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JP5814067B2 - 用紙加工装置の制御方法 - Google Patents

用紙加工装置の制御方法 Download PDF

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JP5814067B2
JP5814067B2 JP2011222717A JP2011222717A JP5814067B2 JP 5814067 B2 JP5814067 B2 JP 5814067B2 JP 2011222717 A JP2011222717 A JP 2011222717A JP 2011222717 A JP2011222717 A JP 2011222717A JP 5814067 B2 JP5814067 B2 JP 5814067B2
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Description

本発明は、用紙加工装置の制御方法に関し、特に、用紙搬送方向と直交する方向に用紙を裁断する裁断機構を有する、用紙加工装置の制御方法に関する。
用紙加工装置として、前記裁断機構と共に、用紙搬送方向と平行に用紙を裁断するスリット形成機構及び用紙に折り目を形成する折り型形成機構等を、カセット方式により適宜組み合わせて使用する装置が、開発されている。
図16は、用紙加工装置の裁断機構を示しており、裁断機構201は、上側可動刃201aと下側固定刃201bとを備え、上側可動刃201aを昇降することにより、裁断位置P1にて用紙Nを用紙搬送方向Fと直交する方向に裁断する。裁断機構201の用紙搬送上流側と用紙搬送下流側には、それぞれは上下一対の搬送ローラ202a、202b及び203a、203bからなる搬送ローラ対202,203が配置され、また、用紙搬送下流側の搬送ローラ対203の用紙搬送下流側には紙受け部204が配置されている。
図4は、一枚の用紙Nから用紙加工装置により加工される製品(成果物)Qの配列パターンの一例を示しており、この配列パターンでは、裁断加工及び折り型形成加工により、折り目を有する4枚の製品Qが製作される。具体的には、スリット形成機構によって、用紙搬送方向Fと平行な複数のスリット線Eで用紙Nを裁断することにより、用紙搬送幅方向Wの両端及び中間の切除範囲Kを切除し、折り型形成機構によって、用紙搬送方向Fと直交する用紙搬送幅方向Wの折り線Gに沿って折り目を形成し、裁断機構201(図16)によって、用紙搬送幅方向Wの複数の裁断線C、Crで用紙Nを裁断することにより、前端切除領域(前端マージン)Sf、中間切除領域Sm及び後端切除領域(後端マージン)Srを切除する。
図4のような配列パターンで用紙Nを加工する場合、裁断工程においては、図16に示すように、裁断された前端切除領域Sfの切除片(いわゆるドブ)及び中間切除領域Smの切除片は、裁断機構201と用紙搬送下流側の搬送ローラ対203との間を通って下方に放出され、一方、後端切除領域Srの切除片は、裁断機構201と用紙搬送上流側の搬送ローラ対202との間を通って下方に放出される。
ところが、後端切除領域Srは、製品Qの大きさ、数及び配列によって、用紙搬送方向長さLrが異なっており、この用紙搬送方向長さLrが大きくなり過ぎると、裁断後、下方に放出できなくなることがある。たとえば、図17に示すように、後端切除領域Srの用紙搬送方向長さLrが、裁断機構201の裁断位置P1と用紙搬送上流側の搬送ローラ対202のニップ位置P2との距離D1より大きい場合、裁断後の後端切除領域Srの切除片は、搬送上流側の搬送ローラ対202により搬送方向Fに送り出される。これにより、下側固定刃201bを乗り越えて裁断機構201の用紙搬送下流側で滞留したり、用紙搬送下流側の搬送ローラ対203に挟持されて紙受け部204に排出されたり、あるいは、下側固定刃201bの上で滞留したりする。これらの現象は、用紙詰まりや裁断不良の原因になる。
