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JP5023771B2 - 積層電子部品 - Google Patents

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Description

本発明は、電極層と誘電体層が交互に積層された、積層セラミックコンデンサなどの電子部品に係り、さらに詳しくは、静電容量特性をほとんど損なうことなく機械的強度を向上させた積層電子部品に関する。
電子部品としての積層セラミックコンデンサは、小型、大容量、高信頼性の電子部品として様々な用途に利用されている。従って、積層セラミックコンデンサが使用される温度環境も多岐にわたっている。例えば、自動車のエンジンルーム内に搭載するエンジン電子制御ユニット(ECU)、クランク角センサ、アンチロックブレーキシステム(ABS)などの各種電子装置が置かれる温度環境は、−20℃程度から+130℃程度の広範囲にわたり、各種電子部品に設置される電子部品も広範な温度環境に曝されることとなる。
これらの電子装置に用いられるコンデンサ等の電子部品は、静電容量の温度依存性が、広い範囲において平坦である等の電気的特性に加えて、低温から高温までの繰り返し熱衝撃に耐えうる機械的強度が求められる。
セラミックコンデンサ等の積層電子部品の機械的強度を向上させる従来技術としては、例えば引用文献1に記載されるものが挙げられる。特許文献1に代表されるような従来技術は、セラミックコンデンサの誘電体層内に針状の2次相を形成したものであり、セラミックグレイン間の境界相の強度向上に寄与するものである。
しかしながら従来技術は、積層セラミックコンデンサの機械的強度に重大な影響を及ぼす電極層と誘電体層間の剥離強度の向上にはほとんど寄与せず、その強度向上効果は不十分なものであった。さらに、いたずらに2次相の含有率を増加させると、積層セラミックコンデンサの静電容量等が劣化するという弊害を有している。
特開平8−22929号公報
本発明の目的は、静電容量などの電気的特性をほとんど損なうことがなく、機械的強度を向上させた積層電子部品を提供することである。
上記目的を解決するため、本発明に係る積層電子部品は、
内部電極層と誘電体層とが交互に積層された電子部品であって、
前記誘電体層は針状粒子を有し、
前記針状粒子は対向する前記内部電極層にブリッジをかけるように配置され、
前記針状粒子が、前記対向する前記内部電極層の少なくとも一方の内部電極層に食い込んでいることを特徴とする。
本発明の誘電体層内にある針状粒子は、内部電極層にブリッジをかけるように配置され、前記針状粒子が内部電極層に食い込んでいる。したがって針状粒子が電極層と誘電体層を支持し、特に誘電体層と電極層との境界部で発生する剥離(いわゆるデラミネーション)を防止することができる。また、このような構造を有する針状粒子は、少量であっても効果的に積層電子部品の強度を向上させるため、前記針状粒子の存在によって、積層電子部品の電気的特性をほとんど損なうことがない。
また、例えば本発明に係る積層電子部品において、
前記針状粒子が、前記対向する前記内部電極層の少なくとも一方の内部電極層を貫通してあっても良い。
電極層を貫通した針状粒子は、より強固に電極層と誘電体層を支持するため、さらに積層電子部品の機械的強度を向上させる。
また、例えば本発明に係る積層電子部品において、
前記誘電体層は、少なくともMg酸化物とSiを含み、
前記誘電体層に含まれるMgとSiのモル比がMg/Si≧2であっても良い。
誘電体層内におけるMgとSiのモル比をMg/Si≧2とすることによって、内部電極層間に確実にブリッジをかけることが可能になり、積層セラミックコンデンサ等の電子部品の電気的特性をほとんど損なわずに、機械的強度を向上させることができる。なお本発明において針状粒子とは、長さ/幅≧2.0である粒子をいうものとする。
