JP5621242B2 - アルミナ粒子用分散剤 - Google Patents
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Description
こうして得られるアルミナ分散液は、製紙用途、金属加工用途、繊維用途、塗料用途、光学材料用途及びセラミック用途に使用されている
アルミナ粒子やセラミック製造用の分散剤としては、様々な分散剤が提案されているが、中でもポリカルボン酸系化合物の使用が有効であり、以下のような提案がされてきた。
・マレイン酸系モノマーとポリオキシアルキレン系モノマーの共重合体からなる分散剤(特許文献1)。
・特定の重量平均分子量のポリアクリル酸アンモニウムからなる分散剤(特許文献2)。
・ポリカルボン酸塩からなる分散剤(特許文献3)。
・アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体アンモニウムからなる分散剤(特許文献4)。
これを例えばセラミック原料粉末に使用すると、従来に比べ高性能なセラミック製品が得られるようになる。このため、超微粒子に対応する分散剤が求められるようになった。
しかしながら、前記したような従来のポリカルボン酸系分散剤では、このような超微粒子の分散を試みると、スラリー粘度が高くなってしまうという問題があった。又、ポリカルボン酸系分散剤は、添加量が変動するとスラリー粘度が大きく変化する傾向があり、スラリー粘度が変化するために、製品品質が変動するという問題もあった。さらに、超微粒子は分散させるのが難しい傾向にあるため、セラミックスラリーを乾燥させたものに水を加えて再分散させて、スラリーをリサイクルすることが難しいという問題がある。
このように、従来の分散剤を使用しても、超微粒子の分散液の粘度や再分散性について十分満足する分散剤は得られていない。
以下、本発明を詳細に説明する。
尚、本願明細書においては、アクリル酸又はメタクリル酸を、(メタ)アクリル酸と表す。
さらに、アルミナ等を使用したセラミックスラリーを乾燥させたシートに水を加えて再分散させることが可能であり、リサイクル性に優れるため有用である。
本発明の分散剤が前記効果を発現する理由の詳細は不明であるが、従来の分散剤と比較して、本発明の分散剤は分散液中の粒子に吸着すると同時に、粒子間に適度な滑り性を付与するためでないかと推定される。
以下、分散剤を構成する(A)成分及び(B)成分について説明する。
(A)成分は、単量体(A-1)及び(A-2)を必須構成単量体単位とする(メタ)アクリル酸系共重合体又は/及びその塩である。
単量体(A-1)としては、(メタ)アクリル酸のみ、(メタ)アクリル酸の一部が中和された塩及び(メタ)アクリル酸の全部が中和された塩が挙げられる。
これらの中でも、アクリル酸又は/及びアクリル酸の一部が中和された塩であることが、(A)成分を製造する際の重合性に優れ、得られる(A)成分の水溶性が優れる点で好ましい。
有機アミン塩における有機アミンとしては、トリエチルアミン等が挙げられる。アルカリ金属塩におけるアルカリ金属としては、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム等が挙げられる。
これらの中でも、アンモニウム塩であることが、(A)成分を分散性に優れるものとし、分散剤をセラミックス製造用分散液として使用する場合、セラミックの性能面から好ましい。
単量体(A-2)の具体例としては、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル及び(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等が挙げられる。
これらの中でも、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル及び(メタ)アクリル酸t−ブチルである(メタ)アクリル酸ブチルが好ましく、特に(メタ)アクリル酸n−ブチルが好ましい。
アルキル基の炭素数が4個以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを使用することで、分散液が経時で増粘して凝集してしまうことを防止することができ、セラミックスラリーを乾燥させたものに水を加えたときの再分散に優れるものとすることができる。これは、炭素数3以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステルだと、粒子間への滑り性付与が小さいためと推定される。一方、アルキル基の炭素数が8個以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを使用することで、分散液の分離を防止し、安定なものとすることができる。
