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JP2003064236A - 着色樹脂組成物とこれを用いたカラーフィルタとその製造方法、該カラーフィルタを用いた液晶素子 - Google Patents

着色樹脂組成物とこれを用いたカラーフィルタとその製造方法、該カラーフィルタを用いた液晶素子

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Publication number
JP2003064236A
JP2003064236A JP2001257162A JP2001257162A JP2003064236A JP 2003064236 A JP2003064236 A JP 2003064236A JP 2001257162 A JP2001257162 A JP 2001257162A JP 2001257162 A JP2001257162 A JP 2001257162A JP 2003064236 A JP2003064236 A JP 2003064236A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
resin composition
colored resin
colored
color filter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001257162A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Nishiguchi
憲治 西口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2001257162A priority Critical patent/JP2003064236A/ja
Publication of JP2003064236A publication Critical patent/JP2003064236A/ja
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 保存安定性に優れ、硬化後には良好な耐水
性、耐アルカリ性を示す着色樹脂組成物を構成し、該組
成物をインクとして用いたインクジェット方式によりよ
り安価にカラーフィルタを製造する。 【解決手段】 イソシアネート基をブロック化したメタ
クリロイルオキシエチルイソシアネートと他のビニル系
単量体とを共重合してなる水溶性ビニル系樹脂と架橋剤
と着色材と水とからなる組成物を調製し、該組成物を透
明基板上にインクジェット方式に付与した後、加熱処理
を施すことにより、上記イソシアネート基のブロックを
はずして架橋させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラーテレビ、パ
ーソナルコンピュータ、パチンコ遊戯台等に使用されて
いるカラー液晶ディスプレイの構成部材であるカラーフ
ィルタと該カラーフィルタを用いてなる液晶素子、イン
クジェット方式によるカラーフィルタの製造方法に関
し、さらには、該製造に適した着色樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、カラーフィルタの製造方法として
は、基板上にゼラチン、カゼイン、グリュー或いはポリ
ビニルアルコール等の親水性高分子からなる媒染層を設
け、該媒染層を着色して着色部を形成する染色法や、透
明樹脂中に着色材を分散してなる着色樹脂を用いてフォ
トリソグラフィにより着色部を形成する顔料分散法等が
知られている。
【0003】上記染色法は各色毎に防染処理を行うとい
った複雑な工程を有し、生産性、歩留り等の点で欠点を
持ちコスト的に不利な方法であった。また、顔料分散法
では各色高価な着色樹脂をスピンコート法により基板上
に塗布する際の利用効率の低さからコスト的に不利な方
法であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これに対し、従来、簡
便な工程で且つ着色材料の利用効率を高め、デバイスサ
イドからの低コストで作製できるカラーフィルタの要求
に答えるべく、インクジェット方式によるカラーフィル
タの製造方法が特開昭59−75205号公報、特開昭
63−235901号公報、或いは特開平1−2173
20号公報等に示されている。
【0005】上記インクジェット方式によるカラーフィ
ルタの製造方法は、透明基板上にインクを付与し、該イ
ンクを硬化させて着色部を形成する方法であるが、ここ
で用いられるインクは、一般に水溶性材料を基本として
構成される着色樹脂組成物である。その結果、該着色樹
脂組成物、水に対する溶解性が高く、かかる着色樹脂組
成物を用いて形成された着色部は、耐水性及び耐アルカ
リ性を十分満足できるものではなかった。
【0006】着色樹脂組成物からなる着色部の耐水性及
び耐アルカリ性を向上させるには、該着色樹脂組成物中
に架橋剤を添加して樹脂成分を架橋させると良いが、架
橋剤の添加によって、室温保存時にも樹脂成分と架橋剤
との間で架橋反応が進行し、着色樹脂組成物の保存安定
性が著しく低下し、着色樹脂組成物の吐出性を悪化させ
てしまっていた。
【0007】本発明の課題は、上記問題点に鑑み、簡便
な工程で着色部を形成できるインクジェット方式による
カラーフィルタの製造方法において、保存安定性が良
く、且つ、硬化後には良好な耐水性や耐アルカリ性を示
す着色樹脂組成物を提供し、色特性及び信頼性に優れた
カラーフィルタを提供し、該カラーフィルタを用いてカ
ラー表示特性に優れた液晶素子をより安価に提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の第一は、少なく
とも水溶性ビニル系樹脂と架橋剤と着色材と水とを含有
する着色樹脂組成物であって、上記水溶性ビニル系樹脂
が、少なくとも下記一般式(I)で示されるブロックイ
ソシアネート基含有ビニル系単量体と、他のビニル系単
量体とからなる共重合体であることを特徴とする着色樹
脂組成物である。
【0009】
【化3】
【0010】上記式中、R1は、HまたはCH3を示し、
2はイソシアネート基をブロック可能な任意の官能基
である。
【0011】上記本発明の第一の着色樹脂組成物におい
ては、前記架橋剤が、ヒドロキシル基含有水溶性樹脂ま