発明の実施の形態
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る積層電子部品である積層セラミックコンデンサの断面図、
図2は本発明の実施例1に係る積層セラミックコンデンサの断面図、
図3は本発明の実施例2に係る積層セラミックコンデンサの断面図、
図4は本発明の比較例1に係る積層セラミックコンデンサの断面図、
図5は本発明の比較例2に係る積層セラミックコンデンサの断面図である。
積層セラミックコンデンサ
図1に示されるように、本発明の一実施形態に係る積層電子部品である積層セラミックコンデンサ1は、誘電体層2と内部電極3とが交互に積層された構成のコンデンサ素子本体10を有する。このコンデンサ素子本体10の両端部には、素子本体10の内部で交互に配置された内部電極層3と各々導通する一対の外部電極4が形成してある。コンデンサ素子本体10の形状に特に制限はないが、通常、直方体状とされる。また、その寸法にも特に制限はなく、用途に応じて適当な寸法とすればよい。
内部電極層3は、各端面がコンデンサ素子本体10の対向する2端部の表面に交互に露出するように積層してある。一対の外部電極4は、コンデンサ素子本体10の両端部に形成され、交互に配置された内部電極層3の露出端面に接続されて、コンデンサ回路を構成する。
誘電体層2
誘電体層2は、好ましくは焼成時に針状結晶8を生成する誘電体磁器組成物を含有する。焼成時に針状結晶8を生成する誘電体磁器組成物としては、例えば、主成分であるBaTiOと、MgO,CaO,BaO,SrOおよびCrから選択される少なくとも1種を含む第1副成分と、SiOを含むガラス成分、好ましくは、(Ba,Ca)SiO2+x(ただし、x=0.8〜1.2)で表される第2副成分と、V,MoOおよびWOから選択される少なくとも1種を含む第3副成分と、を有するものが挙げられる。この誘電体磁器組成物には、針状結晶8を生成させるために、必要に応じて、R1の酸化物(ただし、R1はSc,Er,Tm,YbおよびLuから選択される少なくとも1種)を含む第4副成分、および/または、R2の酸化物(ただし、R2はY、Dy、Ho、Tb、GdおよびEuから選択される少なくとも一種)を含む第5副成分が含まれる。
上記組成における主成分であるBaTiOに対する上記各副成分の比率は、積層セラミックコンデンサに求められる特性に応じて適当な値を取ることができる。一例を挙げれば、BaTiO100モルに対し、
第1副成分:0.1〜3モル、
第2副成分:2〜10モル、
第3副成分:0.01〜0.5モル、
第4副成分:0〜7モル(好ましくは0.5〜7モル)、
第5副成分:0〜9モル(好ましくは2〜9モル)
である。また第1副成分としてMgOを選択した場合において、MgとSiのモル比をMg/Si≧2とすることによって、好ましい誘電体特性を得ることができる。
本明細書では、主成分および各副成分を構成する各酸化物を化学量論組成で表しているが、各酸化物の酸化状態は、化学量論組成から外れるものであってもよい。ただし、各副成分の上記比率は、各副成分を構成する酸化物に含有される金属量から上記化学量論組成の酸化物に換算して求める。
上記各副成分の含有量の限定理由は以下のとおりである。
第1副成分(MgO,CaO,BaO,SrOおよびCr)の含有量が少なすぎると、容量温度変化率が大きくなってしまう。一方、含有量が多すぎると、焼結性が悪化する。なお、第1副成分中における各酸化物の構成比率は任意である。
