JP5665989B2 - 防振装置 - Google Patents
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Description
一対の第1受圧液室は、互いの間に内筒を挟み込むように配置され、第2受圧液室は、内筒に、その軸方向に並設されている。前記防振装置は、前記軸方向、および一対の第1受圧液室が内筒を挟み込む挟み込み方向の両方向に沿った振動を、吸収および減衰する。
本発明に係る一態様によれば、防振装置は、振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される内筒と、前記内筒をその径方向の外側から囲んで、振動発生部および振動受部のうちのいずれか他方に連結される外筒と、前記内筒と前記外筒とを連結する弾性体と、を備えている。また、前記外筒内には、液体が封入されて壁面の一部が前記弾性体により構成された複数の受圧液室が配設されている。また、これら受圧液室は、第1制限通路を通して互いに連通された一対の第1受圧液室と、液体が封入された副液室に第2制限通路を通して連通された第2受圧液室と、を備えている。前記一対の第1受圧液室は、互いの間に前記内筒を挟み込むように配置されている。また、前記第2受圧液室は、前記内筒の軸方向、および前記一対の第1受圧液室が前記内筒を挟み込む挟み込み方向の両方向に直交する直交方向に、前記内筒に並設されている。また、前記内筒は、前記一対の第1受圧液室および前記第2受圧液室それぞれの前記軸方向の全長にわたって延設されている。
また、前記防振装置に前記直交方向に沿った振動が入力されると、内筒と外筒とが、弾性体を弾性変形させつつ前記直交方向に相対的に変位する。これにより、第2受圧液室が拡縮して第2受圧液室と副液室との間で第2制限通路を液体が流通し、前記振動が吸収および減衰される。
車両中の規定された所定寸法の空間に防振装置を設置する際に、円形状の外筒を有する防振装置を上記空間に設置する場合と比較して、外筒の内側の空間を大きく確保することができる。このため、大きな体積の大きい弾性体を備えることも可能となる。これにより、バネ特性を向上させることができる。また、容量の大きい液室を備えることも可能となる。これにより、防振装置の減衰性能を向上させることができる。すなわち、円形状の外筒と比較して、短形状の外筒はその内側の空間を大きく確保して、様々な用途に使用できる空間を有する。その結果、防振装置の設計自由度を向上させることができ、車両の種類によって要求される既定寸法に対応することができる。
またストッパ部が、外筒内に配設されているので、ストッパ部を設けることにより、前記防振装置が大型になるのを抑えることができる。
図1および図2に示すように、防振装置10は、振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される内筒11と、内筒11をその径方向の外側から囲んで、振動発生部および振動受部のうちのいずれか他方に連結される外筒12と、内筒11と外筒12とを連結する弾性体13と、を備えている。防振装置10には、例えばエチレングリコール、水、又はシリコーンオイル等が液体として封入されている。防振装置10は、いわゆる液体封入型の防振装置である。
また図3に示すように、内筒11は、防振装置10を軸方向Aから見た正面視において、内筒11の軸線Oに直交する直交面(図示せず)に沿う一方向(挟み込み方向)Bに延びる一対の対辺11a、11bを有する台形状に、形成されている。図示の例では、内筒11は、前記正面視において、前記直交面および一方向Bに直交する他方向(直交方向)Cに沿うように形成されている。内筒11は、内筒11の軸線O上を通過する仮想線Lを基準として線対称であり、いわゆる等脚台形状に形成されている。
なお以下では、他方向Cに沿って、一対の対辺11a、11bのうちの長辺11a側を上側といい、短辺11b側を下側という。
また図3に示すように、内筒部16のうち、内筒11にその下方から対向する部分には、第2開口部19が形成されている。第2開口部19には、外筒部15の内周面に形成され、内部にメンブラン部材20が収容された収容凹部21が連通している。図2に示すように、メンブラン部材20は、例えばゴム材料などにより形成され、防振装置10を他方向Cから見た上面視において、軸方向Aおよび一方向Bの両方向に延びて矩形状を有するように形成されている。メンブラン部材20は、第2開口部19内に嵌合された押さえプレート22により、収容凹部21内から離脱することが規制されている。
弾性体13は、内筒11よりも上側に配設された主壁部31と、内筒11よりも下側に配設された副壁部(仕切部)32と、を備えている。
そして、ストッパ部33における一方向Bの中央部の上方には、外筒12の内周面との間に上隙間G1が設けられている。また、ストッパ部33における一方向Bの両端縁と、外筒12の内周面と、の間には、一方向Bの側隙間G2が各別に設けられている。
第1制限通路37の流路長および流路断面積は、その第1制限通路37の共振周波数が予め決められた周波数となるように設定(チューニング)されている。この予め決められた周波数としては、例えばアイドル振動(例えば、周波数が18Hz〜30Hz、振幅が±0.5mm以下)の周波数や、アイドル振動よりも周波数が低いシェイク振動(例えば、又は周波数が14Hz以下、振幅が±0.5mmより大きい)の周波数などが挙げられる。
第1周溝40における前記一方の周端部、および前記他方の周端部はそれぞれ、第1受圧液室35および副液室28それぞれに対する一方向Bの外側に位置している。第1受圧連通部41および第1副連通部42はそれぞれ、一方向Bに沿って延設されている。