たはアミノ基含有水溶性樹脂、或いは、ポリアミン化合
物またはポリオール化合物であること、前記水溶性ビニ
ル系樹脂を構成する他のビニル系単量体がカルボキシル
基含有ビニル系単量体を含むこと、を好ましい態様とし
て含む。
【0012】本発明の第二は、少なくとも水溶性ビニル
系樹脂と着色材と水とを含有する着色樹脂組成物であっ
て、上記水溶性ビニル系樹脂が、少なくとも下記一般式
(I)で示されるブロックイソシアネート基含有ビニル
系単量体と、架橋剤を含む他のビニル系単量体とからな
る共重合体であることを特徴とする着色樹脂組成物。
【0013】
【化4】
【0014】上記式中、R1は、HまたはCH3を示し、
2はイソシアネート基をブロック可能な任意の官能基
である。
【0015】上記本発明第二の着色樹脂組成物において
は、前記架橋剤が、ヒドロキシル基含有ビニル系単量体
またはアミノ基含有ビニル系単量体であること、前記水
溶性ビニル系樹脂を構成する架橋剤以外の他のビニル系
単量体がカルボキシル基含有ビニル系単量体を含むこ
と、を好ましい態様として含む。
【0016】さらに本発明の第三は、透明基板上に、上
記本発明第一或いは第二の着色樹脂組成物を熱硬化させ
てなる複数色の着色部を有することを特徴とするカラー
フィルタであり、第四は、透明基板上に、複数の開口部
を有する隔壁層を形成し、該隔壁層の開口部に、上記本
発明第一或いは第二の着色樹脂組成物をインクとしてイ
ンクジェット方式により付与し、該インクを熱硬化させ
て着色部を形成することを特徴とするカラーフィルタの
製造方法であり、第五は、一対の基板間に液晶を挟持し
てなり、一方の基板が上記本発明第三のカラーフィルタ
を用いて構成されたことを特徴とする液晶素子である。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の着色樹脂組成物の特徴
は、下記一般式(I)で示されるブロックイソシアネー
ト基含有ビニル系単量体と他のビニル系単量体からなる
水溶性ビニル系樹脂と架橋剤とを含むことにある。本発
明の着色樹脂組成物において、かかる架橋剤は、上記水
溶性ビニル系樹脂とは別成分として組成物中に含まれて
いても、また、該水溶性ビニル系樹脂中にモノマー成分
として含まれていても良い。以下、便宜上、前者の場合
を着色樹脂組成物A、後者の場合を着色樹脂組成物Bと
する。
【0018】
【化5】
【0019】上記式中、R1は、HまたはCH3を示し、
2はイソシアネート基をブロック可能な任意の官能基
である。
【0020】本発明にかかるブロックイソシアネート含
有ビニル系単量体は、ビニル系樹脂中に共重合しても、
室温下の水溶液中でブロックが外れることがなく、且
つ、100℃から200℃程度の熱処理でブロックが外
れ、架橋反応が可能になる。
【0021】本発明に用いられる水溶性ビニル系樹脂と
しては、水溶性のビニル樹脂、アクリル樹脂、メタクリ
ル樹脂及びその誘導体などの高分子化合物であり、少な
くとも前記式(I)で示されるブロックイソシアネート基
含有ビニル系単量体と他のビニル系単量体とを共重合す
ることにより得られる。
【0022】本発明に用いられる水溶性ビニル系樹脂を
構成する、前記式(I)で示されるブロックイソシアネー
ト基含有ビニル系単量体としては、(メタ)アクリロイル
オキシエチルイソシアネートに対して、フェノール基、
イミダゾール基、ピラゾール基、オキシム基、ラクタム
基、アルコール基などを有するブロック化剤を用いてイ
ソシアネート基をブロックした化合物が挙げられる。当
該ブロック化剤としては、上記水溶性ビニル系樹脂が水
溶液中において安定で、100℃から200℃程度でイ
ソシアネート基のブロックが外れるものであればいずれ
でもよく、フェノール基を含有するサリチル酸メチル、
イミダゾール基を含有するイミダゾール、ピラゾール基
を含有する3,5−ジメチルピラゾール、オキシム基を
含有するメチルエチルケトンオキシム、ラクタム基を含
有するε−カプロラクタム、アルコール基を含有するエ
チルヘキサノールなどが挙げられるが、この限りではな
い。
【0023】本発明にかかるブロックイソシアネート基
含有ビニル系単量体は、着色樹脂組成物A、Bのいずれ
においても、水溶性ビニル系樹脂中に5重量%以上30
重量%以下で含まれていることが望ましい。含有量が5
重量%未満の場合は、着色樹脂組成物を加熱硬化してな
る着色部の耐水性が十分確保できず、30重量%を超え
る場合は、水溶性ビニル系樹脂の水に対する溶解度が著
しく低下し、好ましくない。
【0024】また、本発明に用いられる水溶性ビニル系
樹脂を構成する他のビニル系単量体としては、カルボキ
シル基含有ビニル系単量体を用いることが好ましく、具
体的には、アクリル酸、メタクリル酸のほか、マレイン
酸、フマル酸、イタコン酸及びこれらの無水物が挙げら
れる。これらカルボキシル基を有するビニル系単量体は
水溶性残基を有し、加熱により架橋反応を起こすので、
水溶性ビニル系樹脂を熱硬化性樹脂とするのに好適に用
いることができる。カルボキシル基含有ビニル系単量体
の水溶性ビニル系樹脂中に占める割合は、好ましくは2
0重量%以上50重量%以下である。当該単量体が20
重量%未満であると、着色樹脂組成物が加熱により十分
架橋されず、形成された着色部の耐水性が十分に確保さ
れない。また、50重量%を超えると、アルカリ溶液に
より加水分解されやすく、着色部の耐アルカリ性が不十
分となる。
【0025】また、水溶性ビニル系樹脂の水に対する溶
解性を高めるため、水溶性ビニル系樹脂中に含まれるカ
ルボキシル基の全てまたは一部を溶液中でアルカリ性を
示す化合物で中和してもよい。溶液中でアルカリ性を示
す化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物やアンモニア、
また、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等の4級
アンモニウム化合物、さらには、2−アミノ−2−メチ
ル−1−プロパノール、2−ジメチルアミノエタノール
などのアミン化合物が挙げられる。特にアンモニアを用
いると、着色樹脂組成物を加熱することにより形成され
る着色部の耐水性をさらに向上させることができる。
【0026】さらに水溶性ビニル系樹脂にモノマー成分
として含まれる他のビニル系単量体としては、ビニル基
を有していればいずれでもよく、例えば、アクリロニト
