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JP5411408B2 - 洗浄剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、洗浄剤組成物、より詳細には、自動車窓ガラスと車体(塗装鋼板)との接着面を洗浄するための水性洗浄剤組成物に関する。
一般に、自動車窓ガラスの車体(塗装鋼板)への接着は、ウレタン系接着剤を窓ガラスの周縁部に塗布し、これを車体フランジに装着し、押圧して窓ガラスを車体に接着取付けする方法が採用されている。従来、自動車窓ガラスと車体との接着面には、オイル系、シリコン系等の汚れが付着している場合があるので、その前処理として、イソプロピルアルコール等の揮発性有機溶剤による表面洗浄あるいは同様に揮発性有機溶剤を含有するプライマー処理が行われている。しかし、環境問題への対応等のニーズにより、これらの有機溶剤レス化が求められている。
一方、有機溶剤による環境問題に対応した洗浄剤としては、アルキルシクロヘキサン系溶剤を使用した洗浄剤(特許文献1)、リン酸トリエステル化合物を含有する洗浄剤(特許文献2)、脂肪酸アルキルエステルのアルキレンオキサイド付加体を含有する洗浄剤(特許文献3)等が知られている。
特開2003−313562号公報 特開2004−161936号公報 特開2005−240015号公報
本発明の目的は、自動車窓ガラスと車体との接着面の洗浄能力に優れ、かつ、有機溶剤による環境問題に対応した、洗浄剤組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、イソプロピルアルコール等の有機溶剤を含有せず、特定のシランカップリング剤、界面活性剤および水を含有する水性組成物によって、自動車窓ガラスと車体との接着面を、洗浄後に塗布される接着剤の接着性に悪影響を及ぼすことなく十分に洗浄することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下のものを提供する。
〔1〕アミノシランカップリング剤、界面活性剤および水を含んでなる、自動車窓ガラス接着面用洗浄剤組成物、
〔2〕界面活性剤は、アニオン性界面活性剤または非イオン性界面活性剤である、上記〔1〕に記載の洗浄剤組成物、
〔3〕アニオン性界面活性剤は、アルキル硫酸エステル塩である、上記〔2〕に記載の洗浄剤組成物、
〔4〕非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレンアルキルエーテルである、上記〔2〕に記載の洗浄剤組成物、
〔5〕アミノシランカップリング剤は、式:
NCHCHCHSi(OH)(3−x)/2
〔式中、xは、0<x<3を満たす〕
で示されるγ−アミノプロピルシロキサンである、上記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
本発明の自動車窓ガラス接着面用洗浄剤組成物は、イソプロピルアルコール等の有機溶剤を含有せず、かつ、自動車窓ガラスと車体との接着面の洗浄能力(特に、接着面に付着し得るオイル系、シリコン系の汚れに対する洗浄能力)に優れたものである。また、本発明の洗浄剤組成物は、洗浄後の接着面に残留していても、接着剤(特に、ウレタン系接着剤)の接着性に悪影響を及ぼさない。したがって、本発明の洗浄剤組成物によれば、有機溶媒による環境問題を導くことなく、自動車窓ガラスと車体との接着面を、洗浄後に塗布される接着剤の接着性に悪影響を及ぼすことなく十分に洗浄することができる。
本発明の洗浄剤組成物に使用されるアミノシランカップリング剤としては、式:
NCHCHCHSi(OH)(3−x)/2
〔式中、xは、0<x<3を満たす〕
で示されるγ−アミノプロピルシロキサン(例えば、チッソ株式会社製「SF330」)、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。好適にはγ−アミノプロピルシロキサンが挙げられる。
本発明の洗浄剤組成物中のアミノシランカップリング剤の含有量は、好適には、組成物全体を基準に0.1重量%〜5重量%、好適には0.1重量%〜3重量%である。
本発明の洗浄剤組成物に使用される界面活性剤としては、1)アニオン性界面活性剤および2)非イオン性界面活性剤が挙げられる。
1)アニオン性界面活性剤としては、アルキル硫酸エステル塩(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム等)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム等)等が挙げられる。好適にはアルキル硫酸エステル塩、特にドデシル硫酸ナトリウムが挙げられる。
2)非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(例えば、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等)等が挙げられる。好適にはポリオキシエチレンドデシルエーテルが挙げられる。
本発明の洗浄剤組成物中の界面活性剤の含有量は、好適には、組成物全体を基準に0.05重量%〜2重量%、好適には0.05重量%〜1重量%である。
本発明の洗浄剤組成物は、アミノシランカップリング剤および界面活性剤を上記で規定した範囲の含有量になるように水に含有させること、例えば、これらを一緒に混合攪拌すること、により製造することができる。
