JP5329869B2 - 固体酸化物型電気化学セル、およびその製造方法 - Google Patents
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Description
J.Electrochem.Soc.,141,[2],342-346,1994.
より水素極性能を高めるためには、より多くのNi粒子を、高度に分散させて析出させることが必要であった。
本発明は、過電圧が低く、出力密度の高い、高活性な水素極を提供することを目的としている。
そこで、第1の本発明は、イオン導電性を有する固体酸化物電解質層を挟み、一方の面に水素極と、この一方の面に対向する他方の面に酸素極とを有する固体酸化物型電気化学セルにおいて、
前記水素極は、表面に金属微粒子を有しかつ表面に混合導電性の膜で覆われたMg酸化物焼結体粒子と、イオン導電性を有する酸化物焼結体粒子とを含むことを特徴とする固体酸化物型電気化学セルである。
酸化物固溶体、金属塩、および前記イオン導電性を有する焼結体の混合物を前記固体酸化物電解質層に積層する工程と、
その後、この状態で焼結させることにより前記酸化物固溶体の表面および前記イオン導電性を有する酸化物焼結体粒子の表面に前記金属塩の酸化物からなる前記混合導電性膜を形成する工程と、
さらに800〜1000℃で還元することで前記酸化物固溶体を前記金属微粒子が表面に露出した前記Mg酸化物焼結体に改変する工程とを具備することを特徴とする固体酸化物型電気化学セルの製造方法である。
酸化物固溶体と金属塩の混合物を焼結することにより前記酸化物固溶体の表面に混合導電性被膜を形成する工程と、
その後前記酸化物固溶体と前記イオン導電性を有する酸化物焼結体との混合物を前記固体酸化物電解質層に積層する工程と、
その後、この状態で焼結させ、さらに800〜1000℃で還元することで前記酸化物固溶体を前記金属微粒子が表面に露出した前記Mg酸化物焼結体粒子に改変する工程とを具備することを特徴とする固体酸化物型電気化学セルの製造方法である。
本実施形態の電気化学セルは、固体酸化物電解質板11を挟んで、その一方の面に水素極材料12を、もう一方の面に酸素極材料13を積層して成る。
これらAl成分、Cr成分、Sc成分の添加方法はこの酸化物によるものに限定されない。これら成分を含む水酸化物や炭酸化物、金属塩化合物の形であっても構わない。
本実施形態の固体酸化物電解質板としては、イオン導電性を有し、耐熱性を有する材料を用いることができる。具体的には、Y2O3もしくはSc2O3で安定化させたZrO2系材料、Sm2O3をドープしたCeO2(SDC)、Gd2O3ドープしたCeO2(GDC)、Y2O3ドープしたCeO2(YDC)などを用いることができる。
本実施の形態における水素極(燃料極)12は、イオン導電性酸化物焼結体粒子15を含む酸化物焼結体粒子と、表面部にNi、Co、FeおよびCuより選ばれる少なくとも1種の粒子を担持してなるMg系酸化物焼結体粒子17の表面全体もしくは一部を混合導電体酸化物よりなる混合導電性被膜18で覆われたMg酸化物焼結体粒子との混合相(電極層)により形成されている。また、この水素極12は、電極層の表層部に形成された、電極層より電子導電性の高い材料を含む配線19と、配線19に電気接続する集電体14を備えてもよい。
また、前記イオン導電性を有する酸化物焼結体粒子には、イオン導電性のみでなく電子導電も有する混合導電性酸化物焼結体粒子を含んでもよい。
本実施の形態で用いることのできる混合導電性材料としては、Sm2O3をドープしたCeO2(SDC)、Gd2O3ドープしたCeO2(GDC)、Y2O3ドープしたCeO2(YDC)などを用いることができる。
この混合導電性材料よりなる混合導電性被膜18には少量の貴金属粒子を含んでもかまわない。
本実施の形態のイオン導電性材料としては、イオン導電性を有する焼結体が、Y2O3もしくはSc2O3で安定化させたZrO2系材料、SDC、GDC、YDCなどを用いることができる。
このようなNi−Mg系酸化物および混合導電体SDCを用い、混合導電性被膜18にはSDCを用いた水素極12を例にとって、その製造方法を以下に説明する。
