モータ13は、電圧一定の場合、モータ回転数Nが大きくなるにつれてモータ電流が小さくなり、アシストトルクが小さくなるという特性を有する。また、電圧が小さくなるにつれて、モータ出力特性線は、図4の矢印の方向に変化する。
本実施形態では、図4に示すモータ出力特性図から、電圧を電圧目標値設定部52で設定した電圧目標値Vtで一定としたときのモータ出力特性線を特定し、そのモータ出力特性線とモータ回転数Nとに基づいて、電動モータ13に流す最大電流(電流制限値I_Lim)を設定する。
本実施形態では、図4に示すモータ出力特性図から、電圧を電圧目標値設定部52で設定した電圧目標値Vtで一定としたときのモータ出力特性線を特定し、そのモータ出力特性線とモータ回転数Nとに基づいて、電動モータ13に流す最大電流(電流制限値I_Lim)を設定する。
例えば、電圧を電圧目標値設定部52で設定した電圧目標値Vtで一定としたときのモータ出力特性線が図4のβである場合、モータ出力特性線β上で、モータ回転数が角速度演算部41で演算したモータ角速度ωから求めたモータ回転数Nとなる動作点Pを算出する。そして、その動作点Pでのモータ電流値を、電流制限値I_Limとして設定する。
減算器63は、電流指令値制限部62が出力した制限後電流指令値Iref_Limと、電流検出器60で検出したモータ電流検出値(実電流)との電流偏差を演算し、これを電流制御部64に出力する。
電流制御部64は、上記電流偏差に対して比例積分(PI)演算を行って電圧指令値を出力するフィードバック制御を行う。
モータ駆動部65は、電流制御部64が出力した電圧指令値に基づいてデューティ演算を行い、電動モータ13の駆動指令となるデューティ比を演算する。そして、そのデューティ比に基づいて電動モータ13を駆動する。
減算器63は、電流指令値制限部62が出力した制限後電流指令値Iref_Limと、電流検出器60で検出したモータ電流検出値(実電流)との電流偏差を演算し、これを電流制御部64に出力する。
電流制御部64は、上記電流偏差に対して比例積分(PI)演算を行って電圧指令値を出力するフィードバック制御を行う。
モータ駆動部65は、電流制御部64が出力した電圧指令値に基づいてデューティ演算を行い、電動モータ13の駆動指令となるデューティ比を演算する。そして、そのデューティ比に基づいて電動モータ13を駆動する。
すなわち、本実施形態における特徴部分である電圧目標値設定部52及び電流指令値制限部62で実行する処理についてまとめると、以下のようになる。
図5は、電圧目標値設定部52及び電流指令値制限部62で実行する電圧制限処理手順(電流指令値制限処理手順)を示すフローチャートである。
先ずステップS1で、電圧目標値設定部52は、操舵角センサ18から操舵角θsを読み込むと共に、切り増し判定部51から切り増し判定フラグFlgを読み込み、ステップS2に移行する。
ステップS2では、電圧目標値設定部52は、前記ステップS1で読み込んだ操舵角θsが制限開始舵角θst以上であり、且つ前記ステップS1で読み込んだ切り増し判定フラグFlgが切り増し操作中であることを示す“1”であるか否かを判定する。そして、θs≧θst且つFlg=1である場合にはステップS3に移行し、それ以外の場合には電圧制限を行わないと判断して、そのまま電圧制限処理を終了する。
図5は、電圧目標値設定部52及び電流指令値制限部62で実行する電圧制限処理手順(電流指令値制限処理手順)を示すフローチャートである。
先ずステップS1で、電圧目標値設定部52は、操舵角センサ18から操舵角θsを読み込むと共に、切り増し判定部51から切り増し判定フラグFlgを読み込み、ステップS2に移行する。
ステップS2では、電圧目標値設定部52は、前記ステップS1で読み込んだ操舵角θsが制限開始舵角θst以上であり、且つ前記ステップS1で読み込んだ切り増し判定フラグFlgが切り増し操作中であることを示す“1”であるか否かを判定する。そして、θs≧θst且つFlg=1である場合にはステップS3に移行し、それ以外の場合には電圧制限を行わないと判断して、そのまま電圧制限処理を終了する。
ステップS3では、電圧目標値設定部52は、前記ステップS1で読み込んだ操舵角θsに基づいて、上述した図3に示す電圧目標値設定マップを用いて電圧目標値Vtを制限する。すなわち、電圧目標値Vtがバッテリ電圧Vbattよりも小さい値となるように減少補正する。