リル、アリルアミン、ビニルアミン、酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニル等のビニル系単量体や、(メタ)アクリ
ル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アク
リル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、グリシ
ジル(メタ)アクリレート、(メタ)ラウリルアクリレ
ート、(メタ)ステアリルアクリレート、シクロヘキシ
ル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルアク
リレートなどの単官能(メタ)アクリレートや、ジメチ
ルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノ
エチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレング
リコール(メタ)アクリレート、モルホリン(メタ)ア
クリレートなどの水溶性の(メタ)アクリル酸エステ
ル、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリル
アミド、N−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)(メ
タ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等の
(メタ)アクリルアミド化合物や、エチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ
(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ
(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール
ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロ
キシペンタ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)ア
クリレートや、(メタ)アクリレートオリゴマーやウレ
タンアクリレートオリゴマー等のオリゴマーが挙げられ
る。
【0027】水溶性ビニル系樹脂は以下のようにして作
製する。上記式(I)で示されるブロックイソシアネート
基含有ビニル系単量体とその他のビニル系単量体(着色
樹脂組成物Bの場合は後述する架橋剤も含む)を2−プ
ロパノール、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミ
ドなどの溶解可能な溶剤中に溶解し、α,α’−アゾビ
スイソブチロニトリルなどのラジカル発生剤を加えて、
攪拌しながら加熱して重合する。重合後の溶液にヘキサ
ンやトルエンなど、重合した水溶性ビニル系樹脂の溶解
性の低い溶媒を加えて水溶性ビニル系樹脂を沈殿させ、
沈殿物を真空乾燥等により乾燥して余分な溶剤分を取り
除くことで、所望の樹脂を得ることができる。
【0028】この時、重合する水溶性ビニル系樹脂の分
子量はポリスチレン換算の重量平均分子量で1000か
ら30000程度がよい。分子量が1000未満である
と着色樹脂組成物を加熱しても良好な被膜を形成するこ
とができず、30000を超えるとインクジェットヘッ
ドからの吐出性が悪くなるため、好ましくない。
【0029】また、本発明において用いられる架橋剤と
しては、イソシアネート基と架橋反応が可能な架橋剤で
あればいずれでもよい。ここで、架橋剤としては、上記
水溶性ビニル系樹脂とは別に組成物中に添加する場合
(着色樹脂組成物A)と、上記水溶性ビニル系樹脂を構
成する他のビニル系単量体として添加される場合(着色
樹脂組成物B)とに分けられる。
【0030】本発明において、水溶性ビニル系樹脂とは
別に組成物中に含有される架橋剤としては、イソシアネ
ート基と架橋反応可能なヒドロキシル基やアミノ基を有
する化合物であり、ヒドロキシル基含有水溶性樹脂また
はアミノ基含有水溶性樹脂、或いは、ヒドロキシル基や
アミノ基を複数持つ低分子のポリオール化合物やポリア
ミン化合物が挙げられる。
【0031】上記ヒドロキシル基やアミノ基を含有する
水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコール、セルロー
ス及びその誘導体、ポリリジンなどのポリペプチドなど
が挙げられる。さらに、上記ヒドロキシル基やアミノ基
を複数持つ低分子のポリオール化合物やポリアミン化合
物としては、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、
1,2,6−ヘキサントリオール、ヘキシレングリコー
ル、ジエチレングリコールやキシリレンジアミン、エチ
レンジアミン、ヘキシレンジアミン、4,4’−ジアミ
ノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニル
メタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,
4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、1,5−ジア
ミノナフタレン、1,2−ジアミノシクロヘキサン等が
挙げられる。
【0032】また、本発明において前記した水溶性ビニ
ル系樹脂中にモノマー成分として添加される架橋剤とし
ては、ヒドロキシル基やアミノ基を含有するビニル系単
量体が挙げられ、具体的には、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレートや、N−ビニルアミンなどが挙げられる。
【0033】上記架橋剤は、いずれの構成においても、
着色樹脂組成物中に含まれるブロックイソシアネート基
の量により適宜調製することが可能である。
【0034】尚、本発明において、組成物中における水
溶性ビニル系樹脂の好ましい含有量は、着色樹脂組成物
Aを構成する場合は5〜20重量%であり、着色樹脂組
成物Bの場合には、5〜30重量%である。
【0035】また、本発明において着色樹脂組成物中に
含まれる着色材としては、染料、顔料のいずれもが用い
られる。染料としては、C.I.アシッドレッド11
8、C.I.アシッドレッド254、C.I.アシッド
グリーン25、C.I.アシッドブルー113、C.
