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JP5289180B2 - 超音波内視鏡用穿刺針装置 - Google Patents

超音波内視鏡用穿刺針装置 Download PDF

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JP5289180B2
JP5289180B2 JP2009117826A JP2009117826A JP5289180B2 JP 5289180 B2 JP5289180 B2 JP 5289180B2 JP 2009117826 A JP2009117826 A JP 2009117826A JP 2009117826 A JP2009117826 A JP 2009117826A JP 5289180 B2 JP5289180 B2 JP 5289180B2
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Description

本発明は、超音波内視鏡の内部管路に挿入して使用する超音波内視鏡用穿刺針装置に関する。
特許文献1には、操作部に口金を突設した超音波内視鏡と、該口金に着脱可能な穿刺針装置とが開示してある。
この穿刺針装置は、本体部である筒状接続部と、筒状接続部の内部空間を通って外部に突出するシースと、シース内に進退可能に挿入した穿刺針と、を具備している。
穿刺針装置を使用する際には、口金にゴム等の弾性材料からなる筒状の鉗子栓の一端をその弾性力を利用して装着し、鉗子栓の他端に穿刺針装置の筒状接続部の一端を鉗子栓の弾性力を利用して接続する。すると、シース(及び穿刺針)が口金の内部を通って超音波内視鏡の内部管路に挿入し、シース(及び穿刺針)の先端部が超音波内視鏡の挿入部の先端付近から外部に突出する。
特開2005−137814号公報
術者が超音波内視鏡に接続した穿刺針装置を正確に操作するためには、筒状接続部を口金に対して不動状態にする必要がある。
しかし、特許文献1の鉗子栓は弾性材料製なので、穿刺針装置を鉗子栓を介して超音波内視鏡の口金に接続した際に、穿刺針装置が口金(超音波内視鏡)に対してぐらついてしまう。
さらに、穿刺針装置の口金に対する軸線回りの回転を穿刺針装置及び口金と鉗子栓との間の摩擦抵抗力を利用して規制しようとしている。しかし、穿刺針装置に大きな回転力が掛かった場合には、上記摩擦抵抗力だけではこの回転力に抗しきれず、穿刺針装置が軸線回りに回転してしまう。
本発明は、簡単な構造でありながら、超音波内視鏡の口金に不動状態で接続することが可能な超音波内視鏡用穿刺針装置を提供することを目的とする。
本発明の超音波内視鏡用穿刺針装置は、超音波内視鏡本体に突設した非円形の鍔部を備える口金を、内部空間の所定位置まで挿入可能な筒状接続部と、上記口金を上記内部空間に挿入したときに、該口金の内部を通って上記超音波内視鏡の内部管路に挿入する可撓性を有するシースと、該シース内に進退可能に挿入した穿刺針と、を備える超音波内視鏡用穿刺針装置において、上記筒状接続部の上記口金との接続端部に特定の円周上に並ぶように形成した、該円周上に並ぶ閉状態から該閉状態より外周側に移動する開状態に弾性変形可能な複数の弾性開閉片と、上記弾性開閉片に形成した、上記閉状態にあるときは上記口金の筒状接続部に対する相対スライドを許容し、かつ、上記口金を上記所定位置まで挿入した状態で上記閉状態に位置するときは上記口金の相対スライドを規制するスライド規制部と、上記各弾性開閉片の内周面に形成した、上記口金を上記所定位置まで挿入したときに上記鍔部が嵌合し、かつ上記閉状態にあるときに上記鍔部の周面に接触する回り止め溝と、上記弾性開閉片の外周面に上記筒状接続部の長手方向にスライド可能として支持した、該弾性開閉片の上記開状態への変形を許容するアンロック位置と上記弾性開閉片を上記閉状態に保持するロック位置とに移動可能なスライド式ロック部材と、を備えることを特徴としている。
上記スライド規制部が、上記口金を上記所定位置まで挿入した状態で弾性開閉片が上記閉状態に位置するときに、上記鍔部に接触して該鍔部の上記超音波内視鏡本体側へのスライドを規制する抜止部と、上記口金を上記所定位置まで挿入した状態で弾性開閉片が上記閉状態に位置するときに、上記口金に突設した上記鍔部より上記超音波内視鏡本体側に位置するフランジに接触して上記口金のそれ以上の挿入を規制する挿入規制部と、を有していてもよい。
