[シート加工装置の全体構成]
本発明にかかるシート加工装置の一実施形態を、図面を用いて説明する。尚、以下の説明では、シートSの搬送方向Fに直交する方向を幅方向Wとし、搬送方向F上流側から下流側を見たときの右側を装置の右側、左側を装置の左側と称する。図1は本発明に係るシート加工装置の模式縦断面図である。この図1において、シート加工装置Dは、装置本体1のシートSの搬送方向Fの上流端部に供給部3を備え、搬送方向Fの下流端部に加工処理物Qを載置する載置部2を備え、該供給部3と載置部2との間に、略水平な搬送経路5が構成されている。
搬送経路5には、上下一対の搬送ローラ9〜17が複数設置された搬送部4を備えている。搬送ローラ9〜17は、搬送方向Fに間隔をおいて配置される。搬送経路5には、搬送されるシートSを加工処理する加工処理部が設置されている。図1では、加工処理部として、裁断部19及びクリース処理部21が設けられている。裁断部19は、3つのスリッター処理部20と、カッター処理部22とにより構成される。
スリッター処理部20、クリース処理部21及びカッター処理部22は、それぞれ着脱可能なユニットとして構成されており、カセット方式により、装置本体1内の所望の位置に着脱できる構造となっている。したがって、加工の種類に応じて、各処理部20,21,22の配置順序を変更したり、あるいは搬送方向Fに沿ったクリース処理を施す機構、面取り機構やミシン目形成機構等の他の加工処理部と取り替えたり、追加したりすることができる。
スリッター処理部20の上流側には、読取部26及びリジェクト機構25が配置され、スリッター処理部20の下流側には、紙片落とし機構27が配置されている。また、装置本体1内の下部には、紙片回収部23が配置されている。
搬送部4を構成する各搬送ローラ9〜17は、図示しない動力伝達機構を介してローラ駆動部41〜44にそれぞれ連結されており、各ローラ駆動部41〜44は制御部45に電気的に接続されている。制御部45には、CPUや、RAM及びROM等の記憶装置が内蔵されており、制御部45のインターフェースには、操作パネル46及び読取部26が電気的に接続されている。操作パネル46は、シートSの裁断処理に関する情報を含む各種加工処理情報を設定する設定部と表示部とを兼ねて構成する。また、読取部26は、前記設定部を構成する。
搬送経路5には、さらに、シートSまたは加工処理物Qの前端縁(下流側端縁)あるいは後端(上流側端縁)Sbを検出する複数の光透過式の検出部31〜35が配置されており、それぞれ制御部45のインターフェースに電気的に接続されている。シートSの搬送方向Fにおいて最も上流側の第1検出部31は、供給部3の吸引搬送部62と供給ローラ8との間に配置され、次の第2検出部32は、スリッター処理部20の上流側近傍に配置され、次の第3検出部33は,スリッター処理部20の途中に配置され、次の第4検出部34は、クリース処理部21の上流側近傍に配置され、最も下流側の第5検出部35は、載置部2の上流側近傍に傾斜して配置されている。
第1検出部31は、供給部3の吸引搬送部62により吸引搬送されたシートSが、供給ローラ8で把持される前の段階にあるシートSの前端縁Sa、又は供給ローラ8により把持され、搬送されるシートSの後端縁Sbを検出し、検出したシートSの位置を基準にして、その後搬送経路5上で搬送されているシートSの位置の算出に用いられる。
第2検出部32及び第3検出部33は、シートSや加工処理物Qの詰まりを検出する。第4検出部34は、搬送経路5が長くなって搬送経路5上の加工処理物Qの搬送方向Fの位置ずれ(搬送誤差)の累積が起こった場合に備えて、第1検出部31で得られたシート位置情報を修正して、当該シート位置情報をより正確なものにするために補助的に設置している。第5検出部35は、載置部2への加工処理物Qの排出を検出する。また、第5検出部35は、載置部2での加工処理物Qのジャム等を検出する。
[供給部3]
供給部3は、積載台61、供給ローラ8、吸引搬送部62及び分離送風部63を備える。供給部3では、積載台61上に積載された所定枚数のシートSを、吸引搬送部62及び上下一対の給紙ローラ8を用いて、上から順に、一枚ずつ搬送経路5に供給する。
積載台61は、シートSが積載される。積載台61は、図示しない昇降手段により昇降可能となっている。昇降手段は、シートSの供給の際、最上位のシートSが吸引搬送部62によって吸引搬送可能な所定の高さとなるよう積載台61を上昇させる。
供給ローラ8は、上下一対設置され、給紙ローラ8のうち下方の給紙ローラ81は、給紙用駆動部47に接続され、該給紙用駆動部47は制御部45に電気的に接続されている。
分離送風部63は、積載台61上のシートSの前端縁Saに向けて図示しないファンにより送風し、積載された複数のシートSから最上位のシートSを分離して吸引搬送部62に吸着させ、搬送させる。
吸引搬送部62は、積載台61の前部上方に設けられる。図2に、吸引搬送部62を構成するシート搬送装置の平面図、図3に、シート搬送装置の底面図、図4に、図2のA−A線矢視断面図を示す。吸引搬送部62は、搬送ベルト64、ローラ65、66、負圧発生部68、吸引検出部69、吸引箱71及び閉塞部材103を備える。
吸引搬送部62は、シートSの種類や厚さ、搬送速度等に応じて、シートSの搬送方向Fから所定角度θ傾斜して設置することが可能である。このように、吸引搬送部62を傾斜配置することで、装置本体1に設置された右側板18にシートSの右端縁Srを当接させつ搬送することができる。傾斜角度θは、0°〜30°程度が好ましい。
シート搬送装置の傾斜角度θは、手動または自動で調整可能である。傾斜角度を調整するための手段及び調整方法は特に限定されないが、例えば、吸引搬送機構の吸引箱71の右端に設けられたピン孔82に、装置本体1に固定されたピン68が挿通され、当該ピン68を軸心として吸引搬送機構を図2,3において矢印Yで示すよう回動させる構成を用いることができる。
吸引搬送部62を搬送方向Fに対し所定角度θだけ傾斜配置させて、搬送ベルト64を右側板18に向けて走行させ、シートSを右側板18に当接させつ搬送することによって、シートSの右端縁Srを、右側板18への当接位置に位置させることができる。これより、シートSの幅方向Wにおける位置を、シートSの右端縁Srを基準とすることができる。また、シートSの右端縁Srが右側板18に平行に搬送されるので、シートSの斜行を抑制可能である。そして、吸引搬送部62の傾斜角度θを調整することで、シートSの種類、厚さ等に応じて該シートSを右側板18へ当接させる際にシートにかかる力の大きさを調整すれば、右側板18への接触や摩擦によるシートSの破損、皺の発生等を抑制することができる。
尚、図2,3では吸引搬送部62が搬送方向Fに対し所定角度θ傾斜配置された場合を示したが、図5〜20では、説明の都合上傾斜角度θが0°、即ち、吸引搬送部62が搬送方向Fと平行に設置された場合を示す。
搬送ベルト64は、シートSを吸引箱71に吸引しつつ搬送する。搬送ベルト64は。無端状に形成され、シートSの幅方向Wに複数本並設される。各搬送ベルト64は、前後に離間して対向配置された一対のローラ65、66にそれぞれ掛けられている。一対のローラ65,66は、シートSの幅方向に複数並設される。ローラ65は、搬送方向上流側位置で、ローラ66は下流側位置でそれぞれ軸73,74に固定されている。
