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JP2006351406A - セリアコートsofc用空気極粉末、その製造方法および空気極の製造方法 - Google Patents

セリアコートsofc用空気極粉末、その製造方法および空気極の製造方法 Download PDF

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玲一 千葉
Yoshitaka Tabata
嘉隆 田畑
Himeko Orui
姫子 大類
Takeshi Komatsu
武志 小松
Masayasu Arakawa
正泰 荒川
Kazuhiko Nozawa
和彦 野沢
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Abstract

【課題】製造が簡便で且つ、ペロブスカイト系酸化物を空気極に使用しセルの性能を劣化させず、通電初期化時間を短縮し、低温特性を向上させる空気極粉末の提供。
【解決手段】Aサイトにランタン系元素、Bサイトに遷移金属元素を持つペロブスカイト系酸化物(ABO)の空気極粉末の表面をセリア系電解質材料で被覆したセリアコートSOFC用空気極粉末およびセリア系電解質材料の組成に対応する無機金属塩溶液または有機金属溶液を前記空気極粉末に含浸し、これを乾燥する、または乾燥後に酸化雰囲気で熱処理することでセリア系電解質薄膜を空気極粉末の粒子の表面に形成するセリアコートSOFC用空気極粉末の製造方法、前記セリアコートSOFC用空気極粉末をスラリとし、固体電解質基板2あるいは燃料極基板上の薄膜固体電解質上に塗布し、焼成することを特徴とするSOFC用空気極1の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、SOFC(Solide Oxide Fuel Cellすなわち固体酸化物燃料電池)用空気極に関するものである。
近年、酸素イオン伝導体を用いたSOFCに関心が高まりつつある。特にエネルギーの有効利用という観点から、固体燃料電池はカルノー効率の制約を受けないため本質的に高いエネルギー変換効率を有し、さらに良好な環境保全が期待されるなどの優れた特長を持っている。
この固体電解質型燃料電池は、当初、動作温度が900℃〜1000℃と高く、全ての部材がセラミックで構成されていた。そのため、セルスタックの製造コストの低減が難しかった。ここで、動作温度を800℃以下まで低減することができれば、インターコネクタに耐熱合金材料を用いることが可能となり、製造コストの低減が可能となる。しかしながら、動作温度の低減に伴い空気極における電気化学的な抵抗、即ち過電圧が、急激に増大し出力電圧の低下を招いてしまう。
La(NiFe)Oなどニッケルと鉄をBサイトに含むペロブスカイト系酸化物は、高い電極活性を有するため、低温動作用空気極に適している。しかし、この空気極は、通電による初期化を経なければ十分な特性が得られない。この初期化のプロセスは、燃料電池セルの運転を少量の電流で開始し、電流を少しづつ増やして出力を上げるものである。特に、La(NiFe)Oなどニッケルと鉄をBサイトに含むペロブスカイト系酸化物を用いた空気極では、48時間から120時間と長い、初期化時間を要する。このような初期化のプロセスは経済的な観点からみて、なるべく短時間にしたい。
この初期化のプロセスにおいて、とくに空気極と電解質の界面に薄く形成されるとされるパイロクロア相の消失が起きていると考えられているが、この層は、低温におけるカソード特性を悪化させる。
また、ランタンガレート系電解質とペロブスカイト系空気極とは、空気極の焼成時に相互拡散により固溶体を形成し易く、出力電圧の低下につながる。
「固体酸化物燃料電池と地球環境」(株式会社アグネ承風社、1998年、P155〜176)
