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JP2021118581A - モータ制御装置、電動アクチュエータ製品及び電動パワーステアリング装置 - Google Patents

モータ制御装置、電動アクチュエータ製品及び電動パワーステアリング装置 Download PDF

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JP2021118581A JP2020009299A JP2020009299A JP2021118581A JP 2021118581 A JP2021118581 A JP 2021118581A JP 2020009299 A JP2020009299 A JP 2020009299A JP 2020009299 A JP2020009299 A JP 2020009299A JP 2021118581 A JP2021118581 A JP 2021118581A
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Abstract

【課題】過剰な電流制限を回避しながら電源ライン又はその近傍に配置された部品の部品温度の上昇を抑制する。【解決手段】モータ制御装置は、電動モータ20のモータ回転速度Nrを検出する回転速度検出部52、61と、インバータ50への印加電圧であるインバータ印加電圧を検出するインバータ印加電圧検出部54と、電源ライン又はその近傍に配置された部品の部品温度を検出する温度検出部53と、複数の上限値以下に電源電流をそれぞれ制限するように電流指令値を制限するための複数の電流制限値を、少なくともモータ回転速度及びインバータ印加電圧に応じて決定する電流制限値決定部71と、電流制限値決定部71が決定した複数の電流制限値を補間して、部品温度に応じた電流制限値を算出する電流制限値補間部72と、を備える。【選択図】図5

Description

本発明は、電動モータを制御するモータ制御装置、並びにこのモータ制御装置により制御されるモータを備える電動アクチュエータ製品及び電動パワーステアリング装置に関する。
電動モータに大きな電流が流れ続けると、電源から電力を供給する電源ライン又はその近傍に配置された部品及び配線の温度が上昇してそれらが焼損するおそれがある。また、部品の取り付けに用いられている半田が溶融して部品が落下するおそれがある。
下記特許文献1には、相電流の関数の時間平均の最大値に応じて制限値を漸減又は漸増させ、電流指令値を制限値で制限する技術が記載されている。
下記特許文献2には、モータ電流供給のための部品毎に、電流値と過熱保護係数との対応関係を特定する過熱保護特性を記憶しておき、部品を流れる電流に応じた過熱保護係数で電流上限値を漸減又は漸増させる技術が記載されている。
特開2002−238293号公報 特開2014−093832号公報
電源ライン又はその近傍に配置された部品及び配線の温度は、電源ラインを流れる電源電流の大きさに影響され、電源電流の大きさは、電源から駆動素子に印加される印加電圧や電動モータのモータ回転速度に応じて変動する。このため、上記特許文献1のように相電流に応じて設定した制限値で電流指令値を制限すると、不要に電動モータの出力が制限されることがある。
また上記特許文献2の技術は、実際の部品の温度に関わらず、部品を流れる電流に応じて電流上限値を漸減又は漸増させることにより部品の発熱量を抑制する。部品温度が周囲温度に依存することを考慮すると、部品温度を許容温度以下に抑えるには電流上限値にマージンを持たせる必要があり、不要に電動モータの出力が制限されることがある。
このため、例えば、車両の電動パワーステアリング装置の電動モータの制御に用いると不要にアシストトルクが制限される。この結果、操向ハンドルをラックエンドまで操舵できなくなり、交差点を曲がりにくくなったり正確に駐車できなくなる等の操舵性能に問題をもたらすおそれがあった。
本発明は、上記課題に着目してなされたものであり、精度の高い電流上限値により過剰な電流制限を回避しながら電源ライン又はその近傍に配置された部品及び配線の温度の上昇を抑制することを目的とする。
本発明の一態様によれば、電動モータを制御するモータ制御装置が与えられる。モータ制御装置は、電源と電動モータとの間に直列に接続されて、電源から出力される電源電流を電動モータに流す駆動電流に変換する駆動素子と、電動モータのモータ回転速度を検出する回転速度検出部と、駆動素子に印加される電圧をインバータ印加電圧として検出するインバータ印加電圧検出部と、電源から駆動素子までの電源ライン又はその近傍に配置された部品の部品温度を検出する温度検出部と、駆動電流を制御するための電流指令値を演算する電流指令値演算部と、予め定めた複数の上限値以下に電源電流をそれぞれ制限するように電流指令値を制限するための複数の電流制限値を、少なくとも回転速度検出部が検出したモータ回転速度及びインバータ印加電圧検出部が検出したインバータ印加電圧に応じて各々決定する電流制限値決定部と、電流制限値決定部が決定した複数の電流制限値を補間して、温度検出部が検出した部品温度に応じた電流制限値を算出する電流制限値補間部と、電流制限値補間部が算出した電流制限値で制限された電流指令値に基づいて駆動素子を制御する素子制御部とを備える。
本発明の他の一形態によれば、上記のモータ制御装置と、モータ制御装置によって制御される電動モータと、を備える電動アクチュエータ製品が与えられる。
本発明の更なる他の一形態によれば、上記のモータ制御装置と、モータ制御装置によって制御される電動モータと、を備え、電動モータによって車両の操舵系に操舵補助力を付与する電動パワーステアリング装置が与えられる。
本発明によれば、精度の高い電流上限値により過剰な電流制限を回避しながら電源ライン又はその近傍に配置された部品及び配線の温度の上昇を抑制できる。
実施形態の電動パワーステアリング装置の一例の概要を示す構成図である。 図1のコントローラの機能構成の一例を示すブロック図である。 電源ライン又はその近傍に配置された部品の説明図である。 q軸電流制限値の特性の説明図である。 駆動電流制限部の機能構成の一例を示すブロック図である。 回転数入力処理部の機能構成の一例を示すブロック図である。 電流制限値決定部の機能構成の一例を示すブロック図である。 制限値決定部の機能構成の一例を示すブロック図である。 (a)及び(b)は、制限値決定部80aで使用される制限値テーブルと変動値テーブル一例を示す図である。 (a)及び(b)は、制限値決定部80bで使用される制限値テーブルと変動値テーブル一例を示す図である。 (a)及び(b)は、制限値決定部80cで使用される制限値テーブルと変動値テーブル一例を示す図である。 (a)は電流制限値補間部の機能構成の一例を示すブロック図であり、(b)及び(c)はq軸電流制限値の補間の説明図である。 q軸電流制限部の一例を示すブロック図である。 実施形態のモータ制御方法の一例のフローチャートである。 本発明によるモータ制御の実験結果を示す図である。 部品温度が50[℃]付近である範囲の拡大図である。 部品温度が60[℃]付近である範囲の拡大図である。 部品温度が80[℃]付近である範囲の拡大図である。