次にステップS4では、電流指令値制限部62は、電流指令値演算部61から電流指令値Irefを読み込むと共に、角速度演算部41からモータ角速度ωを読み込む。そして、読み込んだモータ角速度ωに基づいてモータ回転数Nを算出する。
次にステップS4では、電流指令値制限部62は、電流指令値演算部61から電流指令値Irefを読み込むと共に、角速度演算部41からモータ角速度ωを読み込む。そして、読み込んだモータ角速度ωに基づいてモータ回転数Nを算出する。
次にステップS5では、電流指令値制限部62は、上述した図4に示すモータ出力特性図をもとに、電圧を、前記ステップS3で制限した電圧目標値Vtで一定としたときのモータ出力特性線を算出する。そして、そのモータ出力特性線と前記ステップS4で算出したモータ回転数Nとに基づいて、電流制限値I_Limを設定する。
ステップS6では、電流指令値制限部62は、前記ステップS4で読み込んだ電流指令値Irefの絶対値と、前記ステップS5で設定した電流制限値I_Limとを比較する。そして、|Iref|≧I_Limである場合にはステップS7に移行し、|Iref|<I_Limである場合にはステップS8に移行する。
ステップS6では、電流指令値制限部62は、前記ステップS4で読み込んだ電流指令値Irefの絶対値と、前記ステップS5で設定した電流制限値I_Limとを比較する。そして、|Iref|≧I_Limである場合にはステップS7に移行し、|Iref|<I_Limである場合にはステップS8に移行する。
ステップS7では、電流指令値制限部62は、電流制限値I_Limを制限後電流指令値Iref_Limとして設定してから、電流指令値制限処理を終了する。
また、ステップS8では、電流指令値制限部62は、電流指令値Irefを制限後電流指令値Iref_Limとして設定してから、電流指令値制限処理を終了する。
なお、図1において、操舵トルクセンサ3が操舵トルク検出部に対応し、車速センサ17が車速検出部に対応し、操舵角センサ18が操舵角検出部に対応している。また、図2において、指令値演算部21が電流指令値演算部に対応し、減算器63、電流制御部64及びモータ駆動部65がモータ制御部に対応している。
また、ステップS8では、電流指令値制限部62は、電流指令値Irefを制限後電流指令値Iref_Limとして設定してから、電流指令値制限処理を終了する。
なお、図1において、操舵トルクセンサ3が操舵トルク検出部に対応し、車速センサ17が車速検出部に対応し、操舵角センサ18が操舵角検出部に対応している。また、図2において、指令値演算部21が電流指令値演算部に対応し、減算器63、電流制御部64及びモータ駆動部65がモータ制御部に対応している。
さらに、切り増し判定部51が切り増し操作検出部に対応し、電圧目標値設定部52が電圧目標値設定部に対応している。また、図5のステップS4がモータ回転数検出部に対応し、ステップS5が電流制限値設定部に対応している。
次に、本実施形態の動作について説明する。
運転者がイグニッションスイッチ16をオン状態とすると、バッテリ15からコントローラ14に制御電力が供給され、当該コントローラ14が作動状態となる。このとき、コントローラ14は、運転者によるステアリング操作に基づいて操舵補助制御を行う。
次に、本実施形態の動作について説明する。
運転者がイグニッションスイッチ16をオン状態とすると、バッテリ15からコントローラ14に制御電力が供給され、当該コントローラ14が作動状態となる。このとき、コントローラ14は、運転者によるステアリング操作に基づいて操舵補助制御を行う。
例えば、運転者が車両を発進させ、カーブ路を旋回走行している場合、コントローラ14は、操舵トルクT及び車速Vsに基づいて操舵補助指令値を算出し、その操舵補助指令値に基づいて電動モータ13の電流指令値Irefを算出する。
このとき、運転者がステアリングホイール1を切り増し操作しているが、操舵角θsが制限開始舵角θstに達していない場合には、コントローラ14は、電動モータ13の電圧目標値Vtを最大電圧であるバッテリ電圧Vbattに設定する。すなわち、電圧制限は行わない。
そのため、電流指令値Irefを制限するための電流制限値I_Limは、電動モータ13の電圧を、最大電圧(バッテリ電圧Vbatt)で一定としたときのモータ出力特性線と、モータ回転数Nとに基づいて設定した値となる。そして、このようにして設定した電流制限値I_Limによって電流指令値Irefを制限する通常の制限処理を行い、制限後電流指令値Iref_Limに基づいて電動モータ13を回転駆動する。