シートSの搬送方向F下流側の軸73は、ギア76、動力伝達用ベルト77を介してベルト駆動モータ78の出力軸79に連結される。これより、ベルト駆動モータ78が駆動すると、出力軸79が回転し、動力伝達用ベルト77,ギア76を介して軸73が回転され、これよりローラ65が回転され、搬送ベルト64が周回走行されるとともにローラ66が従動回転される。
負圧発生部68は、吸引箱71の上面左側に設置されたファン68aにより構成され、吸引箱71内に負圧を発生させる。負圧発生部68の吸引部81は、吸引箱71の上面に形成された負圧発生用開口部91に接続されており、負圧発生部68が駆動されることによって吸引箱71内の空気が吸引される。
吸引検出部69は、吸引箱71にシートSが吸引されたことを検出する。吸引検出部69は、揺動部材83及び光学センサ84を備える。揺動部材83は、吸引箱71の平面視略中央部分に設置され、吸引箱71を上下に貫通して形成された吸引検出用開口部93に挿通され、図4に示す吸引箱71内の揺動軸85を軸心に上下及び前後に揺動する。そして、揺動部材83が揺動されることで吸引箱71の上下にそれぞれ突出可能に設置される。このため、吸引箱71を構成する上箱体87、閉塞部材103を構成する下閉塞部材107及び底板88には、それぞれ揺動部材83が挿通される検出用開口部93a、93b、93cが設けられている。
揺動部材83の下端部83aは、負圧発生部68の駆動によりシートSが吸引箱71の下面に吸引されると、この吸引されたシートSに押し上げられ、上向きに揺動し、吸引箱71の内部へ退避する。また、この揺動部材83の揺動に伴って、吸引箱71の内部に収容されていた揺動部材83の上端部83bが、光学センサ84の二股部内に進入し、光学センサ84を通光状態から遮光状態へと変更する。この検出結果は、制御部45に送信される。
吸引箱71は、薄く平らな略直方体状に形成され、右側の部分が複数の搬送ベルト64の内方に設置される。吸引箱71は、上箱体87と底板88とが組み合わされ、中空に形成さる。上箱体87は、下面開口を有し、底板88の上方を覆うよう箱状に形成される。底板88は、右底板89と左底板90とを含む。
図5は上箱体87の平面図を、図6は右底板89の底面図を示す。図5に示すように、上箱体87は、左側の部分に、負圧発生部68の吸引部81に連通する負圧発生用開口部91が形成される。また、負圧発生用開口部91の搬送方向F上流側近傍には、後述する閉塞部材103を移動させる移動部104の移動用モータ114の出力軸109が挿通される移動モータ用開口部94が設けられている。そして、上箱体87の略中央部分には、吸引検出部69の揺動部材83を挿通するための検出用開口部93aが形成されている。
また、上箱体87は、幅方向Wに沿って分割された複数の負圧解除用開口部96が設けられる。負圧解除用開口部96は、周回走行する複数の搬送ベルト64の間に位置合わせして設けられ、平面視細長い矩形状に形成されている。負圧解除用開口部96は、シートSが下流側の供給ローラ8に挟持された後等のように、シートSを吸引搬送する必要がなくなったときに底板88の吸引開口部95が全て閉塞され、吸引箱71内が負圧発生部68の駆動によって負圧となるときに開放されることで、負圧発生部68による吸引箱71内の負圧を解除させる。負圧解除用開口部96は、上箱体87の右端部分に形成される。負圧解除用開口部96は、図5においては、細長い形状に3本形成された場合を示している。
図6に示す右底板89は、シートSの搬送方向F、及び前記搬送方向Fに直交する幅方向Wに沿って分割された複数の吸引開口部95が設けられている。吸引開口部95は、負圧解除用開口部96と同様に、周回走行する複数の搬送ベルト64の間に位置合わせして設けられ、底面視矩形状に形成されている。吸引開口部95には、上流吸引開口部97及び下流吸引開口部98が含まれる。
上流吸引開口部97は、右底板89におけるシートSの搬送方向F上流側位置に設けられる。また、下流吸引開口部98は、上流吸引開口部97よりシートSの搬送方向F下流側位置に設けられる。図6においては、上流吸引開口部97は、右底板89の右端部分から左端部分にかけて9本並設された場合を示す。また、下流吸引開口部98は、右底板89のやや右寄りの位置に5本形成された場合を示す。
上流吸引開口部97の前端部は、幅方向W中央に位置する上流吸引開口部97bを除く8本の上流吸引開口部97a,97cについては、図1に示す積載台61上に積載されたシートSの前端縁Saが突き当たる突き当て板101の設置位置の略真上となる。中央の上流吸引開口部97bは、突き当て板101の真上より搬送方向F下流側に長く形成されている。この中央の上流吸引開口部97bの前端部分は、吸引検出部69の揺動部材83が挿通される検出用開口部93cを構成する。また、下流吸引開口部98の搬送方向Fの長さLhの方が、上流吸引開口部97の搬送方向Fの長さLgより短くなっている。更に、上流吸引開口部97の方が、下流吸引開口部98より幅方向Wの広い範囲に設置されている。長さが短くなっている。
更に、右底板89の右部分且つ搬送方向略中央部及び左部分且つ搬送方向やや上流側に閉塞部材103の移動を案内するためのガイドピン99,100が立設されている。ガイドピン99,100は、閉塞部材103の後述する下閉塞部材107に設けられた横長の案内窓121,122(図8参照)に挿通される。
図4に示すように、吸引箱71の吸引開口部95形成箇所の内側には、吸引開口部95及び負圧解除用開口部96を閉塞可能な閉塞部材103が設置される。閉塞部材103には、各吸引開口部95及び負圧解除用開口部96にそれぞれ連通する吸引開口連通部115及び負圧解除用開口連通部116が複数設けられている。この閉塞部材103は、移動部104によって吸引箱71に対し相対移動される。そして、所定のタイミングで移動部104によって閉塞部材103が吸引箱71の内側で幅方向Wに所定量移動され、必要な一部の吸引開口部95が吸引開口連通部115に連通されることで開放される。そして、残りの吸引開口部95は吸引開口連通部115に連通されないことで当該吸引開口部95は閉塞される。吸引開口連通部115には、上流吸引開口連通部117及び下流吸引開口連通部118が含まれる。また、移動部104による閉塞部材103の移動により負圧解除用開口部96を負圧解除用開口連通部116に連通させることで開放することができ、連通させないことで閉塞することができる。
閉塞部材103は、上箱体87の下面に摺接する上閉塞部材106と、底板88の上面に摺接する下閉塞部材107とを備える。上閉塞部材106と下閉塞部材107とは、螺子等の図4に示す連結部材105によって連結され、移動部104の駆動に伴って一体で移動される。
図7は上閉塞部材106の平面図を、図8は下閉塞部材107の底面図を示す。上閉塞部材106には、図5に示す上箱体87の左側の2箇所の負圧解除用開口部96を設けた位置に対応する位置に、図7に示すように2つの負圧解除用開口連通部116が形成されている。負圧解除用開口部96と負圧解除用開口連通部116とは同一の大きさ、同一の形状であり、開口面積が等しい。下閉塞部材107を移動部104によって後述する第2状態の位置に移動し、負圧解除用開口連通部116が、対応する負圧解除用開口部96に重ねられると(図10(a)参照)、負圧解除用開口部96が全開となる。
