JP5020853B2 - スイングスライドドアの開閉装置 - Google Patents
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Description
なお、このようなスイングスライドユニットを用いたドアの一例が特開平10−175444号公報(特許文献1)や、特開2007−196925号公報(特許文献2)に開示される。
ここで、前枢支軸b1に枢支された揺動中心ローラRoがレール205側に形成された搖動中心規制壁woに当接すると共に、搖動変位ローラRvが搖動湾曲レール溝rrに沿ってコロ移動するこことで、閉鎖位置D1と突出し位置D2の間での搖動時に、ドア側のレール205が車体前後方向Xであるドア閉鎖方向やドア開放方向にずれることを防止でき、ドア側の搖動変位時の軌跡を規制するようにしている。
この場合、摺動後期に突出し位置D2に達すると揺動中心ローラRoが搖動中心規制壁woに当接し、同揺動中心ローラRoを中心に搖動変位ローラRvが搖動湾曲レールrrに沿ってコロ移動し、前アーム207を含む並行リンク側がドア側のレール205に対して相対的に搖動する。
車両Bは左右の各前乗降口1を開閉するフロントドア2と、左右の各後乗降口3を開閉するリアドア4を備える。各フロントドア2は前端上下2箇所h1、h2がヒンジ結合され、回動端がセンタピラ5の上下中ほどの後ロック部Jfに不図示のラッチとストライカを用いて離脱可能にロックされる。
図1、2、3に示すように、リアドア4のドア開閉装置の要部を成すスイングスライドユニットUは車体の後乗降口3に沿って配備されたリアピラー60における上下方向での中間部近傍に取付けられる。
図3に示すように、リアピラー60は車体の後部のアウタパネル(クオーターパネル)60bの前端部分とその車内側のインナパネル29(図7参照)の前端部分と、不図示のリンフォースとで形成される。リアピラー60の上下方向での中間部近傍には、平らな縦壁を成すインナパネル29とインナパネル29の車外側に接合されたアウタパネル60bとを互いに溶着させてなる後乗降口3の周縁部である縦フランジ部f1が形成される。
図3、4、7に示すように、車体の取付け凹部Tの低壁601にはスイングスライドユニットUの基部であるベース部材15が固着される。ベース部材15は車体側壁の固定部材を成しており、平行リンク16と、ドア荷重支持アーム18と、リアドア4の開閉駆動源を有する開閉駆動機構19のケーブルエンドPoe、Pce(図3、7参照)及び後述する複数の中間ローラrが取付けられる。
図3乃至7に示すように、ベース部材15は剛性を保持した形状を有し、前後一対の平行リンク16を枢支する下部取付け部151とそれより上方に延びドア荷重支持アーム18を枢支する上部縦柱部152とを備える。下部取付け部151は前後一対の平行リンク16を枢支する横向きフランジ部15aとその横向きフランジ部15aを補強するよう溶着され下方に斜めに延びる下方傾斜部15bと、下方傾斜部15bより屈曲して延出し、取付け凹部Tの一部をなす前向段状部601にボルト止めされる締結フランジ15cとを備える。
図3、図6、図7に示すように、平行リンク16は搖動するリアドア4の開閉移動軌跡や各位置を位置決めする機能を備える。
図2に示すように、リアドア4のインナパネル402の車内側面はトリム80により覆われる。トリム80は平行リンク16の前後アーム31、32を嵌挿するスリット81を形成され、全体はインナパネル402に不図示の係止手段で係止される。
図3、6、7に示すように、スライダー24は前後方向Xに長い上基板241及び同上基板241の一部より下方に延出するブロック状の下基板244と、上基板241の上面より突き出す前後方向Xに長い一対の並列状の縦長壁242、243と、上基板241の前部に後アーム32の揺動端を揺動可能にピン結合する後連結ピン245(図3、6参照)と、下基板244の前側より(図6で右側)下方に延び前アーム31の揺動端を揺動可能にピン結合する前連結ピン246とを備える。
下基板244の前よりの前連結ピン246と共通の前揺動中心線Lrf上に前外ローラr2の縦向きの前枢支ピンが配備され、同前枢支ピンが前アーム31の分岐揺動端bに前外ローラr2を枢支する。