第2副成分[(Ba,Ca)x SiO2+x ]中のBaOおよびCaOは第1副成分にも含まれるが、複合酸化物である(Ba,Ca)x SiO2+xは融点が低いため主成分に対する反応性が良好なので、本発明ではBaOおよび/またはCaOを上記複合酸化物としても添加する。第2副成分の含有量が少なすぎると、容量温度特性が悪くなり、また、IR(絶縁抵抗)が低下する。一方、含有量が多すぎると、誘電率の急激な低下が生じてしまう。(Ba,Ca)x SiO2+xにおけるxは、好ましくは0.8〜1.2であり、より好ましくは0.9〜1.1である。xが小さすぎると、すなわちSiOが多すぎると、主成分のBaTiOと反応して誘電体特性を悪化させてしまう。一方、xが大きすぎると、融点が高くなって焼結性を悪化させるため、好ましくない。なお、第2副成分においてBaとCaとの比率は任意であり、一方だけを含有するものであってもよい。
第3副成分(V,MoOおよびWO)は、キュリー温度以上での容量温度特性を平坦化する効果を示す。第3副成分の含有量が少なすぎると、このような効果が不十分となる。一方、含有量が多すぎると、IRが著しく低下する。なお、第3副成分中における各酸化物の構成比率は任意である。
第4副成分(R1の酸化物)は、キュリー温度を高温側へシフトさせる効果と、容量温度特性を平坦化する効果とを示す。第4副成分の含有量が少なすぎると、このような効果が不十分となり、容量温度特性が悪くなってしまう。一方、含有量が多すぎると、焼結性が悪化する傾向にある。第4副成分のうちでは、特性改善効果が高く、しかも安価であることから、Yb酸化物が好ましい。
第5副成分(R2の酸化物)は、第4副成分(R1の酸化物)と共に添加することで、得られる誘電体磁器組成物の機械的強度が十分に向上する。また、第5副成分は、IRを改善する効果を示し、容量温度特性への悪影響も少ない。ただし、R2の酸化物の含有量が多すぎると、焼結性が悪化する傾向にある。第5副成分のうちでは、特性改善効果が高く、しかも安価であることから、Y酸化物が好ましい。
第4副成分および第5副成分の合計の含有量は、主成分であるBaTiO100モルに対し、好ましくは13モル以下(ただし、第4副成分および第5副成分のモル数は、R1およびR2単独での比率である)である。焼結性を良好に保つためである。
また、本発明の誘電体磁器組成物には、第6副成分として、さらにMnOが含有されていてもよい。この第6副成分は、焼結を促進する効果と、IRを高くする効果とを示す。このような効果を十分に得るためには、BaTiO100モルに対する第6副成分の比率が0.01モル以上であることが好ましい。ただし、第6副成分の含有量が多すぎると容量温度特性に悪影響を与えるので、好ましくは0.5モル以下とする。
また、本発明の誘電体磁器組成物中には、上記各酸化物のほか、Alが含まれていてもよい。Alは容量温度特性にあまり影響を与えず、焼結性、IRを改善する効果を示す。ただし、Alの含有量が多すぎると焼結性が悪化してIRが低くなるため、Alは、好ましくは、BaTiO100モルに対して1モル以下、さらに好ましくは、誘電体磁器組成物全体の1モル以下である。
なお、Sr,ZrおよびSnの少なくとも1種が、ペロブスカイト構造を構成する主成分中のBaまたはTiを置換していても良い。また特に第1副成分としてMgOを選択した場合において、MgとSiのモル比をMg/Si≧2とすることによって、好ましい誘電体特性を得ることができる。
ただし、本願発明に用いられる誘電体磁器組成物は上記のものに限られない。
図2に示すように、誘電体層2は、上述したような誘電体磁器組成物で構成される誘電体粒子6と粒界とで主に構成され、針状結晶8も生成される。針状結晶8は、誘電体材料粒子の構成や焼成条件等によって組成が変動し、特に限定されないが、たとえばBaTi1330、BaTi1740またはTi成分が多く含まれるBa-Ti-Mg-Ni-Cr相等の析出物であると考えられる。
内部電極層3
内部電極層3に含有される導電材は特に限定されないが、たとえばNiまたはNi合金を用いることができる。Ni合金としては、Mn,Cr,CoおよびAlから選択される1種以上の元素とNiとの合金が好ましく、合金中のNi含有量は95重量%以上であることが好ましい。
外部電極4
外部電極4に含有される導電材は特に限定されないが、本発明では安価なNi,Cuや、これらの合金を用いることができる。