この対策として、本件出願人は、後端切除領域Srの用紙搬送方向長さLrが、所定値以上の場合に、図15に示すように、後端切除領域Srを、用紙搬送下流端から順に、所定細断単位長さLr0毎に細かく裁断分割する制御方法を考え出している(特許文献1)。前記所定細断単位長さLr0は、細断された分割領域Sr0の切除片が、図16の裁断機構201と用紙搬送下流側の搬送ローラ対203との隙間から下方に放出できる程度の長さに、設定されている。
特開2001−232700号公報
ところで、製品(成果物)の搬送方向長さを小さくする場合には、上流側及び下流側の搬送ローラ対202,203の前後方向のピッチを狭くすることになるが、前記搬送ローラ間のピッチを狭くすればする程、所定細断単位長さLr0(図15参照)を短くしなければならず、その結果、1回の細断分割動作にかかる用紙搬送距離が短くなり、その用紙搬送距離に対応する上流側搬送ローラ対202の回転角度が小さくなる。このように切除片の搬送距離に対応する上流側搬送ローラ対202の回転角度が小さくなると、最後の分割領域の切除片の搬送時において、最後の切除片が放出されずに、上流側搬送ローラ対202の下側搬送ローラ202bの上半分の領域に残るようになる。
本発明の目的は、用紙の後端切除領域を細かく裁断分割して排出する工程を有する用紙加工装置の制御方法において、裁断機構で切除され、下方に排出されるべき切除片が、裁断機構の近傍で滞留することなく、速やかに下方に排出できる、用紙加工装置の制御方法を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明は、用紙搬送面を挟んで対向配置された一対の裁断刃により用紙搬送方向と直交する方向に用紙を裁断する裁断機構と、該裁断機構の用紙搬送上流側に配置された第1搬送ローラ対と、前記裁断機構の用紙搬送下流側に配置された第2搬送ローラ対と、前記第1、第2搬送ローラ対及び前記裁断機構を駆動する駆動部と、該駆動部の作動を制御する制御部と、を備え、前記用紙の後端切除領域(Sr)の用紙搬送方向長さ(Lr)が、所定値(Dn)以上の時には、前記後端切除領域(Sr)を、用紙搬送下流端から順次、所定細断単位長さ(Lr0)に裁断し、分割する、用紙加工装置の制御方法において、前記制御部は、前記後端切除領域(Sr)中の最後端分割領域(Sr1)の用紙搬送方向長さ(Lr1)が、前記裁断機構の裁断位置(P1)と前記第1搬送ローラ対のニップ位置(P2)との間の距離に略相当する長さとなるよう、かつ、前記最後端分割領域(Sr1)が、前記第1搬送ローラ対のニップ位置を通過完了した時点から、前記第1搬送ローラ対が90°以上回転するよう、前記駆動部を制御することを特徴とする。
本発明は、上記内容に加え、好ましくは、前記裁断機構は、前記第1搬送ローラ対が90°以上回転した後、前記最後端分割領域(Sr1)に対して再裁断動作を行うよう、制御される。この場合、さらに好ましくは、前記第1の搬送ローラ対は、前記裁断機構による前記再裁断動作時には、停止している。また、前記第1の搬送ローラ対は、前記裁断機構による前記再裁断動作後、回転を再開するように、制御される。
(1)本発明によると、用紙の後端切除領域(Sr)の用紙搬送方向長さ(Lr)が長く、そのため、後端切除領域(Sr)の用紙搬送下流端から順に、所定細断単位長さ(Lr0)に細かく裁断分割して排出する場合に、所定細断単位長さ(Lr0)に裁断された切除片だけでなく、最後に残る最後端分割領域(Sr1)の切除片も、滞留することなく、確実、かつ、速やかに裁断機構と用紙搬送上流側の第1搬送ローラ対との間から、下方に排出することができる。これにより、用紙が詰まったり、用紙に傷が付いたり、あるいは製品に混ざって紙受け部に排出される、等の課題が解消される。
(2)また、最後端分割領域(Sr1)の裁断後、第1搬送ローラ対が90°以上回転した後、再裁断動作を行うことにより、最後端分割領域の切除片に衝撃を与え、確実に最後端分割領域の切除片を落下させることができる。この時、第1の搬送ローラ対を停止させることにより、さらに確実に切除片の衝撃を与えることができる。