本発明の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、以下に示す本発明の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の構成、配置等を下記のものに特定するものではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
(構成)
以下の説明では、本発明の実施形態のモータ制御装置が、電動パワーステアリング装置において操舵補助力を発生する多相モータを駆動する場合を説明する。しかし、本発明の実施形態のモータ制御装置はこれに限定されるものではなく、多相モータを駆動する様々なモータ制御装置に適用することができる。
実施形態の電動パワーステアリング装置の構成例を図1に示す。操向ハンドル1のコラム軸2は減速ギア3、ユニバーサルジョイント4A及び4B、ピニオンラック機構5を経て操向車輪のタイロッド6に連結されている。コラム軸2には、操向ハンドル1の操舵トルクを検出するトルクセンサ10が設けられており、操向ハンドル1の操舵力を補助するモータ(電動モータ)20が減速ギア3を介してコラム軸2に連結されている。
パワーステアリング装置を制御するコントローラ(ECU:Electronic Control Unit)30には、直流電源であるバッテリ14から電力が供給されると共に、イグニションキー11からイグニションキー信号が入力され、コントローラ30は、トルクセンサ10で検出された操舵トルクThと車速センサ12で検出された車速Vhとに基づいて、アシストマップ等を用いてアシスト指令の操舵補助指令値の演算を行い、演算された操舵補助指令値に基づいてモータ20に供給する電流Iを制御する。
このような構成の電動パワーステアリング装置において、操向ハンドル1から伝達された運転手のハンドル操作による操舵トルクThをトルクセンサ10で検出し、検出された操舵トルクThや車速Vhに基づいて算出される操舵補助指令値によってモータ20は駆動制御され、この駆動が運転手のハンドル操作の補助力(操舵補助力)として操舵系に付与され、運転手は軽い力でハンドル操作を行うことができる。つまり、ハンドル操作によって出力された操舵トルクThと車速Vhから操舵補助指令値を算出し、この操舵補助指令値に基づきモータ20をどのように制御するかによって、ハンドル操作におけるフィーリングの善し悪しが決まり、電動パワーステアリング装置の性能が大きく左右される。
コントローラ30は、例えば、プロセッサと、記憶装置等の周辺部品とを含むコンピュータを備えてよい。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)、やMPU(Micro-Processing Unit)であってよい。
記憶装置は、半導体記憶装置、磁気記憶装置及び光学記憶装置のいずれかを備えてよい。記憶装置は、レジスタ、キャッシュメモリ、主記憶装置として使用されるROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等のメモリを含んでよい。
以下に説明するコントローラ30の機能は、例えばプロセッサが、記憶装置に格納されたコンピュータプログラムを実行することにより実現される。
なお、コントローラ30を、以下に説明する機能を実現するための専用のハードウエアにより形成してもよい。
例えば、コントローラ30は、汎用の半導体集積回路中に設定される機能的な論理回路を備えてもよい。例えばコントローラ30はフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA:Field-Programmable Gate Array)等のプログラマブル・ロジック・デバイス(PLD:Programmable Logic Device)等を有していてもよい。
図2を参照して、実施形態のコントローラ30の機能構成の一例を説明する。コントローラ30は、操舵補助指令値演算部40と、電流指令値演算部41と、駆動電流制限部43と、減算器44及び45と、比例積分(PI:Proportional-Integral)制御部46と、デューティ(Duty)演算部47と、空間ベクトル変調部48と、PWM(Pulse Width Modulation)制御部49と、インバータ(INV)50と、3相/2相変換部51と、回転数演算部52を備え、モータ20をベクトル制御で駆動する。
操舵補助指令値演算部40は、操舵トルクThや車速Vhに基づいてモータ20に供給する電流の制御目標値(アシスト指令)である操舵補助指令値Irefを決定する。
電流指令値演算部41は、操舵補助指令値Irefとモータ20のモータ回転速度Nrに基づいて、モータ20に供給する電流の目標電流である電流指令値をロータ回転座標系のq軸電流指令値Iq0及びd軸電流指令値Id0として算出する。電流指令値演算部41は、q軸電流指令値Iq0を駆動電流制限部43へ出力し、d軸電流指令値Id0を駆動電流制限部43と減算器45へ出力する。
駆動電流制限部43は、バッテリ14からインバータ50までの電源ライン又はその近傍に配置された部品の部品温度Tpの情報を取得する。
図3を参照して、電源ライン又はその近傍に配置された部品の一例を説明する。インバータ50は、バッテリ14に接続されて直流電力が供給される正極側の電源ラインLppと接地線である負極側の電源ラインLpnとの間に接続されるブリッジを備える。
ブリッジは、上アームの駆動素子(スイッチング素子)Q1、Q3及びQ5と、下アームの駆動素子(スイッチング素子)Q2、Q4及びQ6を備える。
バッテリ14から駆動素子Q1〜Q6までの電源ラインLpp及びLpn又はその近傍には様々な部品が配置されている。例えば、電源ラインLppには電源電流を遮断するためのリレーRとチョークコイルLが接続されている。電源ラインの近傍とは、電源電流が流れることによる発熱及び熱伝導により、温度上昇が見込まれる範囲である。インバータ50の入力端子に接続されている電解コンデンサC及びその配線は、電源ライン近傍の部品の一例である。以下、電源ライン又はその近傍に配置された部品を「ECU部品」と表記する。
温度検出部53は、ECU部品のいずれかの部品温度Tpを検出し、検出信号をコントローラ30へ出力する。ECU部品のうち温度上昇又は度上昇速度が著しい部品温度を検出するように温度検出部53を配置して良い。
また、インバータ印加電圧検出部54は、インバータ50に印加される電圧(インバータ印加電圧)Vrを検出し、検出信号をコントローラ30へ出力する。
図2を参照する。駆動電流制限部43は、ECU部品の部品温度Tpと、モータ20のモータ回転速度Nrと、インバータ印加電圧Vrと、操舵補助指令値Irefとに基づいてq軸電流指令値Iq0を制限する。
具体的には、駆動電流制限部43は、バッテリ14が出力する電源電流が、部品温度Tpに応じた上限値以下になるように、q軸電流指令値Iq0を制限する。
なお、駆動電流制限部43は、部品温度Tp、モータ回転速度Nr、インバータ印加電圧Vr及び操舵補助指令値Irefに加えて、d軸電流指令値Id0や、モータ20のモータ温度Tm、インバータ50の温度情報に応じてq軸電流指令値Iq0を制限してもよい。
駆動電流制限部43はq軸電流指令値Iq0を制限して得られた制限後q軸電流指令値Iq1を、減算器44へ出力する。駆動電流制限部43の詳細は後述する。
