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JP5171040B2 - 構造物の中にガラスを接着するシステム - Google Patents

構造物の中にガラスを接着するシステム Download PDF

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JP5171040B2
JP5171040B2 JP2006543999A JP2006543999A JP5171040B2 JP 5171040 B2 JP5171040 B2 JP 5171040B2 JP 2006543999 A JP2006543999 A JP 2006543999A JP 2006543999 A JP2006543999 A JP 2006543999A JP 5171040 B2 JP5171040 B2 JP 5171040B2
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ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
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Description

本発明は、ポリウレタン接着剤に接着させるための、ガラス又は耐摩耗性皮膜で被覆されたプラスチックを製造するために使用する組成物に関する。別の態様に於いて、本発明は、ポリウレタン接着剤に接着させるための、ガラス又は耐摩耗性皮膜で被覆されたプラスチックを製造するために使用される組成物及びポリウレタン接着剤を含むシステムに関する。本発明は、更に、本発明のシステムを使用する、構造物、例えば建造物又は自動車の中に、ガラス又は耐摩耗性皮膜で被覆されたプラスチックを接着させる(bonding)方法に関する。
ガラス取り付けは、典型的には三段階プロセスである。最初に、透明なシランプライマーを、ガラスに適用して、接着のための表面をきれいにし、準備する。第二に、次いで、「ブラックアウト・プライマー(black-out primer)」としてしばしば参照される、本質的に、シラン及び/又はイソシアネート官能基を有する化合物も含むカーボンブラック分散液であるプライマーを、透明なプライマーの上に適用する。第三に、下塗りしたガラスに接着剤を適用し、次いでこれを構造物の中に取り付ける。特許文献1(参照して本明細書に含める)参照。ブラックアウト・プライマーは、取り付けの間に、その上にブラックアウト・プライマーが滴下しうる構造物又は車両の表面を損傷し得る。特許文献2には、一工程プライマーシステムが開示されている。このプライマーは、非多孔質無機基体、例えば金属又はガラスへの、ポリマーの接着を容易にするために使用される、シランカップリング剤を含む水性プライマー溶液を含む。このシランカップリング剤は、ポリマーの官能基と反応することができるアミノ又はメルカプト官能基を有し、そしてまた、基体の表面上の遊離ヒドロキシル基と反応する1個又はそれ以上の加水分解性基を有する。このシステムは、接着剤を適用できる前に、長い乾燥時間を必要とする。多くの商業的操作に於いて、このような長い乾燥時間は、受け入れられ得ない。このことは、それぞれの操作が、短い時間内に完結されることを必要とする、自動車組立プラントに於いて特に真実である。
Yao等の特許文献3には、水性プライマー溶液を、水、アミノチタネート化合物並びに好ましくは、少なくとも1個のエポキシ基及び少なくとも2個のアルコキシ基を有するエポキシシランを含む基体の上に適用することを含む、ポリウレタン系接着剤を基体に接着させるための方法が開示されている。その後、ポリウレタン接着剤がプライマー処理表面に適用される。反応生成物は、このプライマー及びポリウレタンから形成される。
米国特許第5,370,905号明細書 米国特許第5,363,944号明細書 米国特許第6,511,752号明細書
プライマー及び接着剤システムが商業的に実用的であるために、このシステムは耐久性接着を提供しなくてはならない。「耐久性接着(durable bond)」は、接着剤が、数年の期間、窓を構造物中に保持することを意味する。窓ガラス又は耐摩耗性皮膜で被覆されたプラスチックが伝統的に接着されている構造物は、かなり長い年数の間耐久するので、ガラス又は被覆プラスチックを構造物の中に保持する接着も、著しく長い年数の間耐えることが期待される。必要とされているのは、ガラス又は被覆プラスチックを、ブラックアウト・プライマーを必要としない構造物の中に接着させ、耐久性接着を与え、そしてプライマーの適用と接着剤の適用との間に長い乾燥時間を必要としないシステムである。更に必要とされているものは、基体表面への接着剤の耐久性接着を可能にするシステムである。
本発明は、a)4個の配位子を有する1種又はそれ以上の有機チタネート(但し、これらの配位子は、任意的に、酸素、窒素、リン及び硫黄からなる群から選択された1種又はそれ以上のヘテロ原子を有する1個又はそれ以上の官能基を含むヒドロカルビルであり、これらの配位子の2個又はそれ以上は環状構造を形成していてもよい)、b)1種又はそれ以上のメルカプトシラン、c)1種又はそれ以上のポリアミノシラン、d)1種又はそれ以上の第二級アミノシラン並びにe)この組成物の前記成分を溶解する溶媒を含んでなる組成物である。この組成物を、以下、透明プライマー(clear primer)と呼ぶ。
別の態様に於いて、本発明は、本発明に従った透明プライマーを含む、ガラス又は耐摩耗性皮膜で被覆されたプラスチックを基体に接着させるためのシステムであって、接着剤が、イソシアネート官能性プレポリマー及びイソシアネート官能性プレポリマーの硬化用触媒を含んでなるシステムである。
別の態様に於いて、本発明は、
A)本発明に従った透明プライマーを、ガラス又は耐摩耗性被覆プラスチックの表面に、構造物の中に接着させるべきガラス又は被覆プラスチックの部分に沿って適用する工程、
B)ポリイソシアネート官能性接着組成物を、ガラス又は被覆プラスチックの表面に、透明プライマーが予め適用された、構造物の中に接着させるべきガラス又は被覆プラスチックの部分に沿って適用する工程並びに
C)ガラス又は被覆プラスチックを構造物と、ガラス又は被覆プラスチックと構造物との間に配置された接着剤と共に接触させる工程
を含んでなる方法である。
本発明は、また、本発明の透明プライマー及び、好ましくはポリイソシアネート官能性接着組成物を使用して、それに接着された窓を有する構造物を含んでなる。好ましくは、このような構造物は、建造物(building)又は自動車である。本発明は、ガラス又は耐摩耗性皮膜で被覆されたプラスチックを、ブラックアウト・プライマーを必要とすることなく、構造物の中に接着させる、透明プライマーシステム及び接着システムを提供する。このシステムは、基体に耐久性接着を与える。この透明プライマーは急速に乾燥して、透明プライマーの適用後、短時間内に、処理した表面への接着剤の適用を可能にする。このシステムは、自動車組立プラントのタイミング要求に適合する。本発明の組成物及びシステムは、ガラス又は耐摩耗性皮膜で被覆されたプラスチック上に堆積された種々のフリット(セラミックエナメルとも呼ばれる)上で、良く機能する。特に、これらは、プレスベントガラス(press-bent glass)及びサグベントガラス(sag-bent glass)上で作用する。
一つの面に於いて、本発明は、透明プライマーとして有用な組成物である。この組成物は、1種又はそれ以上の有機チタネート、1種又はそれ以上のメルカプトシラン、1種又はそれ以上のポリアミノシラン及び1種又はそれ以上の第二級アミノシラン並びに組成物の成分を溶解する溶媒を含む。本発明の一成分は、4個の配位子を有する1種又はそれ以上の有機チタネートであり、ここで、これらの配位子は、任意的に、酸素、窒素、リン及び硫黄からなる群から選択された1種又はそれ以上のヘテロ原子を有する1個又はそれ以上の官能基を含有するヒドロカルビルである。これらの配位子の任意の2個又はそれ以上は、一緒に接着して、環状環構造を形成することができる。この環状環構造には、1個又はそれ以上のヘテロ原子又はヘテロ原子含有官能基が含有されていてもよい。イソシアネート官能性接着剤とガラス又は被覆プラスチック表面との間の耐久性接着剤接合の形成を増強する、このような配位子を有する任意の有機チタネートを使用することができる。好ましくは、これらのチタネート上の配位子は、ヒドロカルビル、ヒドロカルビルカルボキシル、ヒドロカルビルスルホニル、ヒドロカルビルアミノ、ホスファトヒドロカルビル、ピロホスファトヒドロカルビル又はこれらの混合物である。2個又はそれ以上の配位子が、ヒドロカルビレン部分を形成することができ又はカルボニル含有ヒドロカルビレン部分を形成する。更に好ましい態様に於いて、配位子は、アルキル、アルケニル、アルキルカルボキシル、アルケニルカルボキシル、アリール若しくはアラルキルスルホニル、アルキルアミノ、ポリ(アルキルアミノ)、ホスファトアルキル、ピロホスファトアルキル、アルキレン若しくはカルボニルアルキレン又はこれらの混合物である。本明細書で使用する「ヒドロカルビル」は、水素原子及び炭素原子を含む一価の部分を意味する。ヒドロカルビレンは、多価の水素及び炭素含有部分を意味する。用語「任意的にヘテロ原子を含有する」は、列記した配位子に、1種又はそれ以上のヘテロ原子、例えば窒素、硫黄、酸素又はリンが含有されていてよいことを意味する。「アルケニル」は、その中に少なくとも1個の二重接着を有する直鎖又は分枝鎖炭化水素鎖を意味する。「アルキル」は、直鎖又は分枝鎖飽和炭化水素鎖を意味する。「アルキレン」は、直鎖又は分枝鎖飽和多価炭化水素鎖を意味する。「アリール」は、フェニル、ビフェニル又はナフチルのような芳香族炭化水素含有配位子を意味する。「アルカリール」は、脂肪族構造成分及び芳香族構造成分の両方からなる配位子、例えば1,3−プロピレンジフェニル又はノニルフェニルを意味する。本明細書で使用するアリーレンは、芳香族環を含む多価基、フェニレン、ナフタレン又はビフェニレンを指す。アルカリーレンは、脂肪族構造成分及び芳香族構造成分の両方を有する多価基、即ち、例えば1,3−プロピレンジフェニレン又はメチレンジフェニレンを意味する。本明細書で使用する被覆プラスチックは、耐摩耗性皮膜で被覆されたプラスチックを意味する。