図9、10、11に示すように、ドア支持レール22の上部の下向きレール溝33u1、33u2は前後方向Xの全域に長く形成される。一方、ドア支持レール22の下部の下レール溝33l1は、ドア支持レール22の長手方向のほぼ中間部まで形成され、その後方(図9で左側)には形成されていない。
図8、図9に示すように、この湾曲枝路srは下レール溝33l1の端部側と所定量離れて並列状に形成され、下レール溝33l1の端部は搖動中心規制壁wcで覆われる。この搖動中心規制壁wcは、これに揺動中心ローラRoが当接した際にレール22及びドア4に対する前アーム31の搖動中心を保持することが出来るよう形成される。しかも、この搖動中心規制壁wcに揺動中心ローラRoが当接することで、突出し位置D2にドア支持レール22側が達した状態が保持され、その上で、揺動中心ローラRoの枢支中心線Lrfを中心とした突出し位置D2と閉鎖位置D1の搖動変位を適確に行えるようにしている。
図1に示すように、開閉駆動機構19はリアドア4の駆動源を成すモータ101、巻取りドラム46の回転力で閉鎖載置D1より突出し位置D2を介して全開位置D3へと移動する機能を備える。
即ち、開閉駆動機構19は、図1、図9〜図11に示すように、リアドア4内部に配設されたモータ101及びモータ101に巻取り巻戻し可能に駆動される巻取りドラム46からなる駆動源Mと、巻取りドラム46に引き出し自在に巻き取られる開ケーブル49及び閉ケーブル51と、開ケーブル49を巻きがけるドア支持レール22前端の端部プーリPo1と、閉ケーブル51を巻きがけるドア支持レール22後端の端部プーリPc1と、スライダー24の前側の第1プーリ23fと、前アーム31上の第2プーリPo2(前中間プーリ)と、横向きフランジ部15aに支持され開ケーブル49のアンカー部を連結したケーブルエンドPoeと、スライダー24の後側の第1プーリ23rと、後アーム32上の第2プーリPc2(後中間プーリ)と、コ字型締結ブラケット53(図3参照)の下フランジ53dに支持され閉ケーブル51のアンカー部を連結したケーブルエンドPceと、を備える。
コントローラ30(図9参照)がドア開指令を受ける前において、リアドア4が閉鎖位置D1に保持されているとする。その際、リアドア4側の前端上ロック部J1と前端下ロック部J2と後端ロック部J3の各パワーラッチ6、8がロック状態を保持したまま非通電状態に保持されている。
この場合、図8(a)、図11、図12(a)に示すように、後アーム32と前アーム31の搖動端は車内側に引き込まれ、両アームの搖動端のスライダー24と共にドア支持レール22がリアドア4を閉鎖位置(図1参照)D1に保持する。
次に、コントローラ30がドア開指令を受けると、ワイヤハーネス20を介して閉鎖位置D1のリアドア4の前端上ロック部J1と前端下ロック部J2と後端ロック部J3の各パワーラッチ6、8にロック解除の出力を発する。
この場合、先ず、図8(i)、図13(e)の摺動域より、図8(h)の搖動域開始域に達する。やがて、図8(g)〜(d)、図13(d)、(c)の領域で揺動初期変位許容部wbが第2従動ローラRcの搖動変位を徐々に許容し、図8(c)〜(a)、図12(b)、(a)の領域で揺動中心ローラRoが搖動中心規制壁wcに接近する。その上で、揺動中心ローラRoが搖動中心規制壁wcに当接した状態で前アーム31が揺動中心ローラRoの枢支中心線Lrfを中心として搖動し、搖動変位ローラRkが開放ずれ湾曲壁wrsに沿ってコロ移動し、確実に前後方向のずれなく、図11に示すように前アーム31が閉鎖位置D1に達する。
上述のところにおいて、図1のドア開閉装置が採用していたスイングスライドユニットUの開閉駆動機構19では、開閉ケーブル49、51を巻き取り、放出する駆動源Mを成すモータ101及び巻取りドラム46をドア内に収容し、開閉駆動機構19のケーブルエンドPoe、Pceを車体側のベース部材15に取り付けた構成を取っていた。しかし、これに限定されるものではなく、開閉駆動機構の開閉ケーブルの一対のケーブルエンドを不図示のドア内のレールの前後端に連結し、モータ及び巻取りドラムを車体側の基枠に装着するという逆構成をとるようなドア開閉装置を採用することが出来る。この場合も、図1のドア開閉装置と同様の作用効果が得られる。