まず、NiO粉末とMgO粉末、それに対して微量のSc2O3を混合、焼成して(Ni)0.33(Mg)0.67Oで表されるニッケル−マグネシウム複合酸化物固溶体を作製し、これを粉砕して粒子20にして用いる。粉砕後の粒子径は0.1〜数μmほどが好 ましい。次に、このようにして作製した複合酸化物固溶体粒子20と電子―イオン混合導電性材料粒子16とを混合し、混合導電性材料被膜21の目的の組成に調製した硝酸塩等の金属塩水溶液を加えてペースト化する。混合導電性被膜18および混合導電性材料粒子16の例としては、Sm2O3をドープしたCeO2もしくはGd2O3をドープしたCeO2、もしくはY2O3をドープしたCeO2を用いるが、これに限定されず、400℃以上1000℃以下において高い酸素イオン導電性と電子導電性を有しているものであれば良い。
一方、水素極として触媒作用効果のある貴金属系の微粒子を微量添加しても構わない。このような貴金属粒子には、Pt、Au、Ag、Rh、Ir、Ru、Pdなどがある。
また、(Ni)0.33(Mg)0.67Oを還元して作製するNi粒子担持Mg系複合酸化物は、メタンなど炭化水素系燃料の改質触媒としても用いられる。すなわち、多様な燃料にも対応が可能になる。
酸素極13は混合導電性を示す酸化物であり一般式Ln1−xAxBO3−x(Ln=希土類元素;A=Sr、Ca、Ba;B=Cr、Mn、Fe、Co、Niのうち少なくとも1種)で表される複合酸化物からなる。これらの複合酸化物は酸素を効率よく解離すると同時に電子導電性を有している。また、前記複合酸化物で若干不足するイオン導電性を、イオン導電性酸化物を併せて添加することにより補うことも可能である。このイオン導電性酸化物としては、Sm2O3をドープしたCeO2、もしくはGd2O3をドープしたCeO2、Y2O3をドープしたCeO2のいずれか一つを用いる。これらは還元性雰囲気では混合導電性を示すが、酸素含有雰囲気中では高いイオン導電性を示すものであり、かつ前記混合導電性を示す酸化物と反応をしないものである。
電極に用いるイオン導電性を有する焼結体および混合導電性の膜としてSm2O3をドープしたCeO2を、酸化物固溶体として(Ni)0.33(Mg)0.67Oを例に挙げて説明する。また、用いた粉末の粒径等はこれらに限定されるものではない。
平均粒径約1μmのNiO粉末と平均粒径約0.4μmのMgO粉末をモル比で1:2になるように秤量し乳鉢にて混合した。これに、0.2mol%のSc2O3を微量の添加物として加えた混合粉末をプレス成形してアルゴン中、1300℃で5時間焼結を行った。得られた酸化物固溶体の構成相をX線回折法により測定した。次に前記酸化物固溶体を粉砕し、40μmメッシュのふるいを通して出発粉末とした。
混合導電性膜には目的の組成のSDCと同量になるようCeおよびSmの硝酸塩水溶液を混合し、SDCとして0.4Mになるように水溶液を調製し、混合導電性被膜用金属塩水溶液とした。
<混合導電性の膜で覆われた酸化物固溶体を用いた固体酸化物電気化学セルの作製>
固体酸化物電解質にはφ15〜18mm、厚さ500μmに加工したYSZ(8mol%Y2O3で安定化させたZrO2)を用い、酸素極には多孔質Pt電極を、電解質側面に参照極として多孔質Pt電極を用いた。
実施例1と同様に、上記「酸化物固溶体の調製」で作製した酸化物固溶体と、イオン導電性を有する焼結体として平均粒径0.3μmのSDC[(SmO1.5)0.2(CeO2)0.8]粒子とを、粉砕粒子の重量比で20:80重量比になるようにそれぞれ混合粉を秤量した。これに純水を混合粉末に対して約40重量%加えて高速回転混合機によりペースト化した。このペーストをスクリーン印刷機で、固体酸化物電解質の中央にφ6mmの大きさで印刷した。印刷後、大気炉に入れ、それぞれを1300℃にて2時間焼成を行った。次に、反対面にPt電極を同様に印刷して酸素極とし、また電解質側面にPt参照極を塗って、960℃で30分間焼成した。その後、YSZ粉末を混合したNiペースト(Niに対して重量比で82:18になるように混合)を、線幅30μm程度、配線間隔500μmほどの配線状になるように作製したスクリーンメッシュを通して、作製した電極表層部に網目状配線印刷を施した。その後、アルゴン雰囲気中、1000℃で30分間の熱処理を施し、網目状配線を電極表面に固定化した。