また、上記スライド規制部が、上記口金を上記所定位置まで挿入した状態で弾性開閉片が上記閉状態に位置するときに上記鍔部の表裏両面に接触する、上記回り止め溝の内面であってもよい。
上記弾性開閉片の外周面と上記スライド式ロック部材の内周面の一方に係合突部を形成し、他方に上記スライド式ロック部材が上記アンロック位置に移動したときに該係合突部と係合する係合凹部を形成するのが好ましい。
上記弾性開閉片の外周面と、上記ロック位置に位置するスライド式ロック部材との対向面の一方を、先端側に向かうにつれて相手側に近づくテーパ面とするのが好ましい。
本発明によれば、スライド式ロック部材をアンロック位置に位置させた上で、各弾性開閉片を開状態に弾性変形させながら口金を筒状接続部内の所定位置まで挿入すると、各弾性開閉片が閉状態に弾性復帰するので、この後にスライド式ロック部材をロック位置までスライドさせると各弾性開閉片が閉状態に保持される。すると、スライド規制部によって口金のスライドが規制され、回り止め溝によって口金の相対回転も規制される。
このように簡単な構造でありながら、穿刺針装置を口金に対して不動状態にすることが可能なので、術者は超音波内視鏡に接続した穿刺針装置を正確に操作できる。
しかも、スライド式ロック部材は筒状接続部の長手方向にスライドする部材なので、術者は補助者の助けを借りることなく、超音波内視鏡用穿刺針装置を把持したのと同じ手でスライド式ロック部材を簡単にスライド操作できる。
請求項2のように構成すれば、筒状接続部の長手方向に離れている抜止部と挿入規制部が口金の鍔部とフランジにそれぞれ接触するので、筒状接続部の口金に対する倒れを確実に規制できる。
請求項3のように構成すれば、請求項2のように口金にフランジを形成することなく、口金の筒状接続部に対する相対スライドを規制できる。
請求項4のように構成すれば、スライド式ロック部材をアンロック位置に確実に保持できる。
請求項5のように構成すれば、スライド式ロック部材をロック位置にスライドさせたときに、弾性開閉片とスライド式ロック部材の間に強い摩擦抵抗力が発生するので、スライド式ロック部材から手を離してもスライド式ロック部材をロック位置に確実に保持できる。
本発明の一実施形態の超音波内視鏡と操作部最短状態にある穿刺針装置の接続状態における側面図である。 操作部最短状態から伸張させた穿刺針装置の斜視図である。 口金の斜視図である。 口金の正面図である。 筒状接続部の側面図である。 各弾性開閉片が開状態にある筒状接続部の前方から見た斜視図である。 筒状接続部の縦断側面図である。 各弾性開閉片が開状態にある筒状接続部の正面図である。 筒状接続部の背面図である。 図1のX−X矢線に沿う、スライド式ロック部材がアンロック位置に位置するときの断面図である。 スライド式ロック部材がロック位置に位置するときの図10と同様の断面図である。 変形例の図11と同様の断面図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の一実施形態を説明する。なお、以下の説明中の前後方向は、超音波内視鏡10については挿入部13の先端部側を「前方」、操作部11側を「後方」と定義し、穿刺針装置30については穿刺針71の先端側を「前方」、スタイレット支持キャップ75側を「後方」としている。まず、穿刺針装置30を着脱可能な超音波内視鏡10の構造について説明する。
超音波内視鏡10は、操作部11と、操作部11から前方に延びかつ先端に超音波プローブ12を備える挿入部13と、共に操作部11から挿入部13と反対側に延びるライトガイド用チューブ及び超音波画像伝送用チューブ(いずれも図示略)と、を備え、ライトガイド用チューブと超音波画像伝送用チューブの端部には光源用コネクタと超音波画像用コネクタがそれぞれ設けてある。挿入部13の先端部近傍をなす湾曲部14は、操作部11に設けた湾曲操作レバー15の回転操作に応じて上下方向に湾曲する。操作部11には処置具挿通用突部16が突設してあり、処置具挿通用突部16の後端面には略円筒形状をなしかつ両端が開口する口金17が突設してある。図3及び図4等に示すように、口金17の外周面の先端部近傍には、口金17の中心軸を中心とする円の両側部を該中心軸に関して対称をなす一対の円弧(2つの円弧の長さは同一)に沿って切り落とした非円形形状の鍔部18が一体的に突設してある。また、口金17の外周面には鍔部18と軸線方向の位置をずらして鍔部18の長手寸法(直径)より大径である正面視円形の環状フランジ19が突設してある。この環状フランジ(フランジ)19(及びその鍔部18側の面)は口金17の軸線に対して直交している。さらに、操作部11及び挿入部13の内部には、一端が口金17に接続し他端が挿入部13に超音波プローブ12の直後に位置させて形成した処置具用開口21に接続する内部管路20(図1参照)が設けてある。以上説明した構成のうち口金17を除いた部分が特許請求の範囲の「超音波内視鏡本体」である。