また、図8に示す下閉塞部材107は、図6に示す右底板89の上流吸引開口部97a、97b、97c及び下流吸引開口部98に対応する位置に、それぞれ上流吸引開口連通部117及び下流吸引開口連通部118が形成される。複数の上流吸引開口連通部117のうち左側の2つの上流吸引開口連通部117cは、右底板89の対応する上流吸引開口部97と同一の大きさ、形状であり、搬送方向Fの長さはLgで幅方向Wの長さはLsである。また、全ての下流吸引開口連通部118は、右底板89の対応する下流吸引開口部98と同一の大きさ、形状である。
一方、左側の2つを除く他の右側の6つの上流吸引開口連通部117a、117b、117dの幅方向Wの長さLuは、上流吸引開口部97の幅方向Wの長さLsよりも長く形成され、開口面積が広くなっている。また、幅方向W中央部に設けられる上流吸引開口連通部117b、117dは、シートSの搬送方向Fで上流側と下流側とに更に分割され、下流側の上流吸引開口連通部117dは、隣接する2つの上流吸引開口連通部117が1つに結合され、底面視凸字状に形成される。また、幅方向Wで右側の3つと左側の3つの上流吸引開口連通部117a、117cの搬送方向Fの長さLgは、上流吸引開口部97と同じだが、幅方向W中央の2つの上流吸引開口部117b及び凸字状に形成された上流吸引開口連通部117dの搬送方向長さLi,Ljは、上流吸引開口部97の搬送方向長さLgより短くなっている。
この凸字状の上流吸引開口連通部117dは、下閉塞部材107の略中央部分に位置し、吸引検出部69の揺動部材83が設置される検出用開口部93bを構成する。このように、上流吸引開口連通部117dが幅方向Wで長く形成されることにより、閉塞部材103が吸引箱71内で幅方向Wに移動した場合であっても図6に示す右底板89の検出用開口部93cは、閉塞されることなく常に開口した状態が維持される。
更に、底板88のガイドピン99,100の立設位置にそれぞれ対応して、下閉塞部材107の右部分且つ搬送方向略中央部、及び左部分且つ搬送方向やや上流側に、案内窓121,122が設けられる。案内窓121,122には、右底板89に立設されたガイドピン99,100がそれぞれ挿通され、移動部104による閉塞部材103の幅方向Wの移動が案内される。そして、左部分の案内窓122の搬送方向F上流側に、後述する移動部104の連結ピン113を設置するための設置用孔部123が設けられている。
移動部104は、図2、4に示す移動用モータ114、回転体119、リンク部材111、位置検出部110を備える。移動用モータ114は、上箱体87の上面左上流側に設置され、固定されている。移動用モータ114の出力軸109は、上箱体87に設けられた移動モータ用開口部94に挿通される。
回転体119は、移動用モータ114の下方位置に設置され、該移動用モータ114の出力軸119に同軸心に固定される。回転体119は上部の大径部119aと下部の小径部119bとを備える。回転体119上部の大径部119aの外周の一部に切り欠き120が形成される。
リンク部材111の左端部111aは、回転体119の下部の小径部119bに、該小径部119bの下面に固設された偏心ピン112を用いて回動自在に連結される。リンク部材111の右端部111bは、下閉塞部材107の左部分の設置用孔部123に固設された連結ピン113によって下閉塞部材107に回動自在に連結される。
位置検出部110は、光学センサにより構成される。位置検出部110は、制御部45に電気的に接続される。位置検出部110は、回転体119の周方向に形成された切欠き120の端縁が光学センサの二股部内を通過した際、光学センサの遮光状態から通光状態への変化を検出し、制御部45に検出信号を送信する。これより、制御部45は、回転体119の回転角度を検出し、閉塞部材103の幅方向Wにおける位置を検出する。
図9〜12は、閉塞部材103が吸引箱71内で幅方向Wに移動されることで、吸引箱71の複数の吸引開口部95がシートSの大きさ、厚さまたは搬送位置の少なくともいずれかに応じて開閉される状態を示す。図9〜12では、閉塞部材103が吸引箱71に対して4つの位置に移動されることで、複数の吸引開口部95を4つパターンで開閉する。なお、図9〜12では、吸引開口部95及び負圧解除用開口部96が吸引開口連通部115及び負圧解除用開口部96にそれぞれ連通された状態を塗りつぶさない白抜きとして示し、吸引開口部95及び負圧解除用開口部96が閉塞部材103によって閉塞された状態を網掛け模様で示している。
図9は、閉塞部材103が最も左に位置する第1状態を示す。図9(a)は、上箱体87と上閉塞部材106の位置関係を示し、同図(b)は、右底板89と下閉塞部材107の位置関係を示す。この第1状態では、図9(a)に示すように、上箱体87の負圧解除用開口部96が、負圧解除用開口連通部116と位置が所定量ずれているために、負圧解除用開口部96は全て閉塞している。
また、同図(b)に示すにように、第1状態では、全ての上流吸引開口部97a,97b,97cが、対応する上流吸引開口連通部117a,117b,117cに重ねられ、連通している。よって、上流吸引開口部97は全て開口した全開の状態となっている。一方、下流吸引開口部98は、下流吸引開口連通部118と位置が所定量ずれているために、下流吸引開口部98は全て閉塞している。
図10は、閉塞部材103が図9に示す第1状態より1つ右側へ移動した第2状態を示す。第2状態では、図10(a)に示すように、上箱体87と上閉塞部材106との位置関係については、上箱体87の負圧解除用開口部96が、負圧解除用開口連通部116に重なり連通しているために、負圧解除用開口部96は全て開口している。
また、同図(b)に示すように、右底板89と下閉塞部材107の位置関係では、右底板89のうち上流吸引開口部97a,97b,97cが、上流吸引開口連通部117a,117b,117c、117dに連通するのは吸引検出部69の揺動部材83の挿通される検出用開口部93bを構成する中央の上流吸引開口部97bのみである。また、下流吸引開口部98についても、下流吸引開口連通部118と全て位置がずれている。よって、第2状態では、右底板89のうち開口しているのは、中央の上流吸引開口部97bの下流側の検出用開口部93bのみであり、この部分以外の上流吸引開口部97a,97b、97c及び下流吸引開口部98は全て閉塞している。
図11は、閉塞部材103が図10に示す第2状態より更に1つ右側へ移動した第3状態を示す。第3状態では、図11(a)に示す上箱体87と上閉塞部材106との位置関係については、上箱体87の負圧解除用開口部96が、負圧解除用開口連通部116より右側にずれているために、負圧解除用開口部96は全て閉塞している。
また、図11(b)に示す右底板89と下閉塞部材107の位置関係では、右底板89のうち上流吸引開口部97a,97b,97cが、上流吸引開口連通部117a,117b,117c、117dに重なっているのは第2状態と同様に、検出用開口部93bを構成する上流吸引開口部97bの下流部分が上流吸引開口連通部117dに連通するのみである。一方、下流吸引開口部98は全てが、下流吸引開口連通部118と連通している。よって、下流吸引開口部98は全て開口し、全開の状態である。