本発明は、製造が簡便で且つ、ペロブスカイト系酸化物を空気極に使用しセルの性能を劣化させず、通電初期化時間を短縮し、低温特性を向上させることを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明によるセリアコートSOFC用空気極粉末は、Aサイトにランタン系元素、Bサイトに遷移金属元素を持つペロブスカイト系酸化物(ABO)の空気極粉末の表面をセリア系電解質材料で被覆したことを特徴とする。
本発明の好ましい実施態様では、前記ペロブスカイト系酸化物の組成がLaNi1−XFe(X=0.3〜0.9)、または、La1−XSrFe1−YNi(X=0.1〜0.3,Y=0.1〜0.6,X+Y<0.7)、またはLa1−XSrFe1−YCo(X=0.1〜0.3,Y=0.1〜0.6,X+Y<0.7)、またはLa1−XSrCoO(X=0.1〜0.5)、であることを特徴とする。
さらに、前記セリア系電解質材料はCe1−x(x=0.1〜0.4)またはCe1−xSm(x=0.1〜0.4)またはCe1−xGd(x=0.1〜0.4)であることを特徴とする。
また、本発明によるセリアコートSOFC用空気極粉末の製造方法は、セリア系電解質材料に対応する無機金属塩溶液または有機金属溶液を前記空気極粉末に含浸し、これを乾燥する、または乾燥後に酸化雰囲気で熱処理することでセリア系電解質薄膜を空気極粉末の粒子の表面に形成することを特徴とする。
本発明によるSOFC用空気極の製造方法の一実施態様では、前記無機金属塩溶液または有機金属溶液にさらにセリア系電解質材料を添加することを特徴とする。
本発明による前述の実施態様では、前記空気極粉末と前記セリア系電解質材料粉末を予め混合し、前記無機金属塩溶液または有機金属溶液に混合することを特徴とする。
さらに前述の実施態様において、前記無機金属塩溶液または有機金属溶液由来のセリア系電解質材料の割合が、熱処理後の時点で全セリア系電解質材料の1wt%以上であることを特徴とする。
本発明の好ましい実施態様では、前記無機金属塩溶液または有機金属溶液に粒径が微細なカーボン粒子またはプラスチック造孔剤を混合することを特徴とする。
また、本発明によるSOFC用空気極の製造方法は、本発明のセリアコートSOFC用空気極粉末をスラリとし、固体電解質基板あるいは燃料極基板上の薄膜固体電解質上に塗布し、焼成することを特徴とする。
本発明は、La(NiFe)Oなどペロブスカイト系酸化物を使用した空気極からなる多孔質の空気極に、これらと反応性の低いセリア系電解質材料でこれらの粉末を予めコートすることで電極焼成時にできるジルコニアとの反応によりできるパイロクロア相の成長を抑制することで通電初期化時間を短縮させることができ、高性能な固体電解質型燃料電池用空気極を得ることに成功した。本発明はSOFCの高信頼性、高効率化に大きな貢献をなすものである。
本発明によるセリアコートSOFC用空気極粉末は、Aサイトにランタン系元素、Bサイトに遷移金属元素を持つペロブスカイト系酸化物(ABO)の空気極粉末の表面をセリア系電解質材料で被覆したことを特徴とする。
好ましいペロブスカイト系酸化物としては、その組成がLaNi1−XFe(X=0.3〜0.9)、または、La1−XSrFe1−YNi(X=0.1〜0.3,Y=0.1〜0.6,X+Y<0.7)、またはLa1−XSrFe1−YCo(X=0.1〜0.3,Y=0.1〜0.6,X+Y<0.7)、またはLa1−XSrCoO(X=0.1〜0.5)を挙げることができる。
さらに、好ましいセリア系電解質材料としては、Ce1−x(x=0.1〜0.4)またはCe1−xSm(x=0.1〜0.4)またはCe1−xGd(x=0.1〜0.4)を挙げることができる。
本発明では、ペロブスカイト系酸化物粉末の表面をこれらの材料とほとんど反応しないセリア系電解質材料薄膜で予め覆うことで、焼成時におけるジルコニア系電解質との反応、またはランタンガレート系電解質との反応を抑制する。これにより通電初期化時間を短縮させ、且つ空気極特性も向上させることができる。