外部電極の厚さは用途等に応じて適宜決定されればよいが、通常、10〜50μm程度であることが好ましい。
積層セラミックコンデンサの製造方法
本発明の一実施形態に係る積層電子部品である積層セラミックコンデンサは、ペースト法を用いた通常の印刷法やシート法によりグリーンチップを作製し、これを焼成した後、外部電極を印刷または転写して焼成することにより製造される。以下、製造方法について具体的に説明する。
誘電体層用ペーストは、誘電体原料と有機ビヒクルとを混練した有機系の塗料であってもよく、水系の塗料であってもよい。
誘電体原料には、上記した酸化物やその混合物、複合酸化物を用いることができるが、その他、焼成により上記した酸化物や複合酸化物となる各種化合物から適宜選択し、混合して用いることができる。
有機ビヒクルとは、バインダを有機溶剤中に溶解したものである。有機ビヒクルに用いるバインダは特に限定されず、エチルセルロース、ポリビニルブチラール、アセトン、トルエン等の各種有機溶剤から適宜選択すればよい。
また、誘電体層用ペーストを水系の塗料とする場合には、水溶性のバインダや分散剤などを水に溶解させた水系ビヒクルと、誘電体原料とを混練すればよい。水系ビヒクルに用いる水溶性バインダは特に限定されず、例えば、ポリビニルアルコール、セルロース、水溶性アクリル樹脂などを用いればよい。
内部電極用ペーストは、導電体粒子、あるいは焼成後に導電体粒子となる各種酸化物、有機金属化合物、レジネート等と、上記した有機ビヒクルを混練して調整する。内部電極用ペーストには、共材粒子をさらに添加することが好ましい。共材粒子としては、誘電体層に含有される組成物と同一または近似する組成物の粉末が用いられる。外部電極用ペーストは、上記した内部電極用ペーストと同様に調整すればよい。共材粒子の粒径としては、特に限定されないが、内部電極層の厚み(d)に対して、3〜30%の粒径であることが好ましい。共材粒子の添加量は、特に限定されないが、導電帯粒子100重量部に対して5〜30重量部であることが好ましい。このように共材粒子の粒径および添加量を制御することで、針状粒子を内部電極層に食い込ませることが容易になる。
上記した各ペースト中の有機ビヒクルの含有量に特に制限はなく、通常の含有量、例えば、バインダは1〜5重量%程度、溶剤は10〜50重量%程度とすればよい。また、各ペースト中には、必要に応じて各種分散材、可塑剤、誘電体、絶縁体等から選択される添加物が含有されてもよい。これらの総含有量は、10重量%以下とすることが好ましい。
印刷法を用いる場合、誘電体用ペーストおよび内部電極用ペーストを、PET等の基板上に積層印刷し、所定形状に切断した後、基板から剥離してグリーンチップとする。
また、シート法を用いる場合、誘電体層用ペーストを用いてグリーンシートを形成し、この上に内部電極用ペーストを印刷した後、これらを積層してグリーンチップとする。
焼成前に、グリーンチップに脱バインダ処理を施す。脱バインダ処理は、通常の条件で行えばよいが、内部電極層の導電材にNiやNi合金等の卑金属を用いる場合、特に下記の条件で行うことが好ましい。
昇温速度:5〜300℃
保持温度:180〜400℃
温度保持時間:0.5〜24時間
雰囲気:空気中。
グリーンチップ焼成時の雰囲気は、内部電極用ペースト中の導電材の種類に応じて適宜決定されればよいが、導電材としてNiやNi合金等の卑金属を用いる場合、焼成雰囲気中の酸素分圧は、10−8〜10−15気圧とすることが好ましい。酸素分圧が前記範囲未満であると、内部電極層の導電材が異常焼成を起こし、途切れてしまうことがある。また、酸素分圧が前記範囲を超えると、内部電極層が酸化する傾向にある。
また、焼成時の保持温度は、好ましくは1000〜1400℃、より好ましく1100〜1380℃である。保持温度が前記範囲未満であると緻密化が不十分となり、前記範囲を超えると、内部電極層の異常焼結による電極の途切れや、内部電極層構成材料の拡散による容量温度特性の悪化、誘電体磁器組成物の還元が生じやすくなる。