単量体(A-1)の共重合割合を60重量%以上にすることで、(A)成分を水溶性に優れるものとし、分散安定性に優れるものとすることができ、一方、95重量%以下にすることで、分散液の粘度上昇を抑制することができる。
実際の(A)成分中のカルボキシル基の中和度は測定することが困難であることがあるため、簡便な方法としては、(A)成分水溶液のpHを制御することが好ましい。具体的には、(A)成分の水溶液のpHが5〜10、特に6〜9の範囲になるような割合でカルボキシル基が塩基によって中和されていることが、(A)成分の水溶性が高くなり、分散安定化効果が高くなるので好ましい。
その他単量体としては、マレイン酸及びイタコン酸等の不飽和酸又はその塩、無水マレイン酸及び無水イタコン酸等の不飽和酸無水物、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びスチレンスルホン酸等の不飽和スルホン酸又はその塩、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、アクリルアミド、ポリアルキレンオキサイド骨格をエステルに含む(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
その他単量体は、単独で使用しても、2種類以上併用することもできる。
その他単量体の共重合割合としては、単量体(A-1)及び(A-2)の合計量100重量部に対して0〜10重量部であることが好ましく、0〜5重量部であることがさらに好ましい。その他単量体の共重合割合を10重量部以下とすることにより、分散液の増粘を防止することができる。
水溶液重合の溶媒には、水と有機溶剤の混合液を使用するのが好ましい。これにより、水だけを溶媒に使用する場合の単量体(A-2)が溶解しにくくなる問題を改善することができ、一方、有機溶剤だけを使用する場合における、分散剤として使用する際に有機溶剤を水に置換する必要があるため、コストと手間がかかる問題を解決することができる。
好ましい有機溶剤としては、イソプロピルアルコール等のアルコール類、アセトン等のケトン類が挙げられ、特に好ましくはイソプロピルアルコールである。
ラジカル重合開始剤として、例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム及び過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩類、t−ブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類、過酸化水素等の水溶性過酸化物、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド等の油溶性の過酸化物、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライド等のアゾ化合物等が挙げられる。
上記した過酸化物系のラジカル重合開始剤は1種類のみ使用しても又は2種以上を併用してもよい。
上記した過酸化物系のラジカル重合開始剤の中でも、分子量の制御が行い易い点より過硫酸塩類やアゾ化合物が好ましく、特に好ましくは過硫酸アンモニウムである。
ラジカル重合開始剤の使用割合は特に制限されないが、(A)成分の全単量体の合計重量に基づいて、0.1〜15重量%、特に0.5〜10重量%の割合で使用することが好ましい。この割合を0.1重量%以上にすることにより共重合率を向上させることができ、15重量%以下とすることにより、(A)成分の安定性を向上させ、分散剤としての性能に優れたものとなる。
又、場合によっては、(A)成分は、水溶性レドックス系重合開始剤を使用して製造してもよい。レドックス系重合開始剤としては、酸化剤(例えば上記した過酸化物)と、重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸アンモニウム、亜硫酸ナトリウム、ハイドロサルファイトナトリウム等の還元剤や、鉄明礬、カリ明礬等の組合せを挙げることができる。
重合温度を60℃以上にすることで、重合反応が速く生産性に優れるものとなり、100℃以下とすることで、製品の着色を少なくすることができる。
又、反応は、加圧又は減圧下で行うことも可能であるが、加圧あるいは減圧反応用の設備にするためのコストが必要になるので、常圧で行うことが好ましい。重合時間は2〜20時間、特に3〜10時間程度で行うことが好ましい。