図12は、閉塞部材103が図11に示す第3状態より更に1つ右側へ移動し、閉塞部材103が吸引箱71に対し最も右寄りに位置する第4状態を示す。第4状態では、図12(a)に示す上箱体87と上閉塞部材106との位置関係については、上箱体87の負圧解除用開口部96が、負圧解除用開口連通部116より左側にずれているために、負圧解除用開口部96は全て閉塞している。
図12(b)に示す右底板89と下閉塞部材107の位置関係では、右側の6つの上流吸引開口部97a,97bが、上流吸引開口連通部117a,117b、117dに重ねられて連通しており、左側の3つの上流吸引開口部97cは上流吸引開口連通部117cと位置がずれている。また、下流吸引開口部98は、下流吸引開口連通部118と位置が全てずれている。よって、第4状態では、検出用開口部93bを含む左側の6つの上流吸引開口部97a,97bが開口しているが、左側の3つの上流吸引開口部97cと全ての下流吸引開口部98は閉塞している。
[読取部26]
読取部26は、前記操作パネル46による各種加工処理情報の手動入力とは別に、自動的に加工処理情報を読み取り、設定を行う設定部を構成する。具体的には、図13に示すようなシートSの前端隅部に印刷された位置マークM1の画像を読み取って、シートSの搬送方向F及び搬送方向Fと直交する幅方向Wの加工の基準位置を検出するとともに、シートSの前端部に印刷されたバーコードM2の画像を読み取ってシートSに施されるべき各種加工処理情報を取得するCCDセンサー等により構成される。加工処理情報としては、たとえば、シートSの搬送方向Fの全長Lf及び全幅Lwに加え、裁断部19としてのスリッター処理部20及びカッター処理部22による裁断線T、Kの位置情報、クリース処理部21による折線Cの位置情報、これらの加工処理によって得られる加工処理物Qの寸法、数及び配置の情報等が挙げられる。
[リジェクト機構25]
図1のリジェクト機構25は、シートSに印刷された位置マークM1やバーコードM2が不鮮明であるために読取部26による読取が不能であった場合、そのシートSに対して、作動し、読取不能のシートSを落下させてトレイ25aで回収する。
[スリッター処理部20]
スリッター処理部20は、搬送方向Fに3つのユニットを並べており、各ユニットには、上下の回転刃からなる一対の裁断刃36が、それぞれ幅方向Wに間隔を置いて2組ずつ配置されている。回転刃駆動部48の駆動力で下側の各回転刃を回転させることにより、搬送部4による搬送方向Fに沿った裁断を行いシートSに対して裁断線Tを形成するようになっている。前記2組の上下裁断刃36の幅方向Wの位置は任意に変更可能となっている。
最上流のユニット20aには、裁断刃36の下流側にマージン落し部材55が設置されている。最上流のユニット20aでは、主としてシートSの左右両端縁の不要な紙片Ja(図13参照)が切り取れられる。マージン落し部材55は、この裁断刃36によって切り取られた左右両端縁の紙片Jaを紙片回収部23へ案内し、落下させる。
[紙片落とし機構27]
紙片落とし機構27は、前記スリッター処理部20の3つのユニットのうち、搬送方向F中央のユニット20b及び最下流のユニット20cで、搬送部4による搬送方向Fに沿ったシートSの裁断を行うことで搬送方向Fに沿って切り取られ不要となったシートSのなかほどの紙片Jbを、搬送経路5の下方へ排除する。紙片落とし機構27は、例えば、最下流のユニット20cの裁断刃36の幅方向Wの移動に伴って移動するよう構成することができ、シートSが紙片落とし機構27を通過する際に、前記紙片Jbを紙片回収部23へ案内し、落下させる。
[クリース処理部21]
クリース処理部21は、上端凹部を有する下型39と、前記凹部に嵌合する下端凸部を有する上型38とを備えており、前記上型38は、モータ等の折り型駆動部49に動力伝達機構を介して連結されている。すなわち、折り型駆動部49の駆動力で上型38を下降させることにより、シートSに対して、搬送方向Fと直交する幅方向Wに折り目を形成する。
[カッター処理部22]
カッター処理部22では、シートSが搬送方向Fに交差する向きに裁断される。そして、本実施形態では、カッター処理部22では、シートSが搬送方向Fに直交する向きに裁断される。カッター処理部22は、幅方向Wに延び、相対向する上側可動刃71及び下側固定刃73からなる一対の裁断刃24を備える。上側可動刃71は下側固定刃73に対し近接離間し、これにより、シートSを搬送方向Fと直交する幅方向Wに沿って設定された所定位置でシートSを裁断する。上側可動刃71は、動力伝達機構を介してモータ等の裁断駆動部50に連結されている。
[載置部2]
載置部2は、載置台57及びストッパー58を備える。載置台57は、搬送部4により排出された加工処理物Qが載置される。載置台57は、図示しない昇降手段によって昇降自在となっており、搬送ローラ17による加工処理物Qの排出高さより所定量低い位置に、載置台57上の加工処理物Qが位置するよう調整される。よって、シートSの加工処理が進行し、加工処理物Qの積載量が増大するのに伴って載置台57は徐々に下降される。
[紙片回収部23]
紙片回収部23は、紙片収容箱54及びガイド59、60を備える。紙片収容箱65は、上部開口を有する直方体状に形成される。紙片収容箱65は、裁断部19において切り取られ不要となった紙片Jを回収し、収容する。ガイド59、60は、裁断部19において切り取られ、落下する不要な紙片Jを紙片収容箱65へと案内する。
[制御部45]
制御部45は、シート加工装置D全体の動作を制御する。そして、制御部45は、検出部31〜35からの情報を取得し、操作パネル46または読取部26により設定されたシートSの加工処理情報に基づいて供給部3、搬送部4、載置部2及び各加工処理部の駆動を制御し、シートSの加工処理を行う。
[シートの加工処理物配列パターン]
図13は、シートSの加工処理物Qの配列パターンの一例を示す平面図である。同図に示す加工処理物Qの配列パターンは、一枚のシートSから折り目を有する4枚の加工処理物Qを製作するようになっている。基本的には、搬送方向Fと平行に延びる4本の裁断線Tと、幅方向Wに延びる2本の折線C及び4本の裁断線Kが設定されている。2本の折線C及び4本の裁断線Kは、シートSが裁断線Tで搬送方向Fに平行に裁断され、シートSから切り取られた長尺の紙片Ja,Jbが除去されることで、幅方向Wに並んだ2枚の加工処理物Qcに対し、同時にクリース処理または裁断処理が施されることで形成される。
尚、図13に示す加工処理物の配列パターンでは、スリッター処理部20による搬送方向Fと平行な裁断線Tが4本となっているので、スリッター処理部20のうち中央のユニット20bまたは最下流のユニット20cのいずれか一方のみ幅方向Wの所定位置に移動して裁断処理し、他方は、シートSの搬送経路5の外側へ移動して待機させる。