好ましくは、本発明に於いて使用されるチタネートは、式1:
Figure 0005171040
(式中、R1は、任意的に、酸素、窒素、硫黄又はリンからなる1種又はそれ以上のヘテロ原子を含んでいてもよいヒドロカルビルであるが、R1の2個又はそれ以上は、組合さって環状環構造を形成していてもよい)
に対応する。好ましくは、R1は、それぞれ存在する場合には独立に、アルキルカルボキシル、アルケニルカルボキシル、アリール若しくはアラルキルスルホニル、アルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、ホスファトアルキル、ピロホスファトアルキルであり又はR1の2個若しくはそれ以上は組合さって、アルキレン若しくはカルボニルアルキレン含有環を形成することができる。一つの好ましい態様に於いて、R1は、式:
Figure 0005171040
(式中、R2はアルキル又はアルケニル部分である)
に対応するアルキルカルボキシル又はアルケニルカルボキシル部分を含む。
1が、アルキル、アリール又はアルカリールスルホニルである態様に於いて、R1は、好ましくは、式:
Figure 0005171040
(式中、R3はアルキル、アリール又はアルカリールである)
に対応する。
1がアルキルアミノ又はポリ(アルキルアミノ)である態様に於いて、R1は、好ましくは式:
Figure 0005171040
(式中、R4は、アルキレン基である)
に対応する。更に、「a」は、それぞれ存在する場合に独立に、約0と3との間の有理数である。
1が、ホスファト又はピロホスファトである態様に於いて、R1は、好ましくは、式:
Figure 0005171040
(式中、R5はアルキルであり、そしてbは0又は1である)
に対応する。
一つの好ましい態様に於いて、R1の少なくとも1個は、アルキル、更に好ましくはC1〜C8アルキル、最も好ましくはイソプロピルである。好ましくは、配位子の2個又は3個にはヘテロ原子が含有され、そして最も好ましくは配位子の3個にはヘテロ原子が含有されている。好ましくは、R2はC2〜C17アルキル、更に好ましくはC3〜C8アルキルである。好ましくは、R3はC2〜C7アルカリール、更に好ましくはC3〜C12アルカリールである。好ましくは、R4はC2〜C6アルキレン、更に好ましくはC2〜C4アルキレン、最も好ましくはC2〜C3アルキレンである。好ましくは、R5はC2〜C17アルキル、更に好ましくはC2〜C8アルキル、最も好ましくはオクチルである。好ましくは、aは約0〜約3、更に好ましくは約1〜約2の有理数である。
好ましいチタネート化合物の中には、ケンリッチ・ケミカルズ社(Kenrich Chemicals)からコードKR−TTSで入手できるイソプロピルトリイソステアロイルチタネート、ケンリッチ・ケミカルズ社から指定KR−9Sで入手できるイソプロピルトリ(ドデシル)ベンゼンスルホニルチタネート、ケンリッチ・ケミカルズ社から指定KR−44で入手できるイソプロピルトリ(n−エチレンジアミノ)エチルチタネート、オクチレングリコールチタネート、イー・アイ・デュポン・ニモアス社(E.I.Dupont Nemours)から商標チゾール(TYZOR)OGT(登録商標)で入手できる(テトラキス)2−エチルヘキサン−1,3−(ジオラト)チタネート及びイー・アイ・デュポン・ニモアス社から商標チゾールTOT(登録商標)で入手できる2−エチルヘキシルチタネートがある。
チタネートは、透明プライマー組成物中に、イソシアネート官能性接着剤とガラスとの間の接着の耐久性を増強するために十分な量で存在している。好ましくは、チタネートは、溶媒を含有する透明プライマー組成物中に、組成物の全重量基準で、約0重量%又はそれ以上、更に好ましくは約0.08重量%又はそれ以上、最も好ましくは約0.10重量%又はそれ以上の量で存在している。好ましくは、チタネートは、透明プライマー組成物の重量基準で、約50重量%又はそれ以下、更に好ましくは約45重量%又はそれ以下、最も好ましくは約31重量%又はそれ以下の量で存在している。好ましくは、チタネートは、溶媒を除く固体のみの透明プライマー組成物中に、組成物の固体の全重量基準で、約0重量%又はそれ以上、更に好ましくは約1重量%又はそれ以上、更に好ましくは約17重量%又はそれ以上、最も好ましくは約34重量%又はそれ以上の量で存在している。好ましくは、チタネートは、固体中に、組成物の重量基準で、約83重量%又はそれ以下、更に好ましくは約64重量%又はそれ以下、最も好ましくは約44重量%又はそれ以下の量で存在している。
イソシアネート官能性接着剤とガラス又は被覆プラスチック表面との間の耐久性接着を容易にするために、少なくとも3種の異なったシラン化合物の混合物を使用する。これらのシラン化合物は、1種又はそれ以上のメルカプトシラン、1種又はそれ以上のポリアミノシラン及び1種又はそれ以上の第二級アミノシランである。本明細書で使用する「メルカプトシラン」は、イソシアネート官能性接着剤のガラス又は被覆プラスチック表面に対する接着を増強するメルカプト基及びシラン基の両方を有する任意の分子を指す。好ましくは、メルカプトシランは、メルカプトアルキルジ−又はトリ−アルコキシシランである。好ましくは、メルカプトシランは、下記の式:
Figure 0005171040
(式中、R6はヒドロカルビレン基であり、Xは加水分解性基であり、そしてR7は、それぞれの存在に於いて独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基又は(R’)3SiO−(式中、同じか又は異なっていてよい3個のR’基のそれぞれは、炭素数1〜20の一価の炭化水素基を表す)によって表されるトリオルガノシロキシ基であり、Xは、それぞれの存在に於いて独立に、ヒドロキシル基又は加水分解性基であり、dはそれぞれの存在に於いて独立に、0、1、2又は3であり、そしてcは、それぞれの存在に於いて独立に、0、1又は2である)
に対応する。c及びdの合計は3である。
Xによって表される加水分解性基は、特に限定されず、一般的な加水分解性基から選択される。具体例としては、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート(ketoximate)基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノ−オキシ基、メルカプト基及びアルケニルオキシ基である。これらの中で、水素原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノ−オキシ基、メルカプト基及びアルケニルオキシ基が好ましい。その穏和な加水分解性に起因する取り扱いを容易にするために、アルコキシ基が更に好ましく、メトキシ基又はエトキシ基が最も好ましい。反応性シリコン基当たり2個又はそれ以上のヒドロキシ基又は加水分解性基が存在する場合、これらは同じであるか又は異なっていてよい。R7は、好ましくは、アルキル基、例えばメチル若しくはエチル、シクロアルキル基、例えばシクロヘキシル、アリール基、例えばフェニル、アラルキル基、例えばベンジル又は式(R’)3Si−(式中、R’はメチル又はフェニルである)のトリオルガノシリル基である。R7及びR’は、最も好ましくはメチルである。R6は、好ましくは、アルキレン、アリーレン又はアルカリーレン基、そして更に好ましくは 2 〜C8アルキレン基、尚更に好ましくはC2〜C4アルキレン基であり、そして、最も好ましくはC2〜C3アルキレン基である。好ましいメルカプトシランの中には、メルカプトプロピルトリメトキシシラン及びメルカプトプロピルメチルジメトキシシランがある。