焼成時における上記の保持温度での保持時間は、好ましくは0.5〜10時間、より好ましくは2〜8時間、さらに好ましくは4〜6時間である。保持時間を上記範囲とすることで、内部電極層の間にブリッジをかけるような針状粒子を生成することができる。
上記条件以外の各種条件は下記から選択することが好ましい。
昇温速度:50〜500℃/時間
冷却速度50〜500℃/時間
なお、焼成雰囲気は還元性雰囲気とすることが好ましく、雰囲気ガスとしては、例えば、NとHとの混合ガスを加湿して用いることが好ましい。
還元性雰囲気中で焼成した場合、コンデンサ素子本体にはアニールを施すことが好ましい。アニールは、誘電体層を再酸化するための処理であり、これによりIR寿命を著しく長くすることができるので、信頼性が向上する。
アニール条件は下記から選択することが好ましい。
酸素分圧:10−9気圧以上、特に10−6〜10−9気圧
保持温度:1100℃以下、特に500℃〜1100℃
温度保持時間:0〜20時間
冷却速度:50〜500℃/時間
なお、雰囲気ガスには、加湿したNガス等を用いることが好ましい。
脱バインダ処理、焼成およびアニールは、連続して行っても、独立に行ってもよい。
上記のようにして得られたコンデンサ素子本体に、例えばバレル研磨やサンドブラストなどにより端面研磨を施し、外部電極用ペーストを印刷または転写して焼成し、外部電極4を形成する。外部電極用ペーストの焼成条件は、例えば、加湿したNとHとの混合ガス中で600〜800℃にて10分間〜1時間程度とすることが好ましい。そして、必要に応じ、外部電極4表面に、めっき等により被覆層を形成する。
このようにして製造された本発明の積層セラミックコンデンサは、ハンダ付等によりプリント基板上などに実装され、各種電子機器等に使用される。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
たとえば、上述した実施形態では、本発明に係る積層電子部品として積層セラミックコンデンサを例示したが、本発明に係る積層電子部品としては、積層セラミックコンデンサに限定されず、請求項に記載された針状粒子を有する積層電子部品であれば何でも良い。
また本発明では、針状粒子としては、上述した針状結晶8に限らず、その他の非結晶の針状析出物を含む。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
実施例1
(積層型セラミックコンデンサの作製)各実施例および比較例では、誘電体磁器組成物の主成分をBaTiOとし、第1副成分としてMgO、第2副成分としてBaSiO、第3副成分としてV5、第4副成分としてYb、第5副成分としてYを用い、下記の組成量となるように秤量し、ボールミルにて湿式混合し、乾燥させ誘電体材料とした。各成文の比率は、BaTiO100モルに対し、
MgO:1.9モル、
BaSiO:0.5モル、
:0.08モル、
Yb:0.21モル、
:0.54モル
とした。Mg/Siは3.8であり、2以上であった。
誘電体用ペーストについては、上記誘電体原料(主成分+副成分)100重量部とアクリル樹脂4.8重量部、塩化メチレン40重量部、酢酸エチル20重量部、ミネラルスピリット6重量部、アセトン4重量部をボールミルで混合し、ペースト化した。
内部電極用ペーストについては、平均粒子径0.2〜0.8μmのニッケル粒子100重量部と、有機ビヒクル(エチレンセルロース樹脂8重量部をブチルカルビトール92重量部に溶解したもの)40重量部と、ブチルカルビトール10重量部とを混練しペースト化した。
実施例1では、上記内部電極用ペーストに、粒径約0.1μmの共材粒子20重量部をさらに添加した。
上述した誘電体用ペーストを用いてPETフィルムにグリーンシートを形成し、この上に内部電極用ペーストを印刷した後、PETフィルムからグリーンシートを剥離した。こうして得られたグリーンシートを積層し、加圧圧着してグリーンチップを作製した。