空気極粉末を予めセリア系電解質材料で覆っておくだけで、これ以降のセル作製プロセスは、通常と同じ方法をとることができるので、プロセスを複雑化させないで済むという利点がある。
本発明によるセリアコートSOFC用空気極粉末の製造方法によれば、セリア系電解質材料の組成に対応する無機金属塩溶液または有機金属溶液を前記空気極粉末に含浸し、これを乾燥する、または乾燥後に酸化雰囲気で熱処理することでセリア系電解質薄膜を空気極粉末の粒子の表面に形成する。
ここで空気極粉末は、数ミクロンからサブミクロンと非常に微細であることから、これらの粒子の表面を覆うためにはさらに微細な粒子を必要とする。これには、空気極粉末をセリア系電解質材料の組成に対応する金属を含有する有機金属溶液または無機金属塩溶液に展開するなどし、全体を乾燥させることで非常に微細なセリア系電解質材料で空気極粉末の表面を覆うことができる。この方法では、空気極粉末の表面上でセリア系電解質膜を直接合成するため、空気極粉末との密着性、被覆性が非常に優れている。
上記の溶液にセリア系電解質材料の微粒子を加えることでも同様の効果が期待できるが、セリア系電解質材料(焼成後の全量)の空気極粉末に対する混合量は、60wt%を上限とすることが好ましい。これ以上の混合を行うと空気極の電子伝導性を損なうからである。
ただし、空気極を2層構造とする事で、上記制限を緩和することが可能である。電解質に近い部分は、イオン伝導体であるセリアを多くしセリアと空気極材料の接触界面長を長くすることが好ましい反面、この層は、層自体を構成している粒子径のオーダー程度以上に長くしてもイオンが流れにくくなるため界面抵抗の向上の観点からは効果は期待できない。一方、セリアを多く含む層では電子伝導性を確保しにくくなる。2層にすることで、空気極材料とセリアとの混合比の許容範囲を層ごとに設定することができる様になる。このように空気極を2層構造とする場合は電解質に近い層を1〜20μm程度とし、セリア系電解質材料の総重量を30wt%〜80wt%程度とするのがよい。また電解質に遠い10〜200μmの層では、セリア系電解質材料の総重量を40wt%以下とすることが好ましい。
上記金属溶液に微細なカーボン粒子、プラスチックなどの造孔剤を混入させることで、ペロブスカイト系の空気極微粉末同士が焼結を向上できるとともに、気孔率の向上、空気極における三相界面を増加させることができる。
上記空気極粉末であるペロブスカイト系酸化物粉末の表面をセリア系電解質薄膜で予め覆うことで、電解質と空気極との界面付近に形成されるパイロクロア相の形成を抑制するため、この層を通電により部分的に取り除くことが容易となり、通電初期化時間を短縮することができる。また、空気極粉末表面を覆ったセリア系電解質は粒径が5〜50nmの超微粒子からなっているため、焼結性が高く、空気極粉末同士の結合を高める。ところで空気極内では空気極を構成する粒子同士が電気的に結合されていなければならないが、空気極粉末粒子は、これを覆っているセリア超微粒子層が薄いことと、空気極粉末粒子同士は親和性が高いことから、比較的容易に粒同士が接合を作る。これらにより空気極の強度や伝導度の向上が期待できる。以上の結果、空気極の電気化学的な特性が向上する。
セリア系電解質材料の組成に対応する金属溶液にセリア系電解質の微粒子を加えると、セリアの混合量を比較的容易に増加させることが可能である。この場合でも、空気極表面上およびセリア系電解質粉末上にセリア系電解質膜を直接生成させることができるのでこれらの粒子同士の密着性を高めることができ、単にこれらの粒子を混合した場合よりも、より高性能な空気極とすることができる。ここで、セリア系電解質材料粒子をまず空気極粉末に乾式で混合しこれに、セリア系電解質材料の組成に対応する金属溶液を含浸してもよい。ここで溶液由来のセリア系電解質材料の粒子は非常に小さいため、微量でも高い被覆率が得られ、セリア系電解質材料による被覆効果が期待できる。ただし含浸する溶液量を低減する場合、焼成後の状態で、溶液由来の重量が全セリア系電解質材料の1wt%以上が必要で、好ましくは5wt%以上、より好ましくは10wt%以上である。