このとき、運転者がステアリングホイール1を切り増し操作しているが、操舵角θsが制限開始舵角θstに達していない場合には、コントローラ14は、電動モータ13の電圧目標値Vtを最大電圧であるバッテリ電圧Vbattに設定する。すなわち、電圧制限は行わない。
そのため、電流指令値Irefを制限するための電流制限値I_Limは、電動モータ13の電圧を、最大電圧(バッテリ電圧Vbatt)で一定としたときのモータ出力特性線と、モータ回転数Nとに基づいて設定した値となる。そして、このようにして設定した電流制限値I_Limによって電流指令値Irefを制限する通常の制限処理を行い、制限後電流指令値Iref_Limに基づいて電動モータ13を回転駆動する。
その結果、電動モータ13によって操舵トルクT及び車速Vsに応じた操舵補助トルクが発生され、これが減速ギヤ11を介してステアリングシャフト2の出力軸2bに伝達される。これにより、運転者の操舵負担が軽減される。
そして、このような通常の操舵補助制御を実施している状態から、運転者がさらにステアリングホイール1を切り増し操作し、操舵角θsが制限開始舵角θst以上となると、コントローラ14は、電動モータ13の電圧目標値Vtをバッテリ電圧Vbattに対して減少補正する。すなわち、電圧制限を行う。このとき、電圧目標値Vtは、操舵角θsが最大操舵角(ラックエンド角)θendに近づくほど最小電圧Vminに近づくように設定される。
そして、このような通常の操舵補助制御を実施している状態から、運転者がさらにステアリングホイール1を切り増し操作し、操舵角θsが制限開始舵角θst以上となると、コントローラ14は、電動モータ13の電圧目標値Vtをバッテリ電圧Vbattに対して減少補正する。すなわち、電圧制限を行う。このとき、電圧目標値Vtは、操舵角θsが最大操舵角(ラックエンド角)θendに近づくほど最小電圧Vminに近づくように設定される。
この場合、電流制限値I_Limは、電動モータ13の電圧を、バッテリ電圧Vbattよりも小さい電圧目標値Vtに制限したときのモータ出力特性線と、モータ回転数Nとに基づいて設定した値となる。このときの電流制限値I_Limは、同じモータ回転数Nで電圧制限を行わない場合(θs<θst又は切り戻し操作中)の電流制限値I_Limよりも小さい値となる。そして、このようにして設定した電流制限値I_Limによって電流指令値Irefを制限する。
すなわち、電動モータ13に流れる最大電流は、減少補正された電流制限値I_Limとなり、電動モータ13の出力を制限することができる。これにより、運転者がステアリングホイール1をラックエンド付近まで操舵したときのアシストトルクを制限することができる。したがって、操舵限界となる端当て時に中間シャフト等のトルク伝達部材に伝達される衝撃力を緩和することができ、ステアリング機構の耐久性を維持することができる。また、操舵操作において運転者に不快感を与えるのを抑制することができる。
すなわち、電動モータ13に流れる最大電流は、減少補正された電流制限値I_Limとなり、電動モータ13の出力を制限することができる。これにより、運転者がステアリングホイール1をラックエンド付近まで操舵したときのアシストトルクを制限することができる。したがって、操舵限界となる端当て時に中間シャフト等のトルク伝達部材に伝達される衝撃力を緩和することができ、ステアリング機構の耐久性を維持することができる。また、操舵操作において運転者に不快感を与えるのを抑制することができる。
さらに、電動モータ13の電圧制限を行うことで電動モータ13の出力を制限するので、モータ出力特性を利用したアシスト制限制御を行うことができる。したがって、操舵フィーリングを悪化させることなく、自然且つ円滑な操舵感を実現しながら、端当て時の衝撃力を緩和することができる。
また、電動モータ13の電圧制限に際し、最小電圧Vminを、運転者がラックエンドまでハンドルを切れるようにするために、モータ出力特性に基づいて設定する。そのため、操舵角θsが制限開始舵角θst以上となって電動モータ13の電圧制限がなされても、最大舵角θend近傍で操舵アシスト力が不足してしまうのを防止することができる。