重量平均分子量が2,000以上である場合は、分散液中の粒子から分散剤が脱着し分散液が増粘してしまうことを防止することができ、一方、10,000以下とすることで、分散剤自体が分散液の粘度を上昇させてしまうことを防止し、分散液の粘度を低減させることができる。
尚、本発明において重量平均分子量とは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定された平均分子量を、ポリアクリル酸の標準試料に基づき換算した値を意味する。
中和の程度は、前述の通り、50〜100モル%、特に70〜100モル%が塩基によって中和され、塩の形態になっていることが好ましい。中和に用いられる塩基性化合物としては、アンモニア水、有機アミン(例えばトリエチルアミン等)、アルカリ金属水酸化物等を挙げることが出来る。そのうちでも、アンモニア水であることが、分散性とセラミックの性能面から好ましい。
前記の通り、実際の(A)成分中のカルボキシル基の中和度は測定することが困難であることがあるため、(A)成分水溶液のpHを制御することが好ましい。具体的には、(A)成分の水溶液のpHを、5〜10とするのが好ましく、より好ましくは6〜9である。
(B)成分は、炭素数が4〜8個のアルコールであり、好ましくは炭素数が4〜6個のアルコールである。
(B)成分としては、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、ペンチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコールが例示される。これらの中でも分散剤としての性能の面からn−ブチルアルコール、イソブチルアルコール及びt−ブチルアルコールが好ましく、特に好ましくはn−ブチルアルコールである。
炭素数4個上のアルコールを使用することにより、分散液の粘度上昇を抑制することができ、一方、炭素数が8個以下のアルコールを使用することにより、分散剤の分離を抑制することができる。
本発明の分散剤は、前記(A)及び(B)成分を必須成分とするものである。
分散剤の製造方法としては、(A)成分に(B)成分を添加・混合する方法等が挙げられる。
本発明の分散剤は、(A)成分に対して(B)成分を1,000〜30,000wtppmの割合で含むものであり、好ましくは1,500〜20,000wtppm、特に好ましくは2,000〜15,000wtppmである。
(B)成分の割合を1,000wtppm以上とすることにより、セラミックスラリーを乾燥させたものに水を加えたときの再分散に優れるものとなり、30,000wtppm以下とすることにより、粒子の凝集を抑制することができる。
この場合、水中に(A)及び(B)成分の合計量として30〜50重量%含んでいるものが好ましく、より好ましくは35〜45重量%である。
30重量%以上とすることで輸送コストの問題を低減でき、50重量%以下とすることで、低粘度で取扱いが容易なものとすることができる。
尚、本発明において平均粒径とは、走査型電子顕微鏡で測定した個々の粒径の平均値を意味する。
平均粒子径を0.01μm以上とすることで、コスト的に有利なものとなり、一方、5.0μm以下とすることで、アルミナ粒子からセラミックを製造する場合にセラミックが強靭性に優れるものとなる。
アルミナ粒子の配合量は、分散液に対して40〜85重量%が好ましい。40重量%以上とすることで、アルミナ粒子からセラミックを製造する場合にセラミックの寸法精度に優れるものとすることができる。一方、85重量%以下とすることで、分散液が低粘度となり、取り扱いが容易なものとなる。
アルミナ分散液のpHは、5〜10が好ましい。このpH範囲とすることで、アルミナ粒子の凝集を抑制することができる。
pHは、硝酸、酢酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、アンモニア水を添加することで調整可能である。
アルミナ分散液の用途としては、これらの中でもセラミックス用途、より具体的にはセラミックス製造用分散液として好適に使用することができる。
以下、セラミックス製造用分散液について、詳細に説明する。
本発明のアルミナ粒子を含む分散液は種々の用途に使用することができ、特にセラミックス製造用分散液として好ましく使用することができる。
この場合、アルミナ以外のセラミック原料粉末と併用することができる。
セラミック原料粉末としては、無機粉末が使用可能であり、チタニア、マグネシア及びジルコニア等の金属酸化物、炭化ケイ素等の金属炭化物、窒化アルミニウム及び窒化ケイ素等の窒化物、炭酸カルシウム及び炭酸バリウム等の炭酸塩、並びにチタン酸バリウム等が挙げられる。