このグリーンチップを所定サイズに切断し、脱バインダ処理、焼成、アニールを行って積層セラミック焼成体を得た。各焼成体試料の誘電体層の厚みは約1.5μm、内部電極の厚みは1.0μmであった。
次いで、この積層セラミック焼成体の端面をサンドブラストにて研磨した後、外部電極用ペーストを端面に転写し、加湿した窒素ガス及び水素ガス雰囲気中において、800℃にて10分間焼成して外部電極を形成し、積層セラミックスコンデンサ試料を得た。
脱バインダ処理は、以下に示す条件で行った。
昇温速度:20℃/時間、
保持温度:240℃、
温度保持時間:6時間、
雰囲気:空気。
焼成は、以下に示す条件で行った。
昇温速度:200℃/時間、
保持温度:1250℃、
温度保持時間:2時間
冷却速度:200℃/時間、
焼成雰囲気:加湿したNとHとの混合ガスを使用、
酸素分圧:10−11 気圧。
アニールは、以下に示す条件で行った。
保持温度:1050℃、
温度保持時間:2時間、
冷却速度:200℃/時間、
アニール雰囲気:加湿したNガスを使用、
酸素分圧:10−7気圧。
このようにして得られた積層セラミックコンデンサについて、下記の試験を行った。試験結果を表1に示す。
Figure 0005023771
(試験)剥離力については、セラミックコンデンサの積層方向への剥離力を、引張強度試験機にて測定した。表1に示す剥離力の値は、各例に対して10サンプルの試験を行った平均値である。デラミネーションは、焼上げ素地を研磨して積層状態を目視にて観察し、デラミネーションの有無を確認したものである。デラミネーションの有無の確認は各100サンプルについて行い、デラミネーションが確認されたサンプル数をカウントした。クラック発生率は、得られた各コンデンサ試料について、焼上げ素地を研磨し、積層状態を目視にて観察し、素地クラックの有無を確認した。素地クラックの有無の確認は、各10000サンプルについて行った。外観検査の結果、各10000サンプルに対する、素地クラックが発生したサンプルの割合を算出することにより、クラック発生率を求めた。静電容量は、各10サンプルに対し、基準温度25℃でデジタルLCRメータにて、周波数1kHz,入力信号レベル(測定電圧)1Vrmsの条件下で測定した平均値である。
実施例2
実施例2では、内部電極用ペーストに添加する共材粒子の粒径を、約0.1μmとし、添加量を0.5重量部に変更し、焼成時間を8時間に変更した以外は実施例1と同様にして、コンデンサを作製し、同様な試験を行った。試験結果を表1に示す。
比較例1
比較例1では、内部電極用ペーストに添加する共材粒子の粒径を、0.2μmとし、焼成時間を2時間に変更した以外は、実施例1と同様にして、コンデンサを作製し、同様な試験を行った。試験結果を表1に示す。
比較例2
比較例2では、焼成時間を8時間に変更した以外は、比較例1と同様にして、コンデンサを作製し、同様な試験を行った。試験結果を表1に示す。
比較例3
比較例3では、第2副成分であるMgOの添加量を0.8モル、第3副成分であるBaSiOの添加量を0.5モルにそれぞれ変更し、Mg/Siが2未満とした以外は、比較例1と同様にして、コンデンサを作製し、同様な試験を行った。試験結果を表1に示す。
評価
図2は実施例1に係る積層セラミックコンデンサ1の断面図である。図4または図5の比較例に対して誘電体層2内に生成された針状結晶8が大きく成長しており、いくつかの針状結晶8が、対向する内部電極層3にブリッジをかけるように形成されていた。また実施例1では、いくつかの針状結晶8の結晶成長が、内部電極層3の表面で停止せず、内部電極層3に食い込んでいた。ただし、実施例1の針状粒子の結晶成長は、誘電体層2から内部電極層3に食い込んだ状態で停止しており、内部電極層3を貫通するには至っていなかった。