メルカプトシランは、イソシアネート官能性接着剤の基体又は被覆プラスチック及びガラス表面に対する接着を増強するために十分な量で存在している。好ましくは、溶媒を含む組成物中に存在するメルカプトシランの量は、透明プライマー組成物の、約0重量%又はそれ以上、更に好ましくは約0.03重量%又はそれ以上、最も好ましくは約0.07重量%又はそれ以上である。好ましくは、溶媒を含有する透明プライマー組成物中に存在するメルカプトシランの量は、約59重量%又はそれ以下、更に好ましくは約46重量%又はそれ以下、最も好ましくは約34重量%又はそれ以下である。好ましくは、メルカプトシランは、溶媒を除く固体のみの透明プライマー組成物中に、約0重量%又はそれ以上、更に好ましくは約1重量%又はそれ以上、尚更に好ましくは約7重量%又はそれ以上、最も好ましくは約13重量%又はそれ以上の量で存在している。好ましくは、メルカプトシランは、溶媒の不存在下で固体のみの透明プライマー組成物中に、約84重量%又はそれ以下、更に好ましくは約66重量%又はそれ以下、最も好ましくは約48重量%又はそれ以下の量で存在している。
本発明に於いて有用なポリアミノシランには、2個又はそれ以上の第一級及び/又は第二級アミノ基を含み、ポリアミノシランが、イソシアネート官能性材料の基体表面に対する接着を増強し、その場合接着が耐久性である任意のシランが含まれる。好ましいポリアミノシランは、アミノアルキル置換アミノアルキルトリアルコキシシランである。好ましいポリアミノシランは、式:
Figure 0005171040
(式中、R6、R7、X又はc及びdは、前記定義の通りであり、R8は、それぞれの存在に於いて独立に、アルキル基であり、fは0又は1であり、そしてeは、約1〜約3、更に好ましくは約1〜約2の有理数である)
に対応する。好ましいポリアミノシランの中には、N−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン及びN−アミノエチル−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランがある。ポリアミノシランは、イソシアネート官能性接着剤の基体表面に対する接着の耐久性を増強するために十分な量で存在している。好ましくは、ポリアミノシランは、溶媒を含有する透明プライマー組成物中に、約0重量%又はそれ以上、更に好ましくは約0.1重量%又はそれ以上、最も好ましくは約0.3重量%又はそれ以上の量で存在している。好ましくは、ポリアミノシランは、透明プライマー組成物中に、約16重量%又はそれ以下、更に好ましくは約11重量%又はそれ以下、最も好ましくは約5重量%又はそれ以下の量で存在している。好ましくは、ポリアミノシランは、溶媒を除く固体のみの透明プライマー組成物中に、約0重量%又はそれ以上、更に好ましくは約1重量%又はそれ以上、最も好ましくは約3重量%又はそれ以上の量で存在している。好ましくは、ポリアミノシランは、固体のみベースの透明プライマー組成物中に、組成物の重量基準で、約22重量%又はそれ以下、更に好ましくは約15重量%又はそれ以下、最も好ましくは約7重量%又はそれ以下の量で存在している。
本発明の組成物には、更に、1個又はそれ以上、更に好ましくは1個の第二級アミノ基及び1個又はそれ以上のシラン基を含有し、そしてイソシアネート接着剤の基体表面に対する接着を増強する化合物である、第二級アミノシランが含有されている。好ましくは、この第二級アミノシランには、第一級アミノ基が含有されていない。一つの態様に於いて、このような第二級アミノシランは、好ましくは、下記の式:
Figure 0005171040
(式中、R6、R7、R8、X、c、d及びfは、前記定義の通りであり、そしてgは1又は2であるが、f及びgの合計は2でなくてはならない)
に対応する。好ましくは、R8は、C2〜C8アルキル、最も好ましくはC1〜C3アルキルである。別の態様に於いて、第二級アミノシランは、アミノアルキルアルキルポリシロキサン、例えば、ダイナシラン(Dynasylan)1146アミノアルキルアルキルポリシロキサンである。好ましい第二級アミノシランの中には、ビス−(3−トリメトキシシリルプロピルアミン)、3−エチルアミノ−2−メチル−プロピルトリメトキシシラン、3−エチルアミノ−2−メチルプロピルジメトキシ(メチル)シラン、N−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン及びダイナシラン1146アミノアルキルアルキルポリシロキサンがある。第二級アミノシランは、イソシアネート接着剤の基体に対する耐久性を増強するために十分な量で存在している。好ましくは、第二級アミノシランは、溶媒を含有する透明プライマー組成物中に、約0重量%又はそれ以上、更に好ましくは約0.01重量%又はそれ以上、最も好ましくは約0.02重量%又はそれ以上の量で存在している。好ましくは、第二級アミノシランは、透明プライマー組成物中に、約16重量%又はそれ以下、更に好ましくは約9重量%又はそれ以下、最も好ましくは約3重量%又はそれ以下の量で存在している。好ましくは、第二級アミノシランは、溶媒を除く固体のみの透明プライマー組成物中に、約0重量%又はそれ以上、更に好ましくは約1重量%又はそれ以上、尚更に好ましくは約2重量%又はそれ以上、最も好ましくは約3重量%又はそれ以上の量で存在している。好ましくは、第二級アミノシランは、固体のみの透明プライマー中に、組成物の重量基準で、約22重量%又はそれ以下、更に好ましくは約13重量%又はそれ以下、最も好ましくは約4重量%又はそれ以下の量で存在している。
モル基準での、メルカプトシラン対ポリアミノシラン対第二級アミノシランの比は、接着剤の耐久性に影響を有する。耐久性接着剤を与える任意のモル比を使用することができる。好ましくは、この比は、約10:1:0.4〜約1.0:1.0:1.0である。
本発明の透明プライマー組成物は、更に、溶媒を含む。本発明の組成物に対して比較的不活性であり、そして組成物を基体の表面に適用した後に急速に揮発する溶媒を、好ましく使用することができる。溶媒は、商業条件下での組立又は製作の通常の時間制限内に、接着剤の適用を可能にするために十分な時間内に、基体の表面から揮発除去されることが望ましい。例えば、組立ライン内で窓が自動車内に設置される状況に於いて、接着剤の適用の前で、組立ラインを停止することなく、窓を自動車の中に設置するために割り当てられた時間内に、溶媒が揮発除去されることが望ましい。好ましくは、基体表面は、接着剤を適用する前に乾燥している。好ましくは、溶媒は、約30秒又はそれ以内に、更に好ましくは20秒又はそれ以内に、最も好ましくは10秒又はそれ以内に揮発除去される。好ましい溶媒には、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素並びに低分子量アルコール及びグリコールが含まれる。低分子量アルコール及びグリコールには、好ましくは、約1〜約3個の炭素原子が含有される。好ましくは、脂肪族炭化水素は、約4〜約10個の炭素原子、更に好ましくは約6〜約9個の炭素原子、最も好ましくは約7〜約8個の炭素原子を有する。好ましい脂肪族炭化水素の中には、ヘキサン、2,3−ジメチルブタン、2−メチルブタン、3−メチルペンタン、ヘプタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2,3−ジメチルペンタン、2,2−ジメチルペンタン及び2,4−ジメチルペンタンである。好ましくは、芳香族炭化水素には、約6〜約8個の炭素原子が含有されている。好ましい芳香族炭化水素には、トルエン及びキシレンが含まれる。有用な好ましいアルコール及びグリコールには、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール及びイソブチルアルコールが含まれる。好ましい溶媒の中には、トルエン、キシレン及びヘプタンがある。この溶媒は、組成物の成分を溶解するために十分な量で存在し、基体表面に適用した後、溶媒の乾燥時間を延長するほど多くはない。好ましくは、この溶媒は、透明プライマー組成物の全重量基準で、約0重量%又はそれ以上、更に好ましくは約45重量%又はそれ以上、最も好ましくは約60重量%又はそれ以上の量で存在する。好ましくは、この溶媒は、透明プライマー組成物の全重量基準で、約99.5重量%又はそれ以下、更に好ましくは約95重量%又はそれ以下、最も好ましくは約90重量%又はそれ以下の量で存在する。
透明プライマーには、更に、紫外光によって照明されたとき蛍光発光する成分が含有されていてよい。蛍光発光成分は、多数のメーカー、例えば、アルドリッチ・ケミカル社(Aldrich Chemical Co.)、ウィスコンシン州ミルウォーキー(Milwaukee)から容易に入手できる。特別の例として、この蛍光発光成分は、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社(Ciba Specialty Chemicals)、ニューヨーク州タリータウン(Tarrytown)(米国)から入手可能なユビテックス(Uvitex)OBブランド蛍光発光剤であってよい。プライマーに添加される蛍光発光剤の量は、窓が紫外光で照明されたとき、プライマーで処理される窓の領域が明らかであるように十分でなくてはならない。