さらに、運転者が切り増し操作を行っている場合にのみ電動モータ13の電圧制限を行い、運転者が切り戻し操作を行っている場合には当該電圧制限を行わない。したがって、ステアリングホイール1を最大舵角θend近傍から中立位置へ向かって切り戻す場合に、操舵アシスト力の不足に起因するステアリングホイール1の最大舵角θend付近での張り付き感が発生するのを防止することができ、良好な操舵フィーリングを維持することができる。
また、電動モータ13の電圧制限に際し、最小電圧Vminを、運転者がラックエンドまでハンドルを切れるようにするために、モータ出力特性に基づいて設定する。そのため、操舵角θsが制限開始舵角θst以上となって電動モータ13の電圧制限がなされても、最大舵角θend近傍で操舵アシスト力が不足してしまうのを防止することができる。
さらに、運転者が切り増し操作を行っている場合にのみ電動モータ13の電圧制限を行い、運転者が切り戻し操作を行っている場合には当該電圧制限を行わない。したがって、ステアリングホイール1を最大舵角θend近傍から中立位置へ向かって切り戻す場合に、操舵アシスト力の不足に起因するステアリングホイール1の最大舵角θend付近での張り付き感が発生するのを防止することができ、良好な操舵フィーリングを維持することができる。
(変形例)
上記実施形態においては、切り増し操作中且つθs≧θstであるとき、電圧目標値設定部52において、操舵角θsに基づいて設定した電圧目標値Vtを操舵角速度ωsで補正するようにしてもよい。この場合、図6に示すマップを参照して、操舵角速度ωsに基づいて操舵角速度感応ゲインG1を算出し、その操舵角速度感応ゲインG1を操舵角θsに基づいて設定した電圧目標値Vtに掛算するようにする。
ここで、操舵角速度感応ゲインG1は、操舵角速度ωsが大きいほど小さい値に設定する。すなわち、操舵角速度ωsが大きいほど電圧目標値Vtの減少補正量を大きくする。これにより、高速操舵時には電圧制限を強め、低速操舵時には電圧制限を弱めることができる。したがって、高速操舵時における端当ての衝撃力を弱め、低速操舵時に付与する操舵補助力を維持することができる。
上記実施形態においては、切り増し操作中且つθs≧θstであるとき、電圧目標値設定部52において、操舵角θsに基づいて設定した電圧目標値Vtを操舵角速度ωsで補正するようにしてもよい。この場合、図6に示すマップを参照して、操舵角速度ωsに基づいて操舵角速度感応ゲインG1を算出し、その操舵角速度感応ゲインG1を操舵角θsに基づいて設定した電圧目標値Vtに掛算するようにする。
ここで、操舵角速度感応ゲインG1は、操舵角速度ωsが大きいほど小さい値に設定する。すなわち、操舵角速度ωsが大きいほど電圧目標値Vtの減少補正量を大きくする。これにより、高速操舵時には電圧制限を強め、低速操舵時には電圧制限を弱めることができる。したがって、高速操舵時における端当ての衝撃力を弱め、低速操舵時に付与する操舵補助力を維持することができる。
また、操舵角速度ωsに代えて操舵角加速度αsを用いて電圧目標値Vtを補正することもできる。この場合にも、図6に示すマップを参照して、操舵角加速度αsに基づいて操舵角加速度感応ゲインG2を算出し、その操舵角加速度感応ゲインG2を操舵角θsに基づいて設定した電圧目標値Vtに掛算するようにする。すなわち、操舵角加速度αsが大きいほど電圧目標値Vtの減少補正量を大きくする。これにより、ラックエンド付近の急な切返し操舵に対しても適切に制限を行うことができる。
さらに、操舵角速度ωsや操舵角加速度αsに代えて操舵トルクTを用いて電圧目標値Vtを補正することもできる。この場合、図7に示すマップを参照して、操舵トルクTに基づいて操舵トルク感応ゲインG3を算出し、その操舵トルク感応ゲインG3を操舵角θsに基づいて設定した電圧目標値Vtに掛算するようにする。
ここで、操舵トルク感応ゲインG3は、操舵トルクTが大きいほど大きい値に設定する。すなわち、操舵トルクTが小さいほど電圧目標値Vtの減少補正量を大きくする。これにより、操舵力が小さい場合には電圧制限を強め、操舵力が大きい場合には電圧制限を弱めることができる。したがって、車両の負荷や路面μの状態などによって操舵力が小さい場合でも、適切に制限を行うことができ、ラックエンドの衝撃を緩和することができる。
さらに、操舵角速度ωsや操舵角加速度αsに代えて操舵トルクTを用いて電圧目標値Vtを補正することもできる。この場合、図7に示すマップを参照して、操舵トルクTに基づいて操舵トルク感応ゲインG3を算出し、その操舵トルク感応ゲインG3を操舵角θsに基づいて設定した電圧目標値Vtに掛算するようにする。
