JP5041423B2 - ドアのロック装置 - Google Patents
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Description
そこで、特許文献1に示すように、スライドドアをその中央部のみで車両前後方向にスライド自在に支持し、サイドルーフレールやサイドシル内からスライド機構をなくしたスイングスライドドアを備えた車両が提案されている。
ところで、電動のスイングスライドドアの場合、従来はリアドア204の前側の上下2箇所のロック部Jfを連動させる1個のラッチと、後側の後側ロック部Jrのラッチとの2つのラッチをもち、それらを同時に引き込み作動、即ち、ハーフラッチよりフルラッチに切換えることでドアを閉め切っていた。
また、二個のモータが同時に作動するため作動音が大きいという問題があった。
また、単一のモータを用いその一方向の回転により、ドア前後に配備された二個のラッチを同時作動させることは可能だが、その場合はよりパワーの大きなモータが必要となり、コストアップとレイアウト性の悪化を招く。
本発明は以上のような課題に基づきなされたもので、目的とするところは、モータの正転・逆転を使って2個のラッチを1つのモータで順次作動させることで、コストダウンや装置の重量低減を図れるドアのロック装置を提供することにある。
この車両Bはセンターピラー5のある4ドアの自動車であり、左右の各前乗降口1を開閉するフロントドア2と、左右の各後乗降口3を開閉するスイングスライドドア(以後単にリアドアと記す)4とを備える。
ここで各フロントドア2は前端上下2箇所h1、h2がヒンジ結合され、回動端がセンターピラー5の上下中ほどの後ロック部Jfに不図示のラッチとストライカを用いて離脱可能にロックされる。
なお、リアドア4の外周縁部には不図示のウエザーストリップが取り付けられ、このウエザーストリップによりリアドア4が閉鎖位置D1に保持された際に、三角形状に配備されたロック部J1,J2,J3の働きを受け、後乗降口3の周縁壁面の全周に対して密に圧接でき、シール性を確保できるようにしている。
図3(a)に示すように、リアドア4に取り付けられた後ロック部J3のストライカ672は、リアピラー(後部ピラー)60bにおける前方対向壁pf(図1参照)の上下方向での中間部に形成される取り付け面kfに支持される。
更に、ハーフラッチ位置p1において、リアドア4の前側縁部の前上ロック部J1と前下ロック部J2が同時にフルラッチ状態に切換えられることで前方引き込み移動が生じ、r3の軌跡を採る。ここでのストライカ672の軸方向のずれ量はr3と同量のs2となる。
そこで、このような軌跡を考慮し、ストライカ672の取り付け角、及び、このストライカ672に噛合うラッチ671の向きを、相対摩擦の総量であるS(=s1+s2+s3)がより少なくなるように設定すべく、ここでは、閉鎖位置D1においてストライカ672とラッチ671のフォーク部qとはほぼ直交状態を確保するように設定され、ラッチ661との噛合いをスムーズに行えるようにしている。
図7〜11に示すように、ラッチ噛合い駆動手段70は駆動源となるモータ701と、モータで駆動される搖動操作部材702とを備える。
更に、図8(a),(b)に示すように、板状主部704の他端側には揺動変位伝達部材である押圧リンク706の支点となる枢軸707(図8参照)がピン結合され、その揺動端が後ロック部J3(他方側ロック部)のラッチ661に接離可能に当接し閉鎖方向の押圧力を伝達するよう形成される。
図3(a),(b)に示すように、噛合い方向の押圧力を受けたラッチ661のフォークqはラッチ軸qs回りに回動し、対向するストライカ672に噛合い、所定量以上の噛合いに応じて、不図示の戻り止め爪が係合し、ストライカ662の噛合い状態を保持する。
即ち、前上ロック部J1のラッチ661内のフォークqは不図示のラッチ軸に枢支され、フォークqの他端側のアーム端に同軸ケーブル705が連結され、同軸ケーブル705からの張力に応じて噛合い回りに回動し、対向するストライカ662に噛合い、係合し、ストライカ662との噛合い状態を保持する。