本明細書で使用する用語「耐久性接着(durable bond)」は、接着が、構造物の寿命の顕著な部分又は全寿命の間継続する、接着剤の基体表面への接着を指す。接着の耐久性は、典型的に、加速老化試験を利用して予測される。本発明の目的のために、下記の加速老化試験を、接着の耐久性のための予測手段として使用する。チーズクロスを溶液で飽和させ、そして窓表面に薄い湿った皮膜を適用することによって、透明プライマーを適用する。適用して20秒後に、接着剤を、幅8.8mm及び厚さ6.8mmのビードで、基体の長さに沿って適用する。接着剤を、23℃及び50%相対湿度で7日間硬化させ、次いで、サンプルを水浴の中に入れ、そして90℃で保持する。示した時間の後、サンプルを水浴から取り出し、少なくとも15分間放置し、次いで試験する。接着剤が引き戻された(pulled back)とき、接着剤/基体界面に鋭利なナイフで刻み目を入れる。結果を、凝集破壊(ウレタン接着剤内の破壊)の%として列挙し、所望の結果は100%CF(凝集破壊)である。長期間耐久性は、100%CFを失うために必要な日数として表される。本明細書で使用する耐久性接着は、上記の試験下での接着が、約5日以上、更に好ましくは約6日以上、最も好ましくは約8日以上の性能を示すことを意味する。
本発明のシステムは、非多孔質表面、例えば金属、被覆プラスチック及び/又はガラスに接着するように設計された、任意のイソシアネート官能性接着剤を利用することができる。有用な接着剤システムの例は、米国特許第4,374,237号明細書、米国特許第4,687,533号明細書、米国特許第4,780,520号明細書、米国特許第5,063,269号明細書、米国特許第5,623,044号明細書、米国特許第5,603,798号明細書、米国特許第5,852,137号明細書、米国特許第5,976,305号明細書、米国特許第5,852,137号明細書、米国特許第6,512,033号明細書(関連部分を参照して本明細書に含める)に開示されている。
本発明に於いて有用なポリイソシアネート官能性接着剤は、一般的に、イソシアネート官能基を有するプレポリマー、このプレポリマーの硬化用の触媒及び当業者に公知である他の添加物からなる。本発明に於いて使用されるプレポリマーは、ポリウレタン接着組成物中に使用される一般的なプレポリマーであってよい。好ましい態様に於いて、プレポリマーは、シラン官能基を有する化合物又はポリマーとブレンドされる。別の好ましい態様に於いて、プレポリマーには、シラン官能基並びにイソシアネート官能基が含有されている。シラン官能基を有するウレタンプレポリマーは、接着剤中に使用される全プレポリマーとして使用することができ又はこれはシラン官能基を有しないプレポリマーとブレンドすることができる。
本発明の組成物を製造する際に使用するための好ましいウレタンプレポリマーには、少なくとも約2.0の平均イソシアネート官能基及び少なくとも約2,000の分子量を有する任意の化合物が含まれる。好ましくは、プレポリマーの平均イソシアネート官能基は、少なくとも約2.2であり、更に好ましくは少なくとも約2.4である。好ましくは、イソシアネート官能基は、約4.0以下、更に好ましくは約3.5以下、最も好ましくは約3.0以下である。好ましくは、プレポリマーの分子量は、少なくとも約2,500であり、更に好ましくは少なくとも約3,000であり、そして好ましくは、約40,000以下、尚更に好ましくは約20,000以下、更に好ましくは約15,000以下であり、最も好ましくは約10,000以下である。このプレポリマーは、任意の適当な方法により、例えば、少なくとも2個のイソシアネート反応性基を含有するイソシアネート反応性化合物を、化学量論を超える過剰のポリイソシアネートと、対応するプレポリマーを形成するために十分な反応条件下で反応させることによって製造することができる。Hsieh等の米国特許第5,852,137号明細書、第4欄、第65行〜第5欄、第7行(参照して本明細書に含める)参照。プレポリマーを製造する際に使用するための適当なポリイソシアネートは、Hsieh等の米国特許第5,852,137号明細書、第2欄、第40行〜第3欄、第45行(参照して本明細書に含める)に開示されている。プレポリマー中のイソシアネート含有量は、好ましくは約0.1%〜約10%の範囲内、更に好ましくは約1.0%〜約5.0%の範囲内、最も好ましくは約1.5%〜約3.0%の範囲内である。
プレポリマーは、接着剤が、ガラス又は被覆プラスチックを所望の基体、例えば金属、プラスチック、ガラス繊維又は複合体に接着することができるような十分な量で、接着組成物中に存在する。好ましくは、ポリウレタンプレポリマーは、接着組成物の重量基準で、約20重量%又はそれ以上、更に好ましくは約30重量%又はそれ以上、最も好ましくは約40重量%又はそれ以上の量で存在する。好ましくは、ポリウレタンプレポリマーは、接着組成物の重量基準で、約99.8重量%又はそれ以下、更に好ましくは約98重量%又はそれ以下、最も好ましくは約85重量%又はそれ以下の量で存在する。
接着剤が、ガラスを、耐酸塗料で被覆した基体に接着させるために使用されるこれらの態様に於いて、いくつかの形態で存在するシランを有することが望ましい。シラン官能基を接着剤配合物中に含有させる好ましい方法は、Wu等の米国特許第6,512,033号明細書、第5欄、第38行〜第7欄、第27行、米国特許第5,623,044号明細書、米国特許第4,374,237号明細書、米国特許第4,345,053号明細書及び米国特許第4,624,012号明細書(関連部分を参照して本明細書に含める)に開示されている。存在するシランの量は、接着剤の塗装された表面への接着を増強する量である。存在するシランの量は、好ましくは、接着剤の重量基準で、約0.1重量%又はそれ以上、最も好ましくは約0.5重量%又はそれ以上である。使用されるシランの量は、好ましくは約10重量%又はそれ以上もしくはそれ以下、最も好ましくは約2.0重量%又はそれ以下である。
この接着剤には、また、イソシアネート部分と、水又は活性水素含有化合物との反応に触媒作用する触媒が含有されている。このような化合物は当該技術分野で公知である。この触媒は、イソシアネート部分と、水又は活性水素含有化合物との反応のための、当業者に公知である任意の触媒であってよい。好ましい触媒の中には、有機スズ化合物、金属アルカノエート及び第三級アミン、例えば、ジモルホリノジアルキルエーテルがある。有用な触媒には、有機スズ化合物、例えば、アルキルスズ酸化物、第一スズアルカノエート、ジアルキルスズカルボキシレート及びスズメルカプチドが含まれる。第一スズアルカノエートには第一スズオクトエートが含まれる。アルキルスズ酸化物には、ジアルキルスズ酸化物、例えばジブチルスズ酸化物及びその誘導体が含まれる。有機スズ触媒は、好ましくは、ジアルキルスズジカルボキシレート又はジアルキルスズジメルカプチドである。ジアルキルスズジカルボキシレートは、好ましくは、式(R9OC(O))2−Sn−(R92(式中、R9は、それぞれの存在に於いて独立に、C1〜C10アルキル、好ましくはC1〜C3アルキル、最も好ましくはメチルである)に対応する。少ない全炭素原子を有するジアルキルスズジカルボキシレートが、それらが本発明の組成物に於いて一層活性の触媒であるので好ましい。好ましいジアルキルジカルボキシレートには、1,1−ジメチルスズジラウレート、1,1−ジブチルスズジアセテート及び1,1−ジメチルスズジマレエートが含まれる。有機スズ触媒は、接着剤の重量基準で、約60ppm又はそれ以上、更に好ましくは120ppm又はそれ以上の量で存在する。有機スズ触媒は、接着剤の重量基準で、約1.0%又はそれ以下、更に好ましくは0.5重量%又はそれ以下、最も好ましくは0.1重量%又はそれ以下の量で存在する。
他の有用な触媒には、第三級アミン、例えばジモルホリノジアルキルエーテル、ジ((ジアルキルモルホリノ)アルキル)エーテル、ビス−(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、トリエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルピペラジン、4−メトキシエチルモルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン及びこれらの混合物並びに金属アルカノエート、例えば、ビスマスオクトエート又はビスマスネオデカノエートが含まれる。好ましいジ((ジアルキルモルホリノ)アルキル)エーテルは、(ジ−(2−(3,5−ジメチルモルホリノ)エチル)エーテル)である。第三級アミン、例えばジモルホリノジアルキルエーテル又はジ((ジアルキルモルホリノ)アルキル)エーテルは、好ましくは、接着剤の重量基準で、約0.01重量%又はそれ以上、更に好ましくは約0.05重量%又はそれ以上、尚更に好ましくは約0.1重量%又はそれ以上、最も好ましくは約0.2重量%又はそれ以上の量でそして約2.0重量%又はそれ以下、更に好ましくは約1.75重量%又はそれ以下、尚更に好ましくは約1.0重量%又はそれ以下、最も好ましくは約0.4重量%又はそれ以下の量で使用される。
この接着組成物又は透明プライマーは、更に、安定化量の有機ホスファイトからなっていてよい。有機ホスファイトは、好ましくは、接着組成物の基体表面に対する接着の耐久性を増強するために十分な量で存在する。好ましくは、リン原子の少なくとも1個は、芳香族部分、例えばフェニルに接着されている酸素原子に接着されている。好ましくは、リン原子の少なくとも1個は、アルキル部分に接着されている酸素原子に接着されている。好ましくは、リン原子の少なくとも1個は、酸素部分を介して芳香族部分及びアルキル部分の両方に接着されている。本発明に於いて使用するために好ましい有機ホスファイトは、ホスファイト上の配位子が、少なくとも1個の脂肪族部分を有する1個の配位子及び少なくとも1個の芳香族部分を有する1個の配位子からなるか又は芳香族構造及び脂肪族構造の両方を有する少なくとも1個の配位子、即ちアルカリールからなるホスファイトである。本明細書で使用する、配位子は、ホスファイトのリン原子に接着している酸素に接着している基を指す。好ましい態様に於いて、このホスファイトは、式