超音波画像用コネクタを超音波診断装置(図示略)に接続すると共に超音波診断装置をCRTモニタに接続し、さらに超音波プローブ12にゴム製のバルーン(図示略)を被せた上で、該超音波診断装置の超音波スイッチを押すと、超音波プローブ12の表面から被検部に向けて超音波が発信され、被検部によって反射された超音波を超音波プローブ12が受信する。挿入部13、操作部11及び超音波画像伝送用チューブの内部には超音波プローブ12と超音波画像用コネクタを接続する超音波画像伝送用ケーブル(図示略)が設けてあるので、超音波プローブ12が受信した超音波画像は超音波診断装置により電気的に処理された上でCRTモニタに表示される。
続いて穿刺針装置30の構造について説明する。
穿刺針装置30は硬質樹脂(PC(ポリカーボネイト)や、ノリル等のEOG滅菌可能な樹脂材料)によって成形した略円筒形状の筒状接続部31を有している。図7に示すように筒状接続部31の内部空間の前部を除く部分は断面円形のスライダ支持孔32となっており、筒状接続部31の後部にはスライダ支持孔32と外部空間を連通する雌ねじ孔33が貫通孔として形成してある。さらに筒状接続部31の内部空間には、スライダ支持孔32の前方に位置する、スライダ支持孔32より小径かつ同心をなす中間円形孔34が形成してある。
図示するように筒状接続部31の前端部はその後方部分より小径であり、当該部分には周方向に90°間隔で4本のスリット35と、各スリット35の基端部と連通する変形補助孔36とが形成してある。そして筒状接続部31の当該部分には、各スリット35、変形補助孔36によって互いに区切られた4枚の弾性開閉片37が筒状接続部31の中心軸を中心とする円周方向に並べて形成してある。各弾性開閉片37は断面円弧形状であり、各弾性開閉片37の配置間隔は90°である。各弾性開閉片37は自由状態においては図5、図7、図9、及び図10に示す閉状態となり、外周側に弾性変形することにより開状態(図6及び図8参照)となる。さらに、各弾性開閉片37の前半部の外周面は自由状態において前方に向かうにつれて筒状接続部31の中心軸からの径方向距離が徐々に長くなるテーパ面38となっている。
各弾性開閉片37の内周面の前端部には内周側に突出する円弧形状のスライド規制部39が突設してあり、スライド規制部39の内周面の前部はテーパ状の傾斜面39aとなっている。各弾性開閉片37が閉状態にあるとき、各スライド規制部39の内周面によって構成される正面視略円形の孔の内径は口金17の鍔部18の長手寸法(直径)より短い。各弾性開閉片37の内周面にはスライド規制部39の直後に位置する回り止め溝40が凹設してある。各弾性開閉片37が閉状態にあるとき、各弾性開閉片37の回り止め溝40によって構成される溝の正面形状は全体として鍔部18と略同じ形状になる。また、各弾性開閉片37の前端面は挿入規制部41を構成しており、各回り止め溝40の底面(前面)は抜止部42を構成している。また、各弾性開閉片37の外周面の先端部には外周側に向かって突出する正面視円弧形状のストッパ43が突設してある。
また、筒状接続部31の外周面には各弾性開閉片37の直後に位置する正面視環状の係合突部44が突設してある。
各弾性開閉片37の外周側には正面視環状をなし、かつ硬質樹脂(PC(ポリカーボネイト)や、ノリル等のEOG滅菌可能な樹脂材料)からなるスライド式ロック部材50が装着してある。図示するようにスライド式ロック部材50は円筒形状であり、その内周面はスライド式ロック部材50の中心軸を中心とする円筒面からなるロック面51となっている。ロック面51の内径は、自由状態にある各弾性開閉片37のテーパ面38の後端部位における筒状接続部31の中心軸線からの径方向距離より僅かに長く、かつ自由状態にある各弾性開閉片37のテーパ面38の前端部位における筒状接続部31の中心軸線からの径方向距離より僅かに短い。さらにスライド式ロック部材50の内周面の後端部近傍には全周に渡って環状の係合凹部52が凹設してある。