I.アシッドブルー185、C.I.アシッドブルー7
など、顔料としては、C.I.ピグメントレッド17
7、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメント
レッド12、C.I.ピグメントグリーン36、C.
I.ピグメントブルー209、C.I.ピグメントブル
ー16等が挙げられるがもちろんこれらに限られるもの
ではない。これらの染料、顔料は組成物中に約0.1〜
30重量%を占める割合で使用されるのが好ましい。
【0036】着色樹脂組成物の調製は、上記水溶性ビニ
ル系樹脂と着色材、さらに着色組成物Aの場合には架橋
剤を公知の方法で水に溶解することで行われる。水とし
ては種々のイオンを含有する一般的な水ではなく、イオ
ン交換水(脱イオン水)を使用するのが好ましい。
【0037】また、必要に応じて水溶性溶剤を用いるこ
とができる。水溶性溶剤は水に溶解するものであればい
ずれでもよく、例えば、メチルアルコール、エチルアル
コール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコ
ール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコー
ル、tert−ブチルアルコール等の炭素数1〜4のア
ルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチル
アセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアル
コール等のケトンまたはケトアルコール類;テトラヒド
ロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレ
ングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリ
コール、ブチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコー
ル、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等の
アルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレング
リコール類;グリセリン;エチレングリコールモノメチ
ルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、
エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレング
リコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモ
ノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエ
ーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、
トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチ
レングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコール
の低級アルキルエーテル類;N−メチル−2−ピロリド
ン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾ
リン等が挙げられる。これらの多くの水溶性有機溶剤の
中でもジエチレングリコールなどの多価アルコール、ト
リエチレングリコールモノメチルエーテル等の低級アル
キルエーテルが好ましい。
【0038】さらに、本発明の着色樹脂組成物には、エ
タノール或いはイソプロピルアルコール、または多価ア
ルコールの低級アルキルエーテル類を添加することによ
って、バブルジェット(登録商標)タイプの場合にイン
クジェットヘッド内の薄膜抵抗体上でのインクの発泡を
より安定に行い、インクジェットヘッドからの着色樹脂
組成物の吐出の安定性を得ることができる。
【0039】また、本発明にかかる着色樹脂組成物に
は、上記成分のほかに必要に応じて所望の物性値を持つ
溶液とするために、界面活性剤、消泡剤、防腐剤等を添加
することができる。
【0040】例えば、界面活性剤としては着色樹脂組成
物に対して保存安定性等の悪影響を及ぼさないものであ
ればいずれでも用いることができ、例えば、脂肪酸塩
類、高級アルコール硫酸エステル塩類、液体脂肪油硫酸
エステル塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類等の陰イ
オン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル
類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキ
シエチレンソルビタンアルキルエステル類、アセチレン
アルコール、アセチレングリコール等の非イオン性界面
活性剤があり、これらの1種または2種以上を適宜選択
して使用できる。
【0041】上記した本発明の着色樹脂組成物は、透明
基板上に付与して熱硬化させることにより、良好なカラ
ーフィルタの着色部を形成することができる。特に、か
かる着色樹脂組成物は、保存安定性が良好な水溶性であ