P−(OR103 又は(R10O)2−P−OR11O−P−(OR102
に対応する。好ましくは、R10は、それぞれの存在に於いて独立に、C6〜C18アルキル、C7〜C30アルカリール又はC6〜C20アリール、更に好ましくはC6〜C12アルキル、最も好ましくはC9〜C12アルキルである。好ましくは、R11は、それぞれの存在に於いて独立に、C6〜C18アルキレン、C7〜C30アルカリーレン又はC6〜C20アリーレン、更に好ましくはC7〜C30アルカリーレン又はC6〜C20アリーレン、尚更に好ましくはC7〜C30アルカリーレン、最も好ましくは二価のビスフェノール構造、例えば1,3−プロピレンジフェニル又はメチレンジフェニルである。好ましくは、二価のビスフェノールは、ビスフェノールA又はビスフェノールFをベースにする。本明細書で使用するアルキルは、飽和直鎖又は分岐鎖炭素鎖を意味する。
好ましい有機ホスファイトの中には、ポリ(ジプロピレングリコール)フェニルホスファイト(ドーバー・ケミカル社(Dover Chemical Corporation)から登録商標及び名称ドーバーホス(DOVERPHOS)12で入手可能)、テトラキス−イソデシル−4,4’−イソプロピリデンジホスファイト(ドーバー・ケミカル社から登録商標及び名称ドーバーホス675で入手可能)及びフェニルジイソデシルホスファイト(ドーバー・ケミカル社から登録商標及び名称ドーバーホス7で入手可能)がある。好ましくは、有機ホスファイトは、接着剤又は透明プライマー中に、約0.1重量%又はそれ以上、更に好ましくは約0.2重量%又はそれ以上の量で存在する。好ましくは、有機ホスファイトは、接着剤又は透明プライマー中に、約1.0重量%又はそれ以下、更に好ましくは約0.5重量%又はそれ以下の量で存在する。
好ましい態様に於いて、本発明に於いて使用する接着剤、透明プライマー又は両方には、光安定剤が含有されている。それが接着される基体の寿命の顕著な部分の間、システムが基体に対して耐久性接着を維持することを容易にする任意の光安定剤を、使用することができる。好ましい光安定剤は、ヒンダードアミン光安定剤である。一般的に含まれるヒンダードアミン光安定剤には、チバ・ガイギー社(Ciba Geigy)から入手可能なもの、例えば、チヌービン(Tinuvin)144、n−ブチル−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ビス(1,2,2,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)マロネート;チヌービン622、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとのジメチルスクシネートポリマー;チヌービン77、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート;チヌービン1,2,3、ビス−(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート;チヌービン765、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート;キマソルブ(Chimassorb)944、ポリ[[6−[1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ]−1,6−ヘキサンジイル[(2,2,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ]])並びにサイテック社(Cytec)から入手できる、サイアソルブ(Cyasorb)UV−500;1,5−ジオキサスピロ(5,5)ウンデカン3,3−ジカルボン酸、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)エステル;サイアソルブUV−3581;3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−ピロリジン−2,5−ジオン)及びサイアソルブUV−3346、ポリ[(6−モルホリノ−s−トリアジン−2,4−ジイル)[2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]−ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]]が含まれる。更に好ましいヒンダードアミン光安定剤には、チヌービン1,2,3、ビス−(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート及びチヌービン765、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケートが含まれる。基体に対する接着耐久性を増強するために十分な量の光安定剤を使用することができる。好ましくは、光安定剤は、接着剤又は透明プライマー組成物の重量基準で、約0.1重量%又はそれ以上、更に好ましくは0.2重量%又はそれ以上、最も好ましくは約0.3重量%又はそれ以上の量で使用する。好ましくは、接着剤又は透明プライマー中に存在する光安定剤の量は、約3重量%又はそれ以下、更に好ましくは約2重量%又はそれ以下、最も好ましくは約1重量%又はそれ以下である。
別の好ましい態様に於いて、本発明に於いて使用する接着剤組成物、透明プライマー又は両方には、紫外線吸収剤が含有されている。基体に対する接着剤の接着耐久性を増強する任意の紫外線吸収剤を、使用することができる。好ましいUV線吸収剤には、ベンゾフェノン及びベンゾトリアゾールが含まれる。更に好ましいUV線吸収剤には、チバ・ガイギー社からのもの、例えば、チヌービンP;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール;チヌービン326、2−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1,1−ジメチルエチル)−4−メチルフェノール;チヌービン213、ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル),(α,(3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル)−1−オキソプロピル)−ω−ヒドロキシ及びポリ(オキシ−1,2−エタンジイル),(α,(3−(3−(AH−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル)−1−オキソプロピル)−ω−(α,(3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル)−1−オキソプロピル);チヌービン327、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェノール)−5−クロロベンゾトリアゾール;チヌービン571、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチルフェノール、分枝鎖及び直鎖;チヌービン328、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1,1−ジメチルプロピル)フェノール並びにサイテック社から、例えば、サイアソルブUV−9;2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン;サイアソルブUV−24;2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン;サイアソルブUV−1164;2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチルオキシ)フェノール;サイアソルブUV−2337;2−(2’−ヒドロキシ−3’、5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール;サイアソルブUV−2908;3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸,ヘキサデシルエステル及びサイアソルブUV−5337;2−(2’−ヒドロキシ−3’、5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール;サイアソルブUV−531;2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン及びサイアソルブUV−3638;2,2−(1,4−フェニレン)ビス[4H−3,1−ベンズオキサジン−4−オン]が含まれる。更に好ましいUV線吸収剤には、サイアソルブUV−531;2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、チヌービン571、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチルフェノール、分枝鎖及び直鎖が含まれる。