このような加工処理物Qの配列パターンについてのシートSに施されるべき各種加工処理情報は、使用者によって操作パネル46を用いて設定されるか、または、シートSのバーコードM2に記録される。この各種加工処理情報には、シートSの搬送方向長さLf及び幅方向長さLw等の所定方向の長さ、厚さ、種類、加工処理物Qの配列、数及び寸法、シートSから切り取られる不要な紙片Jの大きさ、数等のシートSの加工処理に関する情報及び、シートS自体に関する情報が含まれる。
[シート加工装置の全体作業の概要]
(1)図1に示す操作パネル46より、使用者が各種加工処理情報を入力する。なお、この手動入力の代わり、あるいは、手動入力と協働して、読取部26によるバーコードM2等の読み取りにより、加工処理情報を自動的に入力させることもできる。
(2)図1の供給部3の積載台61上に積載された複数のシートSの前端縁Saに向けて、分離送風部63より送風し、各シートSを分離し、最上位のシートSのみを吸引搬送部62で吸引搬送し、給紙ローラ8により搬送経路5に供給する。
(3)搬送部4によってシートSが搬送され、読取部26にいたると、シートSの位置マークM1並びに、必要に応じてバーコードM2が読み取られてシートSに施されるべき各種加工処理情報が取得される。
(4)リジェクト機構25では、仮に、読取部26による読取が不能であり、加工条件が不明である場合には、そのシートSに対して、作動し、読取不能のシートSを落下させてトレイ25aで回収する。
(5)スリッター処理部20では、裁断刃36により搬送方向Fと平行な複数の裁断線TでシートSを裁断する。最上流のユニット20aでシートSから切り取られた左右両端縁の不要な紙片Jaは、マージン落し部材55によって下方の紙片回収部23へと下向きに移動させられ、ガイド59に案内され、紙片収容箱65に収容される。
(6)紙片落とし機構27では、スリッター処理部20のうち中央のユニット20b及び最下流のユニット20cによってシートSから切り取られた不要な紙片Jbが、下方の紙片回収部23へと下向きに移動させられ、紙片収容箱65に収容される。
(7)クリース機構21では、幅方向Wの折り線Cで、折り目を形成する。
(8)カッター機構22では、各裁断線Kで順次シートSが裁断され、シートSから切り取られ不要となった紙片Jcは下向きに移動し、ガイド60により案内され、紙片回収部23に回収される。裁断及びクリース処理によって得られた加工品Qは紙受け部2に搬送され、積載される。
このように、シートSの加工処理を行う際、供給部3の吸引搬送部62において、シートSを吸引しつつ搬送するときに、シートSの大きさや厚さによっては、適正にシートSを搬送することが困難となることがある。
そこで、本実施形態においては、シートSの大きさ、厚さまたは搬送位置の少なくともいずれかに応じた吸引開口部95を用いてシートSを搬送できるようにする。このため、移動部104によって閉塞部材103を移動させ、吸引開口部95が吸引開口連通部115に、シートSの搬送方向F、及び前記搬送方向Fに直交する幅方向Wに沿って分割された複数箇所で連通させることで、シートSの大きさ、厚さまたは搬送位置の少なくともいずれかに応じた吸引開口部95を用いてシートを搬送
シートSの大きさ、厚さまたは搬送位置の少なくともいずれかに応じた一部の吸引開口部95を吸引開口連通部115にシートの搬送方向、及び前記搬送方向に直交する幅方向に沿って分割された複数箇所で連通させることで、シートの大きさ、厚さまたは搬送位置の少なくともいずれかに応じた一部の吸引開口部を用いて、シートSを吸引搬送する。
まず、シートSの吸引搬送を、シートSの大きさに応じて行う場合について説明する。シートSの吸引搬送を、シートSの大きさに応じて行うには、シートSの大きさに対応した箇所の吸引開口部95を吸引開口連通部115に連通して開口させ、吸引可能な状態とする。また、分離送風部63を駆動して積載台61上のシートSの前端縁Saに向けて送風し、上下のシートSを分離する。
例えば、入力された加工処理情報によれば、シートSの搬送方向長さLfが予め設定された所定値より長く、シートSの幅方向長さLwが予め設定された所定値より短い寸法を有するシートSを搬送する際、制御部45は、負圧発生部68を駆動し、吸引箱71に負圧を発生させるとともに、移動部104によって閉塞部材103を図12に示す第4状態の位置に移動させる。
シートSの大きさを判断する際に用いる所定値は、様々な考え方に基づき選択または算出した値を用いることが可能である。本実施形態では、搬送方向Fの所定値は、突き当て板101の設置位置の略真上にあたる上流吸引開口部97の前端部97iから供給ローラ8のニップ部8iまでの距離である到達搬送長さLeとしている。また、幅方向Wの所定値は、装置本体1の右側板18から一部の上流吸引開口部97a、97bが設置された範囲までの幅方向Wの長さ、即ち右側板18のシートSの右端縁Srの当接面から、右から7番目の上流吸引開口部97c1の右端縁までの距離である開口幅長さLvとしている。
閉塞部材103が図12に示す第4状態の位置にあるときには、右側の一部の上流吸引開口部97a,97bが上流吸引開口連通部117a,117b、117dに連通して開口し、左側の他の上流吸引開口部97cが対応する上流吸引開口連通部117a,117cに連通されず、閉塞される。
これより、シートSの幅方向長さLwが、開口幅長さLvより短い場合には、全ての上流吸引開口部97を用いるのに替えて、シートSのサイズに応じた一部の吸引開口部95を用いて該シートSを吸引し、搬送することができる。そして、右側板18に近い右側の上流吸引開口部97a、97bを開口し、右側板18から離れた位置に設けられた左側の他の上流吸引開口部97cを閉塞することで、シートSの搬送位置と、吸引に用いる吸引開口部95の位置を合わせることができ、適正に吸引搬送することができる。
シートSが、上流吸引開口部97a,97bに吸引されると、図4に示すように、吸引箱71の下面から下方に突出している揺動部材83を押し上げて揺動させ、吸引箱71の内部に退避させる。これに伴い、揺動部材83の上部が上昇しつつ下流側へ移動し、図2に示す吸引検出部69の光学センサ84が、通光状態から遮光状態へと切り替わる。
この吸引検出部69のシートS吸引の検出結果が制御部45に送られると、制御部45は、この吸引検出したときから予め設定した所定時間経過した時点で、ベルト駆動モータ78を駆動し、搬送ベルト64を走行させる。吸引検出部69がシートSの吸引を検出したときから、ベルト駆動モータ78を駆動開始するまでの所定時間の長さは、シートSが十分に吸引され、搬送ベルト64を走行させてもシートSが落下することなく、適正に搬送可能とするために要する時間であり、予め計測され、設定される。
ベルト駆動モータ78が駆動されると出力軸79が回転し、動力伝達用ベルト77、ギア76を介して軸73が回転され、搬送ベルト64が走行される。搬送ベルト64の走行により、シートSは吸引箱71のシート搬送面に吸引されたままの状態で下流側へ搬送され、その後供給ローラ8の設置位置に至るとシートSは該供給ローラ8に挟持され、搬送される。制御部45は、シートSの前端縁Saが第1検出部31に検出された時点より所定時間経過後であって、供給ローラ8にシートSが挟持されたであろうタイミングで、ベルト駆動モータ78を停止し、搬送ベルト64の走行を停止する。また、これと同時に制御部45は、移動用モータ114を駆動し、回転体119を所定角度回転し、リンク部材111によって閉塞部材103を左方へ所定量移動させ、図10に示す第2状態の位置とする。