り、インクジェットヘッドからの吐出性にも優れている
ことから、インクジェット方式によるカラーフィルタの
製造に好ましく適用される。
【0042】以下に、本発明の着色樹脂組成物を用い
た、本発明のカラーフィルタの製造方法について説明す
る。本発明のカラーフィルタの製造方法は、透明基板上
に複数の開口部を有する隔壁層を形成し、該隔壁層の開
口部に、本発明の着色樹脂組成物をインクとしてインク
ジェット方式により付与し、該インクを熱硬化させて着
色部を形成する。
【0043】図1に本発明のカラーフィルタの製造方法
の好ましい一実施形態の工程を模式的に示す。図中、1
は透明基板、2はブラックマトリクス、3はインク、4
は着色部、5は保護層である。尚、図の(a)〜(c)
はそれぞれ、下記工程(a)〜(c)に対応する断面図
である。
【0044】工程(a) 透明基板1上に、開口部を有する隔壁層を形成する。透
明基板1としては、一般にガラスが用いられるが、カラ
ーフィルタの透明性を損なわず、強度等必要な特性を備
えたものであれば、プラスチック等も用いることができ
る。また、隔壁層は、インクを収納するための隔壁とし
て作用する部材であり、本実施形態では該隔壁層を黒色
樹脂で形成し、隣接する着色部4間を遮光する遮光層を
兼ねたブラックマトリクス2とした例を示す。このよう
なブラックマトリクス2は、黒色顔料含有レジストを用
い、一般的なフォトリソグラフィによりパターニングし
て形成することができる。また、ブラックマトリクス2
には、後述するインクを吐出した際の混色を防止する上
で撥インク性を付与しておくのが好ましい。ブラックマ
トリクス2の厚さは隔壁作用及び遮光作用を考慮すると
0.5μm以上が好ましい。また、ブラックマトリクス
2の素材としては、黒色顔料含有レジストの他に、クロ
ム、酸化クロム等の金属或いは酸化金属膜を用いること
ができ、上記したように0.5μm以上の厚みを得るた
めに、その上部にシリコーンゴム等の層を設けることが
好ましい。
【0045】工程(b) ブラックマトリクス2の開口部を被着色部として、イン
クジェットヘッド(不図示)より、所定の着色パターン
に沿って、所定の色のインク3を吐出する。ここで用い
られるインク3は、前記した本発明の着色樹脂組成物で
ある。
【0046】また、本発明において用いられるインクジ
ェット方式としては、エネルギー発生素子として電気熱
変換体を用いたバブルジェット(登録商標)タイプ、或
いは、圧電素子を用いたピエゾジェットタイプ等が使用
可能であり、着色面積及び着色パターンは任意に設定す
ることができる。
【0047】工程(c) 熱処理を施してインク3を硬化させ、着色部4を形成す
る。本発明においては、インクに含まれる水溶性ビニル
系樹脂中のイソシアネート基のブロックをはずし、耐熱
性、耐溶剤性を十分に発現させて後工程における熱処理
や、溶剤に耐えるカラーフィルタとするために150℃
以上の温度で熱処理することが望ましい。
【0048】さらに、必要に応じて着色部4上に保護層
5を形成し、本発明のカラーフィルタを得る。保護層5
としては、光照射または熱処理、或いはこれらの両方に
より硬化可能な樹脂材料或いは蒸着、スパッタ法によっ
て形成された無機膜等を用いることができ、カラーフィ
ルタとした場合の透明性を有し、その後の透明電極形成
プロセス、配向膜形成プロセスなどに耐えうるものであ
ればいずれでもよい。上記保護層5の樹脂材料として
は、例えば、アクリル系、エポキシ系、ポリイミド系な
どの樹脂が好適に用いられるがこの限りでない。また、
これら樹脂材料の塗布法としてはスピンコート、ロール
コート、バーコート、スプレーコート、ディップコート
等の方法を好適に用いることができるがこれらに限られ
るものではない。
【0049】また、本発明のカラーフィルタは、着色部
4上或いは保護層5上にさらに透明導電膜を成膜した状
態で提供される場合もある。このような透明導電膜の材
料としては、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化亜
鉛、酸化チタンなどの金属酸化物を好適に用いることが
できる。また形成法としてはスパッタ法や蒸着法など公
知の成膜方法を用いることができる。
【0050】次に、図2に本発明の液晶素子の一実施形
態の断面模式図を示す。本実施形態は、図1の工程によ
り得られた本発明のカラーフィルタを用いて、TFT型
カラー液晶素子を構成した例である。図中、10は共通
電極、11は対向基板、12は画素電極、13、14は
配向膜、15は液晶であり、図1と同じ部材には同じ符
号を付して説明を省略する。
【0051】カラー液晶素子は、一般的にカラーフィル
タ側の基板1と対向基板11とを合わせ込み、液晶15
を封入することにより形成される。液晶素子の一方の基
板11の内側に、TFT(不図示)と画素電極12がマ
トリクス状に形成されている。また、カラーフィルタ側
の基板1の内側には、画素電極12に対向する位置に、
R、G、Bが配列するように、カラーフィルタの着色部
4が形成され、その上に透明な共通電極10が形成され
る。ブラックマトリクス2は、通常カラーフィルタ側に
形成されるが、BMオンアレイタイプの液晶素子等では
対向基板11側に形成される場合もある。さらに、両基
板の面内には配向膜13、14が形成されており、液晶
分子を一定方向に配列させている。これらの基板は、ス