本発明に係る制御方法を実施する用紙加工装置の模式縦断面図である。 図1の裁断機構の斜視図である。 裁断機構の縦断面拡大図である。 用紙の製品配列パターンの一例を示す平面図である。 後端切除領域を本発明に従って裁断分割する場合の前記図4の用紙の部分拡大平面図である。 後端切除領域を細かく裁断分割する工程の初期搬送状態を示す断面略図である。 図6の搬送後、最初の分割裁断時の状態を示す断面略図である。 最後の分割裁断位置まで搬送した状態を示す断面略図である。 最後端分割領域を裁断した状態を示す断面略図である。 最後端分割領域を裁断後、上流側搬送ローラ対の回転により、切除片を下方にガイドし始めた状態を示す断面略図である。 最後端分割領域の切除片を下方にガイドしている状態を示す断面略図である。 上流側搬送ローラ対が図10の状態から90°回転した状態を示す断面略図である。 上流側搬送ローラ対が図10の状態から90°回転した後、再裁断機構が作動した時の状態を示す断面略図である。 最後端分割領域の切除片が落下している状態を示す断面略図である。 後端切除領域の従来の裁断パターンを示す平面図である。 図4の裁断パターンに基づく従来の裁断機構の動作を示す断面略図である。 従来の裁断機構の別の動作を示す断面略図である。
[用紙加工装置の全体構成]
図1は本発明に係る制御方法を実施する用紙加工装置の模式縦断面図である。この図1において、用紙加工装置は、装置本体1の用紙搬送方向Fの下流端部に紙受け部2を備え、用紙搬送方向Fの上流端部に給紙部3を備え、該給紙部3と紙受け部2との間に、略水平な搬送経路5が構成されている。給紙部3には吸引搬送ベルト機構8a及び給紙ローラ8bが配置され、搬送経路5には、複数の搬送ローラ対9、10、11、12、13等が用紙搬送方向Fに間隔をおいて配置されると共に、加工機構として、用紙搬送上流側から用紙搬送下流側に向けて、スリット形成機構20、折り型形成機構21及び裁断機構22が配置されている。また、装置本体1内の下端部には、スリット、裁断等の加工により発生するくず紙片を収容するくず箱23が配置されている。
スリット形成機構20の用紙搬送上流側には、リジェクト機構25及びCCDセンサー26が配置され、スリット形成機構20の用紙搬送下流側には、切除片落とし機構27が配置されている。スリット形成機構20、折り型形成機構21及び裁断機構22は、それぞれ着脱可能なユニットとして構成されており、カセット方式により、装置本体1内の所望の位置に着脱できる構造となっている。したがって、加工の種類に応じて、各機構20,21,22の配置順序を変更したり、あるいは他の機構(面取り機構、ミシン目形成機構等)と取り替えたり、追加したりすることができる。
各搬送ローラ対9,10,11,12,13は、動力伝達機構を介して各ローラ駆動部41、42,43,44にそれぞれ連結されており、各ローラ駆動部41,42,43,44は制御部45に電気的に接続されている。制御部45には、CPUや、RAM及びROM等の記憶装置が内蔵されており、制御部45のインターフェースには、各種作業設定情報を入力し、かつ、表示するための操作パネル46並びにCCDセンサー26が電気的に接続されている。
搬送経路5には、さらに、用紙Nの前端縁(用紙搬送下流端縁)Naあるいは用紙後端縁(用紙搬送上流端縁)Nbを検出する複数の光透過式の用紙検出センサー31,32,33,34、35が配置されており、それぞれ制御部45のインターフェースに電気的に接続されている。最も用紙搬送上流側の第1の用紙検出センサー31は、CCDセンサー26の用紙搬送上流側近傍に配置され、次の第2の用紙検出センサー32は,スリット形成機構20の用紙搬送上流側近傍に配置され、次の第3の用紙検出センサー33は,スリット形成機構20の途中に配置され、次の第4の用紙検出センサー34は、折り型形成機構21の用紙搬送上流側近傍に配置され、最も用紙搬送下流側の第5の用紙検出センサー35は、紙受け部2の用紙搬送上流側近傍に配置されている。
最も搬送方向上流側の第1の用紙検出センサー31は、給紙部3から用紙Nが供給された後、搬送ローラ対9で把持された用紙Nの前端縁Na又は後端縁Nbを検出し、検出した用紙位置を基準にして、搬送経路5上で搬送されている各用紙Nの位置を一義的に検出する。