減算器44及び45は、モータ20からフィードバックされたモータ電流iq、idを制限後q軸電流指令値Iq1及びd軸電流指令値Id0からそれぞれ減じることにより、q軸偏差電流Δq及びd軸偏差電流Δdを算出する。q軸偏差電流Δq及びd軸偏差電流Δdは、PI制御部46に入力される。
PI制御部46は、q軸偏差電流Δq及びd軸偏差電流Δdを各々0とするような電圧指令値vq、vdを算出する。
デューティ演算部47は、電圧指令値vq、vdに基づいて、インバータ50のPWM制御におけるq軸デューティ指令値及びd軸デューティ指令値を演算する。空間ベクトル変調部48は、dq軸空間のq軸デューティ指令値及びd軸デューティ指令値を、三相デューティ指令値に変換してPWM制御部49に出力する。
PWM制御部49は、三相デューティ指令値に応じたデューティ比のPWM信号を、インバータ50の駆動素子Q1〜Q6をそれぞれ駆動するゲート信号として生成する。
インバータ50は、PWM制御部49で生成されたゲート信号によって駆動され、モータ20にはq軸偏差電流Δq及びd軸偏差電流Δdが0になるような電流が供給される。
回転角度検出回路61は、モータ20のモータ角度(回転角)θを検出し、回転数演算部52は、モータ角度θの変化に基づいてモータ20の回転角速度ω及び回転速度Nrを算出する。
モータ温度取得部62は、モータ20のモータ温度Tmの温度情報を取得する。例えばモータ温度取得部62は、モータ温度Tmを直接検出してもよく、モータ20の印加電圧とモータ電流に基づいてモータ温度Tmを推定してもよい。
続いて、駆動電流制限部43の詳細を説明する。上述の通り駆動電流制限部43は、バッテリ14が出力する電源電流が、ECU部品の部品温度Tpに応じた上限値以下になるように、q軸電流指令値Iq0を制限する。
具体的には、複数の部品温度Tp1、Tp2…、Tpnにおける電源電流の複数の上限値Ib1、Ib2…、Ibnをそれぞれ設定する。
例えば、部品温度TL、TM、THをTL<TM<THとなるように設定し、部品温度TpがTLである場合の上限値をIb1に設定し、部品温度TpがTMである場合の上限値をIb2に設定し、部品温度TpがTHである場合の上限値をIb3に設定する。
駆動電流制限部43は、モータ回転速度Nr及びインバータ印加電圧Vrに基づいて、上限値Ib1〜Ibnの各々に対して、電源電流を上限値以下に制限するようにq軸電流指令値Iq0を制限するための複数のq軸電流制限値Iq_limc1、Iq_limc2…、Iq_limcnの各々を決定する。
上限値Ib1、Ib2…、Ibnが離散的に設定されている場合には、複数のq軸電流制限値Iq_limc1〜Iq_limcnは、離散的なq軸電流制限値の列になる。
以下、電源電流の上限値に応じてq軸電流制限値を計算する方法の一例を説明する。
モータ20および駆動回路の入力エネルギー、出力エネルギー、損失エネルギーの関係は次式(1)により与えられる。
Figure 2021118581
上式(1)において、Ibはバッテリ14が出力する電源電流を表し、Rrは電圧が印加される部分の抵抗値(例えばモータ抵抗やインバータ内部抵抗など)を表し、Id及びIqはd軸電流及びq軸電流を表し、Ktはモータ20のトルク定数を表し、Plossは鉄損や摩擦などに起因する損失電力を表す。
上式(1)の電源電流Ibに電源電流の上限値Ib_limを代入してq軸電流について上式(1)を解くことにより、次式(2)に示すq軸電流制限値Iq_limの演算式を得る。
Figure 2021118581
いま、モータ20の回転角速度ωを回転速度Nを用いて表すと、演算式(2)の演算式は次式(3)の演算式に変形できる。
Figure 2021118581
一方で、q軸電流は操舵補助指令値Irefの最大値Iref_maxを超えることができないため、q軸電流制限値Iq_limは次式(4)の制限も受ける。
Figure 2021118581
図4を参照して、演算式(3)及び条件式(4)から得られるq軸電流制限値の特性の概要を説明する。
q軸電流制限値Iq_limはモータ回転速度Nに依存する特性を有する。モータ回転速度Nが比較的低い範囲(0≦N<N1)では、q軸電流制限値Iq_limは操舵補助指令値Irefの最大値Iref_maxと等しい。この範囲では、q軸電流制限値Iq_limはq軸電流の制限に寄与しない。
モータ回転速度Nが比較的高い範囲(N1≦N)では、モータ回転速度Nが高くなるのに従いq軸電流制限値Iq_limは漸減する。q軸電流制限値Iq_limがq軸電流指令値Iq0よりも小さくなると、q軸電流指令値Iq0はq軸電流制限値Iq_limへ制限される。
本実施形態では、コントローラ30の処理負荷を抑えるために、演算式(3)及び条件式(4)に基づいて予め演算したq軸電流制限値のテーブルを作成して記憶装置に記憶しておく。
例えば、演算式(3)において上限値Ib_limをIb1〜Ibnの各々に固定し、上限値Ib1〜Ibn毎にテーブルを作成してよい。
駆動電流制限部43は、入力されたモータ回転速度Nrに応じてこれらのテーブルから各々q軸電流制限値を読み出し、読み出したq軸電流制限値に基づいて複数のq軸電流制限値Iq_limc1〜Iq_limcnの各々を決定する。例えば、駆動電流制限部43は、テーブルから読み出したq軸電流制限値を、インバータ印加電圧検出部54から入力したインバータ印加電圧Vrに応じて補正して複数のq軸電流制限値Iq_limc1〜Iq_limcnの各々を決定してもよい。
駆動電流制限部43は、複数のq軸電流制限値Iq_limc1〜Iq_limcnを、ECU部品の部品温度Tpに応じて補間することにより、部品温度Tpに応じたq軸電流制限値Iq_limを算出し、q軸電流指令値Iq0をq軸電流制限値Iq_lim以下に制限する。
図5を参照する。駆動電流制限部43は、回転数入力処理部70と、電流制限値決定部71と、電流制限値補間部72と、レートリミッタ73と、平滑化部74と、q軸電流制限部75を備える。
回転数入力処理部70は、回転数演算部52から入力されるモータ20の回転速度Nrを処理することにより、複数のq軸電流制限値Iq_limc1〜Iq_limcnの決定に使用する回転速度信号Nを生成する。
具体的には回転数入力処理部70は、操舵補助指令値Irefの符号とモータ回転速度の符号とを比較し、モータ電流の向きとモータの回転方向の向きとが等しいか否かを判定する。
モータ電流の向きとモータの回転方向の向きとが異なる場合には、操向ハンドル1が切り戻し操舵状態である。この場合にはモータ電流の向きと逆起電力の向きによりモータ20は回生状態となる。このためバッテリ14から流れる電流が小さくなるかモータ20が発電状態となるため、電源電流を制限する必要は無い。
したがって回転数入力処理部70は、操舵補助指令値Irefの符号とモータ回転速度の符号とが異なる場合には、回転速度信号Nとして回転速度0を出力する。上記のとおりモータ回転速度が0の場合には、q軸電流制限値Iq_limがq軸電流の制限に寄与しない。回転数入力処理部70は、モータ電流の向きとモータの回転方向の向きが異なる場合、回転速度信号Nを0に設定してq軸電流の制限を解除する。
図6を参照する。回転数入力処理部70は、符号判定部(sgn)70a及び70bと、操舵状態判定部70cと、絶対値算出部(abs)70dと、選択器70eを備える。