ペーサー(不図示)を介して対向配置され、シール材
(不図示)によって貼り合わされ、その間隙に液晶15
が充填される。
【0052】上記液晶素子は、透過型の場合には、基板
11及び画素電極12を透明素材で形成し、それぞれの
基板の外側に偏光板を接着し、一般的に蛍光灯と散乱板
を組み合わせたバックライトを用い、液晶化合物をバッ
クライトの光の透過率を変化させる光シャッターとして
機能させることにより表示を行う。また、反射型の場合
には、基板11或いは画素電極12を反射機能を備えた
素材で形成するか、或いは、基板11上に反射層を設
け、透明基板1の外側に偏光板を設け、カラーフィルタ
側から入射した光を反射して表示を行う。
【0053】また、本発明の液晶素子においては、本発
明のカラーフィルタを用いて構成されていれば、他の部
材については従来の技術をそのまま用いることができる
ことは言うまでもない。
【0054】
【実施例】 (実施例1) 〔水溶性ビニル系樹脂〕 下記に示す組成で水溶性ビニル系樹脂を重合した。 ・2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート 15重量部 (メチルエチルケトンオキシムでブロック化) ・メタクリル酸 40重量部 ・2−ヒドロキシエチルアクリレート(架橋剤) 45重量部
【0055】上記組成に従って各ビニル系単量体をジメ
チルホルムアミド中に溶解し、α、α’−アゾビスイソ
ブチロニトリルを3重量部加えて反応液とした。この反
応液を還流下で60℃、1時間加熱した。加熱後、反応
液にヘキサンを加えて、白色の沈殿物を得た。その沈殿
物を真空乾燥して溶剤を取り除き、粉状の樹脂を得た。
この粉状樹脂の赤外分光スペクトルを測定したところ、
ブロックイソシアネート基含有ビニル系単量体、メタク
リル酸、2−ヒドロキシエチルアクリレートの3元共重
合体であることが確認された。また、この樹脂の分子量
をゲルろ過クロマトグラフィ(GPC)により測定した
ところ、この樹脂の重量平均分子量はポリスチレン換算
で3500であった。
【0056】〔着色樹脂組成物〕上記水溶性ビニル系樹
脂と着色材とを水に溶解し、着色樹脂組成物を得た。本
例の着色樹脂組成物の組成は下記に示す通りである。 ・水溶性ビニル系樹脂 10重量部 ・染料 10重量部 R:C.I.ダイレクトレッド240 G:C.I.アシッドグリーン12 B:C.I.ダイレクトブルー273 ・1重量%アンモニア水 80重量部
【0057】上記着色樹脂組成物をガラス基板上に、イ
ンクジェットプリンタを用いて10分間吐出したが、各
色とも36ノズル中でノズル詰まりがなく、吐出性は極
めて良好であった。また、該着色樹脂組成物を40℃で
1ヶ月間保存した後の分子量をGPCで測定したが、重
量平均分子量はポリスチレン換算で3500で、合成直
後と変化がなかった。また、上記着色樹脂組成物を吐出
させたガラス基板を230℃で30分間加熱して着色部
を形成し、基板ごと純水及び5%水酸化ナトリウム水溶
液に30分間浸漬し、耐水性と耐アルカリ性を評価し
た。耐水性、耐アルカリ性の評価は、浸漬前後での着色
部の分光透過率を測定し、CIEが定めた表色系のL*
**表色系の色差ΔE*abで評価した。このときΔ
*ab値が小さいほど、浸漬前後での透過率変化が小
さいことを表し、耐水性、耐アルカリ性が高いことを示
している。結果は、下記表1の通りである。
【0058】
【表1】
【0059】以上より、本例の着色樹脂組成物は、40
℃での長期保存試験前後での分子量変化がないことか
ら、保存安定性が極めて高く、また、耐水性、耐アルカ
リ性試験後の色差が極めて小さいことから、耐水性、耐
アルカリ性の極めて優れた着色部が形成されていること
がわかった。
【0060】(実施例2〜5)以下の実施例では、ブロ
ックイソシアネート含有ビニル系単量体のブロック化剤
を実施例1と異ならせた場合について評価を行った。こ
こではブロック化剤のみを異ならせ、それ以外の構成に
ついては実施例1と同様とした。各実施例で用いたブロ
ック化剤と各試験結果は、下記表2に示す通りである。
【0061】
【表2】
【0062】上記表2中、保存安定性が「◎」は実施例
1と同様の保存試験後の分子量変化が5%以内、「○」
は分子量変化が10%以内であることを示す。また、耐
水性、耐アルカリ性については、「◎」は実施例1と同
様の試験においてΔE*abが3未満、「○」はΔE*
bが3以上10未満であることを示す。
【0063】以上の結果から、実施例2〜5のいずれの
着色樹脂組成物も保存安定性に優れ、熱処理により形成
される着色部が耐水性、耐アルカリ性に優れていること
がわかった。
【0064】(実施例6)本実施例では、以下のような
組成の水溶性ビニル系樹脂と架橋剤としてポリビニルア
ルコールを含有する着色樹脂組成物を調製した。
【0065】 〔水溶性ビニル系樹脂〕 ・2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート 15重量部 (メチルエチルケトンオキシムでブロック化) ・メタクリル酸メチル 40重量部 ・モルホリンアクリレート 45重量部
【0066】〔着色樹脂組成物〕上記水溶性ビニル系樹
脂と架橋する成分としてポリビニルアルコール(和光純
薬製、重合度:約500)を用いた。下記に着色樹脂組
