JP5809939B2 - 超音波内視鏡用穿刺針 - Google Patents
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Description
超音波内視鏡100は操作部(図示略)と、操作部から前方に向かって延びる可撓性を有する挿入部101と、挿入部101の先端部に設けた超音波プローブ102と、を具備している。挿入部101の先端近傍部は、操作部に設けた湾曲操作レバー(図示略)の操作に応じて上下に湾曲する湾曲部(図示略)となっており、湾曲部の直前に位置する部分は硬質材料からなる変形不能な先端部103となっている。操作部及び挿入部101の内部には内部管路104が設けてある。内部管路104の前端部と後端部を除く部分は挿入部101の軸線に沿って延びており、内部管路104の後端部は操作部において開口している。内部管路104の前部は、先端部103に形成した孔により構成してある。図示するように内部管路104の前端近傍部は屈曲しており、内部管路104の前端部(屈曲部より前方に位置する部分)は挿入部101(先端部103)の軸線に対して傾斜している。内部管路104の前端は挿入部101(先端部103)の表面において開口しており、当該前端開口は超音波プローブ102の直後に位置している。
シース105は樹脂等の可撓性材料からなり、かつ両端が開口する筒状部材である。
穿刺針106は可撓性を有する中空の金属製部材であり、穿刺針106の先端面は側面視において穿刺針106の軸線に対して傾斜する傾斜面となっている。
そのため超音波内視鏡用穿刺針の先端面の後端部がシースの内面に接触しても、後端面取り部とシースの内面との間の摩擦力は大きくならないので、超音波内視鏡用穿刺針はシース内を円滑に移動できる。
また超音波内視鏡用穿刺針の先端面の前端部が上方に位置し先端面の後端部が下方に位置する状態で、超音波内視鏡用穿刺針の先端部がシースの屈曲部を通過しようとすると、穿刺針の先端部がシースの屈曲部の直前に位置する部分に接触する。しかし、このときシースの屈曲部の直前に位置する部分の傾斜方向と穿刺針の先端面の傾斜方向が略平行となり、しかも先端面の前端部(上端部)には前端面取り部が形成してあるので、穿刺針の先端部がシースの屈曲部の直前部分に引っ掛かったり、シースを傷つけるおそれは小さい。しかも穿刺針の先端面の後端部(下端部)には後端面取り部が形成してあるので、当該部分がシースの屈曲部を通過しようとすると、後端面取り部がシースの内面に沿って前方(前斜め上方)に移動するので、穿刺針はその先端部を屈曲させながらシースの屈曲部を通過する。そのため穿刺針はシースを傷つけることなく、シースの屈曲部を円滑に通り抜けることが可能である。
超音波内視鏡10はコンベックス型の超音波内視鏡であり、操作部11と、操作部11から前方に延びかつ先端に超音波プローブ12を備える可撓性を有する挿入部13と、共に操作部11から挿入部13と反対側に延びるライトガイド用チューブ及び超音波画像伝送用チューブ(いずれも図示略)と、を備え、ライトガイド用チューブと超音波画像伝送用チューブの端部には光源用コネクタと超音波画像用コネクタがそれぞれ設けてある。挿入部13の先端部近傍をなす湾曲部14は、操作部11に設けた湾曲操作レバー15の回転操作に応じて上下方向に湾曲する。操作部11には処置具挿通用突部16が突設してあり、処置具挿通用突部16の後端面には略円筒形状をなしかつ両端が開口する口金17が固定状態で突設してある。図3に示すように、口金17の外周面の先端部近傍には、口金17の軸線AL1方向に見たときに周方向に180°ずれた位置に位置し、かつ対称形状をなす第1の突片18Aと第2の突片18Bが一体的に突設してある。第1の突片18Aと第2の突片18Bの全体形状は、円の両側部を該円の中心点に関して対称をなす一対の円弧に沿って切り落とした形状である。また、口金17の外周面には第1の突片18A及び第2の突片18Bと軸線AL1方向の位置をずらして正面視円形の環状フランジ19が突設してある。