符号判定部70a及び70bは、回転数演算部52が算出したモータ20の回転速度Nrと、操舵補助指令値Irefの符号を判定する。符号判定部70a及び70bは、回転速度Nr及び操舵補助指令値Irefの符号を操舵状態判定部70cへ出力する。
操舵状態判定部70cは、回転速度Nr及び操舵補助指令値Irefの符号が等しいか否かに応じて、操向ハンドル1が切り増し操舵状態であるか切り戻し操舵状態であるかを判定する。具体的には、回転速度Nr及び操舵補助指令値Irefの符号が等しい場合に、操舵状態判定部70cは、操向ハンドル1が切り増し操舵状態であると判定する。回転速度Nr及び操舵補助指令値Irefの符号が異なる場合に、操舵状態判定部70cは、操向ハンドル1が切り戻し操舵状態であると判定する。
操向ハンドル1が切り増し操舵状態である場合に、操舵状態判定部70cは選択信号「1」を選択器70eに出力する。操向ハンドル1が切り戻し操舵状態である場合に、操舵状態判定部70cは選択信号「0」を選択器70eに出力する。
絶対値算出部70dは、回転速度Nrの絶対値|Nr|を算出する。操舵状態判定部70cが選択信号「1」を出力する場合、選択器70eは絶対値|Nr|を選択して回転速度信号Nとして出力する。操舵状態判定部70cが選択信号「0」を出力する場合、選択器70eは回転速度0を選択して回転速度信号Nとして出力する。
図5を参照する。電流制限値決定部71は、回転数入力処理部70が出力する回転速度信号N及びインバータ印加電圧検出部54が出力するインバータ印加電圧Vrに基づいて、複数のq軸電流制限値Iq_limc1〜Iq_limcnの値を決定する。
電流制限値決定部71は、回転速度信号N及びインバータ印加電圧Vrに加えて、d軸電流指令値Id0や、モータ20のモータ温度Tm、インバータ50の温度情報に応じて複数のq軸電流制限値Iq_limc1〜Iq_limcnを決定してもよい。
図7に、電流制限値決定部71の機能構成の一例を示す。図7に示す電流制限値決定部71の例は、3個のq軸電流制限値Iq_limc1〜Iq_limc3を決定する。ただし、電流制限値決定部71が決定するq軸電流制限値の数は3個に限定されるものではなく、2個のq軸電流制限値を決定してもよく。4個以上のq軸電流制限値を決定してもよい。電流制限値決定部71は、制限値決定部80a、80b及び80cを備える。
制限値決定部80aは、q軸電流制限値Iq_limc1を決定する。q軸電流制限値Iq_limc1は、ECU部品の部品温度TpがTLである場合に、上限値Ib1以下に電源電流を制限するためのq軸電流指令値Iq0の制限値である。
例えば、上限値Ib1として、実施形態の電動パワーステアリング装置が許容する最大電源電流を設定してよい。この場合、q軸電流制限値Iq_limc1は、ECU部品の部品温度TpがTLである場合だけでなく、部品温度TpがTLより低い場合の制限値としても使用してよい。
制限値決定部80bは、q軸電流制限値Iq_limc2を決定する。q軸電流制限値Iq_limc2は、部品温度TpがTMである場合に、上限値Ib1よりも小さい上限値Ib2以下に電源電流を制限するためのq軸電流指令値Iq0の制限値である。
例えば、上限値Ib2は、上限値Ib1の電源電流が流れる場合よりもECU部品の消費電力が約1/2になるように設定してもよい。例えば上限値Ib2をIb1×5/7に設定してよい。
制限値決定部80cは、q軸電流制限値Iq_limc3を決定する。q軸電流制限値Iq_limc3は、部品温度TpがTHである場合に、上限値Ib2よりも小さい上限値Ib3以下に電源電流を制限するためのq軸電流指令値Iq0の制限値である。
例えば、上限値Ib3は、最大負荷時の保舵やラックエンドまでの操舵に最低限必要な電源電流に設定してよい。例えば上限値Ib3をIb1×3/7に設定してよい。この場合、q軸電流制限値Iq_limc3は、ECU部品の部品温度TpがTHである場合だけでなく、部品温度TpがTHより高い場合の制限値としても使用してよい。
図8は、制限値決定部80aの機能構成の一例を示す。制限値決定部80aは、制限値テーブル読出部81と、変動値テーブル読出部82と、リミッタ83と、減算器84と、乗算器85と、係数乗算器86と、加算器87と、リミッタ88を備える。
制限値テーブル読出部81は、電源電流を上限値Ib1以下に制限するためのq軸電流制限値を、回転速度信号Nに対応付けた制限値テーブルを記憶する。
制限値テーブル読出部81は、回転数入力処理部70が出力する回転速度信号Nに応じて制限値テーブルからq軸電流制限値を読み出し、読み出したq軸電流制限値をq軸電流基準制限値Iq_limbとして出力する。
図9の(a)は、電源電流を上限値Ib1以下に制限するためのq軸電流制限値のテーブルの一例を示す。太実線が、回転速度信号Nに応じたq軸電流制限値のテーブルを示しており、上限値Ib_limをIb1に固定し、インバータ印加電圧Vrを所定の基準電圧Vrefに固定して、演算式(3)及び条件式(4)に基づいて予め演算される。基準電圧Vrefは例えばインバータ50の許容印加電圧の下限値であってよい。
すなわち、各回転速度信号Nにおいて次式(5)及び(6)に応じて制限値Iq_limを予め演算することによって制限値テーブルを作成する。
Figure 2021118581
実際の回路では、演算式(3)及び条件式(4)に含まれているd軸電流が変動する。このため、制限値テーブルを作成する際には、複数のd軸電流Id=0、Id1、Id2及びId3におけるq軸電流制限値のテーブルをそれぞれ演算する。細実線、破線、1点鎖線、2点鎖線が、d軸電流Id=0、Id1、Id2及びId3におけるq軸電流制限値のテーブルを示す。
そして、各回転速度信号Nにおいて流れるd軸電流Idの範囲を予測し、保護性能とモータ20のトルク性能とのトレードオフを考慮しつつ、回転速度信号Nに応じてこれらのテーブルを選択又はテーブル間を補間して、太実線の制限値テーブルを作成する。
図8を参照する。実際の回路では、操舵状態や車両状態によってインバータ印加電圧Vrが変動する。このため、インバータ印加電圧Vrに応じてq軸電流基準制限値Iq_limbを補正する。インバータ印加電圧Vrが高いほど、電源電流の消費が少なくなるためq軸電流の制限が緩和される。
変動値テーブル読出部82は、インバータ印加電圧Vrと基準電圧Vrefとの基準偏差ΔVに対するq軸電流制限値の変動値ΔIq_limと回転速度信号Nとを対応付けた変動値テーブルを記憶する。
図9の(b)は、変動値テーブルの一例を示す。図9の(b)に示す変動値テーブルは、演算式(3)において上限値Ib_limをIb1に固定し、d軸電流を0[A]に固定して、インバータ印加電圧を(Vref+ΔV)に設定した場合のq軸電流制限値からインバータ印加電圧をVrefに設定した場合のq軸電流制限値を減算した差分を予め演算して作成する。
すなわち、各回転速度信号Nにおいて次式(7)に応じて変動値ΔIq_limを予め演算することによって変動値テーブルを作成する。
Figure 2021118581
図8を参照する。変動値テーブル読出部82は、回転数入力処理部70が出力する回転速度信号Nに応じて変動値テーブルから変動値ΔIq_limを読み出し、読み出した変動値ΔIq_limを乗算器85へ出力する。