バインダーとしては、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールの部分アセタール化物、ポリエチレンオキシド、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、アクリルポリマー、澱粉及び寒天等が挙げられる。これらのバインダーの重量平均分子量は10000以上である。バインダーを使用する場合は、セラミック原料粉末100重量部に対して、0.1〜20重量部使用するのが好ましい。
潤滑剤としては、ステアリン酸マグネシウム、パラフィンエマルジョン等が挙げられる。潤滑剤を使用する場合は、セラミック原料粉末100重量部に対して、0.1〜1重量部使用するのが好ましい。
可塑剤としては、ポリエチレングリコール、ジブチルフタレート等が挙げられる。可塑剤を使用する場合は、セラミック原料粉末100重量部に対して、0.1〜5重量部使用するのが好ましい。
例えば、セラミック製造用分散液を、成形し、乾燥、焼成してセラミック成形品が製造される。
成形方法としては、シート成形、鋳込み成形、射出成形、プレス成形及び押出成形等が挙げられる。
より詳細には、シート形成を例に挙げると、ドクターブレードでフィルム上にセラミック製造用分散液を塗布し、乾燥し、セラミックのシートを剥離し、複数枚を積層すれば、グリーンシートと呼ばれる薄いシートが得られる。これを目的の大きさに切断し、焼成すると、セラミック成形品が得られる。
攪拌機、コンデンサを備えた槽型反応器へ、脱イオン水170kg、イソプロピルアルコール250kgを仕込み80℃に保持した。
この反応器へ、アクリル酸(以下、「AA」という)255kg、アクリル酸n−ブチル(以下、「nBA」という)75kgを混合した単量体330kg、及び、15%過硫酸アンモニウム水溶液60kgを5時間かけて供給した。滴下終了後、反応液を80℃で1時間保持した。
次いで、脱イオン水を投入しながらイソプロピルアルコールを減圧留去した。その後、反応液を50℃に保持し、25%アンモニア水を供給して中和した。
ここでガスクロマトグラフィーにて液を分析すると、n−ブタノール(以下、「nBL」という)が300ppm検出されたため、nBLを投入し1,500ppmに調整した。
このようにして、重合体〔(A)成分〕とnBL〔(B)成分〕を含み、固形分濃度が40%、pHが7、(B)成分を1,500ppm〔(A)成分に対して3,750ppm〕含む分散剤を得た。
得られた(A)成分の重量平均分子量(以下、「Mw」という)を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した。GPCの測定条件は、HLC8020システム〔東ソー(株)製〕を使い、カラムはG4000PWxl、G3000PWxl、G2500PWxl〔東ソー(株)製〕を連結して使用し、溶離液は0.1MNaCl+リン酸バッファー(pH7)とし、検量線はポリアクリル酸Na(創和科学製)を使用して作成した。測定の結果、Mwは6,000であった。
実施例1において、使用する単量体を表1に示す通りに変更する以外は、実施例1と同様の方法で、重合、減圧留去及び中和を行った。
中和後の分析で、それぞれ以下の割合で(B)成分が検出されたので、必要に応じて(B)成分を添加した。
2−エチルヘキサノール(以下、「EHL」という)が100ppm検出され、EHLを添加し3,000ppmに調整した。
・実施例3
nBLが800ppm検出されたため、追加のアルコールは添加しなかった。
・実施例4
nBLが500ppm検出され、さらにnBLを添加し5,000ppmに調整した。
・実施例5
イソブタノール(以下、「iBL」という)が100ppm検出され、iBLを添加し2,000ppmに調整した。
・実施例6
nBLが500ppm検出されたため、追加のアルコールは添加しなかった。
・実施例7
nBLが500ppm検出され、さらにnBLを添加し11,000ppmに調整した。
実施例1において、使用する単量体を表1に示す通りに変更する以外は、実施例1と同様の方法で、重合、減圧留去及び中和を行った。
中和後の分析で、それぞれ以下の割合でアルコール又は(B)成分が検出されたので、必要に応じて(B)成分を添加した。
・比較例2:エタノールが250ppm検出されたが、(B)成分は検出されなかったため、nBLを添加し1,500ppmに調整した。
・比較例4:nBLが300ppm検出されたため、(B)成分は追加添加しなかった。