成物の組成を示す。 ・水溶性ビニル系樹脂 5重量部 ・ポリビニルアルコール(架橋剤) 5重量部 ・染料(実施例1と同じ) 10重量部 ・水 80重量部
【0067】下記表3に、本例の着色樹脂組成物の保存
安定性試験と、230℃、30分間の熱処理で形成した
着色部の耐水性、耐アルカリ性試験の結果を示す。尚、
評価は実施例2〜5と同様に行った。
【0068】
【表3】
【0069】上記のように、架橋剤を水溶性ビニル系樹
脂とは別成分として着色樹脂組成物に添加しても、着色
樹脂組成物の保存安定性に優れ、熱処理により形成され
る着色部の耐水性、耐アルカリ性にも優れていることが
わかった。
【0070】(実施例7〜8)本実施例では、実施例6
とは別の架橋剤を添加した場合について述べる。尚、水
溶性ビニル系樹脂は実施例6で用いた樹脂を用い、下記
に示す組成で着色樹脂組成物を調製した。
【0071】〔着色樹脂組成物〕 ・水溶性ビニル系樹脂 9重量部 ・架橋剤(表4) 1重量部 ・染料(実施例1と同じ) 10重量部 ・水 80重量部
【0072】下記表4に、本例の着色樹脂組成物の保存
安定性試験と、230℃、30分間の熱処理で形成した
着色部の耐水性、耐アルカリ性試験の結果を示す。尚、
評価は実施例2〜5と同様に行った。
【0073】
【表4】
【0074】上記のように、水溶性ビニル系樹脂とは別
成分の架橋剤としてポリオール、ポリアミン化合物を添
加しても、着色樹脂組成物は保存安定性に優れ、熱処理
により形成される着色部の耐水性、耐アルカリ性にも優
れていることがわかった。
【0075】(実施例9)本実施例では、実施例1の着
色樹脂組成物をインクとして用い、カラーフィルタを作
製した。工程を以下に述べる。
【0076】ガラス基板(コーニング社製「173
7」)上に黒色レジスト(富士フィルムオーリン社製
「CK−S171X」)をスピンコート法で塗布し、フ
ォトリソグラフィによりブラックマトリクスを形成し
た。このブラックマトリクスの開口部は70μm×22
0μmで膜厚は2μmとした。
【0077】上記開口部にインクジェット記録装置を用
い、実施例1の各色の着色樹脂組成物をインクとして付
与した。この時の着色パターンは、インクの付与方向
(開口部の長辺に平行な方向)に同色の着色部が配置
し、当該方向とは直交する方向にR、G、Bが順次配置
するストライプパターンである。着色樹脂組成物の吐出
後、100℃、10分間と200℃、1時間の熱処理を
行って、該着色樹脂組成物を硬化させ、着色部を形成し
た。続いて、該着色部上に二液型の熱硬化性樹脂(JS
R社製「SS−6500」)をスピンコート法で塗布
後、230℃、1時間の熱処理を行って硬化させ、膜厚
1μmの保護層を形成した。さらに、該保護層上に、酸
化インジウムと酸化スズの混合物をスパッタリング法に
より成膜し、厚さ100nmの透明導電膜を形成し、カ
ラーフィルタを得た。
【0078】得られたカラーフィルタは、極めて色特性
に優れたものであった。また、このカラーフィルタにつ
いて、実施例1と同様に耐水性、及び耐アルカリ性試験
を行った。結果は、下記表5の通りである。
【0079】
【表5】
【0080】以上のように、本発明によれば、耐水性、
耐アルカリ性とも極めて優れたカラーフィルタが作製で
きた。
【0081】(比較例1)本比較例では、ブロック化さ
れていない2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネ
ートを水溶性ビニル系樹脂のモノマー成分として用いた
以外は実施例1と同様にして着色樹脂組成物を調製し
た。下記表6に、当該着色樹脂組成物の保存安定性試験
と、着色樹脂組成物を230℃30分間の熱処理して作
製した着色部の耐水性、耐アルカリ性試験の結果を示
す。尚、評価は実施例2〜5と同様に行った。また、保
存安定性試験において、「×」は試験前後で分子量変化
が2倍以上、耐水性、耐アルカリ性の評価において、
「△」はΔE*abが10以上50以下であることをそ
れぞれ示している。
【0082】
【表6】
【0083】上記のように、水溶性ビニル系樹脂に含ま
れるイソシアネート基がブロック化されていない場合に
架橋剤を含んでいると、着色樹脂組成物の保存安定性が
極めて悪く、耐水性、耐アルカリ性の点でも十分な効果
が現れないことがわかった。
【0084】(比較例2)本比較例では、実施例6で用
いた架橋剤を含まない水溶性ビニル系樹脂を用い、架橋
剤を用いずに下記の組成の着色樹脂組成物を調製した。
【0085】〔着色樹脂組成物〕 ・水溶性ビニル系樹脂 10重量部 ・染料(実施例1と同じ) 10重量部 ・水 80重量部
【0086】下記表7に、本例の着色樹脂組成物の保存
安定性試験と、230℃、30分間の熱処理で形成した
着色部の耐水性、耐アルカリ性試験の結果を示す。尚、
評価は実施例2〜5と同様に行った。尚、耐水性、耐ア
ルカリ性の評価において、「×」はΔE*abが50以
上のものを表している。
【0087】
【表7】
【0088】上記のように、水溶性ビニル系樹脂にブロ
ック化イソシアネート基を含んでいても、架橋剤を含ん
でいないために耐水性、耐アルカリ性の点で十分な効果
が現れないことがわかった。
【0089】
【発明の効果】本発明の着色樹脂組成物は、架橋剤を含
有しながらも長期にわたり保存安定性が高く、水溶性樹
脂を用いながらも熱処理により形成される着色部は耐水