第2の用紙検出センサー32及び第3の用紙検出センサー33は、用紙Nの詰まりを検出する。第4の用紙検出センサー34は、搬送経路5が長くなって搬送経路5上の用紙Nの用紙搬送方向Fの位置ずれ(搬送誤差)の累積が起こった場合に備えて、第1の用紙検出センサー31で得られた用紙位置情報を修正して、当該用紙位置情報をより正確なものにするために補助的に設置している。第5の用紙検出センサー35は、紙受け部2への製品Qの搬出を検出したり、詰まり等を検出する。
本発明は、用紙加工装置のうち、裁断機構22及びその近傍の搬送ローラ対12,13等の制御に関するものであるので、それら以外の各加工機構及び各部については、簡単に説明する。
[給紙部3]
給紙部3は、給紙トレイ3a上に積載された所定枚数の用紙Nを、吸引搬送ベルト機構8a及び給紙ローラ8bにより、上端から順に、一枚ずつ搬送経路5に供給する。給紙ローラ8及び吸引搬送ベルト機構は、給紙用駆動部47に接続され、該給紙用駆動部47は制御部45に電気的に接続されている。
[CCDセンサー26]
CCDセンサー26は、前記操作パネル46による各種作業設定情報の手動入力とは別に、自動的に前記作業設定情報を読み取ることができるように設置されている。具体的には、図4に示すような用紙Nの前端隅部に印刷された位置マークM1の画像を読み取って、用紙Nの用紙搬送方向F及び用紙搬送方向と直交する用紙搬送幅方向Wの加工の基準位置を検出するとともに、用紙Nの前端部に印刷されたバーコードM2の画像を読み取って用紙Nに施されるべき各種作業設定情報を取得する。作業設定情報としては、たとえば、用紙Nの用紙搬送方向Fの全長La及び全幅に加え、加工される製品Qの寸法、数及び配置に応じた各裁断線C,Cr、E及び折り線Gの位置等である。なお、図4の長さLbは、用紙Nの前端縁Naから後端切除領域Srの搬送下流端の裁断線Crまでの長さを示している。
[リジェクト機構25]
図1のリジェクト機構25は、印刷された位置マークM1やバーコードM2が不鮮明であるためにCCDセンサー26による読取が不能であった場合、その用紙Nに対して、作動し、読取不能の用紙Nを落下させて廃棄トレイ25aで回収する。
[スリット形成機構20]
スリット形成機構20は、該実施の形態では、用紙搬送方向Fに3つのユニット部を並べており、各ユニット部には、上下の回転刃からなる回転刃対36が、それぞれ搬送幅方向Wに間隔を置いて2組ずつ配置されている。下側の回転刃は、動力伝達機構を介してモータ等の回転刃駆動機構48に連結されている。すなわち、回転刃駆動部48の駆動力で下側の各回転刃を回転させることにより、用紙Nに対して、用紙搬送方向Fと平行にスリットを形成するようになっている。前記各回転刃対36の搬送幅方向Wの間隔は任意に変更可能である。
[切除片落とし機構27]
切除片落とし機構27は、前記スリット形成機構20の裁断によって生じる切除片(図4の切除領域K)を、搬送経路5の外側に排除するためのものであり、用紙Nが切除片落とし機構27を通過する際に、前記切除片をくず箱23へ落下させる。
[折り型形成機構21]
折り型形成機構21は、上端凹部を有する下型21Bと、前記凹部に嵌合する下端凸部を有する上型21Aとを備えており、前記上型21Aは、モータ等の型駆動部49に動力伝達機構を介して連結されている。すなわち、折り型駆動部49の駆動力で上型21Aを下降させることにより、用紙Nに対して、用紙搬送方向Fと直交する用紙搬送幅方向Wに折り目を形成する。
[裁断機構22]
裁断機構22は、用紙搬送幅方向Wに延びる下側固定刃22Bと上側可動刃22Aとから構成されており、上側可動刃22Aは、動力伝達機構を介してモータ等の裁断駆動部50に連結されている。なお、特許請求の範囲で用いる用語との統一を図るため、裁断機構22の用紙搬送上流側の搬送ローラ対12を第1の搬送ローラ対、裁断機構22の用紙搬送下流側の搬送ローラ対13を第2の搬送ローラ対と称して、以下説明する。前記第1の搬送ローラ対12及び第2の搬送ローラ対13は、ローラ駆動部43,44にそれぞれ連結された駆動側の下側搬送ローラ12B,13Bと、従動側の上側搬送ローラ12A、13Aとから構成されている。