本発明の洗浄剤組成物は、自動車窓ガラスと車体(塗装鋼板)との接着剤による接着工程の前処理として、その接着面(ガラス表面および塗装鋼板表面)を洗浄するのに特に適したものである。一般に、当該接着面には、オイル系、シリコン系等の汚れが付着している場合があるので、当該接着面用の洗浄剤には、このような汚れを十分に除去することができる洗浄能力が必要とされる。さらに、当該洗浄剤は、洗浄後に接着面に残留している場合であっても、洗浄後(および乾燥後)に塗布される接着剤(特に、ウレタン系接着剤、例えば、サンスター技研株式会社製「ペンギンシール#3765T」)の接着性に悪影響を及ぼすことがないことが望ましい。本発明の洗浄剤組成物は、こうした特性を兼ね備えたものである。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔洗浄剤組成物の調整〕
〔実施例1〕
0.04gのドデシル硫酸ナトリウム(アニオン性界面活性剤;アイエスピー・ジャパン株式会社製「EASY−WET20」)、0.5gのγ−アミノプロピルシロキサン(チッソ株式会社製「SF330」)および200.16gの水を混合攪拌し、洗浄剤組成物を得た。
〔実施例2〕
0.2gのポリオキシエチレンドデシルエーテル(非イオン性界面活性剤;花王株式会社製「エマルゲン109P」)、0.5gのγ−アミノプロピルシロキサン(同上)および200gの水を混合攪拌し、洗浄剤組成物を得た。
上記で得た洗浄剤組成物の組成を表1に示す。表中、数値はすべて重量(g)を示す。
Figure 0005411408
〔比較例1〕
γ−アミノプロピルシロキサンを、0gとする以外は実施例1と同様にして洗浄剤組成物を得た。
〔比較例2〕
ポリオキシエチレンドデシルエーテルを、0gとする以外は実施例2と同様にして洗浄剤組成物を得た。
〔比較例3〕
ポリオキシエチレンドデシルエーテルを、セチルピリジウムクロライド(カチオン性界面活性剤;メルクジャパン株式会社製)とする以外は実施例2と同様にして洗浄剤組成物を得た。
〔比較例4〕
ポリオキシエチレンドデシルエーテルを、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン(両性界面活性剤;新日本理化株式会社製「リカビオンB−200S」)とする以外は実施例2と同様にして洗浄剤組成物を得た。
〔性能試験〕
実施例および比較例で得られた洗浄剤組成物を使用して、以下の試験を行った。
・洗浄性の確認
フロート板ガラス上にガラス用プライマーGP−402(プレコートタイプ;サンスター技研株式会社製)を白刷毛にて塗布し、直ちに35℃、90%RHの条件下で60日放置したものおよび塗装鋼板(自動車用上塗り塗装)にそれぞれ汚れ成分としてオイル(綜研化学株式会社製「NeoSK-OIL1400」)とシリコンスプレー(株式会社エーゼット製「HSシリコーンスプレー007」)を塗布した。それを洗浄剤組成物でワイプした後、自動車窓ガラス用1液ウレタン系接着剤ペンギンシール#3765T(サンスター技研株式会社製)をビード状に塗布し、これに離型紙を重ね接着剤厚さが3mmとなるように圧着した後、20℃、65%RH×3日間養生した。硬化後、ナイフカットによる手剥離試験を行った。その結果を表2に示す。
・塗板濡れ性評価
塗装鋼板を洗浄剤組成物でワイプした後、塗装鋼板上における洗浄剤組成物の濡れ性を目視で確認した。その結果を表3に示す。
・接着性に及ぼす洗浄剤組成物の影響確認
フロート板ガラス上にガラス用プライマーGP−402(同上)を白刷毛にて塗布し、直ちに35℃、90%RHの条件下で60日放置したものおよび塗装鋼板を洗浄剤組成物でワイプした。ワイプ後、乾燥なし、および20℃、65%RH×15分間乾燥後に、自動車窓ガラス用1液ウレタン系接着剤ペンギンシール#3765T(同上)をビード状に塗布し、これに離型紙を重ね接着厚さが3mmとなるように圧着した後、20℃、65%RH×3日間養生した。硬化後、ナイフカットによる手剥離試験を行った。その結果を表3に示す。
・手剥離接着性試験条件
室温硬化:20℃、65%RH×3日
加熱老化:100℃×14日
水浸漬老化:50℃水×14日
Figure 0005411408
実施例1の洗浄剤組成物は、すべての条件においてCF100と、良好な洗浄性を示した。一方、比較例1の洗浄剤組成物は、シリコーン系の汚れにおいてPSが認められ、洗浄性に問題がある結果であった。
Figure 0005411408
実施例1、2および比較例1の洗浄剤組成物では、洗浄剤組成物を乾燥させずに接着性試験を行った場合であっても、ガラスおよび塗板の両方について接着性に影響を与えないことが分かった。これは、ガラスおよび塗板上に残留する洗浄剤組成物層が均一かつ微量であったためと考えられる。これに対して、比較例2〜4の洗浄剤組成物では、洗浄剤組成物が塗板上で水滴状になる部分があり、その部分で界面破壊の発生が見られた。これは15分間乾燥した後(目視では水滴は存在しなかった)でも同様の結果であり、比較例2〜4においては、洗浄剤組成物残留層が接着性を阻害している結果であった。

Claims (3)

  1. アミノシランカップリング剤、界面活性剤および水を含んでなる、自動車窓ガラス接着面用洗浄剤組成物であって、前記アミノシランカップリング剤は、式:
    NCH CH CH Si(OH) (3−x)/2
    〔式中、xは、0<x<3を満たす〕
    で示されるγ−アミノプロピルシロキサンであり、前記界面活性剤は、アニオン性界面活性剤または非イオン性界面活性剤である、洗浄剤組成物
  2. アニオン性界面活性剤は、アルキル硫酸エステル塩である、請求項に記載の洗浄剤組成物。
  3. 非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレンアルキルエーテルである、請求項に記載の洗浄剤組成物。
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