スライド式ロック部材50は、テーパ面38の後方に位置して、係合凹部52が係合突部44と係合するアンロック位置(図2、図10の位置)と、スライド式ロック部材50のロック面51がテーパ面38と対向するロック位置(図11の位置)との間を筒状接続部31に対して筒状接続部31の軸線方向にスライド能である。スライド式ロック部材50がアンロック位置に位置するときは、図10に示すようにロック面51と各弾性開閉片37の外周面の間に隙間が形成されるので、各弾性開閉片37は閉状態から開状態に弾性変形可能である。一方、スライド式ロック部材50がロック位置までスライドすると、図11に示すようにスライド式ロック部材50のロック面51が各弾性開閉片37のテーパ面38に接触し、各弾性開閉片37を僅かに内周側に押圧するので、各弾性開閉片37のテーパ面38とロック面51との間には強い摩擦抵抗力が発生する(このときの各弾性開閉片37の状態も閉状態である)。そのため、各弾性開閉片37はスライド式ロック部材50によって閉状態に保持され、開状態まで弾性変形することは出来ない。
なお、スライド式ロック部材50がアンロック位置に位置するとき、図10に示すようにスライド式ロック部材50の後面が筒状接続部31の前端部近傍に形成された環状壁面45に接触するので、スライド式ロック部材50はアンロック位置より後方にスライド出来ず、スライド式ロック部材50がロック位置に位置するとき、図11に示すようにスライド式ロック部材50の前面がストッパ43に接触するので、スライド式ロック部材50はロック位置より前方にスライド出来ない。
筒状接続部31のスライダ支持孔32には、筒状接続部31の後端開口から硬質樹脂(PC等)からなる筒状部材である第1スライダ60がスライド自在に挿入してある。第1スライダ60は前後両端が開口しており、その外径はスライダ支持孔32の径と略同一であり中間円形孔34より大径である。第1スライダ60の後端部にはスライダ支持孔32より大径の筒状部材である硬質樹脂製の第1ストッパ部材61が固定してある。従って第1スライダ60は、第1ストッパ部材61が筒状接続部31の後端面に当接する最大押込位置と、図示を省略したストッパによってそれ以上の後方移動が規制される最大引出位置との間を筒状接続部31に対してスライド可能であり、かつ雌ねじ孔33に挿入(螺合)した第1固定ねじ部材63のボルトの先端面(内端面)を第1スライダ60の外周面に圧接することにより、第1スライダ60の筒状接続部31に対する位置を固定可能である。第1ストッパ部材61の内面には樹脂等の可撓性材料からなり両端が開口するシース64の後端部が、第1スライダ60と同心状態で固定してある。このシース64の前部はスライダ支持孔32、中間円形孔34、及び、各弾性開閉片37の内周面の間を通って筒状接続部31の前方に突出している。そのため、シース64の筒状接続部31に対する突出量は、第1スライダ60及び第1ストッパ部材61の筒状接続部31に対するスライド位置を変化させることにより調整可能である。
第1スライダ60の内部空間には、第1スライダ60の内径より小径の硬質樹脂(PC等)からなる筒状部材である第2スライダ65がスライド自在に挿入してある。第2スライダ65は前後両端が開口しており、第2スライダ65の後端部には硬質樹脂(PC(ポリカーボネイト)やノリル等)からなる後端固定部材66が固定してある。後端固定部材66は後部が前部に比べて小径の筒状部材であり、後端固定部材66の後部の外周面には雄ねじが形成してある。さらに、第2スライダ65の外周面には第2スライダ65に対してスライド可能な硬質樹脂製(PC等)の第2ストッパ部材68がスライド自在に装着してある。第2ストッパ部材68には、第2ストッパ部材68を径方向に貫通する雌ねじ孔(図示略)が形成してあり、この雌ねじ孔には第1固定ねじ部材63と同様の第2固定ねじ部材69が挿入(螺合)してある。従って、第2ストッパ部材68の第2スライダ65に対するスライド位置は、第2固定ねじ部材69のボルトの先端面(内端面)を第2スライダ65の外周面に圧接することにより固定可能である。第2スライダ65及び後端固定部材66は、第2ストッパ部材68が第1ストッパ部材61の後端面に当接する押込位置と、図示を省略したストッパによって第2スライダ65の第1スライダ60及び第1ストッパ部材61に対するそれ以上の後方移動が規制される最大引出位置との間を第1スライダ60及び第1ストッパ部材61に対してスライド可能である。さらに、第2ストッパ部材68の第2スライダ65に対するスライド位置を調整することにより、上記押込位置を調整することも可能である。