図2は、裁断機構22の具体例であり、下側固定刃22Bは用紙搬送幅方向Wに延びるように略水平に配置され、上側可動刃22Aは、水平に対して、刃先部22Aaから刃元部22Abに行くに従って低くなるように傾斜しており、用紙搬送方向Fの上流側に配置された上側ガイド体29に沿って上下方向に移動する。
上側可動刃22Aの刃元部22Abは、平行リンク機構51、クランク機構52及びギヤ伝動機構53を介して、裁断駆動部(駆動モータ)50に連動連結されており、裁断駆動部50の駆動動力により、上側可動刃22Aは、傾斜状態を保って上下方向に平行移動される。
[用紙の製品配列パターン]
前述の従来技術の欄で既に説明しているが、図4に示す製品Qの配列パターンは、一枚の用紙Nから折り目を有する4枚の製品Qを製作するようになっている。基本的には、用紙搬送幅方向Wに延びる4本の裁断線C、Crと、用紙搬送方向Fと平行に延びる4本のスリット線Eと、用紙搬送幅方向Wに延びる2本の折り線Gが設定されており、これらの裁断線C,Cr及びEで用紙Nを裁断し、折り線Gで折り目を形成することにより、折り目を有する4枚の製品Qを製作する。
(裁断機構22に関する制御部45による制御内容)
図1の制御部45には、裁断工程に関して、次のような段階のプログラムが組み込まれている。
(1)第1の段階として、図1の操作パネル46あるいはCCDセンサー26からの各種作業設定情報の入力値に基づき、図4に示す後端切除領域Srの用紙搬送方向長さLrが、所定値Dnより大きいか否かを判別する。所定値Dnより大きいと判別した場合には、図5に示すように、後端切除領域Srを、用紙搬送下流端から順に、所定細断単位長さLr0に裁断分割するための分割用の裁断線Cr0及び最終裁断線Cr1等の位置を設定する。裁断分割するか否かの判断基準となる前記所定値Dnは、該実施の形態では、図3に示すように、裁断機構22の裁断位置P1と第1搬送ローラ対12のニップ位置P2との距離D1に略相当する値に設定されている。なお。第1の搬送ローラ対12の下側の搬送ローラ12Bの直径D5 は、該実施の形態では19.1mmφのものを使用している。
また、前記所定細断単位長さLr0は、細断された分割領域Sr0の切除片が、図3において、裁断機構22と用紙搬送下流側の第2搬送ローラ対13の隙間D2から速やかに下方に放出できる程度の長さに設定されている。
(2)第2の段階として、図5のように、最後に残る最後端分割領域Sr1の用紙搬送方向長さLr1が、裁断位置P1と第1搬送ローラ対12のニップ位置P2との間の前記距離D1に略相当するように、最終裁断線Cr1の位置を設定する(本実施の形態では、Lr1=Dnに設定)。この場合、最後端分割領域Sr1の一つ手前の切除領域Sr2の用紙搬送方向長さLr2は、0≦Lr2≦Lr0となる。これで、図5の分割用の裁断線Cr0,Cr1等の設定を終了する。
該実施の形態では、前記裁断機構22と用紙搬送下流側の第2搬送ローラ対13の隙間D2が15mm程度であることから、所定細断単位長さLr0を14mmに設定し、所定値Dn(≒D1)を25mmに設定してある。たとえば、図4の後端切除領域Srの用紙搬送方向長さLrが72mmであるとした場合、Lrは所定値Dn=25mmより大きいので、図5に示すように、後端切除領域Sr内には、用紙搬送下流端側から順に、3本の分割用裁断線Cr0が設定されると共に、最後端分割領域Sr1の搬送方向長さLr1が25mmとなるように、最終裁断線Cr1が設定される。したがって、最後端分割領域Sr1の一つ手前の分割領域Sr2の用紙搬送方向長さLr2は、Lr2=72−(14×3)−25=5(mm)となる。