また、上記金属溶液に微細なカーボン粒子などの造孔剤を混入させることで、セリア系電解質膜の一部に穴があきペロブスカイト系の空気極粉末同士が焼結し電気的なネットワークを作ることを助けることができるので、ペロブスカイト系の空気極粉末同士の焼結を向上させることができる。この微細なカーボン粒子などの造孔剤の総重量は1wt%〜20wt%程度とし、好ましくは2〜15wt%、より好ましくは5〜10wt%とする。
ここで、上記の方法は、空気極用粉末の粒子の表面をコートするなど予め空気極粒子を修飾するだけなので、以後のセル作製プロセスを複雑化させることはない利点がある。
以下に本発明の実施例を説明する。なお、当然のことであるが本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
まずドクターブレード法で焼成した0.2mm厚でSc、Al添加ジルコニアSASZ(0.89ZrO−0.10Sc−0.01Al)固体電解質基板の片面にNiO−8YSZ(0.92ZrO−0.08Y)のスラリ(平均粒径が約0.6μmの10mol%、Y添加ジルコニア粉末、平均粒径が約0.2μmのNiO粉末が60wt%)をスクリーンプリント法で塗布したのち白金メッシュ集電体を乗せて、1400℃、8時間空気中で焼成し、厚さ60μmの燃料極を設けた。
次にその裏面に粒径1.0μmのLNF(LaNi0.6Fe0.4)空気極のスラリを塗布し白金メッシュ集電体を乗せて、1000℃、2時間の条件で焼成し、厚さ60μmの空気極とした。燃料極、空気極ともに10mm径とした。この比較例であるところの燃料電池セルをセル#1−0−0とする。このセルの模式図を図1に示す。図中、1は空気極、2は電解質、3は参照極であり、燃料極は空気極1の形成されている電解質2の裏側に同じ形状として設けられているため、図示されていない。
セル#1−0−0において、LNFに代えてLSF(La0.8Sr0.2FeO)、LSFC(La0.8Sr0.2Fe0.8Co0.2)、LSC(La0.8Sr0.2CoO)粉末を用いたセル#1−2−0〜セル#1−4−0を比較例とする。
次に、上記空気極用スラリにおいて、LNF粉末にYDC(Ce0.80.2)に対応するカチオンを含む酢酸塩水溶液を含浸させ、これを200℃で乾燥させた。この粉末へさらに上記の水溶液を含浸させたのち乾燥させ、この作業を合計4回行った後、500℃で空気中で焼成し、有機物成分を取り除いた。
これにより、LNF空気極粉末表面へYDCの超微粒子を被覆させることができた。この粉末をエチレングリコールへ展開してカソード用のスラリを用意した。これを用いて空気極を比較例と同じ条件で作製しセル#1−0−3および、セル#1−1−1〜セル#1−4−1とした。また、YDCに代えてSDC(Ce0.8Sm0.2)、GDC(Ce0.8Gd0.2)に対応する組成の溶液を使用してLNF粉末表面を被覆したカソードを持つセル#1−0−1、セル#1−0−2を作製した。
ここで、燃料極には室温加湿水素ガスを用い、空気極1には酸素を用いた。開放起電力としては、800℃で1.13V以上の値が得られた。電極性能の指標である界面抵抗を交流インピーダンス法で測定した。ここでは、参照極3を図1に示すように取ることができるため、空気極1の界面抵抗値を分離して測定することができた。すなわち、5mV程度の電圧がかかるように、微少交流電流を燃料極と空気極1間にかけ、空気極1と参照極3間に現れる電圧の応答をインピーダンス測定器に入力し、その周波数応答性から界面抵抗値を求めた。ここで、参照極の雰囲気は空気極と同じ酸素ガスとした。