実施例1と同様であるが、上記「酸化物固溶体の調製」で微量添加物としての何も加えないで作製したNi−Mg系複合酸化物固溶体と、イオン導電性を有する焼結体として平均粒径0.3μmのSDC[(SmO1.5)0.2(CeO2)0.8]粒子とを、重量比で20:80重量比になるようにそれぞれ混合粉を秤量した。これに混合導電性被膜用金属塩水溶液を混合粉末に対して約30重量%加えて高速回転混合機によりペースト化した。以降、実施例1と同様、ペーストをスクリーン印刷し、大気炉で1300℃にて2時間焼成を行った。次に、反対面にPt電極を同様に印刷して酸素極とし、また電解質側面にPt参照極を塗って、960℃で30分間焼成した。その後、YSZ粉末を混合したNiペースト(Ni:YSZが重量比で82:18になるように混合)を、線幅30μm程度、配線間隔500μmほどの配線状になるように作製したスクリーンメッシュを通して、作製した電極表層部に網目状配線印刷を施した。その後、アルゴン雰囲気中、1000℃で30分間の熱処理を施し、網目状配線を電極表面に固定化した。
平均粒径1μmのNiO粉末と、イオン導電性を有する焼結体として平均粒径0.3μmのSDC[(SmO1.5)0.2(CeO2)0.8]粒子とを、重量比で50:50重量比になるようにそれぞれ混合粉を秤量した。これに純水を混合粉末に対して約30重量%加えて高速回転混合機によりペースト化した。このペーストをスクリーン印刷機で、固体酸化物電解質の中央にφ6mmの大きさで印刷した。印刷後、大気炉に入れ、それぞれを1300℃にて2時間焼成を行った。次に、反対面にPt電極を同様に印刷して酸素極とし、また電解質側面にPt参照極を塗って、960℃で30分間焼成した。
実施例1と同様に、上記「酸化物固溶体の調製」で作製した酸化物固溶体と、イオン導電性を有する焼結体として平均粒径0.3μmのYSZ[(Y2O3)0.8(ZrO2)0.92]粒子とを、粉砕粒子の重量比で20:80重量比になるようにそれぞれ混合粉を秤量した。これに混合導電性被膜用金属塩水溶液を混合粉末に対して約30重量%加えて高速回転混合機によりペースト化した。このペーストをスクリーン印刷機で、固体酸化物電解質の中央にφ6mmの大きさで印刷した。印刷後、大気炉に入れ、それぞれを1300℃にて2時間焼成を行った。次に、反対面にPt電極を同様に印刷して酸素極とし、また電解質側面にPt参照極を塗って、960℃で30分間焼成した。その後、YSZ粉末を混合したNiペースト(Ni:YSZが重量比で82:18になるように混合)を、線幅30μm程度、配線間隔500μmほどの配線状になるように作製したスクリーンメッシュを通して、作製した電極表層部に網目状配線印刷を施した。その後、アルゴン雰囲気中、1000℃で30分間の熱処理を施し、網目状配線を電極表面に固定化した。
実施例1と同様に、上記「酸化物固溶体の調製」で作製した酸化物固溶体と、イオン導電性を有する焼結体として平均粒径0.3μmのYSZ[(Y2O3)0.8(ZrO2)0.92]粒子とを、粉砕粒子の重量比で20:80重量比になるようにそれぞれ混合粉を秤量した。これに純水を混合粉末に対して約40重量%加えて高速回転混合機によりペースト化した。このペーストをスクリーン印刷機で、固体酸化物電解質板の中央にφ6mmの大きさで印刷した。印刷後、大気炉に入れ、それぞれを1300℃にて2時間焼成を行った。次に、反対面にPt電極を同様に印刷して酸素極とし、また電解質側面にPt参照極を塗って、960℃で30分間焼成した。その後、YSZ粉末を混合したNiペースト(Ni:YSZが重量比で82:18になるように混合)を、線幅30μm程度、配線間隔500μmほどの配線状になるように作製したスクリーンメッシュを通して、作製した電極表層部に網目状配線印刷を施した。その後、アルゴン雰囲気中、1000℃で30分間の熱処理を施し、網目状配線を電極表面に固定化した。