(3)第3の段階は、裁断機構22及び第1搬送ローラ対12の実質的な動作制御である。すなわち、図6乃至図8のように、後端切除領域Srに対する最初の裁断線Crでの裁断後、分割用の三つの裁断線Cr0の裁断を経て、最終裁断線Cr1の裁断に至るまでの裁断作業では、第1の搬送ローラ対12は、各切除片の長さLr0(用紙搬送量)に対応する回転角度だけ、通常搬送速度V1(たとえば、600mm/秒あるいはそれ以上)で駆動するように制御される。そして、図9に示す最終裁断線Cr1での裁断後は、図10乃至図12に示すように、最後端分割領域Sr1の後端(Nb)が第1の搬送ローラ対12のニップ位置P2を通過完了した後、第1の搬送ローラ対12が90°以上(θ≧90°)回転するように、第1搬送ローラ対12の駆動が制御される。なお、図10乃至図12における第1の搬送ローラ対12の搬送速度V2は、通常搬送速度V1よりも高い値 (たとえば、700mm/秒あるいはそれ以上)に設定される。
(4)さらに、第4の段階は、図13に示すように、最後端分割領域Sr1の後端が第1の搬送ローラ対12のニップ位置P2を通過完了後、90°以上回転した時に、裁断機構22が再裁断動作を行うように設定する。
[用紙加工装置の全体作業の概要]
(1)図1において、操作パネル46により、用紙の大きさ、種類及び製品の配列、数及び寸法に関する各種作業設定情報を入力する。なお、この手動入力の代わり、あるいは、手動入力と協働して、CCDセンサー26によるバーコードM2等の読み取りにより、作業設定情報を自動的に入力させることもできる。
(2)図1の給紙部3のトレイ3a上に積載された複数の用紙Nを、吸引搬送ベルト機構8a及び給紙ローラ8bにより、上端から一枚ずつ搬送経路5に供給する。
(3)CCDセンサー26により、用紙Nの位置マークM1並びに、必要に応じてバーコードM2を読み取って用紙Nに施されるべき各種作業設定情報を取得する。
(4)CCDセンサー26による読取が不能であった場合、その用紙Nに対して、作動し、読取不能の用紙Nを落下させて廃棄トレイ25aで回収する。
(5)スリット形成機構20では、用紙搬送方向Fと平行な複数のスリット線Eで用紙Nを裁断する。
(6)切除片落とし機構27では、前記スリット形成機構20によって裁断された切除片(図4の切除領域K)を、くず箱23へ落下させる。
(7)折り型形成機構21では、用紙搬送幅方向Wの折り線Gで、折り目を形成する。
(8)裁断機構22では、第1搬送ローラ対12により、通常搬送速度V1で用紙Nを裁断機構22に送り込み、図4の各裁断線C、Crで順次裁断する。裁断された前端切除領域Sf及び中間切除領域Smの各切除片は、図6のように、裁断機構22と第2搬送ローラ対13との間を通過して、下方のくず箱23に排出される。一方、後端切除領域Srの切除片は、その用紙搬送方向長さLrの値により、次のように異なる方法により排除される。
(8−1)
図6において、後端切除領域Srの用紙搬送方向長さLrが、前記所定値Dn以上の場合には、図6乃至図8に示すように、後端切除領域Srを、用紙搬送向下流端から順に、所定細断単位長さLr0の分割領域Sr0毎に裁断する。裁断された切除片(Sr0)は、裁断機構22と第2搬送ローラ対13との間から、順次下方のくず箱23に排出する。この場合、第1搬送ローラ対12の搬送速度は、通常搬送速度V1である。
そして、図9のように、分割用の最後の裁断線Cr1が裁断された後は、図10のように、通常搬送速度V1よりも高い搬送速度V2で、第1の搬送ローラ対12を回転する。この場合、最後端分割領域Sr1が第1の搬送ローラ対12のニップ位置P2を通過完了した後、第1の搬送ローラ対12は、90°以上回転する。これにより、最後端分割領域Sr1の切除片は、図11に示すように、前部が下側固定刃22Bに支持されつつ、後端縁Nbが、第1搬送ローラ対12の下側の搬送ローラ12Bにより、前下方(搬送方向下流側下方)にガイドされ、図12に示すように、90°(θ=90°)回転した時点で、第1の搬送ローラ対12から落下し始める。そして、図13に示すように、第1の搬送ローラ対12が90°以上(θ>90°)回転した時点で、裁断機構22は再裁断動作を行い、最後端分割領域Sr1の切除片の前端部付近に衝撃を与える。これにより、図14に示すように、最後端分割領域Sr1の切除片は、裁断機構22と第1搬送ローラ対12との間を通り、速やかに下方のくず箱23に放出される。なお、図13に示す再裁断動作時、該実施の形態においては、第1の搬送ローラ対12は回転状態を維持し、搬送を継続している。