後端固定部材66の内面には可撓性を有する金属材からなりかつ後端が開口する穿刺針71の後端部が同心状態で固定してある。この穿刺針71の前部は、シース64の内部を通ってシース64の前方に突出しており、その前端部近傍には開口72が形成してある。従って、第2スライダ65(後端固定部材66)の第1スライダ60に対するスライド位置を変化させることにより、穿刺針71の前端部のシース64に対する突出量が変化する。
さらに、後端固定部材66の後部の上記雄ねじには、硬質樹脂製(例えばPOM等)の筒状部材であるスタイレット支持キャップ75の内周面に形成した雌ねじが着脱可能に螺合してある。スタイレット支持キャップ75には可撓性部材であるスタイレット76の後端が固定してあり、スタイレット76は穿刺針71の後端開口から穿刺針71の内部空間に相対移動可能に挿入してある。
続いて穿刺針装置30の口金17に対する着脱要領と穿刺針装置30の使用要領について説明する。
超音波内視鏡10から分離されている穿刺針装置30を超音波内視鏡10の口金17に接続するには、まず穿刺針装置30のスライド式ロック部材50をアンロック位置までスライドさせておく。
次いで、筒状接続部31を口金17と同軸上に位置させかつ筒状接続部31の4つの回り止め溝40によって構成される溝全体の向きを口金17の鍔部18と同じ向きにした上で、各弾性開閉片37を口金17に接近させ、各弾性開閉片37の内周面によって構成された孔に鍔部18を挿入する。すると、各弾性開閉片37の傾斜面39aによって構成された正面視略円形の孔の径より長手寸法が長い鍔部18が各弾性開閉片37の傾斜面39aに接触し、各傾斜面39aを外周側に押圧する。その結果、スライド式ロック部材50のロック面51から内方に離間している各弾性開閉片37が外周側に弾性変形して開状態となるので(図6,8参照)、鍔部18が各弾性開閉片37の各スライド規制部39の内周面によって構成された孔を通過して各回り止め溝40に嵌合する(このときの口金17の位置が特許請求の範囲の「所定位置」)。すると、鍔部18から各スライド規制部39への押圧力が消滅するので各弾性開閉片37が閉状態(自由状態)に弾性復帰し、図10に示すように回り止め溝40の抜止部42が鍔部18の一方の面に接触し弾性開閉片37の挿入規制部41が環状フランジ19の一方の面に接触する。
この後にスライド式ロック部材50をロック位置までスライドさせると、図11に示すようにスライド式ロック部材50のロック面51が各弾性開閉片37のテーパ面38に接触するので、各弾性開閉片37の開状態への変形が規制される(閉状態に保持される)。上述のように、このときスライド式ロック部材50のロック面51と各弾性開閉片37のテーパ面38との間に強い摩擦抵抗力が発生するので、意図的にスライド式ロック部材50を後方にスライドさせない限り、スライド式ロック部材50がアンロック位置側にスライドすることはない。
このような状態になると、筒状接続部31の口金17に対する脱出方向(スタイレット支持キャップ75側への移動)は回り止め溝40の抜止部42と鍔部18によって規制され、筒状接続部31の口金17への挿入方向(シース64及び穿刺針71の先端側への移動)は弾性開閉片37の挿入規制部41と環状フランジ19によって規制されるので、筒状接続部31の口金17に対する軸線方向への移動は完全に防止される。さらに、互いに略同一形状かつ非円形形状である鍔部18と各回り止め溝40によって構成される溝とが互いに嵌合し、各回り止め溝40の内周面が鍔部18の外周面に面接触するので、筒状接続部31の口金17に対する軸線回りの回転も完全に防止される。しかも、口金17の長手方向の位置が互いに異なる鍔部18と環状フランジ19が抜止部42と挿入規制部41にそれぞれ接触するので、筒状接続部31の口金17に対する倒れも完全に防止される。
