JP5040565B2 - カラーフィルタ用インクジェットインク組成物、及びカラーフィルタ及びこの製造方法 - Google Patents
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Description
このようなカラーフィルタにおいては、通常赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色の着色パターンを備え、R、G、およびBのそれぞれの画素に対応する電極をON、OFFさせることで液晶がシャッタとして作動し、R、G、およびBのそれぞれの画素を光が通過してカラー表示が行われるものである。
従来より行われているカラーフィルタの製造方法としては、例えば染色法が挙げられる。この染色法は、まずガラス基板上に、染色される透明の水溶性の高分子材料をフォトリソグラフィー工程により所望の形状にパターニングした後、得られたパターンを染料水溶液に浸漬して透明なパターンを染色する。これを3回繰り返すことによりR、G、およびBのカラーフィルタ層を形成するものである。
また、他の方法としては顔料分散法がある。この方法は、まず基板上に顔料を分散した感光性樹脂層を形成し、これをパターニングすることにより単色のパターンを得る。さらにこの工程を3回繰り返すことにより、R、G、およびBのカラーフィルタ層を形成する。
さらに他の方法としては、熱硬化樹脂に顔料を分散させてR、G、およびBの3回印刷を行った後、樹脂を熱硬化させる方法等を挙げることができる。
しかしながら、いずれの方法も、R、G、及びBの3色を着色するために、同一の工程を3回繰り返す必要があり、コスト高になるという問題や、同様の工程を繰り返すため歩留まりが低下するという問題がある。
図1に、本発明の実施の形態によるカラーフィルタを示す説明図である。図中、1は遮光パターン、200は遮光パターンの断面、300は透明基板である。なお、本実施の形態は本発明の一例であり、本発明を限定しないものとする。
なお、本発明に係るパターン形成体は、表示ディスプレイの表示画面を構成する光学部品として好適に利用できる。この場合には、多数の前記領域は表示画面を構成する画素に相当する。また、遮光パターンには黒色顔料等の遮光材料を混合してブラックマトリクスとしての機能を併せ持つことができる。
本発明の適用対象としては、例えば、カラー液晶ディスプレイの表示画面を構成するカラーフィルタが例示でき、この場合には、着色パターンは透過光を着色する着色層を構成し、この着色層は前記領域ごとに異なる色彩を有する複数色のものである。
また、その他の適用対象として、有機エレクトロルミネセンス素子を例示することもでき、この場合には、着色パターンは有機発光材料層を構成する。また、前記領域ごとに異なる色彩を有する複数色の有機発光材料層である。
なお、この外、本発明に係るパターン形成体として、回路基板、薄膜トランジスタ、マイクロレンズ、バイオチップ等を例示することができる。
遮光パターンの形成法は印刷法、フォトリソグラフィー法等の公知の様々な方法が使用できる。例えば、フォトリソグラフィー法によって形成する場合には、感光性を付与した感光性樹脂組成物を用いる。
また、遮光パターンを樹脂系の組成物を用いて設ける場合、スピンコート、ダイコート、ロールコート、カーテンコートなど全面に組成物を塗布した後にフォトリソ法で形成する方法や、スクリーン印刷、凸版印刷、グラビア印刷、平版印刷、インクジェット印刷、転写法など最初からパターニングを行う方法で形成することができる。
溶媒の一例として具体的には、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、アセトン、シクロヘキサノン、エチルアセテート、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−エチルエトキシアセテート、2−ブトキシエチルアセテート、2−メトキシエチルエーテル、2−エトキシエチルエーテル、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール、2−(2’エトキシエトキシ)エチルアセテート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン等を用いることができる。溶媒の使用量は、基板上に印刷又は塗布した際に均質であり、ピンホール、塗りむらの無い塗布膜ができる塗布であることが望ましい。このような溶媒の含有割合として、樹脂組成物の全重量に対し、溶媒量が50〜97重量%になるよう調製することが好ましい。
モノマーとしては、ビニル基あるいはアリル基を有するモノマー、オリゴマー、末端あるいは、側鎖にビニル基あるいはアリル基を有する分子を用いることができる。具体的には(メタ)アクリル酸及びその塩、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド類、無水マレイン酸、マレイン酸エステル、イタコン酸エステル、スチレン類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、N−ビニル複素環類、アリルエーテル類、アリルエステル類、及びこれらの誘導体を挙げることができる。好適な化合物としては、例えばペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレートなど比較的低分子量の多官能アクリレート等を挙げることができる。これらのモノマーは単独で用いても、2種類以上混合してもよい。モノマーの量は、バインダー樹脂100重量部に対して1〜200重量部の範囲をとることが可能であり、好ましくは50〜150重量部である。