(8−2)
図4に示す後端切除領域Srの用紙搬送方向長さLrが、前記所定値Dn未満の場合には裁断分割作業を行わない。
[実施の形態の効果]
(1)用紙Nの後端切除領域Srを、所定細断単位長さLr0毎に細かく裁断し、分割する場合に、最後端分割領域Sr1の後端が第1の搬送ローラ対12のニップ位置P2を通過した後、第1の搬送ローラ対12は90°以上回転するので、最後端分割領域Sr1の切除片は、その後端が第1の搬送ローラ対12の下側の搬送ローラ12Bの表面に沿って該搬送ローラ12Bの前下方(搬送方向下流側下方)に案内されることにより、確実に裁断機構22と第1の搬送ローラ対12との隙間(D3)から下方に放出される。これにより、用紙が詰まったり、用紙に傷が付いたり、あるいは製品に混ざって紙受け部に排出される、等の課題が解消される。
(2)所定細断単位長さLr0は、裁断機構22と第2の搬送ローラ対13との用紙搬送方向Fの間隔D2以下に設定されているので、所定細断単位長さLr0に分割された分割領域Sr0の切除片は、裁断機構22と用紙搬送下流側の第2の搬送ローラ対13との間から確実に下方に放出され、滞留することがない。
(3)第1の搬送ローラ対12が90°以上回転した時点で、裁断機構22は再裁断動作を行い、最後端分割領域Sr1の切除片の前端部付近に衝撃を与えるので、最後端分割領域Sr1の切除片は、より確実に、かつ、速やかに下方のくず箱23に放出される。
(4)第1の搬送ローラ対12による最後端分割領域Sr1の搬送速度V2を、通常搬送速度V1よりも速くしているので、最後端分割領域Sr1の切除片の放出作業の能率を向上させることができる。なお、所定細断切除領域Sr0及び最後から一つ手前の切除領域Sr2の搬送速度については、通常搬送時と同様としている。これは、最後端分割領域Sr1以外の分割領域Sr0,Sr2については、所定寸法Lr0,Lr2に正確に裁断するために、用紙の停止位置精度が重要となるので、回転速度を速めることによる停止位置精度の低下を防いでいる。一方、最後端分割領域Sr1については、停止位置精度が低下して、再裁断動作による裁断位置が多少ずれても、最後端分割領域Sr1は所定寸法Lr1の長さになっており、裁断機構22と第1の搬送ローラ対12との隙間(D3)から下方に放出されるので、通常搬送速度V1より速い値V2としても問題ないのである。さらに、前記裁断動作時、第1の搬送ローラ対12は回転状態に維持されているので、最後端分割領域Sr1の切除片の再裁断動作から下方のくず箱23への放出動作までが、連続的に速やかに行われる。
他の実施の形態
(1)前記実施の形態の裁断機構は、上側可動刃と下側固定刃とから構成されているが、本発明にかかる裁断機構は、上記構成には限定されず、下側可動刃と上側固定刃とから構成された裁断機構でも良い。要するに、少なくとも搬送面を介して対向配置された一対の裁断刃を備え、搬送面上の用紙を搬送方向と直交する方向に裁断できる構成であればよい。
(2)前記実施の形態では、最後端分割領域Sr1の後端が第1の搬送ローラ対12のニップ位置P2を通過した後、第1の搬送ローラ対12が90°以上回転した時点で裁断機構22が再裁断動作を行い、かつ、再裁断動作時に第1の搬送ローラ対12の回転が維持されるよう、制御されるが、本発明は、前記再裁断動作の際に、第1の搬送ローラ対12の回転を停止して、用紙の搬送を停止した状態に維持する構成でも良い。この場合には、用紙の搬送が停止した状態で再裁断動作を行うことにより、最後端分割領域Sr1の切除片の前端部付近に確実に衝撃を与えることができる。更に、前記再裁断動作後、第1の搬送ローラ対12の用紙搬送を再開するようにしても良い。この場合には、第1の搬送ローラ対12は、衝撃を与えられた最後端分割領域Sr1の切除片を下方に放出するよう動作するので、より速やかに下方のくず箱23に放出することができる。また逆に、前記再裁断動作を行わないようにしても良い。この場合でも、最後端分割領域Sr1の切除片の後端が、第1の搬送ローラ対12の下側の搬送ローラ12Bにおける前下方(搬送方向下流側下方)に案内されるので、前記最後端分割領域Sr1の切除片は、裁断機構22と第1搬送ローラ対12との隙間(D3)から速やかに下方に放出できる。