第2状態では、図10(b)に示すように、検出用開口部93bのみが、下閉塞部材107の上流吸引開口連通部117dに連通され、開いた状態となっている。そして、右底板89の他の上流吸引開口部97a、97b、97cは上流吸引開口連通部117a,117b,117cに、下流吸引開口部98は下流吸引開口連通部118にいずれも連通せず閉塞されている。
このように、シートSの前端部分Scが供給ローラ8に挟持された後は、検出用開口部93bを除く全ての吸引搬送部95を閉塞して、シート搬送面にシートSが吸引されないようにする。これより、積載台61上の後続のシートSがシート搬送面に吸引され、供給ローラ8により搬送途中の先行するシートSとともに、搬送されるのを防止する。
さらに、吸引搬送部95の閉塞によって、吸引箱71の内部が負圧となり、底板88と下閉塞部材107との隙間から、積載台61上の後続のシートSが吸引される恐れがある。このため、本実施形態では、吸引搬送部95を閉塞して、シート搬送面にシートSが吸引されないようにしたときには、図10(a)に示すように、上箱体87に形成された負圧解除用開口部96を、負圧解除用開口連通部116に連通して開放し、負圧発生部68による負圧を解除する。これより、底板88と下閉塞部材107との隙間から、後続のシートSが吸引されるのをより確実に防止可能である。
このように、第2状態では、シートSの吸引が中断されるが、シートSは下流側に設置された供給ローラ8によって既に挟持され、下流側へ搬送されているので、吸引搬送部62による吸引を中断し、シートSが吸引箱71のシートS搬送面から離れても該シートSの搬送を継続することができる。
その後、積載台61上の後続の最上位のシートSを搬送するときに、制御部45は、移動用モータ114を駆動し、回転体119を先ほどと逆方向の図2において時計回りに回転し、閉塞部材103を第2状態の位置から右方の第4状態の位置へ戻し、再度図12に示す吸引開口部97a、97bを用いてシートSを吸引し搬送を行う。
また、搬送方向長さLfが到達搬送長さLeより長く、シートSの幅方向長さLwが開口幅長さLvより長い大きめのシートSを搬送する場合には、制御部45は、移動部104により、図9に示すように、閉塞部材103を最も左寄りに位置させた第1状態とする。この第1状態では、上流吸引開口部97a,97b,97cが全ての上流吸引開口連通部117a,117b,117c、117dに連通されることで、開いた状態となる。よって、積載台61上のシートSを、幅方向Wの広い範囲で吸引することができる。これより、シートSの大きさが大きいときであっても、シートSを適正に吸引搬送することができる。
このように、幅方向長さLwが開口幅長さLvより長いシートSを吸引搬送する際にも、幅方向長さLwが開口幅長さLvより短いシートSのときと同様に、シートSが吸引開口部95に吸引されると制御部45は、吸引検出部69によるシートS吸引の検出後所定時間経過した時点で搬送ベルト64を走行させる。そして、第1検出部31がシートSの前端縁Saを検出した後所定時間経過後に、閉塞部材103を図10に示す第2状態の位置に移動させ、当該シートSの吸引搬送を終了する。積載台61上の後続のシートSの吸引搬送を開始するまでの間、第2状態が維持される。
また、搬送方向長さLfが到達搬送長さLeより短く、幅方向長さLwが開口幅長さLvより短い小さめのシートSを吸引搬送する際には、制御部45は、シートSの大きさに応じた一部の吸引開口部95を用いて該シートSを吸引するため、移動部104によって閉塞部材103を図12に示す最も右寄りの位置に移動させる。これより、右側板18に近い右側の一部の上流吸引開口部97a,97bは、幅方向Wの長さLuが長く形成された吸引開口連通部117b,117c,117dに連通して開口する一方、左側の上流吸引開口部97cは、幅方向Wの長さLsが短い左側の吸引開口連通部117cには連通せず閉塞される。
シートSが開口している上流吸引開口部97a,97bに吸引され、吸引検出部69がシートSの吸引を検出すると、制御部45は、検出時点から所定時間経過後にベルト駆動モータ78を所定時間駆動し、搬送ベルト64を走行させて、シートSを所定位置まで搬送する。この所定位置は、シートSの前端部分Scが下流吸引開口部98の設置位置に到達する位置である。
そして、制御部45は、シートSの前端部分Scが下流吸引開口部98の下流側端部に到達したところで、移動用モータ114を駆動し、閉塞部材103を図11に示す第3状態の位置まで所定量左へ移動させる。これより、検出用開口部93bを除く上流吸引開口部97a,97b、97cが全て閉塞し、下流吸引開口部98が全て開口される。このように、開口され、吸引可能な吸引開口部95を、シートSの前端部分Scが下流吸引開口部98を設けた位置に到達したタイミングで上流側から下流側へ切り替える。
これは、シートSの搬送方向長さLfが短いために、搬送途中のシートSの前端部分Scが供給ローラ8の設置位置まで到達せず、該供給ローラ8に挟持されていない間に、上流吸引開口部97の下方をシートSの後端部分が通過してしまって吸引力が低下し、吸引搬送できなくなるといったことが起こらないようにするためである。
このため、吸引開口連通部115に連通され、吸引可能な吸引開口部95をシートSの前端部分Scが下流吸引開口部98を設けた位置に到達したところで、上流吸引開口部97から下流吸引開口部98へ切り替え、シートSの吸引力を維持しつつシートSを搬送するようにする。このようにすることで、搬送方向長さLfが所定搬送方向長さLeより短いシートSであっても適正に吸引搬送可能である。
その後、第1検出部31がシートSの前端縁Saを検出した時点から所定時間経過後に、制御部45は、移動用モータ114を駆動し、閉塞部材103を図11に示す第3状態の位置から図10に示す第2状態の位置へ移動する。これより、底板88の検出用開口部93bを構成する上流吸引開口部97bの下流側部分を除く他の全ての上流吸引開口部97a,97b,97c及び下流吸引開口部98が閉塞される。一方、上箱体87に形成された負圧解除用開口部96は、全て開放される。シートSは、既に供給ローラ8に挟持され、下流側の搬送経路5へと供給される。
更に、シートSの搬送方向長さLfが到達搬送長さLeより短く、幅方向長さLwが開口幅長さLvより長いシートSを供給する際には、制御部45は、まず、シートSの大きさに応じた吸引開口部95を用いて吸引搬送を行うため、閉塞部材103を図9に示す第1状態とし、他の全ての上流吸引開口部97a、97b、97cを用いて吸引搬送することができる。
そして、シートSの前端部分Scが走行する搬送ベルト64によって、下流側へ搬送され、下流吸引開口部98を設けた位置まで搬送されると、制御部45は、移動用モータ114を所定時間駆動し、閉塞部材103を第1状態の位置から第3状態の位置へと移動させる。これより、シートSの大きさに応じた吸引開口部95を用いてシートを搬送する。