電流値を一定(200mA/cm)とし、通電前と、24時間通電後、そして72時間通電後のインピーダンス測定器によって計測した開放起電力条件における界面抵抗値を比較し、通電初期化速度を評価した。その結果を表1の#1−0−0〜#1−4−1に示す。セル#1−0−1〜#1−3−1は比較例であるセル#1−0−0、セル#1−2−0、セル#1−3−0、セル#1−4−0、に比べて、初期の電極特性が優れており、また、24時間の通電によりさらに大きな改善が見られた。これはYDCの添加によりパイロクロア相の形成が抑制されたものと考えられる。YDCの添加量を増やすと初期特性は大きく改善される。
このようにセルを通電初期化時間を短縮し、また最終的な特性についても向上させることができた。
Figure 2006351406
実施例1の比較例であるセル#1−0−0において、電解質と燃料極については、ドクターブレード法により作製した電解質と燃料極のシートを張り合わせ、これを1300℃で焼成することで、燃料極支持型のハーフセルを作製し、この上に実施例1と同様にLNF空気極を焼き付けることで作製した。このセルを実施例2の比較例であるセル#2−0−0とし、その模式図を図2に示す。燃料極基板4に薄膜固体電解質5が積層され、その薄膜固体電解質5に空気極6が積層された構造になっている。図中、7は電流線、8は電圧線である。
次に、空気極については実施例1と同様に予め空気極粉末(LNF)へセリア系電解質材料であるYDCの含浸処理を行ったが、LNF粉末はこの処理を行う前に同じ組成のYDC粉末と乾式混合を行った。YDC粉末と含浸溶液のYDC量については表2に示す様に変化させ、セル#2−1−1〜#2−3−3を作製した。そして、これらのセルを用いて実施例1と同様の試験を行った。これらの結果を表2に示す。ここで、界面抵抗は、燃料極と空気極との間で測定したため、空気極の界面抵抗と燃料極の界面抵抗を合計した値となっている。しかし、空気極の界面抵抗がほとんどを占めるほど大きいことが、実施例1のセルで明らかであることから、この界面抵抗値は実質的に空気極の値と言ってよい。
実施例2のセル#2−1−1〜#2−3−3は、いずれのセルも比較例であるセル#2−0−0に比べ、通電初期化速度が速く、また、最終的な特性にも優れている。これは、YDCの添加により通電初期化特性が改善されたためと考えられる。
次に、上記の空気極について、さらにYDCの量を変化させた空気極粉末原料をスラリとして用いて第一空気極層を作製し、この上に比較例と同じ組成の第二空気極を塗布し焼成を行ったセルである、セル#2−4−1、#2−4−2を作製した。セル#2−4−1〜#2−4−2は比較例であるセル#2−0−0に比べ、通電初期化速度、最終的な特性についても同等もしくは、良好な特性が得られた。
Figure 2006351406
実施例2の比較例であるセル#2−2−2において、空気極用スラリに粒径が0.1〜0.8μmの微細なカーボン粒子を混入させた後、YDCに対応する硝酸塩水溶液を含浸させ、このあと実施例2と同様に乾燥後にスラリを作製し、実施例2と同様に空気極を塗布し焼成を行った。これらの空気極におけるLNFとYDCそしてカーボン粒子の混合比は表3の通りである。これらのセル#3−1−1〜#3−2−1について実施例2と同様の測定を行った。これらの結果を表3に示す。セル#3−1−1〜#3−2−1は比較例であるセル#2−2−2に比べ、通電初期化速度、最終的な特性についても同等もしくは、良好な特性が得られた。
Figure 2006351406
実施例1の比較例であるセル#1−0−0において、固体電解質を0.5mm厚のランタンガレートLSGM(La0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.2)とし、まず、Ni−SDC燃料極(Niが60wt%)を1100℃で焼き付けた後、その裏面に空気極を設けた。ここで、空気極はLSFC粉末にSDC粉末を乾式混合させた後、実施例1と同様にSDC溶液を含浸、乾燥させ、実施例2と同様の方法でスラリを作製しこれをLSGM電解質上に塗布し、1000℃で焼成し空気極とした。実施例4における比較例としてセル#4−0−0を作製したが、このセルの空気極はLSFC粉末のみを用いたスラリを塗布して作製している。