さらに、操作部11及び挿入部13の内部には、後端が口金17に接続し、前端が挿入部13の前端近傍に形成した処置具用開口21に接続する内部管路20(図1、図9〜図14参照)が設けてある。図示するように処置具用開口21は、超音波プローブ12の直後に位置している。内部管路20の後端部(操作部11内に位置する部分)と前端部20bを除く部分は挿入部13の軸線に沿って延びている。しかし内部管路20の前端近傍部に形成した屈曲部20a(図9〜図14参照)より前方に位置する前端部20bの軸線は挿入部13の軸線に対して傾斜している。また挿入部13の前端部(湾曲部の直前に位置する部分)は硬質樹脂によって構成してあり、内部管路20の前部(図9〜図14に示した部分)は、挿入部13の前端部(硬質樹脂部)に形成した孔によって形成してあるので、内部管路20の前部は変形不能である。
また処置具挿通用突部16の一方の側面には矢印形状の内視鏡側指標22がプリントにより形成してある(図1参照)。
超音波画像用コネクタを超音波診断装置(図示略)に接続すると共に超音波診断装置をCRTモニタに接続し、さらに超音波プローブ12にゴム製のバルーン(図示略)を被せた上で、該超音波診断装置の超音波画像描出スイッチを押すと、超音波プローブ12の表面から被検部に向けて超音波が発信され、被検部によって反射された超音波を超音波プローブ12が受信する。挿入部13、操作部11及び超音波信号伝送用チューブの内部には超音波プローブ12と超音波画像用コネクタを接続する超音波信号伝送用ケーブル(図示略)が設けてあるので、超音波プローブ12が受信した超音波画像は超音波診断装置により電気的に処理された上でCRTモニタに表示される。
穿刺針装置30は硬質樹脂(PC(ポリカーボネイト)や、ノリル等のEOG滅菌可能な樹脂材料)によって成形した略円筒形状の筒状接続部31を有している。筒状接続部31の前部には筒状接続部31の内部空間と連通する貫通孔が形成しており、該貫通孔の前端の周縁部には環状凹部33が凹設してある。さらに該貫通孔の内周面には環状凹部33から後方に向かって延びる、筒状接続部31の軸線AL2を中心とする螺旋形状の第1のねじ溝32Aと第2のねじ溝32Bが形成してある。互いに二条ねじを構成する第1のねじ溝32Aと第2のねじ溝32Bの位相(筒状接続部31の軸線AL2を中心とした周方向位置)は180°ずれており、第1のねじ溝32Aの入口側端部32A1と第2のねじ溝32Bの入口側端部32B1の位相は180°ずれている。
また筒状接続部31の一方の側面には矢印形状の指標38がプリントにより形成してある(図1、図2参照)。
筒状接続部31の後端部には、筒状接続部31より大径の筒状部材であり硬質樹脂(PC等)からなる第1ロック支持部材34が同心状態で固定してある。第1ロック支持部材34には、第1ロック支持部材34を径方向に貫通する雌ねじ孔35が形成してあり、雌ねじ孔35には第1ロック部材36のねじ部37が螺合している。
また、図4に示すように、第2ロック部材47によって第2ロック支持部材45をスライド部材50に対する前端位置に保持しかつ第2ロック支持部材45を第1ストッパ部材44に当接させれば、スライド部材50に前向きに外力を掛けてもスライド部材50が収納位置から前方にスライドすることはない。
穿刺針55の前部は、シース支持部材39及びスライド部材50の内部空間を通ってシース42の内部に挿入してある。スライド部材50が上記収納位置に位置するとき穿刺針55の先端はシース42の内部に位置するが、スライド部材50が上記突出位置に移動すると穿刺針55の先端はシース42の先端から突出する(図1、図11、図14参照)。また、穿刺針支持部材53の後部には支持孔54と連通する後部空間56が形成してあり、穿刺針支持部材53の後部の外周面には雄ねじ57が形成してある。