リミッタ83は、インバータ印加電圧Vrの上限値を制限し、減算器84は上限値が制限されたインバータ印加電圧Vrと基準電圧Vrefとの偏差電圧(Vr−Vref)を算出する。
乗算器85及び係数乗算器86は、変動値テーブルから読み出された変動値ΔIq_limに、偏差電圧(Vr−Vref)と係数Gv(=1/ΔV)とを乗算して、補正値ΔIq_lim×Gv×(Vr−Vref)を算出する。
加算器87は、補正値ΔIq_lim×Gv×(Vr−Vref)を加算することによりq軸電流基準制限値Iq_limbを補正して、q軸電流制限値Iq_limc1=Iq_limb+ΔIq_lim×Gv×(Vr−Vref)を算出する。
リミッタ88は、q軸電流制限値Iq_limc1の上限値を制限して電流制限値補間部72へ出力する。
なお、演算式(3)から明らかなように、q軸電流制限値は、トルク定数Kt、抵抗値Rr、d軸電流Idによっても変動する。トルク定数Ktはモータ温度Tmによって変動し、抵抗値Rrはモータ温度Tmやインバータ50の温度によって変動する。
したがって、制限値決定部80aは、モータ温度Tmや、インバータ50の温度及びd軸電流Idを更に用いて、q軸電流基準制限値Iq_limbを補正してもよい。
例えば、上記の変動値テーブルと同様に、トルク定数Ktや抵抗値Rr、d軸電流Idの偏差に対するq軸電流制限値の変動値と回転速度信号Nとを対応付けたテーブルを演算式(3)にもとづいて予め演算して記憶しておき、回転速度信号Nに応じてテーブルから変動値を読み出す。
一方で、モータ温度Tmやインバータ50の温度に基づいて、トルク定数Ktや抵抗値Rrを算出し、トルク定数Ktや、抵抗値Rr、d軸電流Idとこれらの基準値との偏差を算出する。テーブルから読み出した変動値にこれらの偏差を乗じて補正値を求め、補正値をq軸電流基準制限値Iq_limbに加えて、q軸電流基準制限値Iq_limbを補正してよい。
制限値決定部80b及び80cも、制限値決定部80aと同様の構成を有する。ただし、制限値決定部80b及び80cが記憶する制限値テーブル及び変動値テーブルは、制限値決定部80aが記憶する制限値テーブル及び変動値テーブルと異なっている。
図10の(a)は、制限値決定部80bの制限値テーブル読出部81に記憶される制限値テーブルを示す。図10の(a)の制限値テーブルは、電源電流を上限値Ib2以下に制限するためのq軸電流制限値のテーブルである。
図9の(a)のテーブルと同様に、太実線が、回転速度信号Nに応じたq軸電流制限値のテーブルを示しており、細実線、破線、1点鎖線、2点鎖線が、d軸電流Id=0、Id1、Id2及びId3におけるq軸電流制限値のテーブルを示す。図11の(a)のテーブルも同様である。
これらのテーブルは、上限値Ib_limをIb2に固定し、インバータ印加電圧Vrを所定の基準電圧Vrefに固定して、図9の(a)のテーブルと同様に演算される。
図10の(b)は、制限値決定部80bの変動値テーブル読出部82に記憶される変動値テーブルを示す。図10の(b)に示す変動値テーブルは、上限値Ib_limをIb2に固定して、図9の(b)の変動値テーブルと同様に演算される。
図11の(a)は、制限値決定部80cの制限値テーブル読出部81に記憶される制限値テーブルを示す。図11の(a)の制限値テーブルは、電源電流を上限値Ib3以下に制限するためのq軸電流制限値のテーブルである。
これらのテーブルは、上限値Ib_limをIb3に固定し、インバータ印加電圧Vrを所定の基準電圧Vrefに固定して、図9の(a)のテーブルと同様に演算される。
図11の(b)は、制限値決定部80cの変動値テーブル読出部82に記憶される変動値テーブルを示す。図11の(b)に示す変動値テーブルは、上限値Ib_limをIb3に固定して、図9の(b)の変動値テーブルと同様に演算される。
図5を参照する。電流制限値補間部72は、電流制限値決定部71が決定した複数のq軸電流制限値Iq_limc1〜Iq_limcnを、温度検出部53が検出した部品温度Tpに応じて補間し、部品温度Tpに応じたq軸電流制限値Iq_lim0として出力する。
図12に示す電流制限値補間部72の例は、図7に示す電流制限値決定部71に対応して、3個のq軸電流制限値Iq_limc1〜Iq_limc3を補間してq軸電流制限値Iq_lim0を算出する。
電流制限値補間部72は、補間値算出部90及び91と、選択部92を備える。
補間値算出部90は、部品温度TpがTL以上TM以下の範囲にある際のq軸電流制限値を、q軸電流制限値Iq_limc1及びq軸電流制限値Iq_limc2を補間して算出する。
図12の(b)を参照する。補間値算出部90は、部品温度TpがTLである場合にはq軸電流制限値Iq_limc1を出力する。部品温度TpがTMである場合にはq軸電流制限値Iq_limc2を出力する。部品温度TpがTLより大きくTM未満である場合には、q軸電流制限値Iq_limc1とq軸電流制限値Iq_limc2との間を、温度検出部53が検出した部品温度Tpで補間して得られる補間値を出力する。
補間値算出部91は、部品温度TpがTM以上TH以下の範囲にある際のq軸電流制限値を、q軸電流制限値Iq_limc2及びq軸電流制限値Iq_limc3を補間して算出する。
図12の(c)を参照する。補間値算出部91は、部品温度TpがTMである場合にはq軸電流制限値Iq_limc2を出力する。部品温度TpがTHである場合にはq軸電流制限値Iq_limc3を出力する。部品温度TpがTMより大きくTH未満である場合には、q軸電流制限値Iq_limc2とq軸電流制限値Iq_limc3との間を、温度検出部53が検出した部品温度Tpで補間して得られる補間値を出力する。
なお、補間値算出部90及び91は、線形補間により補間値を算出してもよく、非線形関数を用いて補間値を算出してもよい。
選択部92は、複数のq軸電流制限値Iq_limc1〜Iq_limc3のうちの最大値Iq_limc1及び最小値Iq_limc3、並びに補間値算出部90及び91の出力のうち何れかを、温度検出部53が検出した部品温度Tpに応じて選択し、部品温度Tpに応じたq軸電流制限値Iq_lim0として出力する。
具体的には、部品温度TpがTL未満の場合に選択部92は最大値Iq_limc1をq軸電流制限値Iq_lim0として選択する。
部品温度TpがTL以上TM未満の場合に、選択部92は補間値算出部90の出力をq軸電流制限値Iq_lim0として選択する。部品温度TpがTM以上TH未満の場合に、選択部92は補間値算出部91の出力をq軸電流制限値Iq_lim0として選択する。部品温度TpがTH以上の場合に選択部92は最小値Iq_limc3をq軸電流制限値Iq_lim0として選択する。
なお、本実施形態では、部品温度TpがTL未満の範囲においてq軸電流制限値Iq_lim0をq軸電流制限値Iq_limc1に固定し、部品温度TpがTHより高い範囲においてq軸電流制限値Iq_lim0をq軸電流制限値Iq_limc3に固定しているが、本発明はこれに限定されるものではない。電流制限値補間部72は、複数のq軸電流制限値Iq_limc1〜Iq_limc3に基づく外挿によって、部品温度TpがTL未満又はTH以上の範囲におけるq軸電流制限値Iq_lim0を算出してもよい。
図5を参照する。レートリミッタ73は、q軸電流制限値Iq_lim0の過渡的な変動を緩和する。