ここで、下流吸引開口部98は上流吸引開口部97より設置範囲の幅方向Wの長さが短く、狭い範囲に設けられているので、シートSが下流吸引開口部98に吸引されるとき、シートSの幅方向長さLw全体に亘って吸引することができなくなる。しかし、シートSの搬送方向長さLfが到達搬送長さLeより短い場合には、長いときに比較してシートSの重量が軽くなる。よって、下流吸引開口部98においてはシートSの幅方向W全体に亘る吸引開口部95を用いて吸引しなくても、シートSを十分吸引することができる。
また、他の吸引搬送方法として、制御部45は、シートSの幅方向長さLwが開口幅長さLvより長い場合であっても開口幅長さLvより短い場合と同じく図12に示す最も右寄りの位置に閉塞部材103を移動させ、左側の3つの上流吸引開口部97cを閉塞させた状態でシートSを搬送することも可能である。上述したように、シートSの搬送方向長さLfが到達搬送長さLeより短い場合には、長いときに比較してシートSの重量が軽くなるので、シートSの幅方向長さLwの一部に対応する上流吸引開口部97a、97bを用いて吸引した場合でも、シートSを十分吸引することができ、適正に搬送可能である。
そして、第1検出部31によるシートSの前端縁Sa検出から所定時間経過後のシートSが供給ローラ8に挟持された時点で、制御部45は、閉塞部材103を図10に示す第2状態の位置とし、当該シートSが下流側へ搬送され、積載台61上の後続のシートSを吸引搬送すべきタイミングまで吸引搬送を一時的に中止する。
次に、シートSの吸引搬送を、シートSの厚さに応じて行う場合について説明する。シートSの吸引搬送をシートSの厚さに応じて行うには、シートSの厚さが厚いときの方が、薄いときに比較して多くの吸引開口部95を吸引開口連通部115に連通させ、開口させ、吸引搬送に用いることができる。
例えば、シートSの搬送方向長さLfが到達搬送長さLeより長く、幅方向長さLwが開口幅長さLvより長い大きめのシートSであって、且つ、シートSの厚さが厚いとき、制御部45は、まず、図9に示す第1状態の位置に閉塞部材103を位置させて、上流吸引開口部97a、97b、97cの全てを上流吸引開口連通部117a、117b、117c、117dに連通し、開口させ、シートSを吸引可能とする。
これに対し、シートSの大きさが上記と同じ搬送方向長さLfが到達搬送長さLeより長く、幅方向長さLwが開口幅長さLvより長い場合でもシートSの厚さが薄いときには、制御部45は、図12に示す第4状態の位置に閉塞部材103を位置させて、右側に設けた一部の上流吸引開口部97a、97bのみを上流吸引開口連通部117a、117bに連通して吸引可能とするが、左側に設けた他の上流開口部97cを閉塞し、吸引に用いないこととしてもよい。シートSの厚さが薄い場合には、一部の吸引開口部95を用いた場合であってもシートSを吸引し、適正に搬送することが可能となる場合があるからである。
次に、シートSの吸引搬送を、シートSの搬送位置に応じて行う場合について説明する。シートSの吸引搬送をシートSの搬送位置に応じて行うには、シートSの前端部分Scまたは後端部分といったシートSの一部分に対応する箇所の吸引開口部95を、吸引開口連通部115に連通させて開口させ、吸引可能な状態とすることができる。
例えば、シートSの搬送方向長さLfが到達搬送長さLeより長く、幅方向長さLwが開口幅長さLvより長い大きめのシートSを搬送する場合に、制御部45は、まず、図9に示す第1状態の位置に閉塞部材103を位置させて、上流吸引開口部97a、97b、97cの全てを上流吸引開口連通部117a、117b、117c、117dに連通し、開口させ、シートSを吸引しつつ搬送ベルト64により搬送する。
そして、シートSの前端部分Scが下流吸引開口部98を設けた位置に到達したところで、制御部45は、閉塞部材103を図11に示す第3状態の位置に移動させる。これより、検出用開口部93cを構成する上流吸引開口部97bの下流部分を除く上流吸引開口部97a,97b,97cを全て閉塞するとともに、下流吸引開口部98が全て開口され、吸引開口連通部118に連通することで開口される吸引開口部95を、シートSの前端部分Scが下流吸引開口部98を設けた位置に到達したタイミングで上流側から下流側へ切り替える。
下流吸引開口部98に吸引されつつシートSが搬送され、供給ローラ8に挟持された後においても引き続き、閉塞部材103を第3状態の位置のままとして、シートSが下流吸引搬送部98に吸引されたままの状態とする。この結果、突き当て板101の上端部等にシートSの下面が接触しにくくすることができ、接触時の衝撃や搬送時の摩擦によるシートSの破損、損傷、インクの剥がれ等を抑制することができる。
第3状態のまま吸引搬送部62及び供給ローラ8の双方を用いてシートSを所定量搬送し、シートSの後端縁Sbが、吸引検出部69の設置位置より下流側に至ると、シートSによる押し上げから開放された揺動部材83が揺動軸85を軸心に揺動し、下降する。すると、揺動部材83の上端部83bは、光学センサ84の二股部内から抜け出て、光学センサ84は遮光状態から通光状態へと変更され、この検出結果は、制御部45に送信される。また、吸引箱71の内部に収容されていた揺動部材83の下端部83aは、吸引箱71の下面から下方に突出する。
制御部45が、吸引検出部69の光学センサ84が通光となり、シートSが吸引箱71の下面に吸引されていない状態となったことの検出結果を受信すると、移動用モータ114を所定時間駆動して、閉塞部材103を、図11に示す第3状態の位置から図10に示す第2状態の位置まで移動させる。これより、上流吸引開口部97a、97b、97c及び下流吸引開口部98が閉塞され、積載台61上の後続のシートSの搬送を開始するまでの間吸引搬送動作が一時的に中止される。
以上より、シート搬送装置Dは、吸引開口部95が吸引開口連通部115に、シートSの搬送方向F、及び前記搬送方向Fに直交する幅方向Wに沿って分割された複数箇所で連通されることで、シートSの大きさ、厚さまたは搬送位置の少なくともいずれかに応じた箇所の吸引開口部95を用いてシートSを搬送可能に構成されるので、シートSを吸引しつつ搬送するときに、シートSの大きさや厚さが異なっても適正にシートSを搬送すること
が可能である。また、閉塞部材103は、吸引箱71に内接して設けられるので、閉塞部材103によって容易に吸引開口部95を閉塞可能である。
次に、本発明にかかる吸引開口部95及び負圧解除用開口部115の形状、大きさ、パターン等について、他の実施形態を以下に示す。図14は、他の実施形態にかかる下閉塞部材107dの底面図である。図14では、右端から奇数番目と偶数番目とで吸引開口連通部115d,115eの幅方向Wの長さLr、Lq、Lp,Loが異なっている。右端から奇数番目の上流吸引開口連通部117dの幅方向Wの長さLr方が、偶数番目の上流吸引開口連通部117eの長さLqよりも短く形成されている。そして、下流吸引開口連通部118d,118eについては、右端から奇数番目の下流吸引開口連通部118dの幅方向Wの長さLpの方が、偶数番目の下流吸引開口連通部118eの長さLoよりも長く形成されている。