穿刺針支持部材53に対しては硬質樹脂製(例えばPOM等)のスタイレット支持キャップ58を着脱可能である。スタイレット支持キャップ58の前部には、穿刺針支持部材53の後部空間56に挿脱可能な嵌合部59と、嵌合部59の外周側に位置する外側筒状部60とが同心状態で設けてあり、外側筒状部60の内周面には雌ねじ61が形成してある。さらに、スタイレット支持キャップ58には可撓性部材であるスタイレット63の後端が固定してある。従って、嵌合部59を後部空間56に嵌合し、雌ねじ61を雄ねじ57に螺合すると、スタイレット63の先端が穿刺針55の後端開口から穿刺針55の内部空間に挿入され、スタイレット63の前端部が穿刺針55の開口55aを塞ぐ。
超音波内視鏡10から分離されている穿刺針装置30を超音波内視鏡10の口金17に接続するには、まず図4に示すようにスライド部材50を収納位置に位置させ、第1ロック部材36のねじ部37の端面をシース支持部材39の外周面から離間した状態にした上で、第2ロック部材47のねじ部48の端面をスライド部材50の外周面に圧接させておく。そして軸線AL1と軸線AL2を一致させ、かつ内視鏡側指標22と指標38を同じ周方向位置に位置させた状態で筒状接続部31の前端部と口金17を対向させ、シース42を口金17の内部及び内部管路20に挿入する。
口金17と筒状接続部31の接続が完了したら、第1ストッパ部材44を筒状接続部31に対してスライドさせることによりシース42の先端を処置具用開口21から数mm程度突出させた状態(図1参照)に調整した後に、第1ロック部材36を締め付けて第1ストッパ部材44の位置を固定する。
さらに図11に示すように穿刺針55の先端をシース42の先端から突出させたときに先端面55bが体腔壁Aに対してなす角度が直角に近い角度になるので、穿刺針55の先端を体腔壁Aに刺し易くなる。
なお、仮に第1のねじ溝32Aの入口側端部32A1を第2の突片18Bに螺合し第2のねじ溝32Bの入口側端部32B1を第1の突片18Aに螺合した場合は、筒状接続部31と口金17の接続が完了したときに第1ロック部材36と第2ロック部材47が操作部11側に位置するため(軸線AL2と操作部11のAL3軸線がなす角度が90°より小さく、第1ロック部材36及び第2ロック部材47と操作部11との間隔が狭くなるため)、第1ロック部材36と第2ロック部材47の回転操作が難しくなる。しかし入口側端部32A1が第2の突片18Bに螺合し入口側端部32B1が第1の突片18Aに螺合したときに、術者は内視鏡側指標22と指標38が同じ側に位置していないことを視認することにより、口金17と筒状接続部31の回転方向位置が正しくない位置にあることを確実に認識できるので、このような不具合が生じるおそれは小さい。
例えば穿刺針55の前部に上向きの付勢力が掛かっているときに(例えば湾曲操作レバーを操作することにより、挿入部13の先端部が下方を向くように湾曲部14を曲げたときに)、穿刺針55をシース42に対して前方に相対スライドさせると、図12に示すように周縁面取り部55cの上端部とシース42の内面(天井面)との間に摩擦力が発生する。しかし周縁面取り部55cの上端部には側方から見たときに先端面55b及び穿刺針55の軸線に対して傾斜する後端面取り部55dが形成してあるので、このときの摩擦力は大きくなり難い。そのため周縁面取り部55cの上端部がシース42の内面(天井面)に接触していても穿刺針55はシース42内を円滑に移動できる。同様に、穿刺針55の前部に下向きの付勢力が掛かっているときに(図示略。例えば湾曲操作レバーを操作することにより、挿入部13の先端部が上方を向くように湾曲部14を曲げたとき)、穿刺針55をシース42に対して前方に相対スライドさせると周縁面取り部55cの下端部とシース42の内面(底面)との間に摩擦力が発生する(図示略)。しかし周縁面取り部55cの下端部には側方から見たときに先端面55b及び穿刺針55の軸線に対して傾斜する前端面取り部55eが形成してあるので、このときの摩擦力は大きくなり難く、そのためこの場合も穿刺針55はシース42内を円滑に移動できる。
例えば穿刺針を図15〜図18の態様で実施してもよい。図15〜図18の穿刺針65、66は穿刺針55と同材質であり、先端形状を除いて穿刺針55と同じ構造である。