好ましくは、UV線吸収剤は、基体に対する接着耐久性を増強するために十分な量で使用される。好ましくは、UV線防止剤は、接着組成物又は透明プライマーの重量基準で、約0.1重量%又はそれ以上、更に好ましくは約0.2重量%又はそれ以上、最も好ましくは約0.3重量%又はそれ以上の量で使用される。好ましくは、UV線防止剤は、接着組成物又は透明プライマーの重量基準で、約3重量%又はそれ以下、更に好ましくは約2重量%又はそれ以下、最も好ましくは約1重量%又はそれ以下の量で使用される。
接着組成物を配合するために、1種又はそれ以上のプレポリマー及び、存在する場合には、シラン含有化合物を、好ましくは、エラストマー性組成物中に使用するために先行技術に於いて公知の充填剤及び添加物と共に一緒にする。このような材料を添加することによって、物理的特性、例えば粘度、流量、垂れ等を変性することができる。しかしながら、ポリマーの水分感受性基の早すぎる加水分解を防止するために、それらと混合する前に、充填剤を十分に乾燥しなくてはならない。代表的充填剤及び添加物には、カーボンブラック、二酸化チタン、クレー、炭酸カルシウム、表面処理シリカ、紫外線安定剤、酸化防止剤等のような材料が含まれる。しかしながら、この列挙は、包括的ではなく、単に例示として示される。充填剤は、好ましくは、接着剤基準で、約15重量%又はそれ以上の量で存在する。充填剤は、好ましくは、接着剤基準で、約70重量%又はそれ以下、更に好ましくは60重量%又はそれ以下、尚更に好ましくは50重量%又はそれ以下の量で存在する。
この接着組成物には、また、好ましくは、レオロジー特性を所望の稠度に変性するために、1種又はそれ以上の可塑剤又は溶媒が含有されている。このような材料は、好ましくは、水を含有しておらず、イソシアネート基に対して不活性であり、そしてポリマーと相溶性である。このような材料は、プレポリマーを製造するための反応混合物に添加することができ又は最終接着組成物を製造するための混合物に添加することができるが、好ましくは、プレポリマーを製造するための反応混合物に添加され、そうしてこのような混合物を一層容易に混合し、そして取り扱うことができる。適当な可塑剤及び溶媒は当該技術分野で公知であり、これには、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、「HB−40」として市販されている部分的に水素化されたテルペン、リン酸トリオクチル、エポキシ可塑剤、トルエン−スルファミド、クロロパラフィン、アジピン酸エステル、ひまし油、キシレン、1−メチル−2−ピロリジノン及びトルエンが含まれる。使用される可塑剤の量は、所望のレオロジー特性を与え、そして成分を接着組成物中に分散させるために十分な量である。好ましくは、可塑剤は、接着組成物の重量基準で、約0重量%又はそれ以上、更に好ましくは約5重量%又はそれ以上、最も好ましくは約10重量%又はそれ以上の量で存在する。可塑剤は、接着組成物の重量基準で、約45重量%又はそれ以下、更に好ましくは約40重量%又はそれ以下、最も好ましくは約20重量%又はそれ以下の量で存在する。
本発明の接着組成物は、当該技術分野で公知の手段を使用して、成分を一緒にブレンドすることによって配合することができる。一般的に、成分は適当なミキサー内でブレンドされる。このようなブレンドは、好ましくは、早すぎる反応を防止するために、不活性雰囲気下で、そして大気水分の不存在下で実施される。イソシアネート含有プレポリマーを製造するために、任意の可塑剤を反応混合物に添加することが有利であり、そうしてこのような混合物を容易に混合しそして取り扱うことができる。その代わりに、全ての成分のブレンドの間に、可塑剤を添加することができる。接着組成物が配合されると、これを適当な容器の中に包装して、これが大気水分から保護されるようにする。大気水分との接触は、イソシアネート基を含有するポリウレタンプレポリマーの早すぎる架橋になり得る。
透明プライマー組成物は、シランとチタネートとを溶媒中で接触させ、そして混合して透明溶液を形成することによって製造される。
一般的に、ガラス、被覆プラスチック又は窓を基体の中に接着させる方法は、本発明の透明プライマー組成物を、ガラス又は被覆プラスチックの表面と接触させ、そして透明プライマー組成物の溶媒を揮発除去させることを含んでなる。その後、適当な接着剤を、構造物に接着させるべきガラス又は被覆プラスチックの部分に沿って、ガラス又は被覆プラスチックの表面に適用する。その後、この接着剤を、第二の基体と接触させて、接着剤がガラスと第二の基体との間に配置されるようにする。この接着剤を硬化させて、ガラス又は被覆プラスチックと基体との間に耐久性接着を形成させる。いくつかの態様に於いて、ガラス又は透明プラスチックは、ガラス又は透明プラスチックスの周辺の周りに不透明被膜を有する。これは、一般的にフリットとして参照される。ガラス用として、被膜は無機エナメルである。透明プライマーは、このような被膜に接着するための上記の接着システムの能力を改良する。
透明プライマー組成物は、当該技術分野で公知の任意の手段によって適用することができる。これは、十分な量のプライマー組成物が表面に適用されるように、刷毛塗り、ロール掛け又は組成物を含有する布を、接着剤を適用する基体の表面に適用することによって、手動で適用することができる。好ましくは、透明プライマー組成物は、ロボットを使用して適用される。この操作のための有用なロボットは、例えば、ノードソン社(Nordson Corporation)、オハイオ州アマースト(Amherst)によって供給される自動化プライマー・ディスペンス・アプリケーターと共に使用される、ミシガン州ロチェスター・ヒルズ(Rochester Hills)のファナック・ロボティックス・アメリカ社(Fanuc Robotics America)から入手できるM710Iである。プライマーは、下塗り後に少なくとも約8〜約15秒間の乾燥時間が存在するように適用される。接着剤は、接着剤の適用後、少なくとも20秒間適用される。本発明のシステムは、ガラス又は耐摩耗性皮膜で被覆されたプラスチックを、他の基体、例えば金属又はプラスチックに接着するために使用することができる。耐摩耗性皮膜で被覆されたプラスチックは、透明である任意のプラスチック、例えば、ポリカーボネート、アクリル樹脂、水素化ポリスチレン又は50%よりも大きいスチレン含有量を有する水素化スチレン共役ジエンブロックコポリマーであってよい。皮膜は、耐摩耗性である任意の皮膜、例えばポリシロキサン皮膜からなっていてよい。好ましくは、この皮膜は、顔料入り紫外線防止添加物を有する。好ましくは、ガラス又はプラスチック窓は、UV光が接着剤に到達することを遮断するために、接着剤と接触する領域内に配置された不透明皮膜を有する。
いくつかの態様に於いて、透明プライマー組成物の適用のすぐ後に、接着組成物がガラス又は被覆プラスチックに適用される。透明プライマーの適用と接着剤の適用との間の最小時間は、透明プライマーから溶媒を揮発除去するために必要な時間である。いくつかの態様に於いて、透明プライマー接着組成物を、透明プライマーの適用の場所とは異なる場所に、例えば、プラントの異なる場所又は異なるプラントに適用することができる。更に、プラントは、何マイルも、例えば、数百又は数千マイルも離れていてよい。接着組成物は、透明プライマーよりも遙かに後に適用することができる。いくつかの態様に於いて、透明プライマーの適用と接着組成物の適用との間の時間は、約5日又はそれ以上又は30日又はそれ以上であってもよい。透明プライマーの適用と接着組成物の適用との間の時間は、約90日又はそれ以下、好ましくは約60日又はそれ以下であってよい。
プライマーを窓に適用するための一つの方法は、(a)光を窓に向けて、窓の一部を照明する工程、(b)窓の照明された部分に沿ってプライマーを適用する工程からなる。透明プライマーに蒸発する成分が含有されている場合、この方法には、更に、この成分が蒸発したとき透明プライマーの適用の領域を示すために、窓の赤外画像を形成する工程が含まれてよい。透明プライマーに、紫外線光によって照明されたとき蛍光発光する成分が含有されている場合、この方法には、更に、透明プライマーの適用の領域を示すために、紫外光で窓を照明する工程が含まれてよい。これらの方法は、共通して譲渡された、Allam等の、米国特許出願公開第2003/0232152号明細書及び国際出願公開第WO03/106579号明細書(2003年6月11日出願)(参照して本明細書に含める)に開示されているようにして実施することができる。
本発明のシステムは、多孔質基体と非多孔質基体とを一緒に接着するために使用することができる。接着組成物を1個の基体に適用し、そしてその後第一基体上の接着剤を、第二の基体と接触させる。その後、接着剤を硬化条件に曝露する。好ましい態様に於いて、一つの基体はガラス又は被覆プラスチックであり、他の基体は、必要に応じて塗装されていてよい、プラスチック、金属、ガラス繊維又は複合体基体である。この方法は、耐酸塗料で塗装された基体に特に有効である。一般的に、プライマー及び接着剤は、環境温度で大気水分の存在下で適用される。大気水分への曝露は、接着剤の硬化になるために十分である。硬化は、対流熱又はマイクロ波加熱の手段により、硬化接着剤に熱を適用することによって更に加速させることができる。