操向ハンドル1の操舵状態が切り増し操舵状態と切り戻し操舵状態との間で切り替わると、回転数入力処理部70が回転速度信号Nを切り替えるために、q軸電流制限値Iq_lim0の値が急激に変化する。この結果、q軸電流制限値の出力値の急激な変化が発生したりチャタリングが発生するおそれがある。
レートリミッタ73は、q軸電流制限値Iq_lim0の過渡的な変動を緩和して得られるq軸電流制限値Iq_lim1を生成して、平滑化部74へ出力する。
例えばレートリミッタ73は、今回の制御周期で入力したq軸電流制限値Iq_lim0から前回の制御周期で出力したq軸電流制限値Iq_lim1を減算して得られる差分が、正値の立ち上がり閾値RISE_RATEよりも大きい場合には、前回の制御周期で出力したq軸電流制限値Iq_lim1と立ち上がり閾値RISE_RATEとの和を、q軸電流制限値Iq_lim1として出力する。
またレートリミッタ73は、今回の制御周期で入力したq軸電流制限値Iq_lim0から前回の制御周期で出力したq軸電流制限値Iq_lim1を減算して得られる差分が、負値の立ち下がり閾値FALL_RATEよりも小さい場合には、前回の制御周期で出力したq軸電流制限値Iq_lim1と立ち下がり閾値FALL_RATEとの和を、q軸電流制限値Iq_lim1として出力する。
今回の制御周期で入力したq軸電流制限値Iq_lim0から前回の制御周期で出力したq軸電流制限値Iq_lim1を減算して得られる差分が、立ち下がり閾値FALL_RATE以上立ち上がり閾値RISE_RATE以下の場合には、入力したq軸電流制限値Iq_lim0をそのままq軸電流制限値Iq_lim1として出力する。
平滑化部74は、q軸電流制限値Iq_lim1を平滑化することにより、回転速度信号Nの切り替え時のq軸電流制限値の出力値の急激な変化を緩和し、チャタリングを除去する。
例えば、平滑化部74は、q軸電流制限値Iq_lim1の時間加重平均値を算出するフィルタであってよい。平滑化部74は、q軸電流制限値Iq_lim1を平滑化して得られた最終的なq軸電流制限値Iq_limを、q軸電流制限部75へ出力する。
q軸電流制限部75は、電流指令値演算部41から出力されるq軸電流指令値Iq0を、q軸電流制限値Iq_lim以下の値に制限する。q軸電流制限部75は、q軸電流指令値Iq0を制限して得られる制限後q軸電流指令値Iq1を出力する。
図13を参照する。q軸電流制限部75は、符号反転器100と、比較器101及び102と、選択器103及び104を備える。
比較器101は、q軸電流指令値Iq0と正値のq軸電流制限値Iq_limとを比較する。q軸電流指令値Iq0が正値のq軸電流制限値Iq_lim以上の場合、比較器101は、選択信号「1」を選択器103に出力する。q軸電流指令値Iq0が正値のq軸電流制限値Iq_lim未満の場合、比較器101は、選択信号「0」を選択器103に出力する。
符号反転器100は、q軸電流制限値Iq_limの符号を反転して負値のq軸電流制限値(−Iq_lim)を出力する。比較器102は、q軸電流指令値Iq0と負値のq軸電流制限値(−Iq_lim)とを比較する。q軸電流指令値Iq0が負値のq軸電流制限値(−Iq_lim)以下の場合、比較器102は、選択信号「1」を選択器104に出力する。q軸電流指令値Iq0が負値のq軸電流制限値(−Iq_lim)より大きいの場合、比較器102は、選択信号「0」を選択器104に出力する。
比較器101が選択信号「1」を出力する場合(すなわちq軸電流指令値Iq0が正値のq軸電流制限値Iq_lim以上の場合)、選択器103はq軸電流制限値Iq_limを選択して選択器104に出力する。
比較器101が選択信号「0」を出力する場合(すなわちq軸電流指令値Iq0が正値のq軸電流制限値Iq_lim未満の場合)、選択器103はq軸電流指令値Iq0を選択して選択器104に出力する。
比較器102が選択信号「1」を出力する場合(すなわちq軸電流指令値Iq0が負値のq軸電流制限値(−Iq_lim)以下の場合)、選択器104は負値のq軸電流制限値(−Iq_lim)を選択して制限後q軸電流指令値Iq1として出力する。
比較器102が選択信号「0」を出力する場合(すなわちq軸電流指令値Iq0が負値のq軸電流制限値(−Iq_lim)より大きいの場合)、選択器104は選択器103の出力を選択して制限後q軸電流指令値Iq1として出力する。以上により、制限後q軸電流指令値Iq1は、正値のq軸電流制限値(Iq_lim)以下及び負値のq軸電流制限値(−Iq_lim)以上の値に制限される。
なお、バッテリ14は特許請求の範囲に記載される電源の一例である。コントローラ30、温度検出部53、インバータ印加電圧検出部54、回転角度検出回路61及びモータ温度取得部62は、特許請求の範囲に記載されるモータ制御装置の一例である。回転角度検出回路61及び回転数演算部52は、特許請求の範囲に記載される回転速度検出部の一例である。制限値テーブル及び変動値テーブルは、特許請求の範囲に記載される第1テーブル及び第2テーブルの一例である。制限値テーブル及び変動値テーブルを多項式等で近似し、近似式として第1記憶部及び第2記憶部に記憶しても良い。比例積分制御部46と、デューティ演算部47と、空間ベクトル変調部48と、PWM制御部49は、特許請求の範囲に記載される素子制御部の一例である。
(動作)
図14を参照して、実施形態のモータ制御方法の一例を説明する。
ステップS1において回転角度検出回路61と回転数演算部52は、モータ20の回転速度Nrを検出する。
ステップS2においてインバータ印加電圧検出部54は、インバータ50への印加電圧であるインバータ印加電圧Vrを検出する。
ステップS3において温度検出部53は、ECU部品のいずれかの部品温度Tpを検出する。
ステップS4において電流指令値演算部41は、q軸電流指令値Iq0及びd軸電流指令値Id0を算出する。
ステップS5において電流制限値決定部71は、回転数入力処理部70が出力する回転速度信号N及びインバータ印加電圧検出部54が検出したインバータ印加電圧Vrに基づいて、複数のq軸電流制限値Iq_limc1〜Iq_limcnの各々を決定する。
ステップS6において電流制限値補間部72は、複数のq軸電流制限値Iq_limc1〜Iq_limcnを補間して、温度検出部53が検出したECU部品の部品温度Tpに応じたq軸電流制限値Iq_lim0を算出する。
ステップS7においてレートリミッタ73は、q軸電流制限値Iq_lim0の過渡的な変動を緩和して得られるq軸電流制限値Iq_lim1を生成し、平滑化部74は、q軸電流制限値Iq_lim1を平滑化して得られるq軸電流制限値Iq_limを生成する。q軸電流制限部75は、q軸電流指令値Iq0をq軸電流制限値Iq_limで制限することにより、制限後q軸電流指令値Iq1を演算する。
ステップS8においてコントローラ30は、d軸電流指令値Id0と制限後q軸電流指令値Iq1に基づいてモータ20を駆動する。
(実験結果)
以下、図15〜図18を参照して、本実施形態のモータ制御装置による実験結果を示す。実験は、温度TH、TM、及びTLをそれぞれ、TH=80[℃]、TM=60[℃]、TL=50にそれぞれ設定し、ラックエンドの一方において低中速操舵で端当てを反復して行った。
また、部品温度Tpが温度TL以下である場合の電源電流の上限値をIb1に設定し、部品温度Tpが温度TMである場合の上限値をIb1×(5/7)に設定し、部品温度Tpが温度TH以上である場合の上限値をIb1×(3/7)に設定した。