(3)分割裁断を行うか否かを判別する所定値Dnは、前記実施の形態では、裁断位置P1と搬送上流側の第1の搬送ローラ対12のニップ位置P2との距離D1と略同じ値に設定したが、図3において、D1≦Dn<(D1+Lr0)の範囲で設定することも可能である。
(4)最後端分割領域Sr1の搬送において、第1の搬送ローラ対12を90°以上回転させる際の第1の搬送ローラ対12による搬送速度は、用紙の紙質及び厚み等によっては、通常搬送速度よりも遅くしたり、あるいは通常搬送速度と同じにすることもできる。たとえば、表面が滑り易くて薄い用紙では、スリップを防いで確実に搬送ローラの下方にガイドできるように、通常搬送速度よりも遅くすることが好ましい。
(5)前記実施の形態の用紙加工装置は、用紙搬送方向Fと直交する用紙搬送幅方向Wに用紙を裁断する裁断機構22と共に、用紙搬送方向Fと平行なスリットを形成するスリット形成機構20及び用紙搬送幅方向Wに折り目を形成する折り型形成機構21を備えているが、裁断機構のみを備えた用紙加工装置や、裁断機構と他の加工機構(ミシン目形成機構、丸み形成機構等も含む)とを適宜組み合わせた用紙加工装置、更には加工機構、搬送ローラ対の数が前記実施の形態と異なる用紙加工装置にも、本発明を適用できることはいうまでもない。
12 第1の搬送ローラ対
12A 上側搬送ローラ
12B 下側搬送ローラ
13 第2の搬送ローラ対
22 裁断機構
22A 上側可動刃(裁断刃の一例)
22B 下側固定刃(裁断刃の一例)
43 ローラ駆動部
50 裁断駆動部
N 用紙
Q 製品(成果物)
Sr 後端切除領域
Sr0 所定細断単位長さに裁断される分割領域
Sr1 最後端分割領域(最後端分割領域の切除片)
C、Cr 用紙搬送方向と直交する方向の裁断線
Cr0、Cr1 用紙搬送方向と直交する方向の分割用の裁断線
Lr 後端切除領域の用紙搬送方向長さ
Lr1 最後端分割領域の用紙搬送方向長さ
Lr0 所定細断単位長さ
Dn 所定値

Claims (4)

  1. 用紙搬送面を挟んで対向配置された一対の裁断刃により用紙搬送方向と直交する方向に用紙を裁断する裁断機構と、該裁断機構の用紙搬送上流側に配置された第1搬送ローラ対と、前記裁断機構の用紙搬送下流側に配置された第2搬送ローラ対と、前記第1、第2搬送ローラ対及び前記裁断機構を駆動する駆動部と、該駆動部の作動を制御する制御部と、を備え、前記用紙の後端切除領域(Sr)の用紙搬送方向長さ(Lr)が、所定値(Dn)より大きい時には、前記後端切除領域(Sr)を、用紙搬送下流端から順次、所定細断単位長さ(Lr0)に裁断し、分割する、用紙加工装置の制御方法において、
    前記制御部は、前記後端切除領域(Sr)中の最後端分割領域(Sr1)の用紙搬送方向長さ(Lr1)が、前記裁断機構の裁断位置(P1)と前記第1搬送ローラ対のニップ位置(P2)との間の距離(D1)に略相当する長さとなるよう、かつ、前記最後端分割領域(Sr1)が、前記第1搬送ローラ対のニップ位置を通過完了した時点から、前記第1搬送ローラ対が90°以上回転するよう、前記駆動部を制御することを特徴とする用紙加工装置の制御方法。
  2. 請求項1記載の用紙加工装置の制御方法において、
    前記裁断機構は、前記第1搬送ローラ対が90°以上回転した後、前記最後端分割領域(Sr1)に対して再裁断動作を行うよう、制御される、用紙加工装置の制御方法。
  3. 請求項2記載の用紙加工装置の制御方法において、
    前記第1の搬送ローラ対は、前記裁断機構による前記再裁断動作時には、停止している用紙加工装置の制御方法。
  4. 請求項3記載の用紙加工装置の制御方法において、
    前記第1の搬送ローラ対は、前記裁断機構による前記再裁断動作後、回転を再開するように、制御される、用紙加工装置の制御方法。
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