このように穿刺針装置30が口金17(超音波内視鏡10)に対して完全に不動状態となるので、術者はCRTモニタに表示された画像を見ながら超音波内視鏡10に接続した穿刺針装置30を正確に操作できる。即ち、第1ストッパ部材61や後端固定部材66をスライドさせたり、スタイレット支持キャップ75の後端固定部材66に対する螺合を解除してスタイレット76を穿刺針71に対して進退させることにより、シース64、穿刺針71、及びスタイレット76を正確に操作できる。
さらに、スライド式ロック部材50は筒状接続部31の長手方向にスライドする部材なので、術者は穿刺針装置30(筒状接続部31)を把持したのと同じ手でスライド式ロック部材50をスライド操作できる。そのため、術者は補助者の助けを借りずにスライド式ロック部材50を円滑に操作できる。
穿刺針装置30による処置が完了した場合や、口金17に穿刺針装置30とは別の処置具を挿入したい場合は、まずスライド式ロック部材50をアンロック位置までスライドさせる。このようにスライド式ロック部材50をアンロック位置側にスライドさせる場合も、術者は補助者の助けを借りずに穿刺針装置30(筒状接続部31)を把持したのと同じ手でスライド式ロック部材50を円滑に操作できる。
スライド式ロック部材50がアンロック位置までスライドすると、係合突部44と係合凹部52によってスライド式ロック部材50がアンロック位置に保持されるので、スライド式ロック部材50が自重によってロック位置までスライドすることはない。このように各弾性開閉片37が開状態に弾性変形可能な状態に保持されるので、筒状接続部31をその軸線に沿ってスタイレット支持キャップ75側に移動させると、口金17の鍔部18によって外周側に押圧された各弾性開閉片37が開状態となり、口金17が各弾性開閉片37の内周面によって構成された孔を前方に通過し、筒状接続部31の口金17からの取り外し作業が完了する。
以上、上記実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は様々な変更を施しながら実施可能である。
例えば、口金17に形成した鍔部18及び各回り止め溝40によって構成される溝の正面形状は、非円形であれば上記の形状でなくてもよい。また、環状フランジ19を環状とせずに、口金17の外周に突出する非環状の突部材としてもよい。
さらに、筒状接続部31に形成するスリット35、変形補助孔36の数(弾性開閉片37の数)は2つ以上であればいくつでもよい。また、筒状接続部31が弾性変形し易い材質の場合は変形補助孔36を省略してもよい。
さらに、係合突部44をスライド式ロック部材50側に形成し、係合凹部52を弾性開閉片37側に形成してもよい。
また、弾性開閉片37とロック面51の一方に係合突部44と同様の突部を形成し、他方にスライド式ロック部材50がロック位置に移動したときに該突部と係合する係合凹部52と同様の凹部を形成してもよい。
さらに、各弾性開閉片37の外周面の前部をテーパ面とせずに、筒状接続部31の中心軸線からの径方向距離がロック面51の内径と略等しい該中心軸線を中心とする円筒面の一部(円弧面)とし、ロック面51をテーパ面としてもよい。
また、各弾性開閉片37の外周面の前部をテーパ面38とせずに上記のような円筒面の一部(円弧面)とした上で、各弾性開閉片37が閉状態になったときの当該円筒面(円弧面)の筒状接続部31の中心軸線からの径方向距離をロック面51の内径と略同一としてもよい。このようにした場合も、ロック位置までスライドしたスライド式ロック部材50のロック面51と各弾性開閉片37の間には強い摩擦抵抗力が発生するので、スライド式ロック部材50をロック位置に確実に保持することが可能である。
また、図12に示すような変形例で実施することも可能である。
この変形例では各弾性開閉片37に形成した回り止め溝80(スライド規制部。正面形状は回り止め溝40と同じ)の前後両面が塞がっており、回り止め溝80の後面は挿入規制部81、前面は抜止部82となっている。そして、口金17の鍔部18が各回り止め溝80に嵌合したときに、鍔部18の表裏両面が各回り止め溝80の挿入規制部81と抜止部82によって挟まれる(接触する)ので、図示するように各弾性開閉片37の挿入規制部41が環状フランジ19から離間していても筒状接続部31の口金17に対する軸線方向への移動が完全に防止される(回転も防止される)。さらに、鍔部18の一方の面が挿入規制部81に接触し鍔部18の他方の面が抜止部82に接触するので、筒状接続部31の口金17に対する倒れも防止される。なお、筒状接続部31の口金17に対する軸線方向への移動、及び、倒れをより確実に防止するために、筒状接続部31を口金17に接続したときに各弾性開閉片37の挿入規制部41が環状フランジ19に接触するようにしてもよい。