図1、4,5に示すように、リアドア4のドア開閉装置の要部を成すスイングスライドユニットUは車体の後乗降口3に沿って配備されたリアピラー60における上下方向での中間部近傍に形成された取り付け凹部Tに取り付けられる。
図6、12に示すように、スイングスライドユニットUの基部であるベース部材15は車体側壁の固定部材を成しており、平行リンク16の基端部と、ドア荷重支持アーム18の基端部と、同ドア荷重支持アーム18(図4参照)に支持されたワイヤーハーネス20の車体側配線部20bと、開閉駆動機構19のケーブルエンドpoe、pce等が取り付けられる。
上部縦柱部152はドア荷重支持アーム18における第1支持アーム44の第1枢支端(基端)が縦ピン43を介して枢支される基端ボス部41を備える。
基端ボス部41の一側にはコ字型締結ブラケット53が重ねられ、相互にボルト止めされる。
図4に示すように、リアドア4のアウターパネル401とドア内空間を介して配備されるインナーパネル402とは互いの前後及び下部の外周縁部が相互に一体接合処理され、両パネルの上方周縁部間には開口が形成され、ここに不図示のドアガラスの支持部材のサッシュ55が装着される。
図4,12に示すように、平行リンク16の上方に取り付けられるドア荷重支持アーム18は、車体側に枢支されたベース部材15の上部の上部縦柱部152に形成された基端ボス部41に第1縦ピン43を介して第1支持アーム44の第1枢支端(基端)441が枢支される。第1支持アーム44の回動端には第2縦ピン62を介して第2支持アーム61の第2枢支端(基端部)611が枢支され、その他端である第2支持アームの揺動端612がリアドア4の重心位置近傍のドア側枢支部37を第3縦ピン36を介して枢支している。このようなドア荷重支持アーム18によって、リアドア4の重心部の荷重を常にベース部材15に伝達できる。
スライダー24は後アーム32の揺動端を揺動可能にピン結合する後連結ピン245と、下基板241bの前よりの下向き壁より下方に延び前アーム31の揺動端を揺動可能にピン結合する前連結ピン246とを備える。これによって、スライダー24が並行リンクにより搖動すると共にスライダー24の前後ローラ23f、23rに対してドア支持レール22が前後方向Xに容易に摺動できる。
次に、リアドア4には開閉駆動機構19が配備される。
図5、12に示すように、開閉駆動機構19はリアドア4を駆動源を成すモータ101、巻き取りドラム46の回転力で閉鎖載置D1より突出し位置D2を介して全開位置D3へと移動する機能を備える。
コントローラ30がドア開指令を受ける前において、リアドア4が閉鎖位置D1(図1、図5(a))参照)に保持されている。
その際、リアドア(スイングスライドドア)4側の前上ロック部J1と前下ロック部J2と後端ロック部J3の各ラッチ661、671がロック状態を保持したまま非通電状態に保持されている。即ち、リアドア4はセンターピラー5に前上ロック部J1(前下ロック部J3も同様)のラッチ661とストライカ662を用いてロックされる。更に、スイングスライドドア用の後ロック部J3のラッチ671はストライカ672に噛合っている。この場合、図5(a)に示すように、後アーム32と前アーム31の搖動端は車内側に引き込まれ、両アームの搖動端のスライダー24と共にドア支持レール22がリアドア4を閉鎖位置(図1参照)D1を保持する状態に保つ。
次いで、駆動源Mのモータ101が駆動され往復揺動変位する板状主部704が、図5(a)に2点差線で示すように、開作動ケーブル49のアンカー部を連結したケーブルエンドpoeと、ドア支持レール22上の固定プーリpo1との間に張設されたケーブルを巻き取りドラム46の不図示の開き巻き取り部が巻き取る。これによって、前アーム31とこれに連動する後アーム32とを閉鎖位置D1より図5(b)に示す揺動位置D2に揺動変位させる。
次に、後乗降口3を乗員が通過し、乗降が終わり、コントローラ30がドア閉鎖指令を受けるとする。この際、駆動源のモータ101が正転駆動され、図5(c)の状態より図5(b)の揺動位置に戻り、図5(a)の閉鎖位置D1に向けリアドア4が移動する。