図15、図16の穿刺針65の先端面65aは側方から見たときに自身の軸線に対して傾斜する平面である。さらに先端面65aの長手方向の後端部には、側方から見たときに先端面65a及び穿刺針65の軸線に対して傾斜する後端面取り部65bが形成してあり、先端面65aの長手方向の前端部には、側方から見たときに先端面65a及び穿刺針65の軸線に対して傾斜する前端面取り部65cが形成してある。このように穿刺針65は、先端部に後端面取り部65bと前端面取り部65cを有しているので、穿刺針55と実質的に同じ作用効果を発揮可能である。
図17、図18の穿刺針66の先端面66aは側方から見たときに自身の軸線に対して傾斜する平面であり、先端面66aの長手方向の後端部には、側方から見たときに先端面66a及び穿刺針66の軸線に対して傾斜する後端面取り部66bが形成してある。
穿刺針66は先端部に後端面取り部66bを有しているので、穿刺針55が発揮する作用効果のうち後端面取り部55dによってなされるものと実質的に同じ作用効果を発揮可能である。さらに先端面66aの前端部を面取りしていないので、穿刺針55、65よりも先端部を体腔壁A等に刺し易いという利点がある。
また口金17の周面に内視鏡側指標22を形成したり、内視鏡側指標22と指標38の形状(図柄)を別のものに変更してもよい。
また、環状フランジ19を環状とせずに、口金17の外周に突出する非環状の突部材としてもよい。
11 操作部
12 超音波プローブ
13 挿入部
14 湾曲部
15 湾曲操作レバー
16 処置具挿通用突部
17 口金
18A 第1の突片
18B 第2の突片
19 環状フランジ
20 内部管路
20a 屈曲部
20b 前端部
21 処置具用開口
22 内視鏡側指標
30 穿刺針装置
31 筒状接続部
32A 第1のねじ溝
32B 第2のねじ溝
32A1 32B1 入口側端部
32A2 32B2 終端位置
33 環状凹部
34 第1ロック支持部材
35 雌ねじ孔
36 第1ロック部材
37 ねじ部
38 指標
39 シース支持部材
40 ホルダ
41 貫通支持孔
42 シース
44 第1ストッパ部材
45 第2ロック支持部材
46 雌ねじ孔
47 第2ロック部材(調整つまみ部材)
48 ねじ部
50 スライド部材
51 ストッパ
53 穿刺針支持部材
54 支持孔
55 穿刺針
55a 開口
55b 先端面
55c 周縁面取り部
55d 後端面取り部
55e 前端面取り部
56 後部空間
57 雄ねじ
58 スタイレット支持キャップ
59 嵌合部
60 外側筒状部
61 雌ねじ
63 スタイレット
65 穿刺針
65a 先端面
65b 後端面取り部
65c 前端面取り部
66 穿刺針
66a 先端面
66b 後端面取り部
AL1 AL2 AL3 軸線
Claims (2)
- コンベックス型超音波内視鏡の操作部から延びかつ先端部に超音波プローブを有する挿入部に形成した内部管路に対して、可撓性を有するシースによって周囲を被覆した状態で挿脱可能な可撓性を有する穿刺針において、
上記内部管路が、先端近傍部を屈曲させることにより先端部の軸線を上記挿入部の軸線に対して傾斜させ、かつ先端を上記超音波プローブの直後において開口させたものであり、
上記穿刺針が、
側方から見たときに自身の軸線に対して傾斜する先端面と、
該先端面の長手方向の後端部に形成した、側方から見たときに該先端面及び上記軸線に対して傾斜する後端面取り部と、
該先端面の長手方向の前端部に形成した、側方から見たときに該先端面及び上記軸線に対して傾斜する前端面取り部と、
を備えることを特徴とする超音波内視鏡用穿刺針。 - 請求項1記載の超音波内視鏡用穿刺針において、
上記先端面の周縁部全体に形成した、側方から見たときに該先端面及び上記軸線に対して傾斜しかつ上記後端面取り部及び前端面取り部を含む周縁面取り部を備える超音波内視鏡用穿刺針。
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