細破線が操舵補助指令値Irefを示し、細実線が制限後q軸電流指令値Iq1を示し、太実線が電源電流Ibを示し、1点鎖線がECU部品の部品温度Tpを示し、太破線がモータ20のモータ回転速度を示す。
図15を参照する。電源電流が、Ib1からIb1×(3/7)へ徐々に制限されることにより、ECU部品の温度上昇が緩やかになり、ECU部品の温度上昇が徐々に抑えられていることが確認できる。
図16は、ECU部品の部品温度Tpが50[℃]付近である範囲の拡大図である。
部品温度Tpが50[℃]以下である間、電源電流は上限値Ib1付近まで大きくなるが、部品温度Tpが50[℃]付近を超えると、電源電流が徐々に制限されることが確認できる。
また、電源電流が大きいときは制限後q軸電流指令値Iq1が制限され、電源電流が小さい又は回生状態にある時は、制限後q軸電流指令値Iq1が最大値Iref_maxまで増大していることが確認できる。
このため、部品温度Tpの上昇によって電源電流が制限されても、低中速操舵ではあるが最大のq軸電流Iref_maxが出力され、ラックエンドまでの操舵が可能になる。
図17は、ECU部品の部品温度Tpが60[℃]付近である範囲の拡大図である。
部品温度Tpが60[℃]以下である間、上限値Ib1×(5/7)以上の電源電流が供給されていたが、部品温度Tpが60[℃]以上になると、電源電流が徐々にIb1×(5/7)以下に制限されることが確認できる。これにより、部品温度Tpの上昇も徐々に抑えられていることが確認できる。
また、電源電流が大きいときは制限後q軸電流指令値Iq1が制限され、電源電流が小さい又は回生状態にある時は、制限後q軸電流指令値Iq1が最大値Iref_maxまで増大していることが確認できる。
このため、部品温度Tpの上昇によって電源電流が制限されても、低中速操舵ではあるが最大のq軸電流Iref_maxが出力され、ラックエンドまでの操舵が可能になる。
図18は、ECU部品の部品温度Tpが80[℃]付近である範囲の拡大図である。
部品温度Tpが80[℃]付近になると、電源電流がIb1×(3/7)以下に制限されることが確認できる。部品温度Tpの上昇も横ばいになっており、ECU部品の温度上昇が抑えられていることが確認できる。
また、電源電流が大きいときは制限後q軸電流指令値Iq1が制限され、電源電流が小さい又は回生状態にある時は、制限後q軸電流指令値Iq1が最大値Iref_maxまで増大していることが確認できる。
このため、部品温度Tpの上昇によって電源電流が制限されても、低中速操舵ではあるが最大のq軸電流Iref_maxが出力され、ラックエンドまでの操舵が可能になる。
(実施形態の効果)
(1)モータ20を制御するモータ制御装置は、電源であるバッテリ14とモータ20との間に直列に接続されて、バッテリ14から出力される電源電流をモータ20に流す駆動電流に変換する駆動素子Q1〜Q6と、モータ20のモータ回転速度を検出する回転角度検出回路61及び回転数演算部52と、インバータ50への印加電圧であるインバータ印加電圧を検出するインバータ印加電圧検出部54と、バッテリ14から駆動素子Q1〜Q6までの電源ライン又はその近傍に配置された部品の部品温度を検出する温度検出部53と、駆動電流を制御するための電流指令値を演算する電流指令値演算部41と、予め定めた複数の上限値以下に電源電流をそれぞれ制限するように電流指令値を制限するための複数の電流制限値を、少なくとも回転角度検出回路61及び回転数演算部52が検出したモータ回転速度及びインバータ印加電圧検出部54が検出したインバータ印加電圧に応じて決定する電流制限値決定部71と、電流制限値決定部71が決定した複数の電流制限値を補間して、温度検出部53が検出した部品温度に応じた電流制限値を算出する電流制限値補間部72を備える。比例積分制御部46、デューティ演算部47、空間ベクトル変調部48、及びPWM制御部49は、電流制限値補間部72が算出した電流制限値で制限された電流指令値に基づいて駆動素子Q1〜Q6を制御する。
これにより、電源電流の上限値を設定しておき、電源ライン又はその近傍に配置された部品の部品温度Tpに応じて電源電流の上限値を設定しておき、検出した部品温度Tpに対応する上限値以下に電源電流が制限されるようにモータ20の駆動電流を制御できる。このため、精度の高い上限値により過剰な電流制限を回避しながら電源ライン又はその近傍に配置された部品の部品温度Tpの上昇を抑制できる。
例えば電動モータによって車両の操舵系に操舵補助力を付与する電動パワーステアリング装置の場合、操向ハンドル1をラックエンドまで操舵できるように制御しつつ、部品温度Tpの上昇を抑制できる。
また、複数の電流制限値を補間することにより、部品温度Tpに応じて連続的に変化する電流制限値を算出できる。これにより操舵者に意識されないように徐々に電源電流を制限できる。
(2)電流制限値決定部71は、モータ回転速度とインバータ印加電圧に応じて予め演算された電流制限値を記憶したテーブルから読み出した電流制限値に基づいて複数の電流制限値の各々を決定してよい。
電流制限値を予め演算してテーブルに格納しておくことで、コントローラ30の処理負荷を抑えることができる。
(3)電流制限値は、インバータ印加電圧と電源電流に基づく入力電力と、モータ回転速度、電流指令値に基づく出力電力と、損失電力と、の間に成立する関係に従って予め演算してテーブルに格納してよい。
このように電流制限値を演算することにより、正確に電源電流を制限できる。
(4)電流制限値決定部71は、所定のインバータ印加電圧におけるモータ回転速度に応じた電流制限値を記憶した制限値テーブルを備え、回転角度検出回路61及び回転数演算部52が検出したモータ回転速度に応じて制限値テーブルから読み出した電流制限値を、インバータ印加電圧検出部54が検出したインバータ印加電圧に応じて補正することにより複数の電流制限値の各々を決定してよい。
これにより、インバータ印加電圧の変動に応じて電源電流を正確に制限できる。
(5)電流制限値決定部71は、インバータ印加電圧と基準電圧との基準偏差に対する電流制限値の変動値とモータ回転速度とを対応付けた変動値テーブルを備え、回転角度検出回路61及び回転数演算部52が検出したモータ回転速度に応じて変動値テーブルから読み出した変動値と、インバータ印加電圧検出部54が検出したインバータ印加電圧とに応じて、回転角度検出回路61及び回転数演算部52が検出したモータ回転速度に応じて制限値テーブルから読み出した制限値を補正することにより、複数の電流制限値の各々を決定してよい。
インバータ印加電圧の偏差に対する電流制限値の変動値を予め演算してテーブルに格納しておくことで、インバータ印加電圧の変動に応じた補正処理の負荷を抑えることができる。
(6)電流制限値補間部72は、部品温度Tpに応じて複数の電流制限値の間の補間値を算出する1以上の補間値算出部90及び91と、補間値算出部90及び91が算出した補間値、並びに複数の電流制限値の最大値及び最小値のいずれかを部品温度Tpに応じて選択する選択部92を備えてよい。
これにより、部品温度Tpに応じて複数の電流制限値の補間値を算出できる。
(7)電流指令値演算部41は、駆動電流を制御するためのq軸電流指令値及びd軸電流指令値を演算し、電流制限値決定部71はq軸電流指令値を制限するための電流制限値を決定してよい。