SDC粉末と含浸溶液のSDC量については表4に示す様に変化させ、セル#4−1−1〜#4−3−3を作製した。そして、これらのセルを用いて実施例1と同様の試験を行った。これらの結果を表4に示す。
実施例4のセル#4−1−1〜#4−3−3は、いずれのセルも比較例であるセル#4−0−0に比べ、通電初期化速度が速く、また、最終的な特性にも優れている。これは、SDCの添加により通電初期化特性が改善されたためと考えられる。
Figure 2006351406
本発明は、低温動作時にも特性劣化の小さいSOFCの空気極に関するものである。従来のペロブスカイト系酸化物を空気極に用いると、電極を活性化するための初期化に時間を要する、また初期化に伴い特性劣化を生むなどの課題があった。本発明では、ペロブスカイト系酸化物粉末の表面をセリア系電解質薄膜で覆った空気電極を用いることで、通電初期化時間が短縮できるばかりでなく、電極の電気化学特性も向上できる。
実施例1、4における自立膜型単セルの模式図。 実施例2、3における支持膜型燃料電池セルの模式図。
符号の説明
1 空気極
2 電解質
3 参照極
4 燃料極基板
5 薄膜固体電解質
6 空気極
7 電流線
8 電圧線

Claims (9)

  1. Aサイトにランタン系元素、Bサイトに遷移金属元素を持つペロブスカイト系酸化物(ABO)の空気極粉末の表面をセリア系電解質材料で被覆したことを特徴とするセリアコートSOFC用空気極粉末。
  2. 前記ペロブスカイト系酸化物の組成がLaNi1−XFe(X=0.3〜0.9)、または、La1−XSrFe1−YNi(X=0.1〜0.3,Y=0.1〜0.6,X+Y<0.7)、またはLa1−XSrFe1−YCo(X=0.1〜0.3,Y=0.1〜0.6,X+Y<0.7)、またはLa1−XSrCoO(X=0.1〜0.5)、であることを特徴とする請求項1記載のセリアコートSOFC用空気極粉末。
  3. 前記セリア系電解質材料はCe1−x(x=0.1〜0.4)またはCe1−xSm(x=0.1〜0.4)またはCe1−xGd(x=0.1〜0.4)であることを特徴とする請求項1又は2記載のセリアコートSOFC用空気極粉末。
  4. セリア系電解質材料の組成に対応する無機金属塩溶液または有機金属溶液を前記空気極粉末に含浸し、これを乾燥する、または乾燥後に酸化雰囲気で熱処理することでセリア系電解質薄膜を空気極粉末の粒子の表面に形成することを特徴とするセリアコートSOFC用空気極粉末の製造方法。
  5. 前記無機金属塩溶液または有機金属溶液にさらにセリア系電解質材料を添加することを特徴とする請求項4記載のセリアコートSOFC用空気極粉末の製造方法。
  6. 前記空気極粉末と前記セリア系電解質材料粉末を予め混合し、前記無機金属塩溶液または有機金属溶液に混合することを特徴とする請求項4又は5記載のセリアコートSOFC用空気極粉末の製造方法。
  7. 前記無機金属塩溶液または有機金属溶液由来のセリア系電解質材料の割合が、熱処理後の時点で全セリア系電解質材料の1wt%以上である請求項5又は6記載のセリアコートSOFC用空気極粉末の製造方法。
  8. 前記無機金属塩溶液または有機金属溶液に粒径が微細なカーボン粒子またはプラスチック造孔剤を混合することを特徴とする請求項4から7記載のいずれかのセリアコートSOFC用空気極粉末の製造方法。
  9. 請求項1のセリアコートSOFC用空気極粉末をスラリとし、固体電解質基板あるいは燃料極基板上の薄膜固体電解質上に塗布し、焼成することを特徴とするSOFC用空気極の製造方法。
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