次いでコントローラ30は後ロック部J3のラッチ671がハーフラッチ位置であるとの信号を受けると、モータ101を逆転回転させて、板状主部704を他方向に搖動する。これに連動して後ロック部J3のラッチ671は、図11に示すように、ストライカ672(図5(a)参照)と噛合う噛合い方向crに回動する。
このように、1つのモータ701の正転、逆転を使って、順番に2個の連動する前上ロック部J1(前下ロック部J2も同様の構成)と、他方の後ロック部J3を順次ロック作動させるようにしたので、モータ701、ハーネス類を低減してコストダウンを図れ、装置の重量低減を図れる。しかも、リアドア4内のレイアウトの自由度が向上し、1つのモータを用いるので、作動音の低減をも図れる。
更に、板状主部(搖動操作部材)704の往方向である一方向の揺動変位によりその揺動変位を一方側の同軸ケーブル(揺動変位伝達部材)を介し前側ロック部J1、J2、のラッチに伝えてロック作動させ、次いで、復方向である後方向への揺動変位によりその揺動変位を後方側の押圧リンク706(揺動変位伝達部材)を介し後方側ロック部J3のラッチに伝えてロック作動させるので、1つのモータ701の正転、逆転を順次一方側ロック部と他方側ロック部に伝えることが出来、確実に2個のラッチを順次ロック作動できる。
上述のところにおいて、リヤドア4に本発明を適用するとして説明したが、本発明は2ドア車両の左右ドア等にも同様に適用でき、同様の作用効果が得られる。
4 リアドア
16 平行リンク
30 コントローラ(制御機器)
60b リアピラー
661、671 ラッチ
662、672 ストライカ
70 ラッチ噛合い駆動手段
701 モータ
702 搖動操作部材
704 板状主部(搖動操作部材)
705 同軸ケーブル(揺動変位伝達部材)
706 押圧リンク(揺動変位伝達部材)
80 ラッチ解除駆動手段
kf 第1取り付け面
pf 前方対向壁
J1 前上ロック部
J2 前下ロック部(一方側ロック部)
J3 後ロック部(他方側ロック部)
B 自動車(車体)
D1 閉鎖位置
D3 全開位置
Claims (4)
- 車体に形成されたドア開口部を開閉するドアと、
前記ドアに支持されたラッチを前記開口縁部に固定のストライカに噛合わせることで前記ドアを閉鎖位置に保持する複数のロック部と、
前記ロック部の各ラッチを対向する前記ストライカに対してハーフラッチ状態よりフルラッチ状態に切換えるラッチ駆動手段と、を具備するドアのロック装置において、
前記ラッチ駆動手段のモータで駆動される搖動操作部材を一方向に揺動変位させることで連動する前記ロック部の少なくとも1つの一方側ロック部のラッチをハーフラッチ状態よりフルラッチ状態に切換え、前記搖動操作部材を逆方向に揺動変位させることで連動する残る前記ロック部の他方側ロック部のラッチをハーフラッチ状態よりフルラッチ状態に切換えることを特徴とするドアのロック装置。 - 請求項1記載のドアのロック装置において、
前記一方側ロック部は前記ドア開口部の一方側の開口縁部に上下2つ互いに連動するように設けられ、前記他方側ロック部は前記ドア開口部の他方側の開口縁部に1つ設けられたことを特徴とするドアのロック装置。 - 請求項1又は2記載のドアのロック装置において、
前記ラッチ駆動手段は前記モータで前記搖動操作部材を一方向に揺動変位させるのに応じて一方の揺動変位伝達部材を介して一方側ロック部のラッチをロック作動させ、前記搖動操作部材を他方向に揺動変位させるのに応じて他方の揺動変位伝達部材を介して他方側ロック部のラッチをロック作動させることを特徴とするドアのロック装置。 - 請求項3記載のドアのロック装置において、
前記搖動操作部材はモータで回転中心軸回りに一方向及び他方向に往復揺動変位する板状主部を有し、前記一方の揺動変位伝達部材である同軸ケーブルがその一端を板状主部に接続すると共に他端を前記一方側ロック部のラッチに閉鎖方向の張力として伝達するよう形成され、前記他方の揺動変位伝達部材である押圧リンクがその一端を板状主部にピン結合しその揺動端を前記他方側ロック部のラッチに接離可能に当接させて閉鎖方向の押圧力として伝達するよう形成されることを特徴とするドアのロック装置。
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