10 超音波内視鏡
11 操作部
12 超音波プローブ
13 挿入部
14 湾曲部
15 湾曲操作レバー
16 処置具挿通用突部
17 口金
18 鍔部
19 環状フランジ(フランジ)
20 内部管路
21 処置具用開口
30 穿刺針装置
31 筒状接続部
32 スライダ支持孔
33 雌ねじ孔
34 中間円形孔
35 スリット
36 変形補助孔
37 弾性開閉片
38 テーパ面
39 スライド規制部
39a 傾斜面
40 回り止め溝
41 挿入規制部
42 抜止部
43 ストッパ
44 係合突部
45 環状壁面
50 スライド式ロック部材
51 ロック面
52 係合凹部
60 第1スライダ
61 第1ストッパ部材
63 第1固定ねじ部材
64 シース
65 第2スライダ
66 後端固定部材
68 第2ストッパ部材
69 第2固定ねじ部材
71 穿刺針
72 開口
75 スタイレット支持キャップ
76 スタイレット
80 回り止め溝(スライド規制部)
81 挿入規制部
82 抜止部

Claims (5)

  1. 超音波内視鏡本体に突設した非円形の鍔部を備える口金を、内部空間の所定位置まで挿入可能な筒状接続部と、
    上記口金を上記内部空間に挿入したときに、該口金の内部を通って上記超音波内視鏡の内部管路に挿入する可撓性を有するシースと、
    該シース内に進退可能に挿入した穿刺針と、
    を備える超音波内視鏡用穿刺針装置において、
    上記筒状接続部の上記口金との接続端部に特定の円周上に並ぶように形成した、該円周上に並ぶ閉状態から該閉状態より外周側に移動する開状態に弾性変形可能な複数の弾性開閉片と、
    上記弾性開閉片に形成した、上記開状態にあるときは上記口金の筒状接続部に対する相対スライドを許容し、かつ、上記口金を上記所定位置まで挿入した状態で上記閉状態に位置するときは上記口金の相対スライドを規制するスライド規制部と、
    上記各弾性開閉片の内周面に形成した、上記口金を上記所定位置まで挿入したときに上記鍔部が嵌合し、かつ上記閉状態にあるときに上記鍔部の周面に接触する回り止め溝と、
    上記弾性開閉片の外周面に上記筒状接続部の長手方向にスライド可能として支持した、該弾性開閉片の上記開状態への変形を許容するアンロック位置と上記弾性開閉片を上記閉状態に保持するロック位置とに移動可能なスライド式ロック部材と、
    を備えることを特徴とする超音波内視鏡用穿刺針装置。
  2. 請求項1記載の超音波内視鏡用穿刺針装置において、
    上記スライド規制部が、
    上記口金を上記所定位置まで挿入した状態で弾性開閉片が上記閉状態に位置するときに、上記鍔部に接触して該鍔部の上記超音波内視鏡本体側へのスライドを規制する抜止部と、
    上記口金を上記所定位置まで挿入した状態で弾性開閉片が上記閉状態に位置するときに、上記口金に突設した上記鍔部より上記超音波内視鏡本体側に位置するフランジに接触して上記口金のそれ以上の挿入を規制する挿入規制部と、
    を有する超音波内視鏡用穿刺針装置。
  3. 請求項1記載の超音波内視鏡用穿刺針装置において、
    上記スライド規制部が、
    上記口金を上記所定位置まで挿入した状態で弾性開閉片が上記閉状態に位置するときに上記鍔部の表裏両面に接触する、上記回り止め溝の内面である超音波内視鏡用穿刺針装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項記載の超音波内視鏡用穿刺針装置において、
    上記弾性開閉片の外周面と上記スライド式ロック部材の内周面の一方に係合突部を形成し、他方に上記スライド式ロック部材が上記アンロック位置に移動したときに該係合突部と係合する係合凹部を形成した超音波内視鏡用穿刺針装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項項記載の超音波内視鏡用穿刺針装置において、
    上記弾性開閉片の外周面と、上記ロック位置に位置するスライド式ロック部材との対向面の一方を、先端側に向かうにつれて相手側に近づくテーパ面とした超音波内視鏡用穿刺針装置。
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