ここで、操舵トルク感応ゲインG3は、操舵トルクTが大きいほど大きい値に設定する。すなわち、操舵トルクTが小さいほど電圧目標値Vtの減少補正量を大きくする。これにより、操舵力が小さい場合には電圧制限を強め、操舵力が大きい場合には電圧制限を弱めることができる。したがって、車両の負荷や路面μの状態などによって操舵力が小さい場合でも、適切に制限を行うことができ、ラックエンドの衝撃を緩和することができる。
なお、上述した操舵角速度ωs、操舵角加速度αs、及び操舵トルクTによる電圧目標値Vtの補正は、組み合わせて適用することもできる。
また、上記実施形態においては、電圧目標値設定部52において、車速Vsに応じて減少補正量を変更することもできる。具体的には、図8に示すように、車速Vsが予め設定した高車速領域判定車速Vs1を下回るとき、車速Vsが大きくなるにつれて徐々に電圧目標値Vtの減少補正量を小さくし、車速Vsが高車速領域判定車速Vs1以上であるときは電圧目標値Vtの減少補正量を0にする。すなわち、Vs<Vs1の領域では、車速Vsが速くなるにつれて電圧制限を減少し、Vs≧Vs1の領域では、電圧制限をなくすようにする。これにより、緊急回避などに影響がないようにすることができる。
また、上記実施形態においては、電圧目標値設定部52において、車速Vsに応じて減少補正量を変更することもできる。具体的には、図8に示すように、車速Vsが予め設定した高車速領域判定車速Vs1を下回るとき、車速Vsが大きくなるにつれて徐々に電圧目標値Vtの減少補正量を小さくし、車速Vsが高車速領域判定車速Vs1以上であるときは電圧目標値Vtの減少補正量を0にする。すなわち、Vs<Vs1の領域では、車速Vsが速くなるにつれて電圧制限を減少し、Vs≧Vs1の領域では、電圧制限をなくすようにする。これにより、緊急回避などに影響がないようにすることができる。
また、上記実施形態においては、電圧目標値設定部52において、切り増し操作中(Flg=1)かつ操舵角θsが予め設定した制限開始舵角θst以上の領域で、図3に示すように、操舵角θsが大きくなるにつれて、バッテリ電圧Vbattから最小電圧Vminまで直線的に徐々に小さくなるように電圧目標値Vtを設定するようにした。この構成に限らず、例えば図9(a)に示すように、切り増し操作中かつ操舵角θsが制限開始舵角θst以上の領域で、バッテリ電圧Vbattから最小電圧Vminまで階段状に小さくなる電圧目標値Vtを設定することもできる。または、例えば図9(b)及び(c)に示すように、操舵角θsが大きくなるにつれて、バッテリ電圧Vbattから最小電圧Vminまで非線形に小さくなるように電圧目標値Vtを設定することもできる。なお、図9(a)に示すように、1段階で最小電圧Vminまで小さくする構成に限らず、複数段階で階段状に小さくする構成としてもよい。
以上、本願が優先権を主張する日本国特許出願P2013−206420(2013年10月1日出願)の全内容は、ここに引用例として包含される。
ここでは、限られた数の実施形態を参照しながら説明したが、権利範囲はそれらに限定されるものではなく、上記の開示に基づく各実施形態の改変は当業者にとって自明のことである。
以上、本願が優先権を主張する日本国特許出願P2013−206420(2013年10月1日出願)の全内容は、ここに引用例として包含される。
ここでは、限られた数の実施形態を参照しながら説明したが、権利範囲はそれらに限定されるものではなく、上記の開示に基づく各実施形態の改変は当業者にとって自明のことである。
1…ステアリングホイール、2…ステアリングシャフト、3…操舵トルクセンサ、8…ステアリングギヤ、10…操舵補助機構、13…電動モータ、14…コントローラ、15…バッテリ、16…イグニッションスイッチ、17…車速センサ、18…操舵角センサ、21…指令値演算部、22…指令値補償部、23…電圧制限部、24…モータ制御部、31…操舵補助指令値演算部、32…位相補償部、33…トルク微分回路、41…角速度演算部、42…角加速度演算部、43…収斂性補償部、44…慣性補償部、45…SAT推定フィードバック部、46〜48…加算器、51…切り増し判定部、52…電圧目標値設定部、61…電流指令値演算部、62…電流指令値制限部、63…減算器、64…電流制御部、65…モータ駆動部
Claims (9)