・比較例5:nBLが100ppm検出され、nBLを添加し、13,000ppmに調整した。
尚、比較例3では、実施例1と同様の方法で、重合、減圧留去及び中和を行ったが、均一な液を得ることができなかったので、評価を行わなかった。
・EHA:アクリル酸−2−エチルヘキシル
・iBA:アクリル酸イソブチル
・MA:アクリル酸メチル
・EA:アクリル酸エチル
・LA:アクリル酸ラウリル
アルミナ粒子〔昭和電工(株)製、AL−160SG−4、平均粒径:走査型電子顕微鏡で測定した個々の粒径の平均値0.6μm〕100部、分散剤として実施例1で得られた分散剤(以下、分散剤1という)を固形分で0.15部、純水31重量部を、SUSジョッキへ投入し、4000rpmで5分間攪拌した。直ちに粘度をB型粘度計で測定したところ、540mPa・sを示した。
このスラリーへ分散剤1を固形分で0.05部追加し(合計0.20重量部)、4000rpmで5分間攪拌した。直ちに粘度を測定し、さらにこのスラリーに分散剤1を0.05部追加し、以下、下記に示す量の分散剤1をそれぞれ添加して同様の条件で攪拌し、同様の条件で粘度を測定した。
0.05部追加(合計0.20部):220mPa・s
0.05部追加(合計0.25部):210mPa・s
0.05部追加(合計0.30部):220mPa・s
0.10部追加(合計0.40部):270mPa・s
0.10部追加(合計0.50部):350mPa・s
このスラリーの粘度測定値が低いほど、分散性が良好であると判定した。分散剤1を0.25重量部添加した場合、スラリー粘度が210mPa・sと低い値を示した。これより、分散剤1は、分散性が良好であった。
又、スラリーが最低粘度を示した分散剤添加量を基準として、添加量が変動してもスラリーの粘度変化が少ないほど、分散安定性が良好と判定した。分散剤1を0.25重量部から、マイナス0.05重量部(即ち0.20重量部)、及びプラス0.05重量部(即ち0.30重量部)に変化させても、スラリー粘度は210〜220mPa・sと変化が少なかった。これより、重合体1は、分散安定性が良好であった。
ポリエステルフィルム上に、ドクターブレードを使用してスラリーを塗布し、25μm厚のシートを作成した。80℃で15分乾燥し、ポリエステルフィルムから硬化物を剥離してセラミックシートを得た。このシートを10枚積層し、グリーンシートを作成した。
グリーンシートを1gとり純水中で攪拌し、均一に分散されるか目視で評価し、以下の水準で評価した。
○:均一な分散液、×:不均一な液
その結果、均一な分散液となった。これより、分散剤体1は再分散性が良好であった。
これらの結果を表2に示す。
実施例C1において、分散剤を上記表2に示す通りに変更する以外は実施例C1と同様の方法でセラミックススラリーを製造した。
得られたセラミックススラリーを実施例C1と同様にして評価を行った。それらの結果を表2に示す。
実施例C1において、分散剤を上記表2に示す通りに変更する以外は実施例C1と同様の方法でセラミックススラリーを製造した。
得られたセラミックススラリーを実施例C1と同様にして評価を行った。それらの結果を表2に示す。
Claims (7)
- (メタ)アクリル酸又は/及びその塩(A-1)及びアルキル基の炭素数が4〜8個である(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A-2)を必須構成単量体単位とする(メタ)アクリル酸系共重合体又は/及びその塩(A)、及び炭素数が4〜8個のアルコール(B)を含み、(A)成分に対する(B)成分の割合が1,000〜30,000wtppmであるアルミナ粒子用分散剤、並びに、アルミナ粒子を含む水性分散液。
- (A)成分が、(A-1):(A-2)=95:5〜60:40(重量比)の共重合割合とする共重合体である請求項1記載の水性分散液。
- (A)成分が、重量平均分子量2,000〜10,000の共重合体である請求項1又は請求項2記載の水性分散液。
- アルミナ粒子100重量部に対して、分散剤を固形分で0.01〜5.0重量部含む請求項1〜請求項3のいずれか記載の水性分散液。
- アルミナ粒子を40〜85重量%の割合で含む請求項1〜請求項4のいずれか記載の水性分散液。
- アルミナ粒子の平均粒径が0.01〜5.0μmである請求項1〜請求項5のいずれか記載の水性分散液。
- 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の水性分散液を含むセラミック製造用分散液。
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