平均粒径1μmのNiO粉末と、イオン導電性を有する焼結体として平均粒径0.3μmのYSZ[(Y2O3)0.8(ZrO2)0.92]粒子とを、重量比で50:50重量比になるようにそれぞれ混合粉を秤量した。これに純水を混合粉末に対して約30重量%加えて高速回転混合機によりペースト化した。このペーストをスクリーン印刷機で、固体酸化物電解質の中央にφ6mmの大きさで印刷した。印刷後、大気炉に入れ、それぞれを1300℃にて2時間焼成を行った。次に、反対面にPt電極を同様に印刷して酸素極とし、また電解質側面にPt参照極を塗って、960℃で30分間焼成した。
実施例1で作製した平板型固体酸化物電気化学セルを出力特性評価装置にセットし、水素極側、酸素極側それぞれをパイレックス(登録商標)ガラス材によりシールした。電解質側面にφ0.5mmのPt線を付け参照極とした。Ar雰囲気中で昇温したのち、水素極に水素を導入して還元処理を行った。水素還元時間は1000℃で10分間とした。
次に、水素極に50mL/minのH2+H2Oを、酸素極に30mL/minのドライ空気を導入し、セル出力特性を評価した。また、カレントインターラプト法によるIR分離も行った。
実施例2および比較例1、2、4においても実施例1と同様に、セル特性評価試験を行った。
比較例3で作製した平板型固体酸化物電気化学セルを出力特性評価装置にセットし、水素極側、をパイレックス(登録商標)ガラス材によりシールした。電解質側面にφ0.5mmのPt線を付け参照極とした。N2雰囲気中で昇温したのち、水素極に水素を導入して還元処理を行った。水素還元時間は900℃で30分間とした。
次に、水素極に50mL/minのH2+H2Oを、酸素極に50mL/minのドライ空気を導入し、セル出力特性を評価した。また、カレントインターラプト法によるIR分離も行った。
比較例5においても比較例3と同様に、セル特性評価試験を行った。
実施例1および比較例1のセルの電気化学特性評価結果を比較する。はじめに、両セルの最大出力密度を比較すると、実施例1の出力密度は、比較例1の出力密度にくらべ、約15%の出力向上が見られた。次に、水素極内のオーム抵抗を同様に比較する。水素極側の電極内オーム抵抗は、端子間のセル抵抗から使用しているYSZ電解質の理論電解質抵抗を引くことで、水素極の電極抵抗とした。ここで、酸素極はPtを使用しているため、酸素極側の接触抵抗、電極内抵抗は十分低いとみなした。両セルの水素極内オーム抵抗の算出結果を比較すると、実施例1では、比較例1にくらべ約17%オーム抵抗を低く抑えることができている。以上、セル出力密度、水素極内オーム抵抗の比較結果から、実施例1のセルの方が比較例1よりも特性が高く、SDCコートの効果が示されており、MgO系の複合酸化物を用いる場合においても導電性の被覆を行うことが有効であることが示された。
一方、酸化物固溶体の水素中還元における重量変化を熱重量分析装置(TG)により測定したところ、800℃あたりから重量減少、すなわちNiの析出が始まり、1000℃でおよそ10%の重量減少があった。これは、NiAl2O4複合酸化物固溶体を触媒前駆体として用いて還元した時の重量減少(約7%)より4割ほど高く、より多くのNi粒子の析出が起こっていることが予想される。これに対し、Sc2O3を添加しない比較例2の材料においては、還元時の重量減少は0.5%程度と非常に少なく、出力性能、オーム抵抗ともに悪い値であった。いずれにしても、還元によるNi粒子の析出温度を1000℃としているため、それよりも低い温度で使用する分においては、より安定的に使えるということを意味している。
以上述べてきたように、Ni粒子の粒径を小さくした分、活性が向上し、高い出力特性が得られた。さらに、それらに導電性の被覆を施すことにより、特性は向上した。また、より高い効果を期待するには、MgO中にSc2O3など微量の添加物を加えることも特に重要である。
12・・・水素極
13・・・酸素極
14・・・集電体
15・・・イオン導電体酸化物焼結体粒子
16・・・混合導電性酸化物焼結体粒子