第2制限通路38は、外筒12の外周面に形成された第2周溝44と、第2周溝44における一方の周端部と第2受圧液室36とを連通する第2受圧連通部45と、第2周溝44における他方の周端部と副液室28とを連通する第2副連通部46と、を備えている。そして第2制限通路38は、これらのうちの第2周溝44の開口部が、前記ブラケット部材により外側から閉塞されることにより構成されている。
はじめに、振動発生部から主振動が入力されたときには、内筒11と外筒12とが、弾性体13を弾性変形させながら、他方向Cに相対的に変位する。
このとき、例えば内筒11と外筒12との相対的な変位や、副壁部32の弾性変形などにより、第2受圧液室36が拡縮される。図4に示すような第2受圧液室36と副液室28との間で、第2制限通路38内を通して液体が流通し、第2制限通路38内で液柱共振が生じる。これにより、第2制限通路38の共振周波数の周波数と同等の周波数の振動が吸収および減衰される。内筒11が、第2受圧液室36の軸方向Aの全長にわたって延設されているので、第2受圧液室36は、軸方向Aの全長にわたって大きく変形して拡縮する。
このとき、例えば主壁部31および副壁部32の弾性変形などにより各第1受圧液室35が拡縮される。図3に示すような第1受圧液室35と副液室28との間で、第1制限通路37内を通して各別に液体が流通して第1制限通路37内で液柱共振が生じる。これにより、第1制限通路37の共振周波数の周波数と同等の周波数の振動が吸収および減衰される。内筒11が、第1受圧液室35の軸方向Aの全長にわたって延設されている。このため、第1受圧液室35は、軸方向Aの全長にわたって大きく変形して拡縮する。
なお、内筒11と外筒12とが他方向Cに相対的に変位したときには、上隙間G1が狭められた後、ストッパ部33が、外筒12の内周面に係合し、内筒11と外筒12との更なる相対的な変位が規制される。
なお、このように内筒11と外筒12とが一方向Bに相対的に変位した場合、側隙間G2が狭められた後、ストッパ部33が、外筒12の内周面に係合し、内筒11と外筒12との更なる相対的な変位が規制される。
また、車両中の規定された所定寸法の空間に防振装置を設置する際に、円形状の外筒を有する防振装置を上記空間に設置する場合と比較して、外筒の内側の空間を大きく確保することができる。このため、大きな体積の大きい弾性体を備えることも可能となる。これにより、バネ特性を向上させることができる。また、容量の大きい液室を備えることも可能となる。これにより、防振装置の減衰性能を向上させることができる。すなわち、円形状の外筒と比較して、短形状の外筒はその内側の空間を大きく確保して、様々な用途に使用できる空間を有する。その結果、防振装置の設計自由度を向上させることができ、車両の種類によって要求される既定寸法に対応することができる。
またストッパ部33が、外筒12内に配設されているので、ストッパ部33を設けることにより、防振装置10が大型になるのを抑えることができる。
例えば、環状フランジ部17、メンブラン部材20、収容凹部21、押さえプレート22、連通孔23、被覆膜30、ストッパ部33、及び連結膜34はなくてもよい。
また前記実施形態では、外筒12が、外筒部15内に内筒部16が嵌合されてなる。これに限られるものではなく、例えば外筒12が1つの筒状部材により構成されてもよい。
さらに前記実施形態では、ストッパ部33が、内筒11の外周面に連結されている。これに限られるものではなく、ストッパ部33が、外筒12の内周面に連結されて、内筒11と外筒12とが一方向Bに相対的に変位したとき、および内筒11と外筒12とが他方向Cに相対的に変位したときに、内筒11の外周面に係合して更なる変位を規制してもよい。
さらに前記実施形態では、内筒11は、前記正面視において台形状に形成されている。これに限られるものではなく、内筒11は、例えば楕円形状や真円形状に形成されてもよい。
さらにまた、前記実施形態では、外筒12は、内筒11と同軸に配設される。これに限られるものではなく、例えば外筒12の軸線と内筒11の軸線とが、互いにずらされてもよい。
11 内筒
12 外筒
13 弾性体
15 外筒部
16 内筒部
28 副液室
32 副壁部(仕切部)
35 第1受圧液室
36 第2受圧液室
37 第1制限通路
38 第2制限通路
A 軸方向
B 一方向(挟み込み方向)
C 他方向(直交方向)
Claims (3)
- 振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される内筒と、
前記内筒をその径方向の外側から囲んで、振動発生部および振動受部のうちのいずれか他方に連結される外筒と、
前記内筒と前記外筒とを連結する弾性体と、を備え、
前記外筒内には、液体が封入されて壁面の一部が前記弾性体により構成された複数の受圧液室が配設され、
これらの受圧液室は、第1制限通路を通して互いに連通された一対の第1受圧液室と、液体が封入された副液室に第2制限通路を通して連通された第2受圧液室と、を備える防振装置であって、
前記一対の第1受圧液室は、互いの間に前記内筒を挟み込むように配置され、
前記第2受圧液室は、前記内筒の軸方向、および前記一対の第1受圧液室が前記内筒を挟み込む挟み込み方向の両方向に直交する直交方向に、前記内筒に並設され、
前記内筒は、前記一対の第1受圧液室および前記第2受圧液室それぞれの前記軸方向の全長にわたって延設されている防振装置。 - 前記外筒は、前記防振装置を前記軸方向から見た正面視において、前記挟み込み方向に延びる一対の第1辺部と、前記直交方向に延びる一対の第2辺部と、を有する矩形状に形成されている請求項1に記載の防振装置。
- 前記弾性体は、前記第1受圧液室と前記第2受圧液室とを、前記内筒の周方向に仕切る仕切部を備え、
前記仕切部は、前記正面視において、前記外筒の角部から、前記挟み込み方向および前記直交方向の両方向に傾斜する方向に延設されて前記内筒に連結されている請求項2に記載の防振装置。
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