性、耐アルカリ性に優れており、よって、本発明の着色
樹脂組成物によりカラーフィルタを作製すると、耐水
性、耐アルカリ性に優れた特性を有したカラーフィルタ
を得ることができる。
【0090】また、本発明の着色樹脂組成物は上記した
ように保存安定性が良く、インクジェットヘッドからの
吐出性にも優れるため、インクジェット方式により、生
産性高く製造することが可能になる。
【0091】よって、本発明によれば、耐水性、耐アル
カリ性に優れたカラーフィルタを、短い工程で効率よく
着色樹脂組成物を用いて製造することができ、該カラー
フィルタを用いて、信頼性の高いカラー表示特性に優れ
た液晶素子をより安価に提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカラーフィルタの製造方法の一実施形
態の工程図である。
【図2】本発明の液晶素子の一実施形態の断面模式図で
ある。
【符号の説明】
1 透明基板 2 ブラックマトリクス 3 インク 4 着色部 5 保護層 10 共通電極 11 対向基板 12 画素電極 13、14 配向膜 15 液晶
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 5/20 101 G02B 5/20 101 5/22 5/22 G02F 1/1335 505 G02F 1/1335 505 G03F 7/038 G03F 7/038 Fターム(参考) 2H025 AB13 CB41 CC17 FA00 2H048 BA02 BA57 BA64 BB02 BB32 BB42 CA04 CA14 CA19 CA26 2H091 FA02Y FA35Y FB02 GA01 LA30 4J002 BG041 BH021 CH002 CM012 DE027 FD096 FD142 GH01 HA01 4J100 AJ02Q AJ09Q AL08P BA03P BA34P BA35P BC43P BC73P CA03 DA28 DA36 EA01 JA07

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも水溶性ビニル系樹脂と架橋剤
    と着色材と水とを含有する着色樹脂組成物であって、上
    記水溶性ビニル系樹脂が、少なくとも下記一般式(I)
    で示されるブロックイソシアネート基含有ビニル系単量
    体と、他のビニル系単量体とからなる共重合体であるこ
    とを特徴とする着色樹脂組成物。 【化1】 〔上記式中、R1は、HまたはCH3を示し、R2はイソ
    シアネート基をブロック可能な任意の官能基である。〕
  2. 【請求項2】 前記架橋剤が、ヒドロキシル基含有水溶
    性樹脂またはアミノ基含有水溶性樹脂である請求項1記
    載の着色樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記架橋剤が、ポリアミン化合物または
    ポリオール化合物である請求項1記載の着色樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】 前記水溶性ビニル系樹脂を構成する他の
    ビニル系単量体がカルボキシル基含有ビニル系単量体を
    含む請求項1乃至3のいずれかに記載の着色樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】 少なくとも水溶性ビニル系樹脂と着色材
    と水とを含有する着色樹脂組成物であって、上記水溶性
    ビニル系樹脂が、少なくとも下記一般式(I)で示され
    るブロックイソシアネート基含有ビニル系単量体と、架
    橋剤を含む他のビニル系単量体とからなる共重合体であ
    ることを特徴とする着色樹脂組成物。 【化2】 〔上記式中、R1は、HまたはCH3を示し、R2はイソ
    シアネート基をブロック可能な任意の官能基である。〕
  6. 【請求項6】 前記架橋剤が、ヒドロキシル基含有ビニ
    ル系単量体またはアミノ基含有ビニル系単量体である請
    求項5記載の着色樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 前記水溶性ビニル系樹脂を構成する架橋
    剤以外の他のビニル系単量体がカルボキシル基含有ビニ
    ル系単量体を含む請求項5または6に記載の着色樹脂組
    成物。
  8. 【請求項8】 透明基板上に、請求項1乃至7のいずれ
    かに記載の着色樹脂組成物を熱硬化させてなる複数色の
    着色部を有することを特徴とするカラーフィルタ。
  9. 【請求項9】 透明基板上に、複数の開口部を有する隔
    壁層を形成し、該隔壁層の開口部に、請求項1〜7のい
    ずれかに記載の着色樹脂組成物をインクとしてインクジ
    ェット方式により付与し、該インクを熱硬化させて着色
    部を形成することを特徴とするカラーフィルタの製造方
    法。
  10. 【請求項10】 一対の基板間に液晶を挟持してなり、
    一方の基板が請求項8に記載のカラーフィルタを用いて
    構成されたことを特徴とする液晶素子。
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