17・・・金属粒子担持Mg酸化物焼結体粒子
18・・・混合導電性被膜
19・・・配線
20・・・複合酸化物固溶体粒子
12・・・水素極
13・・・酸素極
14・・・集電体
15・・・イオン導電体酸化物焼結体粒子
16・・・混合導電性酸化物焼結体粒子
17・・・金属粒子担持Mg酸化物焼結体粒子
18・・・混合導電体被膜
19・・・網目状配線印刷
20・・・複合酸化物固溶体粒子
Claims (5)
- イオン導電性を有する固体酸化物電解質層を挟み、一方の面に水素極と、この一方の面に対向する他方の面に酸素極とを有する固体酸化物型電気化学セルにおいて、
前記水素極は、表面にNi,Co,Fe,Cuのうちの少なくとも一種から選ばれる金属微粒子を有しかつ表面が金属微粒子と、Al 2 O 3 、Cr 2 O 3 、およびSc 2 O 3 のいずれか1種以上の混合導電性被膜で覆われたMg酸化物焼結体粒子と、イオン導電性を有する酸化物焼結体粒子とを含むことを特徴とする固体酸化物型電気化学セル。 - 前記イオン導電性を有する焼結体が、Y2O3もしくはSc2O3で安定化させたZrO2系材料、Sm2O3をドープしたCeO2、Gd2O3をドープしたCeO2、Y2O3をドープしたCeO2より選ばれる少なくとも一種であり、かつ前記混合導電性の膜がSm2O3をドープしたCeO2、Gd2O3をドープしたCeO2、Y2O3をドープしたCeO2より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物型電気化学セル。
- 前記水素極の集電材を接触させる面に、前記酸素イオン導電性焼結体を含むNi,Co,Fe,Cu成分からなる網目状の配線印刷を施し、前記配線印刷部と集電体とを接触させてなることを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物型電気化学セル。
- イオン導電性を有する固体酸化物電解質層を挟み、一方の面に形成された酸素極と、この一方の面に対向する他方の面に形成され、表面にNi,Co,Fe,Cuのうちの少なくとも一種から選ばれる金属微粒子を有しかつ表面が金属微粒子と、Al 2 O 3 、Cr 2 O 3 、およびSc 2 O 3 のいずれか1種以上の混合導電性被膜で覆われたMg酸化物焼結体粒子とイオン導電性を有する酸化物焼結体粒子とを含む水素極とを有する固体酸化物型電気化学セルの製造方法において、
酸化物固溶体、金属塩、および前記イオン導電性を有する焼結体の混合物を前記固体酸化物電解質層に積層する工程と、
その後、この状態で焼結させることにより前記酸化物固溶体の表面および前記イオン導電性を有する酸化物焼結体粒子の表面に前記金属塩の酸化物からなる被膜を形成する工程と、
さらに800〜1000℃で還元することで前記酸化物固溶体を前記金属微粒子が表面に露出した前記Mg酸化物焼結体に改変する工程とを具備することを特徴とする固体酸化物型電気化学セルの製造方法。 - イオン導電性を有する固体酸化物電解質層を挟み、一方の面に形成された酸素極と、この一方の面に対向する他方の面に形成され、表面にNi,Co,Fe,Cuのうちの少なくとも一種から選ばれる金属微粒子を有しかつ表面が金属微粒子と、Al 2 O 3 、Cr 2 O 3 、およびSc 2 O 3 のいずれか1種以上の混合導電性被膜で覆われたMg酸化物焼結体粒子とイオン導電性を有する酸化物焼結体粒子とを含む水素極とを有する固体酸化物型電気化学セルの製造方法において、
酸化物固溶体と金属塩の混合物を焼結することにより前記酸化物固溶体の表面に混合導電性被膜を形成する工程と、
その後前記酸化物固溶体と前記イオン導電性を有する酸化物焼結体との混合物を前記固体酸化物電解質層に積層する工程と、
その後、この状態で焼結させ、さらに800〜1000℃で還元することで前記酸化物固溶体を前記金属微粒子が表面に露出した前記Mg酸化物焼結体粒子に改変する工程とを具備することを特徴とする固体酸化物型電気化学セルの製造方法。
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