この下閉塞部材107dを用いて図6に示す右底板89と同じ形状の右底板89dを閉塞すると、図15(a)に示すように、右底板89dの右端から奇数番目の上流吸引開口部97d及び下流吸引開口部98dを開口するとともに、偶数番目の上流吸引開口部97e及び下流吸引開口部98eを閉塞することができる。この図15(a)に示す状態では、小さめのシートSや厚さが薄いシートSといった比較的吸引の容易なシートSを、少ない数の吸引開口部95dを用いて吸引し、搬送することができる。
そして、下閉塞部材107dを幅方向Wで左方に移動させることで、図15(b)に示すように、全ての吸引開口部を一度に開口することができる。この状態では、大きめのシートSや厚さが厚いシートS等の比較的吸引し辛いシートSを搬送する際に全ての吸引開口部95d,95eを用いて吸引し、搬送することができる。
また、図16には、図15(a)に示す状態から下閉塞部材107dを右方に所定量移動して吸引検出部93cを除く全ての吸引開口部95d、95eを閉塞している。これより。シートSの吸引搬送を一時的に中止するタイミングで、吸引開口部94d,95eを閉塞することができる。
更に、他の実施形態として、上記実施形態においては吸引開口部95,95d,95e及び吸引開口連通部115,115d,1115eが、シートSの搬送方向F、及び搬送方向Fに直交する幅方向Wに沿って分割されていたが、これに替えて一体に形成されてもよい。
図17(a)に、他の実施形態として示す右底板89fでは、吸引開口部95fが搬送方向Fに分割されず、一体に形成されている。また、吸引開口部95fの幅方向Wの長さLtは、図6に示す吸引開口部95の幅方向長さLsより長く形成され、隣り合う搬送ベルト64の隙間より広い範囲に設置される。このように吸引開口部95fの幅方向長さLtは隣り合う搬送ベルト64の隙間の長さより長くてもシートSを吸引し、搬送することができる。構わない。また、図17に示す例では吸引検出用開口部は設けられていないため、別途吸引検出部を設けることが好ましい。
この右底板89fの吸引開口部95fは例えば、図17(b)に示す閉塞部材103fを用いて搬送方向Fに分割された所定箇所の吸引開口部95fを閉塞及び開放することができる。図17(b)に示す閉塞部材103fは、搬送方向Fの上流側と下流側で所定長さだけ位置がずれて互い違いに吸引開口連通部115f、115gが設けられている。
図18は、図17(a)に示す右底板89fを図17(b)に示す閉塞部材103fで閉塞した状態を示す。図18(a)は、シートSの搬送方向F下流側部分の吸引開口部95fが、下閉塞部材107fのシートS搬送方向F下流側に設けられた吸引開口連通部115gに連通され、開放されている。そして、シートSの搬送方向F上流側部分の吸引開口部95fは、下閉塞部材107fのシートS搬送方向F上流側に設けられた吸引開口連通部115fに連通されず、閉塞している。
一方、図18(b)では、同図(a)から閉塞部材103fが幅方向Wに所定量左方に移動されることで、吸引開口部95fが吸引開口連通部115fに連通される箇所が搬送方向Fで切り替わり、シートSの上流側に設けられた吸引開口連通部115fに吸引開口部95fが連通され、開放されている。そして、シートSの搬送方向F下流側部分の吸引開口部95fは、吸引開口連通部115gに連通されず、閉塞している。これより、吸引開口部95fが搬送方向Fで分割されていない場合であってもシートSの搬送位置に応じて連通箇所を切り替えて、シートSを適正に搬送可能である。
また、図19(a)には、吸引開口部95hがシートSの幅方向Wで一体に形成された場合を示す。図19(a)に示す右底板89hでは、吸引開口部95hがシートSno幅方向Wに分割されず、一体に形成されている。この右底板89hは、例えば、図19(b)に示す閉塞部材103hを用いて幅方向Wに分割された所定箇所の吸引開口部95hを閉塞及び開放することができる。図19(b)に示す閉塞部材103hは、幅方向Wの右側と左側で所定長さだけ分割され位置がずれて互い違いに吸引開口連通部115h、115iが設けられている。閉塞部材103hを幅方向Wに直交するシートSの搬送方向Fに沿って移動させることにより、幅方向Wで分割された箇所の吸引開口部95hを、吸引開口連通部115h、115iに連通させることができる。
即ち、図20(a)に示すように、閉塞部材103hを搬送方向Fに沿って移動させることにより、シートSの幅方向Wに2つに分割されたうちの右側部分で吸引開口部95hと吸引開口連通部115hを連通させ、開口させるか、または同図(b)に示すように、幅方向Wの左側の箇所で、吸引開口部95hを左側に設けられた吸引開口連通部115iと連通させるかを切り替えることができる。これより、シートSの大きさ、厚さまたは搬送位置等に応じた箇所の吸引開口部95hを用いてシートSを搬送可能である。
そして、本発明にかかる吸引開口部は、搬送方向または幅方向で3つ以上に分割されてもよい。この場合、シートの大きさや搬送位置に応じて必要な箇所の吸引開口部を用いるよう順次切り替えることで、シートをより適正に搬送可能である。また、吸引開口部95,95,95d,95e,95f,95hの吸引開口連通部115,115d、115e、115f,115g,115h,115iとの連通状態は上記したものに限定されず、開口または閉塞される吸引開口部の位置の組み合わせを、他の状態としてもよい。
また、上記実施形態では、シートSの大きさ、厚さまたは搬送位置のいずれかに応じた吸引開口部95を用いてシートSを搬送したが、シートSの大きさ及び厚さ、大きさ及び搬送位置、厚さ及び搬送位置、大きさ及び厚さ及び搬送位置等のように、大きさ、厚さ、搬送位置の3つの要素の2つ以上を組み合わせて吸引に用いる吸引開口部を選択してもよい。
また、閉塞部材は、吸引箱の内部に設置されたが、吸引箱に隣接して設けられれば吸引箱の外側であってもよい。また、吸引箱71の上面に負圧解除用開口部96を備えたが、負圧解除用開口部を備えない構成としてもよく、吸引箱の吸引開口部形成位置とは異なる位置であれば、吸引箱の前後または左右の側面や左底板等他の位置に設けてもよい。
また、閉塞部材103は、吸引箱71に対し、幅方向Wまたは搬送方向Fに移動したが、蝶番、昇降手段等他の機構を用い、上下方向や回動方向などに移動してもよい。
また、負圧発生部68のファンの回転数を適宜変化し、シートの大きさ、厚さまたは搬送位置に応じて負圧発生部によるシートの吸引量を調整することも可能である。
また、各種加工処理情報は、操作パネル46より使用者が手動設定するかまたは読取部26によりバーコードM2を読み取ることで自動的に入力したが、パソコンなど外部の情報処理装置と通信を行って設定してもよい。予め操作パネルからの手動入力によって、シートの配列パターンを複数記憶手段に記憶しておき、各パターンを番号などによって呼出して、設定することとしてもよい。
また、加工処理装置は、スリッター処理部20、カッター処理部22及びクリース処理部21を備えたが、スリッター処理部及びカッター処理部の少なくともいずれかの裁断部を備えてもよく、裁断部と他の加工機構(ミシン目形成機構、丸み形成機構等も含む)とを適宜組み合わせたシート加工装置、更には加工機構、搬送ローラの数が前記実施の形態と異なるシート加工装置にも、本発明を適用できることはいうまでもない。また、シートの配列パターンは、図13に例示したものに限定されず、裁断線T,Kや折線Cの数について、他の種々のパターンが設定可能である。