電源電流が上限値以下に制限されるようにq軸電流指令値を制御することにより、過剰な電流制限を回避しながら電源ライン又はその近傍に配置された部品の部品温度Tpの上昇を抑制できる。
(8)電流制限値決定部71は、さらに少なくともモータ20の温度情報及びインバータ50の駆動素子の温度情報に応じて電流制限値を決定してよい。
これにより、モータ20の温度によるトルク定数や抵抗値の変化や、駆動素子の温度による抵抗値の変化を考慮することができ、より正確に電源電流を制限できる。
(9)駆動電流制限部43は、駆動電流の向きとモータ20の回転方向に応じて、駆動電流の制限を解除してよい。
これにより、モータ20が回生状態となる場合(例えば操向ハンドル1が切り戻し操舵状態である場合等)に、不要な電流制限を解除することができる。
1…操向ハンドル、2…コラム軸、3…減速ギア、4A、4B…ユニバーサルジョイント、5…ピニオンラック機構、6…タイロッド、10…トルクセンサ、11…イグニションキー、12…車速センサ、14…バッテリ、20…モータ、30…コントローラ、40…操舵補助指令値演算部、41…電流指令値演算部、43…駆動電流制限部、44、45、84…減算器、46…比例積分制御部、47…デューティ演算部、48…空間ベクトル変調部、49…PWM制御部、50…インバータ、52…回転数演算部、53…温度検出部、54…インバータ印加電圧検出部、61…回転角度検出回路、62…モータ温度取得部、70…回転数入力処理部、70a、70b…符号判定部、70c…操舵状態判定部、70d…絶対値算出部、70e、103、104…選択器、71…電流制限値決定部、72…電流制限値補間部、73…レートリミッタ、74…平滑化部、75…q軸電流制限部、80a、80b、80c…制限値決定部、81…制限値テーブル読出部、82…変動値テーブル読出部、83、88…リミッタ、85…乗算器、86…係数乗算器、87…加算器、90、91…補間値算出部、92…選択部、100…符号反転器、101、102…比較器

Claims (11)

  1. 電動モータを制御するモータ制御装置であって、
    電源と前記電動モータとの間に直列に接続されて、前記電源から出力される電源電流を前記電動モータに流す駆動電流に変換する駆動素子と、
    前記電動モータのモータ回転速度を検出する回転速度検出部と、
    前記駆動素子に印加される電圧をインバータ印加電圧として検出するインバータ印加電圧検出部と、
    前記電源から前記駆動素子までの電源ライン又はその近傍に配置された部品の部品温度を検出する温度検出部と、
    前記駆動電流を制御するための電流指令値を演算する電流指令値演算部と、
    予め定めた複数の上限値以下に前記電源電流をそれぞれ制限するように前記電流指令値を制限するための複数の電流制限値を、少なくとも前記回転速度検出部が検出した前記モータ回転速度及び前記インバータ印加電圧検出部が検出した前記インバータ印加電圧に応じて各々決定する電流制限値決定部と、
    前記電流制限値決定部が決定した前記複数の電流制限値を補間して、前記温度検出部が検出した前記部品温度に応じた電流制限値を算出する電流制限値補間部と、
    前記電流制限値補間部が算出した前記電流制限値で制限された前記電流指令値に基づいて前記駆動素子を制御する素子制御部と、
    を備えることを特徴とするモータ制御装置。
  2. 前記電流制限値決定部は、前記モータ回転速度と前記インバータ印加電圧とに応じて予め演算された前記電流制限値を記憶した制限値記憶部から読み出した電流制限値に基づいて、前記複数の電流制限値の各々を決定することを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記制限値記憶部は、前記インバータ印加電圧と前記電源電流に基づく入力電力と、前記モータ回転速度、前記電流指令値に基づく出力電力と、損失電力との間に成立する関係に従って予め演算された前記電流制限値を記憶していることを特徴とする請求項2に記載のモータ制御装置。
  4. 前記制限値記憶部は、所定の前記インバータ印加電圧における前記モータ回転速度に応じた前記電流制限値を記憶した第1テーブルを備え、
    前記電流制限値決定部は、前記回転速度検出部が検出した前記モータ回転速度に応じて前記第1テーブルから読み出した電流制限値を、前記インバータ印加電圧検出部が検出した前記インバータ印加電圧に応じて補正することにより前記複数の電流制限値の各々を決定する、
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載のモータ制御装置。
  5. 前記制限値記憶部は、前記インバータ印加電圧と基準電圧との基準偏差に対する前記電流制限値の変動値と前記モータ回転速度とを対応付けた第2テーブルを備え、
    前記電流制限値決定部は、前記回転速度検出部が検出した前記モータ回転速度に応じて前記第2テーブルから読み出した前記変動値と、前記インバータ印加電圧検出部が検出した前記インバータ印加電圧とに応じて、前記回転速度検出部が検出した前記モータ回転速度に応じて前記第1テーブルから読み出した電流制限値を補正することにより、前記複数の電流制限値の各々を決定する、
    ことを特徴とする請求項4に記載のモータ制御装置。
  6. 前記電流制限値補間部は、
    前記部品温度に応じて前記複数の電流制限値の間の補間値を算出する1以上の補間値算出部と、
    前記補間値算出部が算出した補間値、並びに前記複数の電流制限値の最大値及び最小値のいずれかを前記部品温度に応じて選択する選択部と、
    を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
  7. 前記駆動電流を制御するためのq軸電流指令値及びd軸電流指令値を演算する電流指令値演算部を更に備え、
    前記電流制限値決定部は、前記q軸電流指令値を制限するための電流制限値を決定することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
  8. 前記電流制限値決定部は、さらに少なくとも前記電動モータの温度情報及び前記駆動素子の温度情報に応じて前記複数の電流制限値の各々を決定することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
  9. 前記駆動電流の向きと前記電動モータの回転方向に応じて、前記駆動電流の制限を解除する、ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
  10. 請求項1〜9の何れか一項に記載のモータ制御装置と、
    前記モータ制御装置によって制御される電動モータと、
    を備えることを特徴とする電動アクチュエータ製品。
  11. 請求項1〜9の何れか一項に記載のモータ制御装置と、
    前記モータ制御装置によって制御される電動モータと、
    を備え、前記電動モータによって車両の操舵系に操舵補助力を付与することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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