- ステアリング機構に入力される操舵トルクを検出する操舵トルク検出部と、少なくとも前記操舵トルク検出部で検出した操舵トルクに基づいて電流指令値を演算する電流指令値演算部と、前記ステアリング機構のステアリングシャフトに与える操舵補助トルクを発生する電動モータと、前記電流指令値に基づいて前記電動モータを駆動制御するモータ制御部と、を備えた電動パワーステアリング装置であって、
ステアリングホイールの操舵角を検出する操舵角検出部と、
前記操舵角検出部で検出した操舵角に基づいて、前記電動モータの電圧目標値を設定する電圧目標値設定部と、
前記電動モータのモータ回転数を検出するモータ回転数検出部と、
前記電圧目標値設定部で設定した電圧目標値と前記モータ回転数検出部で検出したモータ回転数とを用い、前記電動モータのモータ出力特性に基づいて、前記電流指令値演算部で演算した電流指令値の制限値を設定する電流制限値設定部と、を備え、
前記モータ制御部は、前記電流指令値演算部で演算した電流指令値を、前記電流制限値設定部で設定した制限値を上限として制限した後の電流指令値に基づいて、前記電動モータを駆動制御することを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 前記電圧目標値設定部は、
前記操舵角検出部で検出した操舵角が予め設定した制限開始舵角以上であるとき、前記操舵角検出部で検出した操舵角が前記制限開始舵角よりも小さいときと比較して、前記電圧目標値を減少補正することを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。 - 前記電圧目標値設定部は、
前記操舵角検出部で検出した操舵角が前記制限開始舵角以上であるとき、前記操舵角検出部で検出した操舵角がステアリングホイールの切り込み限界角である最大操舵角に近づくほど、前記電圧目標値が、予め設定した最大電圧値からモータ出力特性に基づいて予め設定した最小電圧値に向けて小さくなるように、大きく減少補正することを特徴とする請求項2に記載の電動パワーステアリング装置。 - 運転者によるステアリングホイールの切り増し操作を検出する切り増し操作検出部を備え、
前記電圧目標値設定部は、
前記切り増し操作検出部で運転者によるステアリングホイールの切り増し操作を検出しており、且つ前記操舵角検出部で検出した操舵角が前記制限開始舵角以上であるとき、前記操舵角検出部で検出した操舵角が前記制限開始舵角よりも小さいときと比較して、前記電圧目標値を減少補正することを特徴とする請求項2又は3に記載の電動パワーステアリング装置。 - ステアリングホイールの操舵角速度を検出する操舵角速度検出部を備え、
前記電圧目標値設定部は、
前記操舵角速度検出部で検出した操舵角速度が大きいほど、前記電圧目標値の減少補正量を大きくすることを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載の電動パワーステアリング装置。 - ステアリングホイールの操舵角加速度を検出する操舵角加速度検出部を備え、
前記電圧目標値設定部は、
前記操舵角加速度検出部で検出した操舵角加速度が大きいほど、前記電圧目標値の減少補正量を大きくすることを特徴とする請求項2〜5の何れか1項に記載の電動パワーステアリング装置。 - 前記電圧目標値設定部は、
前記操舵トルク検出部で検出した操舵トルクが小さいほど、前記電圧目標値の減少補正量を大きくすることを特徴とする請求項2〜6の何れか1項に記載の電動パワーステアリング装置。 - 自車両の車速を検出する車速検出部を備え、
前記電圧目標値設定部は、
前記車速検出部で検出した車速が予め設定した高車速領域判定車速を下回るとき、当該車速が速いほど前記電圧目標値の減少補正量を小さく変更し、前記車速検出部で検出した車速が前記高車速領域判定車速以上であるとき、前記電圧目標値の減少補正量を零に変更することを特徴とする請求項2〜7の何れか1項に記載の電動パワーステアリング装置。 - 前記電流制限値設定部は、
前記電動モータの電圧値を、前記電圧目標値設定部で設定した電圧目標値で一定としたときのモータ出力特性線上の動作点のうち、モータ回転数が前記モータ回転数検出部で検出したモータ回転数となるときのモータ電流値を算出し、当該モータ電流値を前記電流指令値の制限値として設定することを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の電動パワーステアリング装置。
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