ポリウレタンプレポリマーを参照して、平均イソシアネート官能度は、Wuの米国特許第6,512,033号明細書、第11欄、第3〜29行及びBhatの米国特許第5,922,809号明細書、第12欄、第65行〜第13欄、第26行(参照して本明細書に含める)に従って決定される。
本明細書に記載した分子量は、Bhatの米国特許第5,922,809号明細書、第12欄、第50〜64行(参照して本明細書に含める)に開示された手順に従って決定される。
本発明の特別の態様
下記の実施例は、例示目的のためにのみ含められ、本発明の範囲を限定することを意図しない。他の方法で記載しない限り、全ての部及びパーセントは重量基準である。
透明プライマーの製造
配合物は、溶液の部として又は固体を基準にする%として列挙し、そして、適当な量の所望の材料を単純に混合することによって製造する。プライマーは、溶媒を予備乾燥したガラスボトルに添加することによって製造する。それぞれのシランを、このガラスボトルに添加し、そしてボトルを振盪機上で2分間振盪する。最後に、チタネートを添加し、そして混合物全体を3分間振盪する。
接着実験は、ガラス試片上の3種のセラミックエナメルで実施した。これらの2種、ビスマス及び亜鉛含有フリット(フリット1)並びに更にリチウム及び硫黄を含有するビスマス及び亜鉛含有フリット(フリット2)を、プレスベントガラス上で使用する。第三のものは、サグベントガラス上で使用する、ビスマス及び亜鉛含有フリット(フリット3)であった。これらの3種の各セラミックエナメルは、フェロ社(Ferro Corporation)から入手可能である。全てのガラス試片は、示されたクリアーワイプの適用以外は、如何なる追加のクリーニング又は予備処理も無しに、受け取ったままで使用した。
透明プライマー組成物を、溶液でチーズクロスを飽和させ、そして薄い湿潤皮膜をセラミックエナメル表面に適用することによって適用した。透明プライマーを適用して20秒後に、接着剤を、幅8mm及び厚さ6〜8mmのビードで、基体の長さに沿って適用した。接着剤を、試験前に23℃及び50%RHで7日間硬化させる。接着試験は、クイック・ナイフ接着(QKA)試験と呼ばれる修正剥離試験である。この試験に於いて、接着剤を引き戻すとき、接着剤/基体界面に鋭利なナイフで刻み目を入れる。結果を、凝集破壊(ウレタン接着剤内の破壊)の%として列挙し、所望の結果は100%CF(凝集破壊)である。代替の破壊方式は、基体の表面に対する接着剤の接着の破壊である接着破壊である。初期接着結果に加えて、追加のサンプルを、耐久性実験を通して実施する。上記の通り、サンプルを製造し、そして7日間硬化させた後、サンプルを水浴の中に入れ、そして90℃で保持した。示した時間の後、サンプルを水浴から取り出し、少なくとも15分間放置し、次いでQKA試験によって試験した。長期間耐久性は、100%CFを失うために必要な日数として表される、即ち、接着剤は幾らかの接着破壊を示す。接着剤1は、シラングラフト化イソシアネート末端停止プレポリマー、可塑剤、カーボンブラック、2,2−ジモルホリノジエチルエーテルジメチルスズカルボキシレート及びホスファイト酸化防止剤で配合した接着剤である。
表Iに、セラミックエナメルに対する接着の意図する目的に適合するプライマーの配合物に使用した成分を列挙する。
表I
チゾール(Tyzor)(登録商標)OGTチタネート−オクチレングリコールチタネート=テトラキス(2−エチル−ヘキサン’−1,3,ジオラト)チタネート;
チゾール(登録商標)TOTチタネート−2−エチルヘキシルチタネート;
KR−TTS(登録商標)チタネート−イソプロピルトリイソステアロイルチタネート;
KR(登録商標)95チタネート−イソプロピルトリ(ドデシル)ベンゼンスルホニルチタネート;
KR(登録商標)44チタネート−イソプロピルトリ(N−エチレンジアミノ)エチルチタネート;
チゾール(登録商標)NBZジルコネート−N−ブチルジルコネート;
チゾール(登録商標)NBZジルコネート−トリエタノールアミンジルコネート;
メルカプトシランは、メルカプトプロピルトリメトキシシランである。
ポリアミノシランは、N−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランである。
第二級アミノシランは、ビス(トリメチルオキシシリルプロピル)アミンである。
エチルトリアセトキシシラン
表IIに、例1〜12の配合を示す。例1〜12は、使用したシランの混合物と連係して使用したチタネート又はジルコネートの種類を示す。この表には、全配合物固体の関数として、反応性材料の相対量を示す。例13及び14は、シラン接着促進剤無しに製造したプライマーの性能を示す。接着剤1は、例のそれぞれに、クリアーワイプをガラスに適用して20秒後に適用し、その結果は、接着が、シランミックスとチタン化合物との組合せによって大きく改良されることを示す。例10、13及び14の比較は、チタネート/シラン組合せの利点を示す。例10、チゾール(登録商標)TOTとシランミックスとの組合せの接着は、100%CFを示す。シランミックスの除去は、接着剤の性能を、例13について60%CFまで、そして例14について90%CF未満にまで低下させる。チタン化合物をジルコニウム化合物で置き換えることも、接着を低下させる。ジルコニウム化合物で製造した2種の配合物、例11及び12は、初期QKA試験に於いて100%接着破壊で失敗した。接着破壊(AF)は、接着剤の基体の表面に対する接着が破壊することを意味する。
Figure 0005171040
シランミックス比及びシランの量に対するチタネートの量を変えることの影響を決定するために、チゾール(登録商標)OGTとシランとの組合せを更に研究した。表IIIに、追加の12個の例(例15〜27)を列挙する。初期QKA結果に加えて、接着の低下が存在する前の90℃の水中の日数によって測定したときの耐久性性能も、各例について列挙する。
Figure 0005171040
チゾール(登録商標)OGT、チタネートと組合せた、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、N−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン及びビス−(3−トリメトキシシリルプロピル)アミンシランからなる例1〜3及び15〜23は、初期接着実験に於いて100%凝集破壊を示した。チゾール(登録商標)OGTチタネート無しで、そしてシランの1:1:1ミックスで製造した例24は、3種の各エナメルに強い初期接着を達成した。しかしながら、このシステムの耐久性は、所望するものよりも低い。
有機チタネートとシランミックスとの組合せは、優れた接着を示す。例1、2、3及び24の比較は、チゾール(登録商標)OGTをシランの1:1:1ミックスと共に使用するとき、耐久性改良を示す。チゾール(登録商標)OGTチタネートを配合物から除去するとき、水浴中で1日以内に、3種の各フリットに対して凝集破壊の完全な損失が存在する。使用するレベルに関係なく、チゾール(登録商標)OGTチタネートは、各セラミックエナメルに対して、接着耐久性を改良する。耐久性性能は、配合物中により高いパーセントのメルカプトシランが存在するとき得られる。これは、例18、20及び23の比較により示される。アミノシランの量がメルカプトシランに対して減少するとき、耐久性が改良される。
2種の接着システム、安定剤パッケージ無しのもの及び安定剤パッケージ有りのものを比較した。第一の接着剤は、前記のような接着剤1であった。含まれる第二の接着剤は、登録商標及び名称チヌービン765で販売されているヒンダードアミン光安定剤及びチヌービン571の紫外線吸収剤を含有する接着剤1であった。例17のプライマーからなるプライマーを、このプライマーを含浸させたチーズクロスを使用して、エナメル被覆したガラス基体表面の上にそれを塗布することによって適用した。使用した基体はフリット1〜3であった。溶媒を20秒間フラッシュ除去し、接着剤を適用した。接着剤を、23℃で50%相対湿度で7日間硬化させた。サンプルを、WOM(耐候試験器)内でSAE1885に記載されているような条件に、2000時間及び2500時間付し、次いでサンプルを試験SAE1885に従って試験した。その結果を表IVに纏める。
Figure 0005171040
このデータは、接着剤中に光安定剤及びUV安定剤を使用することによって、接着剤システム接着の長期間耐久性が改良されることを示している。
開放時間試験
例23のプライマーを、フリット1エナメルで被覆したガラス試片に適用した。この試片を、35℃で90%相対湿度中に記載した時間貯蔵した。接着剤A及びBを、前記のQKA試験に従って試片に適用した。表面に適用した接着剤を有する試片を、次いで、23℃及び50%相対湿度で7日間硬化させた。それぞれの開放時間について、1個の試片を、初期硬化時間の後、QKAに従って試験した。第二試片を、100℃及び100%相対湿度で更に14日間付し、貯蔵した。接着剤Aは、イソシアネート及びシラン官能性プレポリマーをベースにする接着剤である。接着剤Bは、イソシアネート官能性プレポリマーをベースにする接着剤である。