図14のドア開閉装置は、ドア閉鎖位置D1より搖動開始までの図14(1)〜(5)の間に予め摺動量J1だけドアをスライドさせ、ラッチの噛合い状態より確実に脱して、ドアの回動開始時の摺動抵抗を低減させ、その上で搖動変位を図14(6)〜(12)の間に行っている。この領域では図1のスイングスライドドアの開閉装置と同様の挙動が行われ、前アーム31及びレール22が突出し位置D2の近傍の突出し前搖動域にあるとき摺動初期変位許容部waに第1従動ローラRvがコロ接触するので、アーム及びレールの搖動終了間際にアームに対するレールの摺動開始を許容でき、レールの搖動より摺動への切換えを連続的にスムーズに行え、搖動後期より摺動初期への切換えに伴う急激な駆動抵抗力F1の増加を抑制でき、切換え駆動力の急変に伴うショックの発生をも低減することができる。
4 リアドア
16 平行リンク
17 ドア摺動機構
18 ドア荷重支持アーム
19 開閉駆動機構(ドア開閉装置)
101 モータ
102 ドラム
20 ワイヤハーネス
22 ドア支持レール
24 スライダー
241 上基板
241f ストッパ壁
243 縦長壁
30 コントローラ
31 前アーム
32 後アーム
33 ガイド溝
49 開ケーブル
51 閉ケーブル
wa 摺動初期変位許容部
wb 揺動初期変位許容部
wo 搖動中心規制壁
B 自動車(車体)
D1 閉鎖位置
D2 突出し位置
D3 全開位置
Lrf 揺動中心ローラの中心線
Rv 第1従動ローラ
Rc 第2従動ローラ
Ro 揺動中心ローラ
U スイングスライドユニット
X 前後方向
Y 車幅方向
Claims (5)
- 車体前後方向に長いレールを一体的に取付けたスイングスライドするドアと、
前記車体の固定部材に連結され、前記レールに摺動自在に嵌着するスライダーに搖動端が枢支されたアームと、
前記アームの搖動及び前記スライダーに対する前記レールの摺動により、前記ドアをドア開口を閉じる閉鎖位置と同位置より車体外側後方に搖動させた突出し位置と同突出し位置より車体後方の全開位置との間で移動させるスイングスライドドアの開閉装置において、
前記アームの搖動端側に設けられ、前記レールに形成されたガイド溝に摺動可能に嵌合すると共に前記ドアと前記アームとの搖動変位の際に搖動中心をなす揺動中心ローラと、
前記アームの前記揺動中心ローラの中心線に対して所定量離れた位置に設けられ、前記レールに形成されたガイド溝に摺動可能に嵌合すると共に前記ドアと前記アームとの搖動変位の際に前記揺動中心ローラを中心として回転方向に回動する第1従動ローラと、
前記レールに形成されると共に前記アーム及びレールが前記突出し位置の近傍の突出し前搖動域で搖動するとき前記第1従動ローラと接触することで前記レールの全開位置方向への摺動変位の増加を徐々に許容する摺動初期変位許容部と、
を備えたことを特徴とするスイングスライドドアの開閉装置。 - 請求項1に記載のスイングスライドドアの開閉装置において、
前記摺動初期変位許容部は、前記レールの端部に設けられるガイド溝の壁部であることを特徴とするスイングスライドドアの開閉装置。 - 請求項1または2に記載のスイングスライドドアの開閉装置において、
前記一方のアームに枢支されると共に前記揺動中心ローラの中心線に対して所定量離れ回動可能に設けられ、前記レールに対し摺動可能に接触すると共に前記ドアと前記アームとの搖動変位の際に前記揺動中心ローラを中心として回転方向に回動する第2従動ローラと、
前記アームに対しレールが前記全開位置側より突出し位置に接近した際に前記第2従動ローラが接触することで前記アームの前記レールに対する搖動変位の増加を徐々にもたらす前記レールに形成された搖動初期変位許容部と、
を備えたことを特徴とするスイングスライドドアの開閉装置。 - 請求項3に記載のスイングスライドドアの開閉装置において、
前記搖動初期変位許容部は、前記レールの外側面に設けられる側壁部であることを特徴とするスイングスライドドアの開閉装置。 - 請求項1又は2に記載のスイングスライドドアの開閉装置において、
前記レールの端部に前記ドアと前記アームとの搖動変位の際に前記揺動中心ローラが当接する搖動中心規制壁を設け、
前記搖動中心規制壁に揺動中心ローラが当接した状態で前記アームが搖動する際に前記レールに形成された開放ずれ湾曲壁と接触することで前記レールのドア開放方向へのずれを阻止する搖動変位ローラと、
を備えたことを特徴とするスイングスライドドアの開閉装置。
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