光重合開始剤の例としては、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン化合物が挙げられる。また、光重合開始剤として、1−ヒドロキシシクロヘキシルアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、及び2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン等のアセトフェノン誘導体を使用することもできる。また、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン誘導体を使用しても良い。また、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、クロロアントラキノン等のアントラキノン誘導体であっても良い。また、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル誘導体を使用することもできる。また、フェニルビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フォスフィンオキシド等のアシルフォスフィン誘導体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ビス(4’−メチルフェニル)イミダゾリル二量体等のロフィン量体、N−フェニルグリシン等のN−アリールグリシン類、4,4’−ジアジドカルコン等の有機アジド類、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルペルオキシカルボキシ)ベンゾフェノン、キノンジアジド基含有化合物等を挙げることができる。これらの光重合開始剤は単独で用いても、2種類以上混合してもよい。光重合開始剤の量は、バインダー樹脂100重量部に対して0.1〜50重量部の範囲をとることが可能であり、好ましくは1〜20重量部である。
添加剤として、例えばレベリング剤、連鎖移動剤、安定剤、増感色素、界面活性剤、カップリング剤等を加えることができる。
ポリイミド前駆体(東レ(株)製:セミコファインSP−510 10重量部
カーボンブラック 7.5重量部
NMP 130重量部
分散剤(銅フタロシアニン誘導体) 5重量部
Irgcure907(チバスペシャリティケミカルズ社製) 5重量部
パーフルオロアルキル基含有オリゴマー((株)ネオス製:FTX−720C)
0.1重量部
上記化合物をビーズミル分散機で冷却しながら3時間分散してブラックマトリックス組成物を調整した。調整したブラックマトリックス組成物を無アルカリガラス基板(コーニング社製:品番1737)上にスピンコート法により塗布した後、100℃のオーブンに20分静置し溶媒を除去後、パターン露光による露光工程を行い、次いで不必要部を現像液にて除去する現像工程を経た後、230℃のオーブンにて90分ポストベークを行い、ブラックマトリックスを形成した。
カラーフィルタ作製に用いる顔料分散組成物には次のものを用いた。
赤色顔料 「イルガフォーレッドB−CF」:チバスペシャルティケミカルズ社製
緑色顔料 「リオノールグリーン 6YK」:東洋インキ製造社製
青色顔料 「ヘリオゲンブルー」:BASF社製
下記表1に示す処方でビーズミル分散により十分混連錬し、赤色顔料分散組成物(組成物1)、緑色顔料分散組成物(組成物2)及び青色顔料分散組成物(組成物3)を調整した。
このようにして得た顔料分散組成物に下記表2に示す処方で樹脂、ブロックイソシアネート化合物及び有機溶剤を加えて良く攪拌し、カラーフィルタ用インクジェットインク組成物(インクA〜I)を調整した。なお、同様にして保護されていないイソシアネート化合物を加えた、あるいはブロックイソシアネート化合物を加えないインクジェットインク組成物を比較例として調整した。
ガラス基板上に形成されたブラックマトリクスの開口部に、12pl、180dpiヘッド(セイコーインスツルメンツ社製)を搭載したインクジェット印刷装置によりインクジェットインク組成物を吐出し、着色画素パタ−ンを描画した。その後、90℃のオーブンで3分間静置し、溶媒を除去乾燥させ、さらに240℃のオーブンで20分加熱することで、ブロックイソシアネート化合物の保護基を解離させ、再生したイソシアネート基と活性水素基とを反応・架橋させることでカラーフィルタ基板を得た。
上記カラーフィルタ基板について、着色層の耐熱性および耐薬品性を評価した。耐熱性については上記カラーフィルタを250℃で1時間加熱、耐溶媒性についてはNMP(N−メチル−2−ピロリドン)に30分浸漬し、着色層の膜厚の変化および表面状態の変化を観察し、下記の基準で評価した。それらの結果を下記表3に示す。
Claims (1)
- 透明基板と、この透明基板上に設けられた遮光パターンと、この遮光パターンの開口部
に設けられた着色層を含んでなるカラーフィルタにおいて、
前記着色層が、少なくとも着色剤、活性水素基を有する透明樹脂およびブロックイソシアネート化合物からなるカラーフィルタ用インクジェットインク
を乾燥及び熱硬化させたものであり、
前記透明樹脂の含有量が前記ブロックイソシアネート化合物の含有量の2〜4倍であり、
当該カラーフィルタの耐熱性について当該カラーフィルタを250℃で1時間加熱したときの前記着色層の膜厚変化率が−5.0〜−6.7%であり、
当該カラーフィルタの耐溶剤性について当該カラーフィルタをN−メチル−2−ピロリドンに30分浸漬したときの前記着色層の膜厚変化率が−2.5〜−4.5%である
ことを特徴とするカラーフィルタ。
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