表1に示すように、実施例1の積層セラミックコンデンサ1の機械的強度を表す各指標は、比較例に対して大幅に改善している。特に比較例1に対して、クラック発生率は1/6に減少し、剥離力は20%程度向上している。またデラミネーションも改善しており、実施例1の積層セラミックコンデンサは、設定した規格を満足した。なお、比較例に対する誘電率の低下もみられなかった。
図3は実施例2に係る積層セラミックコンデンサの断面図である。実施例1に対して、誘電体層2内に生成された針状結晶8がさらに大きく成長していた。また、いくつかの針状結晶8が、対向する内部電極層3にブリッジをかけるように形成されおり、さらに実施例1と同様に、いくつかの針状結晶8が、内部電極層3に食い込んでいた。そのうえ実施例2におけるいくつかの針状粒子8は、結晶成長が内部電極層3の内部で停止することなく、内部電極層3を貫通していた。
表1に示すように、実施例2の積層セラミックコンデンサ1の機械的強度を表す各指標は、すべての実施例1に対してさらに向上していた。特にクラック発生率とデラミネーションは検出されなかった。剥離強度も実施例1に対してさらに20%程度改善していた。なお、比較例に対する誘電率の低下もみられなかった。
図4は比較例1に係る積層セラミックコンデンサ1の断面図である。実施例1に比べて誘電体層2内に生成された針状結晶8は小さいが、いくつかの針状結晶8は、対向する内部電極層3にブリッジをかけるように形成されていた。しかし、それらの針状結晶8は、対向する内部電極層3の表面で結晶成長が止まっており、内部電極層3に食い込むには至っていなかった。
表1に示すように、比較例1の積層セラミックコンデンサ1の機械的強度を表す各指標は実施例1または2に対して劣っており、設定した規格を満足できなかった。
図5は比較例2に係る積層セラミックコンデンサ1の断面図である。誘電体層2内に通常の誘電体粒子6に加えて針状結晶8が生成されているが、針状結晶8の成長が足りず、対向する内部電極層3を繋ぐに至っていなかった。
表1に示すように、比較例2の積層セラミックコンデンサ1の機械的強度を表す各指標は、比較例1と同様に、設定した規格を満足できなかった。
比較例3に係る積層セラミックコンデンサ1では、表1に示すように、機械的強度を表す各指標は目標値を満足するものの、静電容量は他の実施例および比較例に対して劣る結果となった。
以上に説明してきたように、本発明によれば、静電容量などの電気的特性をほとんど損なうことがなく、機械的強度を向上させた積層電子部品を提供することができる。
図1は本発明の一実施形態に係る積層電子部品である積層セラミックコンデンサの断面図である。 図2は本発明の実施例1に係る積層セラミックコンデンサの断面図である。 図3は本発明の実施例2に係る積層セラミックコンデンサの断面図である。 図4は本発明の比較例1に係る積層セラミックコンデンサの断面図である。 図5は本発明の比較例2に係る積層セラミックコンデンサの断面図である。
符号の説明
2… 誘電体層
3… 内部電極層
6… 誘電体粒子
8… 針状結晶

Claims (2)

  1. 内部電極層と誘電体層とが交互に積層された電子部品であって、
    前記誘電体層は誘電体磁気組成物で構成される誘電体粒子と、前記誘電体磁気組成物からの針状析出物である針状粒子を有し、
    前記針状粒子は対向する前記内部電極層にブリッジをかけるように配置され、
    前記針状粒子が、前記対向する前記内部電極層の少なくとも一方の内部電極層に食い込んでおり、
    前記誘電体層は、少なくともMg酸化物とSiを含み、
    前記誘電体層に含まれるMgとSiのモル比がMg/Si≧2であることを特徴とする積層電子部品。
  2. 前記針状粒子が、前記対向する前記内部電極層の少なくとも一方の内部電極層を貫通していることを特徴とする請求項1に記載の積層電子部品。
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