試験の結果を表Vに含める。開放時間は、透明プライマーの適用と接着剤の適用との間の時間である。初期は、試片上の接着剤の7日硬化後の試片の試験を意味する。湿度は、7日硬化並びに100℃及び100%相対湿度への14日曝露後の、試片への接着剤接着の試験を意味する。表Vに於けるデータは、透明プライマーの適用と接着剤の適用との間の開放時間が、0〜90日であってよく、接着剤のガラス試片への良好な接着が形成されることを示している。
Figure 0005171040
以下に、本発明及びその関連態様を列挙する。
態様1.a)4個の配位子を有する1種又はそれ以上の有機チタネート(但し、これらの配位子は、任意的に、酸素、窒素、リン及び硫黄からなる群から選択された1種又はそれ以上のヘテロ原子を有する1個又はそれ以上の官能基を含むヒドロカルビルであり、これらの配位子の2個又はそれ以上は環状構造を形成していてもよい)、b)1種又はそれ以上のメルカプトシラン、c)1種又はそれ以上のポリアミノシラン、d)1種又はそれ以上の第二級アミノシラン並びにe)1種又はそれ以上の、この組成物の前記成分を溶解する溶媒を含んでなる組成物。
態様2.前記チタネートの配位子がヒドロカルビル、ヒドロカルビルカルボキシル、ヒドロカルビルスルホニル、ヒドロカルビルアミノ、ホスファトヒドロカルビル、ピロホスファトヒドロカルビルであり、2個又はそれ以上の配位子がヒドロカルビレン部分を形成し、2個又はそれ以上の配位子がカルボキシル含有ヒドロカルビレン部分若しくはこれらの混合物を形成する態様1に記載の組成物。
態様3.有機チタネートが、式Ti(−OR 1 4 (式中、R 1 は、それぞれ存在する場合に独立に、ヒドロカルビル、ヒドロカルビルカルボキシル、ヒドロカルビルスルホニル、ヒドロカルビルアミノ、ホスファトヒドロカルビル、ピロホスファトヒドロカルビルであるが、R 1 の2個又はそれ以上が、組合さって、環状環構造を形成していてもよい)に対応する態様1又は2に記載の組成物。
態様4.a)0.08〜45重量%の1種又はそれ以上の有機チタネート、b)0.03〜59重量%の1種又はそれ以上のメルカプトシラン、c)0.005〜16重量%の1種又はそれ以上のポリアミノシラン、d)0.01〜16重量%の1種又はそれ以上の第二級アミノシラン並びにe)30〜99.5重量%の1種又はそれ以上の溶媒(但し、記載した重量%は、全組成物の重量基準である)を含む、態様1〜3の何れか1項に記載の組成物。
態様5.i)態様1〜4の何れか1項に記載の組成物並びにii)イソシアネート官能性プレポリマー及びイソシアネート官能性プレポリマーの硬化用触媒を含む添加物からなるガラスを基体に接着するシステム。
態様6.組成物(i)、接着組成物(ii)又は両方が、更に、紫外線安定剤を含む態様5に記載のシステム。
態様7.組成物(i)、接着組成物(ii)又は両方が、更に、ヒンダードアミン光安定剤からなる、態様6に記載のシステム。
態様8.A)態様1〜4の何れか1項に記載の組成物を、ガラス又は耐摩耗性で被覆したプラスチック基体の表面に、構造物の中に接着すべきガラス又は被覆プラスチック基体の部分に沿って適用する工程、
B)ポリイソシアネート官能性接着組成物を、ガラス又は被覆プラスチック基体の表面に、態様1〜4の何れか1項に記載の組成物が予め適用された、構造物の中に接着すべき部分に沿って適用する工程並びに
C)被覆プラスチック基体を構造物と、ガラス又は被覆プラスチック基体と構造物との間に配置された接着剤と共に接触させる工程
を含んでなる方法。
態様9.窓の一つを自動車の中に保持する接着システムが、態様5〜7の何れか1項に記載のシステムである自動車。
態様10.A)態様1に記載の組成物を、自動車の中への窓の部分と接触させる工程、
B)5〜90日後に、ポリイソシアネート官能性接着組成物を、態様1に記載の組成物を予め適用した、構造物に接着すべきガラス又はプラスチック窓の部分に沿ってガラス又はプラスチック窓の表面に適用する工程及び
C)この窓を構造物と、窓と構造物との間に配置された接着剤と共に接触させる工程を含んでなる、窓を自動車の中に接着する方法。

Claims (10)

  1. a)4個の配位子を有する1種又はそれ以上の有機チタネート(但し、これらの配位子は酸素、窒素、リン及び硫黄からなる群から選択された1種又はそれ以上のヘテロ原子を有する1個又はそれ以上の官能基を、任意的に、含むヒドロカルビルであり、これらの配位子の2個又はそれ以上は環状構造を形成していてもよい)、
    b)1種又はそれ以上のメルカプトシラン、
    c)式:
    (R7c

    (R 8 f −NH 2-f −(R 6 −NH) e −R 6 −Si−(X) d
    (式中、R 6 はヒドロカルビレン基であり、R 7 は、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基又は(R’) 3 SiO−(式中、同じか又は異なっていてよい3個のR’基のそれぞれは、炭素数1〜20の一価の炭化水素基を表す)によって表されるトリオルガノシロキシ基であり、Xは、それぞれ独立に、ヒドロキシル基又は加水分解性基であり、dは、それぞれ独立に、1、2又は3であり、そしてcは、それぞれ独立に、0、1又は2であり、c及びdの合計は3であり、R 8 はアルキル基であり、fは0又は1であり、そしてeは1〜3の有理数である)で表わされる1種又はそれ以上のポリアミノシラン、
    d)式:
    (R7c

    (R 8 f −NH−(R 6 −Si−(X) d g
    (式中、R 6 、R 7 、R 8 、X、c、d及びfは前記定義の通りであり、そしてgは1又は2であり、f及びgの合計は2である)で表わされる1種又はそれ以上の第二級アミノシラン並びに
    e)1種又はそれ以上の、この組成物の前記成分を溶解する溶媒
    を含んでなる、接着剤用プライマー組成物。
  2. 前記チタネートの配位子がヒドロカルビル、ヒドロカルビルカルボキシル、ヒドロカルビルスルホニル、ヒドロカルビルアミノ、ホスファトヒドロカルビル、ピロホスファトヒドロカルビルであり、2個又はそれ以上の配位子が、ヒドロカルビレン部分、カルボキシル含有ヒドロカルビレン部分又はこれらの混合物を形成する請求項1に記載の組成物。
  3. 有機チタネートが、式Ti(−OR14(式中、R1は、それぞれ存在する場合に独立に、ヒドロカルビル、ヒドロカルビルカルボキシル、ヒドロカルビルスルホニル、ヒドロカルビルアミノ、ホスファトヒドロカルビル、ピロホスファトヒドロカルビルであるが、R1の2個又はそれ以上が、組合さって、環状環構造を形成していてもよい)に対応する請求項1又は2に記載の組成物。
  4. a)0.08〜45重量%の1種又はそれ以上の有機チタネート、
    b)0.03〜59重量%の1種又はそれ以上のメルカプトシラン、
    c)0.005〜16重量%の1種又はそれ以上のポリアミノシラン、
    d)0.01〜16重量%の1種又はそれ以上の第二級アミノシラン並びに
    e)30〜99.5重量%の1種又はそれ以上の溶媒
    (但し、記載した重量%は、全組成物の重量基準である)
    を含む、請求項1〜3の何れか1項に記載の組成物。
  5. (i)請求項1〜4の何れか1項に記載の組成物並びに(ii)イソシアネート官能性プレポリマー及びイソシアネート官能性プレポリマーの硬化用触媒を含む接着剤からなるガラスを基体に接着するシステム。
  6. 組成物(i)及び/又は接着剤(ii)が、更に、紫外線安定剤を含む請求項5に記載のシステム。
  7. 組成物(i)及び/又は接着剤(ii)が、更に、ヒンダードアミン光安定剤を含む、請求項6に記載のシステム。
  8. A)請求項1〜4の何れか1項に記載の組成物を、ガラス又は耐摩耗性の皮膜で被覆したプラスチック基体の表面に、構造物の中に接着すべきガラス又は被覆プラスチック基体の部分に沿って適用する工程、
    B)ポリイソシアネート官能性接着組成物を、ガラス又は被覆プラスチック基体の表面に、請求項1〜4の何れか1項に記載の組成物が予め適用された、構造物の中に接着すべき部分に沿って適用する工程並びに
    C)被覆プラスチック基体を構造物と、ガラス又は被覆プラスチック基体と構造物との間に配置された接着剤と共に接触させる工程
    を含んでなる方法。
  9. 窓の一つを自動車の中に保持する接着システムが、請求項5〜7の何れか1項に記載のシステムである自動車。
  10. A)請求項1に記載の組成物を、自動車の中の窓の部分と接触させる工程、
    B)5〜90日後に、ポリイソシアネート官能性接着組成物を、請求項1に記載の組成物を予め適用した、構造物に接着すべきガラス又はプラスチック窓の部分に沿ってガラス又はプラスチック窓の表面に適用する工程及び
    C)この窓を構造物と、窓と構造物との間に配置された接着剤と共に接触させる工程を含んでなる、